JP4751939B2 - 車載カメラの校正装置 - Google Patents
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Description
車両に取り付けられた車載カメラにより、3次元の基準座標系の異なる複数箇所の所定位置に配置された校正指標を視界内に含んで撮影された撮影画像を取得する画像取得部と、
前記車載カメラが規定位置に規定の姿勢で取り付けられ、3次元のカメラ座標系と前記基準座標系とが理想的な関係を満たす際に、前記基準座標系に対して前記カメラ座標系を規定するカメラパラメータの初期値に基づいて前記カメラ座標系の射影面において特定される前記校正点の座標である初期座標が、前記車載カメラが前記カメラ座標系の3つの直交軸の各軸を中心としてそれぞれ所定角度回転した際に前記射影面において分布する範囲を校正点分布範囲として設定する校正点分布範囲設定部と、
前記校正点分布範囲に基づいて、前記射影面において前記校正指標が分布する範囲を校正指標分布範囲として設定する校正指標分布範囲設定部と、
前記射影面に相当する前記撮影画像において前記校正指標の中のそれぞれの校正点を検出する校正点検出部と、
前記撮影画像上で検出された前記校正点の座標が前記射影面上の実際の座標として特定される実座標と前記初期座標とに基づいて前記カメラパラメータを自動調整する調整部と、
前記校正指標分布範囲をグラフィック画像による領域枠として前記撮影画像に重畳させて表示部に表示させる表示制御部と、
を備える点にある。
前記車載カメラが規定位置に規定の姿勢で取り付けられた際の前記カメラパラメータの初期値が設定されている場合、
前記表示制御部が、前記調整部による前記自動調整の完了時の前記カメラパラメータと、前記カメラパラメータの初期値とが同一の値であるとき、前記校正点検出部により前記校正点が検出される際とは異なる表示形態で前記領域枠を表示させると好適である。
前記表示制御部が、前記調整部により前記自動調整が実行されている間、前記撮影画像に前記指示入力を与えるためのタッチボタンを重畳させ、
前記指示入力受付部が、前記タッチボタンへの操作があった際に、前記指示入力を受け付けると好適である。
車両に取り付けられた車載カメラの3次元のカメラ座標系と3次元の基準座標系との関係を特定することによって当該車載カメラを校正する車載カメラの校正装置であって、
前記車載カメラにより、前記基準座標系の異なる複数箇所の所定位置に配置された校正指標を視界内に含んで撮影された撮影画像を取得する画像取得部と、
前記カメラ座標系の射影面である前記撮影画像において前記校正指標の中のそれぞれの校正点を検出するための画像処理を実施する画像処理対象領域を設定する画像処理対象領域設定部と、
前記撮影画像の前記画像処理対象領域において前記校正指標の中のそれぞれの校正点を検出する校正点検出部と、
検出された前記校正点に基づいて、前記基準座標系に対して前記カメラ座標系を規定するカメラパラメータを自動調整する調整部と、
前記画像処理対象領域をグラフィック画像による領域枠として前記撮影画像に重畳させて表示部に表示させる表示制御部と、を備えて構成される。上述した本発明の概要、並びに本発明のさらなる特徴及び特性は、下記に示す添付図面を参照して以下に述べる詳細な説明より明らかになるであろう。
カメラ校正プログラムが起動されると、つまり、校正装置10によりカメラ校正が開始されると、まず、画像取得部11により、カメラ1により撮影された動画像がキャプチャされる。キャプチャされた画像は、画像処理モジュール2を介して、図8に示すようにモニタ装置4に表示される。
校正点特定部12は、キャプチャされた画像から、校正点Qを検出し、画像座標系における校正点Qの座標を実座標として設定する。校正点Qの検出に先立って、画像処理の対象となる領域が関心領域(ROI : region of interest)として射影面Πに設定される。つまり、校正点を検出するための画像処理が実施される画像処理対象領域が、関心領域ROIとして設定される。校正点特定部12は、画像処理領域設定部としても機能する。この関心領域ROIは、公差の平均値による画像上(射影面Π上)の位置を基準として、カメラ1の取り付け公差と画像処理のためのマージンを考慮して定められた位置とサイズに基づいて設定される。関心領域ROIは、例えば、経験上の一般的な公差やマージンに基づいて、大まかに設定することができる。撮影画像に対して関心領域ROIは狭いので、画像処理の演算負荷は軽減される。また、以下のように精度良く関心領域ROIを設定してもよい。
1つの好適な例としては、カメラ1が規定位置に規定の姿勢で取り付けられた際の回転パラメータに基づいて、校正点Qが存在する理論上の座標値が演算される。そして、カメラ1がカメラ座標系の各軸を中心としてそれぞれ所定角度回転した際に理論上の座標値が分布する範囲が校正点分布範囲となる。校正点分布範囲設定部121が、このようにして求められた校正点分布範囲を画像座標系に設定すると好適である。
次に、校正点分布範囲に基づいて、画像座標系においてマーカ80が分布する範囲が校正指標分布範囲として、校正指標分布範囲設定部122によって画像座標系に設定される。本実施形態においては、この校正指標分布範囲が、関心領域ROIに相当する。具体的には、図9に示すように、カメラ1の光軸が設計値通りの方向を向いている場合に対して、それぞれ±3度〜5度のずれが発生しても、マーカ80が必ず含まれるように、つまり、回転パラメータRの誤差を加味して関心領域ROIが設定される。また、この際、カメラの光学中心(カメラ座標系の原点)のずれ、つまり、並進パラメータTのずれも加味して関心領域ROIが設定されると好適である。校正指標分布範囲は、実質的に校正点を検出するための画像処理を実施する画像処理対象領域に対応する。従って、校正指標分布範囲設定部122は、画像処理対象領域設定部としても機能する。
次に、校正点特定部12は、関心領域ROIの範囲内を画像処理対象として、校正点Qの特定を行う。校正点Qを特定するために、校正点検出部123は、マーカ80の中心点である校正点Qの撮影画像上における座標を検出する。つまり、画像座標系における座標を検出する。この座標は、現実に車両90に設置されたカメラ1により撮影された画像に基づいて検出されるので、校正点Qの「実座標」に相当する。本実施形態のように、マーカ80として市松模様が使用される場合、公知のコーナ検出器を用いて校正点Qを検出することが可能である。
カメラ1が規定位置に規定の姿勢で完全に誤差なく取り付けられたと仮定した場合、つまり、理想的なカメラ座標系の射影面において、それぞれの校正点が特定される理論上の座標を「初期座標」とする。つまり、カメラ座標系とワールド座標系とが理想的な関係を満たす際に、ワールド座標系に対してカメラ座標系を規定するカメラパラメータの初期値により射影面において校正点が特定される座標が「初期座標」である。この「初期座標」と上記「実座標」とはカメラ1が完全に誤差無く取り付けられていない限り異なるものである。以下、カメラパラメータの外部パラメータの内の回転パラメータを、実際のカメラ1の取り付け姿勢に応じて求め、カメラパラメータを更新してカメラ1を構成する手順を詳述する。
第1のカメラ座標系は、ワールド座標系の原点OWを基準として純粋に並進した回転成分のない座標系である。図15に示すように光学中心OCからマーカ80の校正点Qを示す点P1、P2へのNベクトルを求める。尚、当然ながら第1行列演算工程では、カメラ1による撮影画像及び撮影画像から得られる各種情報は不要である。本工程は、図6に示す第1行列演算部13において実行されるが、カメラ1による撮影画像は用いない。
第2のカメラ座標系は、第1のカメラ座標系が光学中心OCを中心として回転した回転成分のある座標系である。第1行列演算工程とは異なり、カメラ1による撮影画像が用いられる。図16に示すように、床面上に配置された校正点Q(P1、P2)は、射影面Π上の点p1、p2に相当する。点p1、p2の射影面Π上での座標値は、既に説明したように、校正点特定部12において特定されている。従って、図6に示すように、本工程は校正点特定部12の結果を受けて第2行列演算部14において実行される。
第3行列演算部15は、上記のようにして得られた第1行列R1及び第2行列R2に基づいて、ワールド座標系におけるカメラ1の回転状態を示す回転行列Rを演算する。つまり、上述した式(1)と同様に下記に示す式(10)に従って回転行列Rを演算する。
カメラ1は、ピンホールカメラに代表される透視カメラモデル(perspective camera model)である。透視カメラモデルのカメラ行列は、カメラの内部パラメータ行列と、外部パラメータ行列とから構成される。内部パラメータ行列は、上述したように、焦点距離fなどのカメラ内部のパラメータ行列である。外部パラメータ行列は、並進行列T及び上記で求めた回転行列Rである。射影カメラモデル(projective camera model)は、透視カメラモデルのカメラ行列を一般化して表したものである。射影カメラモデルでは、上記で求めた回転行列Rが得られれば、3次元空間からの投影が可能である。しかし、透視カメラモデルでは、回転行列Rをさらに3次元直交座標の各軸の回転角パン・チルト・ロールに分解する必要がある。回転角演算部16は、以下に示す手順で各軸の回転角を演算する。
-90[deg] < チルト角θ < +90[deg] ・・・(17)
この拘束条件により、チルト角θのcosの値がゼロとなる場合を無視することができ、一意の回転角θ、φ、ψを求めることができる。まず、拘束条件より、「cosθ>O」なので、負の値を考慮することなく、式(14)は次式(18)となり、チルト角θが定まる。
以上、説明したようにカメラ1の外部パラメータとしての3次元直交座標の各軸に対する回転成分が求められた。外部パラメータの内の並進成分T(TX,TY,TZ)は、光軸中心OCの座標としてワールド座標系において既知である。また、内部パラメータはカメラ1の特性として既知である。従って、カメラパラメータ演算部17は、カメラ1のカメラパラメータ(投影パラメータ)の全てを整えることができる。この時点において、外部パラメータの1つである回転パラメータRは、まだ確定されたものではなく、仮の回転パラメータ(未確定回転パラメータ)である。従って、この仮の回転パラメータを含むカメラパラメータも、仮のカメラパラメータ(未確定カメラパラメータ)である。
カメラ1の仮のカメラパラメータが整うと、座標変換部18は、校正点Q(P1、P2)のワールド座標系の3次元座標値を2次元の射影面Π上の座標値に変換する。つまり、自動調整の完了時の仮のカメラパラメータ(未確定カメラパラメータ)を用いて求められた理論上の校正点の座標値が確認座標として演算される。
HMI制御部20の表示制御部201は、図17に示すように、画像処理モジュール2を介してモニタ装置4の表示部4aに、グラフィック画像としてマーカ枠H(確認マーカ)やタッチボタンを撮影画像に重畳表示させる。マーカ枠Hは、自動調整部30による調整、即ち回転パラメータの値が正しく計算されていた場合に、その枠内にマーカ80が表示される位置に設定されている。
上記、調整完了確認工程におけるタッチパネル4bへの操作は、仮カメラ調整値をカメラ調整値として確定させる確定指示入力である。指示入力受付部202を介して、この確定指示入力を受け取ったカメラパラメータ設定部19は、自動調整部30において演算された回転パラメータRを含む仮のカメラパラメータ(未確定カメラパラメータ)をカメラパラメータとして設定する。具体的には、図3に示すように、CPU5に接続されたパラメータメモリ7に記憶されるカメラパラメータが、CPU5によって書き換えられる。上述したように、パラメータメモリ7は、書き換え可能な不揮発性メモリや、バックアップ電源を有したその他のメモリによって構成されている。好適には、フラッシュメモリやE2PROMを用いるとよい。
調整完了確認工程において、図18に示すように、マーカ枠Hの中にマーカ80が入っていない場合には、作業者は、カメラ1の校正が完了していないと判断する。このとき、表示制御部201は、マーカ枠Hや十字型マーカJを上記とは異なる表示形態で表示させる。例えば、マーカ枠Hや十字型マーカJを点滅させたり、異なる表示色で表示させたりする。また、表示制御部201は、ROI枠Fを校正点検出部12により校正点が検出される際とは異なる表示形態で表示させる。上述したように、CPU5は、切れ目なく校正点特定工程から自動調整工程へと処理を続けていくので、作業者による確認のためのROI枠Fは、自動調整工程の間も継続して表示されると好適である。従って、ROI枠Fが継続して表示されていた場合には、表示制御部201は、ROI枠Fの表示形態を変化させる。例えば、ROI枠Fの表示色を緑色から赤色に変化させたり、点滅させたりすることによって、作業者に注意喚起する。連続して表示されていたROI枠Fの表示形態を変化させるので作業者に対する視認性が向上する。
マーカ枠Hにマーカ80が収まると、作業者は、タッチパネル4bの完了ボタンを操作する。タッチパネル4bへの操作は、HMI制御部20の指示入力受付部202を介して自動調整部30や手動調整部60、カメラ調整値設定部19へ伝達される。そして、手動調整完了後の仮のカメラパラメータがパラメータメモリ7に書き込まれる。校正装置10の全ての処理が完了し、モニタ装置4の表示部4aには、図7と同様に、例えば、ナビゲーションシステムの地図画面が表示される。
尚、表示制御部201は、上述した調整完了確認工程において、確認座標と実座標との差が所定の確定しきい値未満であっても、確認マーカ(マーカ枠Hや十字型マーカJ)や領域枠(ROI枠F)の表示形態を変化させることがある。表示制御部201は、自動調整完了時のカメラパラメータと、カメラパラメータの初期値とが同一の値であるとき、確定しきい値による判定結果に拘わらず、校正点検出部12により校正点が検出される際の関心領域ROIを示す領域枠Fとは異なる表示形態で領域枠Fを表示させる。また、表示制御部201は、確認マーカH(J)を異なる表示形態で表示させてもよい。
(1)上述した本実施形態では、作業者がモニタ装置4のシステム設定ボタン4hを操作して、表示部4aに設定画面を表示させ、タッチパネル4bの所定のタッチボタンを操作することで、校正装置10を起動させた。また、校正装置10は、基本的に自動調整を行い、確認工程において手動調整が必要な場合に作業者が手動で調整を実施した。しかし、生産工場や修理工場ごとに設備が異なる場合もあり、全ての生産工場や修理工場において自動調整が可能であるとは限らない。そこで、校正装置10の起動時においては、図20に示すように、自動調整と手動調整とが選択可能に構成されていると好適である。
4a:表示部
10:校正装置
11:画像取得部
12:校正点特定部
19:カメラパラメータ設定部
30:自動調整部(調整部)
80:マーカ80(校正指標)
90:車両
121:校正点分布範囲設定部
122:校正指標分布範囲設定部
123:校正点検出部
201:表示制御部
202:指示入力受付部
F:ROI枠(領域枠)
Q、Q1、Q2:校正点
Π:射影面
Claims (8)
- 車両に取り付けられた車載カメラにより、3次元の基準座標系の異なる複数箇所の所定位置に配置された校正指標を視界内に含んで撮影された撮影画像を取得する画像取得部と、
前記車載カメラが規定位置に規定の姿勢で取り付けられ、3次元のカメラ座標系と前記基準座標系とが理想的な関係を満たす際に、前記基準座標系に対して前記カメラ座標系を規定するカメラパラメータの初期値に基づいて前記カメラ座標系の射影面において特定される前記校正点の座標である初期座標が、前記車載カメラが前記カメラ座標系の3つの直交軸の各軸を中心としてそれぞれ所定角度回転した際に前記射影面において分布する範囲を校正点分布範囲として設定する校正点分布範囲設定部と、
前記校正点分布範囲に基づいて、前記射影面において前記校正指標が分布する範囲を校正指標分布範囲として設定する校正指標分布範囲設定部と、
前記射影面に相当する前記撮影画像において前記校正指標の中のそれぞれの校正点を検出する校正点検出部と、
前記撮影画像上で検出された前記校正点の座標が前記射影面上の実際の座標として特定される実座標と前記初期座標とに基づいて前記カメラパラメータを自動調整する調整部と、
前記校正指標分布範囲をグラフィック画像による領域枠として前記撮影画像に重畳させて表示部に表示させる表示制御部と、
を備える車載カメラの校正装置。 - 前記校正点検出部は、前記射影面に相当する前記撮影画像の前記校正指標分布範囲を対象範囲として前記校正指標の中のそれぞれの校正点を検出する請求項1に記載の車載カメラの校正装置。
- 前記調整部は、前記基準座標系に対して規定される前記カメラ座標系の回転を補正して前記カメラパラメータを調整する請求項1又は2に記載の車載カメラの校正装置。
- 前記車載カメラが規定位置に規定の姿勢で取り付けられた際の前記カメラパラメータの初期値が設定されており、
前記表示制御部は、前記調整部による前記自動調整の完了時の前記カメラパラメータと、前記カメラパラメータの初期値とが同一の値であるとき、前記校正点検出部により前記校正点が検出される際とは異なる表示形態で前記領域枠を表示させる請求項1〜3の何れか一項に記載の車載カメラの校正装置。 - 前記表示制御部は、前記調整部による前記自動調整の完了時の前記カメラパラメータを用いて求められた理論上の前記校正点である確認座標と前記実座標との差が所定の確定しきい値以上であるとき、前記校正点検出部により前記校正点が検出される際とは異なる表示形態で前記領域枠を表示させる請求項1〜4の何れか一項に記載の車載カメラの校正装置。
- 前記表示制御部は、前記調整部により前記自動調整が実行されている間、前記領域枠を前記撮影画像に重畳させる請求項1〜5の何れか一項に記載の車載カメラの校正装置。
- 前記調整部による前記自動調整を中止又は中断させるための指示入力を受け付ける指示入力受付部を備える請求項1〜6の何れか一項に記載の車載カメラの校正装置。
- 前記表示制御部は、前記調整部により前記自動調整が実行されている間、前記撮影画像に前記指示入力を与えるためのタッチボタンを重畳させ、
前記指示入力受付部は、前記タッチボタンへの操作があった際に、前記指示入力を受け付ける請求項7に記載の車載カメラの校正装置。
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