JP4207612B2 - 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、プログラム及びシステムに係り、特に、紙文書や電子情報の共有化を図った文書処理ネットワークシステム等に用いて好適な画像処理装置、画像処理方法、プログラム及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機にファクシミリ、スキャナ、プリンタ機能を統合した複合機が提案されている。これにより、複写機、ファクシミリなどを使った紙主体の事務処理と、パーソナルコンピュータ上で電子化された文書の処理とを、連携することができる。例えば、紙文書をスキャンしてパーソナルコンピュータに転送したり、ファクシミリで受信した文書をプリントせずにイメージデータのままパーソナルコンピュータに送信することができる。
【0003】
紙文書、ファクシミリ受信文書が電子化された後、多くの手続きや処理をも連携させ自動化するため、従来、予め複合機で設定すべき項目について所望の設定を記述したジョブテンプレートを用意しておき、そのジョブテンプレートを指定し、必要に応じて設定値を変更してから処理を行う技術が提案されている。
【0004】
例えば、従来の画像形成装置は、出力様式を設定するための出力設定データを複数保存し、選択された出力設定データに従った出力様式で画像形成して出力することができる(例えば、特許文献1参照)。また、少なくとも1つの画像読取装置を有し、画像読取装置から他の装置に読取画像を転送する画像読取システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
このような画像読取システムにおいて、画像読取装置は、ジョブテンプレートに記述された読み取り条件に従って画像を読み取り、読み取った画像ファイルを他の装置に送信することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−83263号公報(第5−7頁、図2、図5)
【特許文献2】
特開2000−270148号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、複合機において可能な処理は、その項目や振る舞いが多くの種類に跨るほど、ユーザの把握は困難であった。例えば、複合機において文書を電子化するのには、複合機内部で実行される処理に必要とする時間やハードウェア能力が要求される。このため、ユーザが単純な処理と予測した処理に、予想外の待ち時間や機械選択が要求される場合があった。また、複写などの処理を行う場合には、用紙などの消耗品が必要であり、十分な補給が要求される場合があった。
【0008】
本発明は、上記事実を考慮してなされたものであり、装置構成や処理内容に限定されずに柔軟に各種処理を遂行することができる画像処理装置、画像処理方法、プログラム及びシステムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の画像処理装置は、ネットワークを介して接続されたサービス処理装置を用いて、文書データに関して所定の処理を行うサービスをネットワーク上で連携して処理をするサービス処理システムに含まれる画像処理装置において、前記文書データに関して所定の処理を行う前記サービス処理装置のサービスをネットワーク上で連携させるために、サービス間の連携を記述することにより一連の処理を表した処理情報と、各サービスが行う処理の実行内容を規定する項目情報と、が記述された指示書によって、自機で実行可能な処理及び外部サービス処理装置により実行される処理を把握する解釈手段と、前記一連の処理を実行するために必要な実行資源を予測する予測手段と、前記解釈手段で把握した自機で実行可能な処理に対する利用可能な実行資源を検出する検出手段と、前記解釈手段で把握した外部サービス処理装置により実行される処理に対する利用可能な実行資源を問い合わせる問い合わせ手段と、備え、前記検出手段によって検出された前記利用可能な実行資源と、前記問い合わせ手段によって問い合わせた結果の前記利用可能な実行資源と、前記予測手段によって予測された前記必要な実行資源とを比較することによって、前記指示書に記述された一連の処理が実行可能かを判断する判断手段と、前記判断手段によって実行可能と判断された場合に、前記指示書に基づいて前記一連の処理を実行する実行手段と、を備えたことを特徴とする。
前記実行手段は、前記判断手段によって実行不可能と判断された場合に、予め定められた処理を実行することができる。
前記予め定められた処理は、前記一連の処理を中断する処理を採用できる。
前記予め定められた処理は、前記一連の処理を中断することをユーザに通知する処理を採用できる。
【0010】
本発明の画像処理装置は、文書データに関して所定の処理を行うサービスをネットワーク上で連携して処理をするサービス処理システムに含まれる画像処理装置に備えられたものである。ここで、文書データとは、文書に関連する情報であればよく、テキストデータ等の文字情報や紙文書を読み取った画像情報等、特に限定されるものではない。
【0011】
解釈手段は、指示書による実行可能な処理を解釈する。すなわち、指示書には、様々なサービスや処理を実行することが記述されており、各々において予め定めたサービス等を処理することを要求している。そこで、実行可能な処理を解釈手段によって解釈し、その解釈した実行可能処理の実行資源を算出する。この実行可能処理とは、指示書に記述されて連携したサービスを遂行するための一連の処理であり、実行資源とは各処理を実行するときに利用する資源である。この実行資源には消耗品の数量、ハードウェアモジュール、各種消費量、通信量、所用時間などがある。これにより、文書データに関して所定の処理を行うサービスをネットワーク上で連携して処理をするのに必要な資源を、実行する以前に把握することが可能となる。
【0013】
ネットワーク上で連携して処理する文書データに関するサービスに必要な資源を把握する場合、そのサービスが遂行可能な不可能かを把握することが好ましい。そこで、解釈した実行可能処理の実行資源を予測する。また、解釈した実行可能処理について実際に利用できる実行資源を検出する。これらの予測結果と検出結果とを比較して、実行資源を算出する。従って、比較結果による実行資源により、予測した実行資源と検出した実行資源との差異から、サービスを遂行できるか否かを判別することができる。予測した実行資源から検出した実行資源が下回るときは、これをユーザに報知することで、事前に資源不足を報知できる。また、検出した実行資源が複数ある場合、実行資源に応じて選択することをユーザ側へ報知することができる。また、予測した実行資源から検出した実行資源が上回るときは、これをユーザに報知することで、処理実行以前に終了予測や利用資源を報知できる。
【0018】
前記画像処理装置において実行される主要部分は、次の画像処理方法により達成される。詳細には、ネットワークを介して接続されたサービス処理装置を用いて、文書データに関して所定の処理を行うサービスをネットワーク上で連携して処理をするサービス処理システムにおける画像処理方法であって、前記文書データに関して所定の処理を行う前記サービス処理装置のサービスをネットワーク上で連携させるために、サービス間の連携を記述することにより一連の処理を表した処理情報と、各サービスが行う処理の実行内容を規定する項目情報と、が記述された指示書によって、自機で実行可能な処理及び外部サービス処理装置により実行される処理を把握し、前記一連の処理を実行するために必要な実行資源を予測し、前記自機で実行可能な処理に対する利用可能な実行資源を検出し、前記外部サービス処理装置により実行される処理に対する利用可能な実行資源を問い合わせ、検出された前記利用可能な実行資源と、前記問い合わせによって得られた前記利用可能な実行資源と、前記予測された前記必要な実行資源とを比較することによって、前記指示書に記述された一連の処理が実行可能かを判断し、前記判断によって実行可能と判断された場合に、前記指示書に基づいて前記一連の処理を実行することを特徴とする。
前記判断によって実行不可能と判断された場合には、予め定められた処理を実行することができる。前記予め定められた処理は、前記一連の処理を中断する処理を採用できる。また前記予め定められた処理は、前記一連の処理を中断することをユーザに通知する処理を採用できる。
【0022】
前記画像処理方法は、次のプログラムによって、コンピュータ上で容易に実行させることが可能である。詳細には、画像処理制御プログラムは、ネットワークを介して接続されたサービス処理装置を用いて、文書データに関して所定の処理を行うサービスをネットワーク上で連携して処理をするサービス処理システムに含まれるコンピュータに、前記文書データに関して所定の処理を行う前記サービス処理装置のサービスをネットワーク上で連携させるために、サービス間の連携を記述することにより一連の処理を表した処理情報と、各サービスが行う処理の実行内容を規定する項目情報と、が記述された指示書によって、自機で実行可能な処理及び外部サービス処理装置により実行される処理を把握する解釈工程と、前記一連の処理を実行するために必要な実行資源を予測する予測工程と、前記解釈工程で把握した自機で実行可能な処理に対する利用可能な実行資源を検出する検出工程と、前記解釈工程で把握した外部サービス処理装置により実行される処理に対する利用可能な実行資源を問い合わせる問い合わせ工程と、前記検出工程によって検出された前記利用可能な実行資源と、前記問い合わせ工程によって問い合わせた結果の前記利用可能な実行資源と、前記予測工程によって予測された前記必要な実行資源とを比較することによって、前記指示書に記述された一連の処理が実行可能かを判断する判断工程と、前記判断工程によって実行可能と判断された場合に、前記指示書に基づいて前記一連の処理を実行する実行工程と、を実行させる。
前記判断によって実行不可能と判断された場合には、予め定められた処理を実行することができる。前記予め定められた処理は、前記一連の処理を中断する処理を採用できる。また前記予め定められた処理は、前記一連の処理を中断することをユーザに通知する処理を採用できる。
【0023】
ネットワークを介して接続されたサービス処理装置を用いて、文書データに関して所定の処理を行うサービスをネットワーク上で連携して処理をするサービス処理システムに含まれる画像処理システムにおいて、前記文書データに関して所定の処理を行う前記サービス処理装置のサービスをネットワーク上で連携させるために、サービス間の連携を記述することにより一連の処理を表した処理情報と、各サービスが行う処理の実行内容を規定する項目情報と、が記述された指示書によって、実行可能な処理及び外部サービス処理装置により実行される処理を把握する解釈手段と、前記一連の処理を実行するために必要な実行資源を予測する予測手段と、前記解釈手段で把握した実行可能な処理に対する利用可能な実行資源を検出する検出手段と、前記解釈手段で把握した外部サービス処理装置により実行される処理に対する利用可能な実行資源を問い合わせる問い合わせ手段と、前記検出手段によって検出された前記利用可能な実行資源と、前記問い合わせ手段によって問い合わせた結果の前記利用可能な実行資源と、前記予測手段によって予測された前記必要な実行資源とを比較することによって、前記指示書に記述された一連の処理が実行可能かを判断する判断手段と、前記判断手段によって実行可能と判断された場合に、前記指示書に基づいて前記一連の処理を実行する実行手段と、を備えたことを特徴とする画像処理システム。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
(システム構成)
図1は、本発明の実施形態に係る文書処理システム1の構成を示すブロック図である。
【0026】
文書処理システム1は、様々なサービスやアプリケーションがネットワーク5を介して接続されたものである。ここで、サービスとは、外部からの要求に応じて文書に関する利用可能な機能をいう。サービスは、例えば、コピー、プリント、スキャン、ファクシミリ送受信、メール配信、レポジトリへの格納やレポジトリからの読込、OCR(Optical Character Recognition)処理、ノイズ除去処理等が該当し、特に限定されるものではない。
【0027】
文書処理システム1は、具体的は、複数のサービスを連携させてユーザの所望の処理を指示するユーザインタフェースを備えたクライアント端末10と、ユーザの所望のサービスを検索するサービス検索サーバ20と、クライアント端末10で指示されたサービス連携に関する情報から指示書を作成する指示書生成サーバ30と、指示書を管理する指示書管理サーバ40と、指示書に従って各サービスの連携処理を実行する連携処理サーバ50と、を備えている。
【0028】
さらに、文書処理システム1は、画像文書のノイズ除去処理や画像回転処理やOCR処理や画像をバインドする等の画像処理を行う画像処理装置61と、文書を管理する文書管理サーバ62と、文書を配信する文書配信サーバ63と、第1のサービス処理を行う第1のサービス処理装置64と、第2のサービス処理を行う第2のサービス処理装置65と、を備えている。
【0029】
なお、文書処理システム1は、本実施形態では所定のサービス処理を行う複数のサーバがネットワーク5を介して接続された構成となっているが、複数のサービスがネットワーク5を介して接続されていれば特に限定されるものではない。
【0030】
ここで、指示書とは、一連の処理を複数の機能的な処理に分解した場合において、各機能の関係を表す情報と、各機能を呼び出すためのインタフェース(I/F)情報と、一連の処理に関するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を構成するための情報と、を含んだデータをいう。
【0031】
図2は、文書処理システム1を構成する各サービス処理装置の相互関係を説明するためのブロック図である。各サービス処理装置は、自身が提供するサービスの内容を表すI/F情報を記憶している。
【0032】
図3は、/F情報の構成を示す図である。I/F情報は、<サービス種類(Service Class)>、<サービス名(Service Name)>、<サービス・アイコン(Service Icon)>、<サービスロケーション情報(Service Location Information)>、<入力(Input)>、<出力(Output)>、<パラメータ制限ルール(Parameter Restriction Rules)>、<サービス・ロケーション(Service Location)>、<メソッド名(Method Name)>、<起動方法(Invocation Scheme)>、<黙示要素(Inplicit Elements)>で構成されている。
【0033】
<サービス種類>は、サービス処理装置が提供するサービスの種類である。なお、<サービス種類>は、予め定義されているものが使用され、例えば、スキャン、プリント、レポジトリ、フロー等が該当する。<サービス名>は、サービス処理装置が提供するサービスの名前である。<サービス・アイコン>は、クライアント端末10のGUIに表示するアイコンの位置情報である。
【0034】
<サービスロケーション情報>は、指示書生成サーバ30がI/F情報を取得するために用いるURLである。<入力>は、サービスへの入力である。<出力>は、サービスへの出力である。<パラメータ制限ルール>は、<入力>や<出力>に適用される制限ルールである。<サービスロケーション>は、サービスを実際に使用するときの位置情報である。<メソッド名>は、サービス処理の提供手法である。
【0035】
<起動方法>は、サービス処理を呼び出し起動する方法である。なお、<起動方法>としては、例えばメッセージ交換のプロトコルであるSOAP(Simple Object Access Protocol)、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)等を用いることができる。<黙示要素>は、出力として明示的に後段の処理に渡されるデータでないが、後段の処理で参照可能なデータである。
【0036】
クライアント端末10は、指示書の作成を指示したり、起動すべき指示書を選択するために、画面表示したり所定の操作を行うためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の機能を備えている。
【0037】
サービス検索サーバ20は、ネットワーク5に接続された複数のサービスの中から、検索条件に対応するサービスを検索する。サービス検索サーバ20は、画像処理装置61、文書管理サーバ62、文書配信サーバ63、第1のサービス処理装置64、第2のサービス処理装置65等の様々なサービス処理装置のI/F情報の一部(以下「部分I/F情報」という。)を予め記憶している。ここで、部分I/F情報は、I/F情報の要素中の<サービス種類>、<サービス名>、<サービスロケーション情報>、<入力>、<出力>をいう。
【0038】
サービス検索サーバ20は、指示書生成サーバ30や連携処理サーバ50から検索条件が送信されたときは、各サービス処理装置の部分I/F情報を用いてサービスを検索する。例えば、サービス検索サーバ20は、所定のサービスと同様のサービスを検索するときは、<サービス種類>が一致するサービスを検索したり、<入力>及び<出力>が一致するサービスを検索したり、これらすべてが一致するサービスを検索すればよい。
【0039】
指示書生成サーバ30は、指示書作成時には各サービス処理装置からI/F情報を取得して、各サービス処理装置が提供するサービスを連携させるための指示書を生成する。指示書生成サーバ30は、指示書を作成すべく、具体的には次の処理を実行する。
【0040】
指示書生成サーバ30は、<サービスロケーション情報>に基づいて、ネットワーク5上に分散した所定のサービス処理装置から、各サービスに関するI/F情報を送信するように要求する。なお、指示書生成サーバ30は、所定のサービス処理装置がない場合は、サービス検索サーバ20に対して、所定のサービス処理装置と同一のサービスを行う他のサービス処理装置を検索するように指示を出す。そして、指示書生成サーバ30は、サービス検索サーバ20から、他のサービス処理装置の<サービスロケーション情報>を取得すればよい。
【0041】
指示書生成サーバ30は、サービス検索サーバ20からの検索結果や各サービス処理装置から受信したI/F情報を管理する。指示書生成サーバ30は、各サービス処理装置から取得したI/F情報に基づいて、ジョブフローを定義するためのGUI画面となるHTMLファイルを生成する。そして、指示書生成サーバ30は、クライアント端末10からのサービスの閲覧要求があると、GUI画面となるHTMLファイルを前記クライアント端末10へ送信する。
【0042】
図4は、ジョブフローを定義するためのGUI画面である指示書作成画面100を示す図である。指示書作成画面100は、サービスウインドウ101、フローウインドウ102、ロジックウインドウ103、プロパティーウインドウ104で構成されている。
【0043】
サービスウインドウ101は、使用可能な様々なサービス処理装置を表示する。ロジックウインドウ103は、サービス間の連携のパターンを示すジョブフローを表示する。プロパティーウインドウ104は、サービスウインドウ101とロジックウインドウ103に表示された各アイコンの詳細な設定パラメータを表示する。
【0044】
ユーザは、サービスウインドウ101のアイコンとロジックウインドウ103のアイコンをフローウインドウ102にドラッグ・アンド・ドロップすることで、フローウインドウ102にジョブフローを定義することができる。ユーザは、さらに、プロパティーウインドウ104に表示された内容を編集することによって、サービスやロジックを詳細に設定することができる。
【0045】
クライアント端末10は、ユーザの操作によって定義されたジョブフロー情報を、CGI(Common Gateway Interface)形式に従って指示書生成サーバ30に送信する。
【0046】
指示書生成サーバ30は、ユーザからのサービス連携の指示に関するジョブフロー情報と、各サービスのI/F情報とに基づいて、各サービスへ依頼する処理の内容、入力パラメータ、各サービスの連携の仕方(ジョブフロー)、文書名や格納ロケーション情報等の処理対象の文書を特定するための情報を定義した指示書を作成する。指示書は、XML形式のファイルで構成されている。
【0047】
図5は、XML形式で構成された指示書を示す図である。複数のサービスの連携処理自体も1つのサービスとみなされるので、指示書は、図3に示したI/F情報に加えて<フロー(Flow)>を追加した構成になっている。
【0048】
<フロー>は、サービス間の連携を記述する要素であり、<起動(Invoke)>、制御構造や論理演算、算出演算をするための<if>等の要素、さらに処理対象の文書を特定するための情報を含んでいる。
【0049】
<起動>は、サービス処理装置の特定のメソッドを表し、サービスの呼び出しを実行する。<起動>の要素として、パラメータの位置情報を示す<マップ>と、呼び出すメソッド名<メソッド>を有している。制御構造や論理演算等を示す<if>、<and>、<eq>、<gt>は、連携処理時に条件分岐を行ったり、サービス間で受け渡されるパラメータの調整を実施する。
【0050】
指示書は、サービスの連携処理の制御に関するすべての情報を<フロー>の要素に記述している。これにより、指示書によって表される連携処理自体も1つのサービスとみなされる。なお、指示書は、図5に示す構成に限定されるものではなく、各サービスを連携させることができればよい。
【0051】
指示書生成サーバ30は、以上のようなXML形式の指示書を指示書管理サーバ40に送信する。また、指示書生成サーバ30は、ユーザによりサービス連携処理の実行が指示されている場合は、指示書を直接連携処理サーバ50に送信してもよい。
【0052】
指示書管理サーバ40は、指示書生成サーバ30から送信された指示書を保持し、クライアント端末10からの要求に応じて指示書を連携処理サーバ50へ送信する。
【0053】
連携処理サーバ50は、指定された指示書を解釈・実行するサーバである。連携処理サーバ50は、指示書が送信されると、その指示書を解釈し、指示書に記述されている順番と利用方法に従い、画像処理装置61、文書管理サーバ62、文書配信サーバ63などの各サービス処理装置を順に呼び出し、連携処理を実行する。また、連携処理サーバ50は、実行中の連携処理の状況や終了した連携処理の結果の情報を保存し、外部からの要求に応じて、連携処理の状況や結果を通知する。
【0054】
連携処理サーバ50は、指示書を解釈して各サービス処理装置へ依頼する際には、処理依頼内容や入力パラメータ、処理対象の文書を特定するための情報等を有する個別指示情報を生成する。なお、連携処理サーバ50は、各サービス処理装置で行う処理の前後の処理との関連を指示書に記述してもよいし、指示書の形式ではなく各サービス処理装置毎の固有の情報交換形式で処理依頼を行うようにしてもよい。
【0055】
画像処理装置61は、画像処理機能を行うソフトウェアプログラムがインストールされたコンピュータである。画像処理装置61は、連携処理サーバ50からの処理要求依頼に含まれるサービス処理依頼内容、入力パラメータ、処理対象文書の情報に基づいて、文書の処理を行う。また、画像処理装置61は、起動時にサービス検索サーバ20に対して、部分I/F情報を通知する。さらに、画像処理装置61は、指示書生成サーバ30からの要求により、画像処理サービスの利用方法を示すI/F情報を送信する。このI/F情報は、指示書作成時に利用される。
【0056】
文書管理サーバ62は、文書格納機能を有している。文書管理サーバ62は、連携処理サーバ50からの要求に含まれる情報に基づき、文書の格納や検索や読み出し、文書に関する属性の変更や各種処理を実行する。また、文書管理サーバ62は、起動時にサービス検索サーバ20に対して、部分I/F情報を通知する。さらに、文書管理サーバ62は、指示書生成サーバ30からの要求により文書管理サービスの利用方法を示すI/F情報を送信する。
【0057】
文書配信サーバ63は、取得した文書を、指示された文書管理サーバへ格納したり、指示された送信先へメール送信やFAX送信を行ったり、指示されたプリンタへプリント出力処理を行う機能を備えている。文書配信サーバ63は、連携処理サーバ50からの要求により、クライアント端末10で指示された文書とその配信先の情報に基づき、文書の配信処理を行う。また、文書配信サーバ63は、起動時に、サービス検索サーバ20に対して、部分I/F情報を通知する。さらに、文書配信サーバ63は、指示書生成サーバ30からの要求により文書配信処理サービスの利用方法を示すI/F情報を送信する。
【0058】
第1のサービス処理装置64は、外部からの指示に従って文書に関する所定のサービス処理を行う装置である。ここで、第1のサービス処理装置64は、連携処理サーバ50からの処理依頼内容や入力パラメータ、処理対象の文書を特定するための情報等の情報に基づき、自身で実行すべきサービス処理を実行する。また、第1のサービス処理装置64は、起動時に、サービス検索サーバ20に対して、部分I/F情報を通知する。さらに、第1のサービス処理装置64は、指示書生成サーバ30からの要求によりサービス処理の利用方法を示すI/F情報を送信する。なお、第2のサービス処理装置65は、サービス処理の内容を除いて、第1のサービス処理装置64と同様に動作する。
【0059】
以上のように構成された文書処理システム1において、画像処理装置61、文書管理サーバ62、文書配信サーバ63等の各サービス処理装置は、それぞれ所定のサービスを実行するためのアプリケーションプログラムがインストールされると、以下のように動作する。
【0060】
画像処理装置61、文書管理サーバ62、文書配信サーバ63等のサービス処理装置は、起動処理において、それぞれのサービス概要とアドレスを示す情報を含んだ部分I/F情報をサービス検索サーバ20に通知する。
【0061】
サービス検索サーバ20は、画像処理装置61、文書管理サーバ62、文書配信サーバ63等の各サービス処理装置から送信された部分I/F情報を保存する。これにより、サービス検索サーバ20は、例えば指示書生成サーバ30や連携処理サーバ50から所定のサービス検索要求があったときに、部分I/F情報を用いて検索を実行することができる。
【0062】
(指示書の作成)
図6は、指示書作成時のクライアント端末10及び指示書生成サーバ30の処理手順を示すフローチャートである。
【0063】
クライアント端末10は、ユーザの操作に従って、インストールされたブラウザを通して、指示書生成サーバ30が提供するユーザインタフェース画面用に生成されたHTMLファイルのURL(Uniform Resource Locator)にアクセスする(ステップST1)。
【0064】
指示書生成サーバ30は、クライアント端末10からの閲覧要求に応じて、ユーザインタフェース画面のHTMLファイルをクライアント端末10に送信する(ステップST2)。
【0065】
クライアント端末10は、指示書生成サーバ30から送信されたHTMLファイルに基づいて、ユーザインタフェース画面を表示する(ステップST3)。このとき、ユーザは、クライアント端末10に表示されたユーザインタフェース画面を用いて、所望のサービス連携のジョブフローを定義することができる。
【0066】
クライアント端末10は、ユーザインタフェース画面を介してジョブフローが定義されたか否かを判定し、ジョブフローが定義されるまで待機する(ステップST4)。クライアント端末10は、ジョブフローが作成されたと判定すると、ユーザによって定義されたサービス連携に関するジョブフロー情報を指示書生成サーバ30に送信する。
【0067】
指示書生成サーバ30は、クライアント端末10より送信されたサービス連携のジョブフローに関する情報と、各サービス処理装置から取得したI/F情報とに基づいて、各サービスへ依頼する処理の内容、入力パラメータ、各サービスの連携の仕方、文書名や格納ロケーション情報等の処理対象の文書を特定するための情報を定義した指示書を作成する(ステップST5)。そして、指示書生成サーバ30は、XML形式の指示書を指示書管理サーバ40に送信する。
【0068】
指示書管理サーバ40は、指示書生成サーバ30で生成された指示書を保存する。指示書管理サーバ40は、指示書生成サーバ30で作成された複数の指示書を保存しており、クライアント端末10から指示書の選択指示があった時は選択された指示書を読み出す。
【0069】
(連携処理の起動・実行)
ユーザは、指示書管理サーバ40に保存されている複数の指示書の中から所望の指示書を選択して、連携処理を起動させることができる。具体的には、以下の通りである。
【0070】
図7は、クライアント端末10、指示書管理サーバ40及び連携処理サーバ50の処理を示すフローチャートである。
【0071】
クライアント端末10は、指示書管理サーバ40へアクセスし、指示書管理サーバ40で管理される指示書リストを取得する(ステップST11)。
【0072】
図8は、指示書リストを表すサービス連携処理選択画面110の一例を示す図である。サービス連携処理選択画面110は、指示書毎に指示書を選択するためのボタン111〜116を有している。ユーザは、サービス連携処理選択画面110から所望のボタンをクリックすることで、指示書を選択することができる。
【0073】
クライアント端末10は、サービス連携処理選択画面110から、ユーザの操作指示に基づいて、所定のサービス連携処理を表す指示書を選択し、その指示書の起動を指示する。
【0074】
指示書管理サーバ40は、クライアント端末10によって指示された指示書を連携処理サーバ50へ送信する(ステップST12)。この結果、連携処理サーバ50は、連携処理の実行を開始する。
【0075】
連携処理サーバ50は、指示書管理サーバ40より送信された指示書を解釈し、指示書に記述された第1番目の処理である画像処理装置61に対して、第1のサービス処理を実行することを依頼する(ステップST13)。連携処理サーバ50は、具体的には、指示書に記載された情報をもとに、処理依頼するサービス処理装置のロケーションや処理依頼に必要な入力パラメータと出力パラメータ形式、処理依頼のためのメソッド名、起動方法、処理対象文書を特定する情報を抽出し、個別指示情報を作成する。連携処理サーバ50は、個別指示情報を第1の処理依頼先である画像処理装置61へ送信する。
【0076】
画像処理装置61は、送信された指示書に記述された処理対象文書の格納先ロケーション情報をもとに、処理対象文書をコピーし文書を取得する。画像処理装置61は、取得した文書画像に対し、サービス処理依頼内容を解釈し、ノイズ除去、OCR処理といった画像処理を行い、抽出されたテキスト文書とバインドする処理を行う。画像処理装置61は、画像処理によって得られた画像文書とテキスト文書がバインドされた文書を元の格納先へ再格納する。画像処理装置61は、このような処理が完了すると、処理のステータス情報(完了)、出力パラメータ、処理後の文書格納先情報など、処理結果を連携処理サーバ50へ送信する。
【0077】
連携処理サーバ50は、画像処理装置61からの処理結果を受信すると、第1の処理依頼結果をログとして管理する。そして、連携処理サーバ50は、指示書に基づき第2の処理依頼先を特定し、第2のサービス処理を実行することを文書管理サーバ62に依頼する(ステップST14)。連携処理サーバ50は、第1のサービス処理依頼と同様に、個別指示情報(処理依頼に関する情報である文書を格納する旨の情報、文書の格納先の情報、処理対象文書を特定する情報)を文書管理サーバ62へ送信する。
【0078】
文書管理サーバ62は、連携処理サーバ50の依頼内容に基づき、前の処理(第1のサービス処理)で処理され格納された文書を、依頼内容に記述された格納先情報に基づき格納処理を行う。文書管理サーバ62は、このような処理が完了すると、処理のステータス情報(完了)、出力パラメータ、処理後の文書格納先情報など、処理結果を連携処理サーバ50へ送信する。
【0079】
連携処理サーバ50は、第2のサービス処理(文書格納処理)からの処理結果を受信すると、第2の処理依頼結果をログとして管理する。連携処理サーバ50は、指示書に基づき第3の処理依頼先を特定し、第3のサービス処理を実行することを文書配信サーバ63に依頼する(ステップST15)。連携処理サーバ50は、第2のサービス処理依頼と同様に、個別指示情報(処理依頼に関する情報である文書を格納する旨の情報、文書の格納先の情報、処理対象文書を特定する情報)を文書配信サーバ63へ送信する。
【0080】
文書配信サーバ63は、連携処理サーバ50の依頼内容に基づき、前の処理(第2のサービス処理)で処理され格納された文書を、文書を特定する情報(格納先情報)に基づき文書ファイルを読み出し、依頼内容に記述された処理を行う。ここでは、文書配信サーバ63は、テキスト文書と画像文書がバインドされた文書のうち、テキスト文書のみを配信先として指定されたメールアドレスへメール送信し、画像文書のみを指定されたFAX番号へFAX送信を行う。文書配信サーバ63は、処理が完了すると、処理のステータス情報(完了)、出力パラメータ、処理後の文書格納先情報など、処理結果を連携処理サーバ50へ送信する。
【0081】
この処理において、文書配信サーバ63は、例えばFAX送信処理において相手先が話し中でありかつ所定回数リトライを行っても相手先と接続できなかった場合、ステータス情報として「メール送信:完了、FAX送信:未送信」を連携処理サーバ50に送信する。
【0082】
連携処理サーバ50は、第3のサービス処理からの処理結果を受信し、指示書には次の処理が記述されていないと判断すると、クライアント端末10に対してすべての処理が完了した旨の通知を行い、連携処理を終了する(ステップST16)。
【0083】
なお、本実施形態において、サービス検索サーバ20は、各サービス処理装置からI/F情報の一部(部分I/F情報)を取得していたが、I/F情報の全部を取得するようにしてもよい。
【0084】
(実行資源把握のための構成)
上述のように、文書処理システム1では、様々なサービスやアプリケーションが実行可能なようにネットワーク5を介して各種装置が接続されている。ここで、本実施の形態では、様々なサービスを実行する場合に利用する資源を提示することについて、さらに詳細に説明する。
【0085】
図9は、利用する資源を提示することが可能な画像処理装置61の概略構成を示すブロック図である。本実施の形態では、画像処理装置61は、画像の複写や印刷などの複合機として機能する各種画像処理のための機構部200を備えている。機構部200には、印刷機構部202,複写機構部204,スキャン機構部206,及びファクシミリ機後部208が含まれている。
【0086】
上記機構部200には、機構部200には、印刷機構部202,複写機構部204,スキャン機構部206,及びファクシミリ機後部208の各機構部で利用される資源を検出する資源サンサ224が備えられている。印刷機構部202及び複写機構部204の資源サンサ224の一例には、トナー残量、用紙残量、用紙種類、色数、解像度、入出力プロトコル、出力時間などを検出するセンサがある。また、スキャン機構部206の資源サンサ224の一例には、色数、解像度、スキャンプロトコル、スキャン時間などを検出するセンサがある。またファクシミリ機後部208の資源サンサ224の一例には、色数、解像度、通信プロトコル、通信時間(ボーレート)などを検出するセンサがある。
【0087】
また、画像処理装置61は、上記機構部200を制御する処理実行部214を備えている。処理実行部214は、画像処理装置61の各種処理を制御するための処理制御部236に接続されている。これらの処理実行部214及び処理制御部236を含む構成は、上記クライアント端末10として機能する各種機能部を含んで構成されている。処理制御部236には、GUI機能を有するLCDなどの表示装置220が接続されると共に、外部に対して指示書を入出力したり各種問い合わせをしたりする問合せ部230が接続されている。
【0088】
また、処理制御部236は、判定部234の出力側に接続されている。この判定部234は、指示書で必要な実行資源について比較するためのものであり、その入力側は、処理資源検出部228と処理資源推定部232に接続されている。この処理資源推定部232には、外部から入力される指示書の内容を解釈する指示書解釈部210、及びその指示書の利用権限を確認するための権限確認部226を介して指示書が入力されるように接続されている。
【0089】
また、処理資源検出部228も同様に、処理資源推定部232及び権限確認部226を介して指示書が入力されるように接続されている。これらの処理資源推定部232及び処理制御部236の各々は、問合せ部230にも接続されている。
【0090】
(実行資源予測の概要)
図10は、上記構成による画像処理装置61において指示書により実行可能なサービスについて、実行資源を予測するときにおける処理概要の流れを示すフローチャートである。
【0091】
まず、画像処理装置61では、ステップ300において指示書を入手する。この処理では、上述のように、サービス連携処理選択画面110からボタン(図8のボタンの何れか)を押圧することで指示書管理サーバ40から指示書が呼び出される。この場合、上記表示装置220、処理実行部214や処理制御部236等(図9)の資源が利用される。この指示書には、文書データの格納先(格納先ロケーション情報)や外部サービスを呼び出すためのデータ(部分I/F情報)が含まれている。
【0092】
次のステップ302では、入手した指示書を解釈する。すなわち、指示書に含まれる個別指示情報を参照し、自身(画像処理装置61)で処理可能なサービスとそれ以外のサービスとを分類する。このステップ302の処理は、上記指示書解釈部210(図9)の機能部分に相当する。
【0093】
次のステップ304では、自身(画像処理装置61)で処理可能なサービス及び外部サービスを把握する。この把握処理は、該当するサービス(例えば印刷処理や電子データ送信などのサービス)を特定する処理である。この処理は、指示書解釈部210(図9)の一部の機能に相当する。
【0094】
次に、ステップ306において、指示書に記述されたサービスについて、利用権限を確認する。この処理は、権限確認部226(図9)の一部の機能に相当する。この利用権限は、指示書に含まれるサービスや処理毎に設定される場合や指示書全体に設定される場合がある。この場合、指示書に利用可能な権限の設定が予めなされている。
【0095】
なお、画像処理装置61を利用するときには、予め定めたユーザIDなどの入力による利用宣言がなされており、そのときにユーザ認証が完了しているものとする。このため、ステップ306では、そのユーザIDと指示書に記述された権限とを比較することで、利用権限の可否を判別することができる。
【0096】
また、この場合、問合せ部230を用いて、認証装置などに認証の許可を求めたり、承認装置などの他のサービス装置に権限確認を問い合わせるようにしても良い。
【0097】
このステップ306では、権限確認の結果から対応処理を行うことが好ましい。この対応処理としては、利用権限が可(許諾)されたサービスであるときはそのまま指示書に基づくサービス連携を継続するように処理を継続させることがある。一方、利用権限が否(権限無し)のサービスであるときは、そのサービス全体を中止したり、中断したり、該当サービスのみを中止したり、中断したり、することが好ましい。この場合、ユーザにGUIによる提示を行うことが好ましく、権限が譲渡されたときに、サービスへ復帰するようにすることが可能である。
【0098】
次のステップ308では、処理遂行のために必要な実行資源の予測処理が実行される。この処理は、処理資源推定部232(図9)の機能に相当する。ここでは、指示書に記述された画像処理装置61で処理可能なサービスの実行資源を予測する。例えば、文書データを印刷するサービスであるときは、印刷の所要時間、トナー使用量、用紙枚数、必要色数、必要解像度、必要な入出力プロトコルなどを予測する。
【0099】
次のステップ310では、指示書に記述されたサービスに外部サービスがあるか否かを判断し、肯定されたときはステップ312へ進み、連携処理サーバ50などに、そのサービス(外部サービス)についての標準的な実行資源を問い合わせる。
【0100】
ステップ310で否定されると、ステップ314へ進み、処理遂行のために必要な実行資源の予測結果を算出する。すなわち、ステップ308の予測結果とステップ312の問い合わせ結果との合計が予測実行資源となる。この予測実行資源を、次のステップ316において見積もりとして提示する。この提示処理は、表示装置220へ予測実行資源の値を表示することにより達成する。
【0101】
次のステップ318では、処理遂行のために必要な実際に利用可能な実行資源(以下、検出実行資源という)を検出する。この処理は、処理資源検出部228(図9)の機能に相当する。ここでは、指示書に記述された処理可能なサービスに利用される対象となる全ての実行資源を検出する。
【0102】
例えば、画像処理装置61において文書データを印刷するサービスであるときは、印刷の所要時間、トナー残量、用紙残枚数、装備されている出力可能な色数、装備されている出力可能な解像度、装備されている入出力プロトコル基板などを資源サンサ224の検出値から検出する。また、外部サービスの場合には、問合せ部230により外部へ問い合わせて、返答を得る。
【0103】
次のステップ320では、ステップ314で算出した予測実行資源とステップ318で検出した検出実行資源とを比較する。この比較は、同種類の項目、例えば時間やトナー量などの種類毎の合計値の差を求めることで実行可能である。検出実行資源から予測実行資源を減算した符号が正符号(+)であるときは、サービスが実行可能であり、符号が負符号(−)であるときは、サービスが実行不可能である。
【0104】
そこで、次のステップ322では、ステップ320の比較結果の符号を参照することで、処理が可能か否かを判断する。ステップ320の比較処理とステップ322の判断は、判定部234(図9)の機能に相当する。ステップ322で肯定されたときは、そのまま指示書に従ってサービスを実行して、本ルーチンを終了する。
【0105】
一方、ステップ322で否定されたときは、ステップ326へ進み、処理の継続が不可能であることに対する対応処理が実行された後に、本ルーチンを終了する。この対応処理には、処理を中断し、ユーザへ通知する処理がある。この場合、例えば、用紙残量不足などのときに、用紙補給の後、復帰するようにすることができる。また、利用権限が該当しないとき、権限者による一時的な利用権限の許諾などにより、復帰するようにしてもよい。
【0106】
このように、本実施の形態によれば、画像処理装置においてサービスの実行に必要な資源を見積もることができるので、サービス実行以前にサービスの遂行が可能または容易であるのかを事前に把握することが可能となる。
【0107】
また、サービスの実行に必要な資源についての予測実行資源と、実際に利用できる検出実行資源とを比較してその比較結果に対応する処理を実行できるので、サービス実行以前にサービスの完了が可能または不可能であるときの対象を容易に行うことが可能となる。
【0108】
さらに、サービス毎に権限の確認を行うことができるので、サービスを利用数ユーザ毎に柔軟かつ円滑に連携処理を遂行することができる。
【0109】
なお、上記実施の形態のステップ302の処理及び指示書解釈部210の機能は、本発明の解釈手段の機能に相当する。また、ステップ314、318の処理及び処理資源推定部232や処理資源検出部228の機能は、本発明の算出手段に相当する。
【0110】
また、ステップ308、314の処理及び処理資源推定部232は本発明の予測手段に相当する。ステップ318の処理及び処理資源検出部228は、本発明の検出手段の機能に相当する。また、ステップ320の処理及び判定部234における比較処理は、本発明の比較手段の機能に相当する。また、ステップ322乃至ステップ326の処理は、本発明の実行手段の機能に相当する。
【0111】
また、ステップ306の処理及び権限確認部226の機能は、本発明の確認手段に相当する。また、ステップ306において権限確認の結果から対応処理を行う機能は、本発明の遂行手段の機能に相当する。
【0112】
さらに、指示書を構成する、一連の処理を複数の機能的な処理に分解した場合において、各機能の関係を表す情報と、各機能を呼び出すためのインタフェース(I/F)情報と、一連の処理に関するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を構成するための情報と、などが本発明の項目情報に相当し、一連の処理を複数の機能的な処理に分解した場合における各機能の関係を表す情報や一連の処理そのものを表す情報が本発明の処理情報に相当する。
【0113】
上記実施の形態では、連携処理サーバ50を使用して複数のサービスの連携処理を実行する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、文書データを直列的に接続した各種装置について順次経由してゆくことでも上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0114】
この場合、それぞれの装置が指示書を解釈する解釈部を備えて、指示書による処理またはサービスを実行するようにすればよい。また、装置間のデータ送信は、指示書に併せて文書データを共に送信するようにすればよい。
【0115】
すなわち、各装置では、指示書に記述された処理対象文書の格納先ロケーション情報(自己のメモリまたは前段装置のメモリの位置など)をもとに、指示書によるサービス処理依頼内容を解釈することで、処理対象の文書データを取得し、取得した文書データに対して指示書に記述された自己の装置で処理可能な処理(サービス処理)を実行し、次段の装置へ指示書と文書データを送信する。このとき、自己の装置で処理したことを指示書に記述することで、次段以降の装置では処理済みの処理やサービスを実行することはない。
【0116】
このように、順次指示書と文書データを送信することによっても、連携処理は容易に実行することができる。
【0117】
また、上記実施の形態では、連携処理サーバ50を使用して複数のサービスの連携処理を実行したり、複数の装置を直列接続して連携処理する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、上記各種装置やサービスを1つの装置に機能として備えた複合装置へ適用したとしても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0118】
【発明の効果】
本発明によれば、文書データに関して所定の処理を行うサービスをネットワーク上で連携して処理をするのに必要な資源を、実行する以前に把握することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る文書処理システムの概念構成を示すブロック図である。
【図2】 文書処理システムを構成する各サービス処理装置の相互関係を説明するためのブロック図である。
【図3】 I/F情報の概略構成を示す概念図である。
【図4】 ジョブフローを定義するためのGUI画面である指示書作成画面100を示すイメージ図である。
【図5】 XML形式で構成された指示書を示すイメージ図である。
【図6】 指示書作成時のクライアント端末及び指示書生成サーバの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】 クライアント端末、指示書管理サーバ及び連携処理サーバの処理を示すフローチャートである。
【図8】 指示書リストを表すサービス連携処理選択画面の一例を示すイメージ図である。
【図9】 本発明の実施の形態にかかる画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図10】 本発明の実施の形態にかかる画像処理装置における処理概要の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…文書処理システム
61…画像処理装置
62…文書管理サーバ
200…機構部
210…指示書解釈部
214…処理実行部
220…表示装置
224…資源サンサ
226…権限確認部
228…処理資源検出部
230…問合せ部
232…処理資源推定部
234…判定部
236…処理制御部
Claims (7)
- ネットワークを介して接続されたサービス処理装置を用いて、文書データに関して所定の処理を行うサービスをネットワーク上で連携して処理をするサービス処理システムに含まれる画像処理装置において、
前記文書データに関して所定の処理を行う前記サービス処理装置のサービスをネットワーク上で連携させるために、サービス間の連携を記述することにより一連の処理を表した処理情報と、各サービスが行う処理の実行内容を規定する項目情報と、が記述された指示書によって、自機で実行可能な処理及び外部サービス処理装置により実行される処理を把握する解釈手段と、
前記一連の処理を実行するために必要な実行資源を予測する予測手段と、
前記解釈手段で把握した自機で実行可能な処理に対する利用可能な実行資源を検出する検出手段と、
前記解釈手段で把握した外部サービス処理装置により実行される処理に対する利用可能な実行資源を問い合わせる問い合わせ手段と、
を備え、
前記検出手段によって検出された前記利用可能な実行資源と、前記問い合わせ手段によって問い合わせた結果の前記利用可能な実行資源と、前記予測手段によって予測された前記必要な実行資源とを比較することによって、前記指示書に記述された一連の処理が実行可能かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって実行可能と判断された場合に、前記指示書に基づいて前記一連の処理を実行する実行手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 前記実行手段は、前記判断手段によって実行不可能と判断された場合に、予め定められた処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記予め定められた処理は、前記一連の処理を中断する処理であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記予め定められた処理は、前記一連の処理を中断することをユーザに通知する処理であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- ネットワークを介して接続されたサービス処理装置を用いて、文書データに関して所定の処理を行うサービスをネットワーク上で連携して処理をするサービス処理システムにおける画像処理方法であって、
前記文書データに関して所定の処理を行う前記サービス処理装置のサービスをネットワーク上で連携させるために、サービス間の連携を記述することにより一連の処理を表した処理情報と、各サービスが行う処理の実行内容を規定する項目情報と、が記述された指示書によって、自機で実行可能な処理及び外部サービス処理装置により実行される処理を把握し、
前記一連の処理を実行するために必要な実行資源を予測し、
前記自機で実行可能な処理に対する利用可能な実行資源を検出し、
前記外部サービス処理装置により実行される処理に対する利用可能な実行資源を問い合わせ、
前記検出された前記利用可能な実行資源と、問い合わせによって得られた前記利用可能な実行資源と、前記予測された前記必要な実行資源とを比較することによって、前記指示書に記述された一連の処理が実行可能かを判断し、
前記判断によって実行可能と判断された場合に、前記指示書に基づいて前記一連の処理を実行する
ことを特徴とする画像処理方法。 - ネットワークを介して接続されたサービス処理装置を用いて、文書データに関して所定の処理を行うサービスをネットワーク上で連携して処理をするサービス処理システムに含まれるコンピュータに、
前記文書データに関して所定の処理を行う前記サービス処理装置のサービスをネットワーク上で連携させるために、サービス間の連携を記述することにより一連の処理を表した処理情報と、各サービスが行う処理の実行内容を規定する項目情報と、が記述された指示書によって、自機で実行可能な処理及び外部サービス処理装置により実行される処理を把握する解釈工程と、
前記一連の処理を実行するために必要な実行資源を予測する予測工程と、
前記解釈工程で把握した自機で実行可能な処理に対する利用可能な実行資源を検出する検出工程と、
前記解釈工程で把握した外部サービス処理装置により実行される処理に対する利用可能な実行資源を問い合わせる問い合わせ工程と、
前記検出工程によって検出された前記利用可能な実行資源と、前記問い合わせ工程によって問い合わせた結果の前記利用可能な実行資源と、前記予測工程によって予測された前記必要な実行資源とを比較することによって、前記指示書に記述された一連の処理が実行可能かを判断する判断工程と、
前記判断工程によって実行可能と判断された場合に、前記指示書に基づいて前記一連の処理を実行する実行工程と、
を実行させる画像処理制御プログラム。 - ネットワークを介して接続されたサービス処理装置を用いて、文書データに関して所定の処理を行うサービスをネットワーク上で連携して処理をするサービス処理システムに含まれる画像処理システムにおいて、
前記文書データに関して所定の処理を行う前記サービス処理装置のサービスをネットワーク上で連携させるために、サービス間の連携を記述することにより一連の処理を表した処理情報と、各サービスが行う処理の実行内容を規定する項目情報と、が記述された指示書によって、実行可能な処理及び外部サービス処理装置により実行される処理を把握する解釈手段と、
前記一連の処理を実行するために必要な実行資源を予測する予測手段と、
前記解釈手段で把握した実行可能な処理に対する利用可能な実行資源を検出する検出手段と、
前記解釈手段で把握した外部サービス処理装置により実行される処理に対する利用可能な実行資源を問い合わせる問い合わせ手段と、
前記検出手段によって検出された前記利用可能な実行資源と、前記問い合わせ手段によって問い合わせた結果の前記利用可能な実行資源と、前記予測手段によって予測された前記必要な実行資源とを比較することによって、前記指示書に記述された一連の処理が実行可能かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって実行可能と判断された場合に、前記指示書に基づいて前記一連の処理を実行する実行手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理システム。
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