JP4207265B2 - 表示素子及び表示媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分散媒中で電界の印加に対して、所定の電極方向に移動する特性を有する帯電粒子を含むマイクロカプセルからなる表示素子、及び、可撓性シートに該マイクロカプセルの配列層が形成され、該配列層への制御用電界の印加により画像形成するようにした表示媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像や文字情報等を表示する方式としては、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)方式から、液晶(Liquid Crystal)方式、プラズマ発光方式、EL(エレクトロルミネセンス)方式等を利用して可視化する方式まで、多岐にわたるものが存在している。
【0003】
近年、半導体技術の急速な進歩による各種電子装置の小型化に伴い、ディスプレイデバイスに対しても、小型化、軽量化、低駆動電圧化、低消費電力化、薄型フラットパネル化等が求められている。
【0004】
上述した要請から、PDP(Plasma Display Panel)に代表される発光型や、LCD(Liquid Crystal Display)に代表される受光型等、非常に多くの種類のフラットパネル型電子ディスプレイデバイスが提案され、実用に供されている。これらの中でも低消費電力であるという点で、近年、特に反射型LCDの研究が盛んに行われている。
【0005】
反射型LCDのメリットとしては、小型化、軽量化、低駆動電圧化、低消費電力化、薄型フラットパネル化等が可能な点や、通常の光源下において印刷物と同様に、目になじみやすく、外光の影響のない表示品質を有する点等が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、反射型LCDでは、ゲスト−ホスト液晶にTFTパネルを組み合わせた構成としても、理論的には、反射率66%、コントラスト比5:1の画像しか得られない。
【0007】
これは反射率57%、コントラスト比5:1の新聞紙の画像に限りなく近い画質であり、カレンダーやレーザープリンタによる出力画像の持つ反射率80%、コントラスト比21:1の画質にはほど遠く、画像が見にくいという問題があった。また、LCDは、メモリー機能を有さないため、制御電界を遮断すると画像表示を維持することができず、画像表示をおこなう間、常に、表示面に外部から電界等の刺激を加え続けなくてはならず、使いにくく、経済的にも不利であるという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
これらの問題を解決するため、本発明者は、「低駆動電圧」「反射型方式における高反射率、高コントラスト」「制御電界遮断時のメモリ効果」に着目し、これらの機能を実現する表示機構を開発するために検討を行った結果、マイクロカプセル中において、顔料等の着色剤及び電荷調整剤等を含む帯電粒子を、電界の印加により所定の電極方向に移動させることにより、表示面への画像書き込みをおこなう画像表示方式が好都合であり、かつ、実現可能であることを見いだし、先に上記表示機構に関する出願を行った。その後、上記表示機構において使用する表示素子をより制御性に優れたものとすることを目的としてさらに検討を行った結果、帯電粒子に含有させる帯電性付与のための無機物質の等電点に注目して、帯電粒子と分散媒とを構成することにより、制御電界に対する表示素子の制御性が向上することを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載の表示素子は、二種以上の帯電粒子及びこれらの帯電粒子を分散させるための水系溶媒からなる分散媒が封入されたマイクロカプセルからなり、上記マイクロカプセル中の上記帯電粒子の分布状態を制御用電界の作用下で変えることにより、上記マイクロカプセルの所定領域の光学的反射特性に変化を与えて所要の表示動作を行わせるようにした表示素子であって、上記帯電粒子のうちの二種は、その表面領域に、それぞれ等電点がpHa及びpHbの無機物質を含有するものであり、かつ、上記水系溶媒からなる分散媒の水素イオン濃度(pHX)は、下記の式(1)を満足するものであることを特徴としている。
pHa<pHX<pHb・・・・・(1)
【0010】
上記請求項1記載の表示素子によれば、等電点のpHがa及びbの無機物質がそれぞれ別の帯電粒子に含有されており、分散媒の水素イオン濃度(pH)はXであり、X、a、bは上記(1)式を満足するので、等電点のpHがaの無機物質を含む帯電粒子は負に帯電し、等電点のpHがbの無機物質を含む帯電粒子は正に帯電し、しかも、各帯電粒子の帯電性が安定する。従って、上記マイクロカプセルの電界に対する応答性が向上し、制御電界に対する制御性がより良好になる。
【0011】
また、請求項2記載の表示素子は、二種以上の帯電粒子及びこれらの帯電粒子を分散させるための水系溶媒からなる分散媒が封入されたマイクロカプセルからなり、上記マイクロカプセル中の上記帯電粒子の分布状態を制御用電界の作用下で変えることにより、上記マイクロカプセルの所定領域の光学的反射特性に変化を与えて所要の表示動作を行わせるようにした表示素子であって、上記帯電粒子のうちの一種は、その表面領域に、等電点がpHcの無機物質を含有するものであり、上記帯電粒子のうちの他の一種は、その表面領域に、少なくとも一種の正帯電性の極性を示す官能基を有する化合物を含有するものであり、さらに、上記水系溶媒からなる分散媒の水素イオン濃度(pHY)は、下記の式(2)を満足するものであることを特徴としている。
pHc<pHY・・・・・(2)
【0012】
上記請求項2記載の表示機構によれば、等電点のpHがcの無機物質が一の帯電粒子に含有されており、他の帯電粒子は正帯電性の極性を示し、分散媒の水素イオン濃度(pH)はYであり、Y、cは上記(2)式を満足する。従って、等電点のpHがcの無機物質を含む帯電粒子は負に帯電し、他の帯電粒子は正に帯電し、しかも、帯電粒子の帯電性が安定する。従って、上記マイクロカプセルの電界に対する応答性が向上し、制御電界に対する制御性がより良好になる。
【0013】
また、請求項3記載の表示素子は、二種以上の帯電粒子及びこれらの帯電粒子を分散させるための水系溶媒からなる分散媒が封入されたマイクロカプセルからなり、上記マイクロカプセル中の上記帯電粒子の分布状態を制御用電界の作用下で変えることにより、上記マイクロカプセルの所定領域の光学的反射特性に変化を与えて所要の表示動作を行わせるようにした表示素子であって、上記帯電粒子のうちの一種は、その表面領域に、等電点がpHdの無機物質を含有するものであり、上記帯電粒子のうちの他の一種は、その表面領域に、少なくとも一種の負帯電性の極性を示す官能基を有する化合物を含有するものであり、さらに、上記水系溶媒からなる分散媒の水素イオン濃度(pHZ)は、下記の式(3)を満足するものであることを特徴としている。
pHZ<pHd・・・・・(3)
【0014】
上記請求項3記載の表示機構によれば、等電点のpHがdの無機物質が一の帯電粒子に含有されており、他の帯電粒子は負帯電性の極性を示し、分散媒の水素イオン濃度(pH)はZであり、Z、dは上記(3)式を満足する。従って、等電点のpHがdの無機物質を含む帯電粒子は正に帯電し、他の帯電粒子は負に帯電し、しかも、帯電粒子の帯電性が安定する。従って、上記マイクロカプセルの電界に対する応答性が向上し、制御電界に対する制御性がより良好になる。
【0015】
請求項4記載の表示媒体は、可撓性シートに、マイクロカプセルの配列層が形成され、上記配列層中のそれぞれのマイクロカプセルに制御用電界を印加することにより、所要の表示動作を行わせるようにした表示媒体であって、上記マイクロカプセルとして、上記請求項1、2又は3記載の表示素子が使用されていることを特徴としている。請求項4記載の表示媒体によれば、上記マイクロカプセルとして、上記請求項1、2又は3記載の表示素子が使用されているので、より制御性に優れた表示媒体を提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の表示素子及び表示媒体の実施の形態について図を参考にしながら説明する。本発明の表示素子は、二種以上の帯電粒子及びこれらの帯電粒子を分散させるための分散媒が封入されたマイクロカプセルからなり、上記マイクロカプセル中の上記帯電粒子の分布状態を制御用電界の作用下で変えることにより、上記マイクロカプセルの所定領域の光学的反射特性に変化を与えて所要の表示動作を行わせるようにした表示素子であって、上記帯電粒子のうちの二種は、その表面領域に、それぞれ等電点がpHa及びpHbの無機物質を含有するものであり、かつ、上記分散媒の水素イオン濃度(pHX)は、下記の式(1)を満足するものである。
pHa<pHX<pHb・・・・・(1)
【0017】
ここで、等電点とは、あるpHの溶媒中に無機物質を浸漬した際に、見かけ上、その無機物質の表面電位が0となるときのpHをいう。一般に、水素イオン濃度(pH)がXの分散媒中に、等電点のpHaがXより小さい無機物質を浸漬すると、その無機物質は負に帯電し、一方、等電点のpHbがXより大きい無機物質を浸漬すると、その無機物質は正に帯電する。
【0018】
例えば、無機物質が酸化珪素である場合、酸化珪素をあるpHの溶媒に浸漬した際、下記の式(4)〜(6)で表した平衡関係が成立する。すなわち、溶媒のpHが酸化珪素の等電点と同じである場合には、(5)式に示したように、酸化珪素の表面にはプロトンや水酸基が付着せず、そのため表面の電荷は0になる。一方、溶媒のpHが酸化珪素の等電点より酸性側にあると、平衡が(4)式側に移行し、末端のSiOHにはプロトンが付着するため、酸化珪素表面は正に帯電する。また、溶媒のpHが酸化珪素の等電点よりアルカリ側にあると、平衡が(6)式側に移行し、水酸基により末端のSiOHからプロトンが奪われるため、酸化珪素表面は負に帯電する。
【0019】
【化1】
【0020】
等電点は、例えば、酸化珪素では1.5〜3.7、α−三酸化二鉄では5.7〜6.9であり、無機物質の種類によって異なる。従って、無機物質として、酸化珪素及びα−三酸化二鉄を使用し、これらを表面領域に含有した帯電粒子を作製し、一方、分散媒のpHを4〜5付近に調整すると、帯電粒子に含有させる無機物質と分散媒のpHとの関係が上記(1)式を満足するようになり、酸化珪素を含有する帯電粒子が負に帯電し、α−三酸化二鉄を含有する帯電粒子が正に帯電する。従って、これらの帯電粒子及び分散媒をマイクロカプセルに封入することにより、表示素子を製造することができる。
【0021】
上記無機物質としては、上記酸化珪素やα−三酸化二鉄のほかに、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、遷移金属の酸化物等が挙げられる。無機物質を使用する場合、1種類の材料の等電点は予めわかっているものも多いが、2種類以上の材料の混合物では等電点の予測が困難になるときがある。このような場合は、ゼータ電位計により、実際に等電点を測定して求めることができる。
【0022】
上記帯電粒子には、帯電粒子に帯電特性を付与するための無機物質のほか、帯電粒子を着色するための着色剤及びバインダーが含まれている。上記着色剤としては、例えば、一般に周知の着色コロイド粒子;種々の有機・無機質顔料、染料、金属粉、ガラス、樹脂等の粉砕微粉末等が挙げられる。
【0023】
上記有機顔料としては特に限定されず、例えば、Hansa Yellow、Benzine Yellow等の黄色顔料;Parmanent Red、 benzine orange、pyrazolone orange、vulcan orange、orange lake、para red、lakered、toluidine red、brill fast scarlet、brill carmine、brill scarlet、bordo、 watchung red、lithol red、bon maroon、 lake bordo、rhodamine、madder lake等の赤色顔料;rhodamine b lake、dioxazine violet、crystal violet lake等の紫色顔料;victoria pure blue lake、victoria blue lake、phthalocyanine blue、fast sky blue、threne blue rs等の青色顔料、diamonde green lake、phthalocyanine green、pigment green b、green gold等の緑色顔料、diamond black等の黒色顔料等が挙げられる。
【0024】
上記無機顔料としては、特に限定されず、例えば、カーボンブラック等の黒色顔料;酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化すず等の白色顔料等が挙げられる。上記無機顔料は、帯電特性を付与するための無機物質としての役割を兼ねていてもよい。上記無機顔料及び有機顔料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
上記染料としては特に限定されず、例えば、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノイミン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、ペノリン染料、フタロシアニン染料等が挙げられる。上記染料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】
上記バインダーは、上記着色剤や無機物質等を溶解又は分散させるものであり、例えば、ワックス、樹脂等が挙げられる。上記ワックスは、合成高分子からなる合成ワックスと天然の材料からなる天然ワックスとに分けられ、上記樹脂も、合成樹脂や天然樹脂とに分けられる。上記合成ワックス又は上記合成樹脂は、重合性不飽和結合を有する単量体又は上記単量体の2種以上を混合した単量体混合物を重合させることにより得られるものである。また、上記合成ワックスは、上記樹脂と比べて分子量が低く、80〜150℃程度で容易に液状化するものをいい、それよりも高分子量のものを樹脂という。
【0027】
上記合成ワックス又は合成樹脂の製造に使用する単量体成分としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、エチレン、プロピレン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン等が挙げられる。
【0028】
また、上記単量体成分は、その化合物中に、例えば、カルボキシル基、水酸基、メチロール基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、グリシジル基等の官能基を含むものであってもよい。上記カルボキシル基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等が挙げられ、上記水酸基を有する単量体としては、例えば、β−ハイドロキシエチルアクリレート、β−ハイドロキシエチルメタクリレート、β−ハイドロキシプロピルアクリレート、β−ハイドロキプロピルメタクリレート、アリルアルコール等が挙げられる。
【0029】
上記メチロール基を有する単量体としては、例えば、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられ、アミノ基を有する単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。
【0030】
上記酸アミド基を有する単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられ、グリシジル基を有する単量体としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル等が挙げられる。
【0031】
上記天然ワックスは、植物系、動物系、鉱物系、石油系に分類される。植物系ワックスとしては、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油等が挙げられる。動物系ワックスとしては、例えば、みつろう、ラノリン、鯨ろう等が挙げられる。
【0032】
鉱物系ワックスとしては、例えば、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等が挙げられる。石油ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラム等が挙げられる。これらの天然ワックスは、単独で使用されるほか、2種以上が併用される。
【0033】
上記天然樹脂としては、例えば、サンダラック、マニラコバール、ペリーバラサム、トルーバルサム、アラビアゴム、カシューゴム、ゼオルゴム、アンモニアゴム、ジュルトン、クチルゴム等が挙げられる。これらの天然樹脂は、単独で使用されるほか、2種以上が併用される。
【0034】
上記分散媒としては、無色透明性を有しているものが好ましく、このような特性を有する分散媒としては、例えば、水系の溶媒等が挙げられる。この場合、分散媒のpHの調整は、酸又は塩基の添加により行う。これらの分散媒は、単独で使用されるほか、2種以上が併用される。
【0035】
上記分散媒中には、帯電粒子の分散状態を良好にするために、界面活性剤が含まれていてもよい。上記界面活性剤は、パラフィン、オレフィン、アルキルベンゼン等の疎水基に結合している水酸基の種類により、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン系界面活性剤等に分類され、本発明では、上記いずれの界面活性剤も使用することができる。
【0036】
本発明においては、帯電粒子に帯電特性を付与するため、上記無機物質のほかに、上記ワックスや樹脂の官能基を利用することができる。すなわち、上記ワックスや樹脂中に、カルボキシル基等を含むカルボニル基、ニトリル基等を含むニトロ基、スルホン基等を含むスルホニル基、ニトロソ基、トリフルオロエチル基、トリクロロエチル基等のハロゲルを含む基が存在すると、帯電粒子はマイナスに帯電し、上記ワックスや樹脂中に、アミノ基やアミド結合が存在すると、粒子はプラスに帯電する。
【0037】
従って、本発明では、別の実施形態として、帯電粒子のうちの一種を、その表面領域に等電点がpHcの無機物質を含有するものとし、帯電粒子のうちの他の一種を、その表面領域に少なくとも一種の正帯電性の極性を示す官能基を有する化合物を含有するものとし、さらに、分散媒の水素イオン濃度(pHY)を、下記の式(2)を満足するように調整してもよい。
pHc<pHY・・・・・(2)
この場合、分散媒中で等電点がpHcの無機物質を含有する帯電粒子は負に帯電し、他の帯電粒子はバインダーに起因して正に帯電する。従って、これらの帯電粒子及び分散媒をマイクロカプセルに封入することにより、表示素子を製造することができる。
【0038】
また、本発明では、さらに別の実施形態として、帯電粒子のうちの一種を、その表面領域に等電点がpHdの無機物質を含有するものとし、帯電粒子のうちの他の一種を、その表面領域に少なくとも一種の負帯電性の極性を示す官能基を有する化合物を含有するものとし、さらに、上記分散媒の水素イオン濃度(pHZ)を、下記の式(3)を満足するように調整してもよい。
pHZ<pHd・・・・・(3)
この場合、分散媒中で等電点がpHdの無機物質を含有する帯電粒子は正に帯電し、他の帯電粒子はバインダーに起因して負に帯電する。従って、これらの帯電粒子及び分散媒をマイクロカプセルに封入することにより、表示素子を製造することができる。
【0039】
上記帯電粒子の製造方法としては、例えば、上記着色剤、上記無機物質等が分散又は溶解したワックス等を液中に投入した後、液を加熱して上記ワックスを液状化し、続いて、攪拌によりワックスを微粒子状に分散させた後冷却して上記ワックスを固化させ、帯電粒子を製造する方法をとることができる。この場合、分散性を向上させるため、界面活性剤を添加してもよい。この場合、無機物質が帯電粒子の表面に露出するような条件を選択する必要がある。
【0040】
上記した構成の帯電粒子において、着色剤として酸化チタンが使用された帯電粒子は、白色度及び隠蔽性の点で優れており、着色剤として使用するカーボンブラックは完全な黒色を示すため、カーボンブラックが使用された帯電粒子は、黒色度に優れている。なお、例えば、帯電特性を付与するために添加する酸化珪素等の無機物質は、着色剤を兼ねることができるものもある。
【0041】
酸化チタン及びカーボンブラックを着色剤として使用した帯電粒子を用いることにより、反射率やコントラスト比が高く、見やすい画像等を有する表示媒体を実現することができる。帯電粒子に含有される着色剤の含有量は、酸化チタンの場合には、5〜60重量%が好ましく、カーボンブラックの場合には、3〜30重量%が好ましい。
【0042】
上記帯電粒子は、上記分散媒に分散された状態でマイクロカプセル中に封入されて使用されるが、以下に説明するような構成の表示素子、表示媒体として使用することができる。
【0043】
図1は、本発明の表示素子として機能するマイクロカプセルの一例を模式的に示した説明図であり、図2は、マイクロカプセルに電界を作用させた後の黒色帯電粒子及び白色帯電粒子の状態を模式的に示した説明図である。
【0044】
図1に示されるように、このマイクロカプセル10には、例えば、多数の黒色帯電粒子12a及び白色帯電粒子12bからなる帯電粒子12と、液体分散媒14とが封入されている。黒色帯電粒子12aは、例えば、カーボンブラックとワックスとα−三酸化二鉄とから構成されており、白色帯電粒子12bは、例えば、酸化チタンとワックスと酸化珪素とから構成されており、分散媒はpHが4〜5の水系溶媒が用いられている。従って、黒色帯電粒子12aは、正に帯電し、白色帯電粒子12bは、負に帯電している。そして、電界が作用していない場合には、図1に示されるように、黒色帯電粒子12aと白色帯電粒子12bとは、無秩序に分散している。
【0045】
次に、このマイクロカプセル10に電界を作用させると、液体分散媒14中に分散浮遊している黒色帯電粒子12aと白色帯電粒子12bとは、電界の作用により、各々逆方向に泳動し、例えば、図2に示されるように、上方に白色帯電粒子12bが凝集し、一方、下方には、黒色帯電粒子12aが凝集する。
【0046】
このため、上方からこのマイクロカプセル10を見た場合、下側で凝集している黒色帯電粒子12aは、白色帯電粒子12bに隠蔽されて見えず、マイクロカプセル10の部分は白色に見える。
【0047】
一方、図には示していないが、図2と反対方向の電界が印加された場合、黒色帯電粒子12aは上側に凝集し、白色帯電粒子12bは下側に凝集するため、このマイクロカプセル10の部分は上方から黒色に見える。
【0048】
このようなマイクロカプセル10を可撓性シートの表面等に配列させ、マイクロカプセル10に印加する電界の方向を変えることにより、表示面に所定の画像を形成することが可能になる。また、マイクロカプセル10中に赤、青、黄色等の色を含む帯電粒子12を封入することにより、赤、青、黄色等の色を含む画像を表示することも可能となる。本発明においては、粒径の整った帯電粒子12を使用するので、電界を印加した場合の帯電粒子12の移動がスムーズに行われ、より高性能の表示が可能になる。
【0049】
上記マイクロカプセルは、すでに当業界において公知の技術となっている方法で作製することが可能である。マイクロカプセルの製造方法としては、例えば、米国特許第2800457号、同第2800458号明細書等に示されるような水溶液からの相分離法、特公昭38−19574号、特公昭42−446号、特公昭42−771号公報等に示されるような界面重合法、特公昭36−9168号、特開昭51−9079号公報等に示される単量体の重合によるin−situ法、英国特許第952807号、同第965074号明細書に示される融解分散冷却法等があるが、これに限定されるものではない。
【0050】
マイクロカプセル10の外壁部の形成材料としては、上記のカプセル製造方法にて外壁部が作製可能であれば特に限定されず、無機物質でも有機物質でもよいが、光を充分に透過させるような材質が好ましい。
【0051】
上記外壁部の形成材料の具体例としては、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、デンプン、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリユリア、ポリスチレン、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、メラミン/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂、これらの共重合物等が挙げられる。
【0052】
マイクロカプセル10中の各帯電粒子12の体積は、マイクロカプセル10の容積に対して、それぞれ1.5〜25容量%であるのが好ましく、すべての帯電粒子12の体積の総和は、マイクロカプセル10の容積に対して、1.5〜50容量%であることが好ましい。
【0053】
各帯電粒子12の体積が1.5容量%未満であると、目的とする表示色ではない反対色粒子も観察者の目に触れてしまい、そのためにコントラストが低下して見える。一方、25容量%を超えると、帯電粒子12が大きすぎるためにマイクロカプセル10の内部を移動しにくくなる。また、すべての帯電粒子12の体積の総和が1.5容量%未満であると、帯電粒子12の量が少なすぎるため、はっきりした画像が形成されず、一方、50容量%を超えると、帯電粒子12の量が多すぎるためにマイクロカプセル10の内部を移動しにくくなり、そのため、制御電界に対する応答性が低下する。
【0054】
帯電粒子12の粒子径は、マイクロカプセル10の粒子径に対して1/1000〜1/5であるのが好ましく、帯電粒子12の粒度分布の分散度は、体積平均粒子径/個数平均粒子径で表した場合、1〜2であるのが好ましい。また、マイクロカプセル10の粒子径は、50〜500μmであるのが好ましい。
【0055】
図3は、本発明の表示素子を利用した表示媒体の一例を模式的に示した断面図である。この表示媒体20においては、マイクロカプセル10が多数内部に分散、配列された可撓性シート22の上面側に、多数の透明電極24が平面視アレー状に設けられており、下面側に透明又は不透明の電極25が設けられている。
【0056】
また、これら個々の透明電極24と電極25には、図示しない電源が接続され、各透明電極24と電極25との間に、電極25の電圧を基準として、+又は−の電圧がそれぞれ独立して印加されるようになっている。
【0057】
また、透明電極24は、マイクロカプセル10を平面視した形状よりも大きくなっており、1個の透明電極24につき、少なくとも1個のマイクロカプセル10が対応して設けられている。
【0058】
可撓性シート22としては、樹脂製のフィルム、紙等が挙げられる。表示しようとする画像等に応じた電圧を、この表示装置20の各透明電極24と電極25との間にそれぞれ印加すると、図3に示したように、上側に黒色帯電粒子12a又は白色帯電粒子12bが凝集し、これにより表示しようとする画像に対応した画像が形成される。
【0059】
また、電源をオフにしても、帯電粒子12の凝集状態は変化しないので、別の画像に対応する電圧を、各透明電極24と電極25との間にそれぞれ印加しないかぎり、その画像の表示状態が維持される。表示媒体には電極を設けず、外部の電界印加装置を使用して、個々のマイクロカプセルに電界を印加するようにしてもよい。
【0060】
以上のように、本発明の表示媒体においては、可撓性シートに、その表面領域に帯電性を付与する無機物質を含有する帯電粒子及びpHが調整された分散媒が封入されたマイクロカプセルの配列層が形成され、上記配列層中のそれぞれのマイクロカプセルに制御用電界を印加することにより所要の表示動作を行わせるようにした表示媒体が使用されているので、より制御性に優れた表示媒体を実現することができる。
【0061】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0062】
実施例1
帯電粒子のコア材料としてポリエチレンワックスを使用し、カーボンブラックが10重量%、α−三酸化二鉄が30重量%含有されるように、ロールミルを使用してカーボンブラック及びα−三酸化二鉄をワックスに練り込み、着色ワックス材料を得た。
【0063】
次に、蒸留水に上記着色ワックス材料及び中性の界面活性剤を投入し、120℃になるまで加熱した後、充分に攪拌し、着色ワックス材料を微粒子状に分散させた後冷却して着色ワックス材料を固化させ、平均粒子径が5μmの黒色の帯電粒子を製造した。次に、このようにして製造された帯電粒子を蒸留水で洗浄し、乾燥させた。これらの帯電粒子の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、α−三酸化二鉄が表面に露出していることが確認できた。
【0064】
実施例2
帯電粒子のコア材料としてポリエチレンワックスを使用し、酸化珪素が30重量%含有されるように、ロールミルを使用して酸化珪素をワックスに練り込み、着色ワックス材料を得た。
【0065】
次に、蒸留水に上記着色ワックス材料及び中性の界面活性剤を投入し、120℃になるまで加熱した後、充分に攪拌し、着色ワックス材料を微粒子状に分散させた後冷却して着色ワックス材料を固化させ、平均粒子径が5μmの白色の帯電粒子を製造した。次に、このようにして製造された帯電粒子を蒸留水で洗浄し、乾燥させた。これらの帯電粒子の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、酸化珪素が表面に露出していることが確認できた。
【0066】
実施例3
乳化剤である5%ポリスチレンスルホン酸の一部ナトリウム塩水溶液と脂肪族飽和炭化水素溶液の1:1水溶液100cc中に、上記実施例1において製造された黒色帯電粒子及び上記実施例2において製造された白色帯電粒子を加え、ホモジナイザーで6000回転、5分間攪拌して、水溶液中に白色帯電粒子及び黒色帯電粒子を含む液体分散媒が均一に分散したエマルジョンを得た。
【0067】
別に、ホルムアルデヒド37%水溶液に市販のメラミン粉末を加え、水酸化ナトリウム溶液によってPH9.0に調整し、水温60℃で30分間加熱してメラミン/ホルムアルデヒドプレポリマーを得た。次に、上記エマルジョンにメラミン/ホルムアルデヒドプレポリマーを加え、アジホモミキサーなどによって100〜300回転で攪拌しつつ水温が80℃になるように加熱した状態で5時間保持し、その後PH7に調整して常温まで冷却した。
【0068】
この結果、白色帯電粒子及び黒色帯電粒子を含む液体分散媒のまわりにメラミン/ホルムアルデヒド樹脂からなる壁部材が析出し、帯電粒子を内包するマイクロカプセルが得られた。マイクロカプセルの平均粒子径は40〜70μmであった。
【0069】
次に、上記方法により製造されたマイクロカプセルを取り出し、可撓性シート上に分散、配列させた後、電極間に配置し、100V/mmの制御電界を引加して画像表示を行い、下記に示す画像の評価を行った。
【0070】
評価方法
(1)白色反射率
測定器として反射濃度計(マクベス社製 RD914)を使用してOD値(オプティカル デンシティ)を測定し、反射率T(%)を、−log10T=ODで算出した。
(2)コントラスト比
白色反射率の場合と同様に、黒印字部分についても、反射率Tblackを測定し、コントラスト比=Tblack:Twhite=1:(Twhite/Tblack)で求めた。上記した画質の評価基準(スレッシ値)には、様々な条件下でのレーザプリンタ画像サンプルの平均値(白色反射率72%、コントラスト比15:1)を適用した。
【0071】
この結果、この表示媒体の白色反射率は74%、黒色反射率は4.6%、コントラスト比は16:1であり、高反射率、高コントラスト比の画像が形成されていた。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の表示素子によれば、二種以上の帯電粒子及びこれらの帯電粒子を分散させるための分散媒が封入されたマイクロカプセルからなり、上記マイクロカプセル中の上記帯電粒子の分布状態を制御用電界の作用下で変えることにより、上記マイクロカプセルの所定領域の光学的反射特性に変化を与えて所要の表示動作を行わせるようにした表示素子であって、等電点のpHがa及びbの無機物質がそれぞれ別の帯電粒子に含有されており、分散媒の水素イオン濃度(pH)はXであり、X、a、bは上記(1)式を満足するので、等電点のpHがaの無機物質を含む帯電粒子は負に帯電し、等電点のpHがbの無機物質を含む帯電粒子は正に帯電し、しかも、各帯電粒子の帯電性が安定する。従って、上記マイクロカプセルの電界に対する応答性を向上させることができ、制御電界に対する制御性をより良好にすることができる。
【0073】
また、請求項2記載の表示素子によれば、二種以上の帯電粒子及びこれらの帯電粒子を分散させるための分散媒が封入されたマイクロカプセルからなり、請求項1記載の表示素子と同様の機能を有する表示素子であって、等電点のpHがcの無機物質が一の帯電粒子に含有されており、他の帯電粒子は正帯電性の極性を示し、分散媒の水素イオン濃度(pH)はYであり、Y、cは上記(2)式を満足するので、等電点のpHがcの無機物質を含む帯電粒子は負に帯電し、他の帯電粒子は正に帯電し、しかも、帯電粒子の帯電性が安定する。従って、上記マイクロカプセルの電界に対する応答性を向上させることができ、制御電界に対する制御性をより良好にすることができる。
【0074】
また、請求項3記載の表示素子によれば、二種以上の帯電粒子及びこれらの帯電粒子を分散させるための分散媒が封入されたマイクロカプセルからなり、請求項1記載の表示素子と同様の機能を有する表示素子であって、等電点のpHがdの無機物質が一の帯電粒子に含有されており、他の帯電粒子は負帯電性の極性を示し、分散媒の水素イオン濃度(pH)はZであり、Z、dは上記(3)式を満足するので、等電点のpHがdの無機物質を含む帯電粒子は正に帯電し、他の帯電粒子は負に帯電し、しかも、帯電粒子の帯電性が安定する。従って、上記マイクロカプセルの電界に対する応答性を向上させることができ、制御電界に対する制御性をより良好にすることができる。
【0075】
請求項4記載の表示媒体によれば、上記マイクロカプセルとして、上記請求項1、2又は3記載の表示素子が使用されているので、より制御性に優れた表示媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示素子として機能するマイクロカプセルの一例を模式的に示した説明図である。
【図2】本発明の表示素子として機能するマイクロカプセルに電界を作用させた後の黒色帯電粒子及び白色帯電粒子の状態を模式的に示した説明図である。
【図3】本発明の表示素子を利用した表示媒体の一例を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
10 マイクロカプセル
12 帯電粒子
12a 黒色帯電粒子
12b 白色帯電粒子
14 液体分散媒
20 表示媒体
22 可撓性シート
24 透明電極
25 電極
Claims (4)
- 二種以上の帯電粒子及びこれらの帯電粒子を分散させるための水系溶媒からなる分散媒が封入されたマイクロカプセルからなり、前記マイクロカプセル中の前記帯電粒子の分布状態を制御用電界の作用下で変えることにより、前記マイクロカプセルの所定領域の光学的反射特性に変化を与えて所要の表示動作を行わせるようにした表示素子であって、前記帯電粒子のうちの二種は、その表面領域に、それぞれ等電点がpHa及びpHbの無機物質を含有するものであり、かつ、前記水系溶媒からなる分散媒の水素イオン濃度(pHX)は、下記の式(1)を満足するものであることを特徴とする表示素子。
pHa<pHX<pHb・・・・・(1) - 二種以上の帯電粒子及びこれらの帯電粒子を分散させるための水系溶媒からなる分散媒が封入されたマイクロカプセルからなり、前記マイクロカプセル中の前記帯電粒子の分布状態を制御用電界の作用下で変えることにより、前記マイクロカプセルの所定領域の光学的反射特性に変化を与えて所要の表示動作を行わせるようにした表示素子であって、前記帯電粒子のうちの一種は、その表面領域に、等電点がpHcの無機物質を含有するものであり、前記帯電粒子のうちの他の一種は、その表面領域に、少なくとも一種の正帯電性の極性を示す官能基を有する化合物を含有するものであり、さらに、前記水系溶媒からなる分散媒の水素イオン濃度(pHY)は、下記の式(2)を満足するものであることを特徴とする表示素子。
pHc<pHY・・・・・(2) - 二種以上の帯電粒子及びこれらの帯電粒子を分散させるための水系溶媒からなる分散媒が封入されたマイクロカプセルからなり、前記マイクロカプセル中の前記帯電粒子の分布状態を制御用電界の作用下で変えることにより、前記マイクロカプセルの所定領域の光学的反射特性に変化を与えて所要の表示動作を行わせるようにした表示素子であって、前記帯電粒子のうちの一種は、その表面領域に、等電点がpHdの無機物質を含有するものであり、前記帯電粒子のうちの他の一種は、その表面領域に、少なくとも一種の負帯電性の極性を示す官能基を有する化合物を含有するものであり、さらに、前記水系溶媒からなる分散媒の水素イオン濃度(pHZ)は、下記の式(3)を満足するものであることを特徴とする表示素子。
pHZ<pHd・・・・・(3) - 可撓性シートに、マイクロカプセルの配列層が形成され、前記配列層中のそれぞれのマイクロカプセルに制御用電界を印加することにより、所要の表示動作を行わせるようにした表示媒体であって、前記マイクロカプセルとして、請求項1、2又は3記載の表示素子が使用されていることを特徴とする表示媒体。
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