JP4207221B2 - ロール支持部材及びこれを用いた記録材料包装体 - Google Patents
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Description
しかし、上記の円筒状軸の端にフランジ部を有する構造では、収納容器が落下した時などに受ける衝撃に弱いという問題がある。そのため、ロール支持部材の材料にはポリエチレンなどの変形に強い熱可塑性樹脂を比較的太くした成形品が用いられてきた。しかし、肉厚の成形品には、材料使用量が多い、成形時の冷却時間が長いなどの欠点がある。また、円筒状軸及びフランジ部の2つの部材から構成されるロール支持部材は、製造コストも高い。
また、円筒軸及びフランジ部が一体成形されたロール支持部材を用いても、感光性の記録材料の場合には、記録材料ロールの端面に遮光性フランジを使用することが多いが、記録材料ロールの端面に遮光フランジを使用しなくてもロール外周にへこみを生じないロール支持部材が望まれている。
(1)巻芯に巻回されたロール状記録材料を収納容器中に宙づりにするために使用するロール支持部材であって、4つの角を落とした正方形の、厚みを有するフランジ部、及びフランジ部の略中央に巻芯の一端に係合する円筒状に突き出した嵌入部を有し、フランジ部及び嵌入部は一体に成形され、フランジ部の嵌入部が突き出した側に環帯状の平坦面を有し、環帯状の平坦面の外周はロール状記録材料の最外周にほぼ相当し、環帯状の平坦部とフランジ部外周側面との間に溝が設けられ、フランジ部の平坦面とは反対の反対面には複数のエネルギー吸収帯を形成するリブが設けられ、フランジ部の外周側面の高さが該リブの高さ以下であることを特徴とするロール支持部材。
(2) 巻芯に巻回されたロール状記録材料を収納容器中に宙づりにするために使用するロール支持部材であって、4つの角を落とした正方形の、厚みを有するフランジ部、及びフランジ部の略中央に巻芯の一端に係合する円筒状に突き出した嵌入部を有し、フランジ部及び嵌入部は一体に成形され、フランジ部の嵌入部が突き出した側に部分的に平坦面を有し、フランジ部の平坦面とは反対の反対面は複数のエネルギー吸収帯を形成するリブが設けられ、フランジ部の外周側面に接続する半径方向リブにスリットが設けられ、フランジ部の外周側面の高さが該リブの高さ以下であることを特徴とするロール支持部材。
(3)フランジ部の外周側面に接続する半径方向リブにスリットが設けられたエネルギー吸収帯を有する(1)に記載のロール支持部材。
(4)嵌入部の外周面とフランジ部のフランジ板とが、凹状の湾曲面を有する窪みにより接続されている、(1)〜(3)いずれか1つに記載のロール支持部材。
(5)(1)〜(4)いずれか1つに記載のロール支持部材によって、ロール状記録材料を直方体の収納容器中に宙づりに支持し収納した記録材料包装体。
(6)両端面にフランジを有しないロール状記録材料を収納した(5)記載の記録材料包装体。
(7)フランジ板が、嵌入部側から、順次、窪み、環帯状の平坦面、溝、周縁部からなる前記いずれか1つに記載のロール支持部材又は記録材料包装体。
(8)窪みには放射状にリブが複数設けられており、リブの高さは、平坦面の高さ以下に保たれている(7)記載のロール支持部材又は記録材料包装体。
(9)熱可塑性樹脂を一体に射出成形することにより製造された前記いずれか1つに記載のロール支持部材又は記録材料包装体。
また、ロール状記録材料の端面に遮光性フランジを使用しない場合でも落下衝撃に強いロール支持部材又は記録材料包装体を得ることができる。
図1は、ロール状記録材料を外箱に収納する一実施態様を示す概略斜視図である。巻芯に巻回されたロール状記録材料をその巻芯に係合して宙づりに支持するロール支持部材1が記録材料ロールの両端に装着されている。ロール支持部材1は、巻芯に巻回されたロール状材料を落下等の衝撃から保護するためのエネルギー吸収支持部材として使用される。
図1において、ロール状記録材料11は、感光材料であっても非感光性材料であっても良く、感光材料の場合必要に応じて遮光材料等により包装されていても良い。この記録材料11を巻回する巻芯12は少なくとも両端が中空の円筒であり、好ましくは全幅にわたり中空の巻芯である。ロール状支持部材1は、ロール状記録材料巻芯に係合する嵌入部、及び記録材料ロールの端面を保護するフランジ部よりなる。ロール状支持部材1は、好ましくは熱可塑性樹脂の射出成形により一体に作製される。外箱14はロール状記録材料11を収納する収納容器である。ロール状記録材料11はロール支持部材1によって宙づりに支持された状態で、直方体の外箱14に収納し封止され、保管及び運搬に供せられる。ロール支持部材1は直方体の外箱14の両側面にピッタリと納まる大きさを有している。直方体は、ロール支持部材1を記録材料ロール11の両側に係合させた状態で隙間なく収納できる幅を有している。
ロール支持部材は、第1の面(平坦面)32、及び第1の面とは反対側に位置する第2の面(反対面)39を有し、後掲の図3は反対面から見たロール支持部材1の斜視図である。
図2に示すように、ロール支持部材1は、嵌入部20と、これに接続するフランジ部30からなり、一体に成形されている。巻芯12の一端に係合する嵌入部20は、フランジ部30の略中央に設けられている。嵌入部20は、開放されていても良いが、嵌入部の中間で閉じられている方が好ましい。
窪み31の断面は適宜曲率を有する半円形であることが好ましく、窪みの断面の曲率半径rは1〜10mmであることが好ましい。記録材料包装体が落下した際の衝撃により、ロール支持部材1においてフランジ部30と嵌入部20の接続部分での破損を防ぐため、この窪み31が設けられている。なお、窪み31とフランジ部30の平坦面32の境界は角がなく丸みを帯びていることが好ましい。前記の窪み31の内部には半径方向の放射状に放射状リブ40を設けることが好ましく、このリブの高さは、平坦面32の高さ以下に保たれている。窪み内の放射状リブ40は窪み31と一体に形成される。放射状リブの数は4〜16であり、8又は12が好ましい。
溝領域を設けることによりこの領域の裏側(第2の面)に配置される最外エネルギー吸収帯内に配設される半径方向に延設される放射状のリブの高さを全体として低くする方向に有効に働き、この最外エネルギー吸収帯を柔軟性に富み、外部からの衝撃をほとんど吸収することができるように機能させる。
溝の断面形状については、溝の内側33と溝の底面との交角、及び、溝の外側35と溝の底面との交角は、90°〜135°であることが好ましい。
溝34が平坦面32又は周縁部36に向かう斜面の両角は丸みを帯びていることが好ましい。
4つの角を落とした正方形のフランジ部30の大きさ、特に環帯状の平坦部32は、巻芯12に巻く記録材料の長さに合わせ適宜変更することが可能である。
ロール状記録材料11を巻回した巻芯12の両端中空部にロール支持部材の嵌入部20を係合し、嵌入部の外周面21と巻芯12の内周面とを密着させることにより、輸送時の振動、落下に伴う、包装体の外部からの押圧、巻芯の変形等を防止することができる。
フランジ部30は全域にわたりエネルギー吸収帯を構成する同心円状リブ及びこれらと交差する半径方向の放射状リブのために厚みを有する。以下に詳しく説明する。
それぞれのエネルギー吸収帯には円形リブと交差する半径方向の放射状リブがフランジ板に配設されている。図示した例では、第1、第2及び最外のエネルギー吸収帯の放射状リブの数は12、24、及び24となっている。これらの放射状のリブは、2つの円形リブと一緒に隣り合う小空間群を形成する。
図4において、外周側面37は、平坦面32から溝34及び周縁部36に延設するフランジ板38の周辺部を、嵌入部20が形成されている方向とは反対側にほぼ一定の高さで折り曲げて形成した部分を構成する。外周側面37とフランジ板38の交差する角は丸みを帯びていることが好ましい。
ここで、長円とは半円を途中直線で接続した陸上競技場型の形状又は円の直交する軸の片方を伸ばした形状の両方が含まれる。長軸は短軸に比べて2〜10%長いことが好ましく、2〜5%長いことがより好ましい。
放射状リブ53はフランジ部を構成するフランジ板38、第1円形リブ51、第2円形リブ52、第3円形リブ54及び外周側面37と一体的に設けられている。
さらに、第2円形リブ52と外周側面37を連結するように、円筒リブ56を中心に半径方向の放射線状に放射状リブ55を配設してもよい。放射状リブ55はフランジ部を構成するフランジ板38、第2円形リブ52、第3円形リブ54及び外周側面37と一体的に設けられている。
本発明においては、さらに上記以外の円形または放射状のリブを設けても良い。
また、嵌入部の先端を開放する時と同様に、嵌入部の先端を閉じる場合においても、嵌入部の先端の外周に切り欠き24を設けることができる。切り欠きはリブ57と係合させることができる個所に設けることが好ましい。
図5に示すように、フランジ部30は同心円状の複数のエネルギー吸収帯及び最外エネルギー吸収帯を有する。第1円形リブ51、第2円形リブ52及びフランジ板38から構成される第1のエネルギー吸収帯60、第2円形リブ52、第3円形リブ54及びフランジ板38から構成される第2のエネルギー吸収帯61、並びに、外周側面37、第3円形リブ54及びフランジ板38から構成される最外エネルギー吸収帯62を有する。
また、本発明の他の実施態様においては、第1のエネルギー吸収帯、第2のエネルギー吸収帯及び最外エネルギー吸収帯以外に、略同心円状に第3、第4等の追加のエネルギー吸収帯を有していても良い。
フランジ板の周縁部36の幅Xは3〜10mmであることが好ましい。
第1円形リブ51及び第3円形リブ54の高さは外周側面37の高さH2以下であることが好ましい。第3円形リブ54の高さH3は外周側面37の高さH2の50〜100%であることが好ましく、70〜100%であることがより好ましい。
溝34の深さH4は、フランジ部30の外周側面の高さH2以下であり、好ましくは外周側面高さH2の50〜80%である。
フランジ部の外周側面に接続するリブに設けられたスリットの深さH5は、外周側面の高さH2の10〜60%であることが好ましい。
第1エネルギー吸収帯の半径方向の放射状リブの数は4〜8が好ましく、第2エネルギー吸収帯は第1エネルギー吸収帯の放射状リブの数の1〜4倍の放射状リブを設けることが好ましく、1〜2倍の放射状リブを設けることがより好ましく、フランジ部の外周側面により囲まれた最外のエネルギー吸収帯には、そのすぐ内側のエネルギー吸収帯に設けられた放射状リブ数の1〜4倍の数のリブが設けられていることが好ましく、1〜2倍の放射状リブが設けられていることがより好ましい。
フランジ部30の平坦面32には、第1円形リブ51との関係において、あらかじめ決められた位置に穴41が開けられている。例えば、第1円形リブ51から半径方向で所定の距離だけ離れた位置である。穴41の数は特に制限がなく、必要に応じて1つであってよく、2つ以上であってもよい。例えば1つの穴の有り無しによって2種類の品種、2つの穴の有り無しによって4種類の品種に対応でき、品種情報を付加することができる。ロール支持部材の形状がわずかしか違わない品種違いの形状に対し、容易にロール支持部材の品種を判別することが可能である。
さらに、本発明のロール支持部材は、フランジ部と嵌入部が一体成形されているため、成形性に優れている。
加えて、フランジ部の一定の位置に、生産機械で自動読み取りを行うことができる穴を有することにより、多品種生産において品種判別等の自動化を可能とするロール支持部材を提供することが可能となる。
日本ポリケム(株)製、BC8、BC4L、BC4LA
出光石油化学(株)製、J466HP、J762HP、J2021GR、J3021GR、
(2)高密度ポリエチレン
日本ポリケム(株)製、HJ490、HJ580、HJ560、HJ360
(3)低密度ポリエチレン
日本ポリケム(株)製、LE520H、LF660H、LF542M、LC522、LC500、LC621、LJ800
(4)直鎖状低密度ポリエチレン
日本ポリケム(株)製、UJ960、UJ370、UJ580、UJ480、UJ990、UJ790
<実施例1〜3、比較例1>
フランジ部の平坦面の溝及びリブのスリットの有無は表1に示したとおりに組み合わせて、それ以外は図2〜6に示したロール支持部材と同じ構造を有するロール支持部材を、紙を20質量%含有するPP樹脂(出光石油化学(株)製J−762HP)を用いて作製した。
ロール支持部材の溝の深さは6mm、フランジ部外周側面の高さはエネルギー吸収帯のリブの高さと同じく14mmとした。
作製したロール支持部材を用いて、図1に示すように、遮光フランジを使用しないで記録材料を包装した。記録材料には、印画紙を使用した。
この包装体を落下テストに供し、ロール支持部材の強度を確認した。
円筒状軸の一端に円形のフランジを有するロール支持部材を、組み合わせて使用した。円筒状軸はPPを用いて作製した。
フランジ部として、外箱の側面に対応する大きさの正方形の段ボールを2枚重ね、中心に作製したロール支持部材の円筒状軸と同じ大きさの円形の穴をあけたものを用意した。
ロール支持部材の円筒状軸を、段ボール製のフランジ部、ロール状記録材料の巻芯の順に挿入し、これらを一体にして外箱に収納し、記録材料を包装した。記録材料には、実施例1と同じ記録材料を使用した。
この包装体を落下テストに供し、ロール支持部材の強度を確認した。
記録材料包装体を高さ20、30、40、50、70、または100cmの場所から落下させた後、記録材料の破損状況を検査した。結果を表2に示す。
11 ロール状記録材料
12 巻芯
13 端面
14 外箱
20 嵌入部
21 嵌入部の外周面
22 嵌入部の内部
23 壁
24 切り欠き
30 フランジ部
31 窪み
32 第1の面(平坦面)
33 溝の内側
34 溝
35 溝の外側
36 周縁部
37 外周側面
38 フランジ板
39 第2の面(反対面)
40 放射状リブ
41 穴
51 第1円形リブ
51a 内周面
52 第2円形リブ
54 第3円形リブ
53、55 放射状リブ
56 円筒リブ
57 放射状リブ
58 スリット
60 第1のエネルギー吸収帯
61 第2のエネルギー吸収帯
62 最外エネルギー吸収帯
H1 第2円形リブ52の高さ
H2 外周側面37の高さ
H3 第3円形リブ54の高さ
H4 溝34の深さ
H5 スリット58の深さ
U 第1円形リブ51の内径
V 嵌入部20の外径
W 正方形のフランジの向かい合う2辺の距離
X 周縁部36の幅
Claims (6)
- 巻芯に巻回されたロール状記録材料を収納容器中に宙づりにするために使用するロール支持部材であって、
4つの角を落とした正方形の、厚みを有するフランジ部、及び、
フランジ部の略中央に巻芯の一端に係合する円筒状に突き出した嵌入部を有し、
フランジ部及び嵌入部は一体に成形され、
フランジ部の嵌入部が突き出した側に環帯状の平坦面を有し、
環帯状の平坦面の外周はロール状記録材料の最外周にほぼ相当し、
環帯状の平坦面とフランジ部外周側面との間に溝が設けられ、
フランジ部の平坦面とは反対の反対面には複数のエネルギー吸収帯を形成するリブが設けられ、
フランジ部の外周側面の高さが該リブの高さ以下であり、
複数のエネルギー吸収帯がほぼ同心円状に形成されていることを特徴とする
ロール支持部材。 - 嵌入部とフランジ部とが、嵌入部の周囲に環状に設けられ、断面が凹状の湾曲面である窪みを有するフランジ板により接続されており、窪みの外側は環帯状の平坦面となっている請求項1に記載のロール支持部材。
- 窪みの内部には、半径方向の放射状に放射状リブを設けた請求項2に記載のロール支持部材。
- フランジ部の外周側面に接続するリブにスリットが設けられたエネルギー吸収帯を有する請求項1〜3いずれか1つに記載のロール支持部材。
- 請求項1〜4いずれか1つに記載のロール支持部材によって、ロール状記録材料を直方体の収納容器中に宙づりに支持し収納した記録材料包装体。
- 両端面にフランジを有しないロール状記録材料を収納した請求項5記載の記録材料包装体。
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