JP4206977B2 - 放射線発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子ビームをターゲットに衝突させて放射線を発生させて使用する放射線発生装置に関するもので、特にX線発生装置に利用して有用であるが、紫外線、極端紫外線、軟X線、硬X線、ガンマー線、電子線、陽電子線、中性子線、ニュートリノ等の電磁波および荷電粒子発生装置にも適用可能である。あるいはまた粒子加速器を製造し利用する産業分野に適用できる。
放射線を発生させかつ収束して使用する従来の技術は、放射線発生装置として低エネルギー電子をターゲットに当てるX線管、あるいは加速器で発生した荷電粒子をターゲットに当てて放射線を発生する手段、あるいはまた周回する電子の軌道上にターゲットを挿入してX線を発生する電子蓄積型X線発生装置、あるいは高エネルギー電子を磁場で曲げて発生する制動放射を用い、放射線を収束するにはX線ミラーあるいはフレネルゾーンプレートを放射線発生装置から離れた場所に置いて実施したものがある。そのようなゾーンプレートとして透過部におけるX線の吸収の低減を目的としたものが提案された(例えば下記特許文献1参照)。
特開平6−180398公報(請求項1参照)。
前記特許文献1に開示されたゾーンプレートは、図6に示すように、金やニッケル等からなるX線吸収部22と、該吸収部22よりX線透過率の高いX線透過部23と、X線吸収部22を支える支柱部24とからなる自立型ゾーンプレートの支柱部24を、X線吸収部22と異なるX線透過率の高い物質、ポリイミド、ダイヤモンド薄膜等の炭素系の化合物、酸化物あるいは窒化物で構成したものである。25はSiウェハを示す。このような構成により、X線透過部23におけるX線の吸収量を低減することができ、ゾーンプレートの効率を理論効率に近づけることができた。
しかしながら、このような高い効率のゾーンプレートを採用しても、従来は通常、X線等の発生した放射線を収束するために、放射線発生装置から離れた位置にX線ミラーやフレネルゾーンプレート等を置いて放射線の収束を行っている。このために、発生した放射線の全てを収束することは出来ない。したがってまた、放射線の光量が充分に強くないという問題があった。
そこで本発明は、前記従来の放射線発生装置の課題を解決して、発生した放射線をその場で収束し、全てを所定の方向に収束できて放射線の利用効率を大幅に引き上げることができる上に、強度アップも図れる放射線発生装置を提供することを目的とする。
そのため本発明は、荷電粒子ビームをターゲットに衝突させて放射線を発生して使用する放射線発生装置であって、前記放射線が、制動放射もしくは遷移放射により発生する放射線、または、ガンマー線、電子線、陽電子線、中性子線およびニュートリノからなる群の中から選択されるいずれかひとつの放射線であり、前記ターゲットが、前記荷電粒子ビーム軌道上に設置され、発生した前記放射線を干渉によって収束させることを特徴とする。
また本発明は、前記放射線発生装置において、前記ターゲットが、フレネルゾーンプレート回折格子および屈折レンズからなる群の中から選択されるいずれかひとつであることを特徴とする。
また本発明は、前記フレネルゾーンプレートまたは回折格子が、透過体と複数の吸収体とを備え、前記透過体が前記放射線を発生せず、複数の前記吸収体が前記放射線を発生し、複数の前記吸収体が、前記ターゲット外に放射される前記放射線が干渉によって収束するように、前記透過体の表面に配置されていることを特徴とする。
また本発明は、放射される前記放射線のエネルギーが所定の値になるように、前記吸収体の材質および厚さが決定されていることを特徴とする。
また本発明は、前記吸収体が、遷移放射を発生する材質を用いて単層または積層状に形成されていることを特徴とする。
また本発明は、前記フレネルゾーンプレートまたは前記回折格子が、メンブレンと複数の吸収体とを備え、前記メンブレンが、前記放射線を発生しやすい材質で形成され、複数の前記吸収体が、前記メンブレンにより発生した前記放射線を吸収し、複数の前記吸収体が、前記フレネルゾーンプレートまたは前記回折格子の外に放射される前記放射線が干渉によって収束するように、前記メンブレンの表面に配置されていることを特徴とする。
また本発明は、放射される前記放射線のエネルギーが所定の値になるように、前記メンブレンの材質および厚さが決定されていることを特徴とする。
また本発明は、前記メンブレンが、遷移放射を発生する材質を用いて単層または積層状に形成されていることを特徴とする。
また本発明は、前記放射線発生装置において、前記ターゲットが、結晶結晶のすぐ上流に配置された放射線を発生しやすいとを備えることを特徴とする。
また本発明は、前記前記ターゲットが、結晶結晶の上流に配置された遷移放射を発生しやすい単層または積層状のとを備えることを特徴とする。
また本発明は、前記放射線発生装置において、前記荷電粒子を周回させることにより前記荷電粒子ビームを繰り返し利用して放射線発生効率を上げたことを特徴とする。
また本発明は、前記放射線発生装置において、前記荷電粒子を周回させる手段が、シンクロトロンベータトロンおよびマイクロトロンもからなる群の中から選択される少なくともひとつであることを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とするものである。
かくして本発明によれば、荷電粒子ビームをターゲットに衝突させて放射線を発生して使用する放射線発生装置において、荷電粒子ビーム軌道上に設置する放射線発生ターゲットとして放射線の収束効果を有する手段を用いて放射線を収束させたことにより、発生した放射線をその場で収束し、全てを所定の方向に収束できて放射線の利用効率を大幅に引き上げることができる
また、前記放射線発生装置における収束効果を発現する手段として、フレネルゾーンプレートまたは回折格子あるいは所定の屈折率を有する物質を用いた場合は、光源点から近い場所にてX線を発生すると同時に収束するので、発生した放射線の多くを集光し、これらの光学素子であるターゲットとしての機能を充分に発揮させることができる。さらに、前記フレネルゾーンプレートまたは回折格子に透過型のものを用いかつ吸収と透過のパターンを背景技術で示した通常のパターンと逆転することにより吸収体より放射線を発生して収束させた場合は、凸部である放射線放射体にて放射線を発生し、凹部で荷電粒子が透過して放射線を発生しないので、これらの干渉効果により、理論どおりの放射線収束効果が発生する。
さらに、前記吸収体として、その材質と厚さを選択することにより発生放射線のエネルギーを選択した場合は、目的の放射線を発生するのに必要な材質と厚さを選択することにより、ターゲットの無用の発熱が避けられる。さらにまた、前記吸収体として、単層または積層状の遷移放射を発生する材質を用いた場合は、相対的に異なったプラズマ振動数の材質のものを組み合わせて、異なった準単色の放射線を得ることが可能となる。
また、前記フレネルゾーンプレートまたは回折格子に透過型でかつ吸収と透過のパターンを背景技術で示した通常のパターンと逆転しないものを用いかつメンブレンとして放射線を発生しやすい材質を用いた場合は、メンブレンにて容易に発生した放射線を放射線吸収体である凸部にて吸収して、効果的に放射線を収束制御することができる。さらに、前記メンブレンとして、その材質と厚さを選択することにより発生放射線のエネルギーを選択した場合は、目的の放射線を発生するのに必要な材質と厚さを選択することにより、ターゲットの無用の発熱が避けられる。
さらにまた、前記メンブレンとして、単層または積層状の遷移放射を発生する材質を用いた場合は、単独で使用する等して、収束光を得るのに有意義で、荷電粒子周回装置の軌道上に置くことにより、大強度の準単色放射線を発生することができる。フレネルゾーンプレートと遷移放射ターゲットを組み合わせることにより、高輝度の放射線を発生し、収束することができる。また、前記放射線発生装置における収束効果を発現する手段として結晶を用い、かつ結晶のすぐ上流に放射線を発生しやすい材質を配した場合は、結晶のすぐ上流にて発生した放射線を、フレネルゾーンプレート等に比較して簡素な構造の結晶にて容易に収束制御することができる。
さらに、前記放射線発生装置における収束効果を発現する手段として結晶を用い、かつ結晶の上流に遷移放射を発生しやすい単層または積層状の材質を配した場合は、結晶のすぐ上流にて発生した遷移放射線を、フレネルゾーンプレート等に比較して簡素な構造の結晶にて容易に収束制御することができる。さらにまた、前記放射線発生装置において、荷電粒子ビームを周回させることにより荷電粒子ビームを繰り返し利用して放射線発生効率を上げた場合は、少ない荷電粒子ビームにてもターゲットにて発生する放射線が増加する。また、前記放射線発生装置において、荷電粒子を周回させる手段がシンクロトロンまたはベータトロンあるいはマイクロトロンもしくはそれらの複合体を用いた場合は、荷電粒子をターゲットに衝突させて、効率よく放射線を発生させることができる。
以上に述べた光学素子を荷電粒子軌道に挿入するとき、いずれの光学素子も、回転機構に載せるのがよい。放射線発生方向を調整することができる。荷電粒子ビームをターゲットに衝突させて放射線を発生して使用する放射線発生装置において、荷電粒子ビーム軌道上に設置する放射線発生ターゲットとして放射線の収束効果を有するフレネルゾーンプレートまたは回折格子あるいはX線レンズもしくは結晶を用いたことにより、発生した放射線をその場で収束できる手段を提供した。従って、発生したX線の全てを所定の方向に収束できるために放射線の利用効率を大幅に上げる効果が有る。ただし、特定のエネルギーを持つX線が収束することになる。さらにはまた、X線を発生するメカニズムとして遷移放射を用い、遷移放射機構と収束機構を組み合わせることにより、さらにX線の強度を上げる効果をもたらした。
以下、本発明の放射線発生装置の実施例について詳細に説明する。図1は本発明の放射線発生装置の第1実施例を示す光学素子であるターゲットの断面図である。図2は同、荷電粒子発生装置および荷電粒子周回装置の平面図である。図3は本発明の放射線発生装置の第2実施例を示すものでターゲットの断面図である。図4は本発明の放射線発生装置の第4実施例を示すものでターゲットの断面図、図5は従来の放射線発生装置の説明図であると同時にメンブレムと放射線吸収体とを変更した本発明の第3実施例を示す断面図でもある。本発明の放射線発生装置の基本的な構成は、図1に示すように、荷電粒子ビームをターゲット(13、14)に衝突させて放射線を発生して使用する放射線発生装置において、荷電粒子ビーム軌道上に設置する放射線発生ターゲットとして放射線の収束効果を有する手段(例えばX線放射体14)を用いて放射線を収束させたことを特徴とする。
請求項で述べている放射線とは、紫外線、極端紫外線、軟X線、硬X線、ガンマー線、電子線、陽電子線、中性子線、ニュートリノなどの電磁波および荷電粒子を指すが、本実施例では、X線の場合を述べる。電磁波以外の荷電粒子の収束作用は、荷電粒子の波動性に基づくものであり、X線や他の電磁波と基本的に同様に扱うことができる。
本発明の放射線発生装置に用いる荷電粒子発生装置8とは、X線管、ライナック、マイクロトロン、ベータトロン、サイクロトロン等である。即ち、これらの荷電粒子発生装置8から出た荷電粒子を集光または発散機能を持つ光学素子(ターゲット)6にぶつけて放射線を発生する。また、本発明の荷電粒子周回装置としては、電子蓄積リング、ベータトロン、マイクロトロン、シンクロトロン等を用いることができる。即ちこれら荷電粒子周回装置の周回軌道に光学素子6を挿入して放射線を発生する。荷電粒子周回装置としては、加速空洞3を有せず、電磁石1だけで構成することもできる。本実施例は、荷電粒子発生・加速装置8としてマイクロトロンを用い、荷電粒子周回装置として完全円形電子蓄積リングを用いた場合を詳細に示す。図2は、本発明の放射線発生装置の平面図であり、電子蓄積リングの主な構成要素である電磁石1、パータベータ2、加速空洞3、真空槽4と真空糟内の電子軌道5に挿入されたX線ターゲット6とX線ビームを取り出すX線ポート7、マイクロトロン8で構成されている。荷電粒子周回装置とターゲットを用いて制動放射によりX線を発生させる電子蓄積型X線発生装置は本願の発明者である山田の発明によるもので、効率よくX線を発生させる方法である。
本発明の第1実施例は、この電子蓄積型X線発生装置のターゲット6にフレネルゾーンプレート、回折格子、X線レンズ等のX線光学素子を用いてX線を発生すると同時に収束するものである。従来、これらのX線光学素子は、発生したX線に対して適用してX線を集光・発散することに使われてきた。従来のX線光学素子は光源から離れた場所に置かれるために、発生したX線の一部しか集光できなかった。X線発生素子として遷移放射またはコヒーレント遷移放射ターゲットがあるが、これらの素子は、指向性を有する発散光を発生するという意味で、X線光学素子と考えることができる。また、単結晶は特定エネルギーのX線を回折スポットとして集光する意味で、ここで言う光学素子と考えることができる。
フレネルゾーンプレートは、一般に、同心円状のパターンで構成され、その断面が図5のような凹凸になっている。X線用ゾーンプレートは、X線吸収体としての凸部12をタンタルで作り、メンブレン11にはSiN等を使用している。これに対して本発明の第1の実施例では、フレネルゾーンプレートを図1のように構成している。即ち、パターンの凹凸を反転した形とする。従来のゾーンプレートの作用は、図5で示すように、入射したX線は凸部のタンタル12で吸収され、凹部を透過したX線同士が干渉し合って前方の1点で集光する仕組みである。メンブレン11はX線を透過しやすい物質で構成する。例えばSiNである。
これに対して、本発明の第1実施例におけるフレネルゾーンプレートでは、電子ビームが凸部14に入射すると、凸部14でX線を発生し、凹部では透過してX線を発生しない。即ち凸部14でX線が発生して、干渉効果により一点に集中する。従来のフレネルゾーンプレートに対して凹凸を逆転したことにより理論どおりのX線収束効果が発生する。
凹凸の幅と間隔はブラッグ条件で決まるものであり、従来の理論どおりに、収束する波長によりその焦点距離との関係を決定するが、凸部の厚さについては従来と異なる。即ち、従来のX線用フレネルゾーンプレートでは、目的のX線を吸収するのに必要な厚さであったが、本発明のフレネルゾーンプレートの場合には、目的のX線を発生するのに必要な厚さとなる。厚すぎる場合には、目的のX線が吸収を受けて透過しないという問題があるために薄い方が好ましい。ただし、薄過ぎるとX線の発生効率が落ちるという問題がある。また、材質についても、従来ならばタンタル等が適切であるが、本発明の実施例では、様々な材質を用いることができる。例えば、10keVのX線を制動放射で発生するには10から50ミクロン程度のAlが適切であり、30keVの場合には10から50ミクロンのCu、1keVの場合には数ミクロンから50ミクロンのBe等が適切である。しかしながらこれはおよその目安であり、1ミクロンのAlやCuを使っても、10keVや30keVのX線を出すことができる。低エネルギー放射線や2次電子が吸収されてターゲットが発熱するのを避けるには、なるべく薄いものがよい。メンブレンとしては、軽元素を用いるのが良く、Si、SiN、SiO、C、Be、Alの1ミクロンかそれ以下が適当である。
図3は本発明の放射線発生装置の第2実施例を示すものでターゲットの断面図である。使用する電子エネルギーについて言うならば、目的とするX線エネルギーより高ければよい。従って、数10keVでもよいし、数MeVでもよい。ただし、電子エネルギーが低い場合には、電子の吸収により、ターゲットが発熱するという問題がある。エネルギーが高ければ電子は透過する。荷電粒子周回装置を使用する場合には、エネルギーが高いほど周回効率が高い。総じて電子エネルギーは1MeV以上が適当である。制動放射ではなく遷移放射を使用して1keVのX線を発生するには、フレネルゾーンプレートの凸部に1ミクロン程度のBe、Al、Zn、Sn、Ga、Pt、Pb等を使用し、10MeV以上の電子エネルギーを使用するのが適当である。本発明の第2の実施例は、フレネルゾーンプレートの凸部15を、図3に示すように、Sn(Be,Zn、Ga、Pt、Pb、Biその他プラズマ周波数の高い物質)とMg(真空、Be、Al、Al2 、O3 、C、Be、SiN、SiCその他プラズマ周波数の低い物質)の組み合わせで、10層ほど交互に積み上げて使用するものである。組み合わせは、相対的にプラズマ振動数の高いものと低いものを組み合わせればよいから、低い物質としては真空を用いるのが最もよい。そのときの各層の厚さは、コヒーレント制動放射の理論で決定されるものである。例えばSnとMgを組み合わせ、電子エネルギーに20MeVを使用する場合、Snの厚さは0.5ミクロン、Mgの厚さは0.7ミクロン程度となる。
本発明の第3の実施例は、フレネルゾーンプレートとして、従来のX線光学素子として用いられたのと同様なものを使用する場合である。即ち、図5のような通常のパターンを有する場合である。この場合は、X線放射体であるメンブレン11として、X線発生効率の高いものを使用する。パターンの凸部には、X線の吸収が大きい、タンタル、白金、鉛、タングステン、ビスマス等を用いるのがよい。メンブレン11の材質と厚さに関する議論は、前記段落0020および0021で述べた凸部の材質と同様であり、目的とするX線エネルギーにより選択する。
本発明の第4の実施例は、図4の様に、X線放射体であるメンブレム15として遷移放射の材料を用い、積層構造にして、コヒーレント遷移放射を発生させたものである。遷移放射ターゲットは、フレネルゾーンプレートと合わせて使用する必要は無く単独で使用することもできる。そのときには、発散光を発生する。発散光の放射角度は、理論的に決めることができるが、20MeV電子では、約25mradの角度に放出される。遷移放射は、発散光を得るのに有意義であ、荷電粒子周回装置の軌道上におくことにより、大強度の準単色X線を発生することができる。X線用フレネルゾーンプレートと遷移放射ターゲットを組み合わせることにより高輝度のX線を発生し収束できる。
次いで、図示しての説明は省略するが、本発明の放射線発生装置の第5実施例は、X線ターゲットして、回折格子を用いる場合である。回折格子もフレネルゾーンプレートもX線の集光作用は、ブラッグの回折理論であり、凹凸のパターンがライン状に交互に並ぶ。この場合にもX線光学素子に用いる通常のパターンと、逆転させたパターンが有る。凸部分のパターンの材質も、メンブレンの材質もフレネルゾーンプレートで述べたとおりである。
本発明の放射線発生装置の第6実施例は、X線ターゲットとして、所定の曲率を有するレンズを用いた場合である。物質は、X線に対して可視光と同様に所定の屈折率を有する。ただし、その屈折率は、可視光と異なり、1より小さく、0.999といった大きさである。そして密度の高い元素ほど小さい。このために、可視光の凸レンズがX線では凹レンズの働きをし、凹レンズが凸レンズの働きをする。屈折率に基づきその曲率をデザインして焦点距離を決めるのは、通常の光学レンズを設計するのと変わらない。ただし、ここでも材質の選択は、目的のX線を発生するのに適な材質となる。それは、前記段落0020および0021で述べた凸部の材質と同様である。
本発明の放射線発生装置の第7実施例は、結晶を用いる場合である。結晶をフレネルゾーンプレートの代わりに用いる。従って、結晶を電子軌道に投入すると、結晶格子にある原子から制動放射または特性X線を発生して、かつ結晶により回折を起こして特定方向に特定エネルギーのX線を放射する。結晶格子を通常のX線光学素子として使う場合には、結晶の後ろ即ちゾーンプレートのメンブレンに当たる部分を、希望するX線を発生する素材で作るのがよい。従ってその素材はゾーンプレートで述べたとおりである。結晶を単独で電子軌道内に挿入するときは、所定のX線を発生しやすい材料を結晶に使用することと、目的のX線を吸収しにくい材質を使用することが重要である。一般的には、軽元素でできた結晶を使用するのがよい。あるいは薄い材質を用いるのがよい。本実施例では、1ミクロンのSi、ダイヤモンド、サファイヤを使用しているがその限りではない。
以上に述べた光学素子を荷電粒子軌道に挿入するとき、いずれの光学素子も、回転機構に載せるのがよい。放射線発生方向を調整することができる。ただし、特定のエネルギーを持つX線が収束することになる。さらにはまた、X線を発生するメカニズムとして遷移放射を用い、遷移放射機構と収束機構を組み合わせることにより、さらにX線の強度を上げる効果をもたらした。
以上、本発明の実施例を説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内にて、荷電粒子ビームの種類および発生する放射線の種類(X線、紫外線、極端紫外線、軟X線、硬X線、ガンマー線、電子線、陽電子線、中性子線、ニュートリノ等の電磁波等)、放射線発生ターゲットを構成する放射線放射体の形状(好適には同心円状)、形式および材質(Si、SiN、SiO、C、Be、Al等)、放射線吸収体の形状(円板状等)、形式および材質(Al、Cu、Be等)、フレネルゾーンプレート、回折格子、所定の屈折率を有する物質の種類、吸収体の厚さ、遷移放射発生材の積層形態、結晶の形状、形式および種類および該結晶のすぐ上流の放射線発生材質との関連構成、放射線発生装置における荷電粒子ビームの周回形態、荷電粒子を周回させる手段(シンクロトロンまたはベータトロンあるいはマイクロトロンもしくはそれらの複合体を用いたもの)等については適宜選定できる。
本発明の放射線発生装置の第1実施例を示す光学素子であるターゲットの断面図である。 同、荷電粒子発生装置および荷電粒子周回装置の平面図である。 本発明の放射線発生装置の第2実施例を示すものでターゲットの断面図である。 本発明の放射線発生装置の第4実施例を示すものでターゲットの断面図である。 従来の放射線発生装置の説明図であると同時にメンブレムと放射線吸収体とを変更した本発明の第3実施例を示す断面図でもある。 従来のターゲットであるゾーンプレートの説明図である。
符号の説明
1 電磁石
2 パータベータ
3 加速空洞
4 真空槽
5 電子軌道
6 X線ターゲット(フレネルゾーンプレート、回折格子、X線レンズ等)
7 X線ポート
8 マイクロトン
11 メンブレムまたはX線放射体
12 X線吸収体(タンタル等)
13 メンブレム
14 X線放射体
15 積層遷移法綾発生機構

Claims (12)

  1. 荷電粒子ビームをターゲットに衝突させて放射線を発生して使用する放射線発生装置であって、
    前記放射線が、制動放射もしくは遷移放射により発生する放射線、または、ガンマー線、電子線、陽電子線、中性子線およびニュートリノからなる群の中から選択されるいずれかひとつの放射線であり、
    前記ターゲットが、前記荷電粒子ビーム軌道上に設置され、発生した前記放射線を干渉によって収束させることを特徴とする放射線発生装置。
  2. 請求項1の放射線発生装置において、
    前記ターゲットが、フレネルゾーンプレート回折格子および屈折レンズからなる群の中から選択されるいずれかひとつであることを特徴とする放射線発生装置。
  3. 請求項2の放射線発生装置において、
    前記フレネルゾーンプレートまたは前記回折格子が、透過体と複数の吸収体とを備え、
    前記透過体が前記放射線を発生せず、
    複数の前記吸収体が前記放射線を発生し、
    複数の前記吸収体が、前記ターゲット外に放射される前記放射線が干渉によって収束するように、前記透過体の表面に配置されていることを特徴とする放射線発生装置。
  4. 請求項3の放射線発生装置において、
    放射される前記放射線のエネルギーが所定の値になるように、前記吸収体の材質および厚さが決定されていることを特徴とする放射線発生装置。
  5. 請求項3の放射線発生装置において、
    前記吸収体が、遷移放射を発生する材質を用いて単層または積層状に形成されていることを特徴とする放射線発生装置。
  6. 請求項2の放射線発生装置において、
    前記フレネルゾーンプレートまたは前記回折格子が、メンブレンと複数の吸収体とを備え、
    前記メンブレンが、前記放射線を発生しやすい材質で形成され、
    複数の前記吸収体が、前記メンブレンにより発生した前記放射線を吸収し、
    複数の前記吸収体が、前記フレネルゾーンプレートまたは前記回折格子の外に放射される前記放射線が干渉によって収束するように、前記メンブレンの表面に配置されていることを特徴とする放射線発生装置。
  7. 請求項6の放射線発生装置において、
    放射される前記放射線のエネルギーが所定の値になるように、前記メンブレンの材質および厚さが決定されていることを特徴とする放射線発生装置。
  8. 請求項6の放射線発生装置において、
    前記メンブレンが、遷移放射を発生する材質を用いて単層または積層状に形成されていることを特徴とする放射線発生装置。
  9. 請求項1の放射線発生装置において、
    前記ターゲットが、結晶結晶のすぐ上流に配置された放射線を発生しやすいとを備えることを特徴とする放射線発生装置。
  10. 請求項1の放射線発生装置において、
    前記ターゲットが、結晶結晶の上流に配置された遷移放射を発生しやすい単層または積層状のとを備えることを特徴とする放射線発生装置。
  11. 請求項110のいずれかの放射線発生装置において、
    前記荷電粒子を周回させることにより前記荷電粒子ビームを繰り返し利用して放射線発生効率を上げたことを特徴とする放射線発生装置。
  12. 請求項11の放射線発生装置において、
    前記荷電粒子を周回させる手段がシンクロトロンベータトロンおよびマイクロトロンからなる群の中から選択される少なくともひとつであることを特徴とする放射線発生装置。
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