JP4206636B2 - 非定着式受像シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、シート表面が凹凸状に形成され、除去可能にトナーが付着される非定着式受像シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
[定着式受像シート]
現在、パソコンからの出力に用いられているプリンタにおいて、一般的に用いられている印字方式は、トナー粒子を紙・プラスチック等からなる受像シート上に加熱定着する電子写真方式、またはインクを受像シート上に乾燥定着するインクジェット方式が代表的である。
【0003】
上記各定着方式では、プリント時間がかかり、電気代やインク等の消耗品が必要になり、ランニングコストがかかる。また最近の環境負荷抵減指向によりプリンタのエネルギー削減、紙の消費量削減が求められている。
【0004】
一方、プリンタ等で出力された紙は一時的に必要であるが、一旦見るとすぐ不要になり廃棄される場合が多いのも現状である。
【0005】
[非定着式受像シート]
上記のような方式に対して、転写紙を再利用する方法も知られている。たとえば、転写紙からトナーを分離させる方法として転写紙を一対の熱ローラ間を通過させて固化したトナーを溶融・剥離する方法や、界面活性剤などの水溶液を利用して脱墨する方法が知られている。
【0006】
しかしながら、加熱や浸透する水分除去に多量のエネルギーが必要であり、さらに除去したトナーは溶融固化しているため再利用できない。
【0007】
そこで、特開平6−43682号公報は、このような問題の解決を目指し、受像シート表面に微小突起を分散形成し、この多数の微小突起を有する受像シート面にトナー像を転写した後、加圧により固定して画像を形成し、その後該トナーを機械的方法で受像シートから脱離させ、受像シート及びトナーの再利用することを提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平6−43682号公報に記載された受像シートによると、一応微小突起がシート上方のスペーサの役目を果たし、シート表面に重ねられた上側のシートの裏面にトナー粒子が付着するのを防いでいるが、シート表面に付着されたトナー粒子を機械的に確実に保持する機能は殆ど果たしていない。
【0009】
また、シート表面の中心線平均表面粗さについて、従来の受像シートは、通常Ra0.1μmより小さく、平滑となるように設定されているが、そのためにトナー粒子のファンデルワールス力が大きくなり過ぎて、トナー粒子のシート表面への付着力が大きくなり、良好なクリーニング性(トナー除去性)が得られなくなって、シート再生に支障をきたすことがある。また、中心線表面平均粗さRaが小さいことにより、正反射光量(光沢)が多くなり過ぎて、画像が見づらくなることもある。
【0010】
また、微小突起を単に分散して形成しているだけであるので、受像シートの微小突起にトナーが付着したまま、画像形成後の受像シートが取り扱われることもある。加圧処理によって該突起に固定されるというものの、そのトナー固定は機械的に受像シートから除去できる程度のものに過ぎず、手指で触ったり、重ね擦られることで、手指やシート裏面を汚してしまうこともある。
【0011】
また、受像シートに形成される微小突起は各々孤立した点状に形成されているため、外力を受けると撓んだり、変形しやすいので、突起間に物体が入り込みやすく、画像が撹乱作用を受け、トナー像を十分に保護できない。
【0012】
【発明の目的】
本願請求項1記載の発明は、繰り返し使用可能な受像シートを実現すると共に、上記特開平6−43682号の受像シートよりも機械的なトナー保持性を向上させ、かつ、クリーニング性(トナー除去性)も向上させることを目的としている。請求項2の発明は、機械的な保持性をさらに向上させることを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための技術的手段】
上記目的を達成するために本願請求項1記載の発明は、トナー粒子が除去可能に付着される非定着式受像シートにおいて、受像シートの表面に、トナー粒子を受容する多数の凹部とトナー粒子を保護する多数の凸部を形成し、受像シートの表面の中心線平均表面粗さRaを0.2μm以上1.0μm以下としていることを特徴としている。
【0014】
請求項2記載の非定着式受像シートは、請求項1記載の非定着式受像シートにおいて、上記凹凸表面を構成する凹部は溝状に形成され、凸部は溝状凹部に沿う尾根状の凸条部として形成されていることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
[非定着式受像シートの構造]
図1は本願発明を適用した非定着式受像シートSの縦断面拡大部分斜視図であり、受像シートSの断面構造は、シート表層2と、シート芯層3により積層構造(ニ層構造)となっている。シート表層2の表面は、多数の凹部5と凸部6が形成された凹凸表面となっている。
【0016】
凹部5は連続溝状に形成されており、凸部6は溝状凹部5に沿って尾根状に連なっており、いわゆる凸条部として形成されている。そしてシート表層2の表面の中心線表面平均粗さRaは0.2μm以上1.0μm以下になっている。
【0017】
溝条凹部5はトナー10を受容するために規則的に、たとえば同一幅W1で平行に設けられている。各凹部5の上記幅W1は、トナー10の平均粒径の2倍以上の幅を有していることが望ましい。たとえば、トナー10の平均粒径2〜30μmに対して、各溝状凹部5の幅W1は20μm〜500μmであることが好ましく、また、深さD(凸部高さH)は20μm〜100μmであることが好ましい。凸部6の幅W2は、溝状凹部5の幅W1の2分の1以下50分の1以上であることが好ましい。
【0018】
受像シートSの材質は、紙、合成樹脂(ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリイミド、ポリアミド等)又はこれらの組合せ等種々の材料で形成できる。
【0019】
図1のように、凹部5を連続溝状とし、凸部6を連続溝状凹部5に沿う尾根状の凸条部6としていることにより、凸条部6が凹部5の幅W1及び上方空間のスペースの役目を果たし、溝条凹部5の底面の所定位置に付着されたトナーを機械的に安定保持し、かつ、画像形成済みの画像シートを積み重ねても、上側の画像シートの裏面がトナーにより汚れることはなく、また、画像シートの表面を手で触っても、凸条部6がトナー粒子を保護していることにより、手が汚れたりあるいは受像シート表面が汚れたりすることもない。
【0020】
しかも、シート表層2の表面の中心線表面平均粗さRaを、0.2μm以上1.0μ m 以下としているので、トナー粒子のファンデルワールス力が大きくも小さくもなり過ぎず、良好なクリーニング性(トナー除去性)を保つことができ、また、正反射光量も過大になり過ぎず、いわゆる「テカテカ」現象を防止でき、印刷面が見易い適度な光沢を得ることができる。
【0021】
[非定着式受像シートの製造方法]
図1に示すように凹凸表面を有するシート表層2を、シート芯層3に積層状に形成する方法としては、たとえば、紙等からなるシート芯層3の上に合成樹脂(たとえばポリエチレン、アクリル、ポリエステル等の熱可塑性樹脂)、あるいはその樹脂に酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、クレイ、タルク等に白色顔料、体質顔料などを混練したシート表層材料の層を、所定の連続溝状凹部5を形成できるパターンを形成した成形型(たとえばマスターローラ)で成形して凹凸面を形成できる。成形型に樹脂の流し込み成形等によってもよい。
【0022】
また、シート芯層3上にいわゆるレジストとして利用されるポリマーの膜を形成し、遮光マスクを介して露光処理し、連続溝状凹部5に相当する部分を除去する方法、さらに具体例を挙げると、シート芯層3上に光重合性ポリマーの膜を形成し、遮光マスクを介して露光処理し、その後連続溝状凹部5に相当する部分を水洗等により除去する方法も例示できる。
【0023】
シート表層2の中心線表面平均粗さRaの制御は、形状作成用型(シリコーンゴム)の表面に無機微粒子(シリカ)を分散・混練する場合に、上記無機微粒子(シリカ)の量を調節することにより行なう。
【0024】
[画像形成装置]
本願発明に係る非定着式受像シートに画像を形成するための画像形成装置を説明する。
【0025】
図2は画像形成装置の一例を示しており、画像形成装置21の搬送始端側(図2の左側)にシートクリーニング装置(トナー除去装置)20を配置し、搬送終端側に凸条部クリーニング装置(凸条部トナー除去装置)22を配置してある。シートクリーニング装置20は、回収導電性ブラシローラ25と対向ローラ26から構成されている。画像形成装置21はドラム状の感光体27とこれに対向する転写ローラ28から構成され、感光体27の周囲には、転写ローラ28に当接する転写部30からドラム回転方向R側へと順に、トナー拭取部(掻取り部)31、画像帯電部32、露光部33及び現像部34が配置されている。転写ローラ28はトナー粒子を引き付けるバイアスが印加されている。凸条部クリーニング装置22は帯電性ローラ35と対向ローラ36から構成され、帯電性ローラ35にはトナー拭取部37が配置されている。
【0026】
[画像形成方法]
図2の画像形成装置21を用いた画像形成方法を説明する。
(1)画像形成装置21は、画像帯電部32において感光体27の表面を一様に約−900Vに帯電し、露光部33において画像データに応じた露光を行い感光体27の表面に静電潜像を形成する。感光体27の表面のうち、露光された部分は約−100Vに減衰し、未露光部分は約−900Vを維持される。その後、現像部34において静電潜像に応じてトナー粒子(負極性)を感光体27に付着させる。
【0027】
(2)受像シートSは、再利用の場合には一旦クリーニング装置20において溝条凹部5内のトナー粒子が除去され、また、再利用でない場合でも、必要に応じて表面がクリーニングされ、画像形成装置21の転写部30へ搬送される。
【0028】
(3)画像形成装置21の転写部30において、上記クリーニング装置20から搬送されてくる受像シートSの凹凸表面に、前記感光体27に付着した静電潜像のトナー粒子を転写する。このとき、転写ローラ28に印加されるバイアスは、たとえば約+1kVが印加されている。
【0029】
図3は転写部30の拡大図であり、感光体27の表面に付着しているトナー粒子10は、その殆どが溝条凹部5の底面に付着するが、一部は凸条部6にも付着する。転写の際には、凸条部6が感光体27と溝状凹部5の底面との間のスペーサの役目を果たし、溝条凹部5の底面と感光体27が接近し過ぎるのを防止し、適度な電界距離を確保し、良好な転写性を発揮することができる。
【0030】
(4)トナー像が転写された受像シートSは、図2の凸条部クリーニング装置22に搬送され、図4に示すように、帯電性ローラ(正荷電)35の静電力にて凸条部6に付着したトナー粒子10が回収される。このとき帯電性ローラ35には約+300Vのバイアスが印加され、対向ローラ36は接地されている。
【0031】
(5)画像形成された受像シートSを再度利用する場合には、図2のシートクリーニング装置20に搬送され、凹部5に付着したトナー粒子を回収する。図5において、このとき回収導電性ブラシローラ25にはトナー粒子帯電極性と逆極性の約+1kVのバイアスが印加される。また、対向ローラ26は接地されている。
【0032】
【実施例】
下記の表1は、図1のような受像シートとして、各種中心線表面平均粗さRaのサンプルシートSP1〜SP10を作成し、それらのクリーニング性及び光沢を比較した表である。
【0033】
各種サンプルシートSPnの具体的な製造方法としては、ポリエチレンテレフタレートを厚さ約80μmのシート状に加工したシート芯層2上に、熱可塑性樹脂(高密度ポリエチレン)を均一に塗布した後、形状作成用型(シリコーンゴム)を重ねて熱プレス(120℃、30分間、10kg/cm2)し、その後冷却して分離し、表面形状を転写した。このとき形状作成用型(シリコーンゴム)の表面に無機微粒子(シリカ)を分散・混練することにより形状作成用型の表面粗さを調節し、シート表層2の中心線表面平均粗さを制御した。また転写された凹凸形状は、図1において、凹部幅W1=200μm、凸部幅W2=10μm、高さD(H)50μmで、表層の厚み最小部(凹部底面部の表層の厚み)T3は約20μmであった。
【0034】
上記のように、形状作成用型(シリコーンゴム)表面に分散・混練する無機微粒子(シリカ)の量を制御して、表1に示す各種中心線表面平均粗さRaのサンプルシートSP1〜SP10を作成した。
【0035】
表面粗さの測定は、表面粗さ測定機サーフコム554A((株)東京精密)において、軟物質粗さ測定用ピックアップE−DT−S02Aを用い、中心線表面平均粗さRaを測定した。
【0036】
【表1】
【0037】
表1において、クリーニング性の評価については、画像形成されたサンプルシートSPを図2のシートクリーニング装置20を通過させ、画像形成装置21の転写部30の直前におけるサンプルシートSPの残像を目視で評価した。残像のないものを良好(○)、それ以外を不可(×)とした。
【0038】
光沢の評価については、光沢計(日本電色工業(株))社製:VG−2000)を用いて測定角度20°で測定した。その測定値が40以下を良好(○)、それ以上を不可(×)とした。
【0039】
[クリーニング性の評価]
表1において、サンプルシートSP1(Ra0.11μm)のように中心線平均表面粗さRaが小さ過ぎると、トナー粒子のファンデルワールス力が大きくなり、トナー粒子とシート表層2の表面との間の付着力が増加して、トナー粒子が剥離しにくく、クリーニングが困難となった。
【0040】
反対に、サンプルシートSP9(Ra1.46μm)及びSP10(Ra1.52μm)のように、中心線平均表面粗さRaが大きいと、トナー粒子がシート表層2の表面の凹凸(表面粗さによる凹凸)に粒子が入り込み、接触面積が増加して、剥離が困難となった。
【0041】
[光沢の評価]
サンプルシートSP1(Ra0.11μm)及びSP2(Ra0.16μm)のように、中心線平均表面粗さRaが小さ過ぎると、正反射光量(光沢)が多くなり、画像が見づらくなった。
【0042】
上記各評価から、サンプルシートSP3〜SP7のように、シート表層2のトナー粒子に接触する表面の中心線平均表面粗さRaを略0.2μm以上1.0μm以下程度に制御することで、良好なクリーニング性が得られると同時に光沢残像が発生し難い適度な光沢が得られた。すなわち、繰り返し安定性が改善され、かつ光沢を抑えた見やすい画像を得ることが可能であった。
【0043】
【本願発明の別の実施の形態】
(1)図1はシート表層とシート芯層を備えたニ層の積層構造の非定着式受像シートに適用しているが、三層以上の積層構造に非定着式受像シートにも、また、単層で形成される受像シートにも本願発明を適用することは可能である。
【0044】
図2に示す乾式のシートクリーニング装置(画像除去装置)20の代わりに、図6に示すように、受像シートに液体を付与することで、受像シートの凹部のトナーを除去し、該シートを再使用可能な状態に再生する画像除去装置210を利用することも可能である。以下、図6の画像除去装置210を説明する。
【0045】
▲1▼ 画像除去装置の概略構成
画像除去装置210は、概略、この装置210で再生する受像シートSを収容し供給するシート供給部212と、シート供給部212から送り出された受像シートSに液体を付与して該受像シートSを濡らす浸漬部214と、液体の付与された受像シートSからトナーを除去するトナー除去部216と、トナーが除去された受像シートSに液体をスプレーして該受像シートS上に残留しているトナーなどの異物を除去するリンス部218と、トナーが除去された受像シートSの表面に付着した液体を除去する液体除去部220と、液体を除去した受像シートSを再利用可能な状態まで乾燥する乾燥部222と、乾燥した受像シートSを排出し収容するシート排出部224とを有する。
【0046】
▲2▼ シート供給部
シート供給部212は、受像シートSを収容する供給トレイ226を有する。シート供給部212はまた、供給トレイ226に積層して収容されている複数の受像シートSから最上シートのみを送り出すための捌き機構228と、捌き機構228によって下層のシートから分離された最上シートをシート搬送経路230に沿って送り出す送り出し機構232を有する。本実施形態では、捌き機構228として、最上シートに接触するピックアップローラと該ピックアップローラの外周面に接触する捌きパッドとを有する捌き装置を利用しているが、他の形態の捌き装置を利用してもよい。また、送り出し機構232としては、通常、駆動系に連結された第1の軸とこれに平行に配置された第2の軸とを有し、これらの軸に所定の間隔をあけて複数のローラ(例えば、ゴムローラ)を取り付け、一方の軸に取り付けたローラと他方の軸に取り付けたローラとでシートを挟持して搬送する、従来から複写機やプリンタの用紙搬送装置として利用されているローラ搬送装置が利用される。
【0047】
▲3▼ 浸漬部
浸漬部214は、クリーニング液(液体)234を収容する容器236を有する。クリーニング液234としては、水が利用される。なお、受像シートSに付着しているトナーを除去し易くするために、界面活性剤を約0.01%(=界面活性剤の重量/水の重量)添加してもよい。また、必要に応じて他の材料をクリーニング液234に添加してもよい。
【0048】
容器236の内部空間は、越流壁238によって、受像シートSを浸漬するための浸漬槽240と、この浸漬槽240から越流したクリーニング液234を収容する越流槽242とに分断されている。容器236にはまた、浸漬槽240から越流壁238を越流して越流槽242に流れ込んだクリーニング液234を再び浸漬槽240に送り込むとともに越流槽242から浸漬槽240にクリーニング液234を送る過程で該クリーニング液234に含まれる異物(例えば、トナー)を回収する液体循環部244が付設されている。
【0049】
液体循環部244は液体循環路248を有する。液体循環路248は、一端が越流槽242に接続され、他端が浸漬槽240の上方に位置している。したがって、越流槽242に溜まったクリーニング液234は、浸漬槽240に液面上から補給される。また、液体循環路248は、この液体循環路248に沿ってクリーニング液234を強制循環するためのポンプ250と、クリーニング液234に含まれる異物を除去するフィルタ部252を有する。
【0050】
越流槽242の液面高さを一定にするために、液面高さを計測し、越流槽242内の水位が所定以下になると図示しない予備タンクから浸漬槽240にクリーニング液234が補充されるようにしてもよい。
【0051】
容器236の浸漬槽240には、シート搬送経路230に沿って、シート供給部212から送られてきた受像シートSを浸漬槽240内のクリーニング液234中で搬送するために、複数の搬送機構256と、これら複数の搬送機構256の間で受像シートSをガイドするガイド部材(図示せず)とを有する。搬送機構256は、上述したローラ搬送装置が用いられる。ガイド部材としては、シート搬送経路230を挟み、所定の間隔をあけて対向する一対のガイド板(クリーニング液234が出入りできる複数の開口部を有する板)又はガイドワイヤ(シート搬送方向に伸び且つシート搬送方向と直交する方向に所定の間隔をあけて配置された複数のワイヤ)が好適に利用できる。
【0052】
▲4▼ トナー除去部
トナー除去部216は、シート搬送経路230を挟んで対向する一対のブラシローラ258を有する。これらブラシローラ258は、駆動系に連結された軸と、この軸の外周にナイロン繊維の植毛された基布を巻き付けたものが利用され、シート搬送経路230に沿って搬送される受像シートSの表面と裏面にそれぞれのブラシローラ258の毛が接触するように配置されている。また、ブラシローラ258の間を通過する受像シートSの表面又は裏面に付着しているトナーに接触して該受像シートSからトナーを除去するために、それぞれ図示しないモータに駆動連結されている。
【0053】
なお、ブラシローラ258の周速度は、受像シートSの搬送速度の数倍から数十倍に設定される。また、ブラシローラ258の回転方向について簡単に説明すると、受像シートSの先端がブラシローラ258の対向部に進入するときブラシローラ258の毛先がシート搬送方向に移動し、受像シートSの先端が対向部を通過した後は毛先がシート搬送方向と逆方向に移動するように、ブラシローラ258の駆動モータを制御することが好ましい。
【0054】
なお、図6では、受像シートSに接触して該受像シートSからトナーを除去する部材としてブラシローラ258を用いているが、回転軸の周囲にスポンジ又は布等の柔らかい部材を取り付けたローラを利用することもできる。
【0055】
▲5▼ リンス部
リンス部218は、一対のブラシローラ258の間を通過する又は通過した受像シートSの表面と裏面にクリーニング液234を供給するために、シート搬送経路230を挟み且つブラシローラ258の上方に配置されたスプレーノズル260を有する。このスプレーノズル260は、上述した液体循環路248の他端に接続されており、この液体循環路248で浄化されたクリーニング液234が供給されるようにしてある。なお、本実施形態において、スプレーノズル260は、所定の間隔をあけて液体噴射孔を形成した管をその途中で180°折り返して形成されている。
【0056】
なお、図に示すように、シート搬送経路の両側にブラシローラ258及びスプレーノズル260を設けてあるのは、供給トレイ226上に受像シートの凹凸面を下側又は上側にして配置しても画像除去が行われるようにするためである。
【0057】
▲6▼ 液体除去部
液体除去部220は、シート搬送経路230を挟んで対向するとともに、このシート搬送経路230上で互いに接触する2つのローラからなる絞りローラ対262を有する。これら絞りローラ対262を構成する2つのローラの一方は図示しないモータに駆動連結されている。
【0058】
▲7▼ 乾燥部
乾燥部222は、クリーニング液234が除去された受像シートSを、画像形成装置で再利用できる状態まで乾燥するために、液体除去部220の下流側に配置される。乾燥部222として、本実施形態では、シート搬送経路230を挟んで対向するとともに、このシート搬送経路230上で互いに接触する2つのローラ264、266からなる。これらローラ264、266のうち、少なくとも一方のローラ266は内部に加熱源であるヒータ268を備えている。
【0059】
なお、乾燥部222の乾燥手段として、上述したローラ型加熱器の代わりに、例えば、シートに対して常温の空気を吹付けるだけの送風機や、温風を吹出すことのできるヒータ内蔵型送風機を用いてもよい。さらに除湿機によって乾燥させた空気を吹付ける形態のものであってもよい。
【0060】
▲8▼ シート排出部
シート排出部224は、乾燥部222で乾燥された受像シートSを積層して収容する排出トレイ270を有する。
【0061】
▲9▼ シート再生処理
以上の構成を有する画像除去装置210の動作を説明する。具体的に、再生すべき受像シートSは供給トレイ226に積層して収容される。この状態で装置210が起動すると、供給トレイ226に収容された複数の受像シートSは、捌き機構228によって最上シートから順次送り出され、送り出し機構232によって浸漬部214に供給される。
【0062】
浸漬部214に供給された受像シートSは、ガイド部材にガイドされながら搬送機構256によって搬送され、浸漬槽240内のクリーニング液234に所定時間浸漬され、受像シートSのシート表層の凹部にクリーニング液234が浸透する。これにより、受像シートSの表面の凹部の中に付着しているトナーと表面との接着力が失われ、トナーは機械的な力を与えるだけで分離可能な状態になる。浸漬槽240のクリーニング液234から排出された受像シートSは、その表面と裏面が一対のブラシローラ258の摺擦力を受け、これら表面又は裏面に付着しているトナーが除去される。このとき、受像シートSの表面と裏面にはそれぞれスプレーノズル260からクリーニング液234が噴射され、ブラシローラ258の対向部を通過したシート部分に付着しているトナーが洗い流される。また、ブラシローラ258に付着したトナーが浸漬槽240に洗い落とされる。
【0063】
浸漬槽240に落下したトナー、また浸漬槽240の中を受像シートSが搬送される過程で該受像シートSから分離したトナーは、越流壁238を越えて浸漬槽240から越流槽242に流れるクリーニング液234と共に越流槽242に流れ込む。越流槽242のクリーニング液234に含まれるトナーは、液体循環路248内をポンプ250によって送られ、フィルタ部252によって除去される。トナーが除去されたクリーニング234は、スプレーノズル260から受像シートSの表面と裏面、及びブラシローラ258に噴射される。
【0064】
トナーが除去された受像シートSは、液体除去部220の絞りローラ対262によって挟圧され、表面上のクリーニング液234が除去される。続いて、受像シートSは乾燥部222に送られて乾燥された後、シート排出部224の排出トレイ270上に排出される。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本願発明は、
(1)トナー粒子が除去可能に付着される非定着式受像シートを採用しているので、受像シートの再利用ができ、紙消費量を削減できると共に、定着式のようなエネルギー及び消耗品が不要になり、また、受像シートから回収したトナーを再利用でき、ランニングコストの低減が可能になる。
【0066】
(2)受像シートの表面に、トナー粒子を受容する多数の凹部とトナー粒子を保護する多数の凸部が形成されているので、凹部内にトナー粒子を機械的に確実に保持し、かつ、多数の凸部により上記機械的な保持を強固にすると共に、凸部がスペーサとしての役目を果たすことにより、上方からの異物(指あるいは他のシート裏面)の接触を確実に防ぎ、機械的な保持性を向上させることができる。
【0067】
(3)受像シートの表面の中心線平均表面粗さRaを0.2μm以上1.0μm以下としているので、表1から明確なように、良好なクリーニング性が得られると同時に光沢残像が発生し難い適度な光沢が得られる。すなわち、受像シートの繰り返し安定性が改善され、かつ光沢を抑えた見やすい画像を得ることができる。
【0068】
(4)上記凹凸表面を構成する凹部を溝状に形成し、凸部を溝状凹部に沿う尾根状の凸条部として形成することにより、トナー粒子の機械的な保持性がさらに安定し、また、受像シートの自体の強度も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明を適用した非定着式受像シートの縦断面部分拡大斜視図である。
【図2】 画像形成装置の簡略側面図である。
【図3】 画像形成装置の転写部の拡大縦断面図である。
【図4】 凸条部クリーニング装置の拡大縦断面図である。
【図5】 クリーニング装置(画像除去装置)の拡大縦断面図である。
【図6】 湿式のクリーニング装置(画像除去装置)の簡略側面図である。
【符号の説明】
2 シート表層
3 シート芯層
5 溝状凹部
6 凸部(凸条部)
10 トナー粒子
Claims (2)
- トナー粒子が除去可能に付着される非定着式受像シートにおいて、
受像シートの表面に、トナー粒子を受容する多数の凹部とトナー粒子を保護する多数の凸部を形成し、
シート表面の中心線平均表面粗さRaを0.2μm以上1.0μm以下としていることを特徴とする非定着式受像シート。 - 上記凹凸表面を構成する凹部は溝状に形成され、凸部は溝状凹部に沿う尾根状の凸条部として形成されていることを特徴とする請求項1記載の非定着式受像シート。
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