JP4206262B2 - キャブレター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はキャブレター、特にサイドドラフトタイプのオートバイ用キャブレターの改良に関する。
【0002】
【特許文献】
本発明に関連する文献としては出願人が平成1年1月30日に出願し、平成2年8月10日に公開された実開平2−101063号が存在する。
【0003】
【従来の技術】
一般的に、オートバイ用のキャブレターとしては、スロットルグリップとつながったコントロールワイヤーを介してピストン自体を上下動させるVMタイプのものと、同じくコントロールワイヤーを介してバタフライ状のスロットルバルブを開閉し、ピストン下の気圧の変動によってピストンを自動的に上下動させるCVタイプのものとが知られているが、燃料となるガソリンを空気と混合し、霧化させて速い燃焼を実現させるための原理は共通である。
【0004】
ここで、図6、図7を用いて従来のCVタイプのキャブレターの説明をする。図6は従来のCVタイプのキャブレターのアイドリングから低速走行時の状態を示す断面図、図7は同じく高速走行時の状態を示す断面図である。
【0005】
図6、図7にあって1はアルミダイカスト等によって成形され、略中央内部に径を挟めるベンチュリ部1aを形成したベンチュリ管である。このベンチュリ管1の上部にはサクションチャンバー2が一体的に設けられ、このサクションチャンバー2の内部には後述するピストン4のロッド4aがガイドされるシリンダ3が形成されている。
【0006】
また、このサクションチャンバー2内にあってはロッド4aを前記したシリンダ3内に挿通して上下動を可能とされたピストン4がダイヤフラム5で保持されているもので、そのピストン4は前記ベンチュリ管1内へ上方から突出されるものとなっており、そのピストン4の下端でエンジン側寄りには前記したサクションチャンバー2と連通するサクションホール4bが設けられている。
【0007】
さらに、ピストン4の下端面中央にはガソリンの噴出量の調整部材としてのニードル9がネジ等の固定手段によって固定されており、このニードル9は先端にいく程細くなり、ベンチュリ管1の下部となるベンチュリ部1aに設けられたガソリン供給用ノズル6内に嵌入されるものとなっている。
【0008】
このガソリン供給用ノズル6には燃料タンクからフロートバルブ機構等を介して送られてきたガソリンが存在している。
【0009】
また、図中7はバタフライ状としたスロットルバルブであり、このスロットルバルブ7はスロットルグリップの回動によってコントロールワイヤーを介して開閉するもので、最大で90度回転し全開状態となる。尚、図中8はピストン4を下方へ附勢しているコイルスプリングである。
【0010】
ここで、この従来のCVタイプのキャブレターの動作を説明すると、図6として示すアイドリングやスロー走行時の状態にあってはスロットルバルブ7の開度は小さく、そのためベンチュリ管1に吸い込まれる空気の流速も遅く、ベンチュリ部1aにおける負圧も小さく、サクションホール4bを介して連通しているサクションチャンバー2との負圧も小さいため、ピストン4をコイルスプリング8の附勢力に抗して押し上げる大気圧との差があまりなく、ピストン4はベンチュリ管1内に大きく突き出た状態で、ニードル9も深くノズル6内に嵌入しており、霧化されるためのガソリンの供給量も少ない。
【0011】
このアイドリング、スロー走行の状態から図7として示す高速走行時の状態ではスロットルバルブ7が90度開いて、ベンチュリ部1aを通過する空気の流速が速くなり(エンジンの回転数が上がる)、ベンチュリ部1aにおける負圧が大きくなる。それに従ってサクションチャンバー2における気圧も下がり、ピストン4はダイヤフラム5を変形させて上昇され、コイルスプリング8の附勢力と均衡した位置で停止する。
【0012】
同期して、ノズル6内に深く嵌入していたニードル9も引き上げられ、ノズル6のガソリン通路面積が増し、ガソリンの噴出量も増すようになっている。
【0013】
なお、VMタイプのキャブレターとの差異は、スロットルバルブ7の有無で、コントロールワイヤーでダイレクトにピストンを上下動させる点で、勿論VMタイプのキャブレターにはサクションチャンバー2等の機構は不要となる。
【0014】
しかしながら、ニードル9を用いた従来のキャブレターは、ガソリンの噴出する部分をニードル9とノズル6とのクリアランスとしており、その噴出する部分はベンチュリ部1aと対応し、空気の流速に影響を受けるためガソリン粒子が大きくなってしまい、空気との混合による霧化状態が悪くなって完全燃焼に限界があり、出力が上がらずに排気ガスの濃度も高く、燃費の悪いものとなっていた。
【0015】
係る問題点を解決するため、出願人は前記した特許文献として示す実用新案を開発し、出願手続を行なった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記した文献に示されるキャブレターにあっても、どうしてもアイドリングやスロー走行時系におけるガソリン供給には適量を確保するために独自の回路が必要となり、この回路のための部品点数や製造、加工工程によってコスト高となってしまう。また、通常、アイドリングやスロー走行系の回路とメイン系の両方からガソリンと空気の混合気が供給される構造となり、燃費も悪く、スロットルレスポンスも悪い状態、即ち、走行フィーリングが鈍くなってしまう傾向があった。
【0017】
【発明の目的】
そこで、本発明は上記した従来の実情、問題点に着目してなされたもので、大幅なコストダウンを図り、一層の燃費の向上を図り、スロットルレスポンスを良好として、エンジンの作動特性におけるムラをないようにするキャブレターを提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係るキャブレターはベンチュリ管内に突出されるピストンにその上部を固着され、下端がガソリン供給用ノズル内に嵌入されるガソリン噴射量の調整部材を、前記したガソリン供給用ノズルの内径と合致する外径のパイプ部を形成したものとし、そのパイプ部の周壁面に複数個のガソリン噴出孔を穿設したものとしたキャブレターであって、前記した調整部材の外面一部に径を細くしたくびれ部を形成し、前記したくびれ部は調整部材の略中程に形成してあるキャブレターにおいて、前記した調整部材はくびれ部より上部を無垢状態とし、このくびれ部を含めた下部をパイプ部として、そのパイプ部に前記したガソリン噴出孔を穿設してあることを特徴とし、前記したガソリン噴出孔はパイプ部の直径対向位置で、交互に高さ位置をずらして穿設されていることを特徴としている。
【0019】
【作用】
上記した構成としたことによって、ガソリン噴出量の調整部材がガソリン供給ノズルに深く嵌入されているアイドリング、スロー走行時にあってもベンチュリ管1の近くにくびれ部分が位置することとなり、ガソリンの供給量が十分となり、格別な回路も不要とされ、メインボアを通過する空気によって混合気を作るため、エンジンの作動特性にムラが生じることがなくなり、その分燃費も良くなるのである。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図1乃至図5を参照して説明する。なお、この図1乃至図5にあって図6、図7で示す従来例と共通する部分には共通する符号を付し、詳細な説明を省略する。ここで、図1は本発明に係るキャブレターに使用されるガソリン噴出量の調整部材、図2は同じく要部断面図、図3は同じく平面図、図4は同じくアイドリング、スロー走行時の状態を示す断面図、図5は同じく高速走行時の状態を示す断面図である。
【0021】
これらの図にあって10は従来のニードル9に代わって使用されるガソリン噴出量の調整部材である。この調整部材10は金属で成形された棒状のもので、その上端にはピストン4に固着するための取り付け部11が一体に備えられている。
【0022】
この調整部材10にはその中程に外形的にくびれ部12が形成されており、このくびれ部12を含めた下半部分は中空のパイプ部13とされ、上半部分は無垢状態のものとされている。
【0023】
このパイプ部13にはくびれ部12を含めて、ガソリンの噴出孔14・14‥が穿設されている。この噴出孔14・14‥はパイプ部13の直径方向の対向位置に列設され、その対向面にあって穿設の高さ位置を交互にずらせた構成としている。そして、調整部材10はベンチュリ管1内において、空気の流れに沿う方向性にその噴出孔14・14‥が向かうように固定され、高さ位置が対向面で異なることにより、より有効にガソリンの噴射がなされるようになっている。
【0024】
この調整部材10はピストン4に固着されて、ガソリン供給用ノズル6内に嵌入されるが、図4として示すアイドリング、スロー走行時にあって、くびれ部12がそのガソリン供給用ノズル6の噴射口近くに位置することとなって、従来のニードル9の先端が嵌入されている状態と近似して、十分なガソリンがベンチュリ管1内に供給されることとなる。
【0025】
【発明の効果】
本発明に係るキャブレターは上述のように構成され、作動する。そのために、アイドリング、スロー走行時における格別の回路の付設が必要なくなり、加工工程や部品点数が減少して製品コストを大幅にダウンさせることができる。また、アイドリング、スロー走行時にあってもメインボアを通過する空気でガソリン混合気を作るため、どの走行状態にあってもエンジンの作動特性にムラがなくなり、スロットルレスポンスが良好となり、その分燃費も良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキャブレターに使用されるガソリン噴出量の調整部材である。
【図2】要部断面図である。
【図3】平面図である。
【図4】アイドリング、スロー走行時の状態を示す断面図である。
【図5】高速走行時の状態を示す断面図である。
【図6】従来例を示すアイドリング、低速走行時の状態を示す断面図である。
【図7】従来例を示す高速走行時の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ベンチュリ管
1a ベンチュリ部
2 サクションチャンバー
3 シリンダ
4 ピストン
4a ロッド
4b サクションホール
5 ダイヤフラム
6 ガソリン供給用ノズル
7 スロットルバルブ
8 コイルスプリング
9 ニードル
10 調整部材
11 取り付け部
12 くびれ部
13 パイプ部
14 噴出孔
Claims (2)
- ベンチュリ管内に突出されるピストンにその上部を固着され、下端がガソリン供給用ノズル内に嵌入されるガソリン噴射量の調整部材を、前記したガソリン供給用ノズルの内径と合致する外径のパイプ部を形成したものとし、そのパイプ部の周壁面に複数個のガソリン噴出孔を穿設したものとしたキャブレターであって、前記した調整部材の外面一部に径を細くしたくびれ部を形成し、前記したくびれ部は調整部材の略中程に形成してあるキャブレターにおいて、前記した調整部材はくびれ部より上部を無垢状態とし、このくびれ部を含めた下部をパイプ部として、そのパイプ部に前記したガソリン噴出孔を穿設してあることを特徴とするキャブレター。
- 前記したガソリン噴出孔はパイプ部の直径対向位置で、交互に高さ位置をずらして穿設されていることを特徴とする請求項1に記載のキャブレター。
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