JP4206047B2 - オゾン発生管およびそれを備えるオゾン発生装置 - Google Patents
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Description
従来から知られているオゾン発生管の一例を図5、図6に示す。
図5において、このオゾン発生管は、耐オゾン性の高いステンレス鋼で作られた円筒状の接地電極1と、該接地電極1の内周面にライニングしたガラスなどの誘電体層3と、その内側に放電空間6を介して接地電極1に同心配置した中空円筒形のステンレス鋼製高電圧電極2とからなる構造を有する。
かかる構成で、オゾン発生管の円筒高電圧電極2と円筒接地電極1との間に電源7にて交流高電圧を印加した上で、オゾン発生管に供給された酸素を含んだ原料ガス4は円筒高電圧電極2と円筒接地電極1との間の放電空間6中で、無声放電によりオゾン5を生成する。
すなわち、図6において、このオゾン発生装置は、耐オゾン性の高いステンレス鋼で作られた円筒状の接地電極1と、その内側に放電空間6を介して接地電極1に同心状に配置した中空円筒形のステンレス鋼製高電圧電極2とその外周面にライニングしたガラスなどの誘電体層3からなるオゾン発生管を支持材(図に示していない)で多数個支持された構造を備える。
オゾン発生管の円筒高電圧電極2と円筒接地電極1との間に電源7にて交流高電圧を印加した上で、オゾン発生管に供給された酸素を含んだ原料ガス4は円筒高電圧電極2と円筒接地電極1との間の放電空間6中で、無声放電によりオゾン化ガス5を生成する。
また、図には示していないが、円筒高電圧電極、円筒接地電極の両側に誘電体を配置して、放電空間を形成しているものも、同様のことがいえる。
この放電ギャップ長をできるだけ一定に保つことは、安定した効率良いオゾン化ガスを生成することに繋がるために、いろいろな工夫がなされている。例えば、電極表面を研磨して、平滑にすることにより電極間の放電ギャップ長を所定の範囲内に保つ工夫が知られている。この方法は、放電ギャップ長を所定の範囲内に保つためには有効であるが、とくに、電極長が長い電極を作製する場合には、研磨するための操作や費用の点で更なる改善が求められている。
図6に示されるオゾン発生装置においては、円筒接地電極1および円筒高電圧電極2それぞれの曲りによる空間ムラの発生および放電空間6の均一性に与える影響がさらに大きく、前記図5のオゾン発生管の構成よりも放電が不均一になりオゾン発生特性を低下させることが問題となっている。
そこで本発明の課題は、オゾン発生管に備える対向電極の放電ギャップ長を所定の範囲内に保持し、バラツキが少ない対向電極を極めて簡単に作成する方法を提供することである。とくに長尺な円筒電極を備えたオゾン発生管であって、対向電極の放電ギャップ長を所定の範囲内に保持し、バラツキが少ない対向電極を極めて簡単に作成する方法を提供することである。また、オゾン化ガスを効率良く生成する技術を提供することである。
請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、電極中心部の曲がりの大きさを測定する工程が電極の端部より所定の距離のところを支点として1回転した時の電極の振れ幅の測定値から電極中心部の曲がりの大きさを算出する工程であることを特徴とする。
円筒高電圧電極および円筒接地電極はそれぞれが曲りを持っている。それらの電極を対向させ、配置する際に、二つの電極の曲りの向きや大きさの組合せによっては、形成される放電空間は原料ガス流量方向に対して一様ではなくなり、空間ムラが発生することになる可能性がある。本発明では円筒高電圧電極および円筒接地電極の前記曲がりの向きを独自の方法で簡単に知ることができ、それら電極を互いに接触させることなく、その曲がりの向きを同方向に合わせるように対向させ、配置するという簡単な方法により、対向電極間の放電空間を均一に保持できること、その電極構造を有するオゾン発生管は酸素を含む原料ガスをムラなく通過できること、しかもオゾン化ガスを効率良く発生させることが可能となった。
図1に本発明のオゾン発生管の電極構造の一例を示す。
円筒高電圧電極2と円筒接地電極1および円筒電極1の内面に誘電体3を形成し、誘電体3と円筒高電圧電極2との間に放電空間6を設けた電極構造となっている。この電極構造は以下の方法により作製できる。すなわち、円筒高電圧電極2と円筒接地電極1とを平面上に載せ、すきまを観察し、電極中心部の曲がりの向きを知ることにより、各々の電極の曲がりの向きを知る。
または、平面上に置いたV字状ブロック(図示していない)に円筒高電圧電極2を載せる。ついで、円筒高電圧電極2の中央に高さ測定器(ハイトゲージや変位計など)(図示していない)を設置し、円筒高電圧電極2を回転させる。高さ測定器が示す、すきまの距離の最大値と最小値を読み取り、円筒高電圧電極2の曲がりの大きさを測定する。測定した電極の表面に、上に凸となる側(すきまの距離の最大値のとき)が即座に把握できるように目印をつける。その際測定数値も併せて記載する。
円筒接地電極1についても同様の操作を行い、円筒接地電極の曲がりの大きさを測定し、電極の表面に、上に凸となる側が即座に把握できるように目印をつける。その際測定数値も併せて記載する。
円筒接地電極1の内面に誘電体3を形成させた後、円筒高電圧電極2の電極中心部の曲がりの向きと円筒接地電極1の電極中心部の曲がりの向きの方向を先につけた目印を基準に合わせ、円筒高電圧電極2と円筒接地電極1とを同軸状に配置させる。
円筒高電圧電極2と円筒接地電極1とは、電源7によって電気的に接続され、電源7は前記電極間に交流高電圧を印加し、放電空間6において無声放電が生じる。
放電空間6には酸素を含んだ原料ガス4が流入し、放電空間6内に原料ガスが均一に流れるように構成されている。放電空間6内に流入した原料ガス4は、含まれている酸素が放電空間6内に生じている無声放電により、オゾンが生成され、オゾン化ガス5が生成される。
円筒高電圧電極2と円筒接地電極1はそれぞれの電極中心部の曲りの向きを同方向となるように配置してあるので、電極長のバラツキが少なく、前記原料ガスが放電空間を均一に流れることにより、オゾン化ガスの発生特性が向上する。
無声放電により電極の温度が上昇すると、生成したオゾン化ガスの分解が進み、オゾン収率が低下するので、冷却水供給装置10により冷却水11を供給し、電極を常に冷却することが好ましく、オゾン化ガス5を効率よく発生させることができる。
実験は原料ガスとして空気を用い、図1に示す電極構造を備えたオゾン発生管を使用して実験した。なお、図中、dは円筒高電圧電極2の両端部の外径と、円筒接地電極1の両端部の内径の寸法で決められる放電空間の放電ギャップ間隔を示す。また、X軸は円筒高圧電極と円筒接地電極との振れ幅の差(mm単位)であり、Y軸はオゾン取り出し効率(電気入力に対するオゾン出力)である。
図3から明らかなように、円筒高電圧電極と円筒接地電極の電極中心部の曲りの差を変化させると、電極中心部の曲がりの大きさの差が-0.3〜+0.2mmのときに、オゾン収率(オゾン生成率)が高いことが判明した。
円筒高電圧電極あるいは円筒接地電極のそれぞれを、各電極の端部より所定の距離のところを支点として、1回転した時の各電極の振れ幅を、電極長手方向の中央部分で測定し、その円筒高圧電極と円筒接地電極との振れ幅をもって、電極中心部の曲がりの大きさという。図3のX軸は円筒高圧電極と円筒接地電極との振れ幅の差であり、互いの曲がり関係を表している。すなわち、X軸が左へ寄れば(負の値)、高圧電極より接地電極が曲がっていることを意味し、逆に右に寄れば(正の値)、接地電極よりも高圧電極が曲がっていることを意味する。
(1)同軸円筒型に配置された円筒高電圧電極と円筒接地電極の少なくとも一方に誘電体を配置したオゾン発生管用対向電極において、前記円筒高電圧電極と円筒接地電極とが、互いに接触せずに、前記円筒接地電極の電極中心部の曲がりの向きを同方向に合わせることを特徴とするオゾン発生管用対向電極構造。
(2)同軸円筒型に配置された円筒高電圧電極と円筒接地電極の少なくとも一方に誘電体を配置したオゾン発生管用対向電極において、前記円筒高電圧電極と円筒接地電極とが互いに接触せずに、前記円筒接地電極の電極中心部の曲がりの向きを同方向に合わせ、かつ円筒高電圧電極と円筒接地電極の長手方向の中心部の曲りの大きさの差が-0.3〜+0.2mmの範囲となるよう調整されていることを特徴とするオゾン発生管用対向電極構造。
(3)円筒高電圧電極と円筒接地電極の少なくとも一方に誘電体を配置する工程、その円筒高電圧電極と円筒接地電極とを同軸状に対向配置する工程、その円筒高電圧電極と該円筒接地電極とが互いに接触せずに、かつ円筒高電圧電極と円筒接地電極の電極中心部の曲がりの向きを同方向に合わせる工程を含むことを特徴とするオゾン発生管の作製方法。
(4)円筒高電圧電極と円筒接地電極の電極中心部の曲がりの向きを測定する工程をさらに含む、前記オゾン発生管の作製方法。
(5)円筒高電圧電極と円筒接地電極の少なくとも一方に誘電体を配置する工程、その円筒高電圧電極と円筒接地電極とを同軸状に対向配置する工程、その円筒高電圧電極と該円筒接地電極とが互いに接触せずに、かつ円筒高電圧電極と円筒接地電極の電極中心部の曲がりの向きを同方向に合わせる工程、およびその円筒高電圧電極と円筒接地電極の長手方向の中心部の曲りの大きさの差が-0.3〜+0.2mmの範囲となるように円筒高電圧電極と円筒接地電極とを選択する工程を含むことを特徴とするオゾン発生管の作製方法。
(6)円筒高電圧電極と円筒接地電極の電極中心部の曲がりの向きと曲がりの大きさを測定する工程をさらに含む、前記オゾン発生管の作製方法。
(8)円筒高電圧電極と円筒接地電極の電極中心部の曲がりの向きを測定する工程をさらに含む、前記オゾン発生装置の作製方法。
(9)円筒高電圧電極と円筒接地電極の少なくとも一方に誘電体を配置する工程、その円筒高電圧電極と円筒接地電極とを同軸状に対向配置する工程、その対向電極を備えるオゾン発生管を筐体に内蔵する工程、その円筒高電圧電極と該円筒接地電極とが互いに接触せずに、かつ円筒高電圧電極と円筒接地電極の電極中心部の曲がりの向きを同方向に合わせる工程、および円筒高電圧電極と円筒接地電極の長手方向の中心部の曲りの大きさの差が-0.3〜+0.2mmの範囲となるように円筒高電圧電極と円筒接地電極とを選択する工程を含むことを特徴とするオゾン発生装置の作製方法。
(10)円筒高電圧電極と円筒接地電極の電極中心部の曲がりの向きと曲がりの大きさを測定する工程をさらに含む、前記オゾン発生装置の作製方法。
2.円筒高電圧電極
3.誘電体
4.原料ガス
5.オゾン化ガス
6.放電空間
7.電源
10.冷却水供給装置
11.冷却水
Claims (2)
- 円筒高電圧電極と円筒接地電極の少なくとも一方に誘電体を配置する工程、その円筒高電圧電極と円筒接地電極とを同軸状に対向配置する工程を含むオゾン発生管の作製方法において、前記少なくとも一方に誘電体を配置した円筒高電圧電極と円筒接地電極のそれぞれの電極中心部の曲がりの大きさを測定する工程、および前記少なくとも一方に誘電体を配置した円筒高電圧電極と円筒接地電極とが互いに接触せずに、かつ円筒高電圧電極と円筒接地電極の電極中心部の曲がりの向きを同方向に合わせる工程を含むことを特徴とする円筒高電圧電極と円筒接地電極の中心部の曲りの大きさの差が-0.3〜+0.2mmの範囲であるオゾン発生管の作製方法。
- 電極中心部の曲がりの大きさを測定する工程が電極の端部より所定の距離のところを支点として1回転した時の電極の振れ幅の測定値から電極中心部の曲がりの大きさを算出する工程であることを特徴とする請求項1記載のオゾン発生管の作製方法。
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