JP2000219503A - 沿面放電オゾン発生装置 - Google Patents
沿面放電オゾン発生装置Info
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Abstract
り、オゾン発生効率の高い沿面放電オゾン発生装置を提
供する。 【解決手段】 電極2,3を被覆する誘電体層4とガス
ガイド13との間のギャップ長dを1mm以下とするこ
とにより、オゾン16の拡散時間が放電部20における
ガスの滞留時間より短くなるようにする。
Description
素又は空気等のガスからオゾンを発生させる沿面放電オ
ゾン発生装置に関する。
色、工業排水の脱臭及び脱色、パルプ漂白、及び、医療
機器の殺菌等を行う際にオゾンが使用されている。この
ようなオゾンを発生させるオゾン発生装置としては、無
声放電を用いた装置が一般的に用いられている。すなわ
ち、放電ギャップを介して複数の電極を対向配置し、こ
の複数の電極間に交流電圧を印加すると共に、放電ギャ
ップ内に原料ガスを流通させ、無声放電を生じさせるこ
とにより、オゾンの原料ガスからオゾンを生成する装置
である。
は、体積が大きく、電気効率が低い等の理由から、近
年、沿面放電を用いた平板型のオゾン発生装置もまた研
究されている。
電オゾン発生装置の構成例を示す。同図において、沿面
放電オゾン発生装置は、ガラスからなる誘電体板1と、
この誘電体板1の表面に設けられ、銀ペースト等の導電
材料にスクリーン印刷等を施すことにより製作した対を
なす電極2,3と、これら電極2,3を被覆する誘電体
層4とを備えている。また、誘電体板1の裏面側には、
冷却水5により冷却される金属からなるヒートシンク6
が、誘電体板1と密着して設けられている。
側には、図示しないパッキンが配置されており、このパ
ッキン上にガスガイド13が密着して設けられている。
この誘電体板1の表面、すなわち誘電体層4とガスガイ
ド13との間のギャップが放電部20となっており、こ
こにオゾン原料ガス14が供給される。このとき、電極
2,3に高電圧を印加すると、誘電体層4の表面に沿面
放電18が生じ、この沿面放電18によってオゾン原料
ガス14からオゾン16が生成され、放電部20の図示
しない出口からオゾン16が取り出される。
来の沿面放電オゾン発生装置においては、無声放電(ボ
リューム放電)によるオゾン発生装置と異なり、放電が
ギャップ全体に発生しない。すなわち、沿面放電オゾン
発生装置では、電極近傍で厚さ数100μmの薄いシー
ト状に放電が発生し、オゾンがこの部分からギャップ中
に拡散していき、これが放電部の出口で取り出される。
合、発生したオゾンの濃度が高い部分において、放電に
よって生じる発熱によりガス温度が上昇し冷却水により
有効に冷却されず、生成されたオゾンが熱によって分解
(逆反応)してしまう場合がある。そのため、オゾン発
生効率が低下してしまうという問題があった。
には、発生するオゾンの濃度、すなわち放電部の出口に
おけるオゾンの濃度が均一である必要がある。従って、
オゾンの拡散時間が放電部におけるガスの滞留時間より
短くなければならない。
解決するために提案されたものであり、その目的は、放
電部の出口におけるオゾン濃度が均一であり、オゾン発
生効率の高い沿面放電オゾン発生装置を提供することに
ある。
め、本発明は、誘電体板と、前記誘電体板上に導電体材
料により形成された1対の電極からなる沿面電極と、前
記誘電体板の前記沿面電極の形成されていない面に設置
された冷却板と、前記誘電体板の前記沿面電極の形成さ
れている電極面と所定の距離を有して配置されたガスガ
イド板とからなり、前記電極面と前記ガスガイド板との
ギャップに放電部が形成されてなる沿面放電オゾン発生
装置において、次のような構成を有することを特徴とし
ている。
ャップ長が、1mm以下であることを特徴としている。
このような請求項1記載の発明によれば、オゾンの拡散
時間を放電部におけるガスの滞留時間より短くすること
ができる。そのため、放電部の出口におけるオゾン濃度
を均一とすることができ、オゾンの発生効率を向上させ
ることができる。
プ長が、前記放電部の出口における該ギャップ方向のオ
ゾン濃度の偏りが10%以下となるように設定されてい
ることを特徴としている。このような請求項2記載の発
明によれば、放電部の出口におけるギャップ方向のオゾ
ン濃度の偏りが10%以下となるような電極面とガスガ
イド板のギャップ長を計算で求め、ギャップ長をその値
に設定することにより、放電部の出口におけるオゾン濃
度を均一とすることができる。
板上に導電体材料により形成された1対の電極からなる
沿面電極と、前記誘電体板の前記沿面電極の形成されて
いない面に設置された冷却板とからなる2つの装置が、
前記各誘電体板の前記沿面電極の形成されている電極面
が対向するように配置され、それら対向する電極面のギ
ャップに放電部が形成されてなる沿面放電オゾン発生装
置において、次のような構成を有することを特徴として
いる。
ャップ長が、2mm以下であることを特徴としている。
このような請求項3記載の発明によれば、オゾンの拡散
時間を放電部におけるオゾン原料ガスの滞留時間より短
くすることができる。そのため、放電部の出口における
オゾン濃度を均一とすることができ、オゾンの発生効率
を向上させることができる。
プ長が、前記放電部の出口における該ギャップ方向のオ
ゾン濃度の偏りが10%以下となるように設定されてい
ることを特徴としている。
放電部の出口におけるギャップ方向のオゾン濃度の偏り
が10%以下となるような電極面のギャップ長を計算で
求め、ギャップ長をその値に設定することにより、放電
部の出口におけるオゾン濃度を均一とすることができ
る。
ゾン発生装置の実施の形態について図面を参照して説明
する。
の形態による沿面放電オゾン発生装置の構成を示す斜視
図であり、図2は、その断面図である。図1に示すよう
に、1はガラスからなる誘電体板であり、2,3は、対
をなす電極であり、誘電体板1の表面に設けられ、銀ペ
ースト等の誘電材料にスクリーン印刷等を施すことによ
って製作されている。4は、電極2,3を被覆する誘電
体層である。
て冷却された金属からなるヒートシンクであり、誘電体
板1の裏面側に誘電体板1と密着して設置されている。
更に、7は、電極2,3を接続する配線であり、電極
2,3と同一材料により同一の製作方法によって誘電体
板1上に形成されている。この配線7の一部は、誘電体
板1の外側に突出しており、誘電体層4によって被覆さ
れていない配線取出し部8を形成する。また、9は、外
部に設けられた高電圧を印加する交流電源であり、リー
ド線10及びバネ式圧着器11を介して配線取出し部8
に接続されている。
の表面に設けられた電極2,3の外側に配置されてい
る。13はガスガイドであり、上記パッキン12上に密
着して配置されている。このガスガイド13には、外部
からオゾン原料ガス14を導入するガス入口15と、オ
ゾン16を取り出すガス出口17とが設けられている。
また、図2において、誘導体層4の表面とガスガイド1
3の間隙の長さ、すなわちガスギャップ(以下、単にギ
ャップという)長dは、1mm以下に設定されている。
電源2,3に高電圧を印加することにより、誘電体層4
の表面(放電部20)に沿面放電18が発生する。この
沿面放電18により、オゾン原料ガス14からオゾン1
6が生成される。
ンの拡散過程を説明するモデル図である。この図におい
て、誘電体層4とガスガイド13のギャップ長をdと
し、このギャップ方向をX軸、ガスの流れ方向をY軸と
する。また、沿面放電は、X=0から数100μm(約
0.02cm)の範囲に発生しており、この領域で一様
にオゾンが生成される。なお、拡散過程の効果のみ見積
もるため、オゾン濃度の飽和は考慮しないこととする。
以下の式によって見積もることができる。すなわち、オ
ゾンの数密度を表す基本式は、以下のようになる。
表す。
数密度を表す基本式は、以下のようになる。
を独立に解けばよいが、(2)式は時間tと流れ方向Y
の変換を意味するため、(1)式を時間に対して解くこ
とにより、Y方向の分布が求められる。
放電面積当たりの電力密度W/SをW/S=10kW/
m2 、オゾン発生効率ηをη=100g/kWhと仮定
し、ギャップ長dが0.5mm、1mm、2mm、及び
5mmの各場合について計算した。その計算の結果を、
図4に示す。
及び図2に示す放電部20のオゾン濃度に対するガスガ
イド13の壁面付近のオゾン濃度の比を表しており、N
L/NR=1が、ギャップ方向にオゾン濃度が一様であ
ることを意味する。また、横軸のY/Lは、ガス流れ方
向の距離を放電長で規格化したものであり、Y/L=1
の点が、図1に示す放電部20の出口、すなわちガス出
口17での分布を表している。
0.5mm及び1mmの場合に、ガス出口17において
ギャップ方向にオゾン濃度がほぼ一様になることが分か
る。すなわち、ギャップdが1mm以下であれば、高濃
度のオゾンが発生することが分かる。なお、図示しない
が、電力密度W/S=5kW/m2 の場合、及びW/S
=1kW/m2 の場合共に、同様の計算結果が得られ
る。従って、単位放電面積当たりの電力密度によらず、
ギャップdを1mm以下に設定することにより、オゾン
の拡散時間が放電部20におけるガスの滞留時間より短
くなり、それによりガス出口17、すなわち放電部20
出口でのオゾン濃度の偏りを数%程度に抑えることがで
き、高濃度のオゾンを得ることができる。
よる沿面放電オゾン発生装置は、図1及び図2に示す第
1の実施の形態による沿面放電オゾン発生装置と同様の
構成を有している。本実施の形態では、誘電体層4とガ
スガイド13のギャップdが、放電部20のガス出口1
7におけるオゾン16の濃度の偏りが10%以下となる
ように設定されている。なお、オゾン16の濃度の偏り
については、上記式(1)によって見積もる。
のガス出口17におけるオゾン16の濃度の偏りを10
%まで許容した場合、ギャップdは2mm以下であれば
よいことが分かる。沿面放電オゾン発生装置を大型で大
容量の装置として製作する場合、部品精度及び組立精度
の面を考慮すると、誘電体層4とガスガイド13の間
隙、すなわちギャップはできるだけ大きい方が好まし
い。従って、ギャップdを2mmとすることにより、装
置の大型化が容易で、且つ、工業用製品として耐えうる
沿面放電オゾン発生装置を提供することができる。
の形態による沿面放電オゾン発生装置の構成を示す断面
図である。本実施の形態では、第1及び第2の実施の形
態において図1に示したガスガイド13を設ける代わり
に、誘電体板1、電極2,3、誘電体層4、冷却水5及
びヒートシンク6からなる放電電極ユニット30を、対
向配置させた構成となっている。この場合、放電電極ユ
ニット30,30の誘電体層4同士が対向するように配
置されている。これら誘電体層4,4の間隙の長さであ
るギャップ長dは2mm以下に設定されている。
に示したように、誘導体層4とガスガイド13とののギ
ャップ長dは1mm以下に設定されていたため、放電電
極ユニット30,30の誘電体層4,4同士を対向配置
させた本実施の形態では、ギャップ長dはその2倍の2
mm以下とする。これにより、オゾンの拡散時間が放電
部20におけるガスの滞留時間より短くなり、放電部2
0のガス出口(図示せず)でのオゾン濃度の偏りを数%
程度に抑えることができ、高濃度のオゾンを得ることが
できる。
よる沿面放電オゾン発生装置は、図5に示す第3の実施
の形態による沿面放電オゾン発生装置と同様の構成を有
している。本実施の形態では、誘電体層4,4のギャッ
プ長dが、放電部20のガス出口(図示せず)における
オゾン16の濃度の偏りが10%以下となるように設定
されている。なお、オゾン16の濃度の偏りについて
は、上記式(1)によって見積もる。
部出口におけるオゾン濃度の偏りが10%以下となる為
に、誘電体層4とガスガイド13とのギャップ長dを2
mm以下に設定していた。本実施の形態では、放電電極
ユニット30,30の誘電体層4,4同士を対向配置さ
せているため、ギャップ長dはその2倍の4mm以下で
あれば、放電部20出口でのオゾン濃度の偏りが10%
以下となる。
装置として製作する場合、部品精度及び組立精度の面を
考慮すると、誘電体層4,4のギャップはできるだけ大
きい方が好ましい。従って、ギャップ長dを4mmとす
ることにより、装置の大型化が容易で、且つ、工業用製
品として耐えうる沿面放電オゾン発生装置を提供するこ
とができる。
ギャップ長を適切な値に設定することにより、オゾンの
拡散時間が放電部におけるガスの滞留時間より短くな
り、それにより放電部の出口におけるオゾン濃度を均一
とすることができ、オゾン発生効率の高い沿面放電オゾ
ン発生装置を提供することができる。
放電オゾン発生装置の構成を示す斜視図
ン発生装置の構成を示す断面図
の拡散過程を説明するモデル図
の関係を示すグラフ
放電オゾン発生装置の構成を示す断面図
面図
Claims (4)
- 【請求項1】 誘電体板と、前記誘電体板上に導電体材
料により形成された1対の電極からなる沿面電極と、前
記誘電体板の前記沿面電極の形成されていない面に設置
された冷却板と、前記誘電体板の前記沿面電極の形成さ
れている電極面と所定の距離を有して配置されたガスガ
イド板とからなり、前記電極面と前記ガスガイド板との
ギャップに放電部が形成されてなる沿面放電オゾン発生
装置において、 前記ギャップ長が、1mm以下であることを特徴とする
沿面放電オゾン発生装置。 - 【請求項2】 誘電体板と、前記誘電体板上に導電体材
料により形成された1対の電極からなる沿面電極と、前
記誘電体板の前記沿面電極の形成されていない面に設置
された冷却板と、前記誘電体板の前記沿面電極の形成さ
れている電極面と所定の距離を有して配置されたガスガ
イド板とからなり、前記電極面と前記ガスガイド板との
ギャップに放電部が形成されてなる沿面放電オゾン発生
装置において、 前記ギャップ長が、前記放電部の出口における該ギャッ
プ方向のオゾン濃度の偏りが10%以下となるように設
定されていることを特徴とする沿面放電オゾン発生装
置。 - 【請求項3】 誘電体板と、前記誘電体板上に導電体材
料により形成された1対の電極からなる沿面電極と、前
記誘電体板の前記沿面電極の形成されていない面に設置
された冷却板とからなる2つの装置が、前記各誘電体板
の前記沿面電極の形成されている電極面が対向するよう
に配置され、それら対向する電極面のギャップに放電部
が形成されてなる沿面放電オゾン発生装置において、 前記ギャップ長が、2mm以下であることを特徴とする
沿面放電オゾン発生装置。 - 【請求項4】 誘電体板と、前記誘電体板上に導電体材
料により形成された1対の電極からなる沿面電極と、前
記誘電体板の前記沿面電極の形成されていない面に設置
された冷却板とからなる2つの装置が、前記各誘電体板
の前記沿面電極の形成されている電極面が対向するよう
に配置され、それら対向する電極面のギャップに放電部
が形成されてなる沿面放電オゾン発生装置において、 前記ギャップ長が、前記放電部の出口における該ギャッ
プ方向のオゾン濃度の偏りが10%以下となるように設
定されていることを特徴とする沿面放電オゾン発生装
置。
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JP02269399A JP4070342B2 (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | 沿面放電オゾン発生装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02269399A JP4070342B2 (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | 沿面放電オゾン発生装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000219503A true JP2000219503A (ja) | 2000-08-08 |
JP4070342B2 JP4070342B2 (ja) | 2008-04-02 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP02269399A Expired - Fee Related JP4070342B2 (ja) | 1999-01-29 | 1999-01-29 | 沿面放電オゾン発生装置 |
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-
1999
- 1999-01-29 JP JP02269399A patent/JP4070342B2/ja not_active Expired - Fee Related
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