しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に記載された従来技術においては、車輌のタイヤが乗り越えるのを防ぐため、車止めの高さをある程度以上の高さにする必要がある。このため、車輌が駐車していないときに駐車場内を通行する人が車止めに足を引掛けて転倒する危険がある。特に、コンビニエンスストアやレストラン・喫茶店等の飲食店等の店舗においては、できるだけ多くの駐車スペースを確保するため店舗の入口付近にまで車止めブロックが設置してある場合が多く、店舗から出てきた人が躓くケースが多い。
また、家の玄関前に設けられた駐車場や病院の駐車場等に設けられた車止めブロックは、車椅子で外出・通行しようとする人の邪魔になり、車椅子で通行するのが困難になる場合がある。
そこで、本発明は、車輌が駐車するときには確実に車止めとしての役割を果たすとともに、車輌が駐車していないときには人や車椅子等の通行を阻害することのない車止め装置を提供することを課題とするものである。
請求項1の発明にかかる車止め装置は、1辺が車輌の車輪のサイド部相互間のタイヤの幅よりも大きく、他辺が少なくとも、タイヤの外径の2分の1以上の略四角枠に形成された枠体と、前記枠体の前記タイヤの幅よりも大きい1辺に対して回動可能に取付けられた剛性の大きい踏み板と、前記枠体の前記踏み板を取付けた対向辺に回動可能に取付けられた車止め板と、前記踏み板に加わる荷重を受けて、前記車止め板を持ち上げる剛性の大きい持上げ手段とを具備するものである。
請求項2の発明にかかる車止め装置は、1辺が車輌の車輪のサイド部相互間のタイヤの幅よりも大きく、他辺が少なくとも、タイヤの外径の2分の1以上の略四角枠に形成された枠体と、前記枠体の前記タイヤの幅よりも大きい1辺に対して回動可能に取付けられた剛性の大きい踏み板と、前記枠体の前記踏み板を取付けた対向辺に回動可能に取付けられた車止め板と、前記踏み板と前記車止め板を前記枠体に取付けた方向に並行する方向を軸として、全長の略65%から95%程度の位置で鈍角に形成され、当該鈍角に形成された内角側を上にして、短い側を前記踏み板の下に位置させ、長い側を前記車止め板の下に位置する剛性の大きい持上げ板とを具備するものである。
請求項3の発明にかかる車止め装置は、1辺が車輌の車輪のサイド部相互間のタイヤの幅よりも大きく、他辺が少なくとも、タイヤの外径の2分の1以上の略四角枠に形成された枠体と、前記枠体の前記タイヤの幅よりも大きい1辺に対して回動可能に取付けられた剛性の大きい踏み板と、前記踏み板の前記枠体の辺に回動可能に取付けられた位置から、全長の略65%から95%程度の位置の自由端下部に配設された支持体と、前記踏み板の前記支持体で支持された自由端側を下部に位置させ、前記枠体の前記一方に対向する他方の辺に回動可能に取付けられた車止め板とを具備するものである。
請求項4の発明にかかる車止め装置は、1辺が車輌の車輪のサイド部相互間のタイヤの幅よりも大きく、他辺が少なくとも、タイヤの外径の2分の1以上の略四角枠に形成された枠体と、前記枠体の内辺に沿って設けられた略四角形に形成された浅いピットと、前記枠体の前記タイヤの幅よりも大きい1辺に対して回動可能に取付けられた剛性の大きい踏み板と、前記踏み板の前記枠体の辺に回動可能に取付けられた位置から、全長の略65%から95%程度の位置の自由端下部に配設され、前記枠体の前記1辺に対向する他方の辺に前記浅いピットの底面に沿って接続された支持体と、前記踏み板の前記支持体で支持された自由端側を下部に位置させ、前記枠体の前記他方の辺に回動可能に取付けられた車止め板とを具備するものである。
請求項5の発明にかかる車止め装置は、請求項1乃至請求項4のいずれか1つの構成において、前記枠体には前記車止め板が所定の角度以上に回動しないように停止させるストッパーを設けたものである。
請求項6の発明にかかる車止め装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか1つの構成において、前記枠体は、外縁が最も低くなるようにテーパが付けられているものである。
請求項7の発明にかかる車止め装置は、請求項1乃至請求項6のいずれか1つの構成において、前記枠体の前記踏み板及び前記車止め板の取付側の反対側には、全体に及ぶ底板を配設したものである。
請求項8の発明にかかる車止め装置は、請求項7の構成において、前記枠体及び底板は、埋設することにより、前記枠体の上面、前記踏み板及び前記車止め板の面を平面として施工するものである。
請求項9の発明にかかる車止め装置は、請求項7の構成において、前記底板は設置される場所に複数箇所にアンカーボルトを打ち込むことによって固定されているものである。
請求項10の発明にかかる車止め装置は、請求項7乃至請求項9のいずれか1つの構成において、前記持上げ板の鈍角に形成された外角側には、丸棒が固着され、前記底板に前記丸棒が嵌まる溝が設けられて、前記溝に前記丸棒が回動自在に嵌められているものである。
請求項11の発明にかかる車止め装置は、請求項7乃至請求項9のいずれか1つの構成において、前記持上げ板の代わりに、前記車止め板と略同じ長さの複数本の棒材を全長の略65%から95%程度の位置で鈍角に折り曲げ、前記複数本の棒材は所定の間隔をおいて1本の細い丸棒にそれぞれ折り曲げられた外側を同じ角度で溶接され、前記複数本の棒材をそれぞれ折り曲げられた内側を上にして前記短い側を前記踏み板と前記底板の間に入れ、長い側を前記車止め板と前記底板の間に入れ、前記底板に前記丸棒が嵌まる溝が設けられて、前記溝に前記細い丸棒が回動自在に嵌められているものである。
請求項12の発明にかかる車止め装置は、請求項7乃至請求項9のいずれか1つの構成において、前記持上げ板の代わりに、前記枠体の1辺の内側から前記枠体の対向辺の内側までの程度の長さの複数の棒材を前記車止め板の略中間の長さの位置で略直角に折り曲げ、前記複数の棒材を互いに間隔を空けて前記踏み板の下の数箇所において軸止めで前記底板に回動自在に取付け、前記略直角に折り曲げた部分を前記底板に寝かせた状態で、同様の太さで短い複数本の棒材を前記軸止めの間及び前記軸止めと前記枠体の1辺の間において前記棒材に前記略直角に折り曲げた方向と反対側のやや斜め上方に溶接して、前記複数の棒材の間及び前記棒材と前記枠体のうち前記1辺と前記対向辺を除く残りの2辺との間には前記棒材の径と略同じ厚さのスペーサを前記底板の上に敷いて、前記踏み板を前記枠体の1辺に取付けずに、前記踏み板が浮き上らないように前記枠体の前記残りの2辺と前記踏み板の両端に跨って被さる1対の薄手の押え板を設けたものである。
請求項13の発明にかかる車止め装置は、請求項12の構成において、前記踏み板が前記車止め板の方へずれないように前記踏み板の先端の両端を切り欠いて、該切り欠き部分と同じ形状の踏み板止めを前記底板に固定したものである。
請求項14の発明にかかる車止め装置は、請求項12または請求項13の構成において、前記踏み板と前記車止め板の境界において前記踏み板の先端と平行に前記左右の枠体にわたって回転自在に回転軸を取付け、該回転軸に前記車止め板と略同じ幅で長さがやや短いタイヤ受け板が前記回転軸と一体に回転可能に固定され、前記タイヤ受け板の反対側には1または2以上のストッパーが前記回転軸に固定され、前記タイヤ受け板の先端近傍裏側には1または2以上の突出部分が前記タイヤ受け板に略垂直に設けられ、前記車止め板には前記突出部分が貫通する貫通穴が前記突出部分と同数だけ設けられ、前記踏み板にタイヤが乗っていないときには、前記車止め板の上に前記タイヤ受け板が被さり、前記突出部分は前記貫通穴を貫通して前記底板まで届いているものである。
請求項15の発明にかかる車止め装置は、請求項14の構成において、前記突出部分の代わりに前記タイヤ受け板の先端の一部を1または2箇所以上突出させ、略直角に下方へ折り曲げ、前記車止め板には前記貫通穴の代わりに前記タイヤ受け板の折り曲げ部分が貫通するスリットが前記折り曲げ部分と同数だけ設けられ、前記踏み板にタイヤが乗っていないときには、前記車止め板の上に前記タイヤ受け板が被さり、前記折り曲げ部分は前記スリットを貫通して前記底板まで届いているものである。
請求項16の発明にかかる車止め装置は、請求項12乃至請求項15のいずれか1つの構成において、前記短い複数本の棒材を溶接する代わりに、前記棒材に歯車を設けて、前記踏み板の下の前記棒材を前記略直角に折り曲げた方向と反対側に前記歯車と噛み合うラックギアを略垂直に設けたものである。
請求項17の発明にかかる車止め装置は、請求項1乃至請求項13のいずれか1つの構成において、前記車止め板の先端が下方に略直角程度に折り曲げられているか、前記車止め板の先端の全長にゴムが取付けられているか、前記車止め板の先端が下方に略直角程度に折り曲げられて折り曲げ部分の前面にゴムが取付けられているかするものである。
請求項18の発明にかかる車止め装置は、請求項1乃至請求項17のいずれか1つの構成において、前記踏み板及び前記車止め板の幅が前記車輌のホイールトレッドより長いものである。
請求項19の発明にかかる車止め装置は、請求項1乃至請求項18のいずれか1つの構成において、前記踏み板の表面に滑り止めを施したものである。
請求項1の発明にかかる車止め装置は、車輌が駐車していないときは、周辺部分は略四角枠に形成された枠体の厚さだけ設置面から突出しているのみで、枠体は通常鋼板、ステンレス板、アルミニウム板等からなるので、1〜2cm程度の厚さにしかならない。また、踏み板と車止め板と持上げ手段が設けられている中央部分においても、これらの板は通常鋼板、ステンレス板等からなるので、やはりせいぜい2cm程度の高さにしかならない。
したがって、人や車椅子等が楽に車止め装置の上を乗り越えて通行することができ、また人や車椅子等が踏み板の上に乗っても、重量が軽いので車止め装置が誤動作することもなく安全に通行することができる。
一方、車輌が駐車するときには、タイヤ(前輪でも後輪でも良い)が枠体の1辺を乗り越えて踏み板を踏むと、踏み板に加わる荷重を受けて剛性の大きい持上げ手段が車止め板を押し上げる。車止め板は枠体の対向辺に回動可能に取付けられているので、適度な角度に上がり切った車止め板の先端がタイヤをしっかり受け止めて車輌を停止させる。
かかる車止め装置を1対、中心位置の間隔が標準的な車輌のホイールトレッドと略同程度の長さになるように設置することによって、車輌1台分の車止めの設置が完了する。なお、場合によってはかかる車止め装置を1基のみ設置して、車輌の片輪のみを止めるようにすることもできる。
このようにして、車輌が駐車するときには確実に車止めとしての役割を果たすとともに、車輌が駐車していないときには人や車椅子等の通行を阻害することのない車止め装置となる。
請求項2の発明にかかる車止め装置は、車輌が駐車していないときは、周辺部分は略四角枠に形成された枠体の厚さだけ設置面から突出しているのみで、枠体は通常鋼板、ステンレス板、アルミニウム板等からなるので、1〜2cm程度の厚さにしかならない。また、踏み板と車止め板が持上げ板の上に載っている中央部分においても、これらの板は通常鋼板、ステンレス板等からなるので、やはりせいぜい2cm程度の高さにしかならない。
したがって、人や車椅子等が楽に車止め装置の上を乗り越えて通行することができ、また人や車椅子等が踏み板の上に乗っても、重量が軽いので車止め装置が誤動作することもなく安全に通行することができる。
一方、車輌が駐車するときには、タイヤが枠体の1辺を乗り越えて踏み板を踏むと車輌の約4分の1(普通乗用車なら約1/4トン以上)の大きな荷重が持上げ板の短い側に掛かるので、てこの原理で持上げ板の短い側が下がり、長い側が上がって車止め板を押し上げる。車止め板は枠体の対向辺に回動可能に取付けられているので、この取付け部分を中心にして回動して傾斜がきつくなって行く。そして、適度な角度に上がり切った車止め板の先端がタイヤをしっかり受け止めて車輌を停止させる。
かかる車止め装置を1対、中心位置の間隔が標準的な車輌のホイールトレッドと略同程度の長さになるように設置することによって、車輌1台分の車止めの設置が完了する。なお、場合によってはかかる車止め装置を1基のみ設置して、車輌の片輪のみを止めるようにすることもできる。
このようにして、車輌が駐車するときには確実に車止めとしての役割を果たすとともに、車輌が駐車していないときには人や車椅子等の通行を阻害することのない車止め装置となる。
請求項3の発明にかかる車止め装置は、剛性の大きい踏み板が枠体の1辺に回動可能に取付けられ、反対側の自由端は支持体によって支持されて、地面から浮いた状態になっている。この踏み板の上に車輌のタイヤが乗ると重みで撓んで、踏み板の先端は固定されていないので支持体を支点として斜め上方に突き上がる。これによって、踏み板の自由端側に被さっていた車止め板は回動して起き上がり、踏み板がさらに撓んで地面に着いたときに、車止め板が適度な角度になってタイヤを受け止める。
車輌が再び動き出してタイヤが踏み板の上から外れると、この踏み板は剛性が大きいので再び地面から浮いた状態に戻り、車止め板もそれに伴って倒れて踏み板の上に被さった状態に戻る。このようにして、本発明の車止め装置は、確実に車止めとして機能する。
このようにして、車輌が駐車するときには確実に車止めとしての役割を果たすとともに、車輌が駐車していないときには人や車椅子等の通行を阻害することのない車止め装置となる。
請求項4の発明にかかる車止め装置は、剛性の大きい踏み板が浅いピットを囲む枠体の1辺に回動可能に取付けられ、反対側の自由端は支持体によって支持されて、ピットの底面から浮いた状態になっている。この踏み板の上に車輌のタイヤが乗ると重みで撓んで、踏み板の先端は固定されていないので支持体を支点として斜め上方に突き上がる。これによって、踏み板の自由端側に被さっていた車止め板は回動して起き上がり、踏み板がさらに撓んでピットの底面に着いたときに、車止め板が適度な角度になってタイヤを受け止める。
車輌が再び動き出してタイヤが踏み板の上から外れると、この踏み板は剛性が大きいので再びピットの底面から浮いた状態に戻り、車止め板もそれに伴って倒れて踏み板の上に被さった状態に戻る。このようにして、本発明の車止め装置は、確実に車止めとして機能する。ここで、浅いピットが設けられているために、踏み板は地面とほぼ同じ高さでも十分にその役割を果たすため、車止め装置全体の高さが低くなって人や車椅子等が乗り越えて通行するのがより容易になる。
このようにして、車輌が駐車するときには確実に車止めとしての役割を果たすとともに、車輌が駐車していないときには人や車椅子等の通行をよりスムーズにする車止め装置となる。
請求項5の発明にかかる車止め装置においては、蝶番等で枠体の対向辺に回動可能に取付けられている車止め板は、車輌のタイヤが勢い良く踏み板の上に乗ると、持上げ板の短い側が急速に下がり長い側が急速に上がって車止め板を勢い良く押し上げ、または踏み板の自由端が車止め板を勢い良く押し上げる結果、持上げ板または踏み板の自由端から離れて垂直近くまで立ち上がったり、枠体の対向辺側まで回動してしまう可能性がある。
そこで、かかる事態を防止するためにストッパーを設けて、車止め板がタイヤを受け止めるために必要な所定の角度以上に回動しないように停止させる。これによって、より確実に車止めとしての役割を果たす車止め装置となる。
請求項6の発明にかかる車止め装置においては、前記枠体は、外縁が最も低くなるようにテーパが付けられているものである。
これによって、人が躓く可能性はより低くなり、車椅子が乗り越えるのもより容易になる。また、駐車しようとする車輌のタイヤも超低速でもよりスムーズに枠体の1辺を乗り越えて踏み板の上に乗ることができ、安全確実に駐車することができる。
このようにして、車輌が駐車するときには確実に車止めとしての役割を果たすとともに、車輌が駐車していないときには人や車椅子等がよりスムーズに通行することができる車止め装置となる。
請求項7の発明にかかる車止め装置は、前記枠体の前記踏み板及び前記車止め板の取付側の反対側には、全体に及ぶ底板を配設したものである。
これによって、車止め装置を構成する各部材が全て底板の上において取付けられることになり、工場で車止め装置を組み立ててから設置場所へ搬送して設置することが可能になるので、設置場所における作業が少なくて済む。
このようにして、全体に及ぶ底板を配設したことによって、車止め装置の組み立てと設置がよりやり易くなる。
請求項8の発明にかかる車止め装置は、前記枠体及び底板は、埋設することにより、前記枠体の上面、前記踏み板及び前記車止め板の面を平面として施工するものである。
即ち、車輌が駐車する場所としてコンクリート面やアスファルト面を施工する際に、組み立てられた車止め装置を同時に埋設して、枠体の上面、踏み板及び車止め板の面を施工されたコンクリート面やアスファルト面と一致する平面として施工するものである。これによって、車輌が駐車していないときには車止め装置の上面が駐車面と一体化するので、人や車椅子等が極めてスムーズに通行することができる車止め装置となる。
なお、このような埋設工法に限られず、コンクリート面やアスファルト面を施工した後に、その上から車止め装置を設置するいわゆる後付け工法も可能である。
請求項9の発明にかかる車止め装置は、前記底板は設置される場所に複数箇所にアンカーボルトを打ち込むことによって固定されているものである。
上述の如く、本発明にかかる車止め装置の枠体は薄い物であるから、駐車しようとする車輌のタイヤが枠体の1辺を乗り越える際に引っ掛かって車止め装置が突き動かされるという事態はまず起こり得ないが、より信頼性を高めるために、また盗難防止のためにも、底板の複数箇所(例えば底板の四隅)にアンカーボルトを打ち込んで、駐車場のコンクリート面、アスファルト面、あるいは地面に埋め込まれたコンクリートブロック等に固定するのがより好ましい。これが、上述したいわゆる後付け工法となる。
これによって、設置位置からずれることなく、車輌が駐車するときには確実に車止めとしての役割を果たすことができる車止め装置となる。
請求項10の発明にかかる車止め装置は、持上げ板は鈍角に形成された位置を境として短い側が踏み板の下に、長い側が車止め板の下に入れられており、車輌の駐車時には踏み板で、車輌が駐車していない時には車止め板で押え付けられているのでずれることはまずないが、より信頼性を高めるために丸棒を取付け、底板に設けられた溝に丸棒を回動自在に嵌めることによって、持上げ板が定位置からずれるのを防止したものである。
これによって、持上げ板が定位置からずれることなく、車輌が駐車するときには確実に車止めとしての役割を果たすことができる車止め装置となる。
請求項11の発明にかかる車止め装置は、持上げ板の代わりに複数本の棒材を鈍角に折り曲げて1本の細い丸棒に角度を揃えて溶接し、短い側を踏み板の下に入れ、長い側を車止め板の下に入れて、踏み板と車止め板の境界部分の底板に溝を設けて細い丸棒を回動自在に嵌め込んだものである。したがって、持上げ板の場合よりも車止め装置の高さは多少高くなるが、長期間駐車を繰り返した場合に持上げ板は次第に曲げ角が緩くなって平板に近づき、交換が必要になるが、複数本の棒材は最初の鈍角からなかなか変化せず、より長期間の使用が可能になる。そして、請求項6に記載の発明にあるように、枠体の四方にテーパを付けることによってやや高くなる車止め装置も容易に乗り越えて通行することができる。
このようにして、より長期間に亘って部品を交換することなく使用することができ、車輌が駐車していないときには人や車椅子等がスムーズに通行することができる車止め装置となる。
請求項12の発明にかかる車止め装置は、タイヤで踏み板を踏み付けることによってシーソー式に車止め板を立ち上がらせるものではなく、タイヤで踏み板を踏み付けることで踏み板の下から車止め板の下の途中まで伸びている棒材を回転させることによって、棒材の先端の略直角に曲げられた部分を起こし、これによって車止め板を立ち上がらせるものである。
シーソー式に車止め板を立ち上がらせる方式の場合は、タイヤが踏み板の上に乗り始めたときから車止め板が立ち上がり始め、タイヤが踏み板の上に完全に乗って持上げ板または折り曲げた鉄棒の短い側が地面または底板に密着した時点で車止め板が所定の角度まで立ち上がってタイヤを受け止める。したがって、通常車輌が駐車する場合のような低速でタイヤが踏み板の上に乗った場合は良いが、車輌がより速い速度で車止め装置の上に乗り込んできたときには、車止め板が立ち上がるのが間に合わず、タイヤが立ち上がろうとする車止め板を乗り越えてしまう可能性がある。
しかし、本発明にかかる車止め装置においては、踏み板を枠体の1辺に取付けず、軸止めと枠体の1辺の間においても短い棒材が長い棒材に略直角に折り曲げた方向と反対側のやや斜め上方に溶接されているため、タイヤが踏み板の上に乗り始めた瞬間に短い棒材が底板に押し付けられて長い棒材が回転し、棒材の先端の略直角に曲げられた部分が起きて、車止め板が所定の角度まで立ち上がる。したがって、車輌がより速い速度で車止め装置の上に乗り込んできたときでも瞬時に車止め板が所定の角度まで立ち上がるため、確実にタイヤを受け止めることができる。
また、棒材が底板の上に回動自在に取付けられてその上に踏み板と車止め板が載せられた構造のため、高さを低くすることができ、車輌が駐車していない時に人や車椅子等が通行し易くなる。さらに、棒材と棒材の間、棒材と枠体の両側辺の間には棒材の径と略同じ厚さのスペーサが敷かれているため、タイヤが踏み板の上に乗ったときの重量が踏み板全体に分散されるので、踏み板が特に剛性の大きいものでなくても良い。
このようにして、車輌が通常の駐車時より速い速度で車止め装置の上に乗り込んできても瞬時に車止め板が所定の角度まで立ち上がり、タイヤを確実に受け止めることができ、車輌が駐車していないときには人や車椅子等がスムーズに通行することができる車止め装置となる。
請求項13の発明にかかる車止め装置においては、踏み板止めは底板に固定しても踏み板と車止め板の上面に達する厚さを有し、1対の押え板で浮き上りは押えられているが、水平方向には移動可能な踏み板の水平移動をも不可能にしている。これによって、車止め装置にタイヤを乗せて駐車していた車輌が発進する時に、タイヤの回転によって、どこにも接続されていない踏み板が車止め板方向に押されて、車止め板の下に潜り込んだり、車止め板の上に乗り上げるといったトラブルを確実に防止することができる。
そして、踏み板止めは車止め装置の作動を一切邪魔しないので、本車止め装置においても、車輌が通常の駐車時より速い速度で車止め装置の上に乗り込んできても瞬時に車止め板が所定の角度まで立ち上がり、タイヤを確実に受け止めることができ、車輌が駐車していないときには人や車椅子等がスムーズに通行することができる。
請求項14の発明にかかる車止め装置においては、車止め装置に車輌が接近して、タイヤが枠体のテーパを乗り越えて踏み板の上に乗ると、棒材の直角に曲げた部分が起き上がり、車止め板を立ち上がらせるとともにその上に被さっているタイヤ受け板をも立ち上がらせる。そして、車止め板の先端がタイヤ受け板の下面を擦り上げるようにして立ち上がって行くと、タイヤ受け板の下面に固定された突出部分に車止め板の先端が当接して、その位置で停止する。このとき、回転軸に固定されているストッパーも底板に当るように調節しておく。
このように、タイヤが踏み板の上に乗り始めた瞬間に短い棒材が底板に押し付けられて長い棒材が回転し、棒材の先端の略直角に曲げられた部分が起きて、車止め板及びタイヤ受け板が所定の角度まで立ち上がる。したがって、車輌が通常の駐車時より速い速度で車止め装置の上に乗り込んできたときでも瞬時に車止め板及びタイヤ受け板が所定の角度まで立ち上がるため、確実にタイヤを受け止めることができる。しかも、本車止め装置においては、車止め板の先端ではなくタイヤ受け板全体でタイヤを受け止めるため、タイヤの当接時の衝撃が局部的に集中することがなく、タイヤを傷める恐れはない。
また、タイヤ受け板の下面に設けられた突出部分が車止め板のストッパーとして機能するので、確実に車止め板を所定の角度まで立ち上げることができ、タイヤ受け板の回転軸にもストッパーが取付けられているので、車輌が通常の駐車時より速い速度で勢い良く車止め装置の上に乗り込んできた場合でも、棒材の先端の略直角に曲げられた部分が起き上がる勢いで車止め板やタイヤ受け板が所定の角度を越えて立ち上がり過ぎるという恐れもない。
さらに、長期間に亘って繰り返しタイヤが踏み板の上に乗り続けると、金属疲労によって短い棒材の長い棒材に対する角度が少しずつ小さくなって、タイヤが踏み板の上に乗ったときの棒材の直角に曲げた部分の起き上がり角度が小さくなり、車止め板の立ち上がり角度も長期間のうちには小さくなり、車止め板の先端でタイヤを止める方式ではやがてはタイヤを止められなくなってタイヤが車止め板を乗り越えてしまうようになる。しかし、本車止め装置においては、車止め板の先端がタイヤ受け板の下面を擦り上げるようにして立ち上がる方式なので、車止め板の立ち上がり角度が小さくなってもタイヤ受け板の立ち上がり角度は殆ど変化しない。したがって、長期間使用を続けてもタイヤ受け板でタイヤをしっかり受け止めることができる。
また、タイヤが踏み板の上に乗っていないときは、車止め板の上にタイヤ受け板が被さり、突出部分は貫通穴を貫通して底板まで届いているので、平坦になって歩行者や車椅子が本車止め装置の上を通行できるとともに、突出部分によってタイヤ受け板にかかる重量が支持されるので、タイヤ受け板は特に剛性の大きいものでなくても良い。
請求項15の発明にかかる車止め装置においては、タイヤ受け板の下面に突出部分を設ける代わりにタイヤ受け板の先端の一部を突出させて下方へ折り曲げることによって、車止め板の停止治具兼タイヤ受け板にかかる重量の支持部分としているので、より製造が簡単になる。
請求項16の発明にかかる車止め装置は、前記短い複数本の棒材を溶接する代わりに、前記棒材に歯車を設けて、前記踏み板の下の前記棒材を前記略直角に折り曲げた方向と反対側に前記歯車と噛み合うラックギアを略垂直に設けたものである。
踏み板はどこにも取付けられていないので、踏み板の上にタイヤが乗ると同時に降下して、これに伴ってラックギアが歯車を回転させ、棒材も略直角に折り曲げた部分が起き上がる方向に一体に回転する。これによって、車止め板が持上げられて所定の角度まで一気に立ち上がる。したがって、車輌がより速い速度で車止め装置の上に乗り込んできたときでも瞬時に車止め板が所定の角度まで立ち上がるため、確実にタイヤを受け止めることができる。
また、棒材が底板の上に回動自在に取付けられてその上に踏み板と車止め板が載せられた構造のため、高さを低くすることができ、車輌が駐車していない時に人や車椅子等が通行し易くなる。さらに、棒材と棒材の間、棒材と枠体の両側辺の間には棒材の径と略同じ厚さのスペーサが敷かれているため、タイヤが踏み板の上に乗ったときの重量が踏み板全体に分散されるので、踏み板が特に剛性の大きいものでなくても良い。
このようにして、車輌が通常の駐車時より速い速度で車止め装置の上に乗り込んできても瞬時に車止め板が所定の角度まで立ち上がり、タイヤを確実に受け止めることができ、車輌が駐車していないときには人や車椅子等がスムーズに通行することができる車止め装置となる。
請求項17の発明にかかる車止め装置においては、車止め板は先端をR加工したとしてもタイヤが当接したときにタイヤの一部のみに線状に荷重が掛かるため、タイヤを傷つける可能性がある。そこで、車止め板の先端を下方に略直角程度に折り曲げて、面でタイヤの荷重を受けることによって、タイヤを傷つけることを防止する。また、車止め板の先端の全長にゴムを取付けることによって、タイヤの当接時の衝撃をやわらげてタイヤを傷つけることを防止する。さらに、車止め板の先端を下方に略直角程度に折り曲げるとともに折り曲げ部分の前面にゴムを取付けることによって、面でタイヤの荷重を受けるとともにゴムで当接時の衝撃をやわらげる。
このようにして、駐車時に車輌のタイヤを傷つけることのない車止め装置となる。
請求項18の発明にかかる車止め装置は、前記踏み板及び前記車止め板の幅が前記車輌のホイールトレッドより長いものである。
通常は、1基の車止め装置で片方のタイヤを受け止めて、かかる車止め装置を1対、中心位置の間隔が標準的な車輌のホイールトレッドと略同程度の長さになるように設置することによって、車輌の前輪または後輪の左右両輪を受け止められるようにして車輌1台分の車止めとしている。しかし、1対の車止め装置を前後位置も向きも揃えてかつ中心位置の間隔を合わせて設置するのは容易ではなく、時間のかかる作業である。そこで、踏み板及び車止め板の幅が標準的な車輌のホイールトレッドより長い車止め装置を製造して、1基の車止め装置で左右両方のタイヤを受け止める方式とすることによって、設置作業が非常に容易になる。
請求項19の発明にかかる車止め装置は、踏み板の表面に滑り止めを施したものである。ここで、滑り止めとしては、階段等に用いられる滑り止め材を踏み板の表面にストライプ模様に貼り付けたり、滑り止め塗料を踏み板の表面に塗布したり、踏み板としてシマ鋼板を使用する等の方法がある。
これによって、車止め装置に駐車しようとする車輌のタイヤが踏み板の上でスリップすることなく、スムーズに駐車することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
実施の形態1
まず、本発明の実施の形態1にかかる車止め装置について、図1乃至図3を参照して説明する。図1(a)は本発明の実施の形態1にかかる車止め装置の全体構成を示す平面図、(b)は縦断面図である。図2(a)は本発明の実施の形態1にかかる車止め装置のタイヤが乗り上げる枠体の1辺側を拡大して示す部分拡大断面図、(b)は持上げ板の折り曲げ部分を拡大して示す部分拡大断面図、(c)は枠体の対向辺側を拡大して示す部分拡大断面図である。図3(a),(b),(c)は本発明の実施の形態1にかかる車止め装置が車止めとして機能するところを順に示す縦断面図である。
図1に示されるように、本実施の形態1の車止め装置1は、全面に亘って設けられた略長方形の鋼板からなる底板7と、底板7の縁に沿って底板7の上の四方に取付けられたアルミニウム製の枠体2と、枠体の1辺2aにステンレス製の3個の蝶番3で回動可能に取付けられた剛性の大きいシマ鋼板からなる踏み板4と、枠体の対向辺2bにステンレス製の3個の蝶番3で回動可能に取付けられ、先端が踏み板4の先端と重ならずに略一致する剛性の大きいシマ鋼板からなる車止め板5とを具備している。
そして、車止め板5の半分以上の幅と略同程度の長さを有する剛性の大きいステンレス製の持上げ板6が、全長の略90%程度の位置で図2(b)に示されるように鈍角αに折り曲げられ、折り曲げられた内側を上にして短い側6aを踏み板4と底板7の間に入れられ、長い側6bを車止め板5と底板7の間に入れられている。さらに、長い側6bの先端にはステンレス製の丸棒6cが溶接されている。本実施の形態1においては、持上げ板6の折り曲げ角α≒160度としており、折り曲げ部分の外側に沿って1本の丸棒8を溶接し、底板7に断面半円形の溝を設けて丸棒8を回動可能に嵌め込んでいる。
また、図2(b)に示されるように、車止め板5の先端5aが下方へ略直角に折り曲げられ、先端5aの前面にはゴム5bが全長に亘って貼り付けられている。さらに、図1(a),(b)、図2(a),(c)に示されるように、枠体2の四方にはタイヤが乗り上げ易く、人が躓き難く車椅子が乗り越え易いようにテーパが付けられている。
かかる構造を有する本実施の形態1の車止め装置1がどのようにして車止めとして機能するかについて、図3を参照して説明する。図3に示されるように、本実施の形態1においては、車止め装置1がコンクリート面9からなる駐車場に設置された場合について説明する。したがって、車止め装置1は枠体2の四隅において、図示しないアンカーボルトによって枠体2と底板7を貫通してコンクリート面9に固定されている。
図3(a)に示されるように、車輌が前進または後退してタイヤT(前輪または後輪)が車止め装置1に接近し、図3(b)に示されるように、タイヤTが枠体の1辺2aを乗り越えて踏み板4の端に乗ると、踏み板4は剛性の大きいシマ鋼板からなるため、タイヤTを介して掛かる車輌約4分の1の重量で踏み板4全体が蝶番3を支点にして下方へ回動する。これによって、踏み板4の先端の下にある持上げ板6の短い側6aが下がり、その分だけ長い側6bが上がって車止め板5を押し上げる。この結果、車止め板5は蝶番3を支点にして上方へ回動し、立ち上がり始める。
なお、ここで持上げ板6の長い側6bの先端に溶接されている丸棒6cによって、車止め板5の下面と線接触しながら持上げ板6の長い側6bが車止め板5を押し上げるので、円滑な押し上げが行われる。
そして、図3(c)に示されるように、タイヤTが踏み板4の上に完全に乗って持上げ板6の短い側6aが底板7に押し付けられると、車止め板5は予め定められた所定の角度まで立ち上がって、進んでくるタイヤTを先端5aで受け止める。車止め板5は剛性の大きいシマ鋼板からなるため、タイヤTの当る衝撃に耐えることができ、さらに車止め板5の先端5aは下方へ略直角に折り曲げられ、先端5aの前面にはゴム5bが全長に亘って貼り付けられているため、タイヤTを面で受けてしかもゴム5bで衝撃がやわらげられて、タイヤTを傷めることもない。このようにして、車止め装置1は車止めとして確実に機能する。
駐車していた車輌が再び動き始めてタイヤTが踏み板4の上から降りると、てこの原理によって持上げ板6の長い側6bが車止め板5の重量によって下がり、底板7に押し付けられて再び図3(a)の状態に戻る。このように、車輌が駐車していないときには、車止め装置1は極めて薄い状態にあり枠体2の四方全てにテーパが付いているので、人が躓く心配もなく、車椅子等も楽に乗り越えることができる。
このようにして、本実施の形態1の車止め装置1は、車輌が駐車するときには確実に車止めとしての役割を果たすとともに、車輌が駐車していないときには人や車椅子等の通行を阻害することがない。
実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2にかかる車止め装置について、図4を参照して説明する。図4(a)は本発明の実施の形態2にかかる車止め装置の全体構成を示す平面図、(b)は縦断面図である。なお、実施の形態1と同一の部材については同一の符号を付して説明を省略する。
図4に示されるように、本実施の形態2にかかる車止め装置11は、持上げ板6を用いていない。その代わりに車止め板5と略同じ長さの3本の直径8mmの棒材としての鉄棒16を全長の略80%程度の位置で鈍角に折り曲げて1本の細い丸棒18に角度を揃えて溶接し、短い側16aを踏み板4の下に入れ、長い側16bを車止め板5の下に入れて、踏み板4と車止め板5の境界部分の底板17に溝を設けて細い丸棒18を回動自在に嵌め込んだものである。
したがって、持上げ板6を用いた車止め装置1の場合よりも車止め装置11の高さは多少高くなるが、長期間駐車を繰り返した場合に持上げ板6は次第に曲げ角が緩くなって平板に近づき、交換が必要になるが、3本の直径8mmの鉄棒16は最初の鈍角からなかなか変化せず、より長期間の使用が可能になる。そして、枠体12の四方にテーパを付けることによって、やや高くなる車止め装置11も容易に乗り越えて通行することができる。
このようにして、本実施の形態2にかかる車止め装置11は、車輌が駐車するときには確実に車止めとしての役割を果たすとともに、より長期間に亘って部品を交換することなく使用することができ、車輌が駐車していないときには人や車椅子等がスムーズに通行することができる。
実施の形態3
次に、本発明の実施の形態3にかかる車止め装置について、図5乃至図7を参照して説明する。図5(a)は本発明の実施の形態3にかかる車止め装置の全体構成を一部踏み板と車止め板を破って示す平面図、(b)はタイヤが乗っていないときの縦断面図及び一部拡大図である。図6(a)は本発明の実施の形態3にかかる車止め装置のタイヤが乗った瞬間の縦断面図及び一部拡大図、(b)はステンレス棒を略直角に曲げた部分の長さと短いステンレス棒を溶接する高さを示す説明図である。図7は本発明の実施の形態3にかかる車止め装置の変形例の全体構成を一部踏み板と車止め板を破って示す平面図である。
図5(a),(b)に示されるように、本実施の形態3にかかる車止め装置21は、全面に亘る大きさの略長方形の鋼板からなる底板28と、その四辺に沿って溶接されたステンレス板からなる枠体22a,22b,22c,22dと、どこにも取付けられないアルミニウム製の踏み板23と、枠体の対向辺22bの内側に全長に亘る蝶番26によって回動可能に取付けられた亜鉛メッキしたシマ鋼板からなる車止め板25とを有している。
そして、これらの枠体の1辺22aの内側から枠体の対向辺22bの内側までの程度の長さの棒材としてのステンレス棒(直径8mm)27を車止め板25の中間付近で略直角に折り曲げ、踏み板23の下において金属製の軸止め27bで3箇所で底板28に回動自在に取付け、ステンレス棒27を略直角に折り曲げた部分を底板28に寝かせた状態で、同様の太さ(直径8mm)で短い棒材としての短い3本のステンレス棒27aを軸止め27bの間及び軸止め27bと枠体の1辺22aの間においてステンレス棒27に略直角に折り曲げた方向と反対側のやや斜め上方に溶接して、かかる構造を踏み板23及び車止め板25の下に間隔を空けて2組設けている。
そして、枠体22cと一方のステンレス棒27の間、2組のステンレス棒27の間、他方のステンレス棒27と枠体22dとの間には、スペーサとしてステンレス棒27の径と略同じ厚さ8mmの3枚のゴム板29が底板28の上に敷かれている。さらに、踏み板23が浮き上らないように枠体22cと踏み板23の端、及び枠体22dと踏み板23の端に跨って被さる1対の薄手のステンレス製の押え板24を設けており、これらの押え板24は、それぞれ枠体22cと枠体22dに図示しない複数のビスによってねじ止めされている。
さらに、図5(b)に示されるように、車止め板25の先端には全長に亘ってゴム25aが貼り付けられており、図5(b)の拡大図に示されるように、車止め板25は長い蝶番26を介して、枠体の対向辺22bと一体化したアルミニウム製の枠体補助部材30に回動可能に取付けられている。
かかる構造の本実施の形態3にかかる車止め装置21は、上記実施の形態1,2と異なり、タイヤTで踏み板を踏み付けることによってシーソー式に車止め板を立ち上がらせるものではなく、タイヤTで踏み板23を踏み付けることで踏み板23の下から車止め板25の下の途中まで伸びているステンレス棒27を回転させることによって、ステンレス棒27の先端の略直角に曲げられた部分を起こし(図6(b)参照)、これによって車止め板25を立ち上がらせるものである。
即ち、図6(a)に示されるように、タイヤTが踏み板23の上に乗り始めた瞬間に短いステンレス棒27aが底板28に押し付けられて長いステンレス棒27が回転し、ステンレス棒27の先端の略直角に曲げられた部分が起きて、車止め板25が所定の角度まで立ち上がる。したがって、車輌が通常の駐車時より速い速度で車止め装置21の上に乗り込んできたときでも瞬時に車止め板25が所定の角度まで立ち上がるため、確実にタイヤTを受け止めることができる。車止め板25の先端には全長に亘ってゴム25aが貼り付けられているため、タイヤTの当接時の衝撃をやわらげることができ、タイヤTを傷める恐れはない。
また、図6(a)の拡大図に示されるように、ステンレス製の枠体22bの先端が車止め板25のストッパーとして機能するので、確実に車止め板25を所定の角度まで立ち上げることができ、車輌が通常の駐車時より速い速度で勢い良く車止め装置21の上に乗り込んできた場合でも、ステンレス棒27の先端の略直角に曲げられた部分が起き上がる勢いで車止め板25が所定の角度を越えて立ち上がり過ぎるという恐れもない。
本実施の形態3にかかる車止め装置21においては、図6(b)に示される略直角に曲げた部分の長さL及び短いステンレス棒27aを浮かせて溶接する高さtによって、車止め板25を立ち上がらせるために必要な踏み板23に掛かる重量が決まる。即ち、略直角に曲げた部分の長さLを短くするほど、また浮かせて溶接する高さtを高くするほど、踏み板23に掛かる重量が軽くても車止め板25が立ち上がる。本実施の形態3においては、(ステンレス棒27の径8mmの場合において、)L≒140mm、t≒3mmとした場合に、車輌のタイヤT(片輪)が踏み板23にかかると即座に車止め板25が立ち上がり、人が何人踏み板23に乗っても車止め板25はびくともしなかった。
このように、車止め板25の重さも含めて、略直角に曲げた部分の長さLと浮かせて溶接する高さtを調節することによって、体重の重い人が踏み板23に乗ってもびくともせず、車輌のタイヤTが踏み板23にかかると即座に車止め板25が立ち上がるようにすることができる。
さらに、車止め装置21においては、ステンレス棒27が底板28の上に回動自在に取付けられてその上に踏み板23と車止め板25が載せられた構造のため、高さを低くすることができ、車輌が駐車していない時に人や車椅子等が通行し易くなる。また、枠体22cと一方のステンレス棒27の間、2組のステンレス棒27の間、他方のステンレス棒27と枠体22dとの間には、スペーサとしてステンレス棒27の径と同じ厚さ8mmのゴム板29が底板28の上に敷かれているため、タイヤTが踏み板23の上に乗ったときの重量が踏み板23全体に分散されるので、踏み板23が特に剛性の大きいものでなくても良く、アルミニウム板でも十分持ち堪えることができる。
このようにして、本実施の形態3にかかる車止め装置21においては、車輌が通常の駐車時より速い速度で車止め装置21の上に乗り込んできても瞬時に車止め板25が所定の角度まで立ち上がり、タイヤTを確実に受け止めることができ、車輌が駐車していないときには人や車椅子等がスムーズに通行することができる。
次に、本発明の実施の形態3にかかる車止め装置の変形例について、図7を参照して説明する。図7に示されるように、本実施の形態3にかかる車止め装置の変形例60の構造は、上記本実施の形態3にかかる車止め装置21と殆ど同一である。異なるのは、踏み板23aと車止め板25aの境界に、ステンレス製の二等辺直角三角形の厚板からなる1対の踏み板止め23bを左右両端において、枠体22cと底板28及び枠体22dと底板28に溶接し、その形状に合わせて踏み板23aと車止め板25aの両先端角をカットしたことである。即ち、踏み板止め23bは底板28に溶接しても踏み板23aと車止め板25aの上面に達する厚さを有し、1対の押え板24で浮き上りは押えられているが、水平方向には移動可能な踏み板23aの水平移動をも不可能にしている。
これによって、車止め装置60にタイヤを乗せて駐車していた車輌が発進する時に、タイヤの回転によって、どこにも接続されていない踏み板23aが車止め板25a方向に押されて、車止め板25aの下に潜り込んだり車止め板25aの上に乗り上げるといったトラブルを確実に防止することができる。
そして、踏み板止め23bは車止め装置60の作動を一切邪魔しないので、本実施の形態3の変形例にかかる車止め装置60においても、車輌が通常の駐車時より速い速度で車止め装置60の上に乗り込んできても瞬時に車止め板25aが所定の角度まで立ち上がり、タイヤを確実に受け止めることができ、車輌が駐車していないときには人や車椅子等がスムーズに通行することができる。
実施の形態4
次に、本発明の実施の形態4にかかる車止め装置について、図8乃至図10を参照して説明する。図8(a)は本発明の実施の形態4にかかる車止め装置の全体構成を一部踏み板と車止め板とタイヤ受け板を破って示す平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は車止め装置にタイヤが乗って車止めとして機能するところを示す部分断面図である。図9(a)は本発明の実施の形態4にかかる車止め装置の変形例を示す部分断面図、(b)は車止め装置の変形例にタイヤが乗って車止めとして機能するところを示す部分断面図、(c)は車止め装置を繰り返し長期間使用して車止め板の上昇角度が小さくなった状態を示す部分断面図、(d)はさらに車止め板の上昇角度が小さくなった状態を示す部分断面図である。図10は本発明の実施の形態4にかかる車止め装置の変形例の全体構成を示す平面図である。
図8に示されるように、本実施の形態4にかかる車止め装置61において、車止め板64を立ち上げる仕組みは上記実施の形態3と同様である。即ち、枠体の1辺22aの内側から枠体の対向辺22bの内側までの程度の長さの棒材としてのステンレス棒(直径8mm)27を車止め板64の中間付近で略直角に折り曲げ、踏み板62の下において金属製の軸止め27bで3箇所で底板28に回動自在に取付け、ステンレス棒27を略直角に折り曲げた部分を底板28に寝かせた状態で、同様の太さ(直径8mm)で短い棒材としての短い3本のステンレス棒27aを軸止め27bの間及び軸止め27bと枠体の1辺22aの間においてステンレス棒27に略直角に折り曲げた方向と反対側のやや斜め上方に溶接して、かかる構造をアルミニウム製の踏み板62及びステンレス製の車止め板64の下に間隔を空けて3組設けている。
枠体22cと一方のステンレス棒27の間、3組のステンレス棒27の間、他方のステンレス棒27と枠体22dとの間には、スペーサとしてステンレス棒27の径よりやや薄い厚さ7mmの4枚のゴム板29が底板28の上に敷かれている。そして、大きな相違点は、車止め板64の上に3分の2程度被さるように回動可能なタイヤ受け板65が乗っている点である。このタイヤ受け板65はステンレス製で、左右の枠体22c,22d内に設けられた1対の軸受け66bに回転自在に支持された回転軸としてのステンレス棒66に溶接されており、タイヤ受け板65の先端付近の下面2箇所には突出部分としての短いステンレスの丸棒65aが溶接されている。
図8(b)に示されるように、これらのステンレスの丸棒65aが溶接されている部分には、車止め板64に貫通穴64aが穿設されており、ステンレスの丸棒65aが貫通穴64aを貫通してタイヤ受け板65が車止め板64に被さる時点で、2本の丸棒65aの先端も底板28に密着するように調節されている。また、ステンレス棒66のタイヤ受け板65が溶接されているのと反対側の両端近傍には、ステンレス板からなるストッパー66aが1対溶接されている。そして、その近傍には、ステンレス製の二等辺直角三角形の厚板からなる1対の踏み板止め62aが、枠体22cと底板28及び枠体22dと底板28に溶接され、その形状に合わせて踏み板62の両先端角がカットされている。
かかる構造を有する本実施の形態4にかかる車止め装置61に車輌が接近して、タイヤが枠体22aのテーパを乗り越えて踏み板62の上に乗ると、上記実施の形態3と同様にして、ステンレス棒27の直角に曲げた部分が図8(c)に示されるように起き上がり、車止め板64を立ち上がらせるとともにその上に乗っているタイヤ受け板65をも立ち上がらせる。そして、車止め板64の先端がタイヤ受け板65の下面を擦り上げるようにして立ち上がって行くと、タイヤ受け板65の下面に溶接された2本の丸棒65aに車止め板64の先端が当接して、その位置で停止する。このとき、1対のストッパー66aも底板28に当るように調節しておく。
このように、タイヤが踏み板62の上に乗り始めた瞬間に短いステンレス棒27aが底板28に押し付けられて長いステンレス棒27が回転し、ステンレス棒27の先端の略直角に曲げられた部分が起きて、車止め板64及びタイヤ受け板65が所定の角度まで立ち上がる。したがって、車輌が通常の駐車時より速い速度で車止め装置61の上に乗り込んできたときでも瞬時に車止め板64及びタイヤ受け板65が所定の角度まで立ち上がるため、確実にタイヤを受け止めることができる。しかも、本実施の形態4の車止め装置61においては、車止め板の先端ではなくタイヤ受け板65全体でタイヤを受け止めるため、タイヤの当接時の衝撃が局部的に集中することがなく、タイヤを傷める恐れはない。
また、図8(c)に示されるように、タイヤ受け板65の下面に溶接された2本の丸棒65aが車止め板64のストッパーとして機能するので、確実に車止め板64を所定の角度まで立ち上げることができ、タイヤ受け板65にもストッパー66aが取付けられているので、車輌が通常の駐車時より速い速度で勢い良く車止め装置61の上に乗り込んできた場合でも、ステンレス棒27の先端の略直角に曲げられた部分が起き上がる勢いで車止め板64やタイヤ受け板65が所定の角度を越えて立ち上がり過ぎるという恐れもない。
さらに、タイヤが踏み板62の上に乗っていないときは、車止め板64の上にタイヤ受け板65が被さり、突出部分としての2本の丸棒65aは貫通穴64aを貫通して底板28まで届いているので、平坦になって歩行者や車椅子が車止め装置61の上を通行できるとともに、2本の丸棒65aによってタイヤ受け板65にかかる重量が支持されるので、タイヤ受け板65は特に剛性の大きいものでなくても良い。
次に、本実施の形態4にかかる車止め装置の変形例について、図9及び図10を参照して説明する。図9(a)に示されるように、本実施の形態4にかかる車止め装置の変形例70は、タイヤ受け板65の下面に溶接された突出部分としての2本の丸棒65aの代わりに、タイヤ受け板67の先端を3箇所において突出させて下方に略直角に折り曲げ、これらの折り曲げ部分67aが貫通するスリット68aが車止め板68の3箇所に穿設されている。そして、折り曲げ部分67aがスリット68aを貫通してタイヤ受け板67が車止め板68に被さる時点で、3箇所の折り曲げ部分67aの先端も底板28に密着するように調節されている。その他の部分の構造は、前記車止め装置61とほぼ同じである。
かかる構造を有する本実施の形態4の変形例にかかる車止め装置70に車輌が接近して、タイヤが枠体のテーパを乗り越えて踏み板62の上に乗ると、前記車止め装置61と同様にして、ステンレス棒27の直角に曲げた部分が図9(b)に示されるように起き上がり、車止め板68を立ち上がらせるとともにその上に乗っているタイヤ受け板67をも立ち上がらせる。そして、車止め板68の先端がタイヤ受け板67の下面を擦り上げるようにして立ち上がって行くと、タイヤ受け板67の先端の折り曲げ部分67aに車止め板68の先端が当接して、その位置で停止する。このとき、1対のストッパー66aも底板28に当るように調節しておく。
このように、タイヤが踏み板62の上に乗り始めた瞬間に短いステンレス棒27aが底板28に押し付けられて長いステンレス棒27が回転し、ステンレス棒27の先端の略直角に曲げられた部分が起きて、車止め板68及びタイヤ受け板67が所定の角度まで立ち上がる。したがって、車輌が通常の駐車時より速い速度で車止め装置70の上に乗り込んできたときでも瞬時に車止め板68及びタイヤ受け板67が所定の角度まで立ち上がるため、確実にタイヤを受け止めることができる。しかも、本車止め装置70においては、車止め板の先端ではなくタイヤ受け板67全体でタイヤを受け止めるため、タイヤの当接時の衝撃が局部的に集中することがなく、タイヤを傷める恐れはない。
さらに、長期間に亘って繰り返しタイヤが踏み板62の上に乗り続けると、金属疲労によって短いステンレス棒27aの長いステンレス棒27に対する角度が少しずつ小さくなって、図9(c)に示されるようにタイヤが踏み板62の上に乗ったときのステンレス棒27の直角に曲げた部分の起き上がり角度が小さくなり、車止め板68の立ち上がり角度も長期間のうちには小さくなり、車止め板68の先端でタイヤを止める方式ではやがては図9(d)に示されるようにタイヤを止められなくなって、タイヤが車止め板68を乗り越えてしまうようになる。しかし、本車止め装置70においては、車止め板68の先端がタイヤ受け板67の下面を擦り上げるようにして立ち上がる方式なので、図9(c),(d)に示されるように車止め板68の立ち上がり角度が小さくなってもタイヤ受け板67の立ち上がり角度は殆ど変化しない。したがって、長期間使用を続けてもタイヤ受け板67でタイヤをしっかり受け止めることができる。
この点については、前記車止め装置61についても全く同様である。
また、図9(b)に示されるように、タイヤ受け板67の先端の折り曲げ部分67aが車止め板68のストッパーとして機能するので、確実に車止め板67を所定の角度まで立ち上げることができ、タイヤ受け板67にもストッパー66aが取付けられているので、車輌が通常の駐車時より速い速度で勢い良く車止め装置70の上に乗り込んできた場合でも、ステンレス棒27の先端の略直角に曲げられた部分が起き上がる勢いで車止め板68やタイヤ受け板67が所定の角度を越えて立ち上がり過ぎるという恐れもない。
さらに、タイヤが踏み板62の上に乗っていないときは、車止め板68の上にタイヤ受け板67が被さり、折り曲げ部分67aはスリット68aを貫通して底板28まで届いているので、平坦になって歩行者や車椅子が車止め装置70の上を通行できるとともに、3箇所の折り曲げ部分67aによってタイヤ受け板67にかかる重量が支持されるので、タイヤ受け板67は特に剛性の大きいものでなくても良い。
さらに、車止め装置70の外観(平面図)について、図10を参照して説明する。図10に示されるように、枠体22c,22d,左右1対の押え板24及びタイヤ受け板67の先端よりに、黒色と黄色の縞模様の粘着テープが貼り付けられている。これによって、車止め装置70が車止め装置であることを周囲の人々にはっきり認識させるとともに、車輌の運転者にはどこにタイヤを乗せたら良いのかを示すことができる。また、踏み板62の表面には滑り止めとしての滑り止め材62bがストライプ模様に貼り付けられている。これによって、車止め装置70に駐車しようとする車輌のタイヤが踏み板62の上でスリップすることなく、スムーズに駐車することができる。
このようにして、本実施の形態4にかかる車止め装置61,70は、車輌が駐車するときには確実に車止めとしての役割を果たすとともに、より長期間に亘って修理等をすることなく使用することができ、車輌が駐車していないときには人や車椅子等がスムーズに通行することができる。
実施の形態5
次に、本発明の実施の形態5にかかる車止め装置について、図11を参照して説明する。図11(a)は本発明の実施の形態5にかかる車止め装置にタイヤが乗っていない状態を示す部分縦断面図、(b)は車止め装置にタイヤが乗って車止めとして機能するところを示す説明図である。
図11に示されるように、本実施の形態5にかかる車止め装置51は、上記実施の形態3にかかる車止め装置21の変形例とも言うべきものである。即ち、枠体の1辺の内側から枠体の対向辺の内側までの程度の長さの棒材としての2本のステンレス棒(直径8mm)57を車止め板の中間付近で略直角に折り曲げ、踏み板23の下において金属製の軸止めで底板28に回動自在に取付けている。そして、軸止め間においてステンレス棒57に歯車58を設け、踏み板23の下面にボルト止めしたギア板55の両端に、歯車58と噛み合うラックギア56をそれぞれ設けている。
この状態で、踏み板23にタイヤが乗ると、踏み板23はどこにも取付けられていないので即座に下降して、図11(b)に示されるようにギア板55の両端のラックギア56が歯車58をそれぞれ逆方向に回転させ、ステンレス棒57も一体に回転してステンレス棒57の先端の略直角に曲げられた部分が起きて、車止め板が所定の角度まで立ち上がる。したがって、車輌が通常の駐車時より速い速度で車止め装置51の上に乗り込んできたときでも瞬時に車止め板が所定の角度まで立ち上がるため、確実にタイヤを受け止めることができる。車止め板の先端には全長に亘ってゴムが貼り付けられているため、タイヤの当接時の衝撃をやわらげることができ、タイヤを傷める恐れはない。
また、本実施の形態5においても実施の形態3と同様に、ステンレス製の枠体22bの先端が車止め板25のストッパーとして機能するので、確実に車止め板25を所定の角度まで立ち上げることができ、車輌が通常の駐車時より速い速度で勢い良く車止め装置51の上に乗り込んできた場合でも、ステンレス棒57の先端の略直角に曲げられた部分が起き上がる勢いで車止め板25が所定の角度を越えて立ち上がり過ぎるという恐れもない。
なお、本実施の形態5においては、2本のステンレス棒57に歯車58を設けた場合について説明したが、ステンレス棒57は1本だけでも3本以上でも良い。これらの場合は、ギア板55の構造をステンレス棒57の本数に合わせて変える必要がある。
このようにして、本実施の形態5にかかる車止め装置51においては、車輌が通常の駐車時より速い速度で車止め装置51の上に乗り込んできても瞬時に車止め板25が所定の角度まで立ち上がり、タイヤTを確実に受け止めることができ、車輌が駐車していないときには人や車椅子等がスムーズに通行することができる。
実施の形態6
次に、本発明の実施の形態6にかかる車止め装置について、図12を参照して説明する。図12(a),(b),(c)は本発明の実施の形態6にかかる車止め装置が車止めとして機能するところを順に示す縦断面図である。
図12(a)に示されるように、本実施の形態6の車止め装置31は、コンクリートの駐車面38に設けられた1辺が車輌のタイヤTの幅よりも大きく、他辺が少なくとも、タイヤTの外径の2分の1以上の略四角枠に形成された枠体と、枠体の1辺32aに蝶番33によって回動可能に取付けられた枠体の他辺の長さよりやや短く枠体の1辺32aの幅とほぼ同じ幅を有する剛性の大きい踏み板34と、枠体の対向辺32bに蝶番33によって回動可能に取付けられ、先端が踏み板34の上に被せられた剛性の大きいシマ鋼板からなる車止め板36と、車止め板36の略先端の位置において、図示されない枠体の他の2辺に両端を強固に取付けられ、踏み板34を略水平に支持する剛性の大きい三角柱からなる支持体35とから構成されている。
即ち、踏み板34は枠体の1辺32aに回動可能に取付けられ、反対側は駐車場のコンクリート面37の上に密着し図示されない枠体の他の2辺に両端を強固に取付けられた剛性の大きい支持体35によって略水平に支持されて、コンクリート面37の上に浮いた状態になっている。図12(b)に示されるように、この踏み板34の上に車輌のタイヤTが乗ると重みで撓んで、踏み板34の先端は固定されていないので支持体35を支点として斜め上方に突き上がる。これによって、踏み板34に被さっていた車止め板36は回動して起き上がり、図12(c)に示されるように、踏み板34が撓んでコンクリート面37に着いたときに、車止め板36が適度な角度になって略直角に折り曲げられた先端面36a全体でタイヤTを受け止める。
車輌が再び動き出してタイヤTが踏み板34の上から外れると、この踏み板34は剛性が大きいので、図12(a)に示されるように、再び水平に支持された状態に戻り、車止め板36もそれに伴って倒れて踏み板34の上に被さった状態に戻る。このようにして、本実施の形態6の車止め装置31は、確実に車止めとして機能する。
また、車輌が駐車していないときは、本実施の形態6の車止め装置31は枠体の四方にテーパが付けられており、剛性の大きい踏み板34が枠体内のほぼ全面を覆っているので、人や車椅子等がスムーズに通行することができる。
このようにして、本実施の形態6の車止め装置31は、車輌が駐車するときには確実に車止めとしての役割を果たすとともに、車輌が駐車していないときには人や車椅子等の通行を阻害することがない。
実施の形態7
次に、本発明の実施の形態7にかかる車止め装置について、図13を参照して説明する。図13(a),(b),(c)は本発明の実施の形態7にかかる車止め装置が車止めとして機能するところを順に示す縦断面図である。
図13(a)に示されるように、本実施の形態7の車止め装置41は、コンクリートの駐車面48に設けられた浅いピット47と、ピット47の縁に沿って四方に取付けられた枠体42a,42b,……と、枠体の1辺42aに蝶番43によって回動可能に取付けられたピット47の長さよりやや短くピット47の幅とほぼ同じ幅を有し剛性の大きい踏み板44と、枠体の対向辺42bに蝶番43によって回動可能に取付けられ、先端が踏み板44の上に被せられた剛性の大きいシマ鋼板からなる車止め板46と、車止め板46の略先端の位置において枠体の対向辺42bからピット47の底面に沿って強固に取付けられ、踏み板44を略水平に支持する剛性の大きい支持体45とから構成されている。
即ち、踏み板44はピット47を囲む枠体の1辺42aに回動可能に取付けられ、反対側はピット47の底面から立ち上がった剛性の大きい支持体45によって略水平に支持されて、ピット47の空間上に浮いた状態になっている。図13(b)に示されるように、この踏み板44の上に車輌のタイヤTが乗ると重みで撓んで、踏み板44の先端は固定されていないので支持体45を支点として斜め上方に突き上がる。これによって、踏み板44に被さっていた車止め板46は回動して起き上がり、図13(c)に示されるように、踏み板44が撓んで浅いピット47の底面47aに着いたときに、車止め板46が適度な角度になって略コの字形に折り曲げられた先端面46a全体でタイヤTを受け止める。
車輌が再び動き出してタイヤTが踏み板44の上から外れると、この踏み板44は剛性が大きいので、図13(a)に示されるように、再び水平に支持された状態に戻り、車止め板46もそれに伴って倒れて踏み板44の上に被さった状態に戻る。このようにして、本実施の形態7の車止め装置41は、確実に車止めとして機能する。
また、車輌が駐車していないときは、本実施の形態7の車止め装置41はピット47を利用しているので地面48からの高さが低く、剛性の大きい踏み板44がピット47のほぼ全面を覆っているので、人や車椅子等がスムーズに通行することができる。
このようにして、本実施の形態7の車止め装置41は、車輌が駐車するときには確実に車止めとしての役割を果たすとともに、車輌が駐車していないときには人や車椅子等の通行を阻害することがない。
上記各実施の形態においては、1基の車止め装置で片方のタイヤを受け止めて、かかる車止め装置を1対、中心位置の間隔が標準的な車輌のホイールトレッドと略同程度の長さになるように設置することによって、左右両輪を受け止めるようにして車輌1台分の車止めとしているが、踏み板及び車止め板の幅が標準的な車輌のホイールトレッドより長い車止め装置を製造して、1基の車止め装置で左右両方のタイヤを受け止める方式としても良い。これによって、車止め装置の設置作業が非常に容易になる。
また、上記実施の形態3,4のみにおいて、車止め板が所定の角度以上に回動しないように停止させるストッパーが設けられているが、他の実施の形態においてもかかるストッパーを設けることが好ましい。
さらに、上記各実施の形態においては、踏み板や車止め板を回動可能に枠体に取付ける方法として、複数個の蝶番や全幅に亘る蝶番を用いているが、その他の方法を用いても良い。
車止め装置のその他の部分の構成、形状、数量、材質、大きさ、接続関係等についても、上記各実施の形態に限定されるものではない。