JP4204808B2 - 1−置換インドール類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は1−置換インドール類の製造方法に関する。本発明により得られる1−置換インドール類は、医薬・農薬の原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
従来、1−置換インドール類の製造方法として、▲1▼インドール類を、塩基の存在下にアルキルハライドと反応させる方法[例えばジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J.Org.Chem.)、65巻、5901頁(2000年)など参照]、▲2▼N−置換フェニルヒドラジンとアルデヒド基を有する化合物を反応させるフィッシャーのインドール合成法(例えば特開昭52−65266号公報など参照)、▲3▼N−置換アニリン類を、遷移金属の酸化物、ケイ素の酸化物およびマグネシウムの酸化物を含む触媒の存在下に1,2−グリコール類と反応させる方法(特開平8−319273号公報参照)、▲4▼N−置換アニリン類を、ルテニウム触媒の存在下に1,2−グリコール類と反応させる方法(特開昭62−93273号公報参照)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記▲1▼の方法および▲2▼の方法は、それぞれ原料であるインドール類、N−置換フェニルヒドラジンの入手が困難であるという問題点を有する。上記▲3▼の方法は、高温条件下(350℃)で反応を行なわなければならないという問題点を有する。また、上記▲4▼の方法は、高価なルテニウム触媒を使用しなければならないという問題点を有する。したがって、これらの方法はいずれも1−置換インドール類の工業的に有利な製造方法とは言い難い。
【0004】
しかして、本発明の目的は、比較的入手容易な原料から、1−置換インドール類を、温和な条件下で、工業的に有利に製造し得る方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記の目的は、
(1)一般式(II)
【0006】
【化7】
【0007】
[式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アラルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、一般式R6R7N−(式中、R6およびR7はそれぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)で示される基または一般式R8CONH−(式中、R8は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)で示される基を表し、R5はアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアラルキル基を表し、R9およびR10はそれぞれアルキル基を表すか、または一緒になってアルキレン基を表す。]で示されるN−置換アニリノアセトアルデヒドアセタールを、水または水と芳香族炭化水素の混合溶媒中で、酸の存在下に環化させることを特徴とする一般式(I)
【0008】
【化8】
【0009】
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は前記定義のとおりである。)で示される1−置換インドール類[以下、1−置換インドール類(I)と称する]の製造方法を提供することにより達成される。
【0013】
(式中、R5は前記定義のとおりであり、Xはハロゲン原子を表す。)
で示されるハロゲン化合物[以下、ハロゲン化合物(IV)と称する]と反応させることによりN−置換アニリノアセトアルデヒドアセタール(II)を得、該N−置換アニリノアセトアルデヒドアセタール(II)を酸の存在下に環化させることを特徴とする1−置換インドール類(I)の製造方法を提供することにより達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
上記一般式において、R1、R2、R3、R4およびXがそれぞれ表すハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
【0015】
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10がそれぞれ表すアルキル基としては、炭素数1〜8の鎖状のアルキル基または炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0016】
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8がそれぞれ表すアルケニル基としては、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えばビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オクテニル基などが挙げられる。
【0017】
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8がそれぞれ表すアリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、アラルキル基としては、アルキル部分として炭素数1〜6のアルキル基を有し、かつアリール部分として炭素数6〜10のアリール基を有するものが好ましく、例えばベンジル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
【0018】
R1、R2、R3およびR4がそれぞれ表すアルコキシル基としては、炭素数1〜8の鎖状のアルコキシル基または炭素数3〜6のシクロアルキルオキシ基が好ましく、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などが挙げられる。
【0019】
R1、R2、R3およびR4がそれぞれ表すアリールオキシ基としては、アリール部分として炭素数6〜10のアリール基を有するものが好ましく、例えばフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基などが挙げられ、アラルキルオキシ基としては、アルキル部分として炭素数1〜6のアルキル基を有し、かつアリール部分として炭素数6〜10のアリール基を有するものが好ましく、例えばベンジルオキシ基、ナフチルメチルオキシ基などが挙げられる。
【0020】
R1、R2、R3およびR4がそれぞれ表すアルキルカルボニル基としては、アルキル部分として炭素数1〜8のアルキル基を有するものが好ましく、例えばアセチル基、プロピオニル基などが挙げられる。
【0021】
R1、R2、R3およびR4がそれぞれ表すアリールカルボニル基としては、アリール部分として炭素数6〜10のアリール基を有するものが好ましく、例えばベンゾイル基などが挙げられ、アラルキルカルボニル基としては、アルキル部分として炭素数1〜6のアルキル基を有し、かつアリール部分として炭素数6〜10のアリール基を有するものが好ましく、例えばベンジルカルボニル基などが挙げられる。
【0022】
R1、R2、R3およびR4がそれぞれ表すアルコキシカルボニル基としては、アルキル部分として炭素数1〜8のアルキル基を有するものが好ましく、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基などが挙げられる。
【0023】
R1、R2、R3およびR4がそれぞれ表すアリールオキシカルボニル基としては、アリール部分として炭素数6〜10のアリール基を有するものが好ましく、例えばフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基などが挙げられ、アラルキルオキシカルボニル基としては、アルキル部分として炭素数1〜6のアルキル基を有し、かつアリール部分として炭素数6〜10のアリール基を有するものが好ましく、例えばベンジルオキシカルボニル基、ナフチルメチルオキシカルボニル基などが挙げられる。
【0024】
R9およびR10が一緒になって表すアルキレン基としては、炭素数2〜6の鎖状のアルキレン基が好ましく、例えばエチレン基、トリメチレン基、2−メチルプロピレン基、2−エチルプロピレン基などが挙げられる。
【0025】
まず、アニリノアセトアルデヒドアセタール(III)を、塩基の存在下、ハロゲン化合物(IV)と反応させてN−置換アニリノアセトアルデヒドアセタール(II)を得る工程(以下、これを工程aと称する)について説明する。
【0026】
ハロゲン化合物(IV)としては、例えばフッ化メチル、フッ化エチル、フッ化プロピル、フッ化ブチル、フルオロ酢酸メチル、フルオロ酢酸エチル、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、クロロ酢酸メチル、クロロ酢酸エチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル、ブロモ酢酸メチル、ブロモ酢酸エチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル、ヨード酢酸メチル、ヨード酢酸エチル、1−フルオロ−2−プロペン、1−フルオロ−2−ブテン、1−クロロ−2−プロペン、1−クロロ−2−ブテン、1−ブロモ−2−プロペン、1−ブロモ−2−ブテン、1−ヨード−2−プロペン、1−ヨード−2−ブテン、フルオロベンゼン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、フッ化ベンジル、塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジルなどが挙げられる。ハロゲン化合物(IV)の使用量は、アニリノアセトアルデヒドアセタール(III)1モルに対して、0.1〜10モルの範囲が好ましく、0.8〜5モルの範囲がより好ましい。
【0027】
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどの3級アミン類;ピリジン、ピコリン、ルチジンなどのピリジン類などが挙げられる。塩基の使用量は、アニリノアセトアルデヒドアセタール(III)1モルに対して、0.1〜10モルの範囲が好ましく、0.8〜5モルの範囲がより好ましい。
【0028】
工程aは溶媒の存在下に行うのが好ましい。溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない限り特に制限はなく、例えばヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール;ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オンなどの非プロトン性極性溶媒;ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム、トリグライムなどのエーテルなどが挙げられる。これらの中でもニトリル、アルコールが好ましい。また、溶媒は1種類を単独で用いても2種類以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量は特に制限されないが、アニリノアセトアルデヒドアセタール(III)に対して、1〜100質量倍の範囲が好ましく、3〜20質量倍の範囲がより好ましい。
【0029】
工程aにおける反応温度は、使用する溶媒の種類によっても異なるが、0℃から反応系の還流温度の範囲が好ましい。反応は加圧状態または減圧状態で行うこともできる。また、反応時間は、反応温度によっても異なるが、30分〜24時間の範囲内が好ましい。
【0030】
工程aは、例えばアニリノアセトアルデヒドアセタール(III)、ハロゲン化合物(IV)、塩基および溶媒を混合し、所定温度で攪拌することにより行うことができる。
【0031】
工程aで得られたN−置換アニリノアセトアルデヒドアセタール(II)の反応混合物からの単離・精製は、有機化合物の単離・精製において通常用いられている方法と同様にして行うことができる。例えば、反応混合物を室温まで冷却した後、水を加えて有機層と水層を分離し、水層をトルエン、ヘキサン、ジエチルエーテル、酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出し、抽出液および先の有機層を合わせて濃縮した後、残留物をさらに蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどにより精製する。また、得られた残留物を精製せずに、そのまま後述する次工程(工程b)の反応に供することもできる。
【0032】
次に、工程aで得られたN−置換アニリノアセトアルデヒドアセタール(II)を酸の存在下に環化させて1−置換インドール類(I)を得る工程(以下、これを工程bと称する)について説明する。
【0033】
酸としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられる。これらの中でも硫酸が好ましい。酸の使用量は、N−置換アニリノアセトアルデヒドアセタール(II)1モルに対して、0.01〜5モルの範囲が好ましく、0.05〜0.5モルの範囲がより好ましい。
【0034】
工程bは水または水と芳香族炭化水素との混合溶媒の存在下に行う。2種類以上の溶媒を混合して用いる場合の混合比には特に制限はない。溶媒の使用量は特に制限されないが、N−置換アニリノアセトアルデヒドアセタール(II)に対して、1〜100質量倍の範囲が好ましく、2〜20質量倍の範囲がより好ましい。
【0035】
工程bにおける反応温度は、使用する溶媒の種類によっても異なるが、0℃から反応系の還流温度の範囲が好ましい。反応は加圧状態または減圧状態で行うこともできる。また、反応時間は、反応温度によっても異なるが、30分〜24時間の範囲内が好ましい。
【0036】
工程bは、例えば、N−置換アニリノアセトアルデヒドアセタール(II)、酸および溶媒を混合し、所定温度で攪拌することにより行うことができる。反応の進行に伴いアルコールが生成するが、好ましくは該アルコールを反応系外に除去しながら反応を行うと、収率よく1−置換インドール類(I)を得ることができる。アルコールを反応系外に除去する方法は特に制限されないが、例えば、生成するアルコールよりも高沸点の溶媒を使用し、該アルコールの沸点以上の温度に加熱して、該アルコールを留去しながら反応を行う方法などが挙げられる。
【0037】
こうして得られた1−置換インドール類(I)の反応混合物からの単離・精製は、有機化合物の単離・精製において通常用いられている方法と同様にして行うことができる。例えば、反応混合物を室温まで冷却し、反応系中に残存している酸を炭酸水素ナトリウム水溶液などを用いて中和した後、有機層と水層を分離し、水層をトルエン、ヘキサン、ジエチルエーテル、酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出し、抽出液および先の有機層を合わせて濃縮した後、残留物をさらに蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどにより精製する。
【0038】
なお、本発明の方法で原料として用いるアニリノアセトアルデヒドアセタール(III)は、例えば、アニリン類を、塩基の存在下にハロゲノアセトアルデヒドアセタールと反応させることにより容易に合成することができる[ジャーナルオブ オーガニック ケミストリー(J.Org.Chem.)、46巻、778頁(1981年)参照]。
【0039】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
【0040】
実施例1
(a)冷却管、温度計およびマグネチックスターラを備えた内容積200mlの3口フラスコに、p−トルイジノアセトアルデヒドジメチルアセタール9.73g(50.0mmol)、臭化ベンジル14.53g(85.0mmol)、トリエチルアミン7.07g(70.0mmol)およびアセトニトリル50mlを入れ、60℃で5時間加熱した。得られた反応混合物を20℃まで冷却した後、水80mlを加えて有機層と水層を分離し、水層をトルエンで抽出した(80ml×2)。抽出液および先の有機層を合わせて濃縮し、得られた粗生成物13.89gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、N−ベンジル−p−トルイジノアセトアルデヒドジメチルアセタール7.09gを得た(24.9mmol、収率50%)。
【0041】
(b)冷却管、温度計およびマグネチックスターラを備えた内容積50mlの3口フラスコに、上記(a)で得られたN−ベンジル−p−トルイジノアセトアルデヒドジメチルアセタール3.71g(13.0mmol)、硫酸127mg(1.3mmol)および水13gを入れ、90℃で7時間加熱した。得られた反応混合物を20℃まで冷却し、2質量%炭酸水素ナトリウム水溶液13mlを加えた後、有機層と水層を分離し、水層をトルエンで抽出した(13ml×2)。抽出液および先の有機層を合わせて濃縮し、得られた粗生成物3.14gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、1−ベンジル−5−メチルインドール1.93gを得た(8.7mmol、収率67%)。
【0042】
比較例1
蒸留装置、温度計およびマグネチックスターラを備えた内容積100mlの3口フラスコに、実施例1(a)の方法で得られたN−ベンジル−p−トルイジノアセトアルデヒドジメチルアセタール2.85g(10.0mmol)、85質量%オルトリン酸115mg(1.0mmol)およびトルエン26gを入れ、115℃において、生成するメタノールを分離除去しながら18時間加熱還流した。得られた反応混合物を20℃まで冷却し、2質量%炭酸水素ナトリウム水溶液10mlを加えた後、有機層と水層とを分離し、水層をトルエン10mlで抽出した。抽出液および先の有機層を合わせて濃縮し、得られた粗生成物2.60gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、1−ベンジル−5−メチルインドール0.89gを得た(4.0mmol、収率40%)。
【0043】
実施例3
(a)冷却管、温度計およびマグネチックスターラを備えた内容積200mlの3口フラスコに、p−トルイジノアセトアルデヒドジメチルアセタール10.54g(54.1mmol)、ヨウ化メチル8.44g(59.5mmol)、炭酸ナトリウム6.02g(56.8mmol)およびメタノール80mlを入れ、60℃で3時間加熱還流した。得られた反応混合物を20℃まで冷却した後、固形物を濾過し、得られた濾液よりメタノールを留去した。残留物にトルエン50mlおよび水50mlを加えて有機層と水層とを分離し、さらに水層をトルエン30mlで抽出した。抽出液および先の有機層を合わせて濃縮し、得られた粗生成物10.45gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、N−メチル−p−トルイジノアセトアルデヒドジメチルアセタール8.14gを得た(38.9mmol、収率72%)。
【0044】
(b)冷却管、温度計およびマグネチックスターラを備えた内容積50mlの3口フラスコに、上記(a)で得られたN−メチル−p−トルイジノアセトアルデヒドジメチルアセタール1.46g(7.0mmol)、硫酸69mg(0.7mmol)および水7gを入れ、75℃で20時間加熱した。得られた反応混合物を20℃まで冷却し、2質量%炭酸水素ナトリウム水溶液7mlを加えた後、有機層と水層を分離し、水層をトルエンで抽出した(10ml×2)。抽出液および先の有機層を合わせて濃縮し、得られた粗生成物1.18gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、1,5−ジメチルインドール0.64gを得た(4.4mmol、収率63%)。
【0045】
参考例1
冷却管、温度計およびマグネチックスターラを備えた内容積300mlの3口フラスコに、N−メチルアニリン16.1g(150mmol)、ブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール27.9g(165mmol)、炭酸ナトリウム15.9g(150mmol)、ヨウ化ナトリウム2.2g(15mmol)、およびN−メチルピロリドン75mlを入れ、130℃で10時間加熱した。得られた反応混合物を20℃まで冷却した後、固形物を濾過した。濾液にトルエン100mlおよび水150mlを加えて有機層と水層とを分離し、さらに水層をトルエン50mlで抽出した。抽出液および先の有機層を合わせて濃縮し、得られた粗生成物35.8gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、N−メチルアニリノアセトアルデヒドジメチルアセタール24.1gを得た(124mmol、収率83%)。
【0046】
実施例4
冷却管、温度計およびマグネチックスターラを備えた内容積100mlの3口フラスコに、上記参考例1の方法で得られたN−メチルアニリノアセトアルデヒドジメチルアセタール4.88g(25.0mmol)、硫酸245mg(2.5mmol)、トルエン19gおよび水25gを入れ、83℃で8時間加熱還流した。得られた反応混合物を20℃まで冷却し、2質量%炭酸水素ナトリウム水溶液25mlを加えた後、有機層と水層を分離し、水層をトルエン25mlで抽出した。抽出液および先の有機層を合わせて濃縮し、得られた粗生成物3.28gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、1−メチルインドール2.17gを得た(16.6mmol、収率66%)。
【0047】
実施例5
(a)冷却管、温度計およびマグネチックスターラを備えた内容積300mlの3口フラスコに、4−クロロアニリノアセトアルデヒドジメチルアセタール14.01g(65.0mmol)、ヨウ化メチル13.84g(97.5mmol)、炭酸ナトリウム7.23g(68.3mmol)およびメタノール100mlを入れ、60℃で8時間加熱還流した。得られた反応混合物を20℃まで冷却し、固形物を濾過し、次いでメタノールを留去した。残留物にトルエン65mlおよび水65mlを加えて有機層と水層とを分離し、さらに水層をトルエン65mlで抽出した。抽出液および先の有機層を合わせて濃縮し、得られた粗生成物15.28gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、N−メチル−4−クロロアニリノアセトアルデヒドジメチルアセタール9.70gを得た(42.3mmol、収率65%)。
【0048】
(b)冷却管、温度計およびマグネチックスターラを備えた内容積100mlの3口フラスコに、上記(a)で得られたN−メチル−4−クロロアニリノアセトアルデヒドジメチルアセタール4.59g(20.0mmol)、硫酸196mg(2.0mmol)、トルエン21gおよび水20gを入れ、83℃で30時間加熱還流した。得られた反応混合物を20℃まで冷却し、2質量%炭酸水素ナトリウム水溶液20mlを加えた後、有機層と水層とを分離し、水層をトルエン20mlで抽出した。抽出液および先の有機層を合わせて濃縮し、得られた粗生成物3.89gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、1−メチル−5−クロロインドール1.75gを得た(10.6mmol、収率53%)。
【0049】
実施例6
(a)冷却管、温度計およびマグネチックスターラを備えた内容積200mlの3口フラスコに、p−トルイジノアセトアルデヒドジメチルアセタール6.05g(31.0mmol)、1−ブロモ−2−プロペン5.58g(46.5mmol)、炭酸ナトリウム3.45g(32.6mmol)およびメタノール50mlを入れ、60℃で4時間加熱還流した。得られた反応混合物を20℃まで冷却した後、固形物を濾過し、得られた濾液よりメタノールを留去した。残留物にトルエン31mlおよび水31mlを加えて有機層と水層とを分離し、さらに水層をトルエン31mlで抽出した。抽出液および先の有機層を合わせて濃縮し、得られた粗生成物9.00gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、N−(2−プロペン−1−イル)−p−トルイジノアセトアルデヒドジメチルアセタール6.86gを得た(29.2mmol、収率94%)。
【0050】
(b)冷却管、温度計およびマグネチックスターラを備えた内容積100mlの3口フラスコに、上記(a)で得られたN−(2−プロペン−1−イル)−p−トルイジノアセトアルデヒドジメチルアセタール3.98g(16.9mmol)、硫酸166mg(1.7mmol)、トルエン19gおよび水17gを入れ、83℃で40時間加熱還流した。得られた反応混合物を20℃まで冷却し、2質量%炭酸水素ナトリウム水溶液17mlを加えた後、有機層と水層とを分離し、水層をトルエン17mlで抽出した。抽出液および先の有機層を合わせて濃縮し、得られた粗生成物3.45gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、1−(2−プロペン−1−イル)−5−メチルインドール1.60gを得た(9.4mmol、収率55%)。
【0051】
実施例7
(a)冷却管、温度計およびマグネチックスターラを備えた内容積200mlの3口フラスコに、p−トルイジノアセトアルデヒドジメチルアセタール6.31g(32.0mmol)、ブロモ酢酸メチル7.42g(48.0mmol)、炭酸ナトリウム3.60g(33.6mmol)およびメタノール50mlを入れ、60℃で8時間加熱還流した。得られた反応混合物を20℃まで冷却した後、固形物を濾過し、得られた濾液よりメタノールを留去した。残留物にトルエン32mlおよび水32mlを加えて有機層と水層とを分離し、さらに水層をトルエン32mlで抽出した。抽出液および先の有機層をあわせて濃縮し、得られた粗生成物9.96gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、N−メトキシカルボニルメチル−p−トルイジノアセトアルデヒドジメチルアセタール8.29gを得た(31.0mmol、収率97%)。
【0052】
(b)冷却管、温度計およびマグネチックスターラを備えた内容積100mlの3口フラスコに、上記(a)で得られたN−メトキシカルボニルメチル−p−トルイジノアセトアルデヒドジメチルアセタール2.67g(10.0mmol)、硫酸98mg(1.0mmol)、トルエン14gおよび水10gを入れ、83℃で18時間加熱還流した。得られた反応混合物を20℃まで冷却し、2質量%炭酸水素ナトリウム水溶液10mlを加えた後、有機層と水層とを分離し、水層をトルエン10mlで抽出した。抽出液および先の有機層を合わせて濃縮し、得られた粗生成物1.90gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、1−メトキシカルボニルメチル−5−メチルインドール0.70gを得た(3.4mmol、収率35%)。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、1−置換インドール類(I)を、温和な条件で、工業的に有利に製造することができる。
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