JP4203281B2 - 表面処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気・機械・化学などの広い分野に関連する装置や製造方法にあって、それら装置ユニットや構成された部材などを洗浄してコーティング層や保護層を形成したり、またその表面にはんだ・めっきなどの金属層を形成したりする表面処理技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明にかかわる産業分野の一例として、半導体装置に関連する分野を見てみる。ここでは、近年のICの小チップ化・多機能化・高性能化等に伴い、それを搭載するパッケージも様々に進化や変遷を遂げつつあり、なかでも、小型化・薄型化・多ピン化等の要求に最先の流れが見られる。半導体装置の実装におけるLSIパッケージングの構成部材を見ても、近年の軽薄短小化に伴なって、対象物の表面洗浄や加工処理に多くの要望がある。
【0003】
これら半導体装置の構成部材のような、処理の対象となる導電金属製の対象物については、表面に酸化物などによる汚れが大変生じやすい。そして、その対象物の表面が汚れた状態のまま、清浄化しないでハンダ付けを行った場合には、導電部形成箇所の汚れや接着の不完全などを生じて、導電バンプ部などの導電接続構造が設計どおりに形成することができず、不良品となってしまう。このため、一旦酸化物などで汚れてしまった金属製対象物は、そのままでは使えないので、表面をきれいに洗浄して、清浄化した元の面に戻す必要がある。
【0004】
表面の汚れを洗浄する表面処理を要する対象物としては、多分野に渡り種々様々なものがあるが、たとえば、半導体装置分野における銅や鉄などからなる導電製品として、導電ワイヤ・板状導体・プリント基板・ハンダ用部材、はんだ用導電部材、ソルダーボールなどがあって、それらの製作工程において、表面に酸化物による汚れが大変生じやすいため、常に洗浄や表面コーティング処理を考慮する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明による表面処理方法、洗浄保護用および装置ユニットは、汚れを有している対象物または汚れる可能性のある対象物について、洗浄、はんだ、めっき、コーティングなどにより効果的な表面処理を施すこと、またその表面を処理した後も汚れ難くする技術を含む表面処理技術を格段に向上させることを課題とし、多大のコストをかけることなく、より簡明な処理工程を用いて、効率良く短時間で、クリーンで環境に優しく、その対象物の処理を行なう技術を提供することを目的とする。
【0006】
本発明にかかる洗浄/保護/表面処理を実施できる対象物としては、様々な分野における装置や製造方法に関連して多くの対象物が存在している。本発明を適用するのに好適な例をあげれば、半導体産業において装置などを構成する半導体素子や回路基板の他、銅や鉄製などの導電接続部材、はんだボールなどと呼ばれる小型立体形状の導電接続体、クリームはんだ、はんだワイヤー、亜鉛はんだ、パウダー製品全般、チップ抵抗、コンデンサ、各種の金属からなる導電部品などがある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明による「表面処理方法、洗浄保護用および装置ユニット」では、次のような手段を用いた。
(1)金属製の対象物を洗浄してその表面にコーティング層を形成する表面処理方法であって、
界面活性物質からなるを、それが高温活性状態となる所定温度にして、そこに前記対象物を所定時間浸漬することにより、対象物の洗浄および表面コーティングを行う、表面処理方法とした。
ここで、本発明で用いる脂肪酸などからなる界面活性物質は、普通は温度が高まるほど活性化するものであるが、本発明では約100℃以上の温度で用いるのが好ましい。
そして、本発明で用いる界面活性物質からなるは、その全てが界面活性物質からなっていてもよいし、また、他の物質(溶)を含む界面活性物質からなる溶液としてもよい。
【0008】
(2)金属製の対象物を洗浄してその表面に金属層を形成する表面処理方法であって、
界面活性物質からなるを、それが高温活性状態となる所定温度にして、そこに前記対象物を浸漬することにより、対象物の洗浄および表面コーティングを行う洗浄保護ステップと、
前記対象物を、溶融金属液に浸漬することにより、前記対象物に金属層を形成する金属層形成ステップと、を備え、
洗浄保護ステップ→金属層形成ステップ、を連続して行うか、
洗浄保護ステップ→金属層形成ステップ→洗浄保護ステップ、を連続して行うか、する表面処理方法とした。
【0009】
(3)(2)の表面処理方法において、
前記界面活性物質からなると前記溶融金属とは、ひとつの槽内でそれぞれが上下2層に分離して配置されるか、または、ふたつの槽に分離されて隣接して配置される。
(4)(1)〜(3)の表面処理方法において、
前記界面活性物質は、パルミチン酸・ステアリン酸・オレイン酸・ミリスチン酸・ラウリン酸のいずれかの脂肪酸である。
(5)(1)〜(3)の表面処理方法において、
前記界面活性物質はパルミチン酸からなり、前記高温活性状態とする温度として、200〜300℃の温度、または300℃以上の温度、が用いられる。
【0010】
(6)界面活性物質からなる洗浄保護用であって、
この洗浄保護用は、これが高温活性状態となる所定温度において、そこに対象物が浸漬されることによって、前記対象物表面の汚れを落とす洗浄手段と、洗浄された前記対象物表面に前記界面活性物質からなるコーティング層を形成する保護層形成手段と、を備える洗浄保護用とした。
【0011】
(7)表面が洗浄されて保護されるべき対象物を構成部材として備える装置ユニットにおいて、
前記対象物は、(1)〜(5)のいずれかの表面処理方法、または(6)の洗浄保護用によって処理が行われたものである装置ユニット、とした。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜9を参照して、本発明による「表面処理方法、洗浄保護用および装置ユニット」について、詳細に説明する。
図1は、本発明による表面処理方法を実施するにあたり、対象物の表面状況を断面により説明する図であり、図2は、本発明で用いる界面活性物質(脂肪酸)の分子構造の一例を示す図であり、図3は、本発明により対象物表面に界面活性物質(脂肪酸)からなるコーティング層が形成された一例を示す構造説明図であり、図4は、対象物に本発明による表面処理方法を実施してコーティング層が形成される様子を示す説明図であり、図5(a)〜(c)は、本発明の実施の形態であり、対象物をに浸漬して処理を行なう場合の工程や手順を説明する図であり、図6は、本発明の実施の形態であり、対象物30(ここでは断面球状体形状の対象物)に表面処理を行う手順を示す説明図である。そして、図7は、一般的な金属材料からなる対象物について、その表面の汚染を示す説明図であり、図8は、その対象物(金属)表面の腐食を断面によって示す説明図であり、図9は、その対象物(金属)表面の酸化膜の性質を示す説明図である。
【0013】
まず始めに、図7は、本発明の対象物となる金属表面の一般的な汚染を示す図である。私たちの環境では酸素と水は常に存在しているため、金属Mの表面には酸化物または水酸化物の層(m1)が形成されており、様々な汚染物質(P:P1,P2,P3等)や吸着水(m2)が付着されている。これらの汚染物質(P)は、無機物(CL-)、ガス(SOx)、有機物(R R R、R-OH)などを含み、具体的な物質の例としては、洗浄剤、はんだ液、フラックス、前処理剤、人間の汗、腐食性ガス、油、ホルマリン、カルボン酸、フッ化物、シリコーンなどがあり、どんなにクリーンな環境であっても微量の汚染は生じるものと考えてよい。
【0014】
図8は、本発明の対象物となる金属表面の腐食による汚染を断面によって説明する図である。私たちの環境では酸素(O)と水(HO)は常に存在していて、金属と酸素の親和性は高いため、金属Mの表面には酸化物層(m1)が形成される(図8(a))。この(a)の状態ではまだ腐食が問題になることは少なく、一般的に、腐食による汚染が問題になるのは、生成された酸化物層(m1)の一部が破壊されて局部的破壊箇所(x)を生じ(図8(b))、目視や電気的性質・化学的性質などで問題が発生するレベルに成長した錆部(X)となった場合(図8(c))である。錆部(X)では、電気化学作用として2HO+O+e →4OH 、金属 M→Mn++e →4OH- が起こる。腐食を促進する因子としては、水、ハロゲンを含む無機アニオン、有機酸、塵埃など多くのものがある。
【0015】
図9は、対象物となる金属表面の酸化膜状態の種類とその性質を示す図である。金属表面の酸化物層は、腐食反応のバリア層となりうる。アルミニウム、チタン、クロムは酸素に対する活性が非常に高いけれども、形成された酸化物層は緻密な膜(m1)となり、酸化反応は抑制される。この状態を図9(a)に示す。これに対して、体積収縮による引張り応力を伴なうボーラスな酸化物層(m2,m2')を有する状態を図9(b)に示し、また、割れ発生を伴なった酸化皮膜を有する状態(m3,m3')を図9(c)に示す。
【0016】
そして、図9(d)は、酸化物層の厚さ(th)と時間(T)との関係を示すグラフ図であり、図9(a)〜(c)の3種類の状態をそれぞれこのグラフ図にあてはめて示したものである。これによれば、緻密な酸化物層からなる(a)では、酸化皮膜は安定しているので時間が経過してもあまり厚さが増加せずほぼ一定の膜厚を保ち、耐食性も十分期待できる。
また、ボーラスな酸化物層である(b)では、時間が経過すると厚さ自体は増加すると予測されるものの、大部分の酸化物層が腐食反応に対して金属表面を保護するバリア層とはなりえない構造となっているため、その耐食性は全く期待できなくなる。
【0017】
そして、割れ発生を伴なう酸化皮膜を有する状態である図9(c)においては、割れを伴なうので不規則的ではあるが、時間が経過するとその厚さもある程度は増加していく。しかしその酸化皮膜は、一部に割れが発生しているため、金属表面を腐食反応から十分に保護することができなくなっており、その耐食性はあまり期待できなくなる。
ここで、対象物である金属が酸化される時の体積変化を示すデータの例を示してみると、生成される酸化物がNa2O、CaO、MgOである場合では、酸化物/金属体積比が0.6〜0.8程度であるため、それらの耐食性はあまり期待できない。しかしながら、酸化物がAl2O、TiO2、Ag2O、Cu2O、NiO、CoO、SiO2、Cr2O、FeO、WOである場合では、酸化物/金属体積比が1.3〜3.5程度となってかなり大きくなるため、それらの耐食性は十分に期待できるものとなる。
【0018】
さて、本発明による表面処理方法は、対象物を洗浄してその表面にコーティング層を形成する洗浄保護ステップを含んでおり、この洗浄保護ステップは、界面活性物質からなるを、それが高温活性状態となる温度に保持して、そこに前記対象物を浸漬することにより、対象物の洗浄および表面コーティングを行うステップである。これからは、本発明による対象物の洗浄および表面コーティングについて説明する。
図2は、本発明で用いる界面活性剤の分子構造の一例を示し、ここでの界面活性剤は脂肪酸であって、その代表的分子構造を示す。脂肪酸の構造は、分子の炭素数12〜18の炭素原子が長い鎖状に連らなった親油性のアルキル基(非極性炭化水素基)と、水に溶けてイオン解離する親水性のカルボキシル基(極性基)と、から成っている。図1を1本のマッチ棒に例えれば、頭の部分は親水性の極性基であり、軸の部分は親油性の非極性炭化水素基に相当する。
【0019】
本発明の表面処理方法にあっては、上記のような脂肪酸などの界面活性物質からなるを、それが高温活性状態となる温度に保持して、そこに前記対象物を浸漬することにより、対象物の洗浄および表面コーティングを行う。
界面活性物質が高温活性状態に移行してゆくときの活性温度は、その物質によって様々であって、その温度幅が広いものである。例えば、パルミチン酸・ステアリン酸・オレイン酸・ミリスチン酸・ラウリン酸など脂肪酸を含む界面活性物質においては、活性温度は120〜300℃の範囲にあるものが用いられると工業化しやすく実用性が高い。たとえば、パルミチン酸が用いられるときには、より好適な温度は約200〜300℃の範囲にある。そして、このの高温活性状態を維持するために、適正な温度に設定保持されている設備が必要である。
【0020】
また、界面活性物質がより高温である約300℃以上の温度で用いられることも可能であり、その場合には、高温活性は益々増加して反応性も高くなるのではあるが、界面活性物質自体が自然発火する温度範囲でもあるので、このよう状態では高圧力をかけて無酸素状態にすることによって本発明が実施される。かなりの高温状態なのでその効果も高いが、適正な設備と的確な管理が要求される。
【0021】
そしてまた、この高温活性状態にあるは一般的には液体(流体)であり、高い密度を保ちながら激しく分子運動をしており、本発明では、その高温活性作用が大幅に高められている状態で用いられるとよい。この状態であると、に対象物を浸漬することにより、対象物の洗浄や不用な酸化物除去が極めて効果的に実施され、その後の表面コーティングもスムーズに実施される。
このとき、このに前記対象物をただ単に浸漬しておくのみならず、さらにこの対象物に対して、振動・揺動・回転・回動・流水による力・吹きつけ力などによる機械的また物理的な力を加えることもでき、これによりさらにこの洗浄ステップを効率化・高速化することも可能である。
【0022】
さらに加えて、物質には、気体/液体/固体の3態の他にも、ある臨界温度以上になると圧力をかけても気化しない領域があり、この状態は超臨界状態といわれている。この超臨界状態における流体(物質)は、密度は液体に近く、粘度は気体に近い状態となり、その臨界活性作用が格段に高められており、本発明ではこの超臨界状態の温度を、本発明の高温活性状態となる所定温度として用いることも可能である。
【0023】
こうして、洗浄されてきれいになった対象物の表面には、脂肪酸などの界面活性物質からなるコーティング層が形成される保護層形成ステップが実施される。なお、この洗浄ステップから保護層形成ステップへの移行は、別々に分けて行うものではなく、対象物は洗浄液(界面活性物質からなる)に浸漬された状態となっているので、この洗浄ステップが終わって表面がきれいになると、自然に保護層形成ステップへ移行するものである。
【0024】
図3は、本発明により対象物表面に界面活性物質(ここでは脂肪酸)からなるコーティング層が形成された一例を示す構造説明図である。図3において、洗浄保護の処理がなされる対象物Aは、例えばここでは、銅や鉄などの金属製からなる導電ワイヤ、プリント基板、ソルダーボールなどであり、また、界面活性物質としては脂肪酸のひとつのパルミチン酸を用いるものとする。この対象物Aは、界面活性物質であるパルミチン酸からなるが、それが高温活性状態になる温度に設定され、この対象物Aはの中に浸漬されて、表面の酸化物や汚れが除去される洗浄ステップが行われる。
【0025】
そして、ここでのパルミチン酸によるに関し、このパルミチン酸が高温活性化されて使用できる状態となる温度は約180℃以上であるので、適正な温度に設定されたパルミチン酸が対象物の処理に用いられる。例えば、その温度は200〜300℃範囲から選択されたある値の温度とし、その温度を一定値に保持して用いられる。またそのとき、処理時間(浸漬時間)は、それぞれの対象物の表面状態や材質、設定温度とのバランスなどに関する種々の条件を考慮して、数秒〜数十分の時間範囲から適宜に選択されて用いられるとよい。
【0026】
洗浄されてきれいになった対象物の表面には、パルミチン酸からなるコーティング層Bが形成される保護層形成ステップが行われる。図3に示したコーティング層Bは、パルミチン酸の多数分子が同じ方向に配向して配列した構造から成り、分子の頭部分を対象物表面に付けて表面略鉛直方向に多数個数が配向して集合配列し、対象物Aの表面全域を被覆するようにして、コーティング層B(表面薄膜層)を形成する。また、この図3に示す構造では、対象物A表面上でのパルミチン酸の化学吸着の状態で、パルミチン酸の単分子膜が生成されたものとなっている。
【0027】
このコーティング層Bの厚みは、脂肪酸などの界面活性物質の単一分子の長さにほぼ等しくなる。図3に示すものは、脂肪酸のひとつであるパルミチン酸の例であって、パルミチン酸1分子の長さは概ね26Åであるので、コーティング層Bもこれとほぼ同じ長さの厚みを有することとなる。また、パルミチン酸1分子の横幅(表面水平側の長さ)は約5Åであって、この分子が多数個数が凝集されて配向して配列され、コーティング層Bが生成される。
【0028】
図4は、対象物に本発明による表面処理方法を実施してコーティング層を形成する様子を示す説明図である。ここで、洗浄保護される対象物10は、その表面に酸化物等による表面汚れ(図示せず)を有する。対象物10は、14中に浸漬(湿潤)される。ここでの14は、脂肪酸などの界面活性物質が高温活性状態となる温度に設定されて保持されたである。14に対象物10を浸すと、対象物10の表面に付着している表面汚れに14が吸着していき、汚れの中まで14が浸透していく。
【0029】
そして、14が含有する界面活性物質(界面活性分子16)の働きによって、付着していた表面汚れ(図示せず)が対象物10から離脱してくるが、ここでは、表面汚れに14が浸透していく浸透作用が大きく働き、界面活性分子16が表面汚れに吸着していく。すると、表面汚れと対象物10との界面エネルギーが減少し、表面汚れと対象物10との付着力は減少してゆく。このような状態になると、汚れ12は容易に剥がれてきて14中に汚れ粒子12として浮き出してくる。このとき、必要があれば、なんらかの物理的な外力(振動・攪拌・水流変化など)を与えることも可能である。
【0030】
こうして、表面汚れが汚れ粒子12となって対象物10から離脱していき、対象物10の表面がきれいになると、こんどは、界面活性分子16が、対象物10の表面に次第に付着してくる。
ここでの界面活性物質からなる14は、離脱された汚れ粒子12はより小さな粒子に分散させ、一旦離脱した粒子が凝集しないよう、中に粒子12'を安定的に乳化分散をさせて、再度の汚れが付着することがないようにする作用を有する。表面汚れがなくなった対象物10の表面には、界面活性分子16が次第に配向配列しながら付着してくる。そして、対象物10表面全域に渡って、界面活性分子16によるコーティング層16Aを生成する。このコーティング層16Aが形成されることにより、再度の汚れが付着することがなくなるとともに、対象物10表面を保護して、対象物10に含まれる成分などが外に出てくることをも防止することができる。
【0031】
また、図4においては、頭部と軸部とからなる界面活性分子16は、その頭部(親水性側)において汚れ粒子12に付着し、また、同じ頭部側で対象物10の表面にも付着する図として示したが、ここでは、対象物10を銅ワイヤ、銅プリント基板として、その酸化物等の汚れを防止するために、上記した14を用いて本発明を実施した場合を想定したものである。よって、対象物10やの成分が異なる場合においては、界面活性分子16の付着の様子も、図4とは異なってくることもありうる。
【0032】
さて、図5(a)〜(c)は、本発明による表面処理方法の各種の実施の形態を示す図であって、対象物をに浸漬して処理を行なう場合の工程やその手順を説明する図である。
まず、図5(a)において、金属製の対象物30は洗浄がなされてその表面にコーティング層が形成されるが、その表面処理方法の工程が示される。
槽(容器)36には、界面活性物質からなる32が蓄えられ、この32は高温活性状態となる所定温度に保持されている。表面処理される対象物30は、槽36の上方開口部から上下移動が可能な構成となっている。対象物30は移動路α1に従って引き降ろされ、32中に浸漬される(対象物30’)。所定時間の間だけ浸漬されたのち、今度は移動路α2に従って引き上げられ、32から取り出される。この図5(a)では、対象物30の動きは、外部(対象物30)→液32(対象物30’)→外部(対象物30の位置)となっていて、ここでは表面保護ステップを実行する。
【0033】
図5(b)においては、金属製の対象物30は、表面の洗浄、コーティング層の形成、および、金属層の形成が行なわれる一例を示し、その表面処理方法の工程が示されている。ここでの、金属層形成は、はんだ付けやメッキ処理などによって金属層や金属膜の形成がなされることをいう。
槽(容器)46には、界面活性物質からなる42とはんだ44(Pb-Sn、Pbフリー等のはんだ溶融金属からなるはんだ液)とが、上下2段の液層配置となるよう設定されて貯えられる。具体的構成としては、パルミチン酸100%からなる42と、はんだ44とを用い、高温活性化する所定温度は約200〜300℃の中から種々の条件に合わせて選択して保持温度が設定され、また、それぞれの中での浸漬時間は、数秒〜数十分の中からこれも種々の条件に合わせて選択して、保持時間が設定される。ここでのパルミチン酸42(融点約63℃)と、はんだ44とは、液体状態で一緒にしても互いに混じり合わず、比重の関係でパルミチン酸42(上の層)とはんだ44(下の層)との隣接した2層の分離層となる。
【0034】
槽(容器)46には、界面活性物質からなる42(上の液層)と、はんだ44(下の液層)との上下隣接した2層の分離液層が貯蓄されており、この界面活性物質からなる42は高温活性状態となる所定温度に保持される。隣接するはんだ44は、42の温度に影響を受けるので、42に近い温度保持されるのが実用的であるが、それぞれが異なる温度に制御管理することも可能である。
【0035】
処理される対象物40は、槽46の上方開口部側から上下移動が可能な構造となっていて、対象物40は移動路β1に従って引き降ろされ、界面活性物質の42中に所定時間の間だけ浸漬される(対象物40’)。次に、対象物40'は移動路β2に従って引き降ろされ、はんだ44中に所定時間の間だけさらに浸漬される(対象物40'')。対象物40''にはんだ付け処理がなされると、移動路β3に従って引き上げられ、界面活性物質の42に戻され(対象物40'の位置)、必要な時間だけ浸漬された後、外部へ取り出される。
【0036】
この図5(b)では、対象物40の動きは、外部(対象物40) →上層の42中(対象物40')→下層のはんだ44中(対象物40'') →上層の42中(対象物40')→外部(対象物40)となる。
これらの工程で、上層の42中に移動された対象物40'に対して表面保護ステップが実行され、次に下層のはんだ44中に移動された対象物40''に対しては、はんだ付けステップが実行され、さらに、上層の42に戻された対象物40'に対しては再び表面保護ステップが実行されて、外部に取り出されることとなる。
【0037】
こうしてこの図5(b)では、対象物40が、表面保護ステップ(S1)→はんだ付けステップ(S2)→表面保護ステップ(S3)と移っていく過程を辿る。
そこで、対象物40の表面処理に着目すると、ステップ(S1)では、対象物40の表面は洗浄されて新規のコーティング膜が形成される。次に、はんだ付けステップ(S2)に移動して、対象物40がはんだ44中に入れられるが、そのとき、対象物40表面に付着していたコーティング膜が、そのある程度の部分は、44中の金属によって、はじかれるか飛ばされたりして、とれてしまうか、膜厚が極めて薄くなってしまうものと、推測される。よって、対象物40の表面に新たに形成されるはんだ層は、コーティング膜の影響がないか弱くなるので、対象物40との導電的接続関係が極めて良好であって、安定した膜構造のはんだ層が形成されることとなる。
それから、対象物40(40'')は、下層のはんだ44中から、対象物40は、上層の42中に戻されることとなるが、ここで、表面にはんだ層を備えた対象物40(40')は、新たに表面洗浄がなされて、再びコーティング膜が形成されることとなる。
【0038】
さらに、図5(c)においては、金属製の対象物50は、表面の洗浄、コーティング層の形成、および、はんだ付けがなされる別の例を示し、その表面処理方法の工程が示されている。
槽(容器)56には、界面活性物質からなる52とはんだ54とを備え、これらふたつのは、しきり部53によって左右別々の槽に分離されて保管されており、52とはんだ54とは全く混じり合うことがない液層の構造をなしている。しきり部53を隔てて近接するはんだ42と44とは、互いに温度の影響を受けにくく、2種類のをそれぞれ別々に管理することができ、温度の設定や処理操作の面で大変自由度が高い。
【0039】
処理される対象物40は、槽56の上方開口部側で上下と左右の移動ができる構造となっているため、界面活性物質による52による洗浄保護ステップとはんだ52によるはんだ付けステップとを組合せて、種々の工程が実施可能である。
次に考えられる工程を列挙してみる。
(1) 外部にある対象物50→移動路γ1→界面活性物質による液52→移動路γ4→対象物50(外部)
(2) 外部にある対象物50→移動路γ5→はんだ54(対象物50'')→移動路γ6→対象物50(外部)
(3) 外部にある対象物50→移動路γ1→界面活性物質による52中(対象物50')→移動路γ2→はんだ54中(対象物50'')→移動路γ5→対象物50(外部)
(4) 外部にある対象物50→移動路γ1→界面活性物質による52(対象物50')→移動路γ2→はんだ54(対象物50'')→移動路γ3→界面活性物質による液52(対象物50’)→移動路γ4→対象物50(外部)
(5) 外部にある対象物50→移動路γ6→はんだ54(対象物50'')→移動路γ2→界面活性物質による52(対象物50')→移動路γ1→対象物50(外部)
【0040】
つぎに、図6は本発明の一実施の形態として対象物の表面状態を説明する図である。ここで表面処理がなされる対象物60と70(a1,b1)は、その断面が球体形状のものを用いており、具体的には、銅や鉄など金属ワイヤ、ボール状の導電接続体などを想定している。
図6(a1)〜(a3)の説明図は、上述した図5(a)に示した工程により、洗浄保護ステップ→金属層形成ステップ、を実施したときの対象物60の表面状態を示す一例である。
【0041】
ここで示す対象物60は、その表面に酸化物等の汚れ61を有している。これを、高温活性状態にある脂肪酸などの界面活性物質からなるに浸漬することによって、対象物60表面の汚れは落とされてきれいになり、図6(a2)のような表面状態(表面62)となる。表面62のようにきれいになると、その界面活性物質によって、そのまま自然に、表面全体に均一な薄膜状のコーティング層63が形成され(図6(a3))、対象物60表面は全体にコーティング保護がなされて、対象物60表面から他の材料が露出されるようなことがなくなる。
【0042】
また、図6(b1)〜(b5)に示す説明図は、図5(b)または (c)による工程により、洗浄保護ステップ→金属層形成ステップ→洗浄保護ステップ、を実施したときの対象物60の表面状態を示す一例である。
ここに示す対象物70は、その表面に酸化物等の汚れ71を有している(図6(b1))。これを、高温活性状態にある脂肪酸などの界面活性物質からなるに浸漬することによって、対象物70表面の汚れは落とされてきれいになり、図6(b2)のような表面状態(表面72)となる。表面72のようにきれいになると、その界面活性物質によって、そのまま自然に、表面全体に均一な薄膜状のコーティング層73が形成される(図6(b3))。
【0043】
次に、対象物70は、界面活性物質からなるから溶融金属のに移動されてきて、新たに金属層74が形成される(図6(b4))。前に形成されていたコーティング層73は、かなりの部分が溶融金属によってはじかれるか飛ばされたりして、なくなってしまうものと推測されるが、コーティング層73が多少残っていたとしても、はんだやめっきにおける金属層を形成する上で大きな問題とはならない。
その次にまた、溶融金属のから出されて、界面活性物質からなるに戻されて、コーティング層75が金属層74の上に形成される(図6(b5))。
【0044】
なお、この図6に示したコーティング層を形成する段階(a1) (a2) (a3)と段階(b1) (b2) (b3)とは、対象物(60、70)の球面状の表面全域が、(1)→(2)→(3)の順に一律に変化して進むわけではなく、たとえば、段階(1)において汚れがない部分ではすぐに(2)→(3)と進むであろうし、段階(1)において汚れが多い部分では(2)に至るまでやや時間を要する場合もありうる。すなわち、表面処理の対象物の部分的な球面(表面)状態によって、(2)→(3)に至る過程の経過時間はそれぞれ異なることが予測されるが、(3)の段階に達して、表面全体に均一な薄膜状のコーティング層(63、73)が形成される。
【0045】
本発明による対象物の表面処理方法においては、界面活性物質の中でも石鹸の類に入る脂肪酸を用いるのが実用的であり、その脂肪酸としては、パルミチン酸・ステアリン酸・オレイン酸・ミリスチン酸・ラウリン酸のいずれかが用いられるとよく、なかでもパルミチン酸は好適である。このパルミチン酸は、常温では固形物であって、50〜80℃で溶けやすく、約300℃で蒸発するが、180〜300℃に温度保持すれば高温活性状態が維持でき、200〜250℃の温度が使いやすい。発明者の実験の一例を示せば、銅板や銅ワイヤなどを対象物として、パルミチン酸を230℃に保持して、そこにその対象物を30秒〜1分の時間浸漬することにより、効果的な洗浄と保護層形成を実施することができた。
【0046】
また、対象物に金属層(膜)を形成する工程においては、はんだは所定の溶融温度に保持され、例えばPb-Snはんだでは融点である約183℃以上の所定温度とされるとよい。銅板や銅ワイヤなどの金属層(膜)が形成される対象物は、このようなはんだ中に所定時間浸漬される。そのときの浸漬時間は1,2秒〜数分程度が一般的であるが、これに限らず、種々様々の条件に合わせた浸漬時間を用いて保持されればよいものであって、場合によっては、対象物をはんだ中を通過させるだけで、必要な浸漬時間が得られることもありうる。
【0047】
そして、図6において、本発明にかかる表面処理によって形成された、界面活性物質によるコーティング層(63または73)は、イオン結合によってカルボン塩となっている堅固な一層膜であって、ある程度以上の層さから、さらに厚くなることはなく、一旦膜が形成されるとこの状態で高温でも溶融することはなく、べたつかず、表面はさらさらしている。発明者の実験では、パルミチン酸を用いた場合では、パルミチン酸からなるに、対象物として銅導電基板を浸漬することにより、コーティング層が形成されて、その膜厚としては約26Å前後のものが得られた。このような一層の膜ができると、この層の上にさらに別の層を形成されるとしても、すぐに剥がれ落ちてしまうので、ある程度以上の厚さより大きくはならない。
【0048】
また、本発明によるコーティング層の生成は、用いられる界面活性物質の濃度に大きく依存されることはないが、堅固な一層膜を確実に生成するには、洗浄後のすすぎ工程を適正に行うことが大切である。
さらに、本発明による工程実施後のは、そこに汚れの成分を多く含んでいるので、これらの汚れを蒸留などの手段によって除去すれば、そのは再使用することができる。よって、作業現場ではリサイクルの工程を組んで本発明を実施することができるので、大変効率がよくて、コストアップにもならない。
【0049】
さてここで図1を見るに、この図1は、本発明を実施している一つの形態を示し、表面に多くの酸化金属を有する対象物である金属体に対して、パルミチン酸などの脂肪酸を高温活性状態に保持し、対象物の洗浄ステップを行っている様子を示している。対象物である金属体の表面には汚れの元となる多量の酸化金属が鱗片状に付着している。この対象物の表面の洗浄ステップでは、を高温活性温度に保持して脂肪酸の多数の分子を臨界活性させることにより、これらの酸化金属の周囲に多数取り付いて取り囲み、これら酸化金属を対象物表面から剥離させて、取り除いてしまう。ここでのは、温度約200℃以上の高温状態に維持されることにより、付着している酸化金属は熱が加えられて膨張することで隙間が生じやすくなり、また活性分子がそこに割り込みやすくなり、従って酸化金属は剥がれ落ちやすくなってしまう。なお、図1の洗浄と保護膜形成の原理は、図4で示したものと同様である。
【0050】
本発明が適用できる対象物としては種々様々なものがあるが、例えば、半導体素子・回路基板・プリント配線パターン・ICチップ、パッケージ基体、抵抗、コンデンサ、クリームはんだ、はんだパウダーなど多くの半導体関連の装置や構成部品が挙げられるが、これらに限られるものではなく、他の分野にある対象物についても適宜に本発明が適用できるものである。
たとえば、亜鉛はんだは、活性力が強くフラックスと反応し、酸化し易い性質を有するものであるが、本発明を十分に適用することができる。また、微小寸法立体形状や細かい粉末からなるクリームはんだやはんだパウダーにおいても、本発明を適用することが大変容易である。
【0051】
【発明の効果】
本発明による表面処理方法、洗浄保護用および装置ユニットは、酸化物などの汚れを有している対象物または汚れる可能性のある対象物については、洗浄、はんだ(めっき)、コーティングなどにより、きわめて効果的な表面処理を施すことができるし、また表面処理後も汚れ難くする技術を含んでおり、半導体装置などにおける導電金属部材の表面処理技術を格段に向上させることができるものである。しかも、多大のコストをかけることなく、より簡明で合理的な処理装置または工程を用いて、効率良く短時間で、クリーンで環境に優しい、表面処理技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を説明する図であり、表面に酸化金属を有する対象物である金属体に対して、パルミチン酸などの脂肪酸を高温活性状態に保持し、対象物の洗浄ステップを行っている様子を示す図である。
【図2】 本発明で用いる界面活性物質(脂肪酸)の分子構造の一例を示す説明図である。
【図3】 本発明により対象物表面に界面活性物質(脂肪酸)からなるコーティング層が形成された一例を示す構造説明図である。
【図4】 対象物に本発明による表面処理方法を適用してコーティング層を形成する様子の一例を説明する図である。
【図5】 (a)〜(c)は本発明の各種の実施の形態を示す図であり、対象物をに浸漬して処理を行なう場合の工程を説明する図である。
【図6】 本発明の一実施の形態を示す図であり、対象物60と70(ここでは断面球状体形状の対象物)に表面処理を行う方法の手順を示す説明図である。
【図7】 一般的な対象物である金属について、その表面の汚染を示す断面による説明図である。
【図8】 対象物(金属)表面の腐食の様子を断面によって示す説明図である。
【図9】 対象物(金属)表面の酸化膜の性質を示す説明図である。
【符号の説明】
A 対象物
B コーティング層
10 対象物
12 汚れ
14 (洗浄保護
16 界面活性分子
16A 界面活性分子によるコーティング層(膜)
30、40、50 対象物
30'、40'、50' 移動後の対象物の位置
30''、40''、50'' 移動後の対象物の別の位置
32、42、52 界面活性物質による
44、54 溶融金属による
α1、α2、β1〜β4、γ1〜γ4 対象物の移動を示す矢印
36、46、56 槽(処理槽)
53 分離壁
60、70 対象物(断面球状体形状)
61、71 表面の汚れ
62、72 きれいな表面
63、73、75 コーティング層(膜)
74 金属層(膜)

Claims (1)

  1. 金属表面を有する電子部品または半導体装置において、金属酸化物で汚れた前記金属表面を洗浄してそこにはんだ層を形成する表面処理方法であって、
    所定温度で活性状態となる界面活性物質のパルミチン酸またはステアリン酸のいずれかの脂肪酸からなる液と、はんだ溶融金属からなる溶融はんだ液と、をそれぞれ上層と下層の2層に分離して配置し、
    前記上層の脂肪酸からなる前記電子部品または半導体装置を浸漬して、そこに物理的な力を加えることにより前記金属表面の金属酸化物による汚れを落とし、その後に汚れが落ちた前記金属表面に前記脂肪酸からなるコーティング層が形成される、第1の洗浄保護ステップと、
    前記電子部品または半導体装置を、前記下層の溶融はんだ液移動させて浸漬することにより、前記金属表面はんだ層を形成する金属層形成ステップと、
    前記電子部品または半導体装置を、前記下層の溶融はんだ液から前記上層の脂肪酸からなる液にさらに移動させて浸漬することにより、前記金属表面のはんだ層に、前記脂肪酸からなるコーティング層が形成される、第2の洗浄保護ステップと、を備え、
    前記脂肪酸からなるは100℃以上の高温に維持される、ことを特徴とする表面処理方法。
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