JP4202938B2 - 電子写真感光体及び電子写真感光体用電荷輸送材料 - Google Patents

電子写真感光体及び電子写真感光体用電荷輸送材料 Download PDF

Info

Publication number
JP4202938B2
JP4202938B2 JP2004020411A JP2004020411A JP4202938B2 JP 4202938 B2 JP4202938 B2 JP 4202938B2 JP 2004020411 A JP2004020411 A JP 2004020411A JP 2004020411 A JP2004020411 A JP 2004020411A JP 4202938 B2 JP4202938 B2 JP 4202938B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
layer
charge transport
general formula
photosensitive member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004020411A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005215207A (ja
Inventor
透 小林
佳靖 橿渕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takasago International Corp
Original Assignee
Takasago International Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takasago International Corp filed Critical Takasago International Corp
Priority to JP2004020411A priority Critical patent/JP4202938B2/ja
Publication of JP2005215207A publication Critical patent/JP2005215207A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4202938B2 publication Critical patent/JP4202938B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、電子写真複写機やレーザービームプリンター、液晶シャッターを有するプリンター、LEDプリンターなどの電子写真方式を用いる複写・記録装置に好適に用いられる電子写真感光体及びこの電子写真感光体に用いられる電荷輸送材料に関する。
従来、電子写真感光体の光導電材料として、一般にセレン、セレン・テルル、三セレン化二砒素、硫化カドニウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコン等の無機材料が使用されている。しかしながら、これら光導電材料を用いた電子写真感光体は、実用上可撓性に乏しく、熱や機械的衝撃に鋭敏であり、製造コストが高い、毒性があるなどの問題点を有していた。
近年、これらの問題点を解決するために、種々の有機材料を利用した電子写真感光体が提案され、実用にも供されている。このような有機材料を利用した電子写真感光体に用いられている有機系の光導電性材料として、光導電体を電荷輸送材料と電荷発生材料に機能分離した形態、所謂機能分離型感光体が盛んに研究され(例えば、特許文献1など参照)、この機能分離型感光体は実用に供されている。機能分離方式の電子写真感光体においては、キャリア(「キャリア」とは、電荷を示す。以下同様)の発生効率の大きい物質を電荷発生材料として用い、かつ電荷輸送能力の高い物質を電荷輸送材料として前記電荷発生材料と組み合わせることにより、高感度の電子写真感光体が得られる可能性がある。
米国特許第3791826号明細書
このような機能分離型電子写真感光体に用いられる電荷輸送材料に要求される特性は、電界印加下で光照射により電荷発生材料において発生したキャリアを効率よく受け取り、感光体層内を速く移動させ、表面電位を速やかに消滅させることである。キャリアの単位電界当たりに移動する速さをキャリア移動度と呼ぶが、このキャリア移動度が高いということは、キャリアが電荷輸送層内を速く移動するということである。このキャリア移動度は、電荷輸送材料固有のものである。したがって、高いキャリア移動度を達成するためには、キャリア移動度の高い材料を使用する必要がある。
また、電荷輸送材料を結着剤ポリマー(結着剤樹脂、バインダー樹脂)とともに有機溶剤に溶解させ、塗布して用いる場合においては、形成された塗膜に結晶の析出やピンホールの生成がない、均質な有機薄膜を形成する必要がある。これは、複写工程において、電子写真感光体に高電界が印加され、感光体薄膜に微結晶やピンホールが存在すると、微結晶やピンホールが存在する部分に絶縁破壊が起きたり、これらがノイズ発生などの原因となるからである。また、形成された薄膜が時間と共に塗布した基板から剥がれたり、膜に大きなストレスが掛かることによる繰り返し使用での機械的特性が低下しないような電荷輸送材料の使用も求められている。さらに、電荷発生材料及び電荷輸送材料の両者の特性が個々に良くても、その組み合わせによっては電荷発生材料から電荷輸送材料へのキャリア注入、例えば、電荷発生層から電荷輸送層へのキャリアの注入が効率よく行われない場合があり、電荷発生材料と電荷輸送材料の組み合わせにより電荷発生材料から電荷輸送材料に電荷注入が効率よく行われる組み合わせであることも重要である。この電荷の注入は、電荷発生材料(又は電荷発生層)と電荷輸送材料(又は電荷輸送層)の界面の特性によるものであって各種物質間で一様でない。
以上のように電荷輸送材料には種々の条件が要求されるため、種々の特性を有する電荷輸送材料の開発が行われ、これらを用いた電子写真感光体が実用化されている(例えば、特許文献2〜4参照)。
例えば、特許文献2には、下記一般式(A)で表されるジアミン誘導体と高絶縁性の有機樹脂とからなる電荷輸送層を有する電子写真感光体が記載されている。
Figure 0004202938
(式中、Xは、オルトCH3、メタCH3、パラCH3、オルトCl、メタCl、又はパラClである。)
また、特許文献3には、下記一般式(B)で表されるジアミン化合物を電荷輸送材料として含む電子写真感光体材料が記載されている。
Figure 0004202938
(式中、R1、R2、R3及びR4は同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、Yは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、lは1〜3の整数を示し、m、n、o及びpは0〜2の整数を示す。但し、R1、R2、R3及びR4は同時に水素原子ではないものとし、水素原子でない前記R1、R2、R3及びR4のm、n、o及びpは、少なくとも1つが2であるものとする。)
特許文献4には、下記一般式(C)で表される電荷輸送材料と樹脂結着剤からなる搬送媒体中に少なくとも電荷発生物質粒子を分散してなる機能分離型感光層を有する電子写真感光体が記載されている。
Figure 0004202938
[式中、Aは
Figure 0004202938
(R6は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、R7及びR8はアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を示す。また、R7及びR8とは、一緒になって結合して環を形成していてもよい。)、9−アントリル基、又は置換又は無置換のN−アルキルカルバゾリル基を示し、Rは水素原子、アルキル基又はフェニル基を示し、qは0又は1の整数である。]
さらに、下記一般式(D)で表されるアミン化合物を電子写真感光体の電荷輸送材料として用いることも知られている(例えば、特許文献5参照)。
Figure 0004202938
[式中、Ar1及びAr2は、置換もしくは無置換のアリール基(但し、同時に無置換フェニル基の場合は除く。)、又は共同して環を形成する基を表し、Ar3は、置換又は無置換のアリーレン基を表わし、R9、R10及びR11は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表わし、上記アリール基及びアリーレン基の置換基はアルコキシ基、フェノキシ基、アルキル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、又はニトロ基である。rは0又は1の整数である。)
特公昭58−32372号公報 特許第2539641号公報 特公平3−39306号公報 特公平4−66023号公報
また、トリアリールアミン化合物を、電子写真感光体の電荷輸送材料などとして用いることも知られている(例えば、特許文献6〜11参照)。
特開昭55−59483号公報 特開昭57−195254号公報 特開平2−178668号公報 特開平2−190862号公報 特開平3−101739号公報 特開平3−127765号公報
しかしながら、報告されている多くの電荷輸送材料は、電荷発生材料と組み合わせて単一の感光層とする、あるいは電荷輸送材料を含む電荷輸送層を電荷発生層と組み合わせて感光層とした場合、実用上必要とされる感光体の諸特性、条件を満足するものは少ない。つまり、製膜化した後に結晶が析出したり、製膜化後の経時変化により薄膜が基板から剥がれたり、たとえ製膜後経時変化が無くとも、暗時に十分な表面電位を保持できないとか、光を照射した後に十分に表面電位を減衰することができない(低感度、高残留電位)など、様々な問題点を有している。
一方、公知の電荷輸送材料の中から特定の化合物を組み合わせて、より良い電荷輸送材料系を創製しようとする試みがなされている。例えば、ヒドラゾン化合物とテトラフェニルブタジエン化合物の組み合わせ(例えば、特許文献12参照)、ジスチレン化合物とブタジエン化合物との混合物(例えば、特許文献13参照)などが公知となっている。しかし、前者においては光疲労現象を、後者においては残留電位の低下防止を解決する旨の記載があるが、このような感光体でも未だ光感度が十分に高いものとは言い難い。また、ポリ(N−ビニルカルバゾール)及びN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンの2つの電荷輸送材料を混合して使用することも知られている(例えば、非特許文献1参照)が、或る混合割合では、それぞれを単独で使用した場合よりも移動度が低下してしまうことが認められている。このように、電荷輸送材料として選択した二種の化合物が各々単独では高い移動度を示すものであっても、これらを組み合わせた場合、結果的に電荷輸送材料としての必要な性能が低下し、電子写真感光体としての必要な特性を十分保持できなくなることがある。また、2種の化合物を混合して得られる電荷輸送材料においても、製膜化した後に結晶が析出したり、製膜化後の経時変化により薄膜が基板から剥がれたり、たとえ製膜後経時変化が無くとも、暗時に十分な表面電位を保持できないとか、光を照射した後に十分に表面電位を減衰することができない(低感度、高残留電位)など、様々な問題点を有しているのが現状である。
特開昭63−223755号公報 特開平3−253861号公報 ジャーナル.オブ.フィジカル.ケミストリー(J.Phys.Chem.)、第88巻、第20号、第4714−4717頁、(1984年).)
さらに、4−(4,4−ジフェニル−1−ブタジエニル)フェニルジフェニルアミン類を電荷輸送材料として用いた電子写真感光体が知られている(特許文献14)。しかしながら、このアミン類は単独で電子写真感光体に用いており、これらアミン類に関しより高感度な電子写真感光体が求められている。
特開2000−314971号公報
このように、電荷輸送材料を用いる電子写真感光体においては、成膜後の感光層に結晶が析出なく、高感度で且つ低残留電位を達成できると共に、製膜後に感光層の基板からの剥がれや、膜に大きなストレスが掛かかった状態で繰り返し使用しても、感光膜の機械的特性が低下しないような電荷輸送材料及び電子写真感光体が求められている。
従って、本発明は、前記問題のない、すなわち、感光層としたとき形成した膜が安定で、高感度、低残留電位を達成できる実用的電子写真感光体及びこの感光体を製造するために用いられる電荷輸送材料を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)及び下記一般式(2)で表される化合物を電荷輸送材料として共に電子写真感光体に含有させることにより、上記課題を解決することを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、次の[1]〜[7]の電子写真感光体及び[8]の電子写真用電荷輸送材料に関する。
[1] 一般式(1):
Figure 0004202938
(式中、R1〜R24は夫々独立して、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、又はアルコキシ基を示す。)で表される化合物の少なくとも1種と、一般式(2):
Figure 0004202938
(式中、R31〜R45は夫々独立して、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、又はアルコキシ基を示す。)
で表される化合物の少なくとも1種、とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
[2] 上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される化合物との総重量中の一般式(1)で表される化合物の重量の割合が10〜96%であることを特徴とする[1]に記載の電子写真感光体。
[3] 上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される化合物との総重量中の一般式(1)で表される化合物の重量の割合が60〜96%であることを特徴とする[1]に記載の電子写真感光体。
[4] 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を設けた積層型電子写真感光体において、電荷輸送材料として上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される化合物とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
[5] 導電性支持体上に電荷発生材料及び電荷輸送材料を含む層を設けた単層型電子写真感光体において、電荷輸送材料として上記一般式(1)と上記一般式(2)で表される化合物とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
[6] 電荷発生層中で使用される電荷発生材料がフタロシアニン系顔料であることを特徴とする[4]に記載の電子写真感光体。
[7] 電荷発生材料がフタロシアニン系顔料であることを特徴とする[5]に記載の電子写真感光体。
[8] 上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される化合物とを含有することを特徴とする電子写真感光体用電荷輸送材料。
発明の詳細な説明
本発明の電子写真感光体は、上記一般式(1)で表される化合物[以下、「化合物(1)」という。]と、上記一般式(2)で表される化合物[以下、「化合物(2)」という。]とを含有する。そして、上記一般式(1)及び一般式(2)において、R1〜R24及びR31〜R45は夫々独立して水素原子、アルキル基、ハロゲン原子又はアルコキシ基を示す。各一般式におけるR1〜R24及びR31〜R45において、アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、直鎖状又は分岐状の低級アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましいアルキル基として挙げられ、中でもメチル基が好ましい。
また、アルコキシ基も、直鎖状であっても分岐状であってもよい。好ましいアルコキシ基としては、直鎖又は分岐状の低級アルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましいアルコキシ基として挙げられ、中でもメトキシ基が好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
化合物(1)の具体例としては、例えば、下記表1に示す化合物等が挙げられる。
Figure 0004202938
化合物(2)の具体例としては、例えば、下記表2に示す化合物等が挙げられる。
Figure 0004202938
本発明で用いられる化合物(1)及び化合物(2)は、市販品を用いても、従来公知の方法により適宜製造したものを用いてもよい。化合物(1)の代表的な合成法としては、例えば、特許文献4に記載された方法が、また、化合物(2)の代表的な合成法としては、例えば、特許文献7に記載された方法が挙げられる。
前記化合物(1)と化合物(2)は、共に電子写真感光体に含有されるが、その態様としては、例えば、導電性支持体上に、少なくとも、感光層として電荷発生層及び電荷輸送層を設けた積層型電子写真感光体の電荷輸送層中に、あるいは導電性支持体上に、設けられた単一感光層内に電荷発生材料と共に含有させる方法が挙げられる。化合物(1)及び化合物(2)は、これら電子写真感光体の導電性支持体上に設けられた感光層中に、電荷輸送材料として含有させることが好ましい。
これら本発明の電子写真感光体の構造の好ましい例を、図を参照しつつ更に説明する。図1及び図2には、積層型電子写真感光体の一部模式断面図が例示されており、図1の感光体の感光層4は、導電性支持体1上に設けられた電荷発生層2及びこの電荷発生層2上に設けられた電荷輸送層3から構成されるものである。また、図2の感光体は、導電性支持体1上に電荷輸送層3が設けられ、この電荷輸送層3の上に電荷発生層2が積層されているものである。このように、積層型電子写真感光体においては、電荷発生層及び電荷輸送層のうちいずれが支持体に近い層とされてもよいが、電荷発生層の上に電荷輸送層が積層された、図1に記載のものがより好ましい態様である。また、単層型の電子写真感光体は、図3に一部模式断面図が示されているように、導電性支持体1上に、少なくとも電荷発生材料6及び電荷輸送材料5を含む感光層4が設けられたものである。
積層型電子写真感光体において、電荷輸送層は、化合物(1)と化合物(2)とをそのまま導電性支持体上、電荷発生層上又は後述する中間層上に蒸着させるか、或いは化合物(1)と化合物(2)と結着剤ポリマーとを適当な溶剤に溶解又は分散させた溶液を導電性支持体上、電荷発生層又は中間層上に塗布し、乾燥することにより形成することができる。化合物(1)と化合物(2)との混合割合は任意でよいが、上記化合物(1)と化合物(2)との総重量中の化合物(1)の重量の割合、即ち、化合物(1)の重量/[化合物(1)の重量+化合物(2)の重量]×100(%)は、好ましくは10〜96%、より好ましくは60〜96%、更に好ましくは65〜95%である。
結着剤ポリマーとしては、従来電荷輸送層を形成する際に用いられている公知の結着剤ポリマーのいずれをも用いることができる。これら結着剤ポリマーとしては、例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレートなどのアクリル樹脂あるいはメタクリル樹脂、ポリアミド、アクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、アセタール樹脂、ブチラール樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、アルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロースエステル樹脂等、あるいはこれらの共重合体が挙げられる。また、これら樹脂は、熱可塑性でも、熱硬化性、光硬化性樹脂であってもよい。これら結着剤ポリマーとしては、例示したような絶縁性樹脂の他に、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセンやポリビニレン等の有機光導電性ポリマーを使用することもできる。これら結着剤ポリマーは、夫々単独で用いても2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。これら結着剤ポリマーは、中でも下式(F)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネートが好ましいものである。
Figure 0004202938
(上記式中、R51及びR52はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R51及びR52は環状に結合してもよい。R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基を示し、nは上記の繰り返し単位のモル数を表している。)
上記一般式(F)で評されるポリカーボネート樹脂の中で好適なものとしては、例えば、下式(G)で表されるビスフェノールA型のポリカーボネート(例えば、三菱ガス化学株式会社製のユーピロンEシリーズ)、下式(H)で表されるビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(例えば、三菱ガス化学株式会社製のユーピロンZシリーズ)、及びビスフェノールA、ビスフェノールZ、ビフェノールカーボネートを構造単位として含有する共重合ポリカーボネート(例えば、特許文献15参照)等が挙げられる。
特開平4−179961号公報
Figure 0004202938
ビフェノール共重合カーボネートの具体例としては、例えば、下式(I)で表されるビスフェノールA/ビフェノール型ポリカーボネート樹脂(ここでp/p+qは0.1〜0.9であるものが好ましい。)、具体的には式(J)で表されるr/r+sが0.85のもの等が挙げられる。
Figure 0004202938
(上記式中、R61及びR62はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R61及びR62は環状に結合しても良い。R63、R64、R65、R66、R67、R68、R69、R70、R71、R72、R73、R74、R75、R76、R77及びR78はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基を表し、p、q、r及びsは上記の繰り返し単位のモル数を表す。)
また、上述したポリカーボネートの他にも、繰り返し単位が下式(K)で表されるポリカーボネート(例えば、特許文献16参照)、繰り返し単位が下式(L)で表されるポリカーボネート(例えば、特許文献17参照)、下記一般式(M)、(N)で表されるシロキサンユニットを導入した高分子結着剤(例えば、特許文献18、19参照)等も好適に使用することができる。
特開平6−214412号公報 特開平6−222581号公報 特開平5−88398号公報 特開平11−65136号公報
Figure 0004202938
(上記式中、R79、R80、R81は夫々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアリールアルキル基を表し、a、b、c、d、e、f、g、h、m、n及びoは繰り返し単位を表す正の整数である。)
結着剤ポリマーと、例えば、電荷輸送材料としての化合物(1)及び化合物(2)との配合割合は、結着剤ポリマー100重量部当たり化合物(1)と化合物(2)の合計量として、通常10〜1000重量部、好ましくは30〜500重量部、より好ましくは40〜200重量部の範囲から適宜選択することができる。
化合物(1)、化合物(2)及び結着剤ポリマーを溶解する溶剤としては、特に限定されないが、有機溶剤が好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロエチレン、四塩化炭素、トリクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、等が挙げられる。これら溶剤は、夫々単独で用いても2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
化合物(1)と化合物(2)の導電性支持体、電荷発生層又は中間層上への塗布方法の具体例としては、化合物(1)と化合物(2)、結着剤ポリマー、必要に応じて後述する各種の添加剤を溶剤に溶解又は分散させて調製した塗布液を用いてコーティング法により行う。分散させる場合の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル又は超音波分散機などの公知の方法が適用できる。コーティング法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング法等のコーティング法が挙げられる。塗布後の乾燥は、室温における乾燥の後、加熱乾燥するのが好ましい。加熱乾燥は30〜200℃の温度で5分〜2時間の範囲で無風又は送風下で行うことが好ましい。
本発明の電子写真感光体の感光層には、必要に応じて、電荷特性、感光特性、塗布液の塗布性、安定性、耐久性等をより向上させる目的で、各種の添加剤を含有させて用いることができる。該添加剤は、化合物(1)と化合物(2)を塗布する溶液中に添加させることが好ましい。本発明の電子写真感光体が積層型電子写真感光体である場合には、前記添加剤を含有させる層は、電荷輸送層でも電荷発生層でもよいが、電荷輸送層中に含有させることが好ましい。
添加剤としては、例えば、ビフェニレン系化合物(例えば、特許文献20参照)、m−ターフェニル、ジブチルフタレート等の可塑剤、シリコーンオイル、グラフト型シリコーンポリマー、各種フルオロカーボン類等の表面潤滑剤、ジシアノビニル化合物、カルバゾール誘導体等の電位安定剤、2,6−ジ−tert‐ブチル−4−メチルフェノール等のモノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等のアミン系酸化防止剤、サリチル酸系酸化防止剤、トコフェノール等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、増感剤等が挙げられる。
特開平6−332206号公報
本発明の電子写真感光体が積層型電子写真感光体の場合には、得られる電荷輸送層の膜厚は、通常5〜40μm、好ましくは10〜30μmの範囲から適宜選択される。
このようにして形成される電荷輸送層は、電荷発生層と電気的に接続されることにより、電界の存在下で電荷発生層から注入されたキャリアを受け取ると共に、これらのキャリアを電荷発生層の表面まで輸送する機能を有する。この際、この電荷輸送層は、前記したように、電荷発生層の上に積層されていてもよく、また、その下に積層されていても良いが、電荷発生層の上に積層されていることが望ましい。
一方、本発明の電子写真感光体で用いられる電荷発生材料としては、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン等の無機電荷発生材料、ピリリウム塩系染料、チアピリリウム系染料、アズレニウム塩系染料、チアシアニン系染料、キノシアニン系染料等のカチオン染料、スクアリウム塩系顔料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン系顔料、ピラントロン系顔料等の多環系キノン顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、アゾ顔料、ピロロピロール系顔料等の有機電荷発生物質等の電荷発生物質が挙げられる。これら電荷発生材料は、夫々単独で用いても2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。これら電荷発生材料は、有機電荷発生物質が好ましく、特に好ましくは、フタロシアニン系顔料、アゾ顔料、ペリレン系化合物、多環キノン系化合物等が挙げられる(例えば、非特許文献2参照)。これら電荷発生材料は、電荷輸送材料と共に同一層内で用いられてもよく、電荷輸送材料が含まれない例えば電荷発生層に含有されてもよい。電荷発生層は、電荷発生材料を蒸着することにより、あるいは結着剤ポリマーなどとともに塗布することにより形成されてもよい。電荷発生材料は、上記以外のものでも、光を吸収し高い効率で電荷を発生する材料であれば、いずれの材料であってもよい。
ケミカル レビュー(Chem.Rev.)、1993年、第93巻、p.449−486
本発明の化合物(1)及び(2)と好ましく組み合わせて用いることができるフタロシアニン系顔料、アゾ顔料、ペリレン系化合物、多環キノン系化合物についてさらに具体的に説明する。まずフタロシアニン系顔料としては、アルコキシチタニウムフタロシアニン(Ti(OR)2Pc)、オキソチタニウムフタロシアニン(TiOPc)、銅フタロシアニン(CuPc)、無金属フタロシアニン(H2Pc)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(HOGaPc)、バナジルフタロシアニン(VOPc)、クロロインジウムフタロシアニン(ClInPc)が挙げられる。さらに詳しくはTiOPcとしては、α型−TiOPc、β型−TiOPc、γ型−TiOPc、m型−TiOPc、Y型−TiOPc、A型−TiOPc、B型−TiOPc、TiOPcアモルファスが挙げられ、H2Pcとしてはα型−H2Pc、β型−H2Pc、τ型−H2Pc、x型−H2Pcが挙げられる。
アゾ顔料としては、モノアゾ化合物、ビスアゾ化合物及びトリスアゾ化合物が挙げられる。具体的には、アゾ顔料としては、例えば、下記式(R)、(S)及び(T)などで示されるビスアゾ化合物、式(U)などで示されるトリスアゾ化合物が挙げられる。
ビスアゾ化合物:
Figure 0004202938
トリスアゾ化合物:
Figure 0004202938
ペリレン系化合物としては、例えば下記式(V)で表されペリレン系化合物が挙げられる。
Figure 0004202938
(式中、Rは水素原子、低級アルキル基、置換基を有しても良いアリール基を表す。)
多環キノン系化合物としては、例えば下記式(W)で示される多環キノン系化合物が挙げられる。
Figure 0004202938
上記電荷発生材料は、中でもフタロシアニンが好ましく、チタニルフタロシアニンがより好ましい。
電荷発生層を塗布により形成するには、電荷輸送層の形成の場合と同様、電荷発生材料を結着剤ポリマー及び必要に応じ各種の添加剤とともに溶剤に溶解又は分散させて塗布液を調製し、これを導電性支持体、電荷輸送層又は中間層上に塗布し、乾燥させる方法によればよい。このとき用いられる結着剤ポリマー、その他の添加剤は、電荷輸送層の形成の際に述べたと同様のものを用いることができ、また層の具体的形成方法及び形成条件なども電荷輸送層を形成する場合と同様の方法及び条件とすればよい。
また、本発明の電子写真感光体が単層型である場合においては、導電性支持体上に、少なくとも化合物(1)及び化合物(2)を含む電荷輸送材料と電荷発生材料とを含有する感光層が設けられる。この電荷輸送材料と電荷発生材料を含む感光層の形成方法、形成条件などは、上記電荷輸送層及び電荷発生層で述べた形成方法、形成条件と同様の方法及び条件で行えばよく、このとき用いられる電荷輸送材料及び電荷発生材料、結着剤ポリマー、各種添加剤なども、上記分離型電子写真感光体の電荷輸送層及び電荷発生層の形成材料と同様のものを用いることができる。
更に、本発明の電子写真感光体で用いられる導電性支持体としては、銅、アルミニウム、銀、鉄、亜鉛、ニッケル等の金属や合金の箔ないし板をシート状又はドラム状にしたもの、あるいはこれらの金属をプラスティックのフィルムや円筒等に真空蒸着、電解メッキしたもの、あるいは導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化スズ等の導電性酸化物などの層をガラス、紙、あるいはプラスティックフィルム等の支持体に塗布もしくは蒸着によって設けたもの等が挙げられる。
本発明の電子写真感光体においては、導電性支持体上に設ける感光層との間に、図4〜6に示すように、必要に応じてバリアー機能、接着機能等を有する中間層7を設けてもよい。前記中間層は、反転現像プロセスにおける画像欠陥の防止、導電性支持体表面の欠陥の被覆、帯電性の改善、感光層の接着性の向上、及び感光層の塗布性改善などを目的として、通常導電性支持体上に設けられる。中間層7を形成する場合には、前記感光層は、中間層7上に設けられる。中間層7を形成する材料としては、例えばポリビニルアルコール、ニトロセルロース、ガゼイン、エチレン−アクリル酸共重合体、ナイロンなどのポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン、酸化アルミニウム等が挙げられる。中間層7は、前記中間層を形成する材料、上記溶剤、及び必要に応じて酸化チタン等の金属酸化物を混合し、前記電荷輸送層などの形成方法と同様の方法により形成することができる。中間層の膜厚は、通常0.1〜5μm、好ましくは0.5〜3μmの範囲から適宜選択される。
本発明の電子写真感光体には、感光層上に、必要に応じて保護層を塗布、形成することができる。前記保護層は、例えば、感光層の磨耗性の改善、オゾンや窒素酸化物などによる影響を防止するなどのために設けられる。
[発明の効果]
本発明の電子写真感光体は、化合物(1)と化合物(2)を使用することにより高感度、低残留電位が達成でき、さらにこれら化合物を含有する感光層にピンホール、結晶析出などはなく、形成された感光層は良好な感光特性及び良好な耐久性など、電子写真特性に優れ、感光層と基板との剥がれの問題もないため、実用的な電子写真感光体を得ることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
実施例1
ブチラール樹脂[積水化学工業(株)、ポリビニルブチラールBL−1。以下同じ。]0.875重量部を、テトラヒドロフラン35.625重量部に溶解させて得た結着剤ポリマー溶液に、Y−型結晶性オキシチタニウムフタロシアニン[山陽色素(株)製、Y−TiOPc]1重量部を加え、ガラスビーズと共に3時間振動ミルを用いて分散させた。この分散液をポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)フィルムにアルミニウムを蒸着したシート上にワイヤーバーを用いて塗布し、85℃で3時間乾燥して、電荷発生層を形成した。
次に、上記化合物1−3を1重量部、化合物2−4を0.25重量部及び共重合ポリカーボネート樹脂タフゼットB−300[出光興産株式会社製。以下同じ。]1.48重量部を1,2−ジクロロエタン13.32重量部中で混合溶解した。この溶液をドクターブレードで先に形成した電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させて本発明の電子写真感光体1を作製した。
このようにして得られた電子感光体1の電子写真特性を静電記録試験装置EPA−8200型(川口電機製作所製、以下同じ。)を用いて、スタティック方式により測定した。即ち、電子写真感光体1を−6KVのコロナ放電を行って帯電せしめ、表面電位V(単位は−V)を測定し、これを暗所で5秒間保持した(表面電位Vi(単位は−V))後、ハロゲンランプにより照度5ルックスの光を照射し、表面電位Viを半減させるのに必要な半減露光量E1/2(ルック・秒)、表面電位を1/6にする露光量E1/6(ルック・秒)、続いて照度5ルックスの光を10秒間照射後の表面残留電位VR10(−V)を求めた。結果を表3に示す。
実施例2
実施例1において、化合物2−4の代わりに上記化合物2−9を用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の電子写真感光体2を作製した。実施例1と同様にして電子写真特性を測定した。結果を表3に示す。
比較例1
実施例1と同様にして、Y−型結晶性オキシチタニウムフタロシアニン(Y−TiOPc)を用いて、PETフィルムにアルミニウムを蒸着したシート上に電荷発生層を形成した。次に、上記化合物2−9を1.25重量部、及び共重合ポリカーボネート樹脂(タフゼットB−300)1.48重量部を1,2−ジクロロエタン13.32重量部中で混合、溶解した。この溶液をドクターブレードで先に形成した電荷発生層上に塗布し、85℃で3時間乾燥させて電子写真感光体aを作製した。実施例1と同様にして電子写真特性を測定した。結果を表3に示す。
比較例2
比較例1において、化合物2−9の代わりに上記化合物1−3を用いた以外は比較例1と同様にして、電子写真感光体bを作製した。実施例1と同様にして、電子写真特性を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0004202938
表3から明らかなように、本発明の電子写真感光体は、比較例電子写真感光体に比べより感度が良く(E1/2,E1/6の値が小さい)、残留電位も小さい優れたものであることがわかる。このことからも本発明の電子写真感光体が優れたものであることが判る。
実施例2において、例示化合物1−3と例示化合物2−9の割合を種々変えて実施例2と同様にして実施例2−1〜2−8の感光体を作成し、電子写真特性を測定した。結果を表4に示すと共に、全電荷輸送材料の重量中の例示化合物1−3の重量の割合とE1/6の関係を図7に示す。
Figure 0004202938
表4及び図7から分かるように、例示化合物1−3の割合が60〜96%の間で、電荷輸送材料が例示化合物1−3単独、あるいは例示化合物2−9単独の場合よりも値が低くなっている。すなわちこの範囲内で、例示化合物1−3単独、あるいは例示化合物2−9単独の感光体よりも優れた感光体となっていることが判る。
実施例3
実施例1と同様にして、Y-型結晶性オキシチタニウムフタロシアニン(Y−TiOPc)を用いて、PETフィルムにアルミニウムを蒸着したシート上に電荷発生層を形成した。次に、上記化合物1−1を1重量部、上記化合物2−3を0.25重量部及びポリカーカーボネート樹脂パンライトTS−2020[帝人化成株式会社製。以下同じ。]1.48重量部を、1,2−ジクロロエタン13.32重量部中で混合、溶解した。この溶液をドクターブレードで先に形成した電荷発生層上に塗布し、85℃で3時間乾燥させて本発明の電子写真感光体3を作製した。実施例1と同様にして電子写真特性を測定した。結果を表5に示す。
実施例4
実施例3において、化合物2−3の代わりに上記化合物2−4を用いた以外は実施例3と同様にして、本発明の電子写真感光体4を作製した。実施例1と同様にして電子写真特性を測定した。結果を表5に示す。
実施例5
実施例3において、化合物2−3の代わりに上記化合物2−9を用いた以外は実施例3と同様にして本発明の電子写真感光体5を作製した。実施例1と同様にして電子写真特性を測定した。結果を表5に示す。
比較例3
実施例1と同様にして、Y−型結晶性オキシチタニウムフタロシアニン(Y−TiOPc)を用いて、PETフィルムにアルミニウムを蒸着したシート上に電荷発生層を形成した。次に、化合物1−1を1.25重量部、及びポリカーカーボネート樹脂パンライト(TS−2020)1.48重量部を、1,2−ジクロロエタン13.32質量部中で混合、溶解した。この溶液をドクターブレードで先に形成した電荷発生層上に塗布し、85℃で3時間乾燥させて、電子写真感光体cを作製した。実施例1と同様にして電子写真特性を測定した。結果を表5に示す。
比較例4
比較例3において、化合物1−1の代わりに、下式で表される比較化合物1を用いた以外は比較例3と同様にして、電子写真感光体dを作製した。実施例1と同様にして電子写真特性を測定した。結果を表5に示す。
Figure 0004202938
Figure 0004202938
表5から明らかなように、本発明の電子写真感光体は、比較例電子写真感光体に比べより感度が良く(E1/2,E1/6の値が小さい)、残留電位も小さい優れたものであることがわかる。このことからも本発明の電子写真感光体が優れたものであることが判る。
実施例6
ブチラール樹脂(ポリビニルブチラールBL−1)0.875重量部を、テトラヒドロフラン35.625重量部に溶解させて得た結着剤ポリマー溶液に、x型無金属フタロシアニン(x−H2Pc)1重量部を加え、ガラスビーズと共に3時間振動ミルを用いて分散させた。この分散液を、PETフィルムにアルミニウムを蒸着したシート上にワイヤーバーを用いて塗布し、85℃で3時間乾燥して、電荷発生層を形成した。
次に、上記化合物1−3を1重量部、上記化合物2−3を0.25重量部及び共重合ポリカーボネート樹脂(タフゼットB−300)1.48重量部を、1,2−ジクロロエタン13.32重量部中で混合溶解した。この溶液を、ドクターブレードで、先に形成した電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させて、本発明の電子写真感光体6を作製した。実施例1と同様にして、電子写真特性を測定した。結果を表6に示す。
実施例7
実施例6において、化合物2−3の代わりに上記化合物2−4を用いた以外は実施例6と同様にして、本発明の電子写真感光体7を作製した。実施例1と同様にして電子写真特性を測定した。結果を表6に示す。
実施例8
実施例6において、化合物2−3の代わりに上記化合物2−9を用いた以外は実施例6と同様にして、本発明の電子写真感光体8を作製した。実施例1と同様にして、電子写真特性を測定した。結果を表6に示す。
比較例5
実施例6と同様にして、x型無金属フタロシアニン(x−H2Pc)を用いて、PETフィルムにアルミニウムを蒸着したシート上に、電荷発生層を形成した。次に、比較化合物1を1.25重量部、及び共重合ポリカーボネート樹脂(タフゼットB−300)1.48重量部を、1,2−ジクロロエタン13.32重量部中で混合、溶解した。この溶液を、ドクターブレードで先に形成した電荷発生層上に塗布し、85℃で3時間乾燥させて、電子写真感光体eを作製した。実施例1と同様にして電子写真特性を測定した。結果を表6に示す。
Figure 0004202938
表6から明らかなように、本発明の電子写真感光体は、比較例電子写真感光体に比べより感度が良く(E1/2,E1/6の値が小さい)、残留電位も小さい優れたものであることがわかる。このことからも本発明の電子写真感光体が優れたものであることが判る。
実施例9〜10
実施例1〜2で使用した感光体をそれぞれ一週間保存した後観察したところ、いずれも形状には変化がなかった。これらの結果を表7に示す。
比較例6及び7
比較例1及び2で使用した感光体をそれぞれ一週間保存した後観察したところ、いずれもアルミニウム基板から、感光体フィルムが剥がれていた。これらの結果を表7に示す。
Figure 0004202938
表7から明らかなように、本発明の電子写真感光体は、比較例電子写真感光体に比べ機械的膜物性が優れていることが判る。
本発明の電荷輸送材料を用いた積層型電子写真感光体の層構成の一例を示す、積層型電子写真感光体の一部模式断面図である。 本発明の電荷輸送材料を用いた積層型電子写真感光体の層構成の他の例を示す、積層型電子写真感光体の一部模式断面図である。 本発明の電荷輸送材料を用いた単層型電子写真感光体の層構成の一例を示す、単層型電子写真感光体の一部模式断面図である 中間層が設けられた本発明の積層型感光体の層構成の一例を示す、積層型電子写真感光体の一部模式断面図である。 中間層が設けられた本発明の積層型電子写真感光体の層構成の他の例を示す、積層型電子写真感光体の一部模式断面図である。 中間層が設けられた本発明の単層型電子写真感光体の層構成の一例を示す、単層型電子写真感光体の一部模式断面図である。 例示化合物1−3と例示化合物2−9の割合を変えたときの、混合割合と感光体の表面電位を1/6にする露光量E1/6の関係を示した図である。
符号の説明
1 支持体
2 電荷発生層
3 電荷輸送層
4 感光層
5 電荷輸送材料
6 電荷発生材料
7 中間層

Claims (8)

  1. 一般式(1):
    Figure 0004202938
    (式中、R1〜R24は夫々独立して、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子又はアルコキシ基を示す。)で表される化合物の少なくとも1種と、
    一般式(2):
    Figure 0004202938
    (式中、R31〜R45は夫々独立して、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子又はアルコキシ基を示す。)で表される化合物の少なくとも1種
    とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される化合物との総重量中の一般式(1)で表される化合物の重量の割合が10〜96%であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される化合物との総重量中の一般式(1)で表される化合物の重量の割合が60〜96%であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  4. 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を設けた積層型電子写真感光体において、電荷輸送材料として上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される化合物とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  5. 導電性支持体上に電荷発生材料及び電荷輸送材料を含む層を設けた単層型電子写真感光体において、電荷輸送材料として上記一般式(1)と上記一般式(2)で表される化合物とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  6. 請求項4において、電荷発生層中で使用される電荷発生材料がフタロシアニン系顔料であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体。
  7. 請求項5において、電荷発生材料がフタロシアニン系顔料であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
  8. 上記一般式(1)で表される化合物と上記一般式(2)で表される化合物とを含有することを特徴とする電子写真感光体用電荷輸送材料。
JP2004020411A 2004-01-28 2004-01-28 電子写真感光体及び電子写真感光体用電荷輸送材料 Expired - Lifetime JP4202938B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004020411A JP4202938B2 (ja) 2004-01-28 2004-01-28 電子写真感光体及び電子写真感光体用電荷輸送材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004020411A JP4202938B2 (ja) 2004-01-28 2004-01-28 電子写真感光体及び電子写真感光体用電荷輸送材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005215207A JP2005215207A (ja) 2005-08-11
JP4202938B2 true JP4202938B2 (ja) 2008-12-24

Family

ID=34904337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004020411A Expired - Lifetime JP4202938B2 (ja) 2004-01-28 2004-01-28 電子写真感光体及び電子写真感光体用電荷輸送材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4202938B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009300590A (ja) * 2008-06-11 2009-12-24 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005215207A (ja) 2005-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004170984A (ja) 画像形成部材
JP2940502B2 (ja) 電子写真感光体
JP4336559B2 (ja) 電子写真用感光体およびその製造方法
EP2460796A1 (en) Indole derivative
MXPA04003183A (es) Miembros formadores de imagenes.
US7291432B2 (en) Imaging members
EP1978410A1 (en) Photoreceptor for electrophotography
US20040063011A1 (en) Imaging members
JPH11282179A (ja) 電子写真感光体
JP4202938B2 (ja) 電子写真感光体及び電子写真感光体用電荷輸送材料
JP3601626B2 (ja) 電子写真用感光体
JPH10207093A (ja) 電子写真感光体
KR20050109935A (ko) 전자사진 감광체 및 전자사진 감광체의 전하-수송 재료
JP2000147806A (ja) 電子写真用感光体および電子写真装置
JP2003270812A (ja) 電子写真感光体
EP2109007A1 (en) Photoreceptor for electrophotography
JPH10177259A (ja) 電子写真感光体
JPH04321649A (ja) ビススチリル化合物、亜燐酸化合物及び電子写真感光体
KR100937732B1 (ko) 전자 사진용 감광체 및 그 제조 방법
JP5028265B2 (ja) 電子写真用感光体
JP3781892B2 (ja) 電子写真感光体
JP3506071B2 (ja) 電子写真感光体
JP2006047404A (ja) 液体現像用電子写真感光体、及び該感光体を備えた電子写真装置
JP2007171338A (ja) 液体現像用電子写真感光体および該感光体を備えた電子写真装置
JPH1031319A (ja) 電荷輸送材料及び該電荷輸送材料を含有する電子写真感光体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080715

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081007

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081009

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4202938

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131017

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250