JPH10207093A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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Publication number
JPH10207093A
JPH10207093A JP9025756A JP2575697A JPH10207093A JP H10207093 A JPH10207093 A JP H10207093A JP 9025756 A JP9025756 A JP 9025756A JP 2575697 A JP2575697 A JP 2575697A JP H10207093 A JPH10207093 A JP H10207093A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
carbon atoms
photoreceptor
group
formula
Prior art date
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Pending
Application number
JP9025756A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimasa Matsushima
義正 松嶋
Toru Kobayashi
透 小林
Hiroshi Sugiyama
弘 杉山
Yoko Takahashi
陽子 高橋
Toshimitsu Hagiwara
利光 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takasago International Corp
Original Assignee
Takasago International Corp
Takasago Perfumery Industry Co
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電性能、静電荷保持能、キャリア移動度が
高く、均質な電荷輸送層を形成できる電荷輸送材料を有
する電子写真感光体。 【解決手段】 下記一般式(1)のトリフェニルアミン
化合物と一般式(2)のジスチリル化合物からなる電荷
輸送材料を含有する。〔各式中、R1 〜R17は低級アル
キル、低級アルコキシ、ハロゲン、置換又は非置換のフ
ェニル〕 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体に関
し、更に詳細には、一般式(1)
【化4】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数1
乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコ
キシ基、ハロゲン原子、又は炭素数1乃至5の低級アル
キル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン
原子が置換していともよいフェニル基を示し、nは0又
は1を示す。)で表されるトリフェニルアミン化合物の
少なくとも1種と、一般式(2)
【化5】 (式中、R8 、R9 、R10、R11、R12、R13、R14
15、R16、R17はそれぞれ同一であっても異なってい
てもよく、炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1
乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子を示し、中心
フェニル基への2つのエチレン基の置換位置はオルト
位、パラ位又はメタ位のいずれでもよい。)で表される
ジスチリル化合物の少なくとも1種から成る電荷輸送材
料を含有することを特徴とする電子写真感光体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機光導電体は、セレン系合金、硫化カ
ドミウム、酸化亜鉛などの無機光導電体に比べ、量産性
に優れ、廃棄時に公害問題を発生する危険性が少ないこ
となどから、電子写真方式を利用した複写機やプリンタ
ー用の感光体として汎用されており、特に、機能分離型
積層感光体は、単層型に比べると材料の選択性が高く、
機能設計が容易であることなどから、多方面にわたる応
用研究開発が行われている。このものは、光によりキャ
リア(電荷)を発生する電荷発生層と、電荷発生層で発
生したキャリアを効率的に輸送し、表面電荷を中和させ
る電荷輸送層から成り、帯電特性、感度、残留電位など
の電子写真特性において高性能な電子写真感光体が得ら
れる可能性を有している。
【0003】このうち、電荷輸送層を構成する電荷輸送
材料の特性としては、電荷発生層で生成したキャリアを
効率良く受け取り、感光体層内を速く移動させ、表面電
荷を速やかに消滅させることが要求される。例えば、ヒ
ドラゾン化合物(特開昭59−223,432号公報、
特開昭60−255,854号公報など)、トリフェニ
ルアミン化合物(特開平7−173,112号)、ジス
チリル化合物(特開昭63−269,158号公報)、
或いはポリ−N−ビニルカルバゾールやオキサジアゾー
ルなどの複素環化合物などの電荷輸送材料が既に公知と
なっているが、これらを単独で使用する場合には、ある
ものは光疲労を起こし易く、繰り返し使用時に残留電位
の上昇が認められ、更にはバインダーポリマーとの相溶
性などに関して未解決の問題が未だ多くある。
【0004】一方、公知の電荷輸送材料の中から特定の
化合物を組み合わせて電荷輸送材料として使用すること
が試みられており、例えば、ヒドラゾン化合物とテトラ
フェニルブタジエン化合物との混合物(特開昭63−2
23,755号公報)やジスチリル化合物とブタジエン
化合物との混合物(特開平3−252,861号公報)
などが公知となっている。しかし、前者においては光疲
労現象を、後者においては残留電位の低下防止を解決す
る旨の記載があるが、このような感光体でも未だ光感度
が十分に高いものとは言い難い。
【0005】また、ジャーナル・オブ・フィジカル・ケ
ミストリー(J.Phys.Chem.、88巻、20
号、4714−4717頁、(1984年))には、ポ
リ(N−ビニルカルバゾール)とN,N’−ジフェニル
−N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−〔1,
1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミンの二つの正孔
移動材を混合して使用する場合が記載されているが、或
る混合割合では、それぞれを単独で使用した場合よりも
移動度が低下してしまうことが認められている。従っ
て、電荷輸送材料として選択した二種の化合物が、単独
では共に高い移動度を示すものであっても、結果的に電
荷輸送材料としての性能を低下させてしまうこととな
り、電子写真感光体としての必要な特性を十分保持でき
なくなることがある。このように、二種の化合物を混合
して得られる電荷輸送材料においては、例えば、暗所で
の帯電性能が高いこと、静電荷保持能が高いこと、光照
射時に発生した電荷の移動度が高いこと、或いは結着剤
ポリマーへの溶解性が高く均質な電荷輸送層を形成する
ことができることなどの望ましい諸特性を必ずしも全て
満足するものが得られていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、電荷輸送材料
においては、前記した欠点をカバーすると共に、より高
いキャリア移動度が発現でき、しかも電子写真感光体を
形成した場合にも優れた諸特性を発現できる材料を得る
ことが期待され、このような優れた特性を備えた電荷輸
送材料を含有して成る電子写真感光体が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、キャリア
移動度が高いトリフェニルアミン化合物の特性に着目
し、均一で安定な電荷輸送層を形成することができ、諸
特性を満足する高感度の電子写真用感光体を見出すべく
鋭意検討を重ねた結果、トリフェニルアミン化合物と、
ジスチリル化合物とを組み合わせた系が、キャリア移動
度を低下することなく、かつ残留電位も低く、高感度の
感光体性能を発現できることを見出した。更に、トリフ
ェニルアミン化合物とジスチリル化合物との混合物から
成る電荷輸送材料を用いて作製した電子写真感光体にお
いても、長時間使用しても光疲労を認めず、残留電位も
上昇することなく、かつ画像不良を起こすこともなく、
高感度にして優れた光応答性を有することを見出し、本
発明を完成するに到った。
【0008】即ち、本発明は、一般式(1)
【化6】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数1
乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコ
キシ基、ハロゲン原子、又は炭素数1乃至4の低級アル
キル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン
原子が置換していてもよいフェニル基を示し、nは0又
は1を示す。)で表されるトリフェニルアミン化合物の
少なくとも1種と、一般式(2)
【0009】
【化7】 (式中、R8 、R9 、R10、R11、R12、R13、R14
15、R16、R17はそれぞれ同一であっても異なってい
てもよく、炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1
乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子を示し、中心
フェニル基への2つのエチレン基の置換位置はオルト
位、パラ位又はメタ位のいずれでもよい。)で表される
ジスチリル化合物の少なくとも1種から成る電荷輸送材
料を含有する電子写真用感光体を提供するものでもあ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における前記一般式(1)
で表されるトリフェニルアミン化合物は、例えば特開平
7−173,112号公報に記載されている方法に従い
得ることができる。上記トリフェニルアミン化合物にお
ける置換基R1 、R2 、R3 、R4 、R5、R6 、R7
はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数
1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アル
コキシ基、ハロゲン原子、又は炭素数1乃至4の低級ア
ルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲ
ン原子が置換していてもよいフェニル基を示す。
【0011】このうち、炭素数1乃至4の低級アルキル
基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等
が挙げられるが、特にメチル基、エチル基が好ましい。
炭素数1乃至4の低級アルコキシ基としては、例えば、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等
が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ
る。
【0012】また、炭素数1乃至4の低級アルキル基、
炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置
換していてもよいフェニル基としては、フェニル基、p
−トリル基や2,4−ジメチルフェニル基等の炭素数1
乃至4の低級アルキル基で置換されたフェニル基、p−
メトキシフェニル基等の炭素数1乃至4の低級アルコキ
シ基で置換されたフェニル基、p−クロロフェニル基等
のハロゲン原子で置換されたフェニル基等が挙げられ
る。
【0013】本発明の前記一般式(1)で表されるトリ
フェニルアミン化合物の好ましい具体例としては、以下
の表1、表2及び表3に示す化合物が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。表1、表2及び表3の
中で使用する略記号はそれぞれ以下の意味を示すが、本
明細書における以降の記載の各化合物で用いられている
略記号についても同様な意味を示す。なお、数字はフェ
ニル基における置換位置を示す(例えば、4−Meはフ
ェニル基の4位に置換するメチル基を意味する。)。 Me メチル基 Et エチル基 Cl 塩素原子 Br 臭素原子 OMe メトキシ基 p−Tol p−トリル基
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】本発明における前記一般式(2)で表され
るジスチリル化合物は、例えば特開昭63−269,1
58号公報に記載されている方法に従い得ることができ
る。上記ジスチリル化合物における置換基R8 、R9
10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17はそ
れぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数1乃
至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキ
シ基、ハロゲン原子を示し、中心フェニル基への2つの
エチレン基の置換位置はオルト位、パラ位又はメタ位の
いずれでもよい。このうち、炭素数1乃至4の低級アル
キル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基等が挙げられるが、特にメチル基、エチル基が好まし
い。炭素数1乃至4の低級アルコキシ基としては、例え
ば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えば、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ
る。
【0018】本発明の前記一般式(2)で表されるジス
チリル化合物の好ましい具体例としては、以下に示す化
合物番号(61)乃至(180)に示した各化合物が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】
【化11】
【0023】
【化12】
【0024】
【化13】
【0025】
【化14】
【0026】
【化15】
【0027】
【化16】
【0028】
【化17】
【0029】
【化18】
【0030】
【化19】
【0031】
【化20】
【0032】
【化21】
【0033】
【化22】
【0034】
【化23】
【0035】
【化24】
【0036】
【化25】
【0037】
【化26】
【0038】
【化27】
【0039】
【化28】
【0040】
【化29】
【0041】
【化30】
【0042】
【化31】
【0043】本発明に係わる電荷輸送材料は、前記一般
式(1)で表されるトリフェニルアミン化合物と前記一
般式(2)で表されるジスチリル化合物との混合物を含
有して成るが、両化合物の混合物を得るための調製方法
に特に制限はない。また、本発明に係わる電荷輸送材料
に含有されるトリフェニルアミン化合物とジスチリル化
合物の混合割合は、トリフェニルアミン化合物を5〜9
5重量%の範囲で使用することができるが、トリフェニ
ルアミン化合物のあるものは、結着剤への溶解性が乏し
いため、好ましくは5〜50重量%である。
【0044】電荷輸送層は、前記一般式(1)で表され
るトリフェニルアミン化合物と前記一般式(2)で表さ
れるジスチリル化合物との混合物及び結着剤とを、適当
な溶剤に溶解させた溶液を導電性支持体又は電荷発生層
に塗布し、乾燥させることにより形成することができ
る。結着剤は、通常、感光体の帯電性や感度などの電気
特性ばかりでなく、感光層の接着強度や硬度、耐磨耗性
などの機械的強度に影響して感光体の耐久性を左右した
り、また、塗布液における粘度や電荷発生材料の分散安
定性等、製造条件にも影響を与えるため、結着剤の選択
により感光体の性能が大きく変化する可能性がる。従っ
て、本発明において使用される結着剤としては、例え
ば、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、
ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリアミ
ド、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、
エポキシ樹脂、ポリウレタン、或いはこれらの共重合体
及び混合物等を挙げることができる。また、このような
絶縁性ポリマーの他にポリビニルカルバゾール、ポリビ
ニルアントラセン、ポリシランなどの有機光導電性ポリ
マーも使用できる。
【0045】これらの結着剤の中でも、使用に際して特
に好適なのはポリカーボネートである。該ポリカーボネ
ートとしては、下記式(H)で示されるビスフェノール
メタン型のポリカーボネートを挙げることができる。具
体的には、下記式(H−1)で表されるビスフェノール
A型のポリカーボネート(例えば、三菱瓦斯化学(株)
製のユーピロンEシリーズなど)、下記式(H−2)で
表されるビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(例
えば、三菱瓦斯化学(株)製のポリカーボネートZシリ
ーズなど)、或いは下記式(H−3)や下記式(H−
4)で表されるポリカーボネート及びこれらの混合物や
共重合物が挙げられる。これらのポリカーボネート類
は、感光体を形成したときにヒビ割れやキズが発生しに
くいように、比較的高分子量であることが望ましい。
【0046】
【化32】
【0047】(式中、R18、R19はそれぞれ独立して水
素原子、炭素数1乃至4の低級アルキル基、又は炭素数
1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アル
コキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル
基を示し、R18及びR19は環状に結合してもよい。
20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27はそ
れぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1乃至
4の低級アルキル基、又は炭素数1乃至4の低級アルキ
ル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原
子が置換していてもよいフェニル基を示し、nは整数を
示す。)
【0048】
【化33】
【0049】共重合物としては、例えば、式(H)のモ
ノマー単位として適宜組み合わせたものが使用できる
が、好適には下記式(J)で表されるビスフェノール/
ビフェノール型共重合ポリカーボネート樹脂(特開平4
−179,961号公報)が挙げられる。
【0050】
【化34】
【0051】(式中、R18、R19はそれぞれ独立して水
素原子、炭素数1乃至4の低級アルキル基、又は炭素数
1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アル
コキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル
基を示し、R18及びR19は環状に結合してもよい。
20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27はそ
れぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1乃至
4の低級アルキル基、又は炭素数1乃至4の低級アルキ
ル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原
子が置換していてもよいフェニル基を表し、R28
29、R30、R31、R32、R33、R34、R35はそれぞれ
独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1乃至4の低
級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシキ基、
又は炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4
の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよ
いフェニル基を示し、R28、R29、R30、R31、R32
33、R34、R35はそれぞれ独立して環状に結合してい
てもよい。m及びnは整数を示す。)
【0052】また、ビスフェノール共重合ポリカーボネ
ートの具体例としては、例えば、下記式(J−1)、式
(J−2)、式(J−3)、式(J−4)で表されるビ
スフェノール/ビフェノール型ポリカーボネート樹脂
(mとnの比は任意の割合であってよい)を挙げること
ができる。
【0053】
【化35】
【0054】また、上述したポリカーボネートの他に、
繰り返し単位が下記式(K)及び下記式(L)で示され
るポリカーボネート(特開平6−214,412号公報
及び特開平6−222,581号公報)を挙げることが
できる。
【0055】
【化36】
【0056】(式中、R36、R37、R38はそれぞれ独立
して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1乃至4の低級ア
ルキル基、3乃至8員環の炭素原子を持つ脂環式基、又
は炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の
低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよい
フェニル基、又は炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭
素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換
していてもよいベンジル基を示す。)
【0057】これらの結着剤と本発明に係わる電荷輸送
材料との配合割合は、任意の割合でも良いが、通常は結
着剤100重量部当たり電荷輸送材料を10〜1,00
0重量部、好ましくは25〜500重量部添加される。
また、得られる電荷輸送層の膜厚は一般に2〜40μm
であるが、好ましい範囲は5〜30μmである。
【0058】このような電荷輸送層を形成する際に使用
される有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチル
エーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチルな
どのエステル類、塩化メチレン、クロロホルム、1,2
−ジクロロエタン、ジクロロエチレン、四塩化炭素、ト
リクロロエチレン、トリクロロエタンなどの脂肪族ハロ
ゲン化炭化水素或いはベンゼン、トルエン、キシレン、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族化合物
等、又はこれらの混合物の形で使用することができる。
【0059】上述のようにして得られる電荷輸送層は、
電荷発生層と電気的に接続されており、電界の存在下で
電荷発生層から注入されたキャリアを受け取ると共に、
これらのキャリアを表面まで輸送できる機能を有してい
る。この際、この電荷輸送層は導電性基体上の電荷発生
層の上に積層されていても良く(図6−a参照)、また
は、電荷発生層の下に積層されていても良い(図6−b
参照)が、電荷発生層の上に積層されていることが望ま
しい。
【0060】電荷発生層としては、セレン、セレン−テ
ルル、アモルファスシリコンなどの無機の電荷発生材
料、ピリリウム塩系染料、チアピリリウム塩系染料、ア
ズレニウム塩系染料、チアシアニン系染料、キノシアニ
ン系染料などのカチオン染料、スクアリウム塩系顔料、
フタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、ジベ
ンズピレンキノン系顔料、ピラントロン系顔料などの多
環キノン顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、
アゾ顔料、ピロロピロール系顔料などの有機電荷発生物
質から選ばれた材料を単独乃至は組み合わせて用い、蒸
着層あるいは塗布層として用いることができる。上述の
ような有機電荷発生物質のなかでも特に好ましくは、C
hem.Rev.1993年,93巻,449−486
頁に記載された有機電荷発生物質が挙げられる。具体的
にはフタロシアニン系顔料が好ましい。
【0061】ここで、特にフタロシアニン系顔料として
は、オキソチタニウムフタロシアニン(TiOPc)、
銅フタロシアニン(CuPc)、無金属フタロシアニン
(H 2 Pc)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(H
OGaPc)、バナジルフタロシアニン (VOPc)、
クロロインジウムフタロシアニン(ClInPc)が挙
げられる。更に詳細には、TiOPcとしてはα型−T
iOPc、β型−TiOPc、γ型−TiOPc、m型
−TiOPc、Y型−TiOPc、A型−TiOPc、
B型−TiOPc、TiOPcアモルファス及びジメチ
ルエチレングリコシドチタニウムフタロシアニンが挙げ
られる。H2 Pcとしては、α型−H2Pc、β型−H
2 Pc、τ型−H2 Pc、τ2 型−H2 Pc、x型−H
2 Pcが挙げられる。これらのフタロシアニン顔料の混
晶(例えば、特開平6−148917号公報、特開平6
−271786号公報など)もまた好適に使用できる。
【0062】また、アゾ化合物としては種々のモノアゾ
顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、テトラキスアゾ
顔料が挙げられるが、次の構造式で示される化合物が好
ましい。
【0063】ビスアゾ顔料
【化37】
【0064】トリスアゾ
【化38】
【0065】更に、次の構造式で示されるペリレン系化
合物又は多環キノン系化合物も好ましい。
【化39】 これらのもの以外でも、光を吸収し高い効率で電荷を発
生する材料であれば、いずれの材料でも使用することが
できる。
【0066】本発明の感光体に使用される導電性支持体
としては、銅、アルミニウム、銀、鉄、亜鉛、ニッケル
等の金属や合金の箔乃至は板をシート状又はドラム状に
したものが使用され、或いはこれらの金属をプラスチッ
クのフィルムや円筒等に真空蒸着、電解メッキしたも
の、或いは導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化スズ
等の導電性化合物の層をガラス、紙或いはプラスチック
スフィルム等の支持体上に塗布若しくは蒸着によって設
けられたものが用いられる。
【0067】塗工は、浸漬コーティング法、スプレーコ
ーティング法、スピンナーコーティング法、ワイヤーバ
ーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラー
コーティング法、カーテンコーティング法などのコーテ
ィング法を用いて行うことができる。乾燥は、室温にお
ける乾燥の後加熱乾燥する方法が好ましく、加熱乾燥は
30〜200℃の温度で5分〜4時間の範囲で無風又は
送風下で行うことが好ましい。
【0068】感光体の耐久性向上のため、本発明におけ
る感光層には必要に応じて紫外線吸収剤や酸化防止剤そ
の他の添加剤が必要に応じて用いられる。種々の添加剤
としては、例えば、特開平6−332,206号公報に
開示されているビフェニル系化合物、m−ジ−tert
−ブチル−フェニル、ジブチルフタレート等の可塑剤
や、シリコーンオイル、グラフト型シリコーンポリマ
ー、各種フルオロカーボン類等の表面潤滑剤、ジシアノ
ビニル化合物、カルバゾール誘導体などの電位安定剤、
2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6
−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールなどの
モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防
止剤、高分子系フェノール系酸化防止剤、4−ジアザビ
シクロ〔2.2.2〕オクタンなどのアミン系酸化防止
剤、サリチル酸系酸化防止剤、ジラウリル−3,3’−
チオジプロピオネートなどの硫黄系酸化防止剤、リン系
酸化防止剤、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系光安
定剤、dl−α−トコフェロール(ビタミンE)等を挙
げることができる。
【0069】このように作製した感光層上に、必要に応
じて保護層を塗布、形成することができる。また、導電
性支持体と感光層との間にバリアー機能と接着機能を有
する下引き層を設けることもできる。下引き層を形成す
る材料としては、ポリビニルアルコール、ニトロセルロ
ース、カゼイン、エチレン−アクリル共重合体、ナイロ
ンなどのポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン、酸化ア
ルミニウムなどが挙げられる。下引き層の膜厚は0.1
〜5μm、好ましくは0.5〜3μmが適当である。
【0070】以上の様にして、一般式(1)で表される
トリフェニルアミン化合物と一般式(2)で表されるジ
スチリル化合物を含有してなる電荷輸送材料を得ること
ができる。また、該電荷輸送材料を含有する電荷輸送層
と前記電荷発生層とを積層して感光層とする電子写真感
光体(図6−a及び図6−bに示す)及び該電荷輸送材
料を含有する電荷輸送中に前記電荷発生物質を溶解(分
子分散)又は微粒子分散の形で混合させて感光層を形成
する電子写真感光体(図6−c)を得ることができる。
【0071】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。又、本実施例中で用いる略号は次の通りである。 V0 :初期表面帯電電位(単位は−ボルト;以後−V
と記す) Vi :暗所5秒保持後の表面電位(単位は−V) E1/2 :半減露光量(単位はルックス・秒;以後lux ・
s ) E1/6 :表面電位Vi を1/6に減衰させるに必要な露
光量(単位はlux ・ s ) VR10 :光照射10秒後の表面残留電位(単位は−V)
【0072】実施例1〜3、比較例1〜2 ポリエステルフィルム上に蒸着したアルミニウム薄膜上
に、オキソチタニウムフタロシアニン(TiOPc)を
10-6Torrで約0.8μmの厚さに真空蒸着し、電
荷発生層を形成した。表4に示した各例示化合物1部及
び式(H−2)で表されるポリカーボネート樹脂(三菱
瓦斯化学(株)製:商品名「ポリカーボネートZ−20
0」)1部をジクロロエタン8部中で混合溶解した。こ
の液をドクターブレードで上記電荷発生層上に塗布し、
80℃で3時間乾燥させ感光体を作製した。このように
して得られた電子写真感光体の電子写真特性を静電記録
試験装置EPA−8200型(川口電機製作所製)を用
いてスタティック方式により測定した。即ち、感光体を
−6kVのコロナ放電を行って帯電せしめ、表面電位V
0 (単位は−V)を測定し、これを暗所で5秒間保持し
た(表面電位Vi (単位は−V))後、ハロゲンランプ
により照度5ルックスの光を照射し、表面電位Vi を1
/2又は1/6に減衰させるに必要な露光量(E1/2
はE1/6 (ルックス・秒))を求め、続いて照度5ルッ
クスの光を10秒間照射後の表面残留電位VR10 (−
V)を求めた。なお、比較例1では例示化合物中のトリ
フェニルアミン化合物の代わりに比較化合物1を用い
た。また、比較例2ではトリフェニルアミン化合物(例
示化合物47)のみを用いた。結果を表5に示した。
【0073】
【表4】
【0074】*1:比較化合物1は、次の構造式からな
る。
【化40】
【0075】
【表5】
【0076】表5からも明らかな通り、実施例1〜3の
例示化合物を用いて作製した本発明の感光体は、比較化
合物1を用いて作製した比較例1の感光体に比較して、
残留電位が小さく、感度E1/2 が小さく、電子写真特性
が優れていることが判明した。なお、比較例1において
は光感度が十分でないために、感度E1/6 の測定が不可
能であった。また、比較例2の感光体は、製膜、乾燥後
にクラックが生じ測定が不可能であった。
【0077】実施例4、比較例3 実施例1と同様にして電荷発生層を作製した。更に、表
6に示した各例示化合物1部及び式(J−1)で表され
るビスフェノールA/ビフェノール型共重合ポリカーボ
ネート樹脂(出光興産(株)製)1部を用いた以外は、
実施例1と同様に感光体を作製した。このようにして得
られた感光体の電子写真特性を実施例1と同様にして測
定した。なお、比較例3では例示化合物のトリフェニル
アミン化合物の代わりに比較化合物1を用いた。結果を
表7に示した。
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】 表7からも明らかな通り、実施例4の例示化合物を用い
て作製した本発明の感光体は、比較化合物1を用いて作
製した比較例3の感光体に比較して、残留電位が小さ
く、感度E1/2 及びE1/6 も小さく、電子写真特性が優
れていることが判明した。
【0080】実施例5〜6、比較例4 クロルジアンブルー(CDB)1部とポリカーボネート
樹脂(三菱瓦斯化学(株)製:商品名「ユーピロンE−
2000)1部をジクロロエタン30部を溶剤としてボ
ールミルで5時間混練した。得られた顔料分散液をポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルム上にアルミ
ニウムを蒸着したシート上にワイヤーバーを用いて塗布
し、45℃で3時間乾燥して約1μmの厚さに電荷担体
発生層を作製した。表8に示した各例示化合物1部及び
式(H−2)で表されるポリカーボネート樹脂(三菱瓦
斯化学(株)製:商品名「ポリカーボネートZ」)1部
をジクロロエタン8部中で混合溶解した。この液をドク
ターブレードで電荷担体発生層上に塗布し、80℃で3
時間乾燥させ感光体を作製した。このようにして得られ
た感光体の電子写真特性を、実施例1と同様にして測定
した。なお、比較例4では例示化合物のトリフェニルア
ミン化合物の代わりに比較化合物1を用いた。結果を表
9に示した。
【0081】
【表8】
【0082】
【表9】 表9からも明らかな通り、実施例5〜6の例示化合物を
用いて作製した本発明の感光体は、比較化合物1を用い
て作製した比較例4の感光体に比較して、残留電位が小
さく、感度E1/6 も小さく、電子写真特性が優れている
ことが判明した。
【0083】実施例7、比較例5 実施例5と同様にして電荷発生物質としてクロルジアン
ブルー(CDB)を用いた。電荷輸送物質として表10
に示した各例示化合物1部及び式(J−1)で表される
ビスフェノールA/ビフェノール型共重合ポリカーボネ
ート樹脂(出光興産(株)製)1部を有機溶剤8部中で
混合溶解した。この液をドクターブレードで電荷担体発
生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作製
した。このようにして得られた感光体の電子写真特性
を、実施例1と同様にして測定した。なお、比較例5で
は例示化合物のトリフェニルアミン化合物の代わりに比
較化合物1を用いた。結果を表11に示した。
【0084】
【表10】
【0085】
【表11】 表11からも明らかな通り、実施例7の例示化合物を用
いて作製した本発明の感光体は、比較化合物1を用いて
作製した比較例5の感光体に比較して、残留電位が小さ
く、感度E1/6 も小さく、電子写真特性が優れているこ
とが判明した。
【0086】実施例8〜10、比較例6 τ型無金属フタロシアニン(τ−H2 Pc)1部とブチ
ラール樹脂(積水化学工業(株)製:商品名「ポリビニ
ルブチラールBL−1」)1部をテトラヒドロフラン3
0部を溶剤としてボールミルで5時間混練した。得られ
た顔料分散液をポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルム上にアルミニウムを蒸着したシート上に塗布
し、50℃で2時間乾燥させた。更に、表12に示した
各例示化合物1部及び式(H−2)で表されるポリカー
ボネート樹脂(三菱瓦斯化学(株)製:商品名「ポリカ
ーボネートZ」)1部をジクロロエタン8部中で混合溶
解した。この液をドクターブレードで電荷発生層上に塗
布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作製した。この
感光体の電子写真特性を実施例1と同様にして測定し
た。なお、比較例6として例示化合物のトリフェニルア
ミンの代わりに比較化合物1を用いた。結果を表13に
示した。
【0087】
【表12】
【0088】
【表13】 表13からも明らかな通り、実施例8〜10の例示化合
物を用いて作製した本発明の感光体は、比較化合物1を
用いて作製した比較例6の感光体に比較して、残留電位
が小さく、感度E1/2 も小さく、電子写真特性が優れて
いることが判明した。なお、比較例6においては、光感
度が十分でないため感度E1/6 の測定が不可能であっ
た。
【0089】実施例11、比較例7 実施例8と同様にして、τ型無金属フタロシアニン(τ
−H2 Pc)を用いて電荷発生層を作製した。電荷輸送
物質として表14に示した各例示化合物1部及び式(J
−1)で表されるビスフェノールA/ビフェノール型共
重合ポリカーボネート樹脂(出光興産(株)製)1部を
有機溶剤8部中で混合溶解した。この液をドクターブレ
ードで電荷担体発生層上に塗布し、80℃で3時間乾燥
させ感光体を作製した。このようにして得られた感光体
の電子写真特性を、実施例1と同様にして測定した。な
お、比較例7では例示化合物のトリフェニルアミン化合
物の代わりに比較化合物1を用いた。結果を表15に示
した。
【0090】
【表14】
【0091】
【表15】 表15からも明らかな通り、実施例11の例示化合物を
用いて作製した本発明の感光体は、比較化合物1を用い
て作製した比較例7の感光体に比較して、残留電位が小
さく、感度E1/2 及びE1/6 も小さく、電子写真特性が
優れていることが判明した。
【0092】実施例12〜13、比較例8 特開平1−291,256号公報に記載した方法に従っ
て、ブチラール樹脂(積水化学工業(株)製:商品名
「ポリビニルブチラールBL−1」)35部をテトラヒ
ドロフラン1,425部に溶解させて得た結着剤樹脂溶
液に、結晶性オキシチタニルフタロシアニン40部を加
え、ガラスビーズと共に2時間振動ミルを用いて分散さ
せた。この分散液をポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムにアルミニウムを蒸着したシート上にワイ
ヤーバーを用いて塗布、80℃、3時間乾燥させ、電荷
発生層を作製した。更に、表16に示した各例示化合物
1部及び式(H−2)で示されるポリカーボネート樹脂
(三菱瓦斯化学(株)製:商品名「ポリカーボネート
Z」)1部をジクロロエタン8部中で混合溶解した。こ
の液をドクターブレードで上記電荷発生層上に塗布し、
80℃で3時間乾燥させ、感光体を作製した。このよう
にして得た感光体の電子写真特性を実施例1と同様にし
て測定した。なお、比較例8として例示化合物のトリフ
ェニルアミン化合物の代わりに比較化合物1を用た。結
果を表17に示した。
【0093】
【表16】
【0094】
【表17】 表17からも明らかな通り、実施例12〜13の例示化
合物を用いて作製した本発明の感光体は、比較化合物1
を用いて作製した比較例8の感光体に比較して、残留電
位が小さく、感度E1/2 及びE1/6 も小さく、電子写真
特性が優れていることが判明した。
【0095】実施例14、比較例9 実施例12と同様にして電荷発生層を作製した。表18
に示した各例示化合物1部及び式(J−1)で表される
ビスフェノール/ビフェノール型共重合ポリカーボネー
ト樹脂(出光興産(株)製)を用いた以外は、実施例1
2と同様に感光体を作製して、実施例1と同様にして電
子写真特性を測定した。なお、比較例9では例示化合物
のトリフェニルアミン化合物の代わりに比較化合物1を
用いた。結果を表19に示した。
【0096】
【表18】
【0097】
【表19】 表19からも明らかな通り、実施例14の例示化合物を
用いて作製した本発明の感光体は、比較化合物1を用い
て作製した比較例9の感光体に比較して、残留電位が小
さく、感度E1/2 及びE1/6 も小さく、電子写真特性が
優れていることが判明した。
【0098】実施例15〜17、比較例10 x型無金属フタロシアニン( x−H2 Pc)1部とブチ
ラール樹脂(積水化学工業(株)製:ポリビニルブチラ
ールBL−1)1部をテトラヒドロフラン30部を溶剤
としてボールミルで5時間混練した。得られた顔料分散
液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上
にアルミニウムを蒸着したシート上に塗布し、50℃で
2時間乾燥させた。更に、表20で示す各例示化合物1
部及び式(H−2)で表されるポリカーボネート樹脂
(三菱瓦斯化学(株)製:商品名「ポリカーボネート
Z」)1部をジクロロエタン8部中で混合溶解した。こ
の液をドクターブレードで電荷発生層上に塗布し、80
℃で3時間乾燥させ、感光体を作製した。このようにし
て得られた感光体の電子写真特性を実施例1と同様にし
て測定した。なお、比較例10として例示化合物のトリ
ニルアミン化合物の代わりに比較化合物1を用いた。結
果を表21に示した。
【0099】
【表20】
【0100】
【表21】 表21からも明らかな通り、実施例15〜17の例示化
合物を用いて作製した本発明の感光体は、比較化合物1
を用いて作製した比較例10の感光体に比較して、残留
電位が小さく、感度E1/2 も小さく、電子写真特性が優
れていることが判明した。なお、比較例10において
は、光感度が十分でないために感度E1/6 の測定が不可
能であった。
【0101】実施例18、比較例11〜12 実施例15〜17と同様に、x型無金属フタロシアニン
( x−H2 Pc)を用いて電荷発生層を作製した。表2
2に示した例示化合物1部及び式(J−1)で表される
ビスフェノール/ビフェノール型共重合ポリカーボネー
ト樹脂(出光興産(株)製)1部をジクロロエタン8部
中で混合溶解した。この液をドクターブレードで電荷担
体発生上に塗布し、80℃で3時間乾燥させ感光体を作
製した。このようにして得られた感光体の電子写真特性
を実施例1と同様にして測定した。
【0102】
【表22】
【0103】なお、比較例11として例示化合物のトリ
フェニルアミン化合物の代わりに比較化合物1を用い
た。また、比較例12においては例示化合物のトリフェ
ニルアミン化合物の代わりに下記の構造式で表される比
較化合物2を用いた。
【0104】
【化41】
【0105】
【表23】 表23からも明らかな通り、実施例18の例示化合物を
用いて作製した本発明の感光体は、比較化合物1を用い
て作製した比較例11の感光体及び比較化合物2を用い
て作製した比較例12の感光体に比較して、残留電位が
小さく、E1/6も小さく、電子写真特性が優れているこ
とが判明した。
【0106】実施例19〜20、比較例13 式(O)で表されるビスアゾ顔料1部とポリカーボネー
ト樹脂(三菱瓦斯化学(株)製:商品名「ユーピロンE
−2000」)1部をジクロロエタン30部を溶剤とし
てボールミルで5時間混練した。得られた顔料分散液を
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にア
ルミニウムを蒸着したシート上にワイヤーバーを用いて
塗布し、50℃で3時間乾燥して約1μmの厚さに電荷
担体発生層を作った。更に、表24に示した各例示化合
物1部及び式(H−2)で表されるポリカーボネート樹
脂(三菱瓦斯化学(株)商品名:「ポリカーボネート
Z」)1部を有機溶剤8部中で混合溶解した。この液を
ドクターブレードで電荷担体発生層上に塗布し、80℃
で3時間乾燥させ感光体を作製した。この感光体の電子
写真特性を実施例1と同様にして測定した。なお、比較
例13として例示化合物のトリフェニルアミン化合物の
代わりに比較化合物1を用いた。結果を表25に示し
た。
【0107】
【表24】
【0108】
【表25】 表25からも明らかな通り、実施例19〜20の例示化
合物を用いて作製した本発明の感光体は、比較化合物1
を用いて作製した比較例10の感光体に比較して、残留
電位が小さく、電子写真特性が優れていることが判明し
た。なお、比較例13においては、光感度が十分でない
ために感度E1/6 の測定が不可能であった。
【0109】実施例21〜22、比較例14 実施例19と同様に、式(O)で表されるビスアゾ顔料
を用いて電荷発生層を作製した。更に、表26に示した
例示化合物1部及び式(J−1)で表されるビスフェノ
ールA/ビフェノール型共重合ポリカーボネート樹脂
(出光興産(株)製:商品名「ポリカーボネートZ」)
1部を有機溶剤8部中で混合溶解した。この液をドクタ
ーブレードで電荷発生層上に塗布し、80℃で3時間乾
燥させ感光体を作製した。この感光体の電子写真特性を
実施例1と同様にして測定した。なお、比較例14とし
て例示化合物のトリフェニルアミン化合物の代わりに比
較化合物1を用いた。結果を表27に示した。
【0110】
【表26】
【0111】
【表27】 表27からも明らかな通り、実施例21〜22の例示化
合物を用いて作製した本発明の感光体は、比較化合物1
を用いて作製した比較例14の感光体に比較して、残留
電位が小さく、感度E1/6 も小さく、電子写真特性が優
れていることが判明した。
【0112】実施例23、比較例15〜18 表28に示した実施例23の各例示化合物を10通りの
割合で混合した電荷輸送物質1部と構造式(H−2)で
表されるポリカーボネート樹脂1部をジクロロエタン8
部中で混合溶解した。この溶液をそれぞれドクターブレ
ードでポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
上にアルミを蒸着したシート上に塗布し、80℃で3時
間乾燥させた。
【0113】
【表28】
【0114】更に、この電荷輸送層上に半透明金電極を
蒸着してキャリア移動度をそれぞれ測定した。キャリア
移動度の測定は、光源としてパルス半値幅0. 9nse
c、波長337nmの窒素ガスレーザーを用い、Tim
e−of−flight法(田中聡明、山口康浩、横山
正明:電子写真, 29, 366( 1990))にて行っ
た。25℃、25V/μmでの測定結果を第1図に示し
た。同様に、表29の比較例15〜17においては、例
示化合物47にそれぞれ比較化合物1、比較化合物3、
比較化合物4を9乃至10通りの割合で混合した電荷輸
送物質1部を用いて、実施例23と同様にして測定し
た。その結果を図2乃至4に示す。 また、比較例18
においては、例示化合物67に比較化合物1を8通りの
割合で混合した電荷輸送物質1部を用いて、実施例23
と同様にして測定した。その結果を図5に示す。
【0115】
【表29】
【0116】
【化42】
【0117】第1図から明らかな通り、一般式(1)で
表されるトリフェニルアミン化合物と一般式(2)で表
されるジスチリル化合物とを組み合わせた場合には、ト
リフェニルアミン化合物の含有量が全ての領域にわたり
移動度が落ち込むことなく10-5cm2 /(Vs)以上
の高い値を示した。一方第2図から明らかな通り、一般
式(1)で表されるトリフェニルアミン化合物と比較化
合物1との組み合わせの場合は、トリフェニルアミン化
合物の含有量が5乃至95重量%の時は移動度が低い比
較化合物1と同程度の移動度の値しか得られなかった。
【0118】第3図及び第4図から明らかな通り、一般
式(1)で表されるトリフェニルアミン化合物と比較化
合物3又は比較化合物4との組み合わせの場合は、比較
化合物3及び比較化合物4の移動度が高いにもかかわら
ず、下に凸の曲線となり殆ど全ての領域で移動度がトリ
フェニルアミン化合物や比較化合物より低下している。
第5図からも明らかな通り、一般式(2)で表されるジ
スチリル化合物と比較化合物1を組み合わせた場合で
は、全ての領域で移動度が低い比較化合物1と同程度の
移動度の値しか得られなかった。以上の結果から、本発
明による一般式(1)で表されるトリフェニルアミン化
合物と一般式(2)で表されるジスチリル化合物との組
み合わせの場合のみが、高い移動度を持つ電荷移動材料
であることが明らかとなった。
【0119】実施例24 例示化合物47 0.4部と例示化合物106 0.6
部の混合物を任意の割合で構造式(H−2)で表される
ポリカ−ボネ−ト樹脂(三菱瓦斯化学(株)製:商品名
「ポリカ−ボネ−トZ」)1部とテトラヒドロフラン8
部からなるポリマ−溶液2.0g中に加熱して溶解し
た。溶解後、暗室、室温下で放置したときの結晶の析出
を観測した。例示化合物47 0.4部と例示化合物1
06 0.6部の混合物は、0.4g以上を加えた際
に、結晶の析出が見られた。
【0120】比較例19 例示化合物47のみを実施例24と同様に構造式(H−
2)で表されるポリカ−ボネ−ト樹脂(三菱瓦斯化学
(株)製:商品名「ポリカ−ボネ−トZ」1部とテトラ
ヒドロフラン8部からなるポリマ−溶液2.0g中に加
熱して溶解した。溶解後、暗室、室温下で放置したとき
の結晶の析出を観察した。例示化合物47は、0.15
g以上加えた際に、結晶の析出が見られた。実施例24
と比較例19より、例示化合物47に例示化合物106
を混合した場合は、例示化合物のみを用いた場合に比べ
バインダ−ポリマ−中への溶解性が向上することがわか
った。
【0121】
【発明の効果】本発明によって得られる電荷輸送材料
は、電荷移動材料の濃度を上げずにキャリア移動度を向
上することができ、該電荷輸送材料を含有して成る電子
写真感光体は、感度が良好で、残留電位が小さい等の優
れた電子写真特性を有しており、極めて有用性が高いも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体におけるキャリア移動
度を示す図。
【図2】比較例の電子写真感光体におけるキャリア移動
度を示す図。
【図3】比較例の電子写真感光体におけるキャリア移動
度を示す図。
【図4】比較例の電子写真感光体におけるキャリア移動
度を示す図。
【図5】比較例の電子写真感光体におけるキャリア移動
度を示す図。
【図6】電子写真感光体の層構造を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 陽子 神奈川県平塚市西八幡1丁目4番11号 高 砂香料工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 萩原 利光 神奈川県平塚市西八幡1丁目4番11号 高 砂香料工業株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
    それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数1
    乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコ
    キシ基、ハロゲン原子、又は炭素数1乃至4の低級アル
    キル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン
    原子が置換していてもよいフェニル基を示し、nは0又
    は1を示す。)で表されるトリフェニルアミン化合物の
    少なくとも1種と、一般式(2) 【化2】 (式中、R8 、R9 、R10、R11、R12、R13、R14
    15、R16、R17はそれぞれ同一であっても異なってい
    てもよく、炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1
    乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子を示し、中心
    フェニル基への2つのエチレン基の置換位置はオルト
    位、パラ位又はメタ位のいずれでもよい。)で表される
    ジスチリル化合物の少なくとも1種から成る電荷輸送材
    料を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】一般式(1) 【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
    それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数1
    乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコ
    キシ基、ハロゲン原子、又は炭素数1乃至4の低級アル
    キル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン
    原子が置換していてもよいフェニル基を示し、nは0又
    は1を示す。)で表されるトリフェニルアミン化合物を
    5乃至50重量%含む電荷輸送材料を含有する請求項1
    記載の電子写真感光体。
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