JP4202630B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍室蒸発器と冷蔵室蒸発器とを有する冷凍冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
フロンガスがもたらすオゾン層破壊の問題から、冷蔵庫の冷媒として、過去に広く利用されていたフロンから近年ではGW1300のような代替フロンが世界的に広く使用されるようになっている。ところが、さらに近年では、地球温暖化の対応が必要になり、代替フロンに代わり、ブタンガスのような温暖化係数(GWP)が低い炭化水素冷媒(以下、「HC冷媒」と称する)に移行する傾向にあり、世界的にみれば、特にヨーロッパではHC冷媒冷蔵庫の流通が盛んになっている。
【0003】
一方、HC冷媒は可燃性ガスであることにより、万一、冷蔵庫内で冷媒リークが発生した場合、後に扉を開いた時に庫内に充満していた冷媒ガスが庫外に流出して大気により希釈され、冷蔵庫の周辺でのガス濃度が1.8%〜8.5%の爆発ガス濃度(EL)になることがあり得る。そのため、冷媒リークを早期の段階で検出してリークを停止させることが必要とされている。
【0004】
そこで、従来では冷媒リークを検出するために、ガス漏れ検知センサを冷蔵庫内に取り付け、冷媒リークを検知すると警報を発してユーザに知らせ、また、庫内灯、扉スイッチ、除霜ヒータ、光プラズマ脱臭装置、自動製氷器等の引火源になる恐れのある電気部品を停止させて引火を予防し、また冷凍サイクル内の冷媒を回収することによってリーク量を抑制する安全対策が取られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のHC冷媒冷蔵庫の場合、次のような問題点があった。その1つは、2蒸発器冷蔵庫のように冷凍室と冷蔵室とをそれぞれ独立した冷凍サイクルで冷却する冷蔵庫においては、高価なガス漏れ検知センサが多数個必要となり、コストが嵩む点である。他の問題点は、ガス漏れ検知センサは実際にガスが漏れ出てからそれを検知するものなので、検知感度やガス漏れ速度によっては冷媒リークを検知した時にすでに爆発下限濃度(LEL)以上になっている可能性があり、冷媒リーク検知後に取ることができる安全対策の範囲が狭い点である。
【0006】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、比較的安価な温度センサを利用して冷媒リークを確実に検出することができ、しかも冷媒ガスが庫内に未だ充満しない早期の段階で冷媒リークを検出することができる冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、コンプレッサ、凝縮器、当該凝縮器からの冷媒を冷凍室側・冷蔵室側の一方又は両方に選択して流通させる冷媒分流手段、冷凍室側キャピラリ、冷蔵室側キャピラリ、冷凍室蒸発器、冷蔵室蒸発器を備える2蒸発器構成であって、可燃性冷媒を封入した冷蔵庫において、前記冷凍室蒸発器の入口側と出口側とのそれぞれに流れる冷媒の温度を検出する温度センサと、前記温度センサによる温度変化を監視し、所定の条件に照らして冷媒リークを判定する冷媒リーク監視手段とを備え、前記冷媒リーク監視手段は、前記コンプレッサを停止した後に当該コンプレッサを再起動して冷凍室冷却モードに移行した時に、予め設定した時間が経過した後の前記冷凍室蒸発器の入口側と出口側とのそれぞれに流れる冷媒の温度差が所定値を超えた時に冷媒リーク有りと判定することを特徴とするものである。
【0010】
請求項の発明の冷蔵庫では、温度センサを冷凍室蒸発器の入口側と出口側とに設置し、冷媒リーク監視手段により、温度センサが検出する入口側、出口側の冷媒温度の温度差が所定値を超えた時に冷媒リークと判定することにより、冷凍室蒸発器の入口側、出口側の冷媒温度の温度差に基づき、冷媒リークの有無の信頼性の高い判定を行う。
加えて、請求項1の発明の冷蔵庫では、冷媒リーク監視手段により、入口側、出口側の冷媒温度の温度差が所定時間継続して所定値を超えた時に冷媒リークと判定することにより、入口・出口温度と共にその温度差の継続時間を考慮することにより、冷媒リーク有無の信頼性のより高い判定を行う。
【0011】
請求項の発明は、請求項の冷蔵庫において、前記冷媒リーク監視手段が冷媒リークと判定した時に、前記冷媒を冷媒配管上における冷凍室及び冷蔵室にリークしない場所に封じ込める冷媒封止手段を備えたことを特徴とするものであり、冷媒リーク有と判定した時に、実際に冷媒がリークを始める前に庫内にリークしない場所に冷媒を封止する。
【0012】
請求項の発明は、請求項1又は2の冷蔵庫において、前記冷媒リーク監視手段が冷媒リークと判定した時に、警報を発する警報手段を備えたことを特徴とするものであり、冷媒リーク有と判定した時に、警報によってユーザに知らせる。
【0013】
請求項の発明は、請求項1〜3の冷蔵庫において、前記冷媒リーク監視手段が冷媒リークと判定した時に、所定の電気部品の動作を停止させる電気部品停止手段を備えたことを特徴とするものであり、冷媒リーク有と判定した時に、実際に冷媒が庫内にリークし始める前に冷媒ガスに着火させる恐れのある電気部品を停止させ、確実に引火を予防する。
【0014】
請求項の発明は、請求項1〜4の冷蔵庫において、前記冷媒封止手段は、前記冷媒分流手段を閉じ、前記コンプレッサを所定時間運転させ、前記冷媒を冷凍サイクルにおける当該コンプレッサの吐出側から前記冷媒分流手段までの配管部分に封止することを特徴とするものであり、冷媒リーク有と判定した時に、実際に冷媒がリークを始める前に庫内にリークする可能性のきわめて少ない場所であるところのコンプレッサの吐出側から冷媒分流手段までの配管部分に封止する。
【0015】
請求項の発明は、請求項の冷蔵庫において、前記冷媒封止手段は、冷媒配管上における前記凝縮器とキャピラリとの間に設けた封止弁を閉じ、前記コンプレッサを所定時間運転させ、前記冷媒を冷凍サイクルにおける当該コンプレッサの吐出から前記封止弁までの高圧部に封止することを特徴とするものであり、冷媒リーク有と判定した時に、実際に冷媒がリークを始める前に庫内にリークする可能性のきわめて少ない場所であるところのコンプレッサの吐出側から凝縮器とキャピラリとの間に設けた封止弁までの配管部分に封止する。
【0017】
請求項の発明は、請求項1〜の冷蔵庫において、前記冷媒リーク監視手段は、前記入口側、出口側の冷媒温度の温度差が所定時間継続して所定値を超えた時に冷媒リークと判定することを特徴とするものであり、入口・出口温度と共にその温度差の継続時間を考慮することにより、冷媒リーク有無の信頼性のより高い判定を行う。
【0019】
請求項の発明は、請求項1〜7の冷蔵庫において、前記冷媒リーク監視手段は、前記温度差が5分間継続して5K以上であった時に冷媒リークと判定することを特徴とするものであり、冷凍室蒸発器の入口側、出口側の冷媒の温度差に基づいて冷媒リークの正確な判定を行う。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は、本発明の一実施の形態の冷凍冷蔵庫の断面構造を示している。本実施の形態の冷凍冷蔵庫は、2蒸発器パラレルサイクル冷蔵庫であり、庫内は、上から冷蔵室1、野菜室2、切替え室3、冷凍室4に区画してある。そして野菜室2の底面と切替え室3の天井部との間に断熱壁5を設けることにより、庫内を温度帯の異なる上下2部屋に分割してある。野菜室2の背面に冷蔵室蒸発器6を設置し、冷凍室4の背面に冷凍室蒸発器7を設置してある。冷蔵室1の冷気と冷凍室4の冷気とは完全に独立し、各冷気が混合することはない。野菜室2の背面には、冷蔵室蒸発器6と共に冷蔵室冷却ファン11を配置し、また、冷凍室4の背面には、冷凍室蒸発器7と共に冷凍室冷却ファン12を配置してある。冷凍冷蔵庫の背壁下部の機械室13には、図2に示すような冷凍サイクルを構成するコンプレッサ14とコンデンサ15(図1では図示せず)を設置してある。
【0026】
図2は本実施の形態の冷凍冷蔵庫の2蒸発器パラレル冷凍サイクルを示している。この冷凍サイクルでは、HC冷媒はコンプレッサ14によって圧縮されて吐出され、コンデンサ15、クリーンパイプ16を通った後、冷媒分流手段である3方弁17の冷媒切替機構によって切替られた流路を流通する。
【0027】
3方弁17の一方の出口には冷蔵室キャピラリ(Rキャピラリ)18と冷蔵室蒸発器(R蒸発器)6が順次接続され、3方弁17の他方の出口には冷凍室キャピラリ(Fキャピラリ)19と冷凍室蒸発器(F蒸発器)7とアキュムレータ20が順次接続されている。そして、アキュムレータ20の出口配管には、機械室13内において逆止弁21が接続され、この逆止弁21の出口側はR蒸発器6の出口配管と接合され、さらにコンプレッサ14の吸込側につながれている。なお、図2において、100,101は、後述する冷媒リーク試験時の冷媒リーク量設定のために設置した弁である。これらは実機には設けられない。
【0028】
上記の冷凍サイクルの冷凍冷蔵庫では、コントローラ30が冷蔵室1,2、冷凍室3,4の温度センサにより庫内温度を監視し、3方弁17を制御してR蒸発器6、F蒸発器7にパラレルにHC冷媒を流通させ、各室の温度を制御する。
【0029】
3方弁17の切替えによって、冷蔵室冷却系Rと冷凍室冷却系Fとの流路を交互に切替えることが可能であり、その上、両流路を同時に遮断する全閉モードと、同時に解放する全開モードの切替えも可能である。すなわち、図3(a)に示す冷凍室冷却モード、同図(b)に示す冷蔵室冷却モード、同図(c)に示す全閉モード、そして同図(d)に示す全開モードの切替えが可能となっている。なお、冷媒分流手段として、この3方弁18に代えて、冷蔵室冷却系R、冷凍室冷却系Fそれぞれに単独の開閉弁を設け、それらを同時開放、同時閉塞、片方開放/他方閉塞の切替制御するようにしてもよい。
【0030】
コンプレッサ14、冷却ファン11,12、3方弁17等の機械系の制御は、コントローラ30によって行われる。そしてこのコントローラ30は各所に設置されている冷媒温度センサや圧力センサ、コンプレッサ回転数センサの信号を入力し、それらの信号に基づき必要な制御を行う。このコントローラ30による冷却制御動作について説明する。
【0031】
図3(a)に示す冷凍室冷却モードの場合、冷媒はFキャピラリ19で減圧されてF蒸発器7に入り、冷凍室4を冷却した後にコンプレッサ14に戻る。すなわち、冷媒はFキャピラリ19、F蒸発器7、アキュムレータ20、逆止弁21の順に流れ、冷凍室冷却ファン12の運転によって冷気が切替え室3と冷凍室4内を循環して冷却する。
【0032】
一方、3方弁17が切替り、図3(b)に示す冷蔵室冷却モードになった場合、冷媒はRキャピラリ18で減圧され、R蒸発器6に入り、冷蔵室1と野菜室2を冷却した後にコンプレッサ14に戻る。すなわち、冷媒はRキャピラリ18、R蒸発器6の順に流れ、冷蔵室ファン11の運転によって冷蔵室1と野菜室2を冷却する。
【0033】
この冷蔵室冷却モードでは、冷媒の圧力は冷蔵室冷却系Rの方が冷凍室冷却系Fより高く、この圧力差δpによって逆止弁21を閉じ、冷却室冷却系Fに低温冷媒が貯溜される。そして、この状態から冷凍室冷却モードに切替ると、低温冷媒を用いて直ちに冷凍室を冷却することができ、冷凍室冷却モードでは冷媒遅れが生じることなく効率よく冷却できる。
【0034】
一方、冷凍室冷却モード中は、F蒸発器7の圧力と温度はおよそ0.1MPa,−26℃で、この時のR蒸発器6の温度はおよそ0〜2℃であるが、圧力はF蒸発器7と同じく0.1MPaとなる。したがって、冷凍室冷却モード中のR蒸発器6内は、圧力が飽和状態となるために冷媒が蒸発し、乾いた状態(ドライアップ状態)となる。このため、このような状態から、3方弁17が再び切替り、冷凍室冷却モードから冷蔵室冷却モードに直接に移行すると冷媒遅れが生じ、3方弁17から冷蔵室冷却系Rに送り込まれてきた冷媒がR蒸発器6を経てこの冷蔵室冷却系Rの出口に到達するまでに数分間を要する。この時、R蒸発器6に対する入口側と出口側との温度差δTで示す冷媒遅れが生じる。この状態ではR蒸発器10が有効に活かされない。そこで、冷蔵室冷却モードに移行した最初から冷蔵室冷却系Rに低温冷媒をある程度貯溜させておくため、3方弁17の切替制御において、冷凍室冷却モードに移行する前に、あらかじめ設定した所定時間τ(例えば、1〜5分間)だけ図3(d)に示す全開モードにすることによって必ず冷蔵室冷却系Rに所定量だけ低温冷媒が貯溜しているようにする。
【0035】
つまり、コントローラ30は、冷凍室冷却モードによる冷凍室冷却→全開モードによる同時冷却→冷蔵室冷却モードによる冷蔵室冷却→冷凍室冷却モードによる冷凍室冷却の行程を繰り返しながら、冷凍冷蔵庫の全体をその各部が適度の温度になるように制御する。
【0036】
上記のHC冷媒冷凍冷蔵庫について、図2に示した冷媒リーク試験用弁100,101を利用して冷媒リーク時の冷蔵室蒸発器6、冷凍室蒸発器7それぞれに対する配管の入口側温度、出口側温度を計測し、また冷媒リーク試験用弁100,101の開放後の庫内の冷媒濃度を計測したデータが表1〜表3に示したものであり、また時間的な変化をプロットしたのが図4〜図6のグラフである。
【0037】
【表1】
Figure 0004202630
【表2】
Figure 0004202630
【表3】
Figure 0004202630
<通常運転時>
通常運転時の各モードでの温度特性は次の通りである。
【0038】
・冷凍室冷却(F冷却)運転時は、R蒸発器6とF蒸発器7とは共に、その入口・出口の温度差はほとんどない。
【0039】
・冷蔵室冷却(R冷却)運転前のポンプダウン(F蒸発器7の冷媒回収)中は、F蒸発器7の出口温度が急激に低下し、温度差は約8K開く。R蒸発器6の出口温度も急激に落込み、約30K開く。
【0040】
・R冷却運転中は、R蒸発器6の入口・出口温度差は、全域に渡り約5K離れている。F蒸発器7側は、ポンプダウン時の開きから約7分間経過後に温度差がなくなる。
【0041】
・コンプレッサ14の停止中は、R蒸発器6の入口・出口温度差はほとんどない。F蒸発器7側は、入口温度がやや上昇し、入口・出口温度差が約5K開く。
【0042】
・コンプレッサ停止後、F冷却モード開始直後は、F蒸発器7の入口温度が先行して下降するため、入口・出口温度差が約7Kになる。しかし、F冷却モード開始から約20分後には温度差がなくなる。
【0043】
<冷媒リーク試験I>
図2に示した配管系統において、R蒸発器6の入口側の配管に設置した試験弁100を、φ0.1mmのピンホールに相当する開度だけ開き、R蒸発器6の近辺に設置した冷媒ガス漏れ検知センサによるガス濃度を計測し、また、R蒸発器6、F蒸発器7それぞれに対する配管R,Fの入口側と出口側に設置した温度センサにより冷媒温度を測定した。冷媒ガス濃度及び温度の測定データは、表1及び表2に示すものであり、また、時間的な変化のグラフは図4及び図5に示すものである。
【0044】
・R蒸発器6の冷媒リーク試験は、R冷却運転開始後約5分後に開始した。
【0045】
・リーク試験開始と同期して、R蒸発器6の出口温度が急激に温度上昇し、入口温度との間に約16Kの温度差が生じた。これは、0.1mmのピンホールが配管途上に開いた場合、その口径がきわめて小さいものであるため、当初は配管内が負圧になって外気を配管内に吸込むことによる。
【0046】
・F蒸発器7は、リーク試験スタート直後に微小な出口温度の低下が発生し、入口温度と差の間に約2Kの温度差が生じたが、顕著な変動ではない。
【0047】
・この段階では、図5の上側のグラフに示すように、冷媒の実際のリークは生じていない。
【0048】
・次にF冷却モードに移行すると、R蒸発器6の入口・出口温度差はほとんどなくなるが、F蒸発器7側の入口・出口温度差は、その運転中の全範囲(約30分間)で出口温度が上昇し、入口温度が低下する(サイクル内に外気が流入したことによるアンダーチャージ現象の挙動)ため、この異常な挙動により約10Kの温度差が発生した。この段階でも、冷媒の実質的なリークは生じていない。
【0049】
・試験開始後の2回目のR冷却モードでは、運転中の全範囲(約21分)でR蒸発器出口温度が上昇し、入口温度が低下する(アンダーチャージ現象の挙動)ため、この異常な挙動により約21Kの温度差が発生した。この段階では、冷媒の実際の漏れが検出され、最高50%(LEL)の濃度に達した。ここで、濃度%(LEL)とは、冷媒の爆発下限濃度(LEL)=1.8%(V/V)に対するパーセンテージである。したがって、50%(LEL)であれば、実質0.9%(V/V)ということになる。
【0050】
・2回目のF冷却モード中の温度挙動は、1回目のものとほぼ同様であった。
【0051】
・なお、図示していないが、3回目のR冷却モードの開始直後には、外気が冷凍サイクルに大量に流入したことによってコンプレッサ電流値が上昇して異常電流制御機能が作動し、コンプレッサが停止状態になり、圧力が上昇し、リークした冷媒の濃度は100%(LEL)を超えた。
【0052】
以上の温度の挙動と冷媒のリーク挙動から、R蒸発器配管Rにおいて微小な穴開き(ピンホール)が発生した初期の段階では、冷媒ガスがR蒸発器6の周辺から野菜室2、冷蔵室1内にリークすることはない。そこで、この段階で配管内の冷媒温度の挙動が通常運転時と異なることを検出するならば、実際の冷媒リークが起きる前の段階で配管孔開きを発見して確実に冷媒リークを防護できる。
【0053】
R蒸発器6の入口側の配管に穴開きが発生すれば、図4及び図5のグラフから分るように、R冷却動作中であれば、孔開き直後からR蒸発器入口温度が通常値よりも約5〜10℃低下し、またR蒸発器入口温度と出口温度との差が通常値(約5℃)から約10℃以上の差に開くことになる。加えて、異常温度あるいは温度差が時間的に継続していることも分かる。
【0054】
<冷媒リーク試験II>
図2に示した配管系統において、F蒸発器7の入口側の配管に設置した試験弁101を、φ0.1mmのピンホールに相当する開度だけ開き、F蒸発器7の近辺に設置した冷媒ガス漏れ検知センサによるガス濃度を計測し、また、R蒸発器6、F蒸発器7それぞれに対する配管R,Fの入口側と出口側に設置した温度センサにより冷媒温度を測定した。冷媒ガス濃度及び温度の測定データは、表1及び表3に示すものであり、また、時間的な変化のグラフは図4及び図6に示すものである。
【0055】
・F冷却系統のリーク試験は、F冷却モードの運転開始後、約23分後に強制的にF冷却系リーク試験弁101をφ0.1mmのピンホールに相当する開度だけ開くことによって行った。
【0056】
・試験弁101の開放直後は、F蒸発器7の入口温度が低下しだし、入口・出口温度差は最大10K開いた。この段階で、図6の上側のグラフから分るように、冷媒の実際のリークは生じていない。
【0057】
・1回目のR冷却モードでは、運転中の全範囲(約16分)でR蒸発器6の出口温度が上昇し、かつ入口温度が低下する(アンダーチャージ現象の挙動)ため、この異常な挙動によって約16Kの温度差が発生した。この段階でも、冷媒の実際のリークは生じていない。
【0058】
・2回目のF冷却モードでは、1回目のR冷却モードでの挙動と同様の挙動により、F蒸発器7の入口・出口温度差が約10K生じた。この段階でも、冷媒の実際のリークは生じていない。
【0059】
・2回目のR冷却モードでは、F蒸発器7の試験弁101より冷媒が冷凍室3,4にリークを始め、冷媒ガス濃度が約20%(LEL)に達した。
【0060】
・なお、図示していないが、冷媒ガス濃度が100%(LEL)に達するのは、試験Iの場合と同様に、3回目のR冷却モードの直前にコンプレッサ14が停止した時であった。
【0061】
以上より、F蒸発器7に対する配管Fの途上にピンホールが発生すれば、図4及び図6のグラフのように、F冷却動作中であれば、孔開き直後からF蒸発器入口温度が通常値よりも約5〜10℃低下し、またF蒸発器入口温度と出口温度との温度差が通常値(ほぼ0℃)から約10℃以上の差に開くことになる。加えて、異常温度あるいは温度差が時間的に継続する。
【0062】
そこで、図7、図8の表に示すように、次の判断基準により冷媒リークの恐れのある配管孔開き発生をリーク発生前に発見することができることになる。
【0063】
(I-1)R蒸発器6の入口温度を監視し、通常値から所定値以上離れた異常値を検出した時に冷媒リーク有と判断する。
【0064】
(I-2)R蒸発器6の入口温度と出口温度とを監視し、それらの温度差が通常値から離れたならば冷媒リークと判断する。
【0065】
(I-3)上の(I-1),(I-2)の判断に時間的要素を加味して判断する。
【0066】
(II-1)F蒸発器7の入口温度を監視し、通常値から所定値以上離れた異常値を検出した時に冷媒リーク有と判断する。
【0067】
(II-2)F蒸発器7の入口温度と出口温度とを監視し、それらの温度差が通常値から離れたならは冷媒リークと判断する。
【0068】
(II-3)上の(II-1),(II-2)の判断に時間的要素を加味して判断する。
【0069】
以上のリーク試験の結果と考察を踏まえ、本発明の1つの実施の形態の冷蔵庫では、図9、図10に示すように、R蒸発器6、F蒸発器7の入口側において冷蔵室配管R、冷凍室配管F上に温度センサ22FR,23FRそれぞれをセンサ固定具24FR,25FRそれぞれによって取付け、あるいは別の実施の形態では、R蒸発器6、F蒸発器7の入口側と出口側との両方において冷蔵室配管R、冷凍室配管F上に温度センサ22FR,22RR(22FRと同じもの);23FR,23RRそれぞれをセンサ固定具24FR,24RR(24FRと同じもの);25FR,25RRそれぞれによって取付け、その温度信号をコントローラ30において監視し、冷媒リークを判定する機能を持たせている。
【0070】
本発明の1つの実施の形態におけるコントローラ30の機能構成は、図11に示すものである。コントローラ30は上述した冷凍、冷蔵制御を行う冷却制御部31と共に、冷媒リーク監視のために温度監視部32、リーク判定部33、警報部34から構成されている。
【0071】
本実施の形態のリーク監視のための温度センサ22FRは冷蔵室配管RにおけるR蒸発器6の入口側に設置され、温度センサ23FRは冷凍室配管FにおけるF蒸発器7の入口側に設置されている。
【0072】
温度監視部32は、これらのR蒸発器入口側温度センサ22FR、F蒸発器入口側温度センサ23FRの温度検出信号を所定周期で入力してデータ化して時系列的に記憶すると共に、過去の一定期間の温度データの移動平均を各運転モードごとに周期的に算出して保持する。
【0073】
リーク判定部33は、温度監視部32の現在データと直前の移動平均温度とを比較し、リーク発生の判定(実際には、上述したように「孔開き発生の判定」であるが、ここでは、これも含めて「リーク発生の判定」という)を行い、リーク発生と判定した時には警報部34に出力すると共に、冷却制御部31に出力する。
【0074】
警報部34はブザー又はブザーと共に警報ランプを備え、リーク判定部33がリーク発生判定を出力した時にブザーを鳴らし又はそれと共に警報ランプを点灯させてリーク発生を警報する。
【0075】
冷却制御部31は、リーク判定部33がリーク有と判定した時に、3方弁17を閉じ、コンプレッサ14を運転することによって配管R,F内の冷媒を高圧側に回収してコンプレッサ14の弁と3方弁17との間に閉じ込め、また、例えば光プラズマ殺菌器、自動製氷器、除霜ヒータ等を停止し、扉スイッチ、庫内灯の電源回路を切る等により引火の可能性がある電気部品の動作を禁止する。
【0076】
次に、上記の機能構成のコントローラ30による冷媒リーク判定動作を、図12のフローチャートを用いて説明する。図1に示した冷凍冷蔵庫のような冷蔵庫では、R冷却系統とF冷却系統との両方において冷媒リークを監視しなければならない。そこで、R蒸発器6の入口側の配管上に温度センサ22FRを設置し、F蒸発器7の入口側の配管上に温度センサ23FRを設置し、これらの温度信号を温度監視部32に取込み、温度の時間的挙動を観測する。そして、リーク判定部33が温度監視部32の求めたR蒸発器6の入口側温度、F蒸発器7の入口側温度に基づき、次の判定基準により冷媒リークの有無を判定する(ステップS1〜S3)。
【0077】
・R蒸発器6の入口温度に関しては、R冷却モードにおいて、前回の同モード中の平均温度よりも7℃以上低下した場合にリーク発生と判定する。
【0078】
・F蒸発器7の入口温度に関しては、F冷却モードにおいて、前回の同モード中の平均温度よりも7℃以上低下した場合にリーク発生と判定する。
【0079】
こうしてリーク判定部33が「冷媒リーク有」と判定すると、警報部34に対して警報指令を出力し、また冷却制御部31に対して引火防護指令を出力する(ステップS4,S5)。
【0080】
これにより、本実施の形態の冷蔵庫では、冷媒リークを実際に冷媒のリークが起る前の段階、つまり、冷媒配管にピンホールが発生し、まだ外気を配管内に吸込むというアンダーチャージ現象が発生している段階でその孔開きを発見してリーク防護制御を行うことができる。しかも、冷媒配管上のR蒸発器6、F蒸発器7それぞれの入口側に設置した温度センサ22FR,23FRの検出信号に基づいてリーク判定を行うため、コスト的にも有利なものにできる。
【0081】
次に、本発明の第2の実施の形態の冷蔵庫について、図13及び図14を用いて説明する。第2の実施の形態の特徴は、コントローラ30が、第1の実施の形態のリーク判定機能に時間的要素を加味してリーク判定を行うことにより、より信頼性の高い冷媒リーク判定を行うようにした点にある。
【0082】
すなわち、温度監視部32において、R蒸発器6、F蒸発器7それぞれの配管R,Fの入口側に設置した温度センサ22FR,23FRの温度信号を入力して現在温度データを得ると共に、毎回のR冷却モード、F冷却モードそれぞれでの温度平均を演算して保持する(ステップS11)。そして、リーク判定部33は、R冷却モード中のR蒸発器6の入口側の冷媒温度が前回の平均温度よりも5℃以上低下している場合には、タイマ35を起動させて継続時間を計測する(ステップS12〜S14)。そして、入口側温度が20分以上継続して通常温度よりも5℃以上高くなっていれば、リーク発生と判定する(ステップS15)。
【0083】
リーク判定部33はまた、F冷却モード中のF蒸発器7の入口側の冷媒温度が前回の平均温度よりも5℃以上低下している場合にも、タイマ35を起動させて継続時間を計測する(ステップS12〜S14)。そして、入口側温度が20分以上継続して通常温度よりも5℃以上高くなっていれば、リーク発生と判定する(ステップS15)。
【0084】
そしてリーク有と判定すれば、第1の実施の形態の場合と同様に、警報部34を作動させると共に、冷却制御部31により防護制御を行わせる(ステップS17)。
【0085】
なお、ステップS12で現在温度が平均温度よりも5℃以上低下していると判断し、タイマ35をいったん起動させても、タイムアップ前に現在温度の低下が5℃以内に収るようになればタイマをリセットし、温度監視を最初からやり直すことになる(ステップS18)。
【0086】
これにより、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の効果を有する上に、時間要素を考慮するため、冷媒リークの判定の信頼性をより高めることができる。
【0087】
次に、本発明の第3の実施の形態の冷蔵庫について、図15及び図16を用いて説明する。第3の実施の形態の特徴は、コントローラ30において、R蒸発器6、F蒸発器7それぞれの入口側、出口側の温度差を監視し、冷媒リークを判定することを特徴とする。
【0088】
そのため、コントローラ30は上述した冷凍、冷蔵制御を行う冷却制御部31と共に、入口・出口温度差を求める温度比較器36、リーク判定部37、そして第1の実施の形態と同様の警報部34から構成されている。
【0089】
本実施の形態のリーク監視のための温度センサ22FRは冷蔵室配管RにおけるR蒸発器6の入口側に設置され、温度センサ22RRは出口側に設置されている。また温度センサ23FRは冷凍室配管FにおけるF蒸発器7の入口側に設置され、温度センサ23RRは出口側に設置されている。
【0090】
温度比較部36は、これらのR蒸発器入口側温度センサ22FR、出口側温度センサ22RRの温度検出信号を所定周期で入力して温度差を求め、またF蒸発器入口側温度センサ23FR、出口側温度センサ23RRの温度検出信号を所定周期で入力して温度差を求める。
【0091】
リーク判定部37は、温度比較部36のR蒸発器6、F蒸発器7それぞれの入口・出口温度差を所定値と比較し、リーク発生の判定(ここでも、実際には「孔開き発生の判定」である)を行い、リーク有と判定した時には警報部34に出力すると共に、冷却制御部31に出力する。
【0092】
警報部34は第1、第2の実施の形態と同様、ブザー又はブザーと共に警報ランプを備え、リーク判定部37がリーク有と判定した時にブザーを鳴らし又はそれと共に警報ランプを点灯させてリーク発生を警報する。
【0093】
冷却制御部31は第1、第2の実施の形態と同様、リーク判定部37がリーク有と判定した時に、3方弁17を閉じ、コンプレッサ14を運転することによって配管R,F内の冷媒を高圧側に回収してコンプレッサ14の弁と3方弁17との間に閉じ込め、また、例えば光プラズマ殺菌器、自動製氷器、除霜ヒータ等を停止し、扉スイッチ、庫内灯の電源回路を切る等により引火の可能性がある電気部品の動作を禁止する。
【0094】
次に、上記の機能構成のコントローラ30による冷媒リーク判定動作を、図16のフローチャートを用いて説明する。図1に示した冷凍冷蔵庫では、R冷却系統とF冷却系統との両方において冷媒リークを監視するため、R蒸発器6、F蒸発器7それぞれの入口・出口温度差の時間的挙動を観測する。そして、リーク判定部37が温度比較部36の求めたR蒸発器6、F蒸発器7それぞれにおける入口・出口温度差に基づき、次の判定基準により冷媒リークの有無を判定する(ステップS21〜S23)。
【0095】
・R蒸発器6の入口・出口温度差に関しては、R冷却モードにおいて、15℃以上の温度差が発生すればリーク発生と判定する(ステップS23,S24)。
【0096】
・また、F蒸発器7の入口・出口温度差に関しては、F冷却モードにおいて、10℃以上の温度差が発生すればリーク発生と判定する(ステップS23,S24)。
【0097】
こうしてリーク判定部37が「冷媒リーク有」と判定すると、警報部34に対して警報指令を出力し、また冷却制御部31に対して引火防護指令を出力する(ステップS25,S26)。
【0098】
これにより、第3の実施の形態の冷蔵庫でも、冷媒リークを実際に冷媒のリークが起る前の段階、つまり、冷媒配管にピンホールが発生し、まだ外気を配管内に吸込むというアンダーチャージ現象が発生している段階でその孔開きを発見してリーク防護制御を行うことができる。しかも、冷媒配管上のR蒸発器6、F蒸発器7それぞれの入口側、出口側に設置した温度センサ22FR,22RR;23FR,23RRによる温度差に基づいてリーク判定を行うため、コスト的にも有利なものにできる。また、温度差によるリーク判定のため、入口側だけに温度センサを設置し、その検出温度だけでリーク判定する場合よりも判定の信頼性を高めることができる。
【0099】
次に、本発明の第4の実施の形態の冷蔵庫について、図17及び図18を用いて説明する。第4の実施の形態の特徴は、図17に示したコントローラ30が、第3の実施の形態のリーク判定機能に時間的要素を加味してリーク判定を行うことにより、より信頼性の高い冷媒リーク判定を行うようにした点にある。
【0100】
すなわち、温度比較部36において、R蒸発器6、F蒸発器7それぞれの配管R,Fの入口側、出口側に設置した温度センサ22FR,22RR;23FR,23RRの温度信号を入力して入口・出口温度差を検出する(ステップS31,S32)。
【0101】
そして、リーク判定部37は、R冷却モード中のR蒸発器6の入口・出口温度差が所定値、例えば、10℃以上に大きい場合には、タイマ35を起動させて継続時間を計測する(ステップS33,S34)。そして、入口・出口温度差が5分以上継続して所定値よりも高くなっていれば、リーク発生と判定する(ステップS35,S36)。
【0102】
リーク判定部37はまた、F冷却モード中のF蒸発器7の入口・出口温度差が所定値、例えば、5℃以上に大きい場合には、タイマ35を起動させて継続時間を計測する(ステップS33,S34)。そして、入口・出口温度差が5分以上継続して所定値よりも高くなっていれば、リーク発生と判定する(ステップS35,S36)。なお、この場合、コンプレッサ17の停止後に始めるF冷却モードでは、そのF冷却モードの再開直後には平常時でも約7,8K程度の温度差が発生するため、通常時にこの温度差が解消する時間だけ、例えば、20分だけ時間が経過した後にリーク判定を行う設定にするのが好ましい。
【0103】
そしてリーク判定部37はリーク有と判定すれば、第1の実施の形態の場合と同様に、警報部34を作動させると共に、冷却制御部31により防護制御を行わせる(ステップS38)。
【0104】
なお、ステップS33で温度差が所定値よりも大きくなっていると判断し、タイマ35をいったん起動させても、タイムアップ前にその温度差が所定値内に収るようになればタイマ35をリセットし、温度監視を最初からやり直すことになる(ステップS39)。
【0105】
これにより、第4の実施の形態では、第3の実施の形態と同様の効果を有する上に、時間要素を考慮するため、冷媒リーク判定の信頼性をより高めることができる。
【0106】
なお、上記の各実施の形態で用いた温度基準値、時間基準値は例示したものであり、冷蔵庫の容量、グレードによって製品機種ごとに個別に実験によって設定するものであるので、例示した値に限定されることはない。
【0107】
また、上記の各実施の形態では2蒸発器、パラレルサイクルの冷凍冷蔵庫について説明したが、本発明思想は、例えば、冷蔵室蒸発器のみを有する冷蔵庫、冷凍室蒸発器のみを有する冷凍庫、さらには上記実施の形態とは異なる冷凍サイクルを有する冷凍冷蔵庫等であっても、HC冷媒を利用する冷蔵庫に広く適用することができる。
【0108】
また、上記の各実施の形態では、R冷却系、F冷却系の両方に等しく温度センサを設置して冷媒リーク判定を各系統で個別に行うようにしたが、これも限定されることはなく、R冷却系、F冷却系のいずれか一方だけに、その蒸発器の入口側のみにあるいは入口側と出口側との両方に温度センサを設置し、上記の各実施の形態の判定条件によってリーク判定するようにしてもよい。例えば、F冷却系だけに温度センサを設置し、R冷却モードの際にも上記のF冷却モードの時に利用した判定条件をそのまま流用してリーク判定するようにしてもよい。また、新たな判定条件を実験から求めて設定するようにしてもよい。
【0110】
【発明の効果】
請求項の発明によれば、冷凍冷蔵庫において、冷媒が実際にリークを始める前の段階で確実に冷媒配管上のピンホールの発生を検出することができる。また、温度センサによる冷媒リーク判定であるため、ガス漏れ検知センサよりもコスト的に低く抑えることができる。また、請求項1の発明によれば、冷凍室蒸発器の入口側、出口側の冷媒温度の温度差に基づき、冷媒リークの有無の信頼性の高い判定を行うことができる。加えて、請求項1の発明によれば、入口・出口温度と共にその温度差の継続時間を考慮することにより、冷媒リーク有無の信頼性のより高い判定を行うことができる。
【0111】
請求項の発明によれば、冷媒リーク監視手段が冷媒リーク有と判定した時に、実際に冷媒がリークを始める前に庫内にリークしない場所に冷媒を封止することにより、冷媒ガスの実際のリークを確実に予防できる。
【0112】
請求項の発明によれば、冷媒リーク監視手段が冷媒リークと判定した時に、警報によってユーザに知らせることができる。
【0113】
請求項の発明によれば、冷媒リーク監視手段が冷媒リークと判定した時に、実際に冷媒が庫内にリークし始める前に冷媒ガスに着火させる恐れのある電気部品を停止させ、確実に引火を予防することができる。
【0114】
請求項の発明によれば、冷媒リーク監視手段が冷媒リーク有と判定した時に、実際に冷媒がリークを始める前に庫内にリークする可能性のきわめて少ない場所であるコンプレッサの吐出側から冷媒分流手段までの配管部分に冷媒を封止し、実際のリークを防止することができる。
【0115】
請求項の発明によれば、冷媒リーク監視手段が冷媒リーク有と判定した時に、実際に冷媒がリークを始める前に庫内にリークする可能性のきわめて少ない場所であるコンプレッサの吐出側から凝縮器とキャピラリとの間に設けた封止弁までの配管部分に冷媒を封止し、実際のリークを防止することができる。
【0117】
請求項の発明によれば、冷凍室蒸発器の入口側、出口側の冷媒温度の温度差と共にその温度差の継続時間を考慮することにより、冷媒リーク有無の信頼性のより高い判定が行える。
【0119】
請求項の発明によれば、冷媒配管における冷凍室蒸発器の入口側と出口側の冷媒の温度差が5分間継続して5K以上であった時に冷媒リークと判定することにより、冷媒リークの正確な判定が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態の冷凍冷蔵庫の断面図。
【図2】上記の実施の形態における冷凍サイクルの配管系統図。
【図3】上記の実施の形態における各種運転モードの説明図。
【図4】2蒸発器、パラレルサイクル冷凍冷蔵庫における通常運転時、冷蔵室蒸発器側の冷媒リーク孔発生時の冷蔵室蒸発器、冷凍室蒸発器それぞれの入口側、出口側の冷媒温度の時間変化を示すグラフ。
【図5】2蒸発器、パラレルサイクル冷凍冷蔵庫における冷蔵室蒸発器側配管上での冷媒リーク発生時の冷媒濃度の時間変化を示すグラフ、及び、冷蔵室蒸発器、冷凍室蒸発器それぞれの入口側、出口側の冷媒温度の時間変化を示す拡大グラフ。
【図6】2蒸発器、パラレルサイクル冷凍冷蔵庫における冷凍室蒸発器側配管上での冷媒リーク発生時の冷媒濃度の時間変化を示すグラフ、及び、冷蔵室蒸発器、冷凍室蒸発器それぞれの入口側、出口側の冷媒温度の時間変化を示す拡大グラフ。
【図7】2蒸発器、パラレルサイクル冷凍冷蔵庫における冷蔵室蒸発器側の冷媒リーク発生の判定方法を示す説明図。
【図8】2蒸発器、パラレルサイクル冷凍冷蔵庫における冷凍室蒸発器側の冷媒リーク発生の判定方法を示す説明図。
【図9】本発明の各実施の形態において、冷蔵室蒸発器側の冷媒配管上への温度センサの取付け方法を示す分解斜視図。
【図10】本発明の各実施の形態において、冷凍室蒸発器側の冷媒配管上への温度センサの取付け方法を示す分解斜視図。
【図11】本発明の第1の実施の形態において採用するコントローラの機能構成を示すブロック図。
【図12】上記の第1の実施の形態においてコントローラの行う冷媒リーク判定のフローチャート。
【図13】本発明の第2の実施の形態において採用するコントローラの機能構成を示すブロック図。
【図14】上記の第2の実施の形態においてコントローラの行う冷媒リーク判定のフローチャート。
【図15】本発明の第3の実施の形態において採用するコントローラの機能構成を示すブロック図。
【図16】上記の第3の実施の形態においてコントローラの行う冷媒リーク判定のフローチャート。
【図17】本発明の第4の実施の形態において採用するコントローラの機能構成を示すブロック図。
【図18】上記の第4の実施の形態においてコントローラの行う冷媒リーク判定のフローチャート。
【符号の説明】
1 冷蔵室
2 野菜室
3 切替え室
4 冷凍室
5 仕切板
6 冷蔵室蒸発器(R蒸発器、Rエバ)
7 冷凍室蒸発器(F蒸発器、Fエバ)
14 コンプレッサ
15 コンデンサ
17 3方弁
18 冷蔵室キャピラリ(Rキャピラリ)
19 冷凍室キャピラリ(Fキャピラリ)
20 アキュムレータ
21 逆止弁
30 コントローラ
31 冷却制御部
32 温度監視部
33 リーク判定部
34 警報部
35 タイマ
36 温度比較部
37 リーク判定部
100 試験弁
101 試験弁

Claims (8)

  1. コンプレッサ、凝縮器、当該凝縮器からの冷媒を冷凍室側・冷蔵室側の一方又は両方に選択して流通させる冷媒分流手段、冷凍室側キャピラリ、冷蔵室側キャピラリ、冷凍室蒸発器、冷蔵室蒸発器を備える2蒸発器構成であって、可燃性冷媒を封入した冷蔵庫において、
    前記冷凍室蒸発器の入口側と出口側とのそれぞれに流れる冷媒の温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサによる温度変化を監視し、所定の条件に照らして冷媒リークを判定する冷媒リーク監視手段とを備え、
    前記冷媒リーク監視手段は、前記コンプレッサを停止した後に当該コンプレッサを再起動して冷凍室冷却モードに移行した時に、予め設定した時間が経過した後の前記冷凍室蒸発器の入口側と出口側とのそれぞれに流れる冷媒の温度差が所定値を超えた時に冷媒リーク有りと判定することを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記冷媒リーク監視手段が冷媒リークと判定した時に、前記冷媒を冷媒配管上における冷凍室及び冷蔵室にリークしない場所に封じ込める冷媒封止手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記冷媒リーク監視手段が冷媒リークと判定した時に、警報を発する警報手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記冷媒リーク監視手段が冷媒リークと判定した時に、所定の電気部品の動作を停止させる電気部品停止手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の冷蔵庫。
  5. 前記冷媒封止手段は、前記冷媒分流手段を閉じ、前記コンプレッサを所定時間運転させ、前記冷媒を冷凍サイクルにおける当該コンプレッサの吐出から前記冷媒分流手段までの高圧部に封止することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の冷蔵庫。
  6. 前記冷媒封止手段は、冷媒配管上における前記凝縮器とキャピラリとの間に設けた封止弁を閉じ、前記コンプレッサを所定時間運転させ、前記冷媒を冷凍サイクルにおける当該コンプレッサの吐出から前記封止弁までの高圧部に封止することを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
  7. 前記冷媒リーク監視手段は、前記入口側、出口側の冷媒温度の温度差が所定時間継続して所定値を超えた時に冷媒リークと判定することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の冷蔵庫。
  8. 前記温度センサは、前記冷凍室蒸発器の入口側と出口側に設置し、前記冷媒リーク監視手段は、前記温度差が5分間継続して5K以上であった時に冷媒リークと判定することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の冷蔵庫。
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