JP4202407B2 - ピロリン酸センサおよびそれを用いたsnpタイピングセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、試料溶液中のピロリン酸を簡便かつ高感度で測定するセンサおよび方法、ならびにそれを用いたSNPタイピングセンサおよびSNPタイピング方法に関する。
ピロリン酸は、細胞内における酵素反応に深く関与していることが知られている。例えば、蛋白質の合成過程において、アミノ酸がアミノアシルアデニル酸を経由してアミノアシルtRNAを形成する反応においてピロリン酸が生成される。また、例えば、植物などに見られるデンプン合成の過程では、グルコース−1−リン酸とATPとの反応によってADP−グルコースが生成される際に、ピロリン酸が生成される。これら以外にも、種々の酵素反応においてピロリン酸が関与していることが知られている。従って、ピロリン酸を定量的に検出する技術は、細胞状態、あるいは上記の酵素反応等を解析する上で重要な技術である。
従来のピロリン酸測定方法として、Grindleyらの化学的方法(非特許文献1参照が知られている。しかし、この方法では濃硫酸を用いるので、好ましくない。
特許文献1では、濃硫酸などの薬品を用いずに、酵素を利用した三種類のピロリン酸測定方法が開示されている。それらに関して以下に説明する。
第1の方法は、ピロリン酸をホスホエノ−ルピルビン酸およびアデノシン一リン酸の存在下で、ピルベートオルソホスフェートジキナーゼを作用させる方法である。この反応によってピルビン酸が生成されるので、ピルビン酸の量を測定することによってピロリン酸の量を算出することができる。なお、ピルビン酸の量を測定する方法は二種類の方法が提案されている。1つは、ラクテートデヒドロゲナーゼの触媒作用を利用してピルビン酸をNADHで還元する際に、NADHの減少を比色定量する方法である。もう1つは、生成したピルビン酸にピルベートオキシダーゼを作用させて生成する過酸化水素を色素に導くことによって比色定量する方法である。
第2の方法は、ピロリン酸をシチジン二リングリセロールの存在下でグリセロール−3−ホスフェートシチジルトランスフェラーゼに作用させる方法である。この反応によってグリセロール三リン酸が生成される。従って、グリセロール三リン酸の生成量を測定することでピロリン酸の量を算出することができる。グリセロール三リン酸の量を測定する方法は二種類の方法が提案されている。1つは、グリセロール−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼの触媒作用を利用してグリセロール三リン酸をNAD(P)+で酸化する際に、
NAD(P)Hの増加を比色定量する方法である。もう1つは、生成したグリセロール三リン酸にグリセロール−3−ホスフェートオキシダーゼを作用させて生成する過酸化水素を色素に導きこれを比色定量する方法である。
第3の方法は、ピロリン酸をシチジン二リン酸リビトールの存在下でリビトール−5−ホスフェートシチジルトランスフェラーゼを作用させる方法である。この反応によってD−リビトール−5−リン酸が生成されるため、その生成量を測定することでピロリン酸量を測定することができる。D−リビトール−5−リン酸を測定する方法は、NAD+(ま
たはNADP+)の存在下でリビトール−5−ホスフェートデヒドロゲナーゼを作用させ
てNADH(またはNADPH)の増加を比色定量する方法が提案されている。
その他にも特許文献2には、ピロホスファターゼによりピロリン酸をリン酸に加水分解した後、プリンヌクレオシドホスホリラーゼによりリン酸をイノシンまたはキサントシンと反応させ、生じたヒポキサンチンをキサンチンオキシダーゼにより酸化してキサンチンとし、さらに酸化して尿酸を生成させ、このキサンチンオキシダーゼによる酸化過程で生じる過酸化水素をペルオキシダーゼを用いて発色剤を発色させる方法が示されている。
しかしながら、これらのピロリン酸の測定方法ではサンプルの吸光度もしくは発色を測定するため、光学系を含む比較的大きな装置を用いる必要がある。
一方、核酸の伸長反応もピロリン酸が関与する重要な生体反応の一種である。
近年、遺伝子情報に関する技術が盛んに開発されている。医療分野では、疾患関連遺伝子を解析することにより、疾患の分子レベルでの治療が可能となってきている。また、遺伝子診断により、患者個人ごとに対応したテーラーメード医療も可能となってきた。製薬分野においては、遺伝子情報を使用して、抗体やホルモンなどのタンパク分子を特定し、薬品として利用している。農業や食品分野などにおいても、多くの遺伝子情報を利用した製品が作り出されている。
これらの遺伝子情報の中でも、遺伝子多型は特に重要である。我々の顔や体型などが様々であるように、一人一人の遺伝子情報もかなりの部分で異なっている。これらの遺伝情報の違いのうち、塩基配列の変化が人口の1%以上の頻度で存在するものを遺伝子多型と呼んでいる。これらの遺伝子多型が、個人の顔かたちだけでなく、様々な遺伝子疾患の原因や、体質、薬剤応答性、薬剤の副作用などに関連していると言われ、現在この遺伝子多型と疾患などとの関連が急速に調べられている。
この遺伝子多型の中で、近年、特に注目されているのがSNP(Single nucleotide polymorphism)である。SNPは、遺伝子情報の塩基配列の中で、一塩基のみが異なっている遺伝子多型のことを指す。SNPはヒトゲノムDNA内に2〜3百万あると言われており、遺伝子多型のマーカーとして利用しやすく、臨床への応用が期待されている。現在では、SNP関連技術として、ゲノム中のSNPの位置同定およびSNPと疾患との関連性等の研究とともに、SNP部位の塩基を判別するSNPタイピング技術の開発が行われている。
SNPタイピングの技術は、ハイブリダイズを利用したもの、制限酵素を利用したもの、リガーゼ等の酵素を利用したもの等様々な種類のものがある。それらの技術のうち、最も簡便な技術としてプライマー伸長反応を利用するものがある。この技術では、プライマー伸長反応が起こるか否かを判定することによって、SNPタイピングを行なう。
プライマー伸長反応を利用したSNPタイピング技術の検出には、実際のDNAの増幅産物を蛍光色素を用いて検出する方法や、固定化プローブを用いる方法の他に、DNAポリメラーゼによる核酸合成の副産物であるピロリン酸を検出する方法も考案されている。この方法では、伸長反応の進行の差を検出するために、プライマー伸長反応の進行に伴って生成されるピロリン酸をATPに変換し、その後ルシフェラーゼ反応を利用してピロリン酸の量を測定する方法を用いている(非特許文献2を参照)。
さらに特許文献3には、ピロリン酸を測定することによって、試料液中の目的核酸を高感度で測定する方法や、SNPを簡便にタイピングする方法が開示されている。特許文献3によると、DNAのSNP配列に相補的な配列を持ち、かつSNP部位を有するDNAプローブと、DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオチドを含む反応系に試料を供して、PCR(Polymerase Chain Reaction)反応によって、DNAプローブを伸長させ、DNAプローブの伸長反応に伴って生成されるピロリン酸をピロホスファターゼによって無機リン酸へと変換し、さらにグリセルアルデヒド−3−リン酸、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ジアホラーゼおよび電子メディエータとしてフェリシアン化カリウムを含む測定系を用いて、最終的には電極で電流値を測定することによって、DNAのSNP配列をタイピングする方法が示されている。この方法によれば、ピロリン酸を含む試料を測定系に加えてから、100秒以内にSNP配列が判別可能であることが述べられている。
この方法では、ピロリン酸の測定およびSNPのタイピングは、電子メディエータの酸化還元反応を電気化学的に測定することによって可能であり、光学系を必要としない簡便かつ高感度な方法として開示されている。
このようなピロリン酸の測定およびSNPのタイピングでは、センサ基板上に必要な試薬を乾燥担持しておくことによって、センサチップを小型化することができ、さらには非常に簡便な操作で測定が可能となる。
特許文献4には、試薬乾燥担持型のバイオセンサにおいて、緩衝剤成分と酵素を同時に担持する場合、それぞれを分離して配置することによって、酵素活性の低下を防ぐことが可能であることが開示されている。
特開昭61−12300号公報 特開2002−369698号公報 国際公開第03/078655号パンフレット 特開平7−83872号公報 G.B.Grindley and C.A.Nichel, Anal.Biochem,.vol33.p114(1970) J.ImmunologicalMethod,156,55−60,1992
しかしながら、上述したピロリン酸の測定およびそれを用いたSNPタイピングでは、さらに多くの試薬を用いるため、緩衝液成分と酵素を分離して配置し乾燥担持するだけでは、安定した特性がでないという課題を有していた。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、試料溶液中のピロリン酸を簡便かつ高感度で検出するセンサおよび方法、ならびにそれを用いたSNPタイピングセンサおよびSNPタイピング方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係るピロリン酸センサは、
絶縁性の基板と、
前記絶縁性の基板上に形成された少なくとも測定極と対極からなる電極系と
を備え
ロホスファターゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ジアホラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸、ヌクレオチド類、電子メディエータ、および緩衝液成分が前記基板上に担持されており、
前記ピロホスファターゼが前記緩衝液成分から分離されており、
前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼが前記緩衝液成分から分離されており、
前記グリセルアルデヒド−3−リン酸が、前記緩衝液成分、前記ピロホスファターゼ、および前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼのいずれからも分離されており、
前記ヌクレオチド類は、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、またはこれらの組み合わせである。
このピロリン酸センサによって試料溶液中のピロリン酸の濃度を測定する本発明に係る方法は、以下の工程を包含する:
前記試料溶液を前記基板上に滴下する工程、
前記電極系に流れる電流値を測定する工程、および
前記電流値から前記試料溶液中のピロリン酸の濃度を定量する工程。
前記ヌクレオチド類が、前記ピロホスファターゼ、前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、前記グリセルアルデヒド−3−リン酸、および前記緩衝液成分のいずれからも分離されていることが好ましい
第1の反応試薬層および第2の反応試薬層をさらに備え、
前記第1の反応試薬層は、前記緩衝液成分を含み、
前記第2の反応試薬層は、前記ピロホスファターゼおよび前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼを含み、
前記基板の法線方向から見た場合に前記第1の反応試薬層と前記第2の反応試薬層とが分離されていることが好ましい。
第1の反応試薬層および第2の反応試薬層をさらに備え、
前記第1の反応試薬層は、前記緩衝液成分を含み、
前記第2の反応試薬層は、前記ピロホスファターゼおよび前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼを含み、
前記基板の法線方向から見た場合に前記第1の反応試薬層と前記第2の反応試薬層とが積層されていることが好ましい。
前記第1の反応試薬層および第2の反応試薬層が、前記測定極上に積層されて形成されていることが好ましい。
上記目的を達成する本発明に係るSNPタイピングセンサは、
絶縁性の基板と、
前記絶縁性の基板上に形成された少なくとも測定極と対極からなる電極系と、
前記電極系を囲うように前記基板上に設置された測定キャビティと、
前記基板上に設置された反応キャビティと、
前記測定キャビティと前記反応キャビティを繋ぐ流路を含み、
ピロホスファターゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ジアホラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸、ヌクレオチド類、電子メディエータ、および緩衝液成分が前記測定キャビティ内に担持されており、
前記ピロホスファターゼが前記緩衝液成分から分離されており、
前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼが前記緩衝液成分から分離されており、
前記グリセルアルデヒド−3−リン酸が、前記緩衝液成分、前記ピロホスファターゼ、および前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼのいずれからもから分離されており、
前記ヌクレオチド類は、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、またはこれらの組み合わせである。
このSNPタイピングセンサによって試料溶液中のDNAのSNPタイピングを行う本発明に係る方法は、以下の工程を包含する:
前記試料溶液を前記反応キャビティに注入する工程、
前記試料溶液を前記反応キャビティから前記流路を介して前記測定キャビティに移動させる工程、
前記電極系に流れる電流値を測定する工程、および
前記電流値から前記試料溶液中のDNAのSNPタイピングを行う工程。
前記ヌクレオチド類が、前記ピロホスファターゼ、前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、前記グリセルアルデヒド−3−リン酸、および前記緩衝液成分のいずれからも分離されていることが好ましい。
前記反応キャビティにおいて、DNA増幅反応を行うことが好ましい。
前記DNA増幅反応が、PCR反応であることが好ましい。
本発明によれば、試料溶液中のピロリン酸を簡便かつ高感度で測定するセンサおよび方法、ならびにそれを用いたSNPタイピングセンサおよびSNPタイピング方法を提供することができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態を示す電極基板の斜視図である。絶縁基板1上には、測定極2、対極3、参照極4が形成されている。それぞれの電極は、金、白金、パラジウムなどの貴金属やカーボンなどから選択することが可能であるが、表面状態の安定性などの観点から金を選択することが望ましい。
参照極4は、溶液中における電位の安定性から、不分極性を示す照合電極を用いることがさらに望ましく、取り扱いの簡便性等から、銀・塩化銀電極を選択することが好ましい。銀・塩化銀電極の形成方法は、金や白金などで形成された電極パターンの参照極4部位上に、銀メッキを施し、塩化ナトリウム水溶液中で電圧を印加して表面を塩化銀化する方法、銀・塩化銀ペースト材料で電極本体を構成する方法、銀ペーストの表面を次亜塩素酸ナトリウム等の水溶液と接触させる方法、等を挙げることができる。
各電極は、導電性パターン5によって、外部回路との接続部分である端子部6と電気的に結合されている。導電性パターン5および端子部6もまた、電極部分と同様の材料で形成されることが、製造工程から見ても望ましい。絶縁基板1上への電極および導電性パターンの形成方法としては、例えば絶縁基板1上への導電性材料の印刷、導電性材料のスパッタリングもしくは蒸着後のフォトリソグラフィを用いたエッチングもしくはレーザーによる除去加工、マスクを用いた電極パターンの直接スパッタリング、等が考えられる。
絶縁基板1としては、シリコン、ゲルマニウム等の半導体、石英ガラス、鉛ガラス、ホウ珪酸ガラスなどのガラス、セラミック、樹脂等を選択することができるが、ディスポーザブルのバイオセンサとしての用途を考えると、加工の容易さやコスト面から考えて、樹脂材料を選択することが望ましい。
樹脂材料としては、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド(PI)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)などを選択することができる。中でも、スパッタリングによる金電極形成の場合は、金との密着性の観点等から、PETを選択することが好ましい。また絶縁基板1の厚みとしては、取り扱いの容易さ等から、好ましくは0.1mm〜2.0mm、さらに好ましくは0.188mm〜1.0mmがよい。
電極基板7は、このままでも使用可能であるが、図2に示すように、電極部分の面積の規定および導電性パターン5の絶縁・保護の観点から、絶縁膜21でコーティングされていてもよい。絶縁膜21としては、例えばポリイミド等の樹脂材料をスピンコートで成膜した後、フォトリソグラフィを用いて電極部分のみを露出させる方法や、あらかじめ電極部分に打ち抜かれた粘着シートを貼付する方法、絶縁性ペースト材料を印刷する方法等を用いることが可能である。
電極基板7は、絶縁膜21の有無に関わらず、試薬の担持を行うことにより、このままでもピロリン酸センサとして使用可能であるが、測定溶液の乾燥やコンタミネーションを防ぐことを目的として、次に示すようにハウジングを行っても良い。
図3は、本発明の一実施の形態を示すピロリン酸センサの斜視図であり、図1に示す電極基板と図4に示すハウジング基板とからなる。本発明によるバイオセンサに用いられるハウジング基板31は、試料液と反応しない材料を選択する必要があり、シリコン、ゲルマニウム等の半導体、石英ガラス、鉛ガラス、ホウ珪酸ガラスなどのガラス、セラミック、樹脂等を選択することができるが、ディスポーザブルのバイオセンサとしての用途を考えると、加工のしやすさやコスト面から考えて、絶縁基板1と同様に樹脂材料を選択することが望ましい。
樹脂材料としては、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド(PI)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリジメチルシルオキサン(PDMS)などを選択することができる。PMMAおよびPCは、透明性がよく内部試料の状態を確認することが可能であり、微細な切削加工等が容易なため、特に好ましい。また、耐熱性が要求される場合は、特にPCが好ましい。
ハウジング基板31上に形成されるキャビティ33の形成方法は、ハウジング基板31が樹脂材料の場合、切削加工の他、金型による成型、熱転写によるエンボス加工などを用いることができる。また、貫通孔を持つシートを張り合わせることでもキャビティ33を形成することが可能である。
こうして形成したキャビティ33を含むハウジング基板31は、電極基板7と接着されるが、ハウジング基板31と電極基板7は、完全に接着もしくは密着し、キャビティ33内部の試料を封止することが好ましい。接着には、例えば、アクリル系やエポキシ系、シリコーンなどの接着剤、両面テープなどの粘着シート等を用いることができる。また、ポリカーボネートのように有機系溶剤に対する耐性が低い材料を用いた場合、クロロホルム等の有機系溶剤をハウジング基板31と電極基板7の界面に流し込み、加圧することによって接着することができる。また、PSやPMMA等の熱可塑性樹脂を用いた場合には、熱融着による方法も用いることが可能である。
ハウジング基板31にはキャビティ32内部に試料を注入するための試料注入孔33が設けられている。試料注入孔33は少なくとも1つあれば良いが、空気の抜ける穴として空気孔34を設けておくと、試料の注入時に使用した以外の空気孔34がキャビティ32内部の空気の逃げ道として機能し、試料を速やかに注入することができるので好ましい。
注入孔33および空気孔34は、キャビティ32に接続されていれば、位置は特に限定されない。キャビティ32内部は、既知の親水性処理が施されていると、試料がより速やかに導入され得る。注入孔33および空気孔34は、試料を注入した後は、粘着テープ等の方法で封止してもよいが、短時間の測定であれば開口状態でも使用され得る。
キャビティ32の内部には、緩衝液成分、電子メディエータ、マグネシウム塩を含む第1の反応試薬層35、ピロホスファターゼおよびグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ジアホラーゼを含む第2の反応試薬層36、グリセルアルデヒド−3−リン酸を含む第3の反応試薬層37、および酸化型ニコチンアミドジヌクレオチドを含む第4の反応試薬層38が担持される。
後述する実施例からも理解されるように、ピロリン酸濃度と電流値との比例関係を発現させると共に、当該比例関係の傾きをより大きくするという点からは、上記のように4つの反応試薬層35〜38に分割することが最も好ましい(実施例のサンプルDを参照)。
上記傾きは小さくなるが、酸化型ニコチンアミドジヌクレオチド(第4の反応試薬層38)と緩衝液成分、電子メディエータ、マグネシウム塩(第1の反応試薬層35)とを同一の反応試薬層に含ませても良い(実施例のサンプルCを参照)。
少なくとも、本発明においては、ピロホスファターゼおよびグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼと緩衝液成分とが分離されているだけでなく、グリセルアルデヒド−3−リン酸と緩衝液成分とが分離されていればよい。
従って、実施例のサンプルBのように、酸化型ニコチンアミドジヌクレオチド(第4の反応試薬層38)と緩衝液成分、電子メディエータ、マグネシウム塩(第1の反応試薬層35)とを同一の反応試薬層に含ませるだけでなく、グリセルアルデヒド−3−リン酸(第3の反応試薬層37)と、ピロホスファターゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、およびジアホラーゼ(第2の反応試薬層36)とを同一の反応試薬層に含ませても良い。ただし、上記比例関係の明瞭性や上記傾きはより小さくなる傾向がある。
電子メディエータとしては、水溶性であって酸化体で安定しているものが望ましく、例えばフェリシアン化カリウムを用いることができる。
マグネシウム塩としては、マグネシウムイオンを含み、水溶性であってpHが中性〜弱アルカリ性のものであれば良く、例えば塩化マグネシウムを用いることができる。
酸化型ニコチンアミドジヌクレオチド(NAD+)に代えて、酸化型ニコチンアミドジヌクレオチドリン酸(NADP+)を用いても良い。また、酸化型ニコチンアミドジヌクレオチド(NAD+)とともに、酸化型ニコチンアミドジヌクレオチドリン酸(NADP+)を用いてもよい。本明細書においては、酸化型ニコチンアミドジヌクレオチド、酸化型ニコチンアミドジヌクレオチドリン酸、これらの組み合わせをそれぞれヌクレオチド類ともいう。
第1の反応試薬層35、第2の反応試薬層36、第3の反応試薬層37、および第4の反応試薬層38が担持される位置は、キャビティ32内部の任意の場所でよいが、第1の反応試薬層35、第2の反応試薬層36、第3の反応試薬層37、および第4の反応試薬層38は、図3で示すように、電極基板7上の分離された位置に担持される。
各反応試薬層35〜38の担時は、所定の位置に一定量の各試薬を含む試薬溶液をそれぞれ滴下し、常温真空乾燥、温風乾燥、凍結乾燥などによって、溶媒である水分を蒸発させることによって行うことができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の一実施の形態を示すピロリン酸センサの断面図である。図5に示したように、第1の反応試薬層35、第2の反応試薬層36、第3の反応試薬層37、および第4の反応試薬層38は、電極基板7上に積層されて担持される。このとき、第1の反応試薬層35、第2の反応試薬層36、第3の反応試薬層37、および第4の反応試薬層38が混合されないようにするために、公知の技術を用いることができる。例えば、第1の反応試薬層を形成する際に、カルボキシメチルセルロース(CMC)のような高分子材料との混合層を形成することによって、第2の反応試薬層36は水溶性の薄膜状とすることができる。次にポリビニルピロリドン(PVP)のような親水性高分子膜を第2の反応試薬層36の上に形成する。次に、第4の反応試薬層38を形成する際には、試薬をPVPが難溶性を示すトルエンのような溶媒に溶解させて滴下することにより、第1の反応試薬層の成分と交じり合うことなく、第4の反応試薬層38が形成される。第3の反応試薬層37と第4の反応試薬層38においても、同様のことを繰り返すことにより各反応試薬層の成分が交じり合うことなく形成できる。PVP膜は水溶性のため、試料溶液の供給により、各反応試薬層35〜38は速やかに混合される。
なお、図3および図5において、各反応試薬層35〜38はそれぞれ電極基板7上に担持したが、キャビティ32内部であればどのような位置に担持されてもよく、ハウジング基板31のキャビティ32側に担持されてもよい。
(実施の形態3)
図6は、本発明の一実施の形態を示すSNPタイピングセンサの斜視図である。図3と同様、電極基板7と、ハウジング基板31とから構成されているが、ハウジング基板31には、測定キャビティ41の他に、PCRキャビティ42、および測定キャビティ41とPCRキャビティ42とを接続する流路43が設けられている。注入孔33から、SNPタイピング測定対象のDNA試料液と共に、DNAのSNP配列に相補的な配列を持ち、かつSNP部位を有するDNAプローブと、DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオチドを含む反応系を注入し、ヒーター等を用いてPCRキャビティ42で温度サイクルを実行することによってPCR反応を行うと、SNPタイピング測定対象のDNAのSNP部位と、SNP部位を有するDNAプローブが相補的であった場合、DNAプローブを伸長させるとともにピロリン酸を生成させることができる。一方、SNPタイピング測定対象のDNAのSNP部位と、SNP部位を有するDNAプローブが非相補的な場合、DNAプローブの伸長は行われず、ピロリン酸は生成しない。その後、PCR反応の終了した試料液を流路43を介して測定キャビティ41に移動させると、SNPタイプに応じたピロリン酸の定量を行うことができ、測定対象のDNAのSNPタイピングが可能となる。また、反応キャビティ42中に、DNAのSNP配列に相補的な配列を持ち、かつSNP部位を有するDNAプローブと、DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオチドを含む反応系を担持しておけば、注入孔34からSNPタイピング測定対象のDNA試料液のみを注入することによって、測定対象のDNAのSNPタイピングが可能となる。
なお、反応キャビティ42から流路43を介して測定キャビティ41へと試料液を移動させる手段としては、シリンジポンプ、プランジャーポンプ、ペリスタポンプ等の外部ポンプ、バイオセンサ上に一体型で組み込むマイクロポンプ、バイオセンサ自体を回転させることによって得られる遠心力等を用いることができる。
(実施例1)
以下、本発明のバイオセンサについてさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
以下、一実施の形態に係る電極基板を用いて、試料溶液中のピロリン酸の測定を行った実施例について説明する。
まず、絶縁基板1として厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートのシートに、スパッタリングによって700オングストロームの金薄膜を形成した。次に、エッチングによって図1に示すごとき測定極2、対極3、参照極4、導電性パターン5、端子6を同時に形成し、所定の大きさに切り出して、電極基板7を作製した。測定極2の電極面積は、2.0mm2であった。
また、上記に従って作製した電極基板7の参照極4表面に、塩化銀ペースト(DB2275 日本アチソン株式会社製)を塗布し、80℃×30分の条件で乾燥し、参照極4表面に銀塩化銀電極を形成した。
次に、測定用試薬の乾燥担持を行った。各試薬は、電極基板7上に2〜4箇所のスポットに分けて滴下した。各スポットに滴下した試薬とスポット位置との関係を表1に示す。
Figure 0004202407
このように、試薬スポットを形成した電極基板7を真空チャンバー内に静置して、室温で30分間真空乾燥を行った。このようにしてピロリン酸センサA〜Dを作製した。
ここで試料溶液として、0μM、50μMおよび100μM ピロリン酸水溶液をそれぞれの電極基板上に20μl滴下し、ピペッティングを行った後、30℃5分間の条件でインキュベートを行い、参照電極4に対して600mVの電位を測定電極2に印加し、そのとき測定電極2に流れた電流値を測定した。
各ピロリン酸濃度における電位印加60秒後の電流値をグラフにしたものを図7に示す。
センサとして利用するためには、それぞれのグラフの傾きが大きく、直線性が良いほうが好ましいことは言うまでもない。
酵素と、その他の試薬を分離しただけのピロリン酸センサA(2スポット)では、バックグランドが高く、定量性が得られなかった。
GAPを酵素と同じスポットに滴下したピロリン酸センサB(2スポット)では、ピロリン酸の濃度に応じた電流値が観察された。
GAPを単独スポットとしたピロリン酸センサC(3スポット)では、グラフの傾きが大きくなった。
さらにNAD+を単独スポットとしたピロリン酸センサD(4スポット)では、いっそ
う傾きが大きくなり、直線性も増した。
(実施例2)
以下、一実施の形態に係るSNPタイピングセンサを用いて、試料溶液中のDNAのSNPタイピングを行った実施例について説明する。
まず、実施例1と同様に、ピロリン酸センサGを作製した。
ただし、ハウジング基板31として、図6に示すごとく、測定キャビティ41の他に、PCRキャビティ42、および測定キャビティ41とPCRキャビティ42とを接続する流路42が設けられているものを使用した。反応試薬層の配置は、実施例1のサンプルC(3スポットタイプ)と同一である。
SNPタイピングのモデルとして、テンプレートとしてControl Template(λDNA)(寶酒造製)を用い、完全マッチプライマーとしてTaKaRa PCR Amplification Kit(寳酒造製)のControl Primer1(5'−GATGAGTTCGTGTCCGTACAACT−3':配列番号1)およびPrimer3(5'−GGTTATCGAAATCAGCCACAGCGCC−3':配列番号2)、一塩基ミスマッチプライマーとして、改変Primer1'(5'−GATGAGTTCGTGTCCGTACAACA−3':配列番号3)およびPrimer3を用いて測定を行った(500bp増幅用)。
注入孔33から、蒸留水 12.4μl、10×Z−TaqTMBuffer 2.0μl、2.5mM each dNTP Mixture 1.6μl、25μg/μl BSA 0.8μl、2.5U/μl TaKaRa Z−TaqTM 0.2μl、および20pmol/μl Primer1およびPrimer3各1.0μl、1μg/ml λDNA 1.0μlおよびを加えた(総量20μl)センサをSNPタイピングセンサX、Primer1の代わりにPrimer1'を加えたセンサをSNPタイピング
センサYとして、PCR反応を、98℃1秒、55℃1秒、72℃10秒の条件で30サイクル行った。PCR反応が終了した溶液を、PCRキャビティ42から流路42を通して測定キャビティ41へと送液し、実施例2と同様に測定した結果を表2に示す。
Figure 0004202407
表2から明らかなように、プライマーとして鋳型であるλDNAの塩基配列と完全に相補的なPrimer1およびPrimer3を用いたSNPタイピングセンサXでは、PCRキャビティ42において行われたPCR反応の進行によって生成されたピロリン酸が測定キャビティ41における電気化学測定によって検出された。一方、SNPタイピングセンサYにおいては、Primer1'の3'末端側が、鋳型であるλDNAの塩基配列と相補的でないため、テンプレートλDNAを鋳型としたPrimer3による伸長反応が行われただけで、PCRによる増幅反応は進行せず、よって電流はほとんど観察されなかった。よって、SNPタイピングセンサXおよびYを用いることによって、SNP部位のモデルである一塩基ミスマッチのタイピングを行うことができた。
本発明によれば、プライマー伸長反応を利用した方法によるピロリン酸の測定方法において、簡便かつ高感度にピロリン酸を検出することが可能であるピロリン酸センサおよび方法ならびにSNPタイピングセンサおよびSNPタイピング方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る電極基板の構造を示す斜視図 本発明の一実施の形態に係る電極基板の構造を示す斜視図 本発明の一実施の形態に係るハウジング基板の構造を示す斜視図 本発明の一実施の形態に係るピロリン酸センサの構造を示す斜視図 本発明の一実施の形態に係るピロリン酸センサの構造を示す断面図 本発明の一実施の形態に係るSNPタイピングセンサの構造を示す斜視図 本発明の一実施の形態の結果を示すグラフ
符号の説明
1 絶縁基板
2 測定電極
3 対極
4 参照電極
5 導電性パターン
6 端子部
7 電極基板
21 絶縁膜
31 ハウジング基板
32 キャビティ
33 注入孔
34 空気孔
35 第1の反応試薬層
36 第2の反応試薬層
37 第3の反応試薬層
38 第4の反応試薬層
41 測定キャビティ
42 PCRキャビティ
43 流路
配列表のフリーテキスト
配列番号1の<223>:プライマー
配列番号2の<223>:プライマー
配列番号3の<223>:プライマー

Claims (18)

  1. 絶縁性の基板と、
    前記絶縁性の基板上に形成された少なくとも測定極と対極からなる電極系と
    を備え、
    ピロホスファターゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ジアホラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸、ヌクレオチド類、電子メディエータ、および緩衝液成分が前記基板上に担持されており、
    前記ピロホスファターゼが前記緩衝液成分から分離されており、
    前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼが前記緩衝液成分から分離されており、
    前記グリセルアルデヒド−3−リン酸が、前記緩衝液成分、前記ピロホスファターゼ、および前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼのいずれからも分離されており、
    前記ヌクレオチド類は、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、またはこれらの組み合わせである、ピロリン酸センサ。
  2. 前記ヌクレオチド類が、前記ピロホスファターゼ、前記グリセルアルデヒド−
    3−リン酸デヒドロゲナーゼ、前記グリセルアルデヒド−3−リン酸、および前記緩衝液成分のいずれからも分離されている、請求項1に記載のピロリン酸センサ。
  3. 第1の反応試薬層および第2の反応試薬層をさらに備え、
    前記第1の反応試薬層は、前記緩衝液成分を含み、
    前記第2の反応試薬層は、前記ピロホスファターゼおよび前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼを含み、
    前記基板の法線方向から見た場合に前記第1の反応試薬層と前記第2の反応試薬層とが分離されている、請求項1に記載のピロリン酸センサ。
  4. 第1の反応試薬層および第2の反応試薬層をさらに備え、
    前記第1の反応試薬層は、前記緩衝液成分を含み、
    前記第2の反応試薬層は、前記ピロホスファターゼおよび前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼを含み、
    前記基板の法線方向から見た場合に前記第1の反応試薬層と前記第2の反応試薬層とが積層されている、請求項1に記載のピロリン酸センサ。
  5. 前記第1の反応試薬層および第2の反応試薬層が、前記測定極上に積層されて
    形成されている、請求項4記載のピロリン酸センサ。
  6. 絶縁性の基板と、
    前記絶縁性の基板上に形成された少なくとも測定極と対極からなる電極系と、
    前記電極系を囲うように前記基板上に設置された測定キャビティと、
    前記基板上に設置された反応キャビティと、
    前記測定キャビティと前記反応キャビティを繋ぐ流路を含み、
    ピロホスファターゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ジアホラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸、ヌクレオチド類、電子メディエータ、および緩衝液成分が前記測定キャビティ内に担持されており、
    前記ピロホスファターゼが前記緩衝液成分から分離されており、
    前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼが前記緩衝液成分から分離されており、
    前記グリセルアルデヒド−3−リン酸が、前記緩衝液成分、前記ピロホスファターゼ、および前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼのいずれからもから分離されており、
    前記ヌクレオチド類は、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、またはこれらの組み合わせである、SNPタイピングセンサ。
  7. 前記ヌクレオチド類が、前記ピロホスファターゼ、前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、前記グリセルアルデヒド−3−リン酸、および前記緩衝液成分のいずれからも分離されている、請求項6に記載のSNPタイピングセンサ。
  8. 前記反応キャビティにおいて、DNA増幅反応を行うことを特徴とする、請求項6に記載のSNPタイピングセンサ。
  9. 前記DNA増幅反応が、PCR反応であることを特徴とする、請求項8記載のSNPタイピングセンサ。
  10. ピロリン酸センサによって、試料溶液中のピロリン酸の濃度を測定する方法であって、
    前記ピロリン酸センサは、
    絶縁性の基板と、
    前記絶縁性の基板上に形成された少なくとも測定極と対極からなる電極系と
    を備え、
    ピロホスファターゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ジアホラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸、ヌクレオチド類、電子メディエータ、および緩衝液成分が前記基板上に担持されており、
    前記ピロホスファターゼが前記緩衝液成分から分離されており、
    前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼが前記緩衝液成分から分離されており、
    前記グリセルアルデヒド−3−リン酸が、前記緩衝液成分、前記ピロホスファターゼ、および前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼのいずれからも分離されており、
    前記ヌクレオチド類は、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、またはこれらの組み合わせであり、
    前記方法は、以下の工程を包含する:
    前記試料溶液を前記基板上に滴下する工程、
    前記電極系に流れる電流値を測定する工程、および
    前記電流値から前記試料溶液中のピロリン酸の濃度を定量する工程。
  11. 前記ヌクレオチド類が、前記ピロホスファターゼ、前記グリセルアルデヒド−
    3−リン酸デヒドロゲナーゼ、前記グリセルアルデヒド−3−リン酸、および前記緩衝液成分のいずれからも分離されている、請求項10に記載の方法。
  12. 第1の反応試薬層および第2の反応試薬層をさらに備え、
    前記第1の反応試薬層は、前記緩衝液成分を含み、
    前記第2の反応試薬層は、前記ピロホスファターゼおよび前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼを含み、
    前記基板の法線方向から見た場合に前記第1の反応試薬層と前記第2の反応試薬層とが分離されている、請求項10に記載の方法。
  13. 第1の反応試薬層および第2の反応試薬層をさらに備え、
    前記第1の反応試薬層は、前記緩衝液成分を含み、
    前記第2の反応試薬層は、前記ピロホスファターゼおよび前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼを含み、
    前記基板の法線方向から見た場合に前記第1の反応試薬層と前記第2の反応試薬層とが積層されている、請求項10に記載の方法。
  14. 前記第1の反応試薬層および第2の反応試薬層が、前記測定極上に積層されて
    形成されている、請求項13に記載の方法。
  15. SNPタイピングセンサによって、試料溶液中のDNAのSNPタイピングを行う方法であって、
    前記SNPタイピングセンサは、
    絶縁性の基板と、
    前記絶縁性の基板上に形成された少なくとも測定極と対極からなる電極系と、
    前記電極系を囲うように前記基板上に設置された測定キャビティと、
    前記基板上に設置された反応キャビティと、
    前記測定キャビティと前記反応キャビティを繋ぐ流路を含み、
    ピロホスファターゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ジアホラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸、ヌクレオチド類、電子メディエータ、および緩衝液成分が前記測定キャビティ内に担持されており、
    前記ピロホスファターゼが前記緩衝液成分から分離されており、
    前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼが前記緩衝液成分から分離されており、
    前記グリセルアルデヒド−3−リン酸が、前記緩衝液成分、前記ピロホスファターゼ、および前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼのいずれからもから分離されており、
    前記ヌクレオチド類は、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、またはこれらの組み合わせであり、
    前記方法は、以下の工程を包含する:
    前記試料溶液を前記反応キャビティに注入する工程、
    前記試料溶液を前記反応キャビティから前記流路を介して前記測定キャビティに移動させる工程、
    前記電極系に流れる電流値を測定する工程、および
    前記電流値から前記試料溶液中のDNAのSNPタイピングを行う工程。
  16. 前記ヌクレオチド類が、前記ピロホスファターゼ、前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、前記グリセルアルデヒド−3−リン酸、および前記緩衝液成分のいずれからも分離されている、請求項15に記載の方法。
  17. 前記反応キャビティにおいて、DNA増幅反応を行うことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  18. 前記DNA増幅反応が、PCR反応であることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
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