JP5193396B2 - ピロリン酸の測定方法およびsnpタイピング方法 - Google Patents

ピロリン酸の測定方法およびsnpタイピング方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5193396B2
JP5193396B2 JP2012529035A JP2012529035A JP5193396B2 JP 5193396 B2 JP5193396 B2 JP 5193396B2 JP 2012529035 A JP2012529035 A JP 2012529035A JP 2012529035 A JP2012529035 A JP 2012529035A JP 5193396 B2 JP5193396 B2 JP 5193396B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
measurement cavity
sample solution
measurement
pyrophosphate
insulating substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012529035A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2012169108A1 (ja
Inventor
浩之 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2012529035A priority Critical patent/JP5193396B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5193396B2 publication Critical patent/JP5193396B2/ja
Publication of JPWO2012169108A1 publication Critical patent/JPWO2012169108A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/84Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving inorganic compounds or pH
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6827Hybridisation assays for detection of mutation or polymorphism
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/28Electrolytic cell components
    • G01N27/30Electrodes, e.g. test electrodes; Half-cells
    • G01N27/327Biochemical electrodes, e.g. electrical or mechanical details for in vitro measurements
    • G01N27/3275Sensing specific biomolecules, e.g. nucleic acid strands, based on an electrode surface reaction

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

本発明は、試料溶液中のピロリン酸を小型センサにおいて高感度かつ安定に測定する方法、ならびにそれを用いたSNPタイピング方法に関する。
近年、体外診断薬を含む分子診断市場は急速な伸びを示しており、遺伝子情報に関連する技術が盛んに開発されている。医療分野では、疾患関連遺伝子を解析することにより、疾患の分子レベルでの治療が可能となってきている。遺伝子解析を用いた診断によって、患者個人ごとに対応したテーラーメード医療も可能となってきた。テーラーメード医療では、薬物治療前の体質診断や感染症の診断を個々の遺伝子情報を解析し、患者個人毎に適切な治療や投薬が行われる。それゆえ、その場診断が望ましく、POCT(Point of Care Testing)性が高く、迅速、簡便な手法が求められている。
また、遺伝子情報の中でも、遺伝子多型は特に重要である。我々の顔や体型などが様々であるように、一人一人の遺伝子情報もかなりの部分で異なっている。これらの遺伝子情報の違いのうち、塩基配列の変化が人口の1%以上の頻度で存在するものは、遺伝子多型と呼ばれている。これらの遺伝子多型は、個人の顔かたちだけでなく、様々な遺伝子疾患の原因や、体質、薬剤応答性、薬剤の副作用などに関連していると言われている。現在、これらの遺伝子多型と疾患などとの関連が、急速に調べられている。
この遺伝子多型の中で、近年、SNP(Single nucleotide polymorphism)が特に注目されている。SNPは、遺伝子情報の塩基配列の中で、一塩基のみが異なっている遺伝子多型のことを指す。SNPは、ヒトゲノムDNA内に2〜3百万あると言われており、遺伝子多型のマーカーとして利用しやすい。このため、SNPの臨床への応用が期待されている。現在では、SNP関連技術として、ゲノム中のSNPの位置同定およびSNPと疾患との関連性等の研究とともに、SNP部位の塩基を判別するSNPタイピング技術の開発が行われている。
SNPタイピングの技術としては、ハイブリダイズを利用したもの、制限酵素を利用したもの、リガーゼ等の酵素を利用したもの等、様々な種類のものがある。それらの技術のうち、最も簡便な技術として、プライマー伸長反応を利用するものがある。この技術では、プライマー伸長反応が起こるか否かを判定することによって、SNPタイピングを行なう。プライマー伸長反応を利用したSNPタイピング技術による検出方法として、実際のDNAの増幅産物を蛍光色素を用いて検出する方法や、固定化プローブ電極を用いて電気的に検出する方法が考案されている。これらの方法の他に、DNAポリメラーゼによる核酸合成の副産物であるピロリン酸を検出する方法も考案されている。この方法では、伸長反応の進行の差を検出するために、プライマー伸長反応の進行に伴って生成されるピロリン酸をATPに変換し、その後ルシフェラーゼ反応を利用してピロリン酸の量を測定する(非特許文献1を参照)
一方で、DNA伸長反応の過程で発生するピロリン酸を酵素反応で特異的に検出する手法が検討されている。ピロリン酸にATPスルフリラーゼを作用させた後、ルシフェラーゼ−ルシフェリン反応において光を生成することにより、検出する方法がある(特許文献1)。
しかしながら、この方法は、光検出を行う点で、装置が大型になるという課題を有している。
一方で、光検出を使用せず、ピロリン酸を電気化学的に検出する方法が検討されている。
特許文献2によると、DNAのSNP配列に相補的な配列を持ち、かつSNP部位を有するDNAプローブと、DNAポリメーラーザ、デオキシヌクレオチドを含む反応系に試料を供して、PCR反応によって、DNAプローブを伸長させ、DNAプローブの伸長反応に伴って生成されるピロリン酸をポロフォスファーゼによって無機リン酸へと返還し、さらにグリセルアルデヒド−3−リン酸、酸化型ニコチンアミドアデニンジムクレオチド、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ジアホラーゼおよび電子メディエータとしてフェリシアン化カリウムを含む測定系を用いて、最終的には電極で電流値を測定することによって、DNAのSNP配列をタイピングする方法が示されている。この方法によれば、ピロリン酸を含む試料を測定系に加えてから100秒以内にSNP配列が判別可能であることが述べられている。
この方法では、ピロリン酸の測定およびSNPのタイピングは、電子メディエータの酸化還元反応を電気化学的に測定することによって可能である。この方法は、光学系を必要としない簡便かつ高感度な方法として開示されている(特許文献2)。
さらに、反応系の緩衝液成分および酵素などを最適に分離して配置することで、測定を高感度化できることが開示されている。(特許文献3)
これらの検出方法でSNPタイピングを行うとき、まず検体として患者の血液などからDNAの鋳型を抽出する。このとき、患者の身体的および精神的負担をできる限り小さくするために、患者から摂取する検体の量は出来る限り少量で済むことが強く求められる。また、診断項目が多岐にわたる場合、複数種のSNPタイピングを同時に行うので、複数個のセンサ素子を用いる。このとき、一つのセンサ素子で検出に用いる検体の量が出来る限り少量で済むことが強く望まれる。これらの背景より、少量の試料溶液に対応する、小型のSNPタイピングセンサの開発が非常に強く求められている。
特開2002−369698号公報 国際公開第03/078655号 特許第4202407号公報
J.ImmunologicalMethod,156,55−60,1992 Science and Technology of Advanced Material, 6 (2005) 671
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、試料溶液中のピロリン酸を、小型なセンサ素子で高感度かつ高精度で検出するピロリン酸の検出方法およびSNPタイピング方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、試料溶液中のピロリン酸を、小型なセンサ素子で高感度かつ高精度で検出するピロリン酸の検出方法およびSNPタイピング方法を提供する。本発明の一態様では、測定キャビティ17の容量を超える容量を有する試料溶液を、流路18から前記測定キャビティ17に供給し、液滴211を前記開口部110から露出させる。液滴211は球の形状を有する。球の形状は、液滴211の表面に生じる表面張力によって維持されている。液滴221に含まれる試料溶液の少なくとも一部を蒸発させ、測定キャビティ17に含まれる試料溶液のピロリン酸の濃度を増加させる。
本発明の一態様によれば、試料溶液中のピロリン酸を、非常に小型なセンサ素子で高感度かつ高精度で検出するピロリン酸の検出方法およびSNPタイピング方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る電極基板の構造を示す斜視図 本発明の一実施の形態に係るピロリン酸の測定方法およびSNPタイピング方法を示す断面図 本発明の一実施の形態に係るピロリン酸の測定方法およびSNPタイピング方法を示す、 (a)測定系の様式図 (b)測定のシーケンス 本発明の一実施の形態の結果を示すグラフ 本発明の一実施の形態の結果を示すグラフ 従来のピロリン酸センサの電極基板の構造を示す斜視図 従来のピロリン酸センサを小型化した時の構造を示す断面図 従来の電気化学センサを小型化と高感度化の両立の一実施例を示す断面図 本発明の一実施の形態の結果を示す写真
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載したセンサに関し、鋭意研究により、検討を重ねた末、以下の知見を得た。
たとえば、ピロリン酸の測定およびSNPのタイピングでは、図6に示すように絶縁基板61上に測定極62、対極63、参照極64を形成し、測定キャビティ67を設けたセンサ素子を用いることができる。試料溶液を測定キャビティ67に満たし、測定極62に一定電圧を印可し、電流を検出するだけで簡便にピロリン酸の測定ができる。また、このようなセンサ素子の絶縁基板61上に必要な試薬を乾燥担持しておくことによって、事前の試料溶液の調合の手間を省けるため、非常に簡便な操作で測定が可能になる。
しかしながら、検体を含む試料溶液が少量になり、センサが小型になると、検出感度の低下が問題になる。その理由を、図7を参照しながら説明する。
少量の試料溶液に対応するために、例えばセンサの容器の高さを一定とし、容器の径を小さくする(図7(a))。しかしながら、この方法では、容器の底面の面積が小さくなるにつれて、測定極の面積を小さくせざるを得ない。検出電流値は電極面積に比例するので、測定極の面積の減少は、センサ感度の低下をもたらす。
また、別の方法では、少量の試料溶液に対応するために、例えば電極面積を一定にし、容器の高さを小さくする(図7(b))。しかしながら、この方法では、容器の高さが試料溶液中の電流に関与する反応種の拡散層の厚み(概ね300μm以下)を下回ると、反応種の供給が不十分になりうる。そのため、測定中に検出電流値が明らかに低下し、検出電流地の低下がセンサ感度の低下をもたらす。さらに、この方法では面積優位性を確保できないため、センサを高密度に配置できないという欠点もある。
このような課題を解決する方法として、従来から、試料溶液の溶媒成分の一部を測定前に意図的に蒸発させ、検体中の電気化学反応種の濃度を上昇させた後に測定する方法が提案されてきた(例えば、非特許文献2)。この方法によれば、同じ測定極面積で試料溶液の溶媒が蒸発しない系と比較した場合(図8(a)、(b))、蒸発により試料溶液の液滴80が濃縮されることによって(図8(c))、単位面積あたりに電極に到達する反応種が増加し、検出電流値を増加させることができる。すなわち、電極面積が小さくなることによる検出感度の低下を蒸発濃縮によって補い、検出感度を高くすることができる。しかしながら、開示されている方法に従うと、測定中の液滴80が大気中に常に露出する。このため、濃縮の度合いが外部の温度や湿度に容易に影響されてしまい、測定の精度が悪くなることが課題であった。特に、試料溶液が少量の場合、濃縮進む速度が速くなる傾向にあるため、測定のタイミングを制御することが難しく、測定の精度が極めて悪くなる。そのため、この方法はこれまでのところ実用化には至っていない。
すなわち、センサを小型にしたとき、試料溶液の蒸発によって反応に関与する反応種を濃縮して検出電流を増加させて高感度化することと、検出電流値の安定化をはかることは、相反する関係となり、その両立が困難なことが、非常に大きな課題となっていた。
以上の点を考慮し、本発明者は、試料溶液中のピロリン酸を、非常に小型なセンサ素子で高感度かつ高精度で検出するピロリン酸の検出方法およびSNPタイピング方法を見出した。
本発明の1つの態様は、試料溶液に含有されるピロリン酸を検出する方法に関する。本態様に係る試料溶液に含有されるピロリン酸を検出する方法は、以下の工程を具備する:
以下を具備するピロリン酸センサを用意する工程(a)、
絶縁性の基板、
絶縁性の基板上に設けられた測定極、
絶縁性の基板上に設けられた対極、
絶縁性の基板上に設けられ、かつ貫通孔である測定キャビティを内部に有する測定キャビティ側壁、
絶縁性の基板の法線方向から見たときに、測定キャビティに重なる測定キャビティ蓋、および
測定キャビティに連通する流路、ここで、
絶縁性の基板の法線方向から見たときに、測定キャビティは、測定極の一部および対極の一部に重なり合い、
測定キャビティ蓋は、貫通孔である開口部を具備し、
絶縁性の基板の法線方向から見たときに、開口部は、測定キャビティに含まれ、
測定キャビティの容量を超える容量を有する試料溶液を、流路から測定キャビティに供給し、液滴を開口部から露出させる工程(b)、ここで、
液滴は、球の形状を有しており、
球の形状は、液滴の表面に生じる表面張力によって維持されており、
液滴に含まれる試料溶液の少なくとも一部を蒸発させ、測定キャビティに含まれる試料溶液のピロリン酸の濃度を増加させる工程(c)、
測定極および対極を用いて試料溶液に流れる電流値を測定する工程(d)、および
工程(d)において測定された電流値に基づいて、ピロリン酸の濃度を決定する工程(e)。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態に係る電極基板の構造を示す斜視図である。絶縁基板11には、測定極12、対極13、参照極14が形成されている。それぞれの電極は、金、白金、パラジウムなどの貴金属やカーボン膜などから選択することが可能であるが、表面状態の安定性などの観点から金を選択することが望ましい。
参照極14は、溶液中における電位の安定性から、不分極性を示す照合電極を用いることが望ましく、取り扱いの簡便性等から、銀・塩化銀電極を選択することが好ましい。銀・塩化銀電極の形成方法として、金や白金などで形成された電極パターンの参照極部位上に、銀メッキ又は銀薄膜を堆積し、塩化ナトリウム水溶液中で電圧を印加して表面を塩化銀化する方法、銀・塩化銀ペースト材料で電極本体を構成する方法、銀ペーストの表面を次亜塩素酸ナトリウム等の水溶液と接触させる方法、等を上げることができる。
各電極は、導電性パターンによって、外部回路との接続部分である端子部と電気的に接続されている。導電性パターンおよび端子部は、電極部分と同様の材料で形成されることが、製造工程の観点から望ましい。絶縁基板11上への電極および導電性パターンの形成方法としては、導電性材料のスパッタまたは蒸着後フォトリソグラフィを用いたエッチングもしくはレーザによる不要箇所のトリミング、ステンシルマスクを用いた電極パターンの直接スパッタリング、等が考えられる。
絶縁基板11としては、シリコン等の半導体を支持基板とし、その上に絶縁性薄膜を堆積したもの、あるいは、ガラス、セラミック、樹脂等を選択することができる。微細なセンサを一度に生産性よく得るためには、半導体プロセスと親和性によい絶縁基板を利用することが好ましい。シリコンウェハ上に熱CVD法あるいはプラズマCVD法で、酸化ケイ素膜または窒化ケイ素膜を100nm〜1μm形成した基板を用いることが特に好ましい。
測定キャビティ壁面15および測定キャビティ蓋16の材料として、試料液と反応しない材料を選択する必要があり、シリコン、ゲルマニウム等の半導体、石英ガラス、鉛ガラス、ホウ珪酸ガラスなどのガラス、セラミック、樹脂等を選択することができる。製造の容易性、ディスポーザブルのバイオセンサとしての用途、加工のしやすさやコスト面から考えて、樹脂材料を選択することが望ましい。その樹脂材料としては、ポリカーボネート(PC),ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド(PI)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン−2.6−ナフタレート(PEN)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリジメチルシルオキサン(PDMS)等から選択することができる。キャビティ壁面15およびキャビティ蓋16の形成方法は、基板の切削加工およびエッチングの他、金型による成型、熱転写によるエンボス加工等を用いることができる。
測定キャビティ壁面15には、PDMSを用いることが特に好ましい。測定キャビティ壁面15の形成方法としては、小型なセンサ素子の形成を考えると、電極部と高い精度でアライメントを取りやすい手法を用いるのが好ましく、透明な金型を用いて、モールディング法により基板上にPDMSを転写する方法が特に好ましい。
測定キャビティ蓋16の表面は、HMDS(ヘキサメチルジシラン)などで撥水処理されていることが特に望ましい。
また、測定キャビティ17は、流路18を介して、注入口19と接続されている。測定キャビティ17は、前記流路18および前記注入口19は測定キャビティ壁面15と同一の材料および方法で形成されていることが好ましい。
測定キャビティ蓋16の開口部110の形成方法は、機械的な切削加工、レーザによる切削加工、エッチング、などの方法などから選択することができる。開口部110は、測定極12の直上に配置することが特に望ましく、開口部110の形状は円形であることが望ましい。その開口部110の直径は、試料溶液に含まれる物質が最低限通過できて、かつできる限り小さいほうがよい。キャビティの直径の3分の1以下であること、面積比に換算すると9分の1以下が、キャビティ内の試料溶液の蒸発を十分に抑制できるという観点から望ましい。また、開口部110の外周部は凸状に盛り上がっているほうが、開口部110の外部に液滴が漏れないという観点から、特に好ましい。切削加工などにより形成されたバリが、この凸形状として利用されても良い。
測定キャビティ側壁15と測定キャビティ蓋16とを密封する方法として、エポキシなどの接着剤で貼り合わせる方法、機械的にクランピングする方法、などが考えられる。特に測定キャビティ側壁15にシリコンとキャビティ蓋にガラスを用いる場合は、陽極酸化法を用いて密封することが密閉性の観点から好ましい。また、測定キャビティ蓋16によって試料溶液の注入口19が覆われないように密封することが好ましい。また、測定キャビティ側壁15とキャビティ蓋16は、両者が一体化した構造を有するよう形成されてもよい。
試料溶液は、測定対象のピロリン酸に加えて、ピロフォスターゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ジアホラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸、ヌクレオチド類、電子メディエータ、および緩衝液成分で構成されることが好ましい。
また、操作の簡便性の観点から、測定キャビティ17の内のセンサの絶縁基板11上に、緩衝液成分、電子メディエータ、マグネシウム塩を含む第一の反応試薬層、ピロフォスファターゼおよびグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ジアボラーゼを含む第2の試薬層、グリセルアルデヒド−3−リン酸を含む第3の反応試薬層、および酸化型ニコチンアミド時ヌクレオチドを含む第4の反応試薬層をあらかじめ担持させていてもよい。上記の4つの反応試薬層に分割することが最も好ましい。
電子メディエータとしては、水溶性であって酸化体で安定しているものが望ましく、例えばフェリシアン化カリウムを用いることができる。後述する実施例からも理解されるように、このセンサの検出能および検出安定性を評価する方法として、測定対象になるピロリン酸のモル濃度の4倍のフェロシアン化カリウムを硝酸カリウム等の溶媒に溶かした水溶液を、試料溶液として用いてもよい。その理由は、1分子のピロリン酸は、上記の酵素を介した反応を受けて、電子メディエータとして機能するフェリシアン化カリウムを4分子のフェロシアン化カリウムに変化させることができるからである。
マグネシウム塩としては、マグネシウムイオンを含み、水溶性であって、pHが中性〜弱アルカリ性のものであればよく、例えば塩化マグネシウムを用いることができる。
酸化型ニコチンアミドジヌクレオチド(NAD+)に代えて、酸化型ニコチンアミドジヌクレオチドリン酸(NADP+)を用いても良い。本明細書においては、酸化型ニコチンアミドジヌクレオチド、酸化型ニコチンアミドジヌクレオチドリン酸、これらの組み合わせをそれぞれヌクレオチド類ともいう。
続いて、上記のセンサ素子および試料溶液を用いたピロリン酸の検出方法について、図2を参照しながら説明する。
まず、試料溶液を注入口19から流路18を介して、測定キャビティ17に供給する(図2(a))。測定キャビティ17が試料溶液で満たされるまで、試料料溶液の供給を続ける(図2(b))。このとき、測定キャビティ17中の試料溶液を外部ヒータ等で加熱し、酵素による化学反応を促進させるとよい。試料溶液の温度が30〜40℃になるように加熱し、5分〜10分保持することが特に好ましい。
その後、測定キャビティ17の容積を上回る量の試料溶液を導入し、開口部110から前記測定キャビティ17の外側に前記試料溶液の一部を露出させる(図2(c))。このとき、露出させる液滴の量が開口部110の外部への染み出さないことが望ましく、表面張力で球状の表面が維持できる限界を超えないことが特に好ましい。具体的には、キャビティ蓋をHMDSによる撥水処理や、開口部110の外周部に凸部を設け、液滴の大部分が開口部110の外部にはみ出ないようにするために、露出させる液滴の量は0.5μL以下が望ましい。液滴の濃縮による検出電流の増加を効果的に得るためには、露出させる液滴の量は0.2μL以上が好ましい。
次いで、一定の時間、測定キャビティ17に供給された試料溶液を放置することで、(図(d))、液滴111の溶媒成分である水分を蒸発させる(図2(e))。放置する時間は、露出させた液滴の量、および外部の気温、湿度による。0.2μL以下の液滴の場合、5分以上放置すれば露出液滴は消失し、開口部110に濃縮層が形成される。このとき、測定キャビティ17を外部ヒータ等で加熱することで溶媒の蒸発を促し、蒸発にかかる時間を短縮してもよい。また、液滴111を露出させる前後で、試料溶液の温度を変化させてもよい。露出している液滴111のみ温度を上昇させるために、外部よりレーザなどで液滴111を局所的に加熱してもよい。その後、液滴中の溶媒の蒸発が収まった後に(図2(f))、測定極12に一定の電圧を印可し、電流の測定を開始する。液滴が溶媒の蒸発により、小さくなった場合、または開口部110の外から露出しなくなったときに、蒸発速度は著しく低下する。そのため、これ以上の濃縮は起こらなくなり、測定される電流は、増加すると同時にその電流値のバラツキは小さくなる。なお、このとき、液滴111が僅かに残留する状態で、露出する液滴111を測定キャビティ17内に戻しても、ほぼ同様の濃縮による電流増加効果が得られる。
(実施例1)
以下、本発明のバイオセンサでの検出方法についてさらに具体的に説明する。
まず、絶縁基板11として厚さ700μmのシリコン基板に、プラズマCVD法によって、厚さ100nmの窒化ケイ素膜を堆積した。次いで、レジストを塗布し、フォトリソグラフィによって電極形成部のみのレジストを取り除いた。次に、電子線蒸着法によって、密着層として厚さ5nmのチタン薄膜を堆積した後、厚さ100nmの金薄膜を堆積した。その後、リフトオフにより、不要な部分を除くことによって、測定極12、対極13、参照極14、および端子を形成した。形成した様々な面積の測定極12のうち、最も小さなものは、0.49mm であった。
測定キャビティ側壁15は、測定キャビティ17部にPMMAで作成した透明な金型(モールド)を基板に押し付け、測定キャビティ17以外の箇所にPDMSをモールドの外側から注入し、85℃、30分の条件下で加熱・硬化を行い、最後にモールドを取り除くことによって形成した。測定キャビティ17の高さ、すなわちPDMS層の厚みは230μmであった。この方法によって同時に、測定キャビティ17に接続される流路18および注入口19も形成した。キャビティ部分には、直径600μmの開口部110を設けた厚さ30μmのPETフィルムで蓋をした。蓋の表面はHMDS(ヘキサメチルジシラン)などで撥水処理を行った。表面は図9の三角印で示された箇所である。なお、作製した開口部110は機械加工によるバリが発生したため、その外周部が約20〜40μm程度盛り上がっていた(図9(a))。撥水処理後のPETフィルムに超純水を滴下してその接触角を測定したところ概ね135°程度であった(図9(b))。開口部110から液滴を露出させた場合は、外周部が凸形状のため、すなわち開口部外周の凸部分X16が形成されているため、周囲への液滴の染み出しが抑制され、その接触角は150°以上にも及んだ(図9(c))。
蓋の開口部110は、測定極12の真上に来るように配置した。形成した様々な容量の測定キャビティのうち、容量が最も小さいものは0.5μLで、その直径は1.8mm、その電極面積は前述した通り0.49mm であった。
このセンサの検出感度を調べるために、以下の条件のもとで実験を行った。SNPタイピングを想定し、DNAプローブが100塩基対の伸長反応を起こし、500nMの濃度までPCRで増幅された場合に生成されるピロリン酸の濃度0.1mMの4倍に相当する濃度のフェロシアン化カリウムを用い、サイクリックボルタンメトリー法により−0.6V〜0.8Vの間で酸化還元電流を測定した。掃引速度は、100mV/秒とし、フェロシアン化カリウムが酸化されるときの最大電流値を合計4回繰り返して測定した。
試料溶液 :0.4mM:フェロシアン化カリウムを含む硝酸カリウム水溶液
(1) 測定キャビティ蓋なし
(2) 測定キャビティ蓋あり
(3) 測定キャビティ蓋あり、試料溶液のうち0.2マイクロリットルを開口部110から露出させ濃縮後に測定
測定する電流値が大きく、その測定バラツキが少ないほうが好ましい。図4に示されるように、(1)の測定キャビティ蓋のない条件下では、測定中に試料溶液の溶媒成分が蒸発したため、検出電流値が測定を繰り返すにつれて増大し、測定値が大きくばらついた(誤差範囲はCV値で約12%)。
(2)の測定キャビティ蓋のある条件下では、蒸発が抑制されたため、(1)と比較して測定値のばらつきが極めて小さい。しかしながら、電極面積に比例して、検出電流値が低下した。
(3)の測定キャビティ蓋のある条件下で、液滴の濃縮後測定した。電極面積が小さく、試料溶液の容量が少ない場合において、電流値の増大が見られた。この検出電流値は、蒸発濃縮を行わない(2)の場合と比べて、最大で約2.2倍であった。さらに、測定回数に依存した電流値の増大は見られず、測定値のばらつきは(2)の場合とほとんど同等程度に極めて小さかった(誤差範囲はCV値で1%以内)。
(実施の形態2)
図3は、本発明の一実施の形態を示すピロリン酸センサの構成およびその駆動シーケンスである。図3(a)に示されるように、実施の形態2におけるピロリン酸センサは、試料溶液を送液するための送液部312と測定キャビティへの送液を制御するための開閉バルブ313が、キャピラリー314を介して、接続されている。また開閉バルブ313と注入部39は、流路38を介して接続されており、この系によって、センサの測定キャビティ37への送液が制御されている。さらに、センサ基板の直下にはヒータ315が接続されている。センサ部の構成は実施例1で示したものと同一である。図3(b)に示した駆動シーケンスに基づき、試料溶液をセンサ部に供給、加熱、キャビティ外部へ露出、蒸発濃縮し、電流値の測定を行う構成となっている。
(実施例2)
以下の表1のように試料溶液20μLを調合し、図3(a)の構成を用いて実施例1で作成したセンサの測定キャビティ37に0.5μLだけ供給し、図3(b)の駆動シーケンスを経てピロリン酸の測定を行った。図3(b)より読み取れるように、露出させた液滴の量は0.2μLであった。
Figure 0005193396
測定極と測定キャビティ開口部との距離に相当するPDMS層の厚みを変化させて測定を行った。図4に見られるように、PDMS層の厚みを薄くすることによって、検出電流値の増加が観測された。PDMS層の厚みが400μmのとき、厚み680μm以上の場合と比較して約1.3倍電流値が増大した。さらに、PDMS層の厚みが230μmのとき、厚み680μm以上の場合と比較して約2倍電流値が増大した。これらの結果は、濃縮された反応種が測定極に近いほうが、電流値が大きくなることを示唆しており、本発明の効果が顕著にあらわれていることを示している。グラフには記載していないが、繰り返し測定を行った結果、測定値のばらつきはすべての測定においてCV値で5%以下と小さかった。
(実施の形態3)
SNPタイピング測定対象のDNA試料液とともに、DNAのSNP配列に相補的な配列を持ち、かつSNP部位を有するDNAプローブと、DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオチドを含む反応系を準備し、PCR反応を起こすことによって、SNPタイピング測定対象のDNAのSNP部位と、SNP部位を有するDNAプローブが相補的であった場合、DNAプローブを伸長させるとともにピロリン酸を生成することができる。一方、SNPタイピング測定対象のDNAのSNP部位と、SNP部位を有するDNAプローブが非相補的な場合、DNAプローブの伸長は行われず、ピロリン酸は生成しない。その後、PCR反応の終了した試料液をピロフォスターゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ジアホラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸、ヌクレオチド類、電子メディエータ、および緩衝液成分で構成される反応液と混合し、流路38を介して測定キャビティ37に移動させると、SNPタイプに応じたピロリン酸の定量を行うことができ、測定対象のDNAのSNPタイピングが可能となる。また、PCR反応キャビティ中にDNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオチドを含む反応系担持しておけば、注入口39からSNPタイピング測定対象のDNA試料液のみを注入することによって、測定対象のDNAのSNPタイピングが可能となる。なお、PCRの反応キャビティからセンサの測定キャビティに試料液を移動させる方法は実施例2の要領で行えばよい。
(実施例3)
以下は、一実施の形態に係るSNPタイピングセンサを用いて、試料溶液中のDNAのSNPタイピングを行った実施例について説明する。
まず、実施例1と同様にピロリン酸センサを作成した。測定方法は概ね実施例2と同等である。
SNPタイピングのモデルとして、テンプレートとしてAB型とO型それぞれの血液から抽出したヒトゲノムを用いた。
ヒトゲノムの第六エクソンから、SNP部位を含むDNA断片を増幅するプライマーとして、Control Primer1(5‘−TAGGAAGGATGTCCTCG−3’:配列番号1)およびPrimer3(5’−TTCTTGATGGCAAACACAGTTAAC−3’ :配列番号2)、SNPタイピングを行うプライマーとして、Primer1‘(5’−TAGGAAGGATGTCCTCGTGACG:配列番号3)、Primer3を用いて測定を行った。このSNPタイピングプライマーはAB型の血液に対してのみ特異的に伸長反応を起こす。
まず、東洋紡製のKOD−FXポリメラーゼ:0.2μL、2×KOD−Buffer:5μL、2mMdNTP:1μL、10mM Primer1:1μL、10mM Primer3:1μLに、テンプレート1:1.8μLを加え、PCR反応を98℃30秒、60℃30秒、68℃30秒の条件で35サイクル行った。さらにこのPCR産物を1000倍に希釈したものをテンプレート2として2μL採取し、タカラバイオ製のTaq−ポリメラーゼ:0.2μL、PCR mix:3μL、Primer1‘:2μL、Primer3:2μL、蒸留水10.8μLと混合し、PCR反応を95℃30秒、60℃30秒、72℃30秒の条件で35サイクル行った。この試料液のうち10μLだけを取り出し、2.5μLの水と混ぜた後、以下の表2に示される反応液を混合し、実施例2の方法でセンサの測定キャビティに導入し、測定を行った。測定結果を表3に示す。
Figure 0005193396
Figure 0005193396
表3から明らかなように、AB型の血液由来のDNAに対してのみ特異的に伸長反応を起こし、それによって生成されたピロリン酸が、測定キャビティにおける電気化学測定によって検出された。一方、O型では、特異的な伸長反応が起こらず検出されたピロリン酸が相対的に少ないため、電流は殆ど観測されなかった。また5回の連続測定によって求めたCV値も小さく、SNPタイピング大きな影響を与えない。これらの結果より、極めて少量な検体で、かつ小型なセンサにおいて、SNPタイピング可能なレベルの電流値が得られたことと同時に、安定な測定を実現した。SNP部位のモデルである一塩基ミスマッチのタイピングを少量検体でかつ小型なセンサにおいて行うことができた。
上記の実施形態から導出される発明が以下、記述される。
1. 試料溶液に含有されるピロリン酸を検出する方法であって、以下の工程を具備する:
以下を具備するピロリン酸センサを用意する工程(a)、
絶縁性の基板11、
絶縁性の基板11上に設けられた測定極12、
絶縁性の基板11上に設けられた対極13、
絶縁性の基板11上に設けられ、かつ貫通孔である測定キャビティ17を内部に有する測定キャビティ側壁15、
絶縁性の基板11の法線方向から見たときに、測定キャビティ17に重なる測定キャビティ蓋16、および
前記測定キャビティ17に連通する流路18、ここで、
前記絶縁性の基板11の法線方向(図1のZ方向)から見たときに、前記測定キャビティ17は、測定極12の一部および対極13の一部に重なり合い、
前記測定キャビティ蓋16は、貫通孔である開口部110を具備し、
前記絶縁性の基板11の法線方向から見たときに、前記開口部110は、前記測定キャビティ17に含まれ、
前記測定キャビティ17の容量を超える容量を有する前記試料溶液を、前記流路18から前記測定キャビティ17に供給し、液滴211を前記開口部110から露出させる工程(b)、ここで、
前記液滴211は、球の形状を有しており、
前記球の形状は、液滴211の表面に生じる表面張力によって維持されており、
前記液滴221に含まれる試料溶液の少なくとも一部を蒸発させ、測定キャビティ17に含まれる試料溶液のピロリン酸の濃度を増加させる工程(c)、
前記測定極12および対極13を用いて前記試料溶液に流れる電流値を測定する工程(d)、および
工程(d)において測定された電流値に基づいて、ピロリン酸の濃度を決定する工程(e)。
この発明は、試料溶液に含有されるピロリン酸が高感度かつ高精度で検出されることを可能にする。
2.前記項目1に記載の方法において、
前記開口部110は円形であり、
測定キャビティ17は円筒形であり、
前記測定キャビティ17の直径は、前記開口部110の直径の3倍以上である。
この発明は、試料溶液に含有されるピロリン酸が高感度かつ高精度で検出されることを可能にする。
3.前記項目1に記載の方法において、
前記開口部110の周囲に凸部が形成されている。
この発明は、試料溶液に含有されるピロリン酸が高感度かつ高精度で検出されることを可能にする。
4.前記項目1に記載の方法において、
前記液滴211は、0.2マイクロリットル以上0.5マイクロリットル以下の容積を有する。
この発明は、試料溶液に含有されるピロリン酸が高感度かつ高精度で検出されることを可能にする。
5.前記項目1に記載の方法において、
前記測定キャビティ17は、400マイクロメートル以下の高さを有する。
この発明は、試料溶液に含有されるピロリン酸が高感度かつ高精度で検出されることを可能にする。
6.前記項目1に記載の方法において、
前記測定キャビティ17は、230マイクロメートル以下の高さを有する。
この発明は、試料溶液に含有されるピロリン酸が高感度かつ高精度で検出されることを可能にする。
7.前記項目1に記載の方法において、
前記試料溶液は、ピロフォスファターゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ジアホラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸、ヌクレオチド、電子メディエータ、および緩衝液成分を含有する。
この発明は、試料溶液に含有されるピロリン酸が高感度かつ高精度で検出されることを可能にする。
8.前記項目1に記載の方法において、
前記工程(c)の前に、前記試料溶液を加熱する工程をさらに具備する。
この発明は、試料溶液に含有されるピロリン酸が高感度かつ高精度で検出されることを可能にする。
9.前記項目1に記載の方法において、
前記工程(c)において、前記試料溶液が加熱される。
この発明は、試料溶液に含有されるピロリン酸が高感度かつ高精度で検出されることを可能にする。
10.前記項目1に記載の方法を用いたSNPタイピング法は、本発明の精神に含まれる。
本発明によれば、試料溶液中のピロリン酸を、非常に小型なセンサ素子で高感度かつ高精度で検出するピロリン酸の検出方法およびSNPタイピング方法を提供することができる。
11 絶縁基板
12 測定極
13 対極
14 参照極
15 測定キャビティ壁面
16 測定キャビティ蓋
17 測定キャビティ
18 流路
19 注入口
110 開口部
111 液滴
312 送液部
313 バルブ
314 キャピラリー
315 ヒータ
X16 開口部外周の凸部分

Claims (10)

  1. 試料溶液に含有されるピロリン酸を検出する方法であって、以下の工程を具備する:
    以下を具備するピロリン酸センサを用意する工程(a)、
    絶縁性の基板、
    絶縁性の基板上に設けられた測定極、
    絶縁性の基板上に設けられた対極、
    絶縁性の基板上に設けられ、かつ貫通孔である測定キャビティを内部に有する測定キャビティ側壁、
    絶縁性の基板の法線方向から見たときに、測定キャビティに重なる測定キャビティ蓋、および
    前記測定キャビティに連通する流路、ここで、
    前記絶縁性の基板の法線方向から見たときに、前記測定キャビティは、測定極の一部および対極の一部に重なり合い、
    前記測定キャビティ蓋は、貫通孔である開口部を具備し、
    前記絶縁性の基板の法線方向から見たときに、前記開口部は、前記測定キャビティに含まれ、
    前記測定キャビティの容量を超える容量を有する前記試料溶液を、前記流路から前記測定キャビティに供給し、液滴を前記開口部から露出させる工程(b)、ここで、
    前記液滴は、球の形状を有しており、
    前記球の形状は、液滴の表面に生じる表面張力によって維持されており、
    前記液滴に含まれる試料溶液の少なくとも一部を蒸発させ、測定キャビティに含まれる試料溶液のピロリン酸の濃度を増加させる工程(c)、
    前記測定極および対極を用いて前記試料溶液に流れる電流値を測定する工程(d)、および
    工程(d)において測定された電流値に基づいて、ピロリン酸の濃度を決定する工程(e)。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    前記開口部は円形であり、
    測定キャビティは円筒形であり、
    前記測定キャビティの直径は、前記開口部の直径の3倍以上である。
  3. 請求項1記載のピロリン酸の検出方法において、
    前記開口の周囲に凸部が形成されている。
  4. 請求項1記載のピロリン酸の検出方法において、
    前記液滴は、0.2マイクロリットル以上0.5マイクロリットル以下の容積を有する。
  5. 請求項1記載のピロリン酸の検出方法において、
    前記測定キャビティは、400マイクロメートル以下の高さを有する。
  6. 請求項1記載のピロリン酸の検出方法において、
    前記測定キャビティは、230マイクロメートル以下の高さを有する。
  7. 請求項1記載のピロリン酸の検出方法において、
    前記試料溶液は、ピロフォスファターゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ジアホラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸、ヌクレオチド、電子メディエータ、および緩衝液成分を含有する。
  8. 請求項1記載のピロリン酸の検出方法において、前記方法は、
    前記工程(c)の前に、前記試料溶液を加熱する工程をさらに具備する。
  9. 請求項1記載のピロリン酸の検出方法において、
    前記工程(c)において、前記試料溶液が加熱される。
  10. 請求項1に記載の方法を用いる、SNPタイピング方法。
JP2012529035A 2011-06-06 2012-04-20 ピロリン酸の測定方法およびsnpタイピング方法 Expired - Fee Related JP5193396B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012529035A JP5193396B2 (ja) 2011-06-06 2012-04-20 ピロリン酸の測定方法およびsnpタイピング方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011125971 2011-06-06
JP2011125971 2011-06-06
JP2012529035A JP5193396B2 (ja) 2011-06-06 2012-04-20 ピロリン酸の測定方法およびsnpタイピング方法
PCT/JP2012/002763 WO2012169108A1 (ja) 2011-06-06 2012-04-20 ピロリン酸の測定方法およびsnpタイピング方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5193396B2 true JP5193396B2 (ja) 2013-05-08
JPWO2012169108A1 JPWO2012169108A1 (ja) 2015-02-23

Family

ID=47295701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012529035A Expired - Fee Related JP5193396B2 (ja) 2011-06-06 2012-04-20 ピロリン酸の測定方法およびsnpタイピング方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20130189687A1 (ja)
JP (1) JP5193396B2 (ja)
CN (1) CN103299179A (ja)
WO (1) WO2012169108A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015086654A1 (en) 2013-12-12 2015-06-18 Altra Tech Limited A capacitive sensor and method of use
EP3080267B1 (en) 2013-12-12 2020-02-19 Altratech Limited A sample preparation method and apparatus
CN106596532B (zh) * 2016-11-24 2019-07-23 桂林理工大学 一种简单的碱性磷酸酶活性的检测方法
DE102018005010A1 (de) * 2017-07-13 2019-01-17 Wika Alexander Wiegand Se & Co. Kg Transfer und Aufschmelzen von Schichten
CN111108216B (zh) 2017-09-20 2024-02-23 阿尔查技术有限公司 诊断装置和系统

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005292022A (ja) * 2004-04-02 2005-10-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 参照電極の製造方法
WO2007083693A1 (ja) * 2006-01-23 2007-07-26 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. ピロリン酸センサおよびそれを用いたsnpタイピングセンサ
WO2009057693A1 (ja) * 2007-11-01 2009-05-07 Jfe Engineering Corporation マイクロチップ、マイクロチップデバイス及びマイクロチップを用いた蒸発操作方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002369698A (ja) 2001-06-14 2002-12-24 Fuji Photo Film Co Ltd ピロ燐酸定量用試薬及び乾式分析素子
WO2003078655A1 (fr) 2002-03-19 2003-09-25 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Procede de detection d'acide phosphorique inorganique, acide pyrophosphorique et acide nucleique et typage de sequences de polymorphisme de nucleotide (psn) simple d'adn

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005292022A (ja) * 2004-04-02 2005-10-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 参照電極の製造方法
WO2007083693A1 (ja) * 2006-01-23 2007-07-26 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. ピロリン酸センサおよびそれを用いたsnpタイピングセンサ
WO2009057693A1 (ja) * 2007-11-01 2009-05-07 Jfe Engineering Corporation マイクロチップ、マイクロチップデバイス及びマイクロチップを用いた蒸発操作方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6012025503; 夜久英信(外2名): '電気化学的SNP判別技術の開発-DNA配列の個人差を電気化学的に見分ける-' Matsushita Techcical Journal 第54巻、第2号, 20080715, p. 40-45 *

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2012169108A1 (ja) 2015-02-23
CN103299179A (zh) 2013-09-11
WO2012169108A1 (ja) 2012-12-13
US20130189687A1 (en) 2013-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2858036C (en) Diamond electrode nanogap transducers
CN107576707B (zh) 分析物测试传感器及其系统和测量至少一种分析物的方法
US9500617B2 (en) Nanogap transducers with selective surface immobilization sites
US9494554B2 (en) Chip set-up and high-accuracy nucleic acid sequencing
JP4202407B2 (ja) ピロリン酸センサおよびそれを用いたsnpタイピングセンサ
JP5193396B2 (ja) ピロリン酸の測定方法およびsnpタイピング方法
US20070000776A1 (en) Biosensor and production method therefor
JP5608260B2 (ja) バイオセンサシステム及び分析物の濃度の測定方法
Pavlovic et al. Microfluidic device architecture for electrochemical patterning and detection of multiple DNA sequences
Cheah et al. An integrated circuit for chip-based analysis of enzyme kinetics and metabolite quantification
WO2010138188A1 (en) Apparatus and methods for performing electrochemical reactions
Halpin et al. Direct plate-reader measurement of nitric oxide released from hypoxic erythrocytes flowing through a microfluidic device
Muratore et al. Alanine aminotransferase assay biosensor platform using silicon nanowire field effect transistors
Salve et al. Integrated microfluidic device with carbon-thread microelectrodes for electrochemical DNA elemental analysis
Gao et al. A fully integrated biosensor array for measurement of metabolic parameters in human blood
Dornhof et al. Oxygen and lactate monitoring in 3d breast cancer organoid culture with sensor-integrated microfluidic platform
Urban et al. Sensor systems
JP6367295B2 (ja) ダイヤモンド電極ナノギャップトランスデューサ
Lalitha et al. AN OVERVIEW ON BIOSENSORS.
JP2009058334A (ja) 電気化学測定用反応装置及び電気化学測定システム

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160208

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees