JP4202234B2 - 温熱パッド - Google Patents

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Description

本発明は、パッド本体内に充填した吸着材を電子レンジなどで加熱することによって蒸気熱を発生させ、この蒸気熱による温熱を利用して肩、腰、足などの温熱療法に用いる温熱パッドに関する。
従来から、通気性を有する袋状部材からパッド本体を形成し、このパッド本体内に大気中の水分を吸着する吸着材を充填させた温熱パッドが提案されている(例えば、特許文献1参照)。電子レンジなどの加熱手段により加熱すると、水分を吸着した吸着材が蒸気熱を発生し、この蒸気熱により温熱パッドが温められる。このように温められた温熱パッドを身体の患部個所に当てることにより、患部が適当な温度に温められ、所望の温熱療法を行うことができる。この温熱パッドは、加熱手段により繰り返し加熱することができ、温熱療法に繰り返し使用することができる。
この温熱パッドは、吸着材として大気中の水分を吸着するシリカゲルが用いられ、このシリカゲルを充填したパッド本体が加熱手段としての電子レンジで温められる。加熱手段として家庭内にある電子レンジを用いるので、短時間で簡単かつ正確に加熱を行うことができ、利便性と安全性を確保することができる。この温熱パッド(換言すると、水分を吸着したシリカゲル)を電子レンジで加熱すると、電子レンジの高周波がシリカゲル中の水分に作用し、吸着された水分の温度が上昇して蒸気熱が発生し、この蒸気熱が適当な湿度を含んだ熱、即ち湿熱となって加温される。従って、温熱パッドを身体の患部に当てると、この湿熱によって患部が緩やかに温められ、これによって、快適な温熱治療を患部に施すことができる。また、温熱治療後に低温となったシリカゲルは再び大気中の水分を吸着するので、この温熱パッドを再度加熱することによって蒸気熱による潜熱が発生し、繰り返し温熱治療に使用することができる。
特開2000−139987号公報
しかしながら、吸着材としてシリカゲルを用いるシリカゲル系温熱パッドの快適な温熱持続効果は、リラックス効果の恩恵を受けるには充分であるが、温熱治療効果としては充分なものとは言い難い。例えば、綿ネル又は不織布で形成された袋状部材に約360グラムのシリカゲルを充填した温熱パッドでは、出力500ワットの電子レンジで約1分間加熱した後に衣服の上から腰の患部に当てると、発生した湿熱による温熱効果が得られるのは約30分程度であり、この程度の時間では温熱治療効果として充分であると言い難く、更に長くの時間温熱効果を維持できる温熱パッドの実現が望まれている。
そこで、温熱効果を長く維持するために、電子レンジでの加熱時間を長くすることも考えられるが、加熱時間を長くすると必要以上(例えば90℃以上)に温熱パッドの温度が高くなり、取扱が困難になるとともに、火傷等の危険性も発生するおそれがある。
本発明の目的は、温熱効果を長時間維持することができる温熱パッドを提供することである。
また、本発明の他の目的は、誤って加熱時間が長くなっても高温に加熱される事を防止することができる温熱パッドを提供することである。
本発明の請求項1に記載の温度パッドは、通気性を有する袋状部材から形成されたパッド本体と、前記パッド本体に充填される充填材と、を備えた温熱パッドにおいて、
前記充填材は、大気中の水分を吸着する吸着材と、固液相変化物質を固形化した蓄熱材と、比熱が3.0〜6.0kJ/kg・℃である骨材と、を含んでおり、
前記パッド本体を電子レンジで加熱すると、前記吸着材が蒸気熱を発生し、前記固液相変化物質が発生した蒸気熱の一部を吸収し、吸収した蒸気熱が前記固液相変化物質の固体から液体への相変化によって潜熱とし蓄えられるとともに、前記骨材が発生した蒸気熱の一部を吸収し、この蒸気熱の吸収によって、前記充填材の過剰な温度上昇が抑えられることを特徴とする。
また、本発明の請求項に記載の温熱パッドでは、前記吸着材は前記充填材の30〜90重量%含まれ、前記蓄熱材は前記充填材の5〜40重量%含まれ、前記骨材は前記充填材の5〜30重量%含まれていることを特徴とする。
また、本発明の請求項に記載の温熱パッドでは、前記骨材は、遠赤外線を放出する麦飯石、ゼオライト、黒曜石、モルデナイト及び沸石並びにマイナスイオンを放出するグラファイトシリカのいずれか一つ又は二つ以上を含んでいることを特徴とする。
更に、本発明の請求項に記載の温熱パッドでは、前記吸着材がシリカゲルであり、前記固液相変化物質が粒状に形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載された温熱パッドによれば、パッド本体が通気性を有する袋状部材から構成され、このパッド本体に充填される充填材は、大気中の水分を吸着する吸着材と、固液相変化物質を固形化した蓄熱材とを含んでいる。このような温熱パッドでは、吸着材は袋状部材を通して空気中の水分を吸着し、水分を吸着した吸着材を電子レンジで加熱すると、蒸気熱が発生して温められるとともに、発生した蒸気熱の一部が蓄熱材に蓄えられる。蓄熱材は固液相変化物質から形成されているので、熱を吸収すると固体から液体に相変化し、蒸気熱を固液相変化潜熱として蓄える。このように蒸気熱が湿熱として吸着材に蓄えられるとともに、固液相変化潜熱として蓄熱材に蓄えられるので、大きい熱量を蓄えることができ、吸着部材のみから充填材を構成するときよりも低い温度でもって所望の熱量を蓄えることができる。このことは、所定温度に加温した温熱パッドは、吸着材による湿熱と蓄熱材による固液相変化潜熱として蓄えられるので、充填材の蓄熱量が大きく、従って、温熱持続効果が長時間維持され、温熱治療効果を長時間得ることができる。また、温熱治療時には、蓄熱材の液相から固相への相変化のときに生じる潜熱を利用するので、この間はほぼ一定温度に維持され、しっとりした穏やかな温熱を身体の患部に与えることができ、優れた温熱療法効果が得られる。
また、この充填材は、吸着材及び蓄熱材に加えて、比熱が3.0〜6.0kJ/kg・℃の骨材を含んでいるので、電子レンジで加熱して発生した蒸気熱の一部が骨材の吸収され、充填材が過剰に上昇する、例えば90℃以上に上昇するのを抑え、使用時の火傷などの危険性をほとんどなくすことができる。この骨材は、例えば、河川や海の小石、砂などである。比熱が3.0kJ/kg・℃より小さいと、骨材への伝熱がうまく作用せず、過剰な温度上昇を防止することができなくなる。また、比熱が6.0kJ/kg・℃より大きいと、骨材の温度上昇に多くの熱量を必要とし、充填材の加熱効率が悪くなる。
また、本発明の請求項に記載された温熱パッドによれば、吸着材は充填材の30〜90重量%含まれ、蓄熱材は充填材の5〜40重量%含まれ、骨材は充填材の5〜30%含まれているので、吸着材による蒸発熱と蓄熱材による固液相変化潜熱とを温熱治療に適した適度の割合にして蓄熱することができるとともに、骨材による蒸発熱の吸収によって過剰に(例えば、90℃以上に)加温されるのを防止することができ、加熱効率を維持しながら安全性をも確保することができる。
また、本発明の請求項に記載された温熱パッドによれば、骨材が麦飯石、ゼオライト、黒曜石、モルデナイト、沸石の一つ又は二つ以上を含んでいる場合、骨材から遠赤外線が放出され、温熱療法効果に加えて遠赤外線効果も得ることができる。また、骨材がグラファイトシリカを含んでいる場合、骨材からマイナスイオンされ、温熱療法効果に加えて−イオン効果も得ることができる。
更に、本発明の請求項に記載された温熱パッドによれば、吸着材がシリカゲルで、このシリカゲルを含む充填材が電子レンジで加熱されるので、電子レンジの高周波により水分を吸着したシリカゲルに蒸気熱を発生させて加熱することができ、極めて簡単、かつ手軽にこの温熱パッドを加温して使用することができる。また、温熱持続効果がなくなったときには、シリカゲルが再び大気中の水分を吸着し、電子レンジで加熱することによって再度温められ、このようにして温熱パッドを繰り返し使用することができ、非常に経済的なものとなる。また、固液相変化物質が粒状に形成されているので、固体から液体に相変化しても固形化状態に保つことができ、温熱パッドの充填材としてに好都合に適用することができる。
以下、図1〜図3を参照して、本発明を実施するための温熱パッドの最良の実施形態について説明する。図1は、一実施形態の温熱パッドを示す平面図であり、図2は、図1の温熱パッドを示す縦断面図であり、図3は、図1の温熱パッドのパッド本体に充填される充填材を示す簡略図である。
図1及び図2において、図示の温熱パッドは、袋状部材2から形成されるパッド本体4を備え、このパッド本体4に充填材6が充填される。図示の温熱パッドは肩用に用いられるものであり、パッド本体4は略への字形に形成され、その中央部の幅が広く、両端方向に行くにつれて幅が狭くなっている。このパッド本体4の大きさは、長さLが40cm〜44cm程度であって、例えば42cmに、幅Wが14cm〜18cm程度であって、例えば16cmに形成される。
袋状部材2は、略等間隔にステッチされた縫い目14が4個所設けられ、その長手方向に袋状部16が5個設けられ、充填材6が各袋状部16にほぼ均一に充填され、このように縫い目14を設けることによって、充填材6がパッド本体の一端側(又は他端側)に片寄らないように構成されている。このように構成されているので、各袋状部16は、図2に示すように、その中央部が最も厚さが厚く、この中央部から両側に縫い目14に向けて厚さが漸減し、その断面が細長い楕円状になっている。
パッド本体4を構成する袋状部材2は、通気性を有する綿ネル、不織布などから形成され、空気中の水分がこの袋状部材4を透過可能に構成されている。尚、袋状部材2の全周囲にはバイアステープ18で縁取りが行われ、バイアステープ18上にステッチされた縫い目20が設けられている。一般的に、湿度が60%を超えると雑菌が繁殖し易くなるので、袋状部材2に雑菌の繁殖を抑制するための抗菌防臭加工を施すのが好ましい。
次に、図3を参照して、パッド本体4に充填される充填材6について説明すると、この実施形態の充填材6は、吸着材8、蓄熱材10及び骨材12から構成されており、これらが所定の割合でほぼ均一に分散混合されて袋状部材2の各袋状部16に充填されている。充填材6の充填量は、全体で400g〜500g程度であって、例えば450gが各袋状部16にほぼ均等に分けられて充填される。従って、袋状部材2内において充填材6が一個所に偏ることがなく、温熱パッドを後述するように電子レンジで加熱するときに高周波が袋状部材2の各袋状部16に充填された充填材6に均一に照射され、これによって、水分を含む吸着材にて発生する蒸気熱はパッド本体4の全体からほぼ均一に発生するようになる。
充填材6に含まれる吸着材8は、大気中の水分を吸着できるものであればよく、シリカゲルが好都合に用いられる。この吸着材8は、充填材6の30〜90重量%含まれるようにするのが好ましく、このような割合で混入することによって、加熱した際に蒸気熱の発生量がある程度大きくなり、温熱パッドの加熱効率を高めることができる。
蓄熱材10は、適当な融点を持つ固液相変化物質を固形化したものが用いられる。この固液相変化物質は、固液相変化を伴う無機物質(硫酸塩、炭酸塩など)であってもよいが、通常、有機化合物であるのが好ましい。このような固液相変化を伴う有機化合物としては、化学的に安定な物質が使用され、例えば、酢酸塩などのカルボン酸金属塩などであってもよいが、通常、融解潜熱が大きく、明瞭な融点を示し、さらに、サイクル特性に優れた種々の疎水性又は非水溶性化合物が使用される。
蓄熱材10に用いる疎水性脂肪族化合物としては、例えば、アルカン類又は炭化水素類(テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサンなどの直鎖状C14−20アルカン類、パラフィンワックス(融点40〜80℃の炭化水素類)など)を用いることができ、これらを単独で又は二種類以上組み合わせて使用できる。
固液相変化物質は、温熱パッドの充填材6として用いる場合、融点が40〜80℃のものが好ましく、この融点が50〜70℃のものであるのがより好ましい。このような蓄熱材10を充填材6に混合すると、この融点において液相から固相に変化し、この変化の際に潜熱が生じ、相変化が終了するまでこの融点温度に維持され、従って、温熱パッドを温熱療法に適した所定温度に保つことができる。
相変化する固液相変化物質は固形化して用いられ、これを固形化したものとしては、固液相変化物質を含むカプセル状にしたものや、固液相変化物質を含浸させたポリマー粒子状にしたものなどである。また、固液相変化物質を含むカプセルや、固液相変化物質を含浸させたポリマー粒子を繊維状又は粉粒状無機材料とバインダーによって、粒状又はペレット状に固形化するようにしてもよい。この場合、無機材料としては、熱伝導性に優れた種々の材料、例えば、金属、金属無機塩、ケイ素含有化合物、炭素材などを用いることができる。これらの無機材料は、単独で又は二種類以上組み合わせて使用できる。また、バインダーとしては、セルロース誘導体、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などのバインダー樹脂を用いることができる。
骨材12は、比熱が3.0〜6.0kJ/kg・℃のものが好都合に用いられる。比熱の値が過小になると、伝熱がうまく作用せず、過剰な温度上昇を防止できなくなり、また比熱の値が過大になると、充填材6の温度上昇が遅くなり、温熱パッドの加熱効率が悪くなる。骨材12としては、砂、小石などを用いることができ、砕石よりも河川砂や海砂のように角がとれたものの方が好ましい。角のとれた砂は、温熱パッドを患部に当てたときの使用感が良く、また吸着材8及び蓄熱材10に傷を与えることがない。
この骨材12には、砂、小石などとともに、遠赤外線を放出する石、具体的には、麦飯石、ゼオライト、黒曜石、モルデナイト及び沸石を一種又は二種以上含めるようにしてもよく、このような石を混合することによって、温熱効果ととともに遠赤外線効果を得ることができる。また、骨材12にマイナスイオンを放出する石、具体的には、グラファイトシリカなどを含めるようにしてもよく、このような石を混合することによって、温熱効果とともにマイナスイオン効果を得ることができる。
充填材6に含まれる吸着材8、蓄熱材10及び骨材12は、次の混合比率で混合するのが好ましい。吸着材8は充填材6の30〜90重量%に、蓄熱材10は充填材6の5〜40重量%に、また骨材12は充填材の5〜30重量%となるように混合するのが好ましい。後の記載からの理解されるように、吸着材8は蒸気熱を発生させるために用いられ、蓄熱材10は固体から液体に相変化して発生した熱を潜熱として蓄えるために用いられ、骨材12は充填材6が過剰の温度上昇するのを防止するために用いられ、吸着材8、蓄熱材10及び骨材12を上述した比率で混合することによって、それぞれの所望の作用が発揮され、加熱効率を高く、温熱効果を長時間保ち、且つ安全性の高い温熱パッドを提供することができる。
上述した温熱パッドは、例えば、加熱手段として電子レンジを用いて加熱して使用される。温熱パッドを使用する場合、パッド本体4を綿などで形成した専用カバー(図示せず)に収容した状態で、或いはそのままの状態で電子レンジのレンジ皿に載置する。このとき、温熱パッドをそのままの形状状態で載置するようにしてもよいが、適当に折り畳んで載置するようにしてもよい。電子レンジは例えば500〜700ワットに設定され、電子レンジ機能で数分間加熱する。このように加熱すると、吸着材8が空気中の水分を吸着しているので、電子レンジの高周波が作用すると、この高周波によって蒸気熱が発生し、発生した蒸気熱が充填材6(吸着材8、蓄熱材10及び骨材12)に蓄熱される。そして、この加熱によって固液相変化物質の融点まで温度が上昇すると、固液相変化物質が固体から液体に相変化し、この相変化する際に固液相変化潜熱として蓄えられ、多くの熱量を蓄えることができる。
このように加熱した後、温熱パッドを電子レンジから取り出し、温熱パッドを直接に又は衣服の上から身体の肩などの患部に当てる。具体的には、パッド本体4の中央部が背中側の首部分に載置され、両端部分がその首もとから肩方向に延びるように肩部に載置される。このように肩に載せると、温熱パッドに蓄えられた熱が肩に伝わり、所望の温熱効果が得られ、温熱マットを用いた温熱治療が可能となる。このとき、放熱によって温熱パッドの温度が固液相変化物質の融点まで下がると、固液相変化物質が液体から固体に相変化し、この相変化によって蓄えられ固液相変化潜熱が放出され、相変化が終了するまでこの温度に保たれる。従って、この間は、この温度状態に維持され、温熱療法において重要な温熱療法温度がほぼ一定に保たれ、効果的な温熱療法効果が得られる。
このような温熱パッドは、電子レンジで再加熱することによって再使用することができる。吸着材8としてのシリカゲルは約20分程度放置すると水分を吸着し、この場合、袋状部材2を通して周囲の空気中に含まれている水分を吸着する。このような状態の温熱パッドを電子レンジで再加熱すると、上述したようにして温熱パッドが再加温され、患部に当てることによって温熱療法効果が得られ、上述した動作を行うことにより、何回でも繰り返し使用することができる。
上述した実施形態では、肩用に適用するために温熱パッドの形状をへの字形に形成しているが、このような形状に限らず、楕円形状、矩形状、細長いベルト状などの適宜の形状でよく、身体の患部に合わせて様々な形状や大きさ形成することができる。
また、上述した実施形態では、充填材6を吸着材8、蓄熱材10及び骨材12から構成しているが、骨材12を省略して、充填材6を吸着材8及び蓄熱材10から構成するようにしてもよい。このような場合、吸着材8を充填材6の60〜95重量%、蓄熱材10を充填材6の5〜40重量%の割合で混合するのが好ましく、このような混合比率で混合することによって、所望の温熱療法効果が得られる。
実施例及び比較例
上述した温熱パッドの効果を確認するために、次の実験を行った。実施例1として、吸着材としてシリカゲル368グラムを用い、蓄熱材として粒状にしたパラフィンワックス(融点:60〜70℃、蓄熱量:150kJ/kg、粒度:平均長径6mm,平均短径3mm)を92グラム用い、これらを均一に混合して充填材460グラムを得た。この充填材を図1及び図2に示す袋状部材(綿ネルから形成したもの)に充填して温熱パッドを製作した。
この実施例1の温熱パッドを出力500Wの電子レンジで2分間加熱し、加熱後電子レンジから実験台上に取り出し、温熱パッドを二つ折りにして静置させた。その後直ちにK型熱電対を二つ折りした温熱パッドの中心部に挟み込み、温度の経時的変化を測定した。この測定結果は、図4に示す通りであり、電子レンジから取り出した直後は85℃であり、その後時間の経過とともに温度が除々に低下し、60〜40℃(この温度範囲が温熱療法効果に効果的な温度範囲である)まで温度が低下するに要する時間(温熱持続効果)は約85分であった。
実施例2として、吸着材としてシリカゲル276グラムを用い、蓄熱材として粒状にしたパラフィンワックス(融点:60〜70℃、蓄熱量:150kJ/kg、粒度:平均長径6mm,平均短径3mm)を92グラム用い、更に骨材として麦飯石(比熱:4.7kJ/kg・℃、平均粒径3,3mm)を92グラム用い、これらを均一に混合して充填材460グラムを得た。この充填材を実施例1と同様の袋状部材に充填して温熱パッドを製作した。
この実施例2の温熱パッドを、実施例1と同様に、出力500Wの電子レンジで2分間加熱し、加熱後電子レンジから実験台上に取り出して二つ折りに静置し、K型熱電対を二つ折りした温熱パッドの中心部に挟み込んで温度の経時的変化を測定した。この測定結果は、図4に示す通りであり、電子レンジから取り出した直後は71℃であり、その後時間の経過とともに温度が除々に低下し、60〜40℃まで温度が低下するに要する時間(温熱持続効果)は約94分であった。
比較例として、充填材を吸着材としてのシリカゲルから形成し、シリカゲル460グラムを実施例1と同様の袋状部材に充填して温熱パッドを製作した。
この比較例の温熱パッドを、実施例1と同様に、出力500Wの電子レンジで2分間加熱し、加熱後電子レンジから実験台上に取り出して二つ折りに静置し、K型熱電対を二つ折りした温熱パッドの中心部に挟み込んで温度の経時的変化を測定した。この測定結果は、図4に示す通りであり、電子レンジから取り出した直後は95℃であり、その後時間の経過とともに温度が大きく低下し、60〜40℃まで温度が低下するに要する時間(温熱持続効果)は約35分であった.
上述した測定結果から明らかなように、本発明の温熱パッドは比較例の温熱パッドに比して、電子レンジ加熱直後の温度が低く、骨材を混合することによって更に低くすることができる一方、心地よい温熱効果が得られる温熱持続時間は比較例に比して長く維持できることが確認できた。
パッド本体を加熱する温熱パッドにおいて、パッド本体に充填される充填材が吸着材と固液相変化物質の蓄熱材とから構成される(更に、骨材を含ませることもできる)ので、吸着材から発生した蒸気熱の一部が蓄熱材の固液相変化潜熱として蓄えられ、これによって、加熱直後の温熱パッドの温度を低くするとともに温熱持続時間を長くすることができる。従って、温熱パッドが高温に上昇するのが抑えられ、その取扱いが容易となり、また優れた温熱治療効果を得ることができる。また、この温熱パッドは、電子レンジなどで再加熱して患部に当てて温熱療法に繰り返し使用することができ、非常に経済的である。
温熱パッドの一実施形態を示す平面図である。 図1の温熱パッドを示す縦断面図である。 図1の温熱パッドのパッド本体に充填される各部材を示す簡略図である。 実施例と比較例における温熱パッドの加熱後の温度の経時的変化を示す図である。
符号の説明
2 袋状部材
4 パッド本体
6 充填材
8 吸着材
10 蓄熱材
12 骨材

Claims (4)

  1. 通気性を有する袋状部材から形成されたパッド本体と、前記パッド本体に充填される充填材と、を備えた温熱パッドにおいて、
    前記充填材は、大気中の水分を吸着する吸着材と、固液相変化物質を固形化した蓄熱材と、比熱が3.0〜6.0kJ/kg・℃である骨材と、を含んでおり、
    前記パッド本体を電子レンジで加熱すると、前記吸着材が蒸気熱を発生し、前記固液相変化物質が発生した蒸気熱の一部を吸収し、吸収した蒸気熱が前記固液相変化物質の固体から液体への相変化によって潜熱とし蓄えられるとともに、前記骨材が発生した蒸気熱の一部を吸収し、この蒸気熱の吸収によって、前記充填材の過剰な温度上昇が抑えられることを特徴とする温熱パッド。
  2. 前記吸着材は前記充填材の30〜90重量%含まれ、前記蓄熱材は前記充填材の5〜40重量%含まれ、前記骨材は前記充填材の5〜30重量%含まれていることを特徴とする請求項に記載の温熱パッド。
  3. 前記骨材は、遠赤外線を放出する麦飯石、ゼオライト、黒曜石、モルデナイト及び沸石並びにマイナスイオンを放出するグラファイトシリカのいずれか一つ又は二つ以上を含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の温熱パッド。
  4. 前記吸着材がシリカゲルであり、前記固液相変化物質が粒状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の温熱パッド。
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