JP4202113B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のスイッチング回路を備え、複数種類の直流電圧を出力するスイッチング電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数のスイッチング回路を備えることにより複数種類の直流電圧を出力できるスイッチング電源装置が知られている。このようなスイッチング電源装置を用いて、例えば半導体デバイスを複数種類の直流電圧で駆動する場合、各直流電圧の立ち上がりタイミングを考慮せずに複数種類の直流電圧を半導体デバイスに供給すると、半導体デバイスの破損を招くことがある。
【0003】
そこで、従来のスイッチング電源装置は、例えば、第1直流電圧を半導体デバイスに供給してから所定時間が経過した後に第2直流電圧を半導体デバイスに供給するように構成されている。このような機能を実現するために、従来のスイッチング電源装置は、第1直流電圧を出力するスイッチング回路を駆動制御するためのパルス信号を生成するパルス幅変調制御回路と、第2直流電圧を出力するスイッチング回路を駆動制御するためのパルス信号を生成するパルス幅変調制御回路とを別個に備えている。そして、各パルス幅変調制御回路に設けられたコンデンサによりパルス信号の出力開始タイミングとパルス幅を調整し、以て第1直流電圧及び第2直流電圧の立ち上がりタイミングを調整するというソフトスタート機能が実現されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、複数のスイッチング回路を備えた他のスイッチング電源装置として、出力の1つが過電流、低電圧になったときに全ての出力を停止することを可能にしたものが知られている(特許文献2参照)。このスイッチング電源装置では、出力異常検出用の巻線に誘起される電圧が低下した場合に、パルス幅変調制御回路に供給される直流電圧が低下してパルス幅変調制御回路の動作が停止し、これにより全ての出力が停止する。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−154275号公報(段落番号「0148」、図14)
【特許文献2】
特開2002−64982公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術では、第1直流電圧と第2直流電圧の立ち上がりの時間差をコンデンサで調整してソフトスタート機能を実現しているので、上記時間差にバラツキが生じることがあり、また、この時間差を大きくすることは困難である。
【0007】
また、特許文献2に開示されている方法では、出力異常検出用の巻線に誘起される電圧がパルス幅変調制御回路を完全に停止させる電圧にならない場合、出力される直流電圧が異常な電圧になる可能性があるという問題がある。
【0008】
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、ソフトスタート機能を使用することなく、立ち上がりタイミングが相互に異なる複数種類の直流電圧を出力できるスイッチング電源装置を得ることを目的とする。
【0009】
また、この発明は、出力異常検出用の巻線に誘起される電圧値に依存することなく、出力の1つが過電流、低電圧になったときに全ての出力を停止させることができるスイッチング電源装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るスイッチング電源装置は、直流電源からの直流電圧の印加により始動してパルス幅変調を制御するための第1パルス信号を生成する第1パルス幅変調制御回路と、複数の巻線を有する第1トランスを含み、第1パルス幅変調制御回路からの第1パルス信号に応じて直流電源からの直流電圧を断続させ、この断続により第1トランスの第2巻線に誘起された第1交流電圧を整流して第1直流電圧として外部に出力する第1スイッチング部とを備える第1直流電源回路と、第1トランスの第3巻線に誘起された第3交流電圧を整流して駆動用直流電圧として出力する第2直流電源回路駆動部と、第2直流電源回路駆動部からの駆動用直流電圧の印加により始動してパルス幅変調を制御するための第2パルス信号を生成する第2パルス幅変調制御回路と、巻線を有する第2トランスを備え、第2パルス幅変調制御回路からの第2パルス信号に応じて直流電源からの直流電圧を断続させ、この断続により第2トランスの巻線に誘起された第2交流電圧を整流して第2直流電圧として外部に出力する第2スイッチング部とを備える第2直流電源回路とを備えたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。このスイッチング電源装置は、直流電源10、第1直流電源回路20、第2直流電源回路30、スタート回路40及びダイオード50から構成されている。
【0012】
直流電源10は、第1直流電源回路20、第2直流電源回路30及びスタート回路40に直流電圧Vを供給する。
【0013】
第1直流電源回路20は、第1スイッチング回路21、第11整流平滑回路22、第1パルス幅変調制御回路23、第1ゲート駆動回路24及び第12整流平滑回路25から構成されている。第1スイッチング回路21及び第12整流平滑回路25は、この発明の第1スイッチング部に対応する。
【0014】
第1スイッチング回路21は、第1トランス210と、この第1トランス210の一次巻線211に直列に挿入されたスイッチング素子である第1電界効果トランジスタ(第1TR)212とから構成されている。第1トランス210の一次巻線211には直流電源10から直流電圧Vが供給される。
【0015】
第1トランス210は、第1巻線213、第2巻線214及び第3巻線215といった3つの二次巻線を備えている。第1巻線213は、一次側に配置された第11整流平滑回路22に接続されている。第2巻線214は、二次側に配置された第12整流平滑回路25に接続されている。第3巻線215は、一次側に配置された第21整流平滑回路32に接続されている。
【0016】
第1電界効果トランジスタ212は、第1ゲート駆動回路24からの第1駆動信号に応じてオン/オフする。この第1電界効果トランジスタ212のオン/オフにより、直流電源10からの直流電圧Vが断続され、交流電圧として第1トランス210の一次巻線211に供給される。
【0017】
第11整流平滑回路22は、第1トランス210の第1巻線213に誘起された第4交流電圧を整流及び平滑し、第1パルス幅変調制御回路23に供給する。この第11整流平滑回路22は、詳細な説明は省略するが、ダイオード220及び221、インダクタ222並びにコンデンサ223から成る周知の回路から構成されている。第11整流平滑回路22は、この発明の第1直流電源回路駆動部に対応する。
【0018】
第1パルス幅変調制御回路23は、直流電源10からスタート回路40及びダイオード50を介して供給される直流電圧又は第11整流平滑回路22から供給される直流電圧を電源として動作する。この第1パルス幅変調制御回路23は、供給された直流電圧に応じたパルス幅を有する第1パルス信号を生成し、第1ゲート駆動回路24に供給する。
【0019】
第1ゲート駆動回路24は、第1パルス幅変調制御回路23からの第1パルス信号を増幅し、第1駆動信号として第1電界効果トランジスタ212のゲートに送る。第1電界効果トランジスタ212は、この第1駆動信号に応じてオン又はオフにされる。
【0020】
第12整流平滑回路25は、第1トランス210の第2巻線214に誘起された第1交流電圧を整流及び平滑し、負荷26に供給する。この第12整流平滑回路25は、詳細な説明は省略するが、ダイオード250及び251、インダクタ252並びにコンデンサ253から成る周知の回路から構成されている。
【0021】
第2直流電源回路30は、第2スイッチング回路31、第21整流平滑回路32、第2パルス幅変調制御回路33、第2ゲート駆動回路34及び第22整流平滑回路35から構成されている。第2スイッチング回路31及び第22整流平滑回路35は、この発明の第2スイッチング部に対応する。
【0022】
第2スイッチング回路31は、第2トランス310と、この第2トランス310の一次巻線311に直列に挿入されたスイッチング素子である第2電界効果トランジスタ(第2TR)312とから構成されている。第2トランス310の一次巻線311には直流電源10から直流電圧Vが供給される。第2トランス310は、1つの二次巻線313を備えており、この二次巻線313は、第22整流平滑回路35に接続されている。
【0023】
第2電界効果トランジスタ312は、第2ゲート駆動回路34からの第2駆動信号に応じてオン/オフする。この第2電界効果トランジスタ312のオン/オフにより、直流電源10からの直流電圧Vが断続され、交流電圧として第2トランス310の一次巻線311に供給される。
【0024】
第21整流平滑回路32は、第1直流電源回路20の第1スイッチング回路21に含まれる第1トランス210の第3巻線215に誘起された第3交流電圧を整流及び平滑し、第2パルス幅変調制御回路33に供給する。この第21整流平滑回路32は、詳細な説明は省略するが、ダイオード320及び321、インダクタ322並びにコンデンサ323から成る周知の回路から構成されている。この第21整流平滑回路32は、この発明の第2直流電源回路駆動部に対応する。
【0025】
第2パルス幅変調制御回路33は、第21整流平滑回路32から供給される直流電圧を電源として動作する。この第2パルス幅変調制御回路33は、供給された直流電圧に応じたパルス幅を有する第2パルス信号を生成し、第2ゲート駆動回路34に供給する。
【0026】
第2ゲート駆動回路34は、第2パルス幅変調制御回路33からの第2パルス信号を増幅し、第2駆動信号として第2電界効果トランジスタ312のゲートに送る。第2電界効果トランジスタ312は、この第2駆動信号に応じてオン又はオフにされる。
【0027】
第22整流平滑回路35は、第2トランス310の二次巻線313に誘起された第2交流電圧を整流及び平滑し、負荷36に供給する。この第22整流平滑回路35は、詳細な説明は省略するが、ダイオード350及び351、インダクタ352並びにコンデンサ353から成る周知の回路から構成されている。
【0028】
スタート回路40は、このスイッチング電源装置を始動させるために使用される。即ち、このスタート回路40は、外部からの起動指令に応答して、直流電源10からの直流電圧Vを所定の電圧に変換し、ダイオード50を介して第1パルス幅変調制御回路23に供給する。ダイオード50は、第1パルス幅変調制御回路23に供給する直流電圧として、スタート回路40の出力又は第11整流平滑回路22の出力の何れかを選択するように機能する。
【0029】
次に、この発明の実施の形態1に係るスイッチング電源装置の動作を説明する。
【0030】
スタート回路40は、外部からの起動指令を受け取ると、直流電源10からの直流電圧Vを所定の電圧に変換し、ダイオード50を介して第1パルス幅変調制御回路23に供給する。これにより、第1パルス幅変調制御回路23は始動する。即ち、第1パルス幅変調制御回路23は、スタート回路40からダイオード50を介して供給された直流電圧に応じたパルス幅でオン及びオフを繰り返す第1パルス信号を生成し、第1ゲート駆動回路24に供給する。
【0031】
第1ゲート駆動回路24は、第1パルス幅変調制御回路23からの第1パルス信号を増幅して第1駆動信号を生成し、第1電界効果トランジスタ212のゲートに供給する。これにより、第1電界効果トランジスタ212は、第1パルス信号に従ってオン/オフを繰り返す。その結果、直流電源10からの直流電圧Vが断続された交流電圧が第1トランス210の一次巻線211に印加される。
【0032】
第1トランス210の一次巻線211に交流電圧が印加されると、第1巻線213、第2巻線214及び第3巻線215には第4交流電圧、第1交流電圧及び第3交流電圧がそれぞれ誘起され、第11整流平滑回路22、第12整流平滑回路25及び第2直流電源回路30の第21整流平滑回路32にそれぞれ供給される。二次巻線213、214及び215にそれぞれ誘起される第4、第1及び第3交流電圧は、一次巻線211と二次巻線213、214及び215との巻線比によってそれぞれ決定される。
【0033】
第11整流平滑回路22は、第1巻線213に誘起された第4交流電圧を整流及び平滑化して第1駆動用直流電圧を生成し、第1パルス幅変調制御回路23に供給する。この第1駆動用直流電圧は、一次巻線211に対する第1巻線213の巻線比を適宜定めることにより、スタート回路40からダイオード50を介して第1パルス幅変調制御回路23に供給される直流電圧より高くなるように設定されている。従って、第11整流平滑回路22から第1駆動用直流電圧の出力が開始されると、ダイオード50は逆バイアスされ、ダイオード50に流れる電流は停止される。その結果、スタート回路40から第1パルス幅変調制御回路23への直流電圧の供給は停止され、以後は、これに代えて第11整流平滑回路22から第1パルス幅変調制御回路23に直流電圧が供給される。その後は、上述したように、第1パルス幅変調制御回路23、第1ゲート駆動回路24、第1電界効果トランジスタ212、第1トランス210及び第11整流平滑回路22といった閉経路で信号が流れることにより第1パルス信号のパルス幅が一定になるように制御され、第1直流電源回路20は平衡状態に入る。
【0034】
一方、上記第11整流平滑回路22の動作と並行して、第12整流平滑回路25は、第2巻線214に誘起された第1交流電圧を整流及び平滑化して第1直流電圧を生成し、負荷26に供給する。この第1直流電圧は、一次巻線211に対する第2巻線214の巻線比を適宜定めることにより、例えば半導体デバイスといった負荷26に最初に投入される電圧V1になるように設定されている。
【0035】
更に、上記第11整流平滑回路22及び第12整流平滑回路25の動作と並行して、第2直流電源回路30の第21整流平滑回路32は、第3巻線215に誘起された第3交流電圧を整流及び平滑化して第2駆動用直流電圧(この発明の駆動用直流電圧に対応する)を生成し、第2パルス幅変調制御回路33に供給する。これにより、第2パルス幅変調制御回路33は始動する。即ち、第2パルス幅変調制御回路33は、第21整流平滑回路32から供給された第2駆動用直流電圧に応じたパルス幅でオン及びオフを繰り返す第2パルス信号を生成し、第2ゲート駆動回路34に供給する。
【0036】
第2ゲート駆動回路34は、第2パルス幅変調制御回路33からの第2パルス信号を増幅して第3駆動信号を生成し、第2電界効果トランジスタ312のゲートに供給する。これにより、第2電界効果トランジスタ312は、第2パルス信号に従ってオン/オフを繰り返す。その結果、直流電源10からの直流電圧Vが断続された交流電圧が第2トランス310の一次巻線311に印加される。
【0037】
第2トランス310の一次巻線311に交流電圧が印加されると、その二次巻線313には第2交流電圧が誘起され、第22整流平滑回路35に供給される。二次巻線313から出力される電圧は、一次巻線311と二次巻線313との巻線比によって決定される。
【0038】
第22整流平滑回路35は、二次巻線313に誘起された第2交流電圧を整流及び平滑化して第2直流電圧を生成し、負荷36に供給する。この第2直流電圧は、一次巻線311に対する二次巻線313の巻線比を適宜定めることにより、例えば半導体デバイスといった負荷36に対し、最初に投入された電圧V1に引き続いて投入される電圧V2になるように設定されている。
【0039】
以上説明したように、この実施の形態1に係るスイッチング電源装置によれば、第1直流電源回路20が動作を開始した後に、第2直流電源回路30の第2パルス幅変調制御回路33に第2駆動用直流電圧を電源として供給するように構成したので、第1直流電源回路20が始動しなければ第2直流電源回路30は始動せず、第1直流電源回路20から出力される第1直流電圧が立ち上がった後に第2直流電源回路30から出力される第2直流電圧が立ち上がるというシーケンスが崩れることはない。従って、従来のようなソフトスタート機能を使用しなくても、立ち上がりタイミングが相互に異なる複数種類の直流電圧を出力することができる。
【0040】
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2によるスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。このスイッチング電源装置は、実施の形態1によるスイッチング電源装置における第21整流平滑回路32及び第2パルス幅変調制御回路33を二次側に配置し、第2パルス幅変調制御回路33で生成された第2パルス信号を、新たに追加された第3トランス60を介して、一次側に設けられた第2ゲート駆動回路34に供給するように構成されている。以下においては、実施の形態1と同一又は相当部分には実施の形態1と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0041】
具体的には、第1トランス210の第3巻線215は、二次側に配置された第21整流平滑回路32に接続されている。この第21整流平滑回路32は、第1トランス210の第3巻線215に誘起された第3交流電圧を整流及び平滑して第2駆動用直流電圧(この発明の駆動用直流電圧に対応する)を生成し、第2パルス幅変調制御回路33に供給する。
【0042】
第2パルス幅変調制御回路33は、第21整流平滑回路32から供給される第2駆動用直流電圧によって動作する。この第2パルス幅変調制御回路33は、第21整流平滑回路32から供給された直流電圧に応じたパルス幅を有する第2パルス信号を生成し、第3トランス60に供給する。第3トランス60は、第21整流平滑回路32からの第2パルス信号を変圧し、第2ゲート駆動回路34に供給する。この場合、変圧比は「1:1」とすることができる。
【0043】
以上のように構成される本発明の実施の形態2に係るスイッチング電源装置の動作は、以下の点を除けば、上述した実施の形態1に係るスイッチング電源装置の動作と同じである。即ち、二次側に配置された第2パルス幅変調制御回路33は、二次側に配置された第21整流平滑回路32からの第2駆動用直流電圧によって始動する。そして、この第2パルス幅変調制御回路33において生成された第2パルス信号は、第3トランス60を介して一次側に配置された第2ゲート駆動回路34に供給される。
【0044】
以上説明したように、この実施の形態2に係るスイッチング電源装置によれば、上述した実施の形態1に係るスイッチング電源装置と同様に、従来のようなソフトスタート機能を使用しなくても、立ち上がりタイミングが相互に異なる複数種類の直流電圧を出力することができる。
【0045】
加えて、第21整流平滑回路32及び第2パルス幅変調制御回路33を二次側に配置し、この二次側に配置された第2パルス幅変調制御回路33からの第2パルス信号を第3トランス60を介して一次側に配置された第2ゲート駆動回路34に供給するように構成したので、二次側で生成された第2パルス信号が電気的に絶縁された一次側に供給される。その結果、第2パルス信号は、スイッチングノイズの影響を受け難くなり、スイッチング電源装置の安定した動作が可能になる。
【0046】
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3によるスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。このスイッチング電源装置は、実施の形態2によるスイッチング電源装置において、第12整流平滑回路25から出力される第1直流電圧を検出する電圧検出回路70を新たに設け、この電圧検出回路70の出力を第2パルス幅変調制御回路33に供給するように構成されている。以下においては、実施の形態2と同一又は相当部分には実施の形態2と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0047】
この実施の形態3に係るスイッチング電源装置は、以下の点を除けば、上述した実施の形態2に係るスイッチング電源装置の動作と同じである。即ち、電圧検出回路70は、第12整流平滑回路25から出力される第1直流電圧のレベルを検出し、この検出された電圧のレベルが所定のレベルより大きい場合は、第2パルス幅変調制御回路33を動作させるための制御信号を生成し、所定のレベル以下である場合は、第2パルス幅変調制御回路33の動作を停止させるための制御信号を生成し、第2パルス幅変調制御回路33に送る。
【0048】
これにより、第12整流平滑回路25から出力される第1直流電圧のレベルに応じて、第22整流平滑回路35から第2直流電圧を出力するかどうかを高い精度で制御することが可能になる。また、第12整流平滑回路25から出力される第1直流電圧のレベルが低下した場合に、第22整流平滑回路35は第2直流電圧の出力を停止させるので、電圧検出回路70は異常検知手段としても機能する。
【0049】
以上説明したように、この実施の形態3に係るスイッチング電源装置によれば、上述した実施の形態1に係るスイッチング電源装置と同様に、従来のようなソフトスタート機能を使用しなくても、立ち上がりタイミングが相互に異なる複数種類の直流電圧を出力することができる。また、上述した実施の形態2に係るスイッチング電源装置と同様に、スイッチング電源装置の安定した動作が可能になる。
【0050】
加えて、電圧検出回路70で用いられる「所定のレベル」を適宜設定することにより、第12整流平滑回路25から出力される第1直流電圧が立ち上がってから第22整流平滑回路35から出力される第2直流電圧が立ち上がるまでの時間を調整できるので、種々の負荷に適合するスイッチング電源装置を提供できる。また、第1直流電圧が低下するという異常が発生した場合に、第2直流電圧の出力を停止させることができるので、負荷の異常動作を防止できる。
【0051】
この実施の形態3に係るスイッチング電源装置は、実施の形態2に係るスイッチング電源装置に電圧検出回路70を追加したものであるが、実施の形態1に係るスイッチング電源装置に電圧検出回路70を追加するように構成することもできる。この場合も上記と同様の作用及び効果を奏する。なお、実施の形態2に係るスイッチング電源装置に電圧検出回路70を追加した場合は、第2パルス幅変調制御回路33が二次側に配置されているので、実施の形態1に係るスイッチング電源装置に電圧検出回路70を追加した場合に比べて、回路構成が簡単になるという利点がある。
【0052】
実施の形態4.
図4は、この発明の実施の形態4によるスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。このスイッチング電源装置は、実施の形態2によるスイッチング電源装置において、ダイオード50に流れる電流を検出する検出回路80を新たに設け、この検出回路80における検出結果がスタート回路40及び第1パルス幅変調制御回路23に供給されるように構成されている。以下においては、実施の形態2と同一又は相当部分には実施の形態2と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0053】
このスイッチング電源装置の動作は、以下の点を除けば、上述した実施の形態2に係るスイッチング電源装置の動作と同じである。即ち、第11整流平滑回路22から出力される第1駆動用直流電圧が低下すると、ダイオード50は順バイアスされ、ダイオード50に再び電流が流れ始める。検出回路80は、このダイオード50に電流が再び流れ始めたことを検出すると、動作を停止させるための制御信号を生成し、スタート回路40及び第1パルス幅変調制御回路23に送る。検出回路80からの制御信号を受け取ったスタート回路40及び第1パルス幅変調制御回路23は、その動作を停止する。
【0054】
これにより、例えば第1トランス210の二次巻線の1つが短絡することによって第11整流平滑回路22から出力される第1駆動用直流電圧が低下し、スタート回路40からダイオード50を介して第1パルス幅変調制御回路23に電流が流れ始める。検出回路80は、このダイオード50に電流が再び流れたことを検出し、スタート回路40及び第1パルス幅変調制御回路23の動作を停止させる。これにより、第1直流電源回路20の動作が停止して第1直流電圧の出力が抑止され、また、第1直流電源回路20の動作が停止することに伴って第2直流電源回路30の動作も停止し、第2直流電圧の出力が抑止される。
【0055】
以上説明したように、この実施の形態4に係るスイッチング電源装置によれば、上述した実施の形態1に係るスイッチング電源装置と同様に、従来のようなソフトスタート機能を使用しなくても、立ち上がりのタイミングが相互に異なる複数種類の直流電圧を出力することができる。また、上述した実施の形態2に係るスイッチング電源装置と同様に、スイッチング電源装置の安定した動作が可能になる。
【0056】
加えて、第11整流平滑回路22からの第1駆動用直流電圧が低下すると、検出回路80は、スタート回路40及び第1パルス幅変調制御回路23の動作を停止させ、これによりスイッチング電源装置の全ての出力が停止されるので、出力異常等が発生した場合に速やかに全ての出力を停止させることができる。
【0057】
この実施の形態4に係るスイッチング電源装置は、実施の形態2に係るスイッチング電源装置に検出回路80を追加したものであるが、実施の形態1又は実施の形態3に係るスイッチング電源装置に検出回路80を追加するように構成することもできる。これらの場合も上記と同様の作用及び効果を奏する。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、第1直流電源回路が始動された後に、この始動された第1直流電源回路で生成された駆動用直流電圧を印加することにより第2直流電源回路を始動するように構成したので、ソフトスタート機能を用いることなく、立ち上がりタイミングが相互に異なる複数種類の直流電圧を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係るスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。
【図2】 本発明の実施の形態2に係るスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。
【図3】 本発明の実施の形態3に係るスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。
【図4】 本発明の実施の形態4に係るスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
10 直流電源、20 第1直流電源回路、21 第1スイッチング回路(第1スイッチング部)、22 第11整流平滑回路(第1直流電源回路駆動部)、23 第1パルス幅変調制御回路、24 第1ゲート駆動回路、25 第12整流平滑回路(第1スイッチング部)、26 負荷、30 第2直流電源回路、31 第2スイッチング回路(第2スイッチング部)、32 第21整流平滑回路(第2直流電源回路駆動部)、33 第2パルス幅変調制御回路、34 第2ゲート駆動回路、35 第22整流平滑回路(第2スイッチング部)、36 負荷、40 スタート回路、50 ダイオード、60 第3トランス、70 電圧検出回路、80 検出回路、210 第1トランス、212 第1電界効果トランジスタ(スイッチング素子)、310 第2トランス、312 第2電界効果トランジスタ(スイッチング素子)。
Claims (4)
- 直流電源からの直流電圧の印加により始動してパルス幅変調を制御するための第1パルス信号を生成する第1パルス幅変調制御回路と、
複数の巻線を有する第1トランスを含み、前記第1パルス幅変調制御回路からの第1パルス信号に応じて前記直流電源からの直流電圧を断続させ、該断続により前記第1トランスの第2巻線に誘起された第1交流電圧を整流して第1直流電圧として外部に出力する第1スイッチング部とを備える第1直流電源回路と、
前記第1トランスの第3巻線に誘起された第3交流電圧を整流して駆動用直流電圧として出力する第2直流電源回路駆動部と、
前記第2直流電源回路駆動部からの駆動用直流電圧の印加により始動してパルス幅変調を制御するための第2パルス信号を生成する第2パルス幅変調制御回路と、
巻線を有する第2トランスを備え、前記第2パルス幅変調制御回路からの第2パルス信号に応じて前記直流電源からの直流電圧を断続させ、該断続により前記第2トランスの巻線に誘起された第2交流電圧を整流して第2直流電圧として外部に出力する第2スイッチング部とを備える第2直流電源回路
とを備えたスイッチング電源装置。 - 直流電源からの直流電圧を断続させるスイッチング素子は第1および第2トランスの一次側に配置され、第2直流電源回路駆動部及び第2パルス幅変調制御回路は前記第2トランスの二次側に配置されていることを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
- 第1スイッチング部から出力される第1直流電圧を検出する電圧検出回路を更に備え、
第2パルス幅変調制御回路は、前記電圧検出回路の検出結果に応じて第2パルス信号の生成を開始又は停止することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスイッチング電源装置。 - 直流電源からの直流電圧を印加して第1パルス幅変調制御回路を始動させるスタート回路と、
前記スタート回路によって前記第1パルス幅変調制御回路が始動された後は、前記直流電源からの直流電圧に代えて、第1スイッチング部における前記断続により前記第1トランスの第1巻線に誘起された第4交流電圧を整流して前記第1パルス幅変調制御回路に供給する第1直流電源回路駆動部と、
前記直流電源からの直流電圧が前記第1パルス幅変調制御回路に再び供給されたかどうかを検出する検出回路とを更に備え、
前記検出回路は、前記直流電源からの直流電圧が再び前記第1パルス幅変調制御回路に供給されたことを検知した場合は、前記スタート回路及び前記第1パルス幅変調制御回路の動作を停止させて、第1直流電圧及び前記第2直流電圧の外部への出力を抑止することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のスイッチング電源装置。
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