JP4202009B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、安全性に優れた非水電解質二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、正極活物質に4V放電が可能なリチウム含有複合酸化物である層状化合物のLiCoO2やLiNiO2、スピネル型のLiMn2O4を用い、負極活物質に炭素材料として黒鉛を用いた非水電解質二次電池が知られている。
二次電池の概略を図1を参照して説明する。
図1に示すように、非水電解質二次電池10は、容器1内に負極2と正極3とをセパレータ4を介在させて内装されており、その空間(空隙)部分に電解液が充填されている。なお、図1中、符号5は負極端子、6は正極端子、7は安全弁を各々図示する。
この非水電解質二次電池の充放電反応は、以下の式(1)から(4)に示すとおりである。式(1)〜式(3)はそれぞれLiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4の充放電反応であり、式(4)は黒鉛の充放電反応である。
【0003】
【化1】
【0004】
【化2】
【0005】
【化3】
【0006】
【化4】
【0007】
式(1)〜式(3)に示す反応においては、充電時にLi+(リチウムイオン)がリチウム含有複合酸化物の結晶中の所定のサイトから脱離し、放電時にはリチウムイオンがリチウム含有複合酸化物の結晶中の所定のサイトに挿入する。
ところで式(1)〜(3)に示した充放電反応は、3.6〜4.4V(.vs. Li/ Li+)の電位の範囲、いわゆる4V放電域で起きるものであるため、この反応でリチウムイオンを挿入・脱離させるリチウム含有複合酸化物のサイトは、4V放電域のサイトと呼ばれている。
【0008】
また、スピネル型のリチウムマンガン複合酸化物においては、上記の4V放電域のサイトのほかに、3.6V(.vs. Li/ Li+)以下の電位範囲(いわゆる3V放電域)でリチウムイオンが挿入・脱離されうるサイトの存在が知られている。この3V放電域のサイトを充放電反応に利用できれば、非水電解質二次電池のエネルギー密度が格段に向上することが期待できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リチウムマンガン複合酸化物を用いた従来の非水電解質二次電池においては、系内に含まれるリチウムはリチウムマンガン複合酸化物に含まれるリチウムのみであり、これらのリチウムは4V放電域のサイトに対して挿入・脱離反応を行うものであって、3V放電域のサイトに対して挿入・脱離するものではないので、リチウムマンガン複合酸化物の3V放電域のサイトを電池容量として活用できないという課題があった。
【0010】
さらに、非水電解質二次電池においては、初回放電時に負極活物質である炭素材料の表面で非水電解質の還元分解反応が起こり、この反応によりリチウム含有複合酸化物から放出されるリチウムイオンの10〜20%程度が負極に消費されてしまい、これにより充放電反応にかかるリチウムイオン、すなわち、リチウム含有複合酸化物の4V放電域のサイトを満たすリチウムイオン量が減少してしまうという課題があった。
【0011】
そこで、先に本出願人は、電池の充放電にかかるリチウム量を増加させるため、負極の表面に金属リチウムを設けることを提案したが(特願2000−40041)、設けた金属リチウムがすべて充放電に利用されず、一部の金属リチウムがそのまま負極上に残存する場合があることが判明した。残存する金属リチウムは、内部短絡時に、電流密度が集中する等の理由で電池の安全性を低下させるという問題がある。
【0012】
また、同様に、二次電池を長期間に亙って充放電を繰返した場合には、負極表面に金属リチウムが析出し、電池の安全性を低下させるという問題がある。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑み、負極表面の金属リチウム、又は金属リチウム合金を除去し、安全性を向上させた非水電解質二次電池を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の第1の発明は、
リチウムイオンを吸蔵可能な材料に導電材、及び結着剤を必要に応じて配合した混合物からなる正極及び負極との間に、リチウムイオンを含有する電解液を備えてなる非水電解質二次電池であって、
上記負極の表面には、金属リチウム又は金属リチウム合金が貼り付けられ、
上記正極には、1V以上3.5V未満の電圧範囲で上記リチウムイオンと不可逆的に反応するフッ化カーボンが混入されている
ことを特徴とする非水電解質二次電池にある。
【0016】
第2の発明は、
第1の発明において、
上記金属リチウム箔又は金属リチウム合金箔が複数あり、当該複数の金属リチウム箔又は金属リチウム合金箔が負極の表面に相互に離間し分散配置され、貼付されている
ことを特徴とする非水電解質二次電池にある。
【0017】
第3の発明は、第1の発明において、上記リチウムイオンを吸蔵可能な正極材が、下記の組成式により表されるリチウム含有複合酸化物のいずれか一種、又は2種以上であることを特徴とする非水電解質二次電池にある。
LiX Mn1 -Y MY O4 (ただし、0.4≦X ≦1.2、0≦Y ≦0.6、MはTi,V,Cr,Fe,Co,Ni,Al,Ag,Mg,Srからなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表すにある。)
LiX Co1 -Y MY O4 (ただし、0.8≦X ≦1.2、0≦Y ≦0.6、MはTi,V,Cr,Fe,Co,Ni,Al,Ag,Mg,Srからなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表すにある。)
LiX Ni1 -Y MY O4 (ただし、0.8≦X ≦1.2、0≦Y ≦0.6、MはTi,V,Cr,Fe,Co,Ni,Al,Ag,Mg,Srからなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表すにある。)
【0019】
第4の発明は、
第1乃至3のいずれか1の非水電解質二次電池を用い、
少なくとも初回、或いは所定回数の充放電の後に、1V以上3.5V未満まで放電することでフッ化カーボンがリチウムイオンと不可逆的に反応し、負極表面に存在する金属リチウム、或いは金属リチウム合金を除去する
ことを特徴とする非水電解質二次電池の運転方法にある。
【0021】
第5の発明は、
第4の発明において、
上記リチウムイオンとフッ化カーボンとを反応させるための放電が、下限2Vである
ことを特徴とする非水電解質二次電池の運転方法にある。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明の非水電解質二次電池は、以下の図面に示す形態に限られるものではない。本実施の形態にかかる非水電解質二次電池は、リチウムイオンを吸蔵可能な材料を主成分とする正極及び負極との間に、リチウムイオンを含有する電解液を備えてなる非水電解質二次電池であって、上記負極表面、内部或いはその双方に金属リチウム又は金属リチウム合金を設けてなると共に、上記正極にリチウムイオンと不可逆的に反応するリチウムイオン捕捉剤を設けてなるものである。本発明において、上記捕捉剤の混合量は、リチウムイオンとの化学反応により金属リチウムを除去することができるに十分な量であれば、特に限定されるものではないが、後述する実施例に示すように3重量%以上とするのが特に好ましい。
【0023】
ここで、上記正極には、通常リチウム二次電池に用いられるものでよく、例えば、次に例示するようなものをリチウムイオン吸蔵可能な材料として用いることができる。
LiX Mn1-YMYO4
(ただし、0.4≦X ≦1.2、0≦Y ≦0.6、MはTi,V,Cr,Fe,Co,Ni,Al,Ag,Mg,Srからなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表す。)
LiX Co1-YMYO4
(ただし、0.8≦X ≦1.2、0≦Y ≦0.6、MはTi,V,Cr,Fe,Co,Ni,Al,Ag,Mg,Srからなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表す。)
LiX Ni1-YMYO4
(ただし、0.8≦X ≦1.2、0≦Y ≦0.6、MはTi,V,Cr,Fe,Co,Ni,Al,Ag,Mg,Srからなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表す。)
また、これらのリチウムイオン吸蔵可能な材料に、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤、及びポリフッ化ビニリデン等からなるバインダーを必要に応じて配合することができる。
【0024】
上記負極には、通常リチウム二次電池に用いられる、天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質炭素、ケイ素化合物、TiO2 等の金属酸化物等をリチウムイオン吸蔵可能な材料として用いることができる。また、これらのリチウムイオン吸蔵可能な材料に、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤、及びポリフッ化ビニリデン等からなるバインダーを必要に応じて配合することができる。
【0025】
また、上記電解液は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アセトニトリル、スルホラン、3−メチルスルホラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルオキサゾリジノン、又はN,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、メチルホルメート、メチルアセテート、メチルプロピネートのいずれか一種、或いはうちの二種以上を混合した混合溶媒に、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiC4F9SO3、LiSbF6、LiAlO4、LiAlCl4、LiN(CxF2x+1SO2)(CyF2y+1SO2)(ただしx、yは自然数)、LiCl、LiI等のリチウム塩からなる電解質の一種または二種以上を混合させたものを溶解したものを用いることができる。
【0026】
上記セパレータは、通常使用される多孔質ポリプロピレン等のポリオレフィン系の多孔質膜を使用することができる。
【0027】
なお、上記金属リチウム或いは金属リチウム合金を負極表面に設けるには、例えば金属リチウム箔を貼付・接合する方法、蒸着方法等の種々の方法を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、リチウム箔を複数枚貼付する場合には、負極の表面に相互に離間されて均一に分散配置・接合させるようにしてもよい。
【0028】
上記金属リチウム又は金属リチウム合金を負極表面に設けることにより、正極活物質であるリチウム含有複合酸化物の未活用容量を利用することが可能となり、非水電解質二次電池のエネルギー密度を高くすることができるが、設けた金属リチウムがすべて充放電に利用されず、一部の金属リチウムがそのまま負極上に残存する場合がある。また、同様に、二次電池を長期間に亙って充放電を繰返した場合には、負極表面に金属リチウムが析出する場合がある。金属リチウムは内部短絡時に、電流密度が上昇するなどの理由で電池の安全性を低下させるという問題があった。
【0029】
しかし、上述したように、本実施の形態では、正極にリチウムイオンと不可逆的に反応するリチウムイオン捕捉剤を設けているため、負極の金属リチウム又は金属リチウム合金を除去することが可能となる。
【0030】
また、上記リチウム含有複合酸化物において、マンガン酸リチウムを用いた場合には、その余剰リチウムの捕捉剤としては、フッ化カーボン(CF)であることが好ましい。これは、上記余剰金属リチウムと反応させる場合には、本来の目的である充放電に寄与するリチウムイオンとなるリチウムを捕捉することを防止する必要があり、そのためには、充放電域以下の電圧とすることが望ましいからである。ここで、マンガン酸リチウムの場合には、3V放電域以下とする必要がある。上記リチウムイオン捕捉剤に反応する電圧としては、そのリチウムイオン捕捉剤により異なり、フッ化カーボン(CF)の場合には、2.6Vとしている。
【0031】
また、上記リチウム含有複合酸化物において、ニッケル酸リチウム又はコバルト酸リチウムを用いた場合には、4V域の放電しか存在しないので、上記捕捉剤に加え、より高い反応電圧のリチウムイオン捕捉剤も使用できる。
【0032】
ここで、本発明で上記捕捉剤としては、特にフッ化カーボン(CF)を用いるのが好ましい。フッ化カーボンはリチウムイオンと反応、その一部がカーボンとなる。該カーボンは、導電性を示すため導電剤としての役割を担うことができる。この結果、上記正極内に導電性の機能を発揮させるため、別途添加する導電剤の量を軽減することもでき、結果として、電池重量が増加しない。
【0033】
以下、本発明による非水電解質二次電池を用いた運転方法について説明する。
本発明の運転方法は、少なくとも初回の充放電の際に、4V域、及び3V域放電を行い、その後さらにリチウムイオンとリチウムイオン捕捉剤が反応する電圧まで放電し、負極に残存する金属リチウムを化学反応により除去するものである。
ここで、マンガン酸リチウムの場合には、4V域放電とは、3.6〜4.4V(.vs. Li/ Li+)の電位範囲であると共に、上記3V域放電が、2.7V〜3.6V(.vs. Li/ Li+)の電位範囲となる。
【0034】
また、マンガン酸リチウム以外の場合には、少なくとも初回の充放電の際に、4V域放電を行なった後に、その後さらに、リチウムイオンとリチウムイオン捕捉剤とが反応する電圧まで放電し、負極に残存する金属リチウムを化学反応により除去するものである。
ここで、上記4V域放電が、3.4〜4.4V(.vs. Li/ Li+)の電位範囲とするのが好ましい。
【0035】
また、繰り返し放電を行うと、負極表面にリチウムが析出することがあるが、所定回数の充放電の後に、その後さらにリチウムイオンとリチウムイオン捕捉剤が反応する電圧まで放電し、負極に残存する金属リチウムを化学反応により除去するものである。
【0036】
[第2の実施の形態]
以下に、第2の実施形態である非水電解質二次電池の一例を示す。
【0037】
図2は本実施の形態にかかる二次電池の充放電の工程の概念図である。
図3は図2に示す放電域とLiMn2 O4 との関係を示す図である。
図2(a)に示すように、負極12と正極13とが対向してなり、上記負極12の表面には金属リチウム箔14が貼り付けられている。また、上記負極12にはリチウムイオンが入るサイト(図中破線の丸)15が形成されている。また、正極13にはフッ化カーボン(CF)が混入されている(なお、図面ではCFを四角で表している)。なお、サイトの数は模式的であり、本発明の概念を説明するものである。
【0038】
▲1▼ 上記構成の電池として電解液に浸漬場合には、金属リチウム14が負極12内に拡散し、LiC6 となり、充放電に供されるリチウムとなる(図2(b)参照)。
▲2▼ 次に、初回の充電を開始すると、正極のリチウム含有複合酸化物から放出されるリチウムイオンが負極表面で非水電解質の還元分解反応が起こり消費されてしまうが、既に金属リチウム14により負極のサイト15内で充放電に供されるリチウムが存在するので、この問題は解消され、充放電に寄与するリチウムが合計3個サイトに入ることになる(図2(c)参照)。
この結果、従来では、還元により充放電に寄与するリチウムは2個しかサイトに入ることができなかったが、金属リチウムを負極の表面に貼ることで、充放電に寄与するリチウムが3個となった。
▲3▼ 次に、放電を行なうが、4V放電域で先ず放電を行なう。
この4V放電により、充放電に寄与するリチウムが正極13の4V放電域サイト16に入ることになる(図2(d)参照)。
▲4▼ 次に、4V放電が完了した後に、3V放電を行なう。
この3V放電により、充放電に寄与するリチウムが正極13の3V放電域サイト17に入ることになる(図2(e)参照)。
▲5▼ 最後に、3V以下の低電圧放電を行なうことで、負極表面に貼付された残金属リチウム14が正極側のCFと反応して、LiFとなり、固定される(図2(f)参照)。
【0039】
以上により、初回充電時に於いて、負極還元分解反応により消費されるリチウム量を負極に貼付した金属リチウムで補うことができ、充放電に寄与するリチウム量を確保することができる。また、4V放電域のみならず、3V放電域においても放電が可能となり、エネルギー密度の向上を図ることができる。さらに、低電域放電により、リチウムイオン捕捉剤であるフッ化カーボンとリチウムイオンを反応させ、負極表面に残存する金属リチウムを除去できる。
【0040】
なお、本実施の形態は、LiMn2O4を用いたが、LiCoO2、LiNiO2の場合には、3V域放電がないだけで、あとは同様である。
【0041】
なお、本実施の形態においては、積層用のシート型の二次電池として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば円筒型、角形、コイン型、等の二次電池としてもよい。
【0042】
【実施例】
(実施例1)
図1に示すような電池を作製し、安全性試験を行った。まずリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2 O4 )80重量部、導電助材として黒鉛粉末5重量部及びアセチレンブラック粉末5重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン10重量部を混合し、この混合物にN−メチルピロリドン100重量部を加えると共に、捕捉剤としてフッ化カーボン(CF)を1重量%添加し、ホモミキサーで充分混合してスラリーとした。その後、Al基板上に、ドクターブレード法によってこのスラリーを塗工し、空気中で予備乾燥し、ホットプレスにて圧縮成型した後、真空中で加熱乾燥することにより、正極を得た。
【0043】
次に、天然黒鉛粉末90重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン10重量部を混合し、更にこの混合物に溶媒としてN−メチルピロリドン200重量部を加え、ホモミキサーで充分混合してスラリーとした。その後、銅基板上に、ドクターブレード法によりスラリーを塗工し、空気中で予備乾燥し、ロールプレスで圧縮成型した後、真空中で加熱乾燥することにより、負極合材を得た。この負極合材上に、別途用意した市販の金属リチウム箔を、ドライルーム中でローラープレスを用いて圧着することにより負極を作製した。
なお、金属リチウム箔の量は、負極活物質である天然黒鉛の重量に対して、1.5重量%とした負極を作製した。
【0044】
上記の様にして作成した正極及び負極を用いて、ドライルーム中で円筒型非水電解質二次電池(18650電池)を作製した。
非水電解質にはエチレンカーボネート:ジメチルカーボネート=1:2(モル比)の混合溶媒に電解質としてLiPF6 を1モル/リットルの濃度で溶解したものを用いた。なお、セパレータにはポリプロピレンの多孔体を用いた。
【0045】
上記の様にして作製した非水電解質二次電池を4.2Vまで充電した後、2Vまで放電し、さらに4.2Vまで充電した。この状態で電池に釘をさし、その安全性を評価した。
【0046】
(実施例2〜4)
正極への捕捉剤としてフッ化カーボン(CF)を3,5,10重量%と添加した以外は実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。
【0048】
(比較例1)
負極への金属リチウム箔の添加量を、負極活物質である天然黒鉛の重量に対して、0重量%とした以外は、実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製し、充放電試験を行った。
【0049】
(比較例2)
正極への捕捉剤であるフッ化カーボン(CF)の添加量を、0重量%とした以外は、実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製し、充放電試験を行った。
【0050】
安全性試験の結果を下記「表1」に示す。安全性試験では同種の電池を10本作製し、充電状態で釘を刺した結果を示す。
【表1】
【0051】
上記「表1」に示すように、実施例1〜6は破裂及び発火がなく、安全性が向上した。なお、実施例1において捕捉剤の添加が1重量%の場合には、9本中3本に発火がみられ、安全上は1重量%以上の添加が望ましいことが判明した。
【0052】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の非水電解質二次電池は、リチウムイオンを吸蔵可能な材料を主成分とする正極及び負極との間に、リチウムイオンを含有する電解液を備えてなる非水電解質二次電池であって、上記負極表面、内面或いはその双方に金属リチウム又は金属リチウム合金を設けてなると共に、上記正極にリチウムイオンと不可逆的に反応するリチウムイオン捕捉剤を設けてなるので、充放電反応に係るリチウム量を増加させることができ、非水電解質二次電池のエネルギー密度を高くすることができる。また、正極にリチウムイオン捕捉剤を混合してなるので、充放電後の負極表面の金属リチウム或いは金属リチウム合金を取り除くことができ、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】非水二次電池の概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態である非水電解質二次電池の充放電工程概略図である。
【図3】図2に示す放電域とLiMn2 O4 との関係を示す図である。
【符号の説明】
10 リチウム二次電池
1 容器
2 負極
3 正極
4 セパレータ
5 負極端子
6 正極端子
7 安全弁
12 負極
13 正極
14 金属リチウム箔
15 サイト
16 4V放電域サイト
17 3V放電域サイト
Claims (5)
- リチウムイオンを吸蔵可能な材料に導電材、及び結着剤を必要に応じて配合した混合物からなる正極及び負極との間に、リチウムイオンを含有する電解液を備えてなる非水電解質二次電池であって、
上記負極の表面には、金属リチウム箔又は金属リチウム合金箔が貼り付けられ、
上記正極には、1V以上3.5V未満の電圧範囲で上記リチウムイオンと不可逆的に反応するフッ化カーボンが混入されている
ことを特徴とする非水電解質二次電池。 - 請求項1において、
上記金属リチウム箔又は金属リチウム合金箔が複数あり、当該複数の金属リチウム箔又は金属リチウム合金箔が負極の表面に相互に離間し分散配置され、貼付されている
ことを特徴とする非水電解質二次電池。 - 請求項1において、
上記リチウムイオンを吸蔵可能な正極材が、下記の組成式により表されるリチウム含有複合酸化物のいずれか一種、又は2種以上である
ことを特徴とする非水電解質二次電池。
LiX Mn1 -Y MY O4 (ただし、0.4≦X ≦1.2、0≦Y ≦0.6、MはTi,V,Cr,Fe,Co,Ni,Al,Ag,Mg,Srからなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表す。)
LiX Co1 -Y MY O4 (ただし、0.8≦X ≦1.2、0≦Y ≦0.6、MはTi,V,Cr,Fe,Co,Ni,Al,Ag,Mg,Srからなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表す。)
LiX Ni1 -Y MY O4 (ただし、0.8≦X ≦1.2、0≦Y ≦0.6、MはTi,V,Cr,Fe,Co,Ni,Al,Ag,Mg,Srからなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表す。) - 請求項1乃至3のいずれか1の非水電解質二次電池を用い、
少なくとも初回、或いは所定回数の充放電の後に、1V以上3.5V未満まで放電することでフッ化カーボンがリチウムイオンと不可逆的に反応し、負極表面に存在する金属リチウム、或いは金属リチウム合金を除去する
ことを特徴とする非水電解質二次電池の運転方法。 - 請求項4において、
上記リチウムイオンとフッ化カーボンとを反応させるための放電が、下限2Vである
ことを特徴とする非水電解質二次電池の運転方法。
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