JP4201946B2 - 釣用ルアー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣用ルアーに係り、プロペラ型のスピナーを設けたものに用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
ルアーフィッシングとは、水中や水面で釣用ルアーを動かし、小魚が泳いでいるかのようにして魚を誘うものである。かかるルアーフィッシングにおいては、釣用ルアーのルアーアクションが重要な要素となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
釣用ルアーをいかに動かすかは、ユーザの技量による部分もあるが、釣用ルアー自体の運動特性が非常に重要となる。これまでも、いろいろな運動特性が得られるよう多種類の釣用ルアーが提供されているが、定形的なルアーアクションしか得られないものも少なくない。
【0004】
本発明は、より複雑でイレギュラーなルアーアクションを得ることのできる釣用ルアーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の釣用ルアーは、ルアー本体と、上記ルアー本体に回転可能に設けたプロペラ型のスピナーとを備え、上記プロペラ型のスピナーの複数の羽根のうち、いずれか一の羽根といずれか他の羽根とを非対称にした点に特徴を有する。
【0006】
また、本発明の釣用ルアーの他の特徴とするところは、上記プロペラ型のスピナーのいずれか一の羽根の形状、大きさ、角度、厚み、材質の少なくとも一つを、いずれか他の羽根のものと異ならせた点にある。
【0007】
また、本発明の釣用ルアーの他の特徴とするところは、上記ルアー本体の先端に斜め下方に突出させたリップを設け、後端に上記プロペラ型のスピナーを設けた点にある。
【0008】
上記のようにした釣用ルアーでは、水中や水面で釣用ルアーを動かすとプロペラ型のスピナーが回転するが、一の羽根の形状、大きさ、角度、厚み、材質等を他の羽根のものと異ならせているので、イレギュラーな回転運動をすることになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図に基づき、本発明の釣用ルアーの実施の形態について説明する。
図1に示すのは、釣用ルアーのうちプラグと称される種類のもので、ルアー本体1が小魚に似せて形成されている。
【0010】
ルアー本体1の先端(顔部)には、斜め下方に突出させたリップ2を設けている。リップ2は水の抵抗を受けるもので、その大きさ等に応じて潜行能力を発揮する。
【0011】
ルアー本体1の先端(顔部)には、釣糸を掛け止めるためのリング部材3を取り付けている。また、ルアー本体1の下方(下腹部)及び後端(尾部)のそれぞれには、釣針4を装着するためのリング部材5、6を取り付けている。
【0012】
ルアー本体1の後端の釣針装着用のリング部材6は、図2に示すように、棒材7の一端側を曲げてリング状にしたものである。そして、このリング部材6の他端側の棒部分7aをルアー本体1の後端面に挿入して固定するが、棒部分7aの全てを挿入するのではなく、その一部をルアー本体1側から突出させた状態にする。
【0013】
ここで、上記のようにリング部材6を設ける際に、突出させたリング部材6の棒部分7aを軸として回転可能にプロペラ型のスピナー8を設ける。プロペラ型のスピナー8は、後からも説明するが、軸孔を形成した円板部8aと、この円板部8aの径方向に突出させた2枚の羽根8b、8cとからなり、これら2枚の羽根8b、8cを非対称にしている。そして、円板部8aの軸孔に上記リング部材6の棒部分7aを挿通させることで、当該プロペラ型のスピナー8を回転可能に支持する構成にしている。
【0014】
また、上記プロペラ型のスピナー8の両隣には軸受け部材9を設けている。軸受け部材9は、図3に示すように、孔9bを形成した円板材9aをプレス加工等により曲面状に形成したものである。そして、図2に示すように、軸受け部材9それぞれの曲面をプロペラ型のスピナー8側に向けて円板部8aを挟み込み、各軸受け部材9の孔9b及び上述したようにプロペラ型のスピナー8の軸孔に、上記リング部材6の棒部分7aを挿通させる。このようにした軸受け部材9を用いることにより、プロペラ型のスピナー8が軸方向にずれ動くのを規制し、その回転が妨げられるのを防止することができる。
【0015】
次に、図4〜図8を用いて、上記プロペラ型のスピナー8について説明する。
図4〜図8の各図(a)は全て同じ図であり、これら各図(a)に示すように、プロペラ型のスピナー8は、軸孔8dを形成した円板部8aと、この円板部8aの径方向に突出させた2枚の羽根8b、8cとを一体に形成したものである。なお、当該プロペラ型のスピナー8の材質としては、ステンレス、真鍮、チタン、鉄等の金属や、プラスチック、カーボン等の非金属、さらにはそれらを複合したものが用いられる。
【0016】
羽根8bは、円板部8a側から広がる方向に延びる一対の直線ライン10と、これら直線ライン10を結ぶ円弧ライン11とを有する左右対称な形状となっている。
【0017】
一方、羽根8cは、全体を滑らかにカーブさせた曲線ライン12と、一箇所で極端にカーブさせた曲線ライン13とを有する左右非対称な形状となっている。
【0018】
そして、羽根8cの大きさ(面積)を、羽根8bの大きさ(面積)よりも大きくしている。
【0019】
なお、図4〜図8の各図(a)に示すのは、加工前の平板状となっているプロペラ型のスピナー8であり、この平板状のものにこれから説明する加工を行うことで、最終的なプロペラ型のスピナー8を完成させる。以下では、図4〜図8の各図(a)に示す側の面を、表面と称することにする。
【0020】
図4について説明する。図4(b)に示すように、羽根8cの先端側の一部を曲げ加工し、この羽根8cの先端側の一部を表面側に向かって所定角度だけ滑らかに立ち上げるようにしている。
【0021】
次に、図5について説明する。図5(c)に示すように、羽根8cを捩じるように曲げ加工し、この羽根8cが円板部8aの面に対して所定角度だけ傾くようにしている。ここでは、矢印に示すように、羽根8c側から見て時計回り方向に、当該羽根8cを捩じるようにしている。
【0022】
次に、図6について説明する。図6(c)に示すように、羽根8bを捩じるように曲げ加工し、この羽根8bが円板部8aの面に対して所定角度だけ傾くようにしている。このときに、羽根8bの捩じれ角度を、図5で説明した羽根8cの捩じれ角度よりも大きくしている。ここでも、矢印に示すように、羽根8b側から見て時計回り方向に、当該羽根8bを捩じるようにしている。したがって、羽根8b、8cの捩じれ方向は、円板部8aを挟んで逆方向になる。
【0023】
次に、図7について説明する。図7(b)は、円板部8aだけを取り出したイメージ図である。そして、図7(c)に示すように、円板部8aをプレス加工等により表面側に向かって盛り上げたような形状にする。
【0024】
次に、図8について説明する。図8(c)に示すように、羽根8cの根元(円板部8a側)を曲げ加工し、この羽根8cの全体が裏面側に向かって所定角度だけ傾斜するようにしている。同様に、羽根8bの根元(円板部8a側)を曲げ加工し、この羽根8bの全体が裏面側に向かって所定角度だけ傾斜するようにしている。このとき、羽根8bの傾斜角度を、上記羽根8cの傾斜角度よりも大きくしている。
【0025】
以上述べた加工を複合させて、プロペラ型のスピナー8を完成させている。そして、図2にも示すように、このプロペラ型のスピナー8の表面をルアー本体1側に向けるようにして装着する。
【0026】
本実施の形態によれば、釣用ルアーは、リップ2に作用する水の抵抗により潜ったり、浮いたりする動きをするとともに、プロペラ型のスピナー8が水の抵抗を受けて回転することにより派手な動きをする。例えば、この釣用ルアーを水面近くで動かした場合、水面近くを逃走する小魚を模すことができる。
【0027】
特に、プロペラ型のスピナー8の羽根8b、8cを非対称にしているので、非常に複雑でイレギュラーなルアーアクションを演出することが可能となる。例えば、羽根が小さければ回転は静かであるのに対して、羽根が大きければ回転動作も激しくなる。したがって、プロペラ型のスピナー8で羽根8b、8cの大きさを異ならせることで、不規則な回転動作が得られ、それが釣用ルアーにイレギュラーな動きを与えることとなる。
【0028】
さらに、羽根8b、8cを非対称にしたプロペラ型のスピナー8が水中で回転することにより、イレギュラーな独自の振動や音、泡を発生させて、相乗的な集魚効果を発揮する。
【0029】
なお、上記実施の形態はほんの一例に過ぎず、上記実施の形態ではプロペラ型のスピナー8の羽根8b、8cの形状、大きさ、捩じれ角度や傾斜角度等の各種角度を異ならせているが、それらすべてを異ならせる必要であるというわけではない。
【0030】
また、例えば、羽根8b、8cの形状、大きさ、各種角度等を同じにして、厚みを異ならせたり、材質を異ならせたりしてもよい。この場合でも、羽根8b、8cの重量が非対称となり、非常に複雑でイレギュラーな回転運動をすることになる。すなわち、本発明でいう非対称とは、必ずしも形状や大きさ等の目に見える部分が非対称という意味ではなく、他の要素(上記のように厚みや材質等)を異ならせるという意味も含まれる。
【0031】
もちろん、羽根を非対称とする上で、きるだけ回転が妨げられないように条件を定める必要もあり、実験等を通じて形状、大きさ、角度、厚み、材質等を最適なものに定めることが重要である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、釣用ルアーを動かすと、プロペラ型のスピナーが回転することにより派手な動きをするが、特に、羽根を非対称としているので、非常に複雑でイレギュラーなルアーアクションを演出することが可能となる。さらに、プロペラ型のスピナーが水中で回転することにより、イレギュラーな独自の振動や音、泡を発生させて、相乗的な集魚効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の釣用ルアーを示す図である。
【図2】実施の形態の釣用ルアーの尾部側を示す図である。
【図3】軸受け部材9を示す斜視図である。
【図4】プロペラ型のスピナー8を説明するための図で、(a)が加工前の平板状のものを示す平面図、(b)が羽根8cに施す加工を説明するための図である。
【図5】プロペラ型のスピナー8を説明するための図で、(a)が加工前の平板状のものを示す平面図、(b)が加工前の状態を示す図、(c)が羽根8cに施す加工を説明するための図である。
【図6】プロペラ型のスピナー8を説明するための図で、(a)が加工前の平板状のものを示す平面図、(b)が加工前の状態を示す図、(c)が羽根8bに施す加工を説明するための図である。
【図7】プロペラ型のスピナー8を説明するための図で、(a)が加工前の平板状のものを示す平面図、(b)が円板部8aだけを取り出したイメージ図、(c)が円板部8に施す加工を説明するための図である。
【図8】プロペラ型のスピナー8を説明するための図で、(a)が加工前の平板状のものを示す平面図、(b)が加工前の状態を示す図、(c)が羽根8b、8cに施す加工を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ルアー本体
2 リップ
3 リング
4 釣針
5、6 リング
7 棒材
7a 棒部分
8 プロペラ型のスピナー
8a 円板部
8b、8c 羽根
8d 軸孔
9 軸受け部材
9a 円板材
9b 孔
10 直線ライン
11 円弧ライン
12、13 曲線ライン
Claims (3)
- ルアー本体と、
上記ルアー本体に回転可能に設けたプロペラ型のスピナーとを備え、
上記プロペラ型のスピナーの複数の羽根のうち、いずれか一の羽根といずれか他の羽根とを非対称にしたことを特徴とする釣用ルアー。 - 上記プロペラ型のスピナーのいずれか一の羽根の形状、大きさ、角度、厚み、材質の少なくとも一つを、いずれか他の羽根のものと異ならせたことを特徴とする請求項1に記載の釣用ルアー。
- 上記ルアー本体の先端に斜め下方に突出させたリップを設け、後端に上記プロペラ型のスピナーを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の釣用ルアー。
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