JP4200737B2 - 車両用暖房装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料を燃焼することにより車室内を暖房する燃焼器を有する車両用暖房装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
燃焼器を用いた車両用暖房装置として、例えば特開昭63−71412号公報に記載の発明では、燃焼器の燃焼用空気をエンジン(内燃機関)の吸気管から取り込むとともに、燃焼器の排気をエンジンの吸気管中に排出しているが、このような車両用暖房装置では、以下に述べる問題が発生する。
【0003】
すなわち、上記公報に記載の発明では、燃焼器の燃焼用空気を吸気管から取り込むとともに、燃焼器の排気をエンジンの吸気管中に排出しているので、燃焼器が稼動しているときにエンジンが停止すると、燃焼器の排気が行き場を失って燃焼器の吸気側に流れ込んでしまい、燃焼用酸素が欠乏して燃焼器が停止してしまう。
【0004】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な車両用暖房装置を提供し、第2には、燃焼器の稼働中にエンジンが停止しても燃焼器が停止してしまうことを防止することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、内燃機関(10)を有する車両に適用され、燃料を燃焼することにより車室内を暖房する燃焼器(30)を有する車両用暖房装置であって、燃焼器(30)及び内燃機関(10)が稼動しているときには、燃焼器(30)の排気側は内燃機関(10)の吸気管(11)側に接続され、燃焼器(30)が稼動している際に内燃機関(10)を停止させるときには、内燃機関(10)を停止させる前に、燃焼器(30)に燃焼用空気を供給するエアポンプ(33)の出力を内燃機関(10)の停止以前における出力と比べて一時的に増大させた後、燃焼器(30)の排気側を内燃機関(10)の排気管(14)側に接続し、その後、内燃機関(10)を停止させ、
内燃機関(10)を停止させた後、燃焼機が定常燃焼状態と同等となるまでエアポンプ(33)の出力を減少させることを特徴とする。
【0006】
これにより、燃焼器(30)の燃焼ガスが行き場を失って燃焼器(30)の吸気側に流れ込んでしまうことを防止でき、燃焼用酸素が欠乏して燃焼器が停止してしまうことを防止できるとともに、従来と異なる新規な車両用暖房装置を得ることができる。
【0008】
また、燃焼器(30)の排気側の接続先を吸気管(11)側から排気管(14)に切り換えた時、内燃機関(10)から排出される排気の排気圧により燃焼器(30)の燃焼ガスが燃焼器(30)に逆流してしまうことを未然に防止できる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、燃焼器(30)が稼動している際に内燃機関(10)を停止させるときには、少なくとも内燃機関(10)が停止するまでは、燃焼器(30)の燃焼室内を加熱、或いは燃焼器(30)の点火装置を作動させることを特徴とする。
【0011】
これにより、燃料を確実に気化させ続けることができるので、燃焼器(30)が停止してしまうことを未然に防止できる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、内燃機関(10)が停止した後に燃焼室内の加熱、或いは燃焼器(30)の点火装置の作動を停止することを特徴とするものである。
【0013】
請求項4に記載の発明では、燃焼器(30)が稼動しているときに内燃機関(10)を始動させる場合には、内燃機関(10)を始動させる前に、燃焼器(30)に燃焼用空気を供給するエアポンプ(33)の出力を内燃機関(10)の始動以前における出力と比べて一時的に増大させた後、内燃機関(10)を始動させ、
内燃機関(10)が始動した時、或いは始動した後に燃焼器(30)の排気側を内燃機関(10)の吸気管(11)側に接続し、
燃焼器(30)の排気側を吸気管(11)側に接続した後、燃焼機が定常燃焼状態と同等となるまでエアポンプ(33)の出力を減少させることを特徴とする。
【0014】
これにより、内燃機関(10)から排出される排気の排気圧により燃焼器(30)の燃焼ガスが燃焼器(30)に逆流してしまうことを未然に防止できるので、燃焼器(30)が停止(失火)してしまうことを防止できるとともに、従来と異なる新規な車両用暖房装置を得ることができる。
【0016】
さらに、燃焼器(30)の排気側の接続先を排気管(14)側から吸気管(11)側に切り換える前に内燃機関(10)から排出される排気の排気圧により燃焼器(30)の燃焼ガスが燃焼器(30)に逆流してしまうことを未然に防止できる。
【0018】
請求項5に記載の発明では、燃焼器(30)が稼動しているときに内燃機関(10)を始動させる場合には、少なくとも内燃機関(10)が始動するまでは、燃焼器(30)の燃焼室内を加熱、或いは燃焼器(30)の点火装置を作動させることを特徴とする。
【0019】
これにより、燃料を確実に気化させ続けることができるので、燃焼器(30)が停止してしまうことを未然に防止できる。
【0020】
請求項6に記載の発明では、燃焼器(30)の排気側を吸気管(11)側に接続した後、燃焼室内の加熱、或いは燃焼器(30)の点火装置の作動を停止することを特徴とするものである。
【0035】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0036】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本実施形態に係る車両用補助暖房装置の模式図であり、図2は燃焼器の模式図である。
【0037】
図1中、エンジン10は走行用動力源をなすディーゼル式の内燃機関であり、吸気管11はエンジン10に燃焼用空気を供給するものであり、この吸気管11の最上流側には、エンジン10に吸入される空気中の塵埃を除去するエアクリーナ12が設けられ、エアクリーナ12の下流側には吸気管11内を流れる空気量を制御する吸気絞り弁13が設けられている。
【0038】
排気管14はエンジン10から排出される排気を流すための管であり、排気管14には排気を浄化するための三元触媒15及び排気音を低減する消音器16が設けられている。
【0039】
ポンプ17はエンジン用の冷却水を循環させる電動式のポンプ手段であり、ラジエータ18は冷却水と外気とを熱交換させて冷却水を冷却する熱交換器である。
【0040】
なお、図1では、ラジエータ18を迂回させて冷却水を流すバイパス回路及びラジエータ18を流れる冷却水量を調節するサーモスタット等の流量制御弁は、省略されている。
【0041】
ヒータ19は冷却水を熱源として室内に吹き出す空気を加熱する加熱器であり、流量制御弁20はヒータ19側に流れる冷却水量を調節するバルブであり、燃焼器30は、燃料を燃焼することにより冷却水を加熱して間接的に車室内を暖房するものである。
【0042】
排気切替弁21は燃焼器30から排出される燃焼ガスを吸気管11に導く場合と排気管14に導く場合とを切り換える板ドア式のバルブである。なお、燃焼器30の燃焼用空気は吸気管11から燃焼器30に導かれる。
【0043】
次に、燃焼器30の概略構造を図2に基づいて延べる。
【0044】
燃焼部31は、燃料を着火燃焼させる第1燃焼室31a及び第1燃焼室31aにて着火した火炎を成長させる第2燃焼室31bから構成されたもので、第1燃焼室31aと第2燃焼室31bとを、両燃焼室31a、31bの断面積より小さな通路断面積を有するオリフィス31cを介して連通させることにより、第1燃焼室31a内の火炎が吹き消えてしまうことを防止している。
【0045】
また、第1燃焼室31aを構成する円筒状の第1燃焼筒31dの円筒部には、第1燃焼室31aに燃焼用空気を供給する空気穴31eが設けられており、第1燃焼筒31dの周りには空気溜め室32が設けられ、空気流入口32aはエアポンプ33の吐出口側に接続されている。
【0046】
なお、エアポンプ33は吸気管11から空気を吸引して燃焼器30に供給する燃焼用空気を燃焼器30に供給する電動式のウェスコ(渦流)ポンプであり、本実施形態では、エアポンプ33と燃焼器30とは一体化されている。
【0047】
また、燃焼部31の外周側には燃焼ガスが流れる排気通路34が設けられているとともに、この排気通路34を外側から覆うように冷却水が流れる冷却水通路35が設けられている。
【0048】
そして、排気通路34を流れる燃焼ガスと冷却水通路35を流れる冷却水とを熱交換することにより燃焼器30で発生した熱を冷却水に取り込む。なお、排気通路34及び冷却水通路35には、燃焼ガスと冷却水との熱交換効率を高めるフィン34a、35cが設けられている。
【0049】
なお、排気口34bは熱交換を終えた燃焼ガスを排出するためのものであり、流入口35aは冷却水を冷却水通路35に導くものであり、流出口35bは熱交換を終えた冷却水を排出するものである。
【0050】
ウィック36は燃料ポンプ40から燃焼器30に供給された燃料を一時的に保持することにより燃料の気化を促すもので、本実施形態では、略円盤状の金属メッシュ製で、その空隙に燃料を一時的に保持する。
【0051】
グロープラグ37は通電することによりウィック36に保持された燃料を加熱着火させる加熱手段であり、排気口34b近傍には、燃焼ガスの温度を検出するフレームセンサ38が配設されている。なお、フレームセンサ38は、電気抵抗値の変化を利用して着火及び失火を検出する温度センサの一種である。
【0052】
水温センサ39aは燃焼ガスにて加熱された冷却水の温度を検出する温度検出手段であり、壁温センサ39bは燃焼ガスに直接に晒される燃焼部31の壁面温度を検出するものである。
【0053】
そして、各センサ38、39a、9bの検出信号は電子制御装置(ECU)41に入力されており、ECU41は各センサ38、39a、9bの検出信号等に基づいて予め設定されたプログラムに従って燃焼器30、つまりエアポンプ33、グロープラグ37及び燃料ポンプ40等を制御する。
【0054】
次に、本実施形態に係る車両用補助暖房装置の作動を述べる。
【0055】
1.燃焼器30の始動
燃料ポンプ40及びエアポンプ33を稼動させるとともに、グロープラグ37に通電してウィック36を加熱昇温し、ウィック36に保持された燃料を蒸発させて着火始動する。
【0056】
なお、燃焼器30に供給する燃料及び空気の量は、徐々に増大させ、かつ、始動開始後、所定時間が経過後もフレームセンサ38の検出温度が所定温度以上まで上昇しない場合には、着火に失敗して不着火状態あるものと見なして、再度、着火を試みる。
【0057】
着火後、所定時間が経過してフレームセンサ38の検出温度が安定して定常燃焼状態に移行したものと見なされたときには、グロープラグ37への通電を停止し、燃料の燃焼に伴って発生する燃焼熱にてウィック36を加熱し、ウィック36に保持された燃料を蒸発させて連続燃焼させる。
【0058】
2.燃焼器30が稼動しているときに、エンジン10が停止する場合
図3は燃焼器30が稼動しているときに、エンジン10を停止させるときに実行される制御を示すフローチャートであり、図5はエアポンプ33や燃料ポンプ40等の作動を示すタイムチャートである。
【0059】
そして、図3に示すように、エンジン10を制御する電子制御装置(以下、エンジンECUと呼ぶ。)からエンジン10を停止させる旨の信号をECU41が受け取ると(S10)、先ず、燃焼器30が稼働中であるか否かを判定する(S20)。
【0060】
このとき、燃焼器30が稼働中である場合には、ECU41がエンジン10を停止させる旨の信号を受け取る以前に比べてエアポンプ33の出力を増大させるとともに、グロープラグ37への通電を開始し(S30)、かつ、排気切替弁21を作動させて燃焼器30の排気側を排気管14側に接続した後(S40)、吸気絞り弁13を閉じる等してエンジン10を実際に停止させてもよい旨の信号をECU40からエンジンECUに発してエンジン10を停止させる(S50)。
【0061】
そして、エンジン10が停止した後、燃焼器30が停止(失火)していないことを確認した後(S60)、エアポンプ33の出力を定常燃焼状態と同等まで減少させるとともに、グロープラグ37への通電を停止する(S70)。
【0062】
なお、エンジン10が停止している間は、電動式のポンプ(図示せず。)にて冷却水を燃焼器30とヒータ19との間で循環させる。
【0063】
また、エンジン10を停止させる前においては、燃焼器30の排気側は吸気管11側に接続されている。
【0064】
3.燃焼器30が稼動しているときに、エンジン10を始動する場合
図4は燃焼器30が稼動しているときに、エンジン10を始動させるときに実行される制御を示すフローチャートであり、エンジンECUからエンジン10を始動させる旨の信号をECU41が受け取ると(S100)、先ず、燃焼器30が稼働中であるか否かを判定する(S110)。
【0065】
このとき、燃焼器30が稼働中である場合には、ECU41がエンジン10を始動させる旨の信号を受け取る以前に比べてエアポンプ33の出力を増大させるとともに、グロープラグ37への通電を開始した後(S120)、エンジン10のクランクシャフトを電動モータにて回転させて、つまりクランキングを開始してエンジン10を始動させる(S130)。
【0066】
次に、クランキングをすることくエンジン10が自立的に回転する、つまり、クランキング回転数より高い回転数で連続的にエンジン10が回転し、エンジン10が完全に始動したことを確認した後(S140)、燃焼器30が停止(失火)していないことを確認した上で(S150)、燃焼器30の排気側を吸気管11側に接続し(S160)、その後、エアポンプ33の出力を定常燃焼状態と同等まで減少させるとともに、グロープラグ37への通電を停止する(S170)。
【0067】
4.エンジン10の停止とともに燃焼器30を停止させる場合
燃焼器30の排気側を排気管14側に接続した状態で燃焼器30を停止させる。
【0068】
次に、本実施形態に係る車両用補助暖房装置の作用効果を述べる。
【0069】
燃焼器30が稼動している際にエンジン10を停止させるときには、燃焼器30の排気側をエンジン10の排気管14側に接続した後、エンジン10を停止させるので、燃焼器30の燃焼ガスが行き場を失って燃焼器30の吸気側に流れ込んでしまうことを防止でき、燃焼用酸素が欠乏して燃焼器が停止してしまうことを防止できる。
【0070】
また、エアポンプ33の出力を増大させた後、燃焼器30の排気側を排気管14側に接続するので、燃焼器30の排気側の接続先を吸気管11側から排気管14に切り換えた時、エンジン10から排出される排気の排気圧により燃焼器30の燃焼ガスが燃焼器30に逆流してしまうことを未然に防止できる。
【0071】
なお、この説明から明らかなように、エアポンプ33の出力は、排気の排気圧に対向して燃焼ガスを排気管14中に排出することができる程度の圧力が燃焼器30側で発生する程度まで上昇させる必要がある。
【0072】
また、燃焼器30が稼動している際にエンジン10を停止させるときには、少なくともエンジン10が停止するまでは、グロープラグ37に通電して第1燃焼室31a内を加熱するので、燃料を確実に気化させ続けることができ、燃焼器30が停止してしまうことを未然に防止できる。
【0073】
また、燃焼器30が稼動しているときにエンジン10を始動させる場合には、エンジン10が始動した時に燃焼器30の排気側を吸気管11側に接続するので、エンジン10から排出される排気の排気圧により燃焼器30の燃焼ガスが燃焼器30に逆流してしまうことを未然に防止できる。
【0074】
また、エアポンプ33の出力を増大させた後、エンジン10を始動させるので、燃焼器30の排気側の接続先を排気管14側から吸気管11側に切り換える前にエンジン10から排出される排気の排気圧により燃焼器30の燃焼ガスが燃焼器30に逆流してしまうことを未然に防止できる。
【0075】
また、燃焼器30が稼動しているときにエンジン10を始動させる場合には、少なくともエンジン10が始動するまでは、グロープラグ37にて第1燃焼室31a内を加熱するので、燃料を確実に気化させ続けることができ、燃焼器30が停止してしまうことを未然に防止できる。
【0076】
(第2実施形態)
第1実施形態では、燃焼器30の吸気側は常に吸気管11に側に接続されていたが、本実施形態は、図6に示すように、燃焼器30の吸気側を吸気管11側に接続する場合と大気側に接続する場合とを切り換える板ドア状の吸気切替弁42を設けるともに、排気切替弁21を廃止したものである。
【0077】
なお、排気再循環管43は、エンジン10の排気を吸気側に導く排気再循環装置(EGR)用の管であり、この排気再循環管43は、吸気管11のうち吸気絞り弁13より下流側に接続されている。
【0078】
また、EGR弁44は排気再循環管43と吸気管11との連通状態を制御するバルブである。そして、燃焼器30の排気側は、常に吸気管11のうち吸気絞り弁13より上流側に接続されている。
【0079】
次に、本実施形態の作動を述べる。
【0080】
1.燃焼器30が稼動しているときに、エンジン10が停止する場合
図7は燃焼器30が稼動しているときに、エンジン10を停止させるときに実行される制御を示すフローチャートであり、図9はエアポンプ33や燃料ポンプ40等の作動を示すタイムチャートである。
【0081】
そして、図7に示すように、エンジンECUからエンジン10を停止させる旨の信号をECU41が受け取ると(S200)、先ず、燃焼器30が稼働中であるか否かを判定する(S210)。
【0082】
このとき、燃焼器30が稼働中である場合には、ECU41がエンジン10を停止させる旨の信号を受け取る以前に比べてエアポンプ33の出力及び燃焼器30に供給する燃料の量を減少させるとともに、グロープラグ37への通電を開始し(S220)、かつ、吸気切替弁42を作動させて燃焼器30の吸気側を大気側に連通させた後(S230)、吸気絞り弁13を閉じる等してエンジン10を実際に停止させてもよい旨の信号をECU40からエンジンECUに発してエンジン10を停止させる(S240)。
【0083】
そして、エンジン10が停止した後、燃焼器30が停止(失火)していないことを確認した後(S250)、エアポンプ33の出力及び燃焼器30に供給する燃料の量を定常燃焼状態と同等まで上昇させるとともに、グロープラグ37への通電を停止し、かつ、EGR弁44及び吸気絞り弁13を全開とする(S260)。
【0084】
また、エンジン10を停止させる前においては、燃焼器30の吸気側は吸気管11側に接続されている。
【0085】
2.燃焼器30が稼動しているときに、エンジン10を始動する場合
図8は燃焼器30が稼動しているときに、エンジン10を始動させるときに実行される制御を示すフローチャートであり、エンジンECUからエンジン10を始動させる旨の信号をECU41が受け取ると(S300)、先ず、燃焼器30が稼働中であるか否かを判定する(S310)。
【0086】
このとき、燃焼器30が稼働中である場合には、ECU41がエンジン10を始動させる旨の信号を受け取る以前に比べてエアポンプ33の出力及び及び燃焼器30に供給する燃料の量を減少させるとともに、グロープラグ37への通電を開始した後(S320)、クランキングを開始してエンジン10を始動させる(S330)。
【0087】
次に、クランキングをすることくエンジン10が自立的に回転することを確認した後(S340)、燃焼器30が停止(失火)していないことを確認した上で(S350)、燃焼器30の吸気側を吸気管11側に接続し(S360)、その後、エアポンプ33の出力及び燃焼器30に供給する燃料の量を定常燃焼状態と同等まで上昇させるとともに、グロープラグ37への通電を停止する(S370)。
【0088】
なお、エンジン10の始動後においては、EGR弁44の開度は、排気再循環装置の本来的な目的(窒素酸化物の低減)に沿うようにエンジン負荷に応じて制御される。
【0089】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0090】
燃焼器30が稼動しているときにエンジン10を停止させる場合には、エンジン10を停止させる前に燃焼器30の吸気側を大気側に連通させ、その後、少なくとも排気再循環管43を連通させるので、燃焼器30の燃焼ガスが燃焼器30の吸気側に流れ込んでしまうことを抑制でき、燃焼用酸素が欠乏して燃焼器が停止してしまうことを防止できる。
【0091】
また、燃焼器30が稼動しているときにエンジン10を停止させる場合には、燃焼器30に供給する燃料の量を減少させるので、燃焼器30の吸気側の接続先を吸気管11側から大気側に切り換えるまでに吸気管11に排出される燃焼ガス量の量を低減することができる。したがって、燃焼器30の吸気側に流れ込む燃焼ガスの量を低く抑えることができるので、燃焼器30が失火してしまうことを確実に防止できる。
【0092】
また、本実施形態では、燃焼器30の吸気側を切り換えるので、吸気切替弁42の耐熱性を排気切替弁21より低くすることができ、車両用補助暖房装置の製造原価を低減することができる。
【0093】
(第3実施形態)
上述の実施形態では、燃焼器30が稼動しているときにエンジン10が停止する場合について述べたが、燃焼器30が稼動しているときに、エンジン10が停止しないまでもエンジン10の回転数が大きく低下すると、エンジン10が停止した場合と同様に、燃焼器30の燃焼ガスがの吸気側に流れ込んでしまい、燃焼用酸素が欠乏して燃焼器30が停止してしまうおそれがある。
【0094】
そこで、本実施形態では、第1実施形態に係る車両用補助装置と同様な構成(図1)において、図10に示すように、燃焼器30が稼動している際にエンジン10の回転数が所定回転数未満、例えばアイドリング回転数相当になった場合には、燃焼器30の排気側の接続先を吸気管11から排気管14側に切り換えるとともに、エアポンプ33の出力を定常燃焼状態より増大させ、かつ、燃焼器30に供給する燃料の量を定常燃焼状態より減少させる。
【0095】
なお、エンジン10の回転数が所定回転数以上まで復帰したときには、エアポンプ33、燃料ポンプ40及び排気切替弁21を元の状態に戻す。
【0096】
これにより、燃焼器30の燃焼ガスが燃焼器30の吸気側に流れ込んでしまうことを防止できるので、燃焼器30が停止してしまうことを防止できる。
【0097】
また、エアポンプ33の出力を増大させるので、燃焼器30の排気側の接続先を吸気管11側から排気管14に切り換えた時、エンジン10から排出される排気の排気圧により燃焼器30の燃焼ガスが燃焼器30に逆流してしまうことを未然に防止できる。
【0098】
ところで、エンジン10の回転数が低下したときには、エアポンプ33の出力を増大させて燃焼器30の排気側の接続先を吸気管11側から排気管14に切り換えているものの、エンジン10から排出される排気の排気圧により、燃焼器30に供給される実質的な空気量が低下し、燃焼器30にて燃料を完全燃焼させることができなくなるおそれがある。
【0099】
これに対して、本実施形態では、エンジン10の回転数が低下したときには、燃焼器30に供給する燃料の量を減少させるので、燃焼器30にて不完全燃焼が発生することを未然に防止できる。
【0100】
なお、本実施形態では、エンジン10の回転数を直接に検出したが、エンジン10の回転数は、エンジン出力、つまりアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)や排気圧等の相関関係があるので、これらを値に基づいてエアポンプ33、燃料ポンプ40及び排気切替弁21を制御しても良いことは言いまでもない。
【0101】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、エアポンプ33と燃焼器30とが一体化されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0102】
また、上述の実施形態では、吸気絞り弁13を閉じることによりエンジン10を停止させたが、エンジン停止方法はこれに限定されるもおんではなく、例えばエンジン10への燃料供給を停止する、又は吸気弁を停止させるなどしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用補助暖房装置の模式図である。
【図2】燃焼器の模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る車両用補助暖房装置おける燃焼器が稼動しているときに、エンジンを停止させるときに実行される制御を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態に係る車両用補助暖房装置おける燃焼器が稼動しているときに、エンジンを始動させるときに実行される制御を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に係る車両用補助暖房装置おけるエアポンプや燃料ポンプ等の作動を示すタイムチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係る車両用補助暖房装置の模式図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る車両用補助暖房装置おける燃焼器が稼動しているときに、エンジンを停止させるときに実行される制御を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態に係る車両用補助暖房装置おける燃焼器が稼動しているときに、エンジンを始動させるときに実行される制御を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態に係る車両用補助暖房装置おけるエアポンプや燃料ポンプ等の作動を示すタイムチャートである。
【図10】本発明の第3実施形態に係る車両用補助暖房装置おけるエアポンプや燃料ポンプ等の作動を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10…エンジン、11…吸気管、14…排気管、21…排気切替弁、
30…燃焼器。
Claims (6)
- 内燃機関(10)を有する車両に適用され、燃料を燃焼することにより車室内を暖房する燃焼器(30)を有する車両用暖房装置であって、
前記燃焼器(30)及び前記内燃機関(10)が稼動しているときには、前記燃焼器(30)の排気側は前記内燃機関(10)の吸気管(11)側に接続され、
前記燃焼器(30)が稼動している際に前記内燃機関(10)を停止させるときには、前記内燃機関(10)を停止させる前に、前記燃焼器(30)に燃焼用空気を供給するエアポンプ(33)の出力を前記内燃機関(10)の停止以前における前記出力と比べて一時的に増大させた後、前記燃焼器(30)の排気側を前記内燃機関(10)の排気管(14)側に接続し、その後、前記内燃機関(10)を停止させ、
前記内燃機関(10)を停止させた後、前記燃焼機が定常燃焼状態と同等となるまで前記エアポンプ(33)の出力を減少させることを特徴とする車両用暖房装置。 - 前記燃焼器(30)が稼動している際に前記内燃機関(10)を停止させるときには、少なくとも前記内燃機関(10)が停止するまでは、前記燃焼器(30)の燃焼室内を加熱、或いは前記燃焼器(30)の点火装置を作動させることを特徴とする請求項1に記載の車両用暖房装置。
- 前記内燃機関(10)が停止した後に前記燃焼室内の加熱、或いは前記燃焼器(30)の点火装置の作動を停止することを特徴とする請求項2に記載の車両用暖房装置。
- 前記燃焼器(30)が稼動しているときに前記内燃機関(10)を始動させる場合には、前記内燃機関(10)を始動させる前に、前記燃焼器(30)に燃焼用空気を供給するエアポンプ(33)の出力を前記内燃機関(10)の始動以前における前記出力と比べて一時的に増大させた後、前記内燃機関(10)を始動させ、
前記内燃機関(10)が始動した時、或いは始動した後に前記燃焼器(30)の排気側を前記内燃機関(10)の吸気管(11)側に接続し、
前記燃焼器(30)の排気側を前記吸気管(11)側に接続した後、前記燃焼機が定常燃焼状態と同等となるまで前記エアポンプ(33)の出力を減少させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用暖房装置。 - 前記燃焼器(30)が稼動しているときに前記内燃機関(10)を始動させる場合には、少なくとも前記内燃機関(10)が始動するまでは、前記燃焼器(30)の燃焼室内を加熱、或いは前記燃焼器(30)の点火装置を作動させることを特徴とする請求項4に記載の車両用暖房装置。
- 前記燃焼器(30)の排気側を前記吸気管(11)側に接続した後、前記燃焼室内の加熱、或いは前記燃焼器(30)の点火装置の作動を停止することを特徴とする請求項5に記載の車両用暖房装置。
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