JP2004317055A - 暖房装置 - Google Patents

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孝治 森
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Abstract

【課題】燃焼器が燃料タンク内の燃料を使い果たしてしまうことを未然に防止する。
【解決手段】燃料タンク42内の燃料量が所定量以下となったときに、燃焼器30の発熱量を所定量以下とするとともに、燃焼器30の発熱量を所定量以下に制御し始めた時からの経過時間が所定時間を超えたときに、燃焼器30を強制的に停止させる。このとき、経過時間の計測は燃料タンク42内の燃料量が所定量以上とならない限り停止させない。これにより、燃焼器30が燃料タンク42内の燃料を使い果たしてしまうことを未然に防止できる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃焼器を用いた暖房装置に関するもので、車両に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用暖房装置では、燃料残量スイッチを設け、燃料量が所定量以下となったときに、燃焼器の燃焼量を最小能力以下で制御し、燃料消費量を低減している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−55038号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、燃焼器の燃焼量を最小能力以下として燃料消費量を低減しても、燃焼器を運転し続けている限り、最終的には、燃料タンク内の燃料を使い果たしてしまう。
【0005】
このとき、走行用エンジンの燃料と燃焼器用の燃料とを同一燃料として燃料タンクを共用している場合には、走行に必要な燃料を使い果たしてしまい、走行ができなくなってしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な暖房装置を提供し、第2には、燃焼器が燃料タンク内の燃料を使い果たしてしまうことを未然に防止することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、燃料タンク(42)内に蓄えられた燃料を燃焼することにより、熱を発生させる燃焼器(30)と、燃料タンク(42)内の燃料量が所定量以下となったときに、燃焼器(30)の発熱量を所定量以下とする発熱量抑制手段(S4)と、発熱量抑制手段(S4)が作動し始めた時からの経過時間を計測するタイマー手段(S5)と、タイマー手段(S5)の計測時間が所定時間を超えたときに、燃焼器(30)を停止させる燃焼停止手段(S6)とを備えることを特徴とする。
【0008】
これにより、燃焼器(30)が燃料タンク(42)内の燃料を使い果たしてしまうことを未然に防止できる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、燃料タンク(42)内の燃料量が所定量以上となったときに、タイマー手段(S5)を停止させるとともに、計測時間を初期値に再設定するリセット手段(S1)を備えることを特徴とする。
【0010】
これにより、燃焼器(30)が燃料タンク(42)内の燃料を使い果たしてしまうことを確実に防止できる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、発熱量抑制手段(S4)、タイマ手段及び燃焼停止手段(S6)は、燃焼器用電子制御装置(41)に設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明では、請求項1又は2に記載の暖房装置、及び燃料タンク(42)内に蓄えられた燃料を燃焼させて動力を得る熱機関を備える車両に適用される車両用暖房装置であって、発熱量抑制手段(S4)及び燃焼停止手段(S6)は、燃焼器用電子制御装置(41)に設けられ、タイマー手段(S5)は、熱機関用電子制御装置(21)に設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に記載の発明では、経過時間は連続経過時間であることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の発明では、経過時間は積算経過時間であることを特徴とするものである。
【0015】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る燃焼装置を車両用補助暖房装置に適用したものであって、図1は本実施形態に係る車両用補助暖房装置の模式図であり、図2は燃焼器の模式図である。
【0017】
図1中、エンジン10は走行用動力源をなすディーゼル式の内燃機関であり、吸気管11はエンジン10に燃焼用空気を供給するものであり、この吸気管11の最上流側には、エンジン10に吸入される空気中の塵埃を除去するエアクリーナ12が設けられ、エアクリーナ12の下流側には吸気管11内を流れる空気量を制御する吸気絞り弁13が設けられている。
【0018】
排気管14はエンジン10から排出される排気を流すための管であり、排気管14には排気を浄化するための三元触媒15及び排気音を低減する消音器16が設けられている。ポンプ17は冷却水を循環させるポンプ手段であり、本実施形態では、ポンプ17は、エンジン10から動力を得て稼動するので、ポンプ17の回転数、つまりポンプ17により循環させられ冷却水の流量は、エンジン10の回転数に略比例して変化する。
【0019】
ラジエータ18は冷却水と外気とを熱交換させて冷却水を冷却する熱交換器である。なお、図1では、ラジエータ18を迂回させて冷却水を流すバイパス回路及びラジエータ18を流れる冷却水量を調節するサーモスタット等の流量制御弁は、省略されている。
【0020】
ヒータ19は冷却水を熱源として室内に吹き出す空気を加熱する加熱器であり、流量制御弁20はヒータ19側に流れる冷却水量を調節するバルブであり、燃焼器30は、燃料を燃焼することにより冷却水を加熱して間接的に車室内を暖房するものであり、エンジン用電子制御装置21は、燃料噴射装置等のエンジン制御機器を制御する熱機関用電子制御装置である。
【0021】
次に、燃焼器30の概略構造を図2に基づいて延べる。
【0022】
燃焼部31は、燃料を着火燃焼させる第1燃焼室31a及び第1燃焼室31aにて着火した火炎を成長させる第2燃焼室31bから構成されたもので、第1燃焼室31aと第2燃焼室31bとを、両燃焼室31a、31bの断面積より小さな通路断面積を有するオリフィス31cを介して連通させることにより、第1燃焼室31a内の火炎が吹き消えてしまうことを防止している。
【0023】
また、第1燃焼室31aを構成する円筒状の第1燃焼筒31dの円筒部には、第1燃焼室31aに燃焼用空気を供給する空気穴31eが設けられており、第1燃焼筒31dの周りには空気溜め室32が設けられ、空気流入口32aはエアポンプ33の吐出口側に接続されている。
【0024】
なお、エアポンプ33は外気を吸引して燃焼器30に供給する燃焼用空気を燃焼器30に供給する電動式のウェスコ(渦流)ポンプであり、本実施形態では、エアポンプ33と燃焼器30とは一体化されている。
【0025】
また、燃焼部31の外周側には燃焼ガスが流れる排気通路34が設けられているとともに、この排気通路34を外側から覆うように冷却水が流れる冷却水通路35が設けられている。
【0026】
そして、排気通路34を流れる燃焼ガスと冷却水通路35を流れる冷却水とを熱交換することにより燃焼器30で発生した熱を冷却水に取り込む。なお、排気通路34及び冷却水通路35には、燃焼ガスと冷却水との熱交換効率を高めるフィン34a、35cが設けられている。
【0027】
なお、排気口34bは熱交換を終えた燃焼ガスを排出するためのものであり、流入口35aは冷却水を冷却水通路35に導くものであり、流出口35bは熱交換を終えた冷却水を排出するものである。
【0028】
ウィック36は燃料ポンプ40から燃焼器30に供給された燃料を一時的に保持することにより燃料の気化を促すもので、本実施形態では、略円盤状の金属メッシュ製で、その空隙に燃料を一時的に保持する。
【0029】
グロープラグ37は通電することによりウィック36に保持された燃料を加熱着火させる加熱手段であり、排気口34b近傍には、燃焼ガスの温度を検出するフレームセンサ38が配設されている。なお、フレームセンサ38は、電気抵抗値の変化を利用して着火及び失火を検出する温度センサの一種である。
【0030】
水温センサ39aは燃焼ガスにて加熱された冷却水の温度を検出する温度検出手段であり、壁温センサ39bは燃焼ガスに直接に晒される燃焼部31の壁面温度を検出するものである。
【0031】
そして、各センサ38、39a、39bの検出信号は燃焼器用電子制御装置(ECU)41に入力されており、ECU41は各センサ38、39a、39bの検出信号等に基づいて予め設定されたプログラムに従って燃焼器30、つまりエアポンプ33、グロープラグ37及び燃料ポンプ40等を制御して燃焼器30の燃焼能力を制御する。
【0032】
なお、本実施形態では、Hi燃焼(最大能力燃焼)、Lo燃焼(最小能力燃焼)、及びOff(停止)の三段階で燃焼器30の燃焼能力を制御するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】
また、本実施形態では、エンジン10用の燃料と燃焼器30用の燃料とを同一燃料として燃料タンク42をエンジン10と燃焼器30とで共用している。そして、エンジン用電子制御装置21には、燃料タンク42内の燃料量を連続的に計測する燃料量センサ42aの信号が入力されており、エンジン用電子制御装置21は、燃料量センサ42aの検出値により燃料タンク42内の燃料量が所定量以下となったときに、燃料タンク42内の燃料量が所定量以下となったことを示す燃料残量スイッチ信号をECU41に向けて発する。
【0034】
次に、本実施形態に係る車両用補助暖房装置の特徴的作動を図3に示すフローチャートに基づいて述べる。
【0035】
燃焼器30の燃焼能力は、燃料残量スイッチ信号の入力がないとき、つまり燃料タンク42内の燃料量が所定量より多いときには、図4に示すように、水温センサ39aの検出水温Twが高くなるほど小さくなるように3段階制御される(S1〜S3)。なお、図4に示す制御パターンを通常制御と呼ぶ。
【0036】
因みに、本実施形態では、燃焼能力を切り替えるしきい値を検出水温Twが上昇過程にある場合と下降過程にある場合とで相違させている。したがって、例えば検出水温Twが上昇過程にある場合において、検出水温TwがT1℃以上T2℃未満のとき燃焼器30は最大能力にて運転され、検出水温Twが下降過程にある場合において、検出水温TwがT1℃未満のとき燃焼器30は最大能力にて運転される。
【0037】
また、燃料残量スイッチ信号の入力があったとき、つまり燃料タンク42内の燃料量が所定量以下となったときには、図5に示すように、燃焼器30の燃焼の能力を最小能力燃焼以下とするとともに、燃料残量スイッチ信号の入力があって燃焼器30の燃焼の能力を最小能力燃焼以下した時、つまり制御パターンを図4から図5に変更した時からの経過時間を計測し始める(S4、S5)。なお、燃料タンク42内の燃料量が所定量以下となったときの燃焼器30の制御を非通常時制御と呼ぶ。
【0038】
そして、計測時間が所定時間を超えたときには、仮に燃焼器30の始動スイッチが投入されている場合であっても、ECU41にて燃焼器30を強制的に停止させる(S6)。
【0039】
このとき、経過時間の計測は、燃料タンク42内の燃料量が所定量以上とならない限り、原則として停止しないので、燃焼器30が強制的に停止した後、燃料補給をしない場合には、燃焼器30を再起動することはできない。
【0040】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0041】
本実施形態では、燃料タンク42内の燃料量が所定量以下となったときに、燃焼器30の発熱量を所定量以下とするとともに、燃焼器30の発熱量を所定量以下に制御し始めた時からの経過時間が所定時間を超えたときに、燃焼器30を停止させるので、燃焼器30が燃料タンク42内の燃料を使い果たしてしまうことを未然に防止できる。
【0042】
なお、図6は通常制御時及び非通常時における検出水温Twの変化を示すグラフの一例であり、本実施形態では、燃焼器30の発熱量を所定量以下に制御し始めた時からの経過時間が所定時間を超えたときに、燃焼器30を強制的に停止させている。
【0043】
また、経過時間の計測は燃料タンク42内の燃料量が所定量以上とならない限り停止しないので、燃焼器30が燃料タンク42内の燃料を使い果たしてしまうことを確実に防止できる。
【0044】
(第2実施形態)
第1実施形態では、燃焼器30の発熱量を所定量以下に制御し始めた時からの時間の計測を燃焼器30用のECU41にて計測したが、本実施形態は、エンジン用電子制御装置21にて燃焼器30の発熱量を所定量以下に制御し始めた時からの時間の計測を計測するものである。
【0045】
これにより、例えば補助暖房装置の開発と車両本体の開発とが、別々に並列開発されている際に、車両本体の開発部隊が自由に経過時間を設定することが可能となる。
【0046】
なお、経過時間は燃料タンク42の容量及びエンジン10の燃料消費率に応じて変更する必要があるので、補助暖房装置の開発部隊単独で決定することはできない。
【0047】
(第3実施形態)
第1実施形態では、制御パターンを図4から図5に変更した時からの連続経過時間が所定時間を超えたときには、仮に燃焼器30の始動スイッチが投入されている場合であっても、ECU41にて燃焼器30を強制的に停止させたが、本実施形態は、制御パターンを図4から図5に変更した時からの積算経過時間が所定時間を超えたときには、仮に燃焼器30の始動スイッチが投入されている場合であっても、ECU41にて燃焼器30を強制的に停止させるものである。
【0048】
具体的には、図7に示すように、制御パターンを図4から図5に変更した時に積算経過時間を計測するためのタイマー手段(計時手段)を作動させるとともに(S6)、検出水温TwがT3℃以上となったときには、一旦、タイマーを止めて燃焼器30を停止させるとともに、検出水温TwがT1℃以下となって再び燃焼器30が稼動したときには、タイマーを止めた時の経過時間に積算して経過時間を計測する(S7〜S9)。
【0049】
そして、その積算経過時間が所定時間を超えたときには、仮に燃焼器30の始動スイッチが投入されている場合であっても、ECU41にて燃焼器30を強制的に停止させる(S10〜S12)。
【0050】
なお、S1〜S4までは、第1実施形態と同じである。
【0051】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、車両用補助暖房装置に本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用補助暖房装置の模式図である。
【図2】燃焼器の模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る車両用補助暖房装置の制御フローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態に係る車両用補助暖房装置の通常制御パターンを示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る車両用補助暖房装置の非通常制御パターンを示す図である。
【図6】通常制御時及び非通常時における検出水温Twの変化を示すグラフである。
【図7】本発明の第3実施形態に係る車両用補助暖房装置の制御フローチャートである。
【符号の説明】
21…エンジンECU、30…燃焼器、31…燃焼部、33…エアポンプ、
14…排気通路、35…冷却水通路、39a…水温センサ、
40…燃料ポンプ、41…燃焼器用ECU。

Claims (6)

  1. 燃料タンク(42)内に蓄えられた燃料を燃焼することにより、熱を発生させる燃焼器(30)と、
    前記燃料タンク(42)内の燃料量が所定量以下となったときに、前記燃焼器(30)の発熱量を所定量以下とする発熱量抑制手段(S4)と、
    前記発熱量抑制手段(S4)が作動し始めた時からの経過時間を計測するタイマー手段(S5)と、
    前記タイマー手段(S5)の計測時間が所定時間を超えたときに、前記燃焼器(30)を停止させる燃焼停止手段(S6)とを備えることを特徴とする暖房装置。
  2. 前記燃料タンク(42)内の燃料量が所定量以上となったときに、前記タイマー手段(S5)を停止させるとともに、計測時間を初期値に再設定するリセット手段(S1)を備えることを特徴とする請求項1に記載の暖房装置。
  3. 前記発熱量抑制手段(S4)、前記タイマ手段及び前記燃焼停止手段(S6)は、燃焼器用電子制御装置(41)に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の暖房装置。
  4. 請求項1又は2に記載の暖房装置、及び前記燃料タンク(42)内に蓄えられた燃料を燃焼させて動力を得る熱機関を備える車両に適用される車両用暖房装置であって、
    前記発熱量抑制手段(S4)及び前記燃焼停止手段(S6)は、燃焼器用電子制御装置(41)に設けられ、
    前記タイマー手段(S5)は、熱機関用電子制御装置(21)に設けられていることを特徴とする車両用暖房装置。
  5. 前記経過時間は連続経過時間であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  6. 前記経過時間は積算経過時間であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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