JP4200654B2 - 電動式冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動式冷凍サイクル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動機部で圧縮機部を駆動する電動圧縮機を用いる冷凍サイクル装置において、直流電源で交流電動機を駆動するためにインバータ装置を用いられている。このインバータ装置は、交流電動機の相数分の上アーム素子及び下アーム素子をもつインバータ回路と、このインバータ回路の直流脈動電圧を平滑化する平滑コンデンサとを有している。
【0003】
また、電動圧縮機を用いる冷凍サイクル装置において、電動機部を駆動制御するインバータ部をモータハウジングの外表面に固定する技術(以下、インバータ一体型電動圧縮機ともいう)が知られており、電動圧縮機のモータを冷媒で冷却する技術(電動機冷媒冷却型電動圧縮機ともいう)も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した電動圧縮機を用いた冷凍サイクル装置では、
インバータ部の半導体素子とともに平滑コンデンサの過熱防止が重要な課題となっていた。なお、平滑コンデンサには従来、大容量の電解コンデンサが用いられるが、電解コンデンサは電解液の沸騰防止などの点でフィルムコンデンサなどに比較して格段に使用温度が制限される。平滑コンデンサの過熱防止には、平滑コンデンサを大型化してその内部電気抵抗を低減する案が考えられるが、装置全体の体積に占める平滑コンデンサの体積は既に相当大きいので、これ以上の大型化は容易ではない。
【0005】
特に、電動圧縮機のモータハウジングにインバータ部を取り付けて構造を簡素化する場合、モータハウジングの温度が高いので、上記問題は一層深刻となる。上述したように密閉したモータハウジング内部に冷媒を導入してモータハウジングを冷却し、低温となったモータハウジングによりインバータ部の発熱を吸収することも考えられるが、低圧冷媒を導入する場合には低圧冷媒がモータの大発熱を吸収するため圧縮仕事量が大幅に増大するという問題が生じ、高圧冷媒を導入する場合には高圧冷媒が高温であるので、モータの冷却には十分であるが、モータに比較して格段に低温作動させる必要がある平滑コンデンサの冷却には適合しない。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、インバータ部特に平滑コンデンサの良好な冷却が可能な電動式冷凍サイクル装置を提供することをその目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の電動式冷凍サイクル装置は、冷凍サイクル装置の一部をなす圧縮機部と前記圧縮機部を駆動する電動機部とを有し、モータハウジングと圧縮機ハウジングとが軸方向に結合された電動圧縮機と、前記電動機部制御用の半導体素子及び直流電圧脈動低減用の平滑コンデンサを有して前記モータハウジングに固定されるインバータ部とを備える電動式冷凍サイクル装置において、前記インバータ部は、前記モータハウジングに固定されるとともに前記半導体素子及び平滑コンデンサのケースが直接又は良熱伝導部材を通じて固定されるベースプレートを有し、前記ベースプレートは、低圧冷媒が流れるベース冷却用低圧冷媒通路により冷却されることを特徴としている。
【0008】
上記構成をもつ第一発明によれば、配線を短縮し、装置をコンパクト化するためにインバータ部をモータハウジングに固定しているにもかかわらず、平滑コンデンサのケースを直接又は良熱伝導部材を通じてインバータ部の回路部品実装用のベースプレートに固定するので、平滑コンデンサをこのベースプレートを通じて低圧冷媒通路の低圧冷媒により良好に冷却することができる。その結果、平滑コンデンサをいたずらに大型化してその電気抵抗低下を図る必要がなく、信頼性向上及び装置のコンパクト化を実現することができる。
【0009】
請求項1記載の発明によれば更に、前記ベースプレートのモータハウジング側の主面に当接する当接プレートを有し、前記ベース冷却用低圧冷媒通路は、前記当接プレート及び前記ベースプレートの少なくとも一方に凹設された長溝からなる。
【0010】
このようにすれば、ベースプレート冷却のために配管を延長したり、増設したりする無駄を抑止することができ、低圧冷媒とベースプレートとの間の熱抵抗も低減することができる。
【0011】
請求項1記載の発明によれば更に、前記ベースプレート及び当接プレートは、前記圧縮機ハウジングの周壁部に接するまで延設されて前記モータハウジング及び前記圧縮機ハウジングの両方に締結され、前記当接プレートは、前記圧縮機ハウジングの低圧冷媒吸入口と前記長溝の他端とを前記締結の方向に連通する圧縮機側開口部を有して前記圧縮機ハウジングの周壁部に当接する。
【0012】
このようにすれば、ベースプレート冷却のために低圧冷媒配管を増設する必要がない上、インバータ部を電動圧縮機に固定するためにベースプレートをモータハウジングや圧縮機ハウジングに締結する時に、当接プレートも同時に締結できるとともに、長溝をシールすることができ、組み付け作業を簡素化することができる。
【0013】
請求項2記載の構成によれば請求項1記載の電動式冷凍サイクル装置において更に、前記当接プレートは、前記モータハウジングの周壁部に突設された台座部に当接するので、当接プレートとモータハウジングとの間の熱抵抗を増大して低圧冷媒通路の低圧冷媒がモータハウジングにより加熱されるのを抑止することができる。
【0014】
なお、本構成は、当接プレート側に上記台座部を設けるのと同義であるが、モータハウジングは通常ダイキャスト成形されるので、この台座部も同一工程で成形することができ、当接プレートをたとえば単なる平板打ち抜きなどで作製でき、トータルとしての製造工程を簡素化することができる。
【0015】
請求項3記載の構成によれば請求項1記載の電動式冷凍サイクル装置において更に、前記当接プレートは、熱絶縁性の熱絶縁プレートを介して前記モータハウジングに当接する。
【0016】
この種の熱絶縁プレートは非金属材料で作製されるので、振動伝達抑制効果もあり、モータハウジングの熱を良好に遮断できるとともに遮断電動圧縮機からインバータ部への振動も同時に緩和することができる。
【0017】
好適には、電動式冷凍サイクル装置は、冷凍サイクル装置の一部をなす圧縮機部と前記圧縮機部を駆動する電動機部とを有し、モータハウジングと圧縮機ハウジングとが軸方向に結合された電動圧縮機と、前記電動機部制御用の半導体素子及び直流電圧脈動低減用の平滑コンデンサを有して前記モータハウジングに固定されるインバータ部とを備える電動式冷凍サイクル装置において、前記インバータ部は、前記圧縮機ハウジングに当接するとともに前記半導体素子及び平滑コンデンサのケースが直接又は良熱伝導部材を通じて固定されるベースプレートを有する。
【0018】
このようにすると、低圧冷媒が低密度のため容積が必然的に大きくなる低圧冷媒室をもちこの低圧冷媒により良好に冷却されるためモータハウジングに比較して格段に低温の圧縮機ハウジングに、インバータ部のベースプレートを固定するとともに、平滑コンデンサのケースをこのベースプレートに直接又は良熱伝導部材を通じて固定するので、平滑コンデンサを良好に冷却することができ、平滑コンデンサの信頼性向上とコンパクト化を簡素な構成で実現することできる。
【0019】
好適には、冷凍サイクル装置の一部をなす圧縮機部と前記圧縮機部を駆動する電動機部とを有し、モータハウジングと圧縮機ハウジングとが軸方向に結合された電動圧縮機と、前記電動機部制御用の半導体素子及び直流電圧脈動低減用の平滑コンデンサを有して前記電動圧縮機と別設されたインバータ部とを備える電動式冷凍サイクル装置において、前記インバータ部は、前記半導体素子及び平滑コンデンサのケースが直接又は良熱伝導部材を通じて固定されるベースプレートを有し、前記ベースプレートは、低圧冷媒配管を兼ねる。
【0020】
このようにすると、低圧冷媒配管の一部をベースプレートで代替することにより低圧冷媒配管の増設を回避しつつ、平滑コンデンサをベースプレートを通じて低圧冷媒により良好に冷却するので、平滑コンデンサの信頼性向上とコンパクト化を簡素な構成で実現することできる。
【0021】
好適には、前記ベースプレートの反回路搭載面側の主面に当接する当接プレートを有し、ベース冷却用低圧冷媒通路は、前記当接プレート及び前記ベースプレートの少なくとも一方に凹設された長溝からなる。このようにすれば、上記と同等の作用効果を奏することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の電動式冷凍サイクル装置の好適な態様を以下の実施例を参照して説明する。
【0023】
【実施例1】
車両空調装置に適用した本発明の電動式冷凍サイクル装置の一実施例を図面を参照して以下に説明する。
【0024】
図1は電動圧縮機の模式軸方向部分断面図、図2はベースプレートの平面図である。なお、インバータ一体の電動圧縮機以外の冷媒回路自体は周知であるので図示、説明を省略する。
(全体構成)
1は車両空調用の冷凍サイクル装置の一部をなす圧縮機部、2は圧縮機部1を駆動する電動機部であり、3は圧縮機部の外郭をなす圧縮機ハウジング、4は電動機部2の外郭をなすモータハウジング、5は三相同期モータからなる電動機部2を駆動制御するインバータ部、6は当接プレート、7はパッキン(本発明で言う良熱伝導部材)、8はOリング、9は鍔付き樹脂スリーブである。
【0025】
両ハウジング3,4は図示しない回転軸の軸方向に隣接して図示しないスルーボルトにより同軸に連結され、電動機部2の回転軸が圧縮機部1の回転軸を駆動する構成となっており、全体として本発明で言う電動圧縮機を構成している。31は圧縮機ハウジング3内の低圧冷媒室である。
【0026】
インバータ部5は、ベースプレート51、カバー52からなる外郭により形成された回路収容室53をもち、回路収容室53には、三相インバータ回路54と、平滑コンデンサ55と、それらを接続する配線部材(図示せず)やその他の小回路部品(図示せず)を収容している。
【0027】
ベースプレート51は、アルミニウムからなり、圧縮機ハウジング3及びモータハウジング4の平坦な上面に、図示しないボルトによって当接プレート6を挟んで締結されている。この時、Oリング8は後述する長溝511のシールを行い、パッキン7は後述する貫通孔61のシールを行う。
【0028】
ベースプレート51の電動圧縮機側の主面には、U字状に横設された長溝(ベース冷却用低圧冷媒通路)511と、この長溝511の一端に連通する低圧冷媒入口512とが形成されている。低圧冷媒入口512は、ベースプレート51の上面へ突設された配管連結用の筒部513に接続された図示しない外部配管を通じて図示しないエバポレータから低圧冷媒を供給されている。長溝511は、インバータ部5の後述する三相インバータ回路54の直下に延設されている。
【0029】
カバー52は、アルミニウム製の有底角箱であり、図示しないボルトによりベースプレート51上に固定されている。
【0030】
三相インバータ回路54は、u,v,w、三相分の上アーム素子及び下アーム素子を直列接続した相インバータ回路を並列接続して図示しないバッテリから直流電圧が印加される周知の回路構成をもち、u,v,w相の3つのインバータ回路の交流出力端をなすブスバー(図1では一本のみ図示)56が、軸方向に突出している。上アーム素子及び下アーム素子はそれぞれIGBTとフライホイルダイオードを逆並列に接続してなるが、周知のためこれ以上の説明は省略する。この実施例では、説明を簡易化するために三相インバータ回路54は、一個の樹脂モールド半導体モジュール構成をもつものとするが、もちろん種々のバリエーションが可能である。三相インバータ回路54は、ベースプレート51の回路搭載面540に密着、固定され、その上に平滑コンデンサ55が載置固定されて、全体として二階建て構造となっている。
【0031】
平滑コンデンサ55は、アルミニウムケース551に収容された電解コンデンサからなり、三相インバータ回路54のと並列に接続されて三相インバータ回路54から図示しないバッテリに印加される高周波スイッチング電圧を吸収する。平滑コンデンサ55のケース551は、カバー(本発明で言う良熱伝導部材)52の底面(図1では上方に位置する)に良熱伝導性のグリスを介して密着している。
【0032】
なお、この実施例は、三相インバータ回路54及び平滑コンデンサ55の配置、形状を特徴とするものではなく、たとえば平滑コンデンサ55をベースプレート51上の密着、固定したり、専用の架構により三相インバータ回路54上に三相インバータ回路54から離れて配置されてもよい。
【0033】
当接プレート6は、薄肉のアルミニウム平板からなり、ベースプレート51の長溝511の他端に連通して貫通孔61を有している。貫通孔61はパッキン7の貫通孔71及び圧縮機ハウジング3の冷媒吸入孔32を通じて、圧縮機ハウジング3の低圧冷媒室31に連通している。
【0034】
鍔付き樹脂スリーブ9は、電気絶縁性樹脂部材であって、ベースプレート51、当接プレート6、パッキン7、モータハウジング4を貫通して圧入されている。スリーブ9は扁平円柱形状を有し、内部に3つの貫通孔(図示せず)を有している。
【0035】
モータハウジング4内には、図示しない三相同期モータが収容されており、この三相同期モータの3本の電機子巻線の先端に接続され各出力端子(図では1つのみを示す)41が鍔付き樹脂スリーブ9の上記貫通孔を個別に貫通して、インバータ部5の回路収容室53に突出している。各出力端子41の先端部には雄ネジ面が形成されており、三相インバータ回路54から横方向に突出するブスバー(図1では一本のみ図示)56がナット10により各出力端子41に個別に締結されている。
【0036】
(組み付け順序)
次に、このインバータ一体型電動圧縮機の組み付け順序を以下に説明する。
【0037】
三相インバータ回路54及び平滑コンデンサ55などの回路部品を実装し、必要な配線を済ませたベースプレート51を当接プレート6を通じて圧縮機ハウジング3及びモータハウジング4に締結し、ブスバー56を出力端子41に締結し、カバー52をベースプレート51に締結すればよい。
【0038】
(動作)
圧縮機部1から吐出された高圧冷媒は電動機部2を冷却してモータハウジング4から図示しないコンデンサに送られる。図示しないエバポレータから筒部513、長溝511、貫通孔61,71,32を通じて圧縮機ハウジング3内に導入される。三相インバータ回路54はベースプレート51を通じて長溝511内の低圧冷媒により冷却され、平滑コンデンサ55は、カバー52,ベースプレート51を通じて長溝511内の低圧冷媒により冷却される。
【0039】
(変形態様1)
平滑コンデンサ55を良熱伝導部材製の架台を通じてベースプレート51により冷却することができる。
【0040】
(変形態様2)
スリーブ9を三相インバータ回路54又はベースプレート51に固定し、ブスバー52をスリーブ9を通じてモータハウジング4内に垂下させてもよい。この場合には、電動機部2の三相の出力端子とこのブスバー56とはモータハウジング4内にて接続される。
【0041】
(変形態様3)
当接プレート6を、ゴムシートや樹脂板などの熱伝導性が劣る材料で構成しても良い。当接プレート6として機能するゴムシートを圧縮機ハウジング3及びモータハウジング4の表面に固着する場合、Oリングやパッキン7を省略することができる。
【0042】
(実施例効果)
パッキン7は、貫通孔71のシールとともに、モータハウジング4の熱が長溝511内の低圧冷媒や三相インバータ回路54やベースプレート51に伝達されるのを抑止する機能を有するが、モータハウジング4と当接プレート6とをこれら両者の一方に設けた突部で代用してもよい。
【0043】
【実施例2】
他の実施例を図3を参照して以下に説明する。図3は電動圧縮機の模式軸方向部分断面図である。なお、インバータ一体の電動圧縮機以外の冷媒回路自体は周知であるので図示、説明を省略する。
(全体構成)
1は車両空調用の冷凍サイクル装置の一部をなす圧縮機部、2は圧縮機部1を駆動する電動機部であり、3は圧縮機部の外郭をなす圧縮機ハウジング、4は電動機部2の外郭をなすモータハウジング、5は三相同期モータからなる電動機部2を駆動制御するインバータ部、7はパッキンである。
【0044】
両ハウジング3,4は図示しない回転軸の軸方向に隣接して図示しないスルーボルトにより同軸に連結され、電動機部2の回転軸が圧縮機部1の回転軸を駆動する構成となっており、全体として本発明で言う電動圧縮機を構成している。
【0045】
インバータ部5は、ベースプレート51、カバー52からなる外郭により形成された回路収容室53をもち、回路収容室53には、三相インバータ回路54と、平滑コンデンサ55と、それらを接続する配線部材(図示せず)やその他の小回路部品(図示せず)を収容している。
【0046】
ベースプレート51は、アルミニウムからなり、圧縮機ハウジング3の平坦な上面に、図示しないボルトによって締結され、更に熱絶縁プレートをなすパッキン7を介してモータハウジング4に図示しないボルトによって締結されている。
【0047】
カバー52は、アルミニウム製の有底角箱であり、図示しないボルトによりベースプレート51上に固定されている。
【0048】
三相インバータ回路54は、u,v,w、三相分の上アーム素子及び下アーム素子を直列接続した相インバータ回路を並列接続して図示しないバッテリから直流電圧が印加される周知の回路構成をもち、u,v,w相の3つのインバータ回路の交流出力端をなすブスバー(図1では一本のみ図示)56が、軸方向に突出している。上アーム素子及び下アーム素子はそれぞれIGBTとフライホイルダイオードを逆並列に接続してなるが、周知のためこれ以上の説明は省略する。この実施例では、説明を簡易化するために三相インバータ回路54は、一個の樹脂モールド半導体モジュール構成をもつものとするが、もちろん種々のバリエーションが可能である。三相インバータ回路54は、ベースプレート51の回路搭載面540に密着、固定され、その上に平滑コンデンサ55が載置固定されて、全体として二階建て構造となっている。
【0049】
平滑コンデンサ55は、アルミニウムケース551に収容された電解コンデンサからなり、三相インバータ回路54のと並列に接続されて三相インバータ回路54から図示しないバッテリに印加される高周波スイッチング電圧を吸収する。平滑コンデンサ55のケース551は、カバー(本発明で言う良熱伝導部材)52の底面(図1では上方に位置する)に良熱伝導性のグリスを介して密着している。
【0050】
なお、この実施例は、三相インバータ回路54及び平滑コンデンサ55の配置、形状を特徴とするものではなく、たとえば平滑コンデンサ55をベースプレート51上の密着、固定したり、専用の架構により三相インバータ回路54上に三相インバータ回路54から離れて配置されてもよい。
【0051】
鍔付き樹脂スリーブ9は、電気絶縁性樹脂部材であって、ベースプレート51、パッキン7、モータハウジング4を貫通して圧入されている。スリーブ9は扁平円柱形状を有し、内部に3つの貫通孔(図示せず)を有している。
【0052】
モータハウジング4内には、図示しない三相同期モータが収容されており、この三相同期モータの3本の電機子巻線の先端に接続され各出力端子(図では1つのみを示す)41が鍔付き樹脂スリーブ9の上記貫通孔を個別に貫通して、インバータ部5の回路収容室53に突出している。各出力端子41の先端部には雄ネジ面が形成されており、三相インバータ回路54から横方向に突出するブスバー(図1では一本のみ図示)56がナット10により各出力端子41に個別に締結されている。
【0053】
(組み付け順序)
次に、このインバータ一体型電動圧縮機の組み付け順序を以下に説明する。
【0054】
三相インバータ回路54及び平滑コンデンサ55などの回路部品を実装し、必要な配線を済ませたベースプレート51を圧縮機ハウジング3に熱伝導グリスを介して密着させ、かつパッキン7を介してモータハウジング4に密着させ、図示しないボルトで締結、固定する。その後、ブスバー56を出力端子41に締結し、カバー52をベースプレート51に締結すればよい。
【0055】
(動作)
圧縮機部1から吐出された高圧冷媒は電動機部2を冷却してモータハウジング4から図示しないコンデンサ(凝縮器)に送られる。ベースプレート51は圧縮機ハウジング3の特に低圧冷媒室近傍に密着されるため、圧縮機ハウジング3を通じて良好に冷却され、かつモータハウジング4からはパッキン7により熱遮断されているので、高温のモータハウジング4から加熱されることがない。
【0056】
また、この実施例では、電動機部2の電機子巻線に給電するための出力端子41はモータハウジング4の圧縮機ハウジング3側の前端壁部近傍の周壁部に配置されているので、インバータ部5を圧縮機ハウジング3に固定しているにもかかわらず、ブスバー56の長さを短縮することができる。
【0057】
【実施例3】
他の実施例を図面を参照して以下に説明する。
【0058】
図4は電動圧縮機の模式軸方向部分断面図である。なお、電動圧縮機を制御するインバータ部以外の冷媒回路自体は周知であるので図示、説明を省略する。
(全体構成)
5は三相同期モータからなる電動機部2を駆動制御するインバータ部、6は当接プレート、8はOリングである。
【0059】
インバータ部5は、ベースプレート51、カバー52からなる外郭により形成された回路収容室53をもち、回路収容室53には、三相インバータ回路54と、平滑コンデンサ55と、それらを接続する配線部材(図示せず)やその他の小回路部品(図示せず)を収容している。
【0060】
ベースプレート51は、アルミニウムからなり、図示しないボルトによって当接プレート6に締結されている。この時、Oリング8は後述する長溝511のシールを行う。
【0061】
ベースプレート51の当接プレート6側の主面には、U字状に横設された長溝(ベース冷却用低圧冷媒通路)511と、この長溝511の一端に連通する低圧冷媒入口512とが形成されている。低圧冷媒入口512は、ベースプレート51の上面に突設された配管連結用の筒部513に接続された図示しない外部配管を通じて図示しないエバポレータから低圧冷媒を供給されている。長溝511は、インバータ部5の後述する三相インバータ回路54の直下に延設されている。
【0062】
カバー52は、アルミニウム製の有底角箱であり、図示しないボルトによりベースプレート51上に固定されている。
【0063】
三相インバータ回路54は、u,v,w、三相分の上アーム素子及び下アーム素子を直列接続した相インバータ回路を並列接続して図示しないバッテリから直流電圧が印加される周知の回路構成をもち、u,v,w相の3つのインバータ回路の交流出力端をなすブスバー(図1では一本のみ図示)56が、軸方向に突出している。上アーム素子及び下アーム素子はそれぞれIGBTとフライホイルダイオードを逆並列に接続してなるが、周知のためこれ以上の説明は省略する。この実施例では、説明を簡易化するために三相インバータ回路54は、一個の樹脂モールド半導体モジュール構成をもつものとするが、もちろん種々のバリエーションが可能である。三相インバータ回路54は、ベースプレート51の回路搭載面540に密着、固定され、その上に平滑コンデンサ55が載置固定されて、全体として二階建て構造となっている。
【0064】
平滑コンデンサ55は、アルミニウムケース551に収容された電解コンデンサからなり、三相インバータ回路54のと並列に接続されて三相インバータ回路54から図示しないバッテリに印加される高周波スイッチング電圧を吸収する。平滑コンデンサ55のケース551は、カバー(本発明で言う良熱伝導部材)52の底面(図1では上方に位置する)に良熱伝導性のグリスを介して密着している。
【0065】
なお、この実施例は、三相インバータ回路54及び平滑コンデンサ55の配置、形状を特徴とするものではなく、たとえば平滑コンデンサ55をベースプレート51上の密着、固定したり、専用の架構により三相インバータ回路54上に三相インバータ回路54から離れて配置されてもよい。
【0066】
当接プレート6は、薄肉のアルミニウム平板からなり、ベースプレート51の長溝511の他端に連通して貫通孔61を有している。貫通孔61は、当接プレート6の下面から突設された配管連結用の筒部62に接続された図示しない外部配管を通じて図示しない圧縮機部に低圧冷媒を供給している。
【0067】
(動作)
圧縮機部1から吐出された高圧冷媒は電動機部2を冷却してモータハウジング4から図示しないコンデンサ(凝縮器)に送られる。図示しないエバポレータから筒部513、長溝511、筒部62を通じて圧縮機部に低圧冷媒が供給され、長溝511を流れる低圧冷媒によりベースプレート51が冷却され、ベースプレート51が三相インバータ回路54を冷却し、同時にカバー52を通じて平滑コンデンサ55を冷却する。
【0068】
(変形態様1)
平滑コンデンサ55を良熱伝導部材製の架台を通じてベースプレート51により冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の電動圧縮機の模式軸方向部分断面図である。
【図2】図1のベースプレートの平面図である。
【図3】実施例2の電動圧縮機の模式軸方向部分断面図である。
【図4】実施例3の電動圧縮機の模式軸方向部分断面図である。
【符号の説明】
1 圧縮機部
2 電動機部
3 圧縮機ハウジング
4 モータハウジング
5 インバータ部
6 当接プレート
7 パッキン(熱絶縁プレート)
8 Oリング
9 樹脂スリーブ
51 ベースプレート
511 長溝
52 カバー(良熱伝導部材)
54 三相インバータ回路(半導体素子)
55 平滑コンデンサ
551 平滑コンデンサのケース
Claims (3)
- 冷凍サイクル装置の一部をなす圧縮機部と前記圧縮機部を駆動する電動機部とを有し、モータハウジングと圧縮機ハウジングとが軸方向に結合された電動圧縮機と、
前記電動機部制御用の半導体素子及び直流電圧脈動低減用の平滑コンデンサを有して前記モータハウジングに固定されるインバータ部と、
を備える電動式冷凍サイクル装置において、
前記インバータ部は、
前記モータハウジングに固定されるとともに前記半導体素子及び平滑コンデンサのケースが直接又は良熱伝導部材を通じて固定されるベースプレートを有し、
前記ベースプレートは、
低圧冷媒が流れるベース冷却用低圧冷媒通路により冷却され、
前記ベースプレートのモータハウジング側の主面に当接する当接プレートを有し、
前記ベース冷却用低圧冷媒通路は、
前記当接プレート及び前記ベースプレートの少なくとも一方に凹設された長溝からなり、
前記ベースプレート及び当接プレートは、
前記圧縮機ハウジングの周壁部に接するまで延設されて前記モータハウジング及び前記圧縮機ハウジングの両方に締結され、
前記当接プレートは、
前記圧縮機ハウジングの低圧冷媒吸入口と前記長溝の他端とを前記締結の方向に連通する圧縮機側開口部を有して前記圧縮機ハウジングの周壁部に当接することを特徴とする電動式冷凍サイクル装置。 - 請求項1記載の電動式冷凍サイクル装置において、
前記当接プレートは、
前記モータハウジングの周壁部に突設された台座部に当接することを特徴とする電動式冷凍サイクル装置。 - 請求項1記載の電動式冷凍サイクル装置において、
前記当接プレートは、
熱絶縁性の熱絶縁プレートを介して前記モータハウジングに当接することを特徴とする電動式冷凍サイクル装置。
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