JP4200140B2 - 汚泥乾燥方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主として浄水場で発生する汚泥を、短期間で効果的に乾燥させることのできる汚泥乾燥方法に関するものである。
浄水場で発生する汚泥は、通常、天日乾燥を得た後、埋め立て処分されたり、また、屋上緑化基盤土や鉢植土として再利用されている。この天日乾燥は、乾燥槽の床に敷砂を敷き詰め、その上に汚泥を投入し、当該汚泥の水分を敷砂を通して乾燥槽の排水口から排水しつつ、太陽光及び風により乾燥させるものである。
近年における水需要の増加により、浄水場の汚泥は増加し、その迅速な乾燥処理が要求されている。こうした要求に対応すべく、図4に示すように、筒体21内に濾過砂22を充満し、その周壁に複数の孔23を穿設した砂パイプ20を敷砂に立て、汚泥の水をその孔を通して敷砂に導くことによって短期間で乾燥させる方法が考えられる。なお、この砂パイプ20の筒体21は、水透過性の材料で形成されたものではない。
しかしながら、浄水場で発生する汚泥が増加する一方の現代においては、この従来の乾燥方法をさらに改善する必要がある。
すなわち、従来の筒体21の周壁に孔23を穿設した砂パイプ20を使用した乾燥方法では、含水率95%程度の汚泥を75%程度まで乾燥させるために4〜5月といった長期間を必要としている。従って、その期間をさらに短縮及び簡易に乾燥することのできる乾燥方法が求められている。
そこで、本発明の目的とするところは、浄水場等で発生する汚泥を、天日乾燥の手法を用いつつ、従来より短期間で乾燥させることのできる乾燥方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の汚泥乾燥方法は、大量の水(W)を含んだ汚泥(M)を天日によって乾燥させる方法であって、排水口(2)を有する乾燥槽(1)の床に、所定厚さの敷砂(3)を敷き、前記敷砂(3)に、水透過性の濾過布材で形成した筒状の濾筒(11)に濾過砂(12)を充満してなる砂パイプ(10)を立設し、前記敷砂(3)の上に、前記汚泥(M)を投入し、前記汚泥(M)に含まれる水(W)を、前記砂パイプ(10)および前記敷砂(3)を透して前記排水口(2)から排出するもので、前記濾過砂(12)は、前記汚泥(M)を固化したものであることを特徴とする。
なお、カッコ内の記号は、図面および後述する発明を実施するための最良の形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
本発明の請求項1に記載の汚泥乾燥方法によれば、排水口を有する乾燥槽の床に、所定厚さの敷砂を敷き、敷砂に、水透過性の濾過布材で形成した筒状の濾筒に濾過砂を充満してなる砂パイプを立設し、敷砂の上に、汚泥を投入し、汚泥に含まれる水を、砂パイプおよび敷砂を透して前記排水口から排出するので、当該汚泥の水を、濾筒の周壁全体から透過することができ、汚泥を従来より短期間でしかも簡易に乾燥させることができる。
すなわち、この乾燥方法では、砂パイプを水透過性の濾過布材で形成した濾筒を用いて構成したので、従来の筒体の周壁に孔を穿設した砂パイプと比較して、濾筒がその周壁全体で水を透過させる。そのため、乾燥期間を大幅に短縮することができる。
ちなみに、従来技術においては、含水率95%程度の汚泥を75%程度まで乾燥させるのに4〜5月必要としていたが、本発明では、2.5〜3月で同程度に乾燥させることができる。
また、汚泥を投入する前に、砂パイプを敷砂に立設するので、当該砂パイプを立設する際にそれを阻害するものがなく、よって立設作業が容易となる。
また、前記砂パイプに充填された前記濾過砂は、前記汚泥を固化したものであるので、同じ性質を有する汚泥同士相性がよい。このため、砂パイプは目詰まりすることがほとんどなく、長期間に渡って使用することができる。
図1乃至図3を参照して、本発明の実施形態に係る汚泥乾燥方法について説明する。図1はこの乾燥方法を実施している状態を示す斜視図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。
これは、浄水場で発生する大量の水Wを含んだ汚泥Mを天日によって乾燥させる方法であり、次の順序によって行われる。
まず、最深部に排水口2を有するコンクリート製の乾燥槽1の床に、0.2m程度の厚さで敷砂3を敷く。乾燥槽1は、その一例として、縦6m、横20m、高さ1.2m程度の大きさとしている。
次に、敷砂3に砂パイプ10を立設する。
続いて、この敷砂3の上に、浄水場から搬入した汚泥Mを0.6m程度の深さまで投入する。通常、汚泥Mの投入は、立設した砂パイプ10の上端より以下になるようにされるが、砂パイプ10が汚泥Mの中に完全に埋まるようにしてもよい。
この砂パイプ10は、水透過性の濾過布材で形成した筒状の濾筒11の内部に濾過砂12を充満して構成している。また、濾筒11は、軽量で耐久性に優れるとともに付着した汚泥の剥離性に優れるポリエチレンやポリエステルで形成すると良い。なお、本実施形態における砂パイプ10は、直径0.1m程度、高さ0.8m程度に設定しており、乾燥槽1に15本程度立設している。
また、濾筒11の上端開口部を水透過性の濾過布材で形成した上蓋13で塞ぎ、下端を同じく水透過性の濾過布材で形成した底蓋14で塞いでいる。濾筒11の上端開口部を水透過性の濾過布材で形成した上蓋13で塞ぐことにより、上述したように、砂パイプ10を汚泥Mの中に完全に埋めることが可能となる。
これにより、汚泥Mや敷砂3が濾筒11内に侵入して濾過砂12を汚すことを防止している。
なお、図2に示すように、乾燥槽1にその一部または全体を覆う屋根4を設けることによって、雨水の浸入を防止することができる。
このようにして汚泥Mを乾燥槽1に投入することにより、汚泥Mに含まれる水Wが、砂パイプ10の濾筒11を透過して濾過砂12に至り、その濾過砂12を通過して敷砂3に達した後、乾燥槽1の床の最深部に形成された排水口2を通って外に円滑に排出されるようになっている。
濾過砂12および敷砂3は共に水透過性が良いので、汚泥Mの水Wの多くは、この砂パイプ10を透過して排水口2に至る。なお、乾燥槽1の床を排水口2に向けて下降傾斜させることによって、汚泥のMの水Wを円滑に排水口2まで導くことができる。
本実施形態に係る汚泥乾燥方法によれば、砂パイプ10を、水透過性の良い濾筒11を用いて形成したので、当該濾筒11の周壁全体から水Wを透過させることができる。
従って、汚泥Mを短期間で乾燥させることができる。
なお、砂パイプ10はその下端部を敷砂3に立て、その上端部を水透過性の濾過布材で形成した上蓋13で覆っているので、当該砂パイプ10の中に汚泥Mが侵入することがない。従って、濾過砂12が汚れ難く、長期間にわたって効率的に汚泥Mの水Wを透過して、当該汚泥Mを短期間で乾燥させることができる。
また、本実施形態では、上記実施形態では、砂パイプ10を立設した後に汚泥Mを投入するので、砂パイプ10を立設する際に、その周囲に阻害物が存在しない。よって、立設作業が容易となる。
また、砂パイプ10に充填された濾過砂12として、乾燥処理される、すなわち対象となる汚泥Mを固化したものを使用すると、同じ性質を有する汚泥同士相性がよいので、砂パイプ10は目詰まりすることがほとんどなく、長期間に渡って使用することができる。
また、砂パイプ10は、カプセル状で脱着可能であるので、前記汚泥乾燥時に繰り返して使用可能であり、長期間に渡って使用することができる。よって効率的である。
なお、本実施形態では、浄水場で発生する汚泥Mを例にとって説明したが、本発明の実施形態に係る汚泥乾燥方法は浄水場の汚泥のみでなく、例えば、下水処理場、火力,水力発電所、ダムなどのあらゆる場所で発生する汚泥を乾燥するのに適用することができる。なお、この方法は、同一方法で援速濾過池の容量アップにも利用できる。
本発明の実施形態に係る汚泥乾燥方法を実施している状態を示す斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の実施形態に係る汚泥乾燥方法で使用される砂パイプを示す斜視図である。 従来例に係る汚泥乾燥方法で使用される砂パイプを示す斜視図である。
符号の説明
1 乾燥槽
2 排水口
3 敷砂
4 屋根
10 砂パイプ
11 濾筒
12 濾過砂
13 上蓋
14 底蓋
20 砂パイプ
21 筒体
22 濾過砂
23 孔
M 汚泥
W 水

Claims (1)

  1. 大量の水を含んだ汚泥を天日によって乾燥させる方法であって、
    排水口を有する乾燥槽の床に、所定厚さの敷砂を敷き、
    前記敷砂に、水透過性の濾過布材で形成した筒状の濾筒に濾過砂を充満してなる砂パイプを立設し、
    前記敷砂の上に、前記汚泥を投入し、
    前記汚泥に含まれる水を、前記砂パイプおよび前記敷砂を透して前記排水口から排出するもので、
    前記濾過砂は、前記汚泥を固化したものであることを特徴とする汚泥乾燥方法。
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