JP4200130B2 - 太陽熱利用システム - Google Patents

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Description

本発明は、太陽熱を集熱器により集熱して利用する太陽熱利用システムに関するものであり、特に、運転休止時における集熱器の熱媒液抜きに関するものである。
太陽熱利用システムは、太陽熱を集熱する集熱器と、熱媒液を貯留する熱媒液タンクと、その熱媒液タンクから前記集熱器を経て熱媒液タンクに帰る循環路と、前記熱媒液タンク内の熱媒液を前記集熱器に送ることにより前記循環路に前記熱媒液の循環を生じさせる循環ポンプとを含むように構成される。従来、熱媒液として、水に防食剤入りの不凍液を混入したものが多く使用されており、太陽熱が床暖房に利用される場合には、集熱器で加熱された熱媒液が床暖房装置の蓄熱・放熱体に供給される。しかし、給湯装置に利用される場合には、熱媒液自体を消費するわけにはゆかないため、熱媒液を熱交換器に供給し、水を加熱するための熱源として利用される。この種の太陽熱利用システムは、例えば下記特許文献1に記載されている。
特開平2003−314833号公報
本願出願人は、この種の太陽熱利用システムの休止時に集熱器内の熱媒液を抜く技術を提案した。特許文献1に記載されているものがそれである。この太陽熱利用システムは、循環路の復路部の、集熱器の下端より下方であって上下方向の成分を有する方向に延びる部分に、集熱器内の循環路の容積の総和より大きい容積の空気タンクを設けたものである。集熱中は、空気タンク内に溜まる空気が、非集熱時には復路部を上方へ移動し、その結果、集熱器内の熱媒液が強制循環時とは逆向きに移動して空気タンクに流入する。非集熱時には集熱器内に熱媒液がなく、不凍液を用いなくても凍結する恐れがない。また、太陽熱が多過ぎる夏場等において、もはや集熱の必要がなくなったために熱媒液の循環を停止させた場合に、集熱器内の熱媒液が沸騰する問題も解決することができる。
上記発明は、循環路が密閉式の太陽熱利用システムにおける集熱器の熱媒液抜きを可能にしたものであり、本発明は、開放式の循環路を備えた太陽熱利用システムにおける熱媒液抜きを可能にすることを課題としてなされたものである。
本発明は、太陽熱を集熱する集熱器と、大気圧下で熱媒液を貯留する熱媒液タンクと、その熱媒液タンクの液面より下の部分から集熱器を経て熱媒液タンクの液面より下の部分に帰る循環路と、熱媒液タンク内の熱媒液を集熱器に送ることにより循環路に熱媒液の循環を生じさせる循環ポンプとを含む太陽熱利用システムにおいて、循環路の集熱器から熱媒液タンクへの復路部のうち前記熱媒液タンク内に位置する部分であって、少なくとも集熱器内の熱媒液のすべてが熱媒液タンクに戻った状態におけるその熱媒液タンク内の熱媒液のレベルより高い部位に、循環ポンプの停止に伴って熱媒液タンク内の空気の復路部への流入を許容する連通孔を設けるとともに、循環路をその連通孔以外においは大気に連通しないものとしたことを特徴とする。

連通孔は、循環ポンプの運転中は熱媒液タンク内の空気が復路部内に流入せず、循環ポンプが停止させられれば必然的に空気が復路部内に流入する状態で設ける。この条件を満たす連通孔を設ければ、循環ポンプの運転が停止された場合に、連通孔から必然的に空気が吸い込まれ、集熱器および循環路の上方の部分から順に熱媒液と置換される。この置換は、熱媒液タンク内の熱媒液のレベルが上昇し、連通孔より高くなるまで続く。熱媒液タンクのレベルが上昇しても連通孔より高くならない場合には、循環路内の熱媒液のレベルが熱媒液タンク内の熱媒液のレベルと等しくなってはじめて置換が終了する。
循環路を形成する配管等は、保温材で覆って内部の熱媒液の凍結を防止することが可能であるが、集熱器は太陽熱を収集するものであるので、保温材で覆うことが難しい。そこで、「少なくとも前記集熱器内の熱媒液のすべてが前記熱媒液タンクに戻った状態におけるその熱媒液タンク内の熱媒液のレベルより高い位置」に連通孔を設けるのである。もっとも、循環路のうち、周囲の温度が凍結温度以下まで下がる可能性のある部分の熱媒液が空気と置換されることが保証される位置に連通孔を設ければ、循環路を保温材で覆う必要がなくなって、太陽熱利用システムのコストを低減させることができる。
なお、循環ポンプの運転中には、後述の各手段により、連通孔から外部へ熱媒液が流出しないようにすることが可能であり、それが望ましいのであるが、連通孔は復路部の熱媒液タンク内に位置する部分に設けるのであるため、僅かであれば熱媒液タンク内へ漏れても差し支えない。
いずれにしても、本発明に従えば、極めて簡易な手段によって、ポンプの運転中には循環路内に空気(気泡)が混入することを回避し、かつ、ポンプを停止させることにより少なくとも集熱器の熱媒液抜きを実現することができる。そして、集熱器の熱媒液抜きを確実に行うことができれば、通常の水を熱媒液として使用することが可能となり、不凍液や防食剤の使用が不可欠ではなくなる。必要があれば、湯として消費される水自体を熱媒液とすることも可能となるのである。
発明の態様
連通孔を、復路部の熱媒液タンク内に位置する部部に形成すれば、もし熱媒液が連通孔から外部へ流出しても、その熱媒液は熱媒液タンクに受けられるため支障はない。ただし、流出する熱媒液の流量は、熱媒液が復路部を形成する管路の外面に沿って伝い流れる程度であることが望ましい。熱媒液が宙を飛んで熱媒液タンク内の熱媒液面上に落下する場合には、許容限度を超える騒音発生の原因となり、あるいは熱媒液タンク内の熱媒液に気泡を発生させ、その気泡が循環ポンプ等のポンプ内に侵入して空転や異音発生の原因となる可能性があるからである。
連通孔の位置と大きさとを、循環ポンプの運転中においても復路部から熱媒液が外部(熱媒液タンク内)へ漏れることがなく、循環ポンプの停止状態においては復路部内への空気の流入を許容する条件を満たすように決定することが可能である。この場合には、連通孔の位置と大きさとを適切に選定するだけでよく、特に安価に目的を達し得る。
連通孔に、開口面積を調節する開口面積調節装置を設ければ、連通孔自体は大きめに形成しておけばよいことになり、システムの設計,製造が容易となる。連通孔に、外部から復路部内に向かう向きの流体の流れは許容し、逆向きの流れは阻止する逆止弁を設けても、同様の効果が得られる。
連通孔の形成位置や大きさによっては、逆に、循環ポンプ運転中に連通孔から空気が侵入することもある。その場合には、復路部の、連通孔より熱媒液タンク側の部分に、熱媒液の流れに抵抗を付与する抵抗付与装置を設ければ、空気の侵入を防止することができる。抵抗付与装置は、抵抗付与状態が可変の可変抵抗付与装置とすることが望ましい。
以下、本発明のいくつかの実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は下記実施例および上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1に示す太陽熱利用システムは、太陽熱集熱装置10、給湯装置12、床暖房装置14を含む。本太陽熱利用システムにおいては、熱媒液タンク20が設けられ、熱媒液タンク20内の熱媒液が、太陽熱集熱装置10の集熱器24内を流れさせられて太陽熱によって温められるとともに、給湯装置12の貯湯タンク26内を流れさせられて貯湯タンク26内の湯を温め、また、床暖房装置14の暖房床28内を流れさせられて暖房床28を温めるようにされている。そのため、集熱器24,貯湯タンク26および暖房床28のそれぞれについて循環ポンプが設けられている。
熱媒液タンク20内には熱媒液が収容されるとともに、その上部に空気が充満した空間が存在し、その空間が大気と連通させられている。集熱器24は、高所、ここでは家屋の屋根に配設されている。太陽熱集熱装置10は、1つまたは複数の集熱器を備えるものとすることができる。集熱器24の原理構造は既に知られているため、簡単に説明する。集熱器24は管状を成す部分を有し、その内部に熱媒液(本実施例においては水)が満たされており、その熱媒液は太陽光によって温められ、太陽熱が集熱される。集熱器24は、その一端部がパイプ30によって熱媒液タンク20の底部に接続され、他端部がパイプ32によって熱媒液タンク20の中間部に接続されている。パイプ30,32はいずれも、熱媒液タンク20の熱媒液内に開口させられている。パイプ30の途中に集熱器循環ポンプ34が設けられ、パイプ32の途中には、図示しない熱媒液温センサが設けられている。集熱器循環ポンプ34は、本実施例においては、停止状態において熱媒液の逆流を許容する形式のポンプの一種であるうず巻ポンプとされている。
床暖房装置14は、受熱器の一例としての暖房床28と、図示を省略する断熱層とを備えて床板の下に配設されており、暖房床28は、蓄熱・放熱体としてのコンクリート層40とその内部に配設された給熱管42とを備えている。給熱管42の両端部はそれぞれ、パイプ44,46によって熱媒液タンク20に接続されている。パイプ44,46はそれぞれ熱媒液タンク20の中間部と下部とに接続されている。パイプ44の途中に暖房床循環ポンプ48が設けられている。また、床下温度は、コンクリート層40内に設けられた床下温センサ(図示省略)により検出される。
熱媒液タンク20には、パイプ50,52によりボイラ54が接続されており、パイプ50の途中には、ボイラ循環ポンプ56が取り付けられている。ボイラ54によって熱媒液タンク20内の熱媒液が温められる。
貯湯タンク26内の水は熱交換器60において熱媒液により温められて湯とされる。湯は浴室,洗面所,台所等に供給される。熱交換器60は、貯湯タンク26の下部に設けられており、熱交換路としての金属管62を備えている。金属管62の両端部はそれぞれパイプ64,66によって熱媒液タンク20の中間部に接続されている。パイプ64の途中には、貯湯タンク循環ポンプ68が取り付けられている。貯湯タンク26内の湯の温度は、湯温センサ(図示省略)により検出される。
貯湯タンク26には、パイプ70,72が接続されている。パイプ70の一端部は貯湯タンク26に接続され、他端部は減圧弁74を経て水道管に接続されている。パイプ72は途中で分岐させられ、分岐させられた一方のパイプ76はボイラ78を経て蛇口80に接続され、他方のパイプ82の途中にはバルブ84が設けられている。貯湯タンク26の湯は、必要に応じてボイラ78により加熱された上で蛇口80に供給され、また、必要に応じてバルブ84が開かれることにより浴槽に供給される。
本太陽熱利用システムにおいては、熱媒液の循環系が3つ形成されている。1つは、集熱器24,パイプ30,32,熱媒液タンク20を含む第1循環路90と、給熱管42,パイプ44,46を含む第2循環路92とにより構成される循環系であり、第1循環路90と第2循環路92とにそれぞれ集熱器循環ポンプ34と暖房床循環ポンプ48とを備えている。別の1つは、上記第1循環路90と、金属管62を含む熱交換器60,熱媒液タンク20,パイプ64,66を含む第3循環路94とにより構成される循環系であり、第1循環路90と第3循環路94とにそれぞれ集熱器循環ポンプ34と貯湯タンク循環ポンプ68とを備えている。さらに別の1つは、上記第2循環路92と、ボイラ54,熱媒液タンク20,パイプ50,52等によって形成される第4循環路96とにより構成される循環系であり、第2循環路92と第4循環路96とにそれぞれ暖房床循環ポンプ48とボイラ循環ポンプ56とを備えている。
循環路92〜96を構成するパイプはいずれも、熱媒液タンク20の熱媒液が満たされた部分に接続されており、循環路92〜96自体は大気に開放されない閉回路であるが、熱媒液タンク20はその上部が大気に連通させられており、その点で循環路92〜96の一部が大気に開放されていると言うことができる。また、第1循環路90は、以下に述べるように、その一部に連通孔が設けられることにより、大気に開放されている。
集熱器24と熱媒液タンク20とを接続するパイプ32は、集熱器24から熱媒液タンク20への復路部100を構成し、熱媒液タンク20と集熱器24とを接続するパイプ30は往路部102を構成している。復路部100の、集熱器24の下端より下方であり、集熱器循環ポンプ34の停止に伴って集熱器24内の熱媒液のすべてと、パイプ30,32内の大半の熱媒液とが熱媒液タンク20に戻った状態における熱媒液タンク20内の熱媒液のレベルより高い位置に、図2に示すように、復路部100の内部と大気とを連通させる連通孔110が設けられている。
本実施例では、前述のように、パイプ30,32はいずれも熱媒液タンク20の熱媒液が満たされた部分に接続されることにより、熱媒液が第1循環路90(以下、循環路90と略称する。)を循環する際に発生する騒音が抑制されているのであるが、そのままでは集熱器循環ポンプ34が停止させられても、集熱器24内の熱媒液が熱媒液タンク20に戻らない。そこで、上記連通孔110が復路部100に設けられているのである。本実施例では、復路部100の末端部が、ゴム製のL字形を成す管継手であるエルボ112と、エルボ112の下端部に嵌合されたパイプ114とにより構成されている。パイプ114は、本実施例では金属製とされているが、硬質樹脂製でもよい。エルボ112の上下方向に延びる部分に、上記連通孔110が形成されている。エルボ112は、その上端部が、熱媒液タンク20の側壁部116を貫通して設けられたパイプ118の外側に嵌合された状態で固定されている。なお、パイプ118はパイプ32の一部を構成している。パイプ114の下端部は、熱媒液タンク20内の熱媒液のレベルが最低になった状態でも、そのレベルより高くはならない位置において、支持部材120により熱媒液タンク20に固定されている。本実施例では、パイプ114は支持部材120に溶接によって固定されているが、エルボ112にホースバンド等適宜の固定手段によって固定されてもよい。支持部材120は、熱媒液タンク20の側壁部116から水平な姿勢で延び出た板状の部材であり、熱媒液タンク20内の熱媒液に渦が生じても、熱媒液タンク20の底部に接続された循環ポンプ(例えば暖房床循環ポンプ48)が空気を吸い込まないようにする機能も果たす。
連通孔110は、復路部100の熱媒液タンク20の真上に位置する部分に形成されているため、もし熱媒液が連通孔110から外部へ流出しても、その熱媒液は熱媒液タンク20に受けられる。また、連通孔110の出口には案内部122が設けられ、この案内部122によって、熱媒液が下向きに流出し、エルボ112およびパイプ114の外面に沿って流れるように導かれる。案内部122は、エルボ112の外周面に固定された部分円筒状の部材であり、連通孔110に連通するとともに下向きに延び、下端において外部に開口する案内孔124が形成されている。案内部122は、ゴムによりエルボ112と一体に形成することも可能であるが、本実施例においては、金属製あるいは合成樹脂製とされ、市販のエルボ112に連通孔110を形成した後、その連通孔110の開口を覆う状態で、接着等の固定手段により固定されたものである。
本実施例では、復路部100の、連通孔110より熱媒液タンク20側の部分に、熱媒液の流れに抵抗を付与する抵抗付与装置130が配設されている。図6に参考例として示すように、復路部100に連通孔131を設けるのみでは、集熱器循環ポンプ34の運転中に連通孔131の周辺が負圧となり、空気が循環路90を経て熱媒液タンク20内に侵入する場合がある。この空気は熱媒液タンク20内で気泡となり、循環ポンプ34,48,56,68内に吸入されてそれらの空転や異音発生の原因となる恐れがある。このような事態の発生を回避するために、抵抗付与装置130が配設されているのである。
抵抗付与装置130は、エルボ112内において、連通孔110より下方の部分に設けられた円環部材132を主体とするものである。本実施例では、円環部材132は金属製の円板に孔134が形成されたものであり、エルボ112の内側に嵌合され、パイプ114の上端面に支持される。孔134は、熱媒液の流れ(図2に矢印で示す方向)に必要かつ十分な抵抗を付与し得る大きさで形成されている。孔134の直径が種々に異なる円環部材132が複数種類準備され、状況に応じて交換される。本実施例においては、それら複数種類の交換可能な円環部材132が、抵抗付与状態が可変の可変抵抗付与装置を構成しているのである。このように抵抗付与装置130を設ければ、連通孔110の周辺が大気圧となるように熱媒液の流れに抵抗を付与することができ、集熱器循環ポンプ34の運転中に連通孔110から空気が侵入することを防止できる。
以上のように、案内部122および抵抗付与装置130が設けられているのは、太陽熱利用システムが、個々の住宅等設置対象の事情に合わせて、具体的な構成を種々に変更する必要があるからである。経験を積んだ設計者であれば、個々の設置対象に合わせて設計した太陽熱利用システムのどの位置にどの大きさで連通孔110を形成すれば、復路部100内の熱媒液が外部に漏れることも、外部から空気が吸い込まれることもないようにできるかが判る。その場合は、案内部122も抵抗付与装置130も設けない設計とすることができる。しかし、ときには連通孔の位置や大きさが不適切な設計になることもあり、また、経年変化により不適切になることもある。それに対処するために、案内部122および抵抗付与装置130が予め設けられているのである。
本太陽熱利用システムは、コンピュータを主体とする制御装置により制御される。ポンプ34,48,56,68は、図示を省略する駆動回路を介してコンピュータにより制御される。このコンピュータにおいて使用者がモード選択を行うことにより、ソーラ暖房およびソーラ給湯が、床下の温度,貯湯タンク内の湯の温度,それら温度と熱媒液の温度との差等に基づいて制御される。例えば、ソーラ暖房とソーラ給湯との両方の実行時には、集熱器循環ポンプ34,暖房床循環ポンプ48および貯湯タンク循環ポンプ68が同時に作動させられる。暖房床循環ポンプ48と貯湯タンク循環ポンプ68とは設定時間ずつ交互に作動させられるようにしてもよい。あるいはポンプ48,68の回転速度を異ならせてもよい。
これらポンプ34,48,68等の作動により、熱媒液が集熱器24と熱媒液タンク20との間、貯湯タンク26と熱媒液タンク20との間および暖房床28と熱媒液タンク20との間においてそれぞれ循環させられる。それによって、集熱器24において温められた熱媒液が熱媒液タンク20に供給され、そこからパイプ44によって暖房床28の給熱管42に供給されて暖房床28を温め、また、パイプ64によって熱交換器60の金属管62に供給されて貯湯タンク26内の水ないし湯を温める。貯湯タンク26および暖房床28により受熱されて熱媒液タンク20に戻された熱媒液は集熱器24へ戻され、太陽熱により温められる。
本太陽熱利用システムにおいては、集熱器循環ポンプ34の作動が停止させられれば、外部の空気が連通孔110を経て復路部100内に流入する。その結果、復路部100内の連通孔110より下方の熱媒液が熱媒液タンク20へ流下するとともに、空気が復路部100を上方へ移動し、集熱器24内の熱媒液が、往路部102を強制循環時とは逆向きに移動して熱媒液タンク20に戻される。集熱器循環ポンプ34の非作動状態において、集熱器24全体および第1循環路90の熱媒液タンク20内における熱媒液のレベルより高い部分には熱媒液がなく、空気で満たされた状態が得られるのであり、不凍液を使用しなくても集熱器24および第1循環路90内の熱媒液の凍結を防止できる。
なお、パイプ30,32は、保温材により覆うことによって凍結を防止でき、その場合は、ポンプ34の停止時に、パイプ30,32内の熱媒液が抜けることは不可欠ではない。また、パイプ30,32は、それらの一部が地下に埋設されるようにしてもよい。さらに、連通孔は、復路部100の、集熱器24の下端より下方の部分であり、集熱器循環ポンプ34の停止に伴って少なくとも集熱器24内の熱媒液のすべてが熱媒液タンク20に戻った状態における熱媒液タンク20内の熱媒液のレベルより高い位置であれば、上記実施例とは異なる位置に設けてもよい。
集熱器循環ポンプ34の停止状態においては連通孔から復路部100への大気の流入を許容する一方、集熱器循環ポンプ34の運転中には連通孔を経て、外部から空気が侵入することおよび内部から熱媒液が漏れることを防止する液漏れ等防止装置を復路部100に設けることも可能である。
その一例は図3に示す逆止弁210である。復路部100を構成するパイプ32には連通孔200が形成されており、その連通孔200に連通して概して円筒状を成す弁本体212が固定されている。弁本体212は、製造の都合上、複数の部材により構成されている。弁本体212内には弁座214が形成され、その弁座214に着座,離間可能な弁子としてのボール216が設けられ、ばね部材218により弁座214に向かって付勢されている。これら弁本体212,ボール214およびばね部材218により逆止弁210が構成されているのであり、外部から復路部100内に向かう向きの流体の流れは許容され、逆向きの流れは阻止される。したがって、集熱器循環ポンプ34の停止状態では、外部から復路部100への空気の流入が許容される一方、集熱器循環ポンプ34の運転状態では、外部から復路部100への空気の侵入および復路部100から外部への熱媒液の流出が確実に阻止される。
液漏れ等防止装置の別の一例を図4に示す。この液漏れ等防止装置は開口面積調節装置220により構成されている。復路部100を構成するパイプ32には連通孔200が形成され、その連通孔200に連通して円筒状の装置本体222が設けられている。装置本体222の外部への開口近傍には、雌ねじ穴224が形成され、その雌ねじ穴224に開口面積変更部材としてのボルト226が螺合されている。装置本体222の内周面からのボルト226の突出量を変更することにより、連通孔200の実質的な開口面積を変えることができ、集熱器循環ポンプ34の停止状態では、外部から復路部100への空気の流入が許容される一方、集熱器循環ポンプ34の運転状態では、外部から復路部100への空気の侵入および復路部100から外部への熱媒液の流出が確実に阻止されるようにすることができる。調節後は、ロックナット228によりボルト226が装置本体222に固定される。
開口面積調節装置の別の一例を図5に示す。復路部100を構成するパイプ32の外側に円筒状の装置本体230が液密に固定されている。装置本体230の外周面には、断面形状が矩形を成す浅い円環状の保持溝232が形成され、その保持溝232に開口面積変更部材としての摺動部材234が嵌合されている。摺動部材234は、内径が保持溝232の底面の直径よりやや小さい円筒部材の周方向の1個所に軸方向に延びる割り溝が形成されて、横断面形状がC字形とされたものであり、弾性的に拡径された状態で装置本体230に取り付けられ、取り付け後は内周面が保持溝232の底面に弾性的に密着している。パイプ32および装置本体230には連通孔236が形成される一方、摺動部材234には開口238が形成されている。この開口238は、連通孔236の開口部のと同一の形状、寸法を有するが、摺動部材234に設けられた操作部240を把持して回動操作されることにより、連通孔236の開口部と開口238との重なり量が変化し、連通孔236の実質的な開口面積が変わる。装置本体230と摺動部材234とにより開口面積調節装置242が構成されているのである。なお、連通孔236の開口部と開口238とは円形とすることも可能であるが、装置本体230の周方向に長い長穴とする方が、開口面積の調節が容易である。
本発明の一実施例である太陽熱利用システムの系統図である。 上記太陽熱利用システムの循環路の、集熱器から熱媒液タンクへの復路部の一部を示す側面断面図である。 本発明の別の実施例である太陽熱利用システムの循環路の、集熱器から熱媒液タンクへの復路部の一部を示す側面断面図である。 本発明のさらに別の実施例である太陽熱利用システムの循環路の、集熱器から熱媒液タンクへの復路部の一部を示す側面断面図である。 本発明のさらに別の実施例である太陽熱利用システムの循環路の、集熱器から熱媒液タンクへの復路部の一部を示す側面断面図である。 本発明を説明するための参考例を示す図2に相当する図である。
符号の説明
10:太陽熱集熱装置 20:熱媒液タンク 24:集熱器 30,32:パイプ 34:集熱器循環ポンプ 90:第1循環路 100:復路部 110:連通孔 122:案内部 130:抵抗付与装置 200:連通孔 210:逆止弁 220:開口面積調節装置 222:装置本体 226:ボルト 230:装置本体 234:摺動部材 236:連通孔 238:開口 242:開口面積調節装置

Claims (7)

  1. 太陽熱を集熱する集熱器と、大気圧下で熱媒液を貯留する熱媒液タンクと、その熱媒液タンクの液面より下の部分から前記集熱器を経て熱媒液タンクの液面より下の部分に帰る循環路と、前記熱媒液タンク内の熱媒液を前記集熱器に送ることにより前記循環路に前記熱媒液の循環を生じさせる循環ポンプとを含む太陽熱利用システムにおいて、
    前記循環路の前記集熱器から前記熱媒液タンクへの復路部のうち前記熱媒液タンク内に位置する部分であって、少なくとも前記集熱器内の熱媒液のすべてが前記熱媒液タンクに戻った状態におけるその熱媒液タンク内の熱媒液のレベルより高い部位に、前記循環ポンプの停止に伴って熱媒液タンク内の空気の復路部への流入を許容する連通孔を設けるとともに、前記循環路をその連通孔以外においは大気に連通しないものとしたことを特徴とする太陽熱利用システム。
  2. 前記連通孔の位置と大きさとが、前記循環ポンプの運転中においては、前記熱媒液タンク内の空気の前記復路部への流入を許容せず、復路部から前記熱媒液タンク内への前記熱媒液の漏れを許容する一方、循環ポンプの停止状態においては、熱媒液タンク内の空気の復路部内への流入を許容するという条件を満たすように決定された請求項1に記載の太陽熱利用システム。
  3. 前記連通孔の位置と大きさとが、前記循環ポンプの運転中においては、前記熱媒液タンク内の空気の前記復路部への流入も前記熱媒液の復路部から熱媒液タンク内への漏れも許容せず、循環ポンプの停止状態においては復路部内への空気の流入を許容するという条件を満たすように決定された請求項1に記載の太陽熱利用システム。
  4. 前記連通孔に、開口面積を調節する開口面積調節装置が設けられた請求項1ないし3のいずれかに記載の太陽熱利用システム。
  5. 前記連通孔に、外部から前記復路部内に向かう向きの流体の流れは許容し、逆向きの流れは阻止する逆止弁が設けられた請求項1ないし4のいずれかに記載の太陽熱利用システム。
  6. 前記復路部の、前記連通孔より前記熱媒液タンク側の部分に、前記熱媒液の流れに抵抗を付与する抵抗付与装置が設けられた請求項1ないし5のいずれかに記載の太陽熱利用システム。
  7. 前記抵抗付与装置が、抵抗付与状態が可変の可変抵抗付与装置である請求項6に記載の太陽熱利用システム。
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