JP2003314833A - 強制循環式太陽熱集熱システム - Google Patents

強制循環式太陽熱集熱システム

Info

Publication number
JP2003314833A
JP2003314833A JP2002118133A JP2002118133A JP2003314833A JP 2003314833 A JP2003314833 A JP 2003314833A JP 2002118133 A JP2002118133 A JP 2002118133A JP 2002118133 A JP2002118133 A JP 2002118133A JP 2003314833 A JP2003314833 A JP 2003314833A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
hot water
solar
liquid
heat transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002118133A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Okamoto
康男 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiryu Heater Kk
Original Assignee
Chiryu Heater Kk
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chiryu Heater Kk filed Critical Chiryu Heater Kk
Priority to JP2002118133A priority Critical patent/JP2003314833A/ja
Publication of JP2003314833A publication Critical patent/JP2003314833A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/40Solar thermal energy, e.g. solar towers

Landscapes

  • Steam Or Hot-Water Central Heating Systems (AREA)
  • Heat-Pump Type And Storage Water Heaters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱媒液として不凍液を使用しなくて済む強制
循環式太陽熱集熱システムを提供する。 【解決手段】 循環路16の復路部98の、集熱器2
0,22の下端より下方であって上下方向の成分を有す
る方向に延びる部分に、集熱器20,22内の循環路1
6の容積の総和より大きい容積の空気タンク100を設
ける。停止状態では集熱器20,22内の熱媒液が空気
タンク100に溜められ、集熱器20,22内は空気タ
ンク100の空気で満たされる。作動時には空気タンク
100内の熱媒液が集熱器20,22に送り込まれ、循
環して水や床を温め、集熱器20,22内の空気が空気
タンク100に溜まる。作動停止時には空気タンク10
0内の空気が復路部98を上方へ移動し、集熱器20,
22内の熱媒液が強制循環時とは逆向きに移動して空気
タンク100に流入する。非循環時には集熱器20,2
2内に熱媒液がなく、不凍液を用いなくても凍結がな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強制循環式太陽熱
集熱システムに関するものであり、特に、熱媒液の凍結
防止に関するものである。
【0002】
【従来の技術】強制循環式の太陽熱集熱システムには、
高所に配設されて太陽熱を集熱する太陽熱集熱器と、低
所に配設されて集熱された熱を受け取る床暖房装置の蓄
熱床,給湯装置の貯湯タンク等受熱器と、それら太陽熱
集熱器と受熱器とを経て熱媒液を循環させる循環路と、
その循環路に熱媒液の流れを強制的に生じさせる液駆動
装置とを含むシステムがある。この種の太陽熱集熱シス
テムにおいては、従来、作動状態においても停止状態に
おいても、常時、太陽熱集熱器内は熱媒液で満たされて
いる。そのため、冬季の夜間等に太陽熱集熱器内におい
て熱媒液が凍結し、それによって太陽熱集熱器が破損す
る恐れがあり、それを防止するために熱媒液として不凍
液が使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】しかしながら、不凍液を使用する場合、種々の不都
合が生ずる。例えば、不凍液は、年月の経過と共に劣化
するため、定期的な液質の点検や、不凍液の抜き替えが
必要であり、その費用は無視することはできない。ま
た、夏季には集熱過多になることがあるが、その場合、
不凍液が沸騰することがあり、液質の異常劣化による集
熱器の腐食や、家屋の天井裏での異音発生の問題が生ず
る。
【0004】本発明は、以上の事情を背景とし、熱媒液
として不凍液を使用しなくて済む強制循環式太陽熱集熱
システムを提供することを課題としてなされたものであ
り、本発明によって、下記各態様の強制循環式太陽熱集
熱システムが得られる。各態様は請求項と同様に、項に
区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号
を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明
の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術
的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のも
のに限定されると解釈されるべきではない。また、一つ
の項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の
事項を常に一緒に採用しなければならないわけではな
い。一部の事項のみを選択して採用することも可能なの
である。
【0005】なお、以下の各項において、 (1)項が請求
項1に相当し、 (3)項が請求項2に、 (8)項が請求項3
にそれぞれ相当する。
【0006】(1)高所に配設されて太陽熱を集熱する
太陽熱集熱器と、低所に配設されて集熱された熱を受け
取る受熱器と、それら太陽熱集熱器と受熱器とを経て熱
媒液を循環させる循環路と、その循環路に熱媒液の流れ
を強制的に生じさせる液駆動装置とを含む強制循環式太
陽熱集熱システムにおいて、前記循環路の前記太陽熱集
熱器から前記受熱器への復路部の、太陽熱集熱器の下端
より下方であって上下方向の成分を有する方向に延びる
部分に、太陽熱集熱器内の循環路の容積の総和より大き
い容積の気体溜まりを直列に設けた強制循環式太陽熱集
熱システム。気体は、例えば、空気でもよく、窒素ガス
等空気以外のガスでもよい。本項に記載の強制循環式太
陽熱集熱システムにおいては、液駆動装置が停止させら
れ、熱媒液が循環路内を循環させられない状態では、太
陽熱集熱器内の熱媒液は気体溜まりに溜められ、太陽熱
集熱器内は気体溜まり内の気体で満たされる。液駆動装
置が作動させられれば、気体溜まり内の熱媒液が太陽熱
集熱器内へ送り込まれ、代わりに太陽熱集熱器内の気体
が気体溜まりに溜まる。太陽熱集熱器内の気体が熱媒液
によって置換されるのであり、それによって、太陽熱集
熱器内の熱媒液が太陽熱により加熱される状態となる。
その太陽熱集熱器には液駆動装置の作動に応じた流量で
熱媒液が供給され続け、同じ流量で太陽熱集熱器から流
出させられて受熱器に送られる。受熱器は、給湯装置の
貯湯タンクや床暖房装置の蓄熱床等により構成され、太
陽熱集熱器によって加熱された熱媒液はここで貯湯タン
ク内の水や、蓄熱床の蓄熱体に熱を与え、温度が低下す
る。この温度の低下した熱媒液は、再び液駆動装置によ
り太陽熱集熱器に送られる。本強制循環式太陽熱集熱シ
ステムにおいてはこれが繰り返され、太陽熱が受熱器に
蓄えられる。そして、液駆動装置の作動が停止させられ
れば、気体溜まり内の気体が、循環路の復路部内を上方
へ移動する。代わりに、太陽熱集熱器内の熱媒液が、強
制循環時とは逆向きに移動して、空気溜まりに流入す
る。結局、気体溜まり内の気体と太陽熱集熱器内の液体
とが入れ替わらされることとなるが、気体溜まりは、太
陽熱集熱器内の循環路の容積の総和より大きい容積を有
するため、太陽熱集熱器内の熱媒液の全部が気体溜まり
に回収され、太陽熱集熱器内の空間全部に気体が充満さ
せられることとなる。気体溜まりは、循環路の復路部
の、気体溜まりを設けた場合に、気体溜まりの最上部
と、太陽熱集熱器との間に、熱媒液が気体溜まりから太
陽熱集熱器に向かう方向において下向きの成分を有する
部分がない部分に設ければよい。それにより、液駆動装
置の作動の停止時に、気体溜まり内の気体が復路部内を
上方へ移動することを妨げられることなしに太陽熱集熱
器へ到達し、太陽熱集熱器内の全部の熱媒液と入れ替わ
ることができる。このように本太陽熱集熱システムにお
いては停止中に太陽熱集熱器内に熱媒液がないため、熱
媒液が太陽熱集熱器内において凍結することはない。熱
媒液は気体に替わって気体溜まりに溜まることとなる
が、気体溜まりは、太陽熱集熱器のように太陽熱を集熱
する必要がないため、例えば、屋内等比較的温度の高い
場所に配置する等、配置場所を選択したり、断熱材の使
用等による防寒等によって気体溜まり内における熱媒液
の凍結を回避することが容易である。したがって、熱媒
液として不凍液を使用しなくて済み、不凍液の使用によ
る問題もなくなる。 (2)前記気体溜まりが最上部と最下部とにおいてそれ
ぞれ前記循環路に接続された (1)項に記載の強制循環式
太陽熱集熱システム。本項によれば、気体溜まり内の全
部の気体が復路部へ流入することが可能であり、また、
気体溜まりから太陽熱集熱器への熱媒液の送り込みが容
易である。 (3)前記気体溜まりが、前記循環路の断面積より大き
い断面積を有するタンクによって構成された (1)項また
は (2)項に記載の強制循環式太陽熱集熱システム。本項
によれば、気体溜まりの、循環路の熱媒液の流れる方向
における寸法を小さくすることができる。 (4)前記循環路の主要部分がパイプにより構成され、
前記気体溜まりが、そのパイプより直径が大きく、長手
方向が上下方向の成分を有する向き配設された大径パイ
プにより構成された (1)項または (2)項に記載の強制循
環式太陽熱集熱システム。 (5)前記液駆動装置の作動状態においても、前記気体
溜まりの下部に熱媒液が溜まり、その熱媒液の深さが渦
の形成によっても気体が下方へ流出しない深さに保たれ
る(1)項ないし (4)項のいずれかに記載の強制循環式太
陽熱集熱システム。前述のように、液駆動装置の作動状
態においては、気体溜まり内の気体の量が増加し、熱媒
液の量が減少した状態で、熱媒液が気体溜まり内を上か
ら下へ流れることとなるが、気体溜まりから流出する熱
媒液に気体が混入することは望ましくない。気体溜まり
の下部に熱媒液が溜まっている限り気体は熱媒液に混入
することはないと考えられがちであるが、実際には、気
体溜まり内の熱媒液には渦が生じ、この渦が気体溜まり
の流出口まで達すれば、流出する熱媒液に気体が混入し
てしまう。したがって、気体溜まりには熱媒液が、渦の
形成によっても気体が下方へ流出しない深さで溜まった
状態に保たれることが望ましい。そのために下部に溜ま
ることが必要な熱媒液の量は、気体溜まりの直径や熱媒
液の流量にもよるが、一般的には、気体溜まりの容積の
1/6以上であることが望ましく、1/5以上,1/4
以上,1/3以上であることがさらに望ましい。また、
液駆動装置の停止状態においては気体溜まり内の熱媒液
の量が増加し、その結果液面が上昇して、この液面より
上方の部分に気体が満たされた状態となるため、液面の
高さが太陽熱集熱器の下端よりは低くなることが必要で
ある。この条件が満たされる限り、熱媒液の液面が循環
路の太陽熱集熱器から受熱器への復路部内に位置しても
差し支えないのであるが、気体溜まりの上端より高くは
ならないことが望ましい。そのようにすれば、循環路の
復路部が気体溜まりの予備的な部分として機能し、気体
容積の増減によっても熱媒液の液面が太陽熱集熱器の下
端より高くはならないことが保証される。なお、循環路
および気体溜まりは、凍結防止および放熱量低減のため
に断熱材により覆われることが望ましい。 (6)前記受熱器が蓄熱器を含む (1)項ないし (5)項の
いずれかに記載の強制循環式太陽熱集熱システム。床暖
房装置の蓄熱床は、上記蓄熱器の代表的なものである
が、それに限定されるわけではない。 (7)前記受熱器が貯湯タンクを含む (1)項ないし (6)
項のいずれかに記載の強制循環式太陽熱集熱システム。
本項が (6)項に従属する場合には、受熱器として蓄熱器
と貯湯タンクとの両方が設けられることとなる。 (8)前記液駆動装置として、停止状態において前記熱
媒液の逆流を許容する形式のポンプを含む (1)項ないし
(7)項のいずれかに記載の強制循環式太陽熱集熱システ
ム。液駆動装置は停止状態においては熱媒液の逆流を許
容するものとされ、そのために、液駆動装置を、ピスト
ンポンプに代表される容積形ポンプ等、停止状態におい
て熱媒液の逆流を許容しない形式のポンプと、そのポン
プに対して並列に循環路に接続された開閉弁(手動開閉
弁の採用も可能であるが、ポンプの起動,停止と連動し
て自動で開閉される開閉弁が望ましい)とを含むものと
することも可能である。しかし、本項の構成とする方が
装置コストが安価となり、かつ、ポンプが停止すれば、
太陽熱集熱器内の循環路の熱媒液が必然的に抜けること
となるため、信頼性の高い強制循環式太陽熱集熱システ
ムが得られる。 (9)前記ポンプが羽根車形ポンプである (8)項に記載
の強制循環式太陽熱集熱システム。羽根車形ポンプとし
てはうず巻ポンプが好適であるが、斜流ポンプ,軸流ポ
ンプ等も使用可能である。 (10)前記太陽熱集熱器に対して前記受熱器が複数互
いに並列に接続されており、それら複数の受熱器の一部
のものと太陽熱集熱器とを直列に含む循環路を熱媒液が
循環させられる際に、その一部のもの以外の受熱器を通
過する熱媒液の流れが生じることを防止する弁装置を含
む (1)項ないし (9)項のいずれかに記載の強制循環式太
陽熱集熱システム。上記弁装置は、複数の受熱器のうち
予め定められたもののみの熱媒液の通過を阻止するもの
とされることも可能であるが、複数の受熱器から任意に
選ばれたものを通過する熱媒液の循環は許容し、それ以
外の受熱器を通過する熱媒液の流れは阻止するものとさ
れることが望ましい。この望ましい態様の強制循環式太
陽熱集熱システムにおいては、太陽熱集熱器により集熱
された熱を、複数の受熱器のうちの任意のもののみに受
けさせることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。図1には、本発明の実施形態
である強制循環式太陽熱集熱システムが示されている。
本実施形態の太陽熱集熱システムは、太陽熱集熱装置1
0、給湯装置12、床暖房装置14、循環路16および
液駆動装置18を含む。
【0008】太陽熱集熱装置10は、複数、例えば2つ
の太陽熱集熱器(以後、集熱器と略称する)20,22
を含む。それら集熱器20,22は、建物の屋根上に、
同一高さに隣接して配置され、高所に配設されている。
集熱器20,22の構造は同じであり、また、その原理
構造は既に知られているため、集熱器20を代表的に簡
単に説明する。
【0009】集熱器20は、図1に示すように、集熱器
保持体32に保持されて屋根の上に取り付けられる。集
熱器20は、本実施形態においては、図2に示すよう
に、長手形状を成し、互いに平行に延びる複数本の上昇
部34と、それら上昇部34の上端同士を接続する上接
続部36と、下端同士を接続する下接続部38とを含
む。上昇部34および接続部36,38は管状を成し、
内部に熱媒液(本実施形態においては水)が満たされて
おり、その熱媒液は太陽光によって温められ、太陽熱が
集熱される。
【0010】集熱器20は、複数の上昇部34が、長手
方向が上下方向の成分を有し、斜め上方に延びる状態で
配置されている。複数の上昇部34は、その長手方向と
直角な方向に並べて配置されており、接続部36,38
は、互いに平行に、かつ複数の上昇部34のうち、並び
方向の一方の端に位置する上昇部34から他方の端に位
置する上昇部34に向かうに従って、下方から上方に向
かう向きに傾斜させられている。集熱器20,22の上
接続部36の高い方の端同士は、パイプ40(図1参
照)により互いに接続され、各下接続部38の低い方の
端同士は、パイプ42(図1参照)により互いに接続さ
れている。パイプ42は接続部36,38と同じ方向に
傾斜させられている。パイプ40も同方向に傾斜させら
れてもよいが、不可欠ではなく、本実施形態では、水平
とされている。
【0011】給湯装置12は、受熱器の一例としての貯
湯タンク48を備えている。貯湯タンク48内には、熱
交換器50が配設されている。熱交換器50は、例え
ば、管が多数回らせん状に巻かれたものであり、その一
端はパイプ52によって前記パイプ40に接続され、他
端はパイプ54によって前記パイプ42に接続されてい
る。前記集熱器20,22,パイプ40,42,52,
54,熱交換器50により、貯湯タンク48と集熱器2
0,22とを直列に含む循環路55が構成されている。
【0012】パイプ52には、貯湯タンク循環ポンプ5
6および開閉弁60が直列に設けられている。貯湯タン
ク循環ポンプ56は、本実施形態においては、停止状態
において熱媒液の逆流を許容する形式のポンプであっ
て、羽根車形ポンプの一種であるうず巻ポンプとされて
いる。貯湯タンク循環ポンプ56は、その作動により、
循環路55内に熱媒液の流れを強制的に生じさせ、図1
に矢印で示すように、循環路55内を循環させる。熱媒
液はパイプ42側から集熱器20,22に流入させら
れ、集熱器20,22において温められてパイプ40側
へ流出させられ、貯湯タンク48に供給される。循環路
55は貯湯タンク循環路である。
【0013】開閉弁60は、貯湯タンク循環ポンプ56
と貯湯タンク48との間に設けられている。開閉弁60
は、通常の電磁開閉弁でもよいが、本実施形態において
は加熱により作動する熱作動弁とされている。通常は閉
じており、パラフィンがヒータにより加熱されて膨張す
ることによって開かれるものとされているのである。
【0014】貯湯タンク48は、図示は省略するが、給
湯管に接続されており、貯湯タンク48内の水ないし湯
は、熱交換器50において熱媒液により温められる。給
湯管には、複数の蛇口が接続され、貯湯タンク48内の
湯が浴室,洗面所,台所等に供給される。貯湯タンク4
8内の湯の温度は、湯温センサ62により検出され、熱
媒液の温度は熱媒液温センサ64により検出される。本
実施形態では、湯温センサ62は貯湯タンク48の底部
付近に設けられ、熱媒液温センサ64はパイプ52の途
中に設けられている。
【0015】床暖房装置14は、受熱器の一例としての
蓄熱床68と、図示を省略する断熱層とを備えて床板の
下に配設されており、蓄熱床68は、蓄熱体としてのコ
ンクリート層69とその内部に配設された給熱管70と
を備えている。給熱管70は、例えば、2重の渦巻き状
に配設され、その一端部は、パイプ72によって前記パ
イプ52に接続され、他端部は、パイプ74によって前
記パイプ54に接続されている。貯湯タンク48および
蓄熱床68は、集熱器20,22に対して互いに並列に
接続されているのであり、パイプ52のパイプ72によ
って床暖房装置14が接続された部分より集熱器20,
22側の部分,パイプ54のパイプ74によって床暖房
装置14が接続された部分より集熱器20,22側の部
分,集熱器20,22,パイプ40,42および給熱管
70,パイプ72,74が蓄熱床68と集熱器20,2
2とを直列に含む循環路75を構成している。循環路7
5は蓄熱床循環路であり、循環路75および前記循環路
55が2つの受熱器たる貯湯タンク48および蓄熱床6
8を含む循環路16を構成している。循環路16は、大
気への開放部分がない閉回路である。
【0016】パイプ72には第一蓄熱床循環ポンプ76
および開閉弁78が直列に設けられ、パイプ74には第
二蓄熱床循環ポンプ80が設けられている。第一,第二
蓄熱床循環ポンプ76,80は、本実施形態において
は、前記貯湯タンク循環ポンプ56と同様に、うず巻ポ
ンプとされている。第一,第二蓄熱床循環ポンプ76,
80は、その作動により、図1に矢印で示すように、蓄
熱床循環路75内に熱媒液の流れを強制的に生じさせ、
集熱器20,22により温められた熱媒液が蓄熱床68
を経て循環路75内を循環させられる。それにより、集
熱器20,22により集められた太陽熱が蓄熱床68に
受けられて蓄積され、その熱が徐々に床板に伝達されて
室内が温められる。以上、貯湯タンク循環ポンプ56,
第一,第二蓄熱床循環ポンプ76,80が液駆動装置1
8を構成している。コンクリート層69の温度は、床下
温センサ82により検出される。
【0017】また、開閉弁78は、その基本的な構造は
前記開閉弁60と同じであるが、本実施形態においては
常開弁とされており、パラフィンがヒータによって加熱
されて膨張することによって閉じられるものとされてい
る。開閉弁60,78が開かれれば、熱媒液が、貯湯タ
ンク48と蓄熱床68との両方および集熱器20,22
を循環させられ、いずれか一方が開かれて他方が閉じら
れれば、その開かれた方の開閉弁に対応する受熱器を通
過する熱媒液の流れが生じさせられるとともに、閉じら
れた方に対応する受熱器を通過する熱媒液の流れが阻止
される。本実施形態においては、開閉弁60,78が弁
装置90を構成している。
【0018】上記貯湯タンク48は屋内に設けられ、床
暖房装置14は床の下に設けられ、いずれも低所に配設
されており、高所に配設された集熱器20,22におい
て集熱された熱を受け取る。したがって、循環路16の
パイプ52およびパイプ72により構成される部分であ
って、循環路16の集熱器20,22から貯湯タンク4
8および蓄熱床68への復路部98には、集熱器20,
22の下端より下方に位置し、上下方向の成分を有する
方向に延びる部分がある。その部分の一個所、すなわ
ち、その一個所と集熱器20,22との間に、集熱器2
0,22に向かうにつれて下向きになる部分がなく、上
り傾斜の部分のみがある個所に、気体溜まりとしての空
気タンク100が設けられている。
【0019】空気タンク100は、循環路16の断面積
より大きい断面積を有し、鉛直方向に延びる姿勢で設け
られ、その最上部と最下部とにおいてそれぞれ、パイプ
52に接続され、集熱器20,22と直列に設けられて
いる。空気タンク100の容積は、集熱器20,22内
の容積の総和より大きくされている。また、本実施形態
においては、空気タンク100の容積は、液駆動装置1
8の停止状態において空気タンク100内に熱媒液が溜
まるとき、熱媒液の液面が空気タンク100の上端近傍
に位置し、液駆動装置18の作動状態においては、空気
タンク100の容積の1/4以上の量の熱媒液が空気タ
ンク100の下部に溜まる大きさとされている。なお、
循環路16のうち、パイプ54,74等により構成され
た部分であって、貯湯タンク48および蓄熱床68から
集熱器20,22までの部分を往路部102と称するこ
ととする。
【0020】本太陽熱集熱システムは、図1に示す制御
装置110により制御される。制御装置110はコンピ
ュータ112を主体とするものであり、コンピュータ1
12には、差温サーモスタット120,122,12
4,床下温サーモスタット126,湯温サーモスタット
127,上部温サーモスタット128およびモード選択
スイッチ130等が接続され、図示を省略する駆動回路
を介して貯湯タンク循環ポンプ56,第一,第二蓄熱床
循環ポンプ76,80,開閉弁60,78等が接続され
ている。
【0021】差温サーモスタット120,122にはそ
れぞれ、湯温センサ62および熱媒液温センサ64が接
続され、貯湯タンク48の湯温度が熱媒液温度と共に供
給される。これら差温サーモスタット120,122は
それぞれ、貯湯タンク48の湯と熱媒液との温度差が第
一設定差より大きい状態になればON状態に切り換わ
り、第二設定差より小さい状態ではOFF状態に切り換
わるように構成されている。差温サーモスタット12
0,122のいずれにおいても、第二設定差は第一設定
差より小さい値に設定されている。また、差温サーモス
タット122の方が差温サーモスタット120より、第
一設定差および第二設定差がいずれも大きくされてい
る。差温サーモスタット120のON状態は、熱媒液の
温度が貯湯タンク48の湯の温度より第一設定差を超え
て高く、熱媒液が貯湯タンク48内の水ないし湯を温め
るのに十分熱せられた状態にあることを示す。差温サー
モスタット122のON状態は、熱媒液の温度が貯湯タ
ンク48の湯の温度より第一設定差を超えて高く、熱媒
液が貯湯タンク48内の湯およびコンクリート層69の
両方を温めるのに十分熱せられた状態にあることを示
す。
【0022】差温サーモスタット124には、床下温セ
ンサ82および熱媒液温センサ64が接続され、床下の
温度が熱媒液温度と共に供給される。差温サーモスタッ
ト124は、床下温度と熱媒液温度との差が第一設定差
より大きい状態になればON状態に切り換わり、第二設
定差より小さい状態になれば、OFF状態に切り換わる
ように構成されている。第一設定差は第二設定差より高
くされている。差温サーモスタット124のON状態
は、熱媒液の温度が床下の温度より第一設定差を超えて
高く、熱媒液がコンクリート層69を温めるのに十分熱
せられた状態にあることを示す。差温サーモスタット1
24の第一,第二設定差はそれぞれ、差温サーモスタッ
ト122の第一,第二設定差より小さくされている。
【0023】床下温サーモスタット126は、本実施形
態においては電子式とされており、図示を省略するセン
サ部および制御部を備えている。制御部は、センサ部に
よって検出された床下温度によってON,OFF状態が
切り換えられるように構成されている。制御部は、本実
施形態においては、床下温度が第一設定値より高い場合
にOFF状態とされ、第二設定値より低い場合にON状
態となるようにされている。第二設定値は、例えば、第
一設定値より1度低い値とされている。床下温サーモス
タット126のON,OFF状態の切換えにヒステリシ
スが設けられているのである。湯温サーモスタット12
7も、床下温サーモスタット126と同様に構成されて
おり、センサ部および制御部を備え、貯湯タンク48内
の湯の温度が、熱媒液が沸点近くまで上昇している判定
されるほど高いと判定される温度より低いが、湯として
使用するのに足る大きさであればOFF状態となり、そ
れより低く、熱媒液による加熱が必要な場合にON状態
となる。
【0024】上部温サーモスタット128は、図示は省
略するが、貯湯タンク48の上部温度を検出する上部温
センサ部および制御部を備えている。上部温サーモスタ
ット128の制御部は、貯湯タンク48の上部温が第一
設定値より高い状態ではOFF状態に切り換えられ、第
二設定値より低い状態ではON状態に切り換えられる。
第一設定値は、熱媒液の温度が沸点近くに上昇している
か否かを判定し得る大きさに設定され、第二設定値は熱
媒液の温度が十分に下がったと判定し得る大きさに設定
され、例えば、第一設定値より10度低い値に設定され
ている。制御部は、熱媒液が沸騰し、あるいは沸騰する
恐れがある場合にOFF状態に切り換えられ、そうでな
い場合にON状態に切り換えられる。
【0025】集熱器20,22内の熱媒液が沸騰し、あ
るいは沸騰する恐れがあるのは、例えば、真夏の日中で
あり、この時期には床暖房は行われないが、給湯が行わ
れる場合には、湯の使用に伴う湯温の低下に伴って熱媒
液が熱交換器50に供給され、貯湯タンク48内の湯の
温度が高くなる。この際、貯湯タンク48内に対流が生
じて下部に設けられた湯温センサ62の検出値よりタン
ク上部温度の方が熱媒液の温度に近いため、タンク上部
温度が設定温度より高いか否かにより、集熱器20,2
2内の熱媒液の温度が沸点近くに上昇しているか否かが
判定される。タンク上部温度が沸点近くに上昇している
ときには、上部温サーモスタット128がOFF状態に
切り換えられ、それに基づいて液駆動装置18が作動さ
せられず、停止し、熱媒液の循環が停止させられること
により、過熱状態にある集熱器20,22への熱媒液の
流入による熱媒液の沸騰が回避される。集熱器20,2
2内の熱媒液の温度が沸点近くに上昇しているか否か
は、熱媒液温センサ64が検出する熱媒液の温度に基づ
いて判定されるようにしてもよい。
【0026】モード選択スイッチ130の切換えによ
り、本太陽熱集熱システムにおいて行われる複数のモー
ドの選択が行われる。本太陽熱集熱システムにおいて
は、5つのモードが設定されている。ソーラ暖房のみを
行うソーラ暖房モード、ソーラ給湯のみを行うソーラ給
湯モード、ソーラ暖房とソーラ給湯とのいずれか一方を
選択的に行い、かつソーラ暖房を優先して行うソーラ暖
房優先モード、ソーラ暖房とソーラ給湯とのいずれか一
方を選択的に行い、かつソーラ給湯を優先して行うソー
ラ給湯優先モード、ソーラ暖房およびソーラ給湯の少な
くとも一方を行うソーラ暖房・ソーラ給湯モードであ
る。ソーラ暖房は、太陽熱によって温められた熱媒液を
床暖房装置14に供給することによって行う暖房であ
り、ソーラ給湯は、太陽熱によって温められた熱媒液を
熱交換器50に供給することによって行う貯湯タンク4
8内の加熱である。
【0027】コンピュータ112のROMには、図4な
いし図8にそれぞれフローチャートで表すソーラ暖房・
ソーラ給湯プログラム等が記憶されており、使用者によ
るモード選択スイッチ130の操作に基づくモードの選
択により、選択されたモードを実行するためのプログラ
ムが実行される。なお、太陽熱の集熱は、日中に行われ
るため、ソーラ暖房・ソーラ給湯プログラム等のプログ
ラムは、日の出後、日没までの間に行われ、モードが選
択されても、日没後、日の出前であれば行われない。現
時刻が、ソーラ暖房等の実行が可能な時刻であるか否か
は、例えば、コンピュータ112に設けられた計時手段
による計時に基づいて判定される。
【0028】ソーラ暖房およびソーラ給湯は、例えば、
特開平7−198211号公報に記載されているように
既に知られており、簡単に説明する。まず、図4に示す
ソーラ暖房・ソーラ給湯プログラムに基づいて、ソーラ
暖房・ソーラ給湯モードを説明する。このモードを概略
的に説明する。ソーラ暖房がソーラ給湯に優先して行わ
れる。ソーラ暖房は、床下の温度が低く、床下温サーモ
スタット126がON状態であり、かつ、床下と熱媒液
との温度差が大きく、熱媒液量がソーラ暖房に十分であ
って、差温サーモスタット124がON状態の場合に行
われる。上記ソーラ暖房の実行条件の成立時に、ソーラ
給湯の実行条件が成立している場合には、ソーラ給湯も
行われ、成立していなければ、ソーラ給湯は行われず、
ソーラ暖房のみが行われる。ソーラ給湯の実行条件は、
ここでは、貯湯タンク48の湯と熱媒液との温度差が大
きく、熱媒液量が、ソーラ暖房とソーラ給湯との両方を
行う(並行運転と称する)のに十分であって、差温サー
モスタット122がON状態であることである。ソーラ
暖房とソーラ給湯との両方が行われれば、ソーラ給湯が
単独で行われる場合より、熱媒液の循環量が多く、その
温度の低下勾配が大きいからである。床下の温度が高
く、床下温サーモスタット126がOFF状態にあり、
ソーラ暖房が不要であれば、ソーラ暖房は行われない。
この場合、ソーラ給湯の実行条件が成立していれば、ソ
ーラ給湯が行われる。ここでは、ソーラ給湯の実行条件
は、貯湯タンク48の湯と熱媒液との温度差が、ソーラ
給湯のみを行う(単独運転と称する)のに十分であっ
て、差温サーモスタット120がON状態であることで
ある。なお、いずれの場合にも、熱媒液の温度が沸点近
くに上昇しておらず、上部温サーモスタット128がO
N状態であることが実行条件である。
【0029】ソーラ暖房・ソーラ給湯モードを図4に示
すプログラムに基づいて説明する。このプログラムのス
テップ1(以後、S1と略記する。)において、床下温
サーモスタット126がON状態であるか否かが判定さ
れる。床下温度が低く、床下温サーモスタット126が
ON状態であれば、S1の判定結果がYESになってS
2が実行され、床下と熱媒液との温度差がソーラ暖房の
実行に十分であるか否か、すなわち差温サーモスタット
124がON状態にあるか否かが判定される。
【0030】差温サーモスタット124がON状態にあ
れば、S2の判定結果がYESになってS3が実行さ
れ、ソーラ暖房と並行してソーラ給湯が実行可能である
か否かが判定される。この判定は、貯湯タンク48内の
湯と熱媒液との温度差が並行運転に十分な大きさであ
り、差温サーモスタット122がON状態にあるか否か
により行われる。差温サーモスタット122がON状態
にあれば、S3の判定結果はYESになってS4が実行
され、熱媒液の温度が沸点近くに上昇しているか否かが
判定される。この判定は、上部温サーモスタット128
がOFF状態にあるか否かにより行われ、熱媒液が沸点
近くに上昇していなければ、S4の判定結果はNOにな
ってS5が実行され、ソーラ暖房およびソーラ給湯が実
行される。
【0031】S5では、貯湯タンク循環ポンプ56,第
一,第二蓄熱床循環ポンプ76,80が作動させられる
とともに、貯湯タンク48に対応して設けられた開閉弁
60が開かれる。開閉弁60を構成するヒータへの電流
供給指令が出力されるのである。開閉弁78は常開弁で
あって開かれており、熱媒液は、貯湯タンク循環路55
内を循環させられるとともに、蓄熱床循環路75内を循
環させられる。それにより、貯湯タンク48を通過する
熱媒液の流れが生じさせられ、貯湯タンク48内の湯が
熱交換器50を通過する熱媒液により温められる。ま
た、蓄熱床68を通過する熱媒液の流れが生じさせら
れ、給熱管70内を通過する熱媒液により、蓄熱床68
のコンクリート層69が温められて床が温められる。
【0032】床下温度は低いが、床下と熱媒液との温度
差が十分でなく、床下温サーモスタット124がOFF
状態にあれば、S2の判定結果はNOになり、ソーラ暖
房は行われない。また、貯湯タンク48の湯と熱媒液と
の温度差が並行運転に不十分であり、差温サーモスタッ
ト122がOFF状態にあれば、S3の判定結果がNO
になり、熱媒液が沸点近くに上昇していなければ、S6
の判定結果がNOになってS7が実行され、ソーラ暖房
のみが行われる。第一,第二蓄熱床循環ポンプ76,8
0のみが作動させられ、熱媒液は、蓄熱床循環路75内
を循環させられ、温められた熱媒液が給熱管70に供給
されて床が温められる。この際、貯湯タンク48に対応
して設けられた開閉弁60は常閉弁であって閉じられて
いるため、熱媒液が貯湯タンク48,貯湯タンク循環ポ
ンプ58側へ逆流し、貯湯タンク48および蓄熱床68
を含む短絡回路において循環してしまうことがない。
【0033】床下温度が高く、床下温サーモスタット1
26がOFF状態であれば、S1の判定結果がNOにな
ってS8が実行され、貯湯タンク48の湯と熱媒液との
温度差が、ソーラ給湯のみを行う単独運転に十分である
か否か、すなわち差温サーモスタット120がON状態
であるか否かが判定される。ON状態であれば、S8の
判定結果がYESになってS9が実行され、熱媒液の温
度が沸点近くに上昇していなければ、S9の判定結果が
NOになってS10が実行され、ソーラ給湯のみが行わ
れる。貯湯タンク循環ポンプ56のみが作動させられ、
開閉弁60が開かれるとともに開閉弁78が閉じられ
る。開閉弁60,78の各ヒータへの電流供給指令が出
力されるのである。そのため、熱媒液が貯湯タンク循環
路55内を循環させられ、貯湯タンク48を通過する熱
媒液の流れが生じさせられて貯湯タンク48の湯が温め
られ、ソーラ給湯が行われる。この際、開閉弁78が閉
じられているため、熱媒液の蓄熱床68,第一蓄熱床循
環ポンプ76側への逆流が防止され、貯湯タンク48お
よび蓄熱床68を含む閉回路において熱媒液が循環する
ことが回避される。
【0034】貯湯タンク48の湯と熱媒液との温度差が
ソーラ給湯のみの実行に不十分であれば、S8の判定結
果がNOになってソーラ給湯は行われない。また、上記
いずれの場合にも、熱媒液の温度が沸点近くに上昇して
いる場合に、S4,S6,S9の各判定結果がYESに
なり、ソーラ給湯もソーラ暖房も行われない。
【0035】図5に示すソーラ暖房優先プログラムを説
明する。このプログラムにおいては、ソーラ暖房とソー
ラ給湯とのいずれか一方が行われるとともに、ソーラ暖
房が優先して行われる。そのため、S21において床下
温度がソーラ暖房が必要なほど低いか否かが判定され、
低ければ、S21の判定結果がYESになってS22が
実行され、床下と熱媒液との温度差がソーラ暖房に十分
であるか否かが判定される。温度差が十分であれば、S
22の判定結果がYESになってS23が実行され、熱
媒液の温度が沸点近くに上昇していなければ、S23の
判定結果はNOになり、S24においてソーラ暖房が行
われる。
【0036】床下温度が高く、床暖房が不要であれば、
S21の判定結果がNOになってS25が実行され、貯
湯タンク48の湯と熱媒液との温度差がソーラ給湯のみ
を行うのに十分であるか否かの判定が行われる。温度差
がソーラ給湯のみの実行に十分であれば、S25の判定
結果がYESになり、熱媒液が沸騰している恐れがなけ
れば、S26の判定結果がNOになってS27が実行さ
れ、ソーラ給湯が行われる。
【0037】図6に示すソーラ給湯優先プログラムを説
明する。このプログラムにおいては、ソーラ暖房とソー
ラ給湯とのいずれか一方が行われるとともに、ソーラ給
湯が優先して行われる。そのため、S31において貯湯
タンク48内の湯の温度がソーラ給湯が必要なほど、低
いか否かが判定される。この判定は、湯温サーモスタッ
ト127がON状態にあるか否かにより行われ、湯温が
低く、湯温サーモスタット127がON状態にあれば、
S31の判定結果がYESになる。そして、湯と熱媒液
との温度差が、ソーラ給湯のみを行うのに十分な高さで
あり、熱媒液が沸騰している恐れがなければ、S32の
判定結果がYES、S33の判定結果がNOになってS
34が実行され、ソーラ給湯が行われる。
【0038】それに対し、湯温が高く、湯温サーモスタ
ット127がOFF状態にあれば、S31の判定結果が
NOになってS35以降のステップが実行され、床下温
度がソーラ暖房が必要なほど低く、床下と熱媒液との温
度差がソーラ暖房を行うのに十分であり、熱媒液の沸騰
の恐れがなければ、S35,S36の判定結果がYE
S、S37の判定結果がNOになってS38が実行さ
れ、ソーラ暖房が行われる。
【0039】ソーラ暖房のみの実行が選択された場合に
は、図7に示すソーラ暖房プログラムが実行される。そ
して、床下温度が低く、ソーラ暖房が必要であって、床
下と熱媒液との温度差がソーラ暖房を行うのに十分であ
り、熱媒液の沸騰がなければ、S41,S42の判定結
果がYES、S43の判定結果がNOになってS44が
実行され、ソーラ暖房が行われる。
【0040】ソーラ給湯のみの実行が選択された場合に
は、図8に示すソーラ給湯プログラムが実行される。そ
して、貯湯タンク48内の湯の温度が低く、湯と熱媒液
との温度差がソーラ給湯のみを行うのに十分であり、熱
媒液の温度が沸点近くに上昇していなければ、S51,
S52の判定結果がYES、S53の判定結果がNOに
なってS54が実行され、ソーラ給湯が行われる。
【0041】本太陽熱集熱システムにおいて、ポンプ5
6,76,80が作動を停止し、熱媒液が循環路16内
を循環させられない状態では、図1に示すように、集熱
器20,22内の熱媒液は空気タンク100に溜めら
れ、集熱器20,22内は空気タンク100内の空気で
満たされており、図1中、黒く塗って示すように、循環
路16の集熱器20,22およびその前後の部分を除く
部分と、空気タンク100内とに熱媒液が収容されてい
る。本実施形態においては、空気タンク100の上端近
傍まで熱媒液が溜められ、循環路16の集熱器20,2
2を含み、空気タンク100とパイプ54との間の部分
は空気で満たされている。
【0042】そして、貯湯タンク循環ポンプ56と第
一,第二蓄熱床循環ポンプ76,80との少なくとも一
方が作動させられれば、空気タンク100内の熱媒液が
集熱器20,22内へ送り込まれ、集熱器20,22内
の空気が熱媒液により押し出され、空気タンク100内
に熱媒液の代わりに溜まる。図3に黒く塗って示すよう
に、集熱器20,22内の空気が熱媒液によって置換さ
れるのであり、それによって集熱器20,22内の熱媒
液が太陽熱により加熱される状態となる。
【0043】集熱器20,22には、貯湯タンク循環ポ
ンプ56と第一,第二蓄熱床循環ポンプ76,80との
少なくとも一方の能力、すなわち吸入,吐出量に応じた
流量で熱媒液が供給され続け、同じ流量で集熱器20,
22から流出させられて貯湯タンク48と蓄熱床68と
の少なくとも一方に送られる。集熱器20,22によっ
て加熱された熱媒液は、貯湯タンク48と蓄熱床68と
の少なくとも一方において貯湯タンク48内の水や、蓄
熱床のコンクリート層69に熱を与え、温度が低下す
る。この温度の低下した熱媒液は、再び液駆動装置18
により集熱器20,22に送られる。本強制循環式太陽
熱集熱システムにおいては、これが繰り返され、熱媒液
が循環させられて、太陽熱が貯湯タンク48と蓄熱床6
8との少なくとも一方に蓄えられる。
【0044】液駆動装置18の作動状態において空気タ
ンク100には、空気タンク100の容積の約1/4の
量の熱媒液がその下部に溜まる。そのため、液駆動装置
18の作動状態においては、空気タンク100内の空気
の量が増加し、熱媒液の量が減少した状態で、熱媒液は
空気タンク100内を上から下へ流れることとなるが、
空気タンク100内の熱媒液に生ずる渦が、空気タンク
100の流出口まで達することがなく、空気タンク10
0から流出する熱媒液に空気が混入することが防止され
る。空気タンク100の下部に熱媒液が溜まり、その熱
媒液の深さが渦の形成によっても空気が下方へ流出しな
い深さに保たれるのである。
【0045】そして、ソーラ暖房もソーラ給湯も行われ
ず、液駆動装置18の作動が停止させられれば、空気タ
ンク100内の空気が、循環路16内の復路部98内を
上方へ移動する。代わりに、集熱器20,22内の熱媒
液が、強制循環時とは逆向きに流れて、空気タンク10
0に流入する。集熱器20,22の上昇部34,接続部
36,38はいずれも、熱媒液の強制循環時とは逆の方
向において下り勾配を備えており、熱媒液はパイプ42
へ流出する。この際、循環ポンプ56,76,80は停
止させられているが、これらポンプ56,76,80
は、停止状態において、熱媒液の強制循環時とは逆方向
の流れも許容するものとされているため、熱媒液は常開
の開閉弁78を含む循環路75を通って空気タンク10
0に流入する。なお、開閉弁60を開いて、熱媒液が貯
湯タンク48の熱交換器50も通って空気タンク100
に流入するようにしてもよい。開閉弁60は、例えば、
液駆動装置18の作動停止後、設定時間の間、開かれ
る。
【0046】空気タンク100内の空気と集熱器20,
22内の熱媒液とが入れ替わらされることとなるが、空
気タンク100の容量は、前述のように、集熱器20,
22内の各循環路16の容積の総和より大きくされてい
るため、集熱器20,22およびパイプ40,42内の
熱媒液の全部が空気タンク100に回収され、これらの
内部空間全体に、熱媒液に替わって空気が充満させられ
ることとなる。
【0047】本実施形態において空気タンク100は、
集熱器20,22の下端より下方に設けられるととも
に、その容積は、集熱器20,22内の全部の熱媒液が
収容された状態において、空気タンク100の上端近傍
まで熱媒液が溜まる大きさとされている。そのため、復
路部98が空気タンク100の予備的な部分として機能
し、空気容積が増減しても熱媒液の液面が集熱器20,
22の下端より高くならないことが保証される。
【0048】このように液駆動装置18の作動停止時に
集熱器20,22内の熱媒液と空気タンク100内の空
気とが互いに置換され、集熱器20,22内の全部の熱
媒液が空気タンク100に溜められれば、非循環時に熱
媒液が集熱器20,22内になく、熱媒液として不凍液
を用いなくても、集熱器20,22内における熱媒液の
凍結が回避され、寿命の長い太陽熱集熱システムが得ら
れる。また、夏季の非循環時において熱媒液が集熱器2
0,22内において沸騰することが回避される。
【0049】なお、循環路16には、復路部98の空気
タンク100から集熱器20,22までの部分と、往路
部102の集熱器20,22の下端部から空気タンク1
00の上端部(貯湯タンク循環ポンプ56および第一、
第二蓄熱床循環ポンプ76,80の停止状態において熱
媒液の最上端を位置させるべき部分)までの部分とに
は、図1に二点鎖線で示されているように、管路が下降
し、上昇し、再び下降して、防臭弁様の構造を成す部分
が存在しないようにされている。循環路16の上記部分
以外の部分であれば、防臭弁様の構造部が存在しても差
し支えない。空気タンク100内の空気の集熱器20,
22全体への流入が妨げられず、熱媒液と空気との置換
が支障なく行われるのである。
【0050】なお、ポンプ56,76,80の停止時に
開閉弁60を開いて貯湯タンク48の熱交換器50,開
閉弁60,貯湯タンク循環ポンプ56を通って熱媒液が
空気タンク100に流入するようにしてもよい。この場
合、開閉弁60は、ポンプ停止後、設定時間、例えば、
集熱器20,22内の熱媒液が空気タンク100内の空
気と完全に置換されるのに十分な時間、開かれようにす
ればよい。
【0051】上記実施形態において弁装置は、開閉弁6
0,78により構成されていたが、開閉弁以外の手段に
よって弁装置を構成してもよい。その実施形態を図9に
基づいて説明する。なお、上記実施形態の太陽熱集熱シ
ステムと同様の作用を為す構成要素には同一の符号を付
して対応関係を示し、説明を省略する。
【0052】本実施形態の太陽熱集熱システムにおいて
は、貯湯タンク48とパイプ42とを接続するパイプ5
4に逆止弁150が設けられている。強制循環時におけ
る熱媒液の流れの方向において、貯湯タンク48の下流
側に逆止弁150が設けられているのである。逆止弁1
50は、貯湯タンク48からパイプ42側への熱媒液の
流れは許容するが、逆向きの流れは阻止するものとされ
ている。パイプ54にはまた、逆止弁150をバイパス
するバイパス通路154が設けられるとともに、バイパ
ス通路154に開閉弁156が設けられている。開閉弁
156は、基本的な構成は前記開閉弁60,78と同様
であり、常閉弁とされている。
【0053】また、蓄熱床68の給熱管70とパイプ4
2とを接続するパイプ74に、第二蓄熱床循環ポンプ8
0と直列に逆止弁160が設けられている。強制循環時
における熱媒液の流れの方向において蓄熱床68の下流
側であって、第二蓄熱床循環ポンプ80の上流側に、逆
止弁160が設けられているのである。逆止弁160
は、蓄熱床68からパイプ42側への熱媒液の流れは許
容するが、逆向きの流れは阻止するものとされており、
本実施形態においては、逆止弁150,160および開
閉弁156が弁装置162を構成している。
【0054】本太陽熱集熱システムにおいてソーラ暖房
およびソーラ給湯は、前記実施形態と同様に行われる。
例えば、ソーラ暖房のみが行われるときには、第一、第
二蓄熱床循環ポンプ76,80が作動させられるが、パ
イプ54には逆止弁150が設けられているため、熱媒
液が貯湯タンク48,貯湯タンク循環ポンプ56側へ逆
流し、貯湯タンク48および蓄熱床68を含む短絡回路
において循環してしまうことがない。ソーラ給湯のみが
行われるときには、貯湯タンク循環ポンプ56が作動さ
せられて、熱媒液が貯湯タンク循環路55内を循環させ
られるが、逆止弁160により、熱媒液の蓄熱床68へ
の逆流が防止され、貯湯タンク48および蓄熱床68を
含む閉回路において熱媒液が循環することが回避され
る。ソーラ暖房およびソーラ給湯の両方が行われる場合
には、全部のポンプ56,76,80が作動させられ、
熱媒液が貯湯タンク循環路55および蓄熱床循環路75
を循環させられる。
【0055】ソーラ暖房もソーラ給湯も行われず、ポン
プ56,76,80が停止させられた直後に、開閉弁1
56が自動的に開かれる。それにより、空気タンク10
0内の空気が、循環路16の復路部98内を上方へ移動
し、代わりに集熱器20,22内の熱媒液が往路部10
2を強制循環時とは逆向きに移動して、開閉弁156,
熱交換器50および貯湯タンク循環ポンプ56を通って
空気タンク100に流入し、集熱器20,22内の熱媒
液と空気タンク100内の空気とが入れ替わる。開閉弁
156は、ポンプ停止後、設定時間、例えば、集熱器2
0,22内の熱媒液の全部が空気タンク100の空気と
入れ替わるのに十分な時間、開かれる。
【0056】上記各実施形態において、循環路16は大
気に開放される部分のない閉回路とされていたが、一部
に大気に開放される部分を有する回路としてもよい。そ
の実施形態を図10に基づいて説明する。
【0057】本実施形態の強制循環式太陽熱集熱システ
ムは、本願の発明に関する部分を除いて、例えば、特開
平7−198211号公報に記載の太陽熱集熱システム
と同様に構成されており、簡単に図示し、説明する。
【0058】本太陽熱集熱システムにおいては、熱媒液
保持タンク200が設けられ、熱媒液保持タンク200
内の熱媒液が、太陽熱集熱装置202の集熱器204内
を循環させられて太陽熱によって温められるとともに、
給湯装置205の貯湯タンク206内および床暖房装置
208の蓄熱床209内を循環させられて貯湯タンク2
06内の湯を温め、蓄熱体を温めるようにされている。
そのため、集熱器204,貯湯タンク206および蓄熱
床209のそれぞれについて循環ポンプが設けられてい
る。
【0059】熱媒液保持タンク200内には熱媒液が収
容されるとともに、その上部は大気に開放されている。
集熱器204は前記集熱器20,22と同様に構成さ
れ、高所、ここでは家屋の屋根に配設されている。集熱
器204は、その下接続部の低い方の端部がパイプ21
0によって熱媒液保持タンク200の底部に接続され、
上接続部の高い方の端部がパイプ212によって熱媒液
保持タンク200の中間部に接続されている。パイプ2
10,212はいずれも、熱媒液保持タンク200の熱
媒液が満たされた部分に接続されているのである。パイ
プ210の途中に集熱器循環ポンプ214が設けられ、
パイプ212の途中に熱媒液温センサ216が設けられ
ている。熱媒液循環ポンプ214は、本実施形態におい
ては、前記貯湯タンク循環ポンプ56等と同様に、停止
状態において熱媒液の逆流を許容する形式のポンプの一
種であるうず巻ポンプとされている。符号217は熱媒
液量下限スイッチであり、熱媒液の液面が予め定められ
た位置(パイプ212が接続された部分より上側の位
置)より上方にある場合にはON状態とされるが、下方
にある場合にはOFF状態とされる。
【0060】床暖房装置208は、前記床暖房装置14
と同様に構成されており、蓄熱床209のコンクリート
層211内に配設された給熱管218の両端部はそれぞ
れ、パイプ220,222によって熱媒液保持タンク2
00に接続されている。パイプ220は、熱媒液保持タ
ンク200の底部を貫通しており、熱媒液保持タンク2
00内に突入させられ、上端部は前記パイプ212に対
向させられている。パイプ220の途中に蓄熱床循環ポ
ンプ224が設けられている。パイプ222は、熱媒液
保持タンク200の底部に接続されている。また、床下
温度は、コンクリート層211内に設けられた床下温セ
ンサ226により検出される。
【0061】貯湯タンク206は前記貯湯タンク48と
同様に構成されているが、湯は熱交換器240において
熱媒液により温められる。熱交換器240は、貯湯タン
ク206の中間部に設けられており、熱交換路としての
金属管242を備えている。金属管242の一端部はパ
イプ244によって熱媒液保持タンク200の中間部に
接続され、他端部はパイプ246によって熱媒液保持タ
ンク200の下部に接続されている。パイプ244の途
中には、貯湯タンク循環ポンプ248が取り付けられて
いる。貯湯タンク206内の湯の温度は、湯温センサ2
50により検出される。
【0062】このように本太陽熱集熱システムにおいて
は、熱媒液の循環系が2つ設けられている。一つは、集
熱器204,給熱管218,パイプ210,212,熱
媒液保持タンク200,パイプ220,222を含む蓄
熱床循環路252により構成される循環系であり、集熱
器循環ポンプ214および蓄熱床循環ポンプ224を備
え、別の一つは、集熱器204,金属管242を含む熱
交換器240,パイプ210,212,熱媒液保持タン
ク200,パイプ244,246を含む貯湯タンク循環
路254により構成される循環系であり、集熱器循環ポ
ンプ214および貯湯タンク循環ポンプ248を備えて
いる。これら循環路252,254が、集熱器204と
蓄熱床209および貯湯タンク206とを経て熱媒液を
循環させる循環路256を構成し、各循環ポンプ21
4,224,248が液駆動装置258を構成してい
る。
【0063】循環路252,254を構成するパイプは
いずれも、熱媒液保持タンク200の熱媒液が満たされ
た部分に接続されており、循環路252,254は大気
に開放されない閉回路であるが、熱媒液保持タンク20
0はその上部が大気に開放されており、その点で循環路
252,254の一部が大気に開放されていると言うこ
とができる。
【0064】集熱器204と熱媒液保持タンク200と
を接続するパイプ212は、集熱器204から熱媒液保
持タンク200への復路部260を構成し、熱媒液保持
タンク200と集熱器204とを接続するパイプ210
は往路部262を構成し、復路部260の、熱媒液保持
タンク200の上端より上側であって、集熱器204の
下端より下方であり、上下方向の成分を有し、集熱器2
04との間に、集熱器204に向かうにつれて下方へ向
かう傾斜がない部分に空気タンク264が設けられてい
る。空気タンク264は、前記空気タンク100と同様
に構成されている。
【0065】本実施形態においては、空気タンク264
が熱媒液保持タンク200より上方に設けられ、かつ、
熱媒液保持タンク200が大気に開放されているため、
パイプ212の、空気タンク264から熱媒液保持タン
ク200の液面高さまでの部分の熱媒液が熱媒液保持タ
ンク200側に流れようとして空気タンク264内の圧
力が負圧になる。それにより、空気タンク264内の空
気が膨張して、空気タンク264内の熱媒液の液面が低
下するため、その状態で熱媒液に渦が生じても、空気タ
ンク264から流出する熱媒液に空気が混入しないよう
にする必要上、大きな空気タンクが必要になる。これを
回避するために、空気タンク264は、熱媒液保持タン
ク200の液面高さより、できる限り小さい距離上方に
配設されることが望ましく、上記距離は1m以下とされ
ることが望ましい。
【0066】本太陽熱集熱システムは、前記太陽熱集熱
システムと同様に、コンピュータ270を主体とする制
御装置272により制御される。ポンプ214,22
4,248は、図示を省略する駆動回路を介してコンピ
ュータ270により制御される。
【0067】本太陽熱集熱システムにおいてソーラ暖房
およびソーラ給湯は、前記実施形態の太陽熱集熱システ
ムと同様に、使用者によるモード選択に従って、床下の
温度,貯湯タンク内の湯の温度,それら温度と熱媒液の
温度との差等に基づいて行われる。例えば、ソーラ暖房
とソーラ給湯との両方の実行時には、熱媒液循環ポンプ
214,貯湯タンク循環ポンプ248および蓄熱床循環
ポンプ224が同時に作動させられる。貯湯タンク循環
ポンプ248と蓄熱床循環ポンプ224とは設定時間ず
つ交互に作動させられるようにしてもよい。あるいはポ
ンプ248,224の回転速度を異ならせてもよい。な
お、前記熱媒液量下限スイッチ217はコンピュータ2
72に接続されており、ソーラ暖房等は、熱媒液量下限
スイッチ217がON状態にあり、熱媒液保持タンク2
00内における熱媒液の量がソーラ暖房等に十分な場合
に行われ、OFF状態にあって熱媒液量が不足する場合
には行われない。
【0068】これらポンプ214等の作動により、熱媒
液が集熱器204と熱媒液保持タンク200との間、貯
湯タンク206と熱媒液保持タンク200との間および
蓄熱床209と熱媒液保持タンク200との間において
それぞれ循環させられ、集熱器204において温められ
た熱媒液が熱媒液保持タンク200に供給される。その
熱媒液がパイプ220によって蓄熱床209の給熱管2
18に供給されて床が温められ、パイプ224によって
熱交換器240の金属管242に供給されて貯湯タンク
206内の水ないし湯が温められる。貯湯タンク206
および蓄熱床209により受熱されて熱媒液保持タンク
200に戻された熱媒液は集熱器204へ戻され、太陽
熱により温められる。
【0069】本太陽熱集熱システムにおいては、全部の
ポンプ214,224,248の停止状態では、集熱器
204内の熱媒液は空気タンク264内の空気と入れ替
わった状態にある。そして、液駆動装置258が作動さ
せられれば、空気タンク264内の熱媒液が集熱器20
4内へ送り込まれ、代わりに集熱器204内の空気が空
気タンク264に溜まる。熱媒液は、パイプ212,空
気タンク264,熱媒液保持タンク200,パイプ21
0,熱媒液循環ポンプ214を通って集熱器204に送
り込まれる。熱媒液循環ポンプ214の作動が停止させ
られれば、空気タンク264内の空気が復路部260を
上方へ移動し、代わりに、集熱器204内の熱媒液が、
往路部262を強制循環時とは逆向きに移動して空気タ
ンク264に流入する。熱媒液保持タンク200は大気
に開放させられているが、パイプ210,212は、熱
媒液保持タンク200の熱媒液が収容された部分に接続
されていて閉じられており、集熱器204内あるいは空
気タンク264内に溜められた空気が大気に抜けること
はなく、集熱器204内と空気タンク264との間にお
いて空気あるいは熱媒液の入れ替えが為され、非作動状
態において、集熱器204内に熱媒液がなく、空気で満
たされた状態が得られる。
【0070】上記各実施形態において気体溜まりはタン
クにより構成されていたが、図11に示すように、循環
路300の復路部302を構成するパイプ304より直
径が大きく、長手方向が上下方向の成分を有する向き、
例えば、垂直方向に配設された大径パイプ306により
構成してもよい。
【0071】なお、図1ないし図9に示す各実施形態に
おいてそれぞれ、第二蓄熱床循環ポンプ80を省略し、
貯湯タンク循環ポンプ56および蓄熱床循環ポンプ76
を設けるのみでもよい。
【0072】また、図1ないし図9に示す各実施形態に
おいて熱媒液循環ポンプを、複数の受熱器に共通に一つ
設けるのみでもよい。その場合、例えば、熱媒液循環ポ
ンプは、循環路の複数の受熱器が並列に接続された部分
(複数の受熱器をそれぞれ含む循環路に共通の部分)と
集熱器との間の部分であって、強制循環時における熱媒
液の流れの方向において、複数の受熱器より上流側の部
分に設けることが望ましいが、下流側に設けてもよい。
【0073】さらに、弁装置を構成する開閉弁あるいは
逆止弁および開閉弁は、複数の受熱器の全部についてそ
れぞれ設けることは不可欠ではなく、一部について設け
てもよい。例えば、受熱器が2つ設けられている場合、
一方の受熱器のみについて開閉弁あるいは逆止弁および
開閉弁を設ける。
【0074】以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細
に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記
〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識
に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である強制循環式太陽熱集熱
システムの系統図であり、非作動状態を示す図である。
【図2】上記強制循環式太陽熱集熱システムの集熱器を
示す正面図である。
【図3】上記強制循環式太陽熱集熱システムの系統図で
あり、作動状態を示す図である。
【図4】上記太陽熱集熱システムを制御する制御装置の
主体を成すコンピュータのROMに記憶されたソーラ暖
房・ソーラ給湯プログラムを示すフローチャートであ
る。
【図5】上記コンピュータのROMに記憶されたソーラ
暖房優先プログラムを示すフローチャートである。
【図6】上記コンピュータのROMに記憶されたソーラ
給湯優先プログラムを示すフローチャートである。
【図7】上記コンピュータのROMに記憶されたソーラ
暖房プログラムを示すフローチャートである。
【図8】上記コンピュータのROMに記憶されたソーラ
給湯プログラムを示すフローチャートである。
【図9】本発明の別の実施形態である強制循環式太陽熱
集熱システムの系統図である。
【図10】本発明のさらに別の実施形態である強制循環
式太陽熱集熱システムを示す系統図である。
【図11】本発明のさらに別の実施形態である強制循環
式太陽熱集熱システムの気体溜まりを構成する大径パイ
プを示す正面図である。
【符号の説明】
12:給湯装置 14:床暖房装置 16:循環路
18:液駆動装置20,22:太陽熱集熱器 4
8:貯湯タンク 55:貯湯タンク循環路 56:
貯湯タンク循環ポンプ 60:開閉弁 68:蓄熱
床 75:蓄熱床循環路 76:第一蓄熱床循環ポ
ンプ 78:開閉弁 80:第二蓄熱床循環ポンプ
90:弁装置 98:復路部 100:空気タ
ンク 110:制御装置 150:逆止弁 160:逆止
弁 162:弁装置 200:熱媒液保持タンク
204:太陽熱集熱器 205:給湯装置 20
6:貯湯タンク 208:床暖房装置 209:蓄
熱床 214:集熱器循環ポンプ 224:蓄熱床
循環ポンプ 248:貯湯タンク循環ポンプ 25
2:蓄熱床循環路 254:貯湯タンク循環路 2
56:循環路 258:液駆動装置 260:復路
部 264:空気タンク 272:制御装置 300:循環路 302:復路
部 306:大径パイプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高所に配設されて太陽熱を集熱する太陽
    熱集熱器と、低所に配設されて集熱された熱を受け取る
    受熱器と、それら太陽熱集熱器と受熱器とを経て熱媒液
    を循環させる循環路と、その循環路に熱媒液の流れを強
    制的に生じさせる液駆動装置とを含む強制循環式太陽熱
    集熱システムにおいて、 前記循環路の前記太陽熱集熱器から前記受熱器への復路
    部の、太陽熱集熱器の下端より下方であって上下方向の
    成分を有する方向に延びる部分に、太陽熱集熱器内の循
    環路の容積の総和より大きい容積の気体溜まりを直列に
    設けたことを特徴とする強制循環式太陽熱集熱システ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記気体溜まりが、前記循環路の断面積
    より大きい断面積を有するタンクによって構成されたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の強制循環式太陽熱集熱
    システム。
  3. 【請求項3】 前記液駆動装置として、停止状態におい
    て前記熱媒液の逆流を許容する形式のポンプを含むこと
    を特徴とする請求項1または2に記載の強制循環式太陽
    熱集熱システム。
JP2002118133A 2002-04-19 2002-04-19 強制循環式太陽熱集熱システム Pending JP2003314833A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002118133A JP2003314833A (ja) 2002-04-19 2002-04-19 強制循環式太陽熱集熱システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002118133A JP2003314833A (ja) 2002-04-19 2002-04-19 強制循環式太陽熱集熱システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003314833A true JP2003314833A (ja) 2003-11-06

Family

ID=29535121

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002118133A Pending JP2003314833A (ja) 2002-04-19 2002-04-19 強制循環式太陽熱集熱システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003314833A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006024430A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 Kyocera Corp 燃料電池システム
JP2013029208A (ja) * 2011-06-23 2013-02-07 Gastar Corp 熱源装置
CH705353A1 (de) * 2011-08-09 2013-02-15 Walter Meier Klima Schweiz Ag Solaranlage und Verfahren zum Betreiben einer Solaranlage.

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006024430A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 Kyocera Corp 燃料電池システム
JP2013029208A (ja) * 2011-06-23 2013-02-07 Gastar Corp 熱源装置
CH705353A1 (de) * 2011-08-09 2013-02-15 Walter Meier Klima Schweiz Ag Solaranlage und Verfahren zum Betreiben einer Solaranlage.

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5067858B2 (ja) 給湯装置
CN101793421A (zh) 液体循环式供暖系统
JP4362118B2 (ja) 貯湯式給湯装置
JPH06174312A (ja) 一体化した蓄熱槽を有する太陽熱温水器
JP2011149673A (ja) 太陽熱給湯システム
JP2007327728A (ja) ヒートポンプ給湯システム
JP5472178B2 (ja) 給湯暖房装置
KR101527391B1 (ko) 코일 내장형 축열조를 구비한 변유량 제어식 태양열 시스템
JP5401116B2 (ja) 給湯機
JP2003314833A (ja) 強制循環式太陽熱集熱システム
JP5069490B2 (ja) 大気開放型蓄熱装置
KR101406589B1 (ko) 복수개의 축열조를 구비한 태양열 축열 시스템
JP3985773B2 (ja) 貯湯式給湯装置
JP2019052799A (ja) 太陽熱集熱システム
JP5901920B2 (ja) 太陽熱利用システム
JPH11148728A (ja) 太陽熱給湯装置及びその運転方法
JP4207867B2 (ja) 貯湯式給湯装置
CN111435038B (zh) 一种具有防冻功能的热水器装置及其防冻方法
JP4484213B2 (ja) 給湯装置
JP4849524B2 (ja) 給湯装置
JP5979042B2 (ja) 給湯装置
WO2007068031A1 (en) A circulating water heater
JP2002048407A (ja) ハイブリッド型電気温水器
JP2005061640A (ja) ソーラ給湯装置付き湯制御装置およびソーラ給湯装置付加方法
JP4155140B2 (ja) 貯湯式給湯装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060926

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070213