JP4484213B2 - 給湯装置 - Google Patents

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Description

本発明は、貯湯タンクに貯湯された湯を暖房に使用する給湯装置に関する。
従来、貯湯タンク内に沸き上げた湯を貯湯し、この貯湯タンクに貯湯された湯を給湯する給湯装置がある。
貯湯タンク内に貯湯する湯を沸き上げる手段としては、冷媒回路を用いたヒートポンプユニットがある。このヒートポンプユニットでは、貯湯タンクの下部から貯湯タンク内の下部の水を取り出してヒートポンプユニットの沸上用熱交換器を通じて沸き上げ、この沸き上げた湯を貯湯タンクの上部に取り入れることにより、湯と水との比重の差を利用して貯湯タンクの上部から湯を貯湯させている。
また、給湯時には、一般に、貯湯タンクの上部から湯を取り出して給湯している。その他には、貯湯タンクの上部から湯を取り出せるのに加えて貯湯タンクの中間部からも湯を取り出し可能とし、切換手段によって貯湯タンクの上部の湯と中間部の湯とを切り換えて取り出せるようにした給湯装置や(例えば、特許文献1参照。)、混合弁によって貯湯タンクの上部の湯と中間部の湯とを混合して取り出せるようにした給湯装置がある。
また、貯湯タンクに貯湯された湯を例えば床暖房などの暖房に使用する給湯装置がある。この給湯装置では、暖房用熱交換器および暖房パネルを設けた暖房回路を備え、暖房運転時に、貯湯タンクの上部から取り出した湯を暖房用熱交換器に送って熱交換し、この熱交換によって温度低下した中温水を貯湯タンクの下部に戻している(例えば、特許文献2参照。)。
特開2003−161518号公報(第4−5頁、図1) 特開2003−240342号公報(第5頁、図3)
しかしながら、暖房運転時に、暖房用熱交換器にて熱交換して温度低下した中温水を貯湯タンクの下部に戻すため、貯湯タンクの下部の水の温度が上昇し、その後のヒートポンプユニットによる貯湯運転時において、貯湯タンクの下部から中温水を取り出してヒートポンプユニットで沸き上げることになり、ヒートポンプユニットの沸上効率(COP)が低下し、予め設定されている沸上目標温度に沸き上げることが困難になる問題がある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、貯湯タンクの湯を暖房運転に使用しても、貯湯運転時のヒートポンプユニットによる沸上効率を維持でき、沸上目標温度に沸き上げることができる給湯装置を提供することを目的とする。
求項記載の給湯装置は、上部に上部接続口が設けられ、下部に下部接続口が設けられ、これら上部接続口と下部接続口との間の中間部に2つの中間接続口が設けられた貯湯タンクと、圧縮機、沸上用熱交換器および蒸発器が設けられる冷媒回路を有するヒートポンプユニットと、前記貯湯タンクの下部接続口から取り出した水を前記ヒートポンプユニットの沸上用熱交換器を経て前記貯湯タンクの上部接続口に循環させる貯湯用循環路と、暖房用熱交換器を有する暖房回路と、前記貯湯タンクの一方の中間接続口から取り出した湯を前記暖房回路の暖房用熱交換器を経て前記貯湯タンクの他方の中間接続口に循環させる暖房用循環路と、前記貯湯タンクの一方の中間接続口と下部接続口と前記沸上用熱交換器の入口側との間で流路を切り換える第1の切換手段と、前記貯湯タンクの上部接続口と前記沸上用熱交換器の出口側と前記暖房用熱交換器を経た前記貯湯タンクの他方の中間接続口との間で流路を切り換える第2の切換手段と、貯湯運転時には前記第1の切換手段で前記貯湯タンクの下部接続口と前記沸上用熱交換器の入口側とを接続するとともに前記第2の切換手段で前記貯湯タンクの上部接続口と前記沸上用熱交換器の出口側とを接続して前記貯湯用循環路を形成させ、暖房運転時には前記第1の切換手段で前記貯湯タンクの一方の中間接続口と前記沸上用熱交換器の入口側とを接続するとともに前記第2の切換手段で前記沸上用熱交換器の出口側と前記暖房用熱交換器を経た前記貯湯タンクの他方の中間接続口とを接続して前記暖房用循環路を形成させる制御部とを具備しているものである。
そして、暖房運転時に、貯湯タンクの一方の中間接続口から取り出した湯を暖房回路の暖房用熱交換器を経て貯湯タンクの他方の中間接続口に循環させることにより、貯湯タンクの下部の水の温度を低い状態に維持するため、その後の貯湯運転時に貯湯タンクの下部の水を取り出して沸き上げるヒートポンプユニットの沸上効率が維持され、沸上目標温度に沸き上げることが可能となる。しかも、貯湯運転時には、第1の切換手段で貯湯タンクの下部接続口と沸上用熱交換器の入口側とを接続するとともに第2の切換手段で貯湯タンクの上部接続口と沸上用熱交換器の出口側とを接続して貯湯用循環路を形成させ、また、暖房運転時には、第1の切換手段で貯湯タンクの一方の中間接続口と沸上用熱交換器の入口側とを接続するとともに第2の切換手段で沸上用熱交換器の出口側と暖房用熱交換器を経た貯湯タンクの他方の中間接続口とを接続して暖房用循環路を形成させることにより、貯湯タンクの中間部から湯を取り出すために専用の弁などが必要なく、第1および第2の切換手段のみで済み、構成が簡素化される。
請求項記載の給湯装置は、請求項1記載の給湯装置において、第2の切換手段と沸上用熱交換器の入口側との間に接続され、この第2の切換手段を通じて貯湯タンクの上部接続口および一方の中間接続口のいずれか一方から取り出される湯を給湯する給湯路と、制御部は、給湯時に、前記第2の切換手段で貯湯タンクの上部接続口および暖房用熱交換器を経た貯湯タンクの他方の中間接続口のいずれか一方と給湯路とを接続させるものである。
そして、第2の切換手段と沸上用熱交換器の入口側との間に給湯路を接続し、給湯時に、第2の切換手段で貯湯タンクの上部接続口および暖房用熱交換器を経た貯湯タンクの他方の中間接続口のいずれか一方と給湯路とを接続させることにより給湯可能で、貯湯タンクの上部と中間部とから給湯するための専用の弁などが必要なく、貯湯運転や暖房運転に用いる第2の切換手段が兼用され、構成が簡素化される。
請求項記載の給湯装置は、請求項記載の給湯装置において、貯湯タンク内の中間部の湯の温度を検知する中間部温度検知手段を具備し、第2の切換手段は、給湯路側に対して、貯湯タンクの上部接続口側と暖房用熱交換器を経た貯湯タンクの他方の中間接続口側との両方を開いて接続可能とするとともにそれら両方を開いたときの各流量の割合を調整可能とする調整弁であり、制御部は、給湯時に、前記中間部温度検知手段で検知される貯湯タンク内の中間部の湯の温度が給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度より高ければ前記調整弁で貯湯タンクの他方の中間接続口から取り出した湯を給湯路に送り、給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度より低ければ前記調整弁で貯湯タンクの上部接続口から取り出した湯と貯湯タンクの他方の中間接続口から取り出した湯とを混合して給湯路に送るものである。
そして、給湯時に、中間部温度検知手段で検知される貯湯タンク内の中間部の湯の温度が給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度より高ければ第2の切換手段である調整弁で貯湯タンクの他方の中間接続口から取り出した湯を給湯路に送り、給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度より低ければその調整弁で貯湯タンクの上部接続口から取り出した湯と貯湯タンクの他方の中間接続口から取り出した湯とを混合して給湯路に送ることにより、貯湯タンク内の中間部以下の湯が優先して使用され、貯湯タンク内の上部に高温の湯を残せる。
請求項記載の給湯装置は、請求項1ないしいずれか記載の給湯装置において、第2の切換手段は、沸上用熱交換器の出口側に対して、貯湯タンクの上部接続口側と暖房用熱交換器を経た貯湯タンクの他方の中間接続口側との両方を開いて接続可能とするとともにそれら両方を開いたときの各流量の割合を調整可能とする調整弁であり、制御部は、暖房運転と貯湯運転とを並行して実行する貯湯暖房運転時に、第1の切換手段で貯湯タンクの下部接続口と沸上用熱交換器の入口側とを接続するとともに前記調整弁で沸上用熱交換器の出口側に対して貯湯タンクの上部接続口側と暖房用熱交換器を経た貯湯タンクの他方の中間接続口側との両方を開いて接続するものである。
そして、貯湯暖房運転時に、第1の切換手段で貯湯タンクの下部接続口と沸上用熱交換器の入口側とを接続するとともに第2の切換手段である調整弁で沸上用熱交換器の出口側に対して貯湯タンクの上部接続口側と暖房用熱交換器を経た貯湯タンクの他方の中間接続口側との両方を開いて接続することにより、第1の切換手段および第2の切換手段の切り換えで、暖房運転と貯湯運転とが同時に可能となる。
請求項記載の給湯装置は、請求項記載の給湯装置において、貯湯タンク内の上部の湯の温度を検知する上部温度検知手段を具備し、制御部は、暖房運転時に、前記上部温度検知手段で検知される貯湯タンクの上部の温度がヒートポンプユニットで沸上可能とする温度より低くなりかつそれらの温度の差が予め設定された温度差より広くなったときに、貯湯暖房運転に切り換えるものである。
そして、暖房運転を継続することで、貯湯タンクの中間部の湯の温度が下がり、さらに貯湯タンクの上部の湯の温度も下がってくるが、上部温度検知手段で検知される貯湯タンクの上部の温度がヒートポンプユニットで沸上可能とする温度より低くなりかつそれらの温度の差が予め設定された温度差より広くなったときに、貯湯暖房運転に切り換えることにより、貯湯タンクの上部に取り入れた高温の湯と中間部の中温水との温度差でこれらの間に混合層が形成され、貯湯タンクの上部に高温の湯が貯湯される。
請求項1記載の給湯装置によれば、暖房運転時に、貯湯タンクの一方の中間接続口から取り出した湯を暖房回路の暖房用熱交換器を経て貯湯タンクの他方の中間接続口に循環させることにより、貯湯タンクの下部の水の温度を低い状態に維持できるため、その後の貯湯運転時に貯湯タンクの下部の水を取り出して沸き上げるヒートポンプユニットの沸上効率を維持でき、沸上目標温度に沸き上げることができる。しかも、貯湯運転時には、第1の切換手段で貯湯タンクの下部接続口と沸上用熱交換器の入口側とを接続するとともに第2の切換手段で貯湯タンクの上部接続口と沸上用熱交換器の出口側とを接続して貯湯用循環路を形成させ、また、暖房運転時には、第1の切換手段で貯湯タンクの一方の中間接続口と沸上用熱交換器の入口側とを接続するとともに第2の切換手段で沸上用熱交換器の出口側と暖房用熱交換器を経た貯湯タンクの他方の中間接続口とを接続して暖房用循環路を形成させることができるため、貯湯タンクの中間部から湯を取り出すために専用の弁などが必要なく、第1および第2の切換手段のみで済み、構成を簡素化できる。
請求項記載の給湯装置によれば、請求項1記載の給湯装置の効果に加えて、第2の切換手段と沸上用熱交換器の入口側との間に給湯路を接続し、給湯時に、第2の切換手段で貯湯タンクの上部接続口および暖房用熱交換器を経た貯湯タンクの他方の中間接続口のいずれか一方と給湯路とを接続させることにより給湯でき、貯湯タンクの上部と中間部とから給湯するための専用の弁などが必要なく、貯湯運転や暖房運転に用いる第2の切換手段を兼用でき、構成を簡素化できる。
請求項記載の給湯装置によれば、請求項記載の給湯装置の効果に加えて、給湯時に、中間部温度検知手段で検知される貯湯タンク内の中間部の湯の温度が給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度より高ければ第2の切換手段である調整弁で貯湯タンクの他方の中間接続口から取り出した湯を給湯路に送り、給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度より低ければその調整弁で貯湯タンクの上部接続口から取り出した湯と貯湯タンクの他方の中間接続口から取り出した湯とを混合して給湯路に送ることができ、貯湯タンク内の中間部以下の湯を優先して使用し、貯湯タンク内の上部に高温の湯を残すことができる。
請求項記載の給湯装置によれば、請求項1ないしいずれか記載の給湯装置の効果に加えて、貯湯暖房運転時に、第1の切換手段で貯湯タンクの下部接続口と沸上用熱交換器の入口側とを接続するとともに第2の切換手段である調整弁で沸上用熱交換器の出口側に対して貯湯タンクの上部接続口側と暖房用熱交換器を経た貯湯タンクの他方の中間接続口側との両方を開いて接続することにより、第1の切換手段および第2の切換手段の切り換えで、暖房運転と貯湯運転とを同時にできる。
請求項記載の給湯装置によれば、請求項記載の給湯装置の効果に加えて、暖房運転を継続することで、貯湯タンクの中間部の湯の温度が下がり、さらに貯湯タンクの上部の湯の温度も下がってくるが、上部温度検知手段で検知される貯湯タンクの上部の温度がヒートポンプユニットで沸上可能とする温度より低くなりかつそれらの温度の差が予め設定された温度差より広くなったときに、貯湯暖房運転に切り換えることにより、貯湯タンクの上部に取り入れた高温の湯と中間部の中温水との温度差でこれらの間に混合層を形成でき、貯湯タンクの上部に高温の湯を貯湯できる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、給湯装置11は、本体ユニット12、ヒートポンプユニット13、暖房ユニット14を備え、さらに、浴槽15に自動湯張りする自動湯張り機能および浴槽15に湯張りされた湯を追い焚きする追焚き機能などを有している。
本体ユニット12は湯を貯湯する貯湯タンク21を有し、この貯湯タンク21には、上部、中間部および下部に上部接続口22、2つの中間接続口23a,23b、下部接続口24がそれぞれ設けられている。この貯湯タンク21の側面には、貯湯タンク21の上部から例えば60L、120L、180L、下から30L、60Lの容量の各高さ位置に、貯湯タンク21内の湯水温度を検知する複数の温度検知手段としてのサーミスタ25a〜25eが配設されている。上部のサーミスタ25aは、貯湯タンク21の上部に位置していて、上部温度検知手段として機能する。中間部のサーミスタ25b,25cは、貯湯タンク21の中間部に位置していて中間接続口23a,23bの上側および下側に位置し、中間部温度検知手段として機能する。
貯湯タンク21の上部接続口22には上部配管27が接続され、中間接続口23a,23bには中間配管28a,28bが接続され、下部接続口24には下部配管29が接続されている。下部配管29の途中位置には、水道管などの給水源に配管される給水管30が減圧弁31を介して接続されている。
貯湯タンク21とヒートポンプユニット13との間には、貯湯タンク21内の湯水をヒートポンプユニット13との間で循環させるヒートポンプ配管33が形成されている。このヒートポンプ配管33は、貯湯タンク21内の湯水がヒートポンプユニット13に流入する往き配管34、ヒートポンプユニット13から吐出する湯水が貯湯タンク21に戻る戻り配管35、往き配管34から戻り配管35に湯水が流れるように循環させる循環ポンプ36を備えている。
ヒートポンプ配管33の戻り配管35には給湯路38の給湯配管39が接続されている。
一方の中間配管28aと下部配管29とヒートポンプ配管33の往き配管34との間には、それらの間で流路を切り換える第1の切換手段としての三方弁41が配設されている。
上部配管27と他方の中間配管28bとヒートポンプ配管33の戻り配管35および給湯路38の給湯配管39との間には、それらの間で流路を切り換える第2の切換手段としての調整弁42が配設されている。調整弁42は、貯湯タンク21の上部接続口22側のみを開く貯湯位置、暖房用熱交換器52を経た貯湯タンク21の他方の中間接続口23b側のみを開く暖房位置、沸上用熱交換器46の出口側および給湯路38の給湯配管39に対して、貯湯タンク21の上部接続口22側と暖房用熱交換器52を経た貯湯タンク21の他方の中間接続口23b側との両方を開いて接続可能とするとともにそれら両方を開いたときの各流量の割合を調整可能とする貯湯暖房位置に切換可能とする。貯湯暖房位置では、上部と中間部との各流量の割合を、例えば、全体流量を100%とした場合に、10%:90%、20%:80%、……90%:10%などの複数段階に可変するようにしてもよいし、あるいは連続的に可変するようにしてもよい。
調整弁42の給湯路38側には、調整弁42から給湯路38に給湯する湯水の温度を検知する給湯温度検知手段としてのサーミスタ42aが設けられている。
また、ヒートポンプユニット13は、冷媒が充填された冷媒回路44を有し、この冷媒回路44には圧縮機45、凝縮器として機能する沸上用熱交換器46、膨張弁47、蒸発器48、通常サイクル(正サイクル)と逆サイクルとにサイクルを切り換える四方弁49などが含まれて入る。通常サイクルでは、冷媒が圧縮機45、沸上用熱交換器46、膨張弁47、蒸発器48、圧縮機45の順に循環し、蒸発器48で外気から集熱して沸上用熱交換器46でヒートポンプ配管33を循環する水を沸き上げる。逆サイクルは除霜時に切り換えるもので、この逆サイクルでは、冷媒が圧縮機45、蒸発器48、膨張弁47、沸上用熱交換器46、圧縮機45の順に循環し、沸上用熱交換器46でヒートポンプ配管33を循環する湯水から集熱して蒸発器48の温度を上昇させて除霜する。圧縮機45、膨張弁47および蒸発器48などは本体ユニット12とは別の室外機50に配置され、また、沸上用熱交換器46などは本体ユニット12に配置されている。
また、暖房ユニット14は、例えば床暖房用などで、暖房用熱交換器52、暖房パネル53、シスターン54、暖房用循環ポンプ55などによって構成される暖房回路56を備え、この暖房回路56に熱交換用の循環液が充填されている。この暖房回路56の暖房用熱交換器52が貯湯タンク21の他方の中間接続口23bと調整弁42との間の他方の中間配管28bの途中位置に接続されている。暖房用熱交換器52、シスターン54および暖房用循環ポンプ55などは本体ユニット12に配置されている。
また、給水管30および給湯路38の給湯配管39は、給湯用電動ミキシングバルブ57および風呂用電動ミキシングバルブ58にそれぞれ接続されている。これら給湯用電動ミキシングバルブ57および風呂用電動ミキシングバルブ58は、給水管30からの水と給湯配管39からの湯とを混合して、例えば台所などに設置されるメインリモコンおよび浴室に設置される浴室リモコンなどによりそれぞれ設定される給湯設定温度の湯水を給湯する。
給湯用電動ミキシングバルブ57から台所などに給湯するための給湯管59には、湯水の流量を検知する流量センサ60および湯水の温度を検知するサーミスタ61が配設されている。また、風呂用電動ミキシングバルブ58から浴槽15に給湯するための風呂用給湯管62には、湯水の流量を検知する流量センサおよび湯水の温度を検知する給湯温度センサなどを有するホッパ63が配設されている。
また、貯湯タンク21内の上部であって上部接続口22と中間接続口23a,23bとの間に風呂用熱交換器65が配置され、この風呂用熱交換器65と浴槽15とが風呂用循環路66の往路67および復路68で接続されている。往路67には浴槽湯水を循環させる風呂用循環ポンプ69が配設されている。この風呂用循環路66には風呂用三方弁70を介して風呂用給湯管62が接続され、浴槽15への自動湯張りおよび自動足し湯が可能となっている。
また、本体ユニット12は、給湯装置11を制御する制御部75を備えている。この制御部75は、各センサやサーミスタ(25a〜25e)などの検知手段から信号を入力し、ヒートポンプユニット13、暖房ユニット14、三方弁41、調整弁42、各ミキシングバルブ57,58、風呂用循環ポンプ69、風呂用三方弁70などを制御する。
そして、制御部75は、以下の機能を有している。
貯湯運転時に、三方弁41で貯湯タンク21の下部接続口24と沸上用熱交換器46の入口側とを接続するとともに調整弁42で貯湯タンク21の上部接続口22と沸上用熱交換器46の出口側とを接続して貯湯用循環路81を形成させる機能。この貯湯用循環路81では、貯湯タンク21の下部接続口24から取り出した水を沸上用熱交換器46を経て貯湯タンク21の上部接続口22に循環させる。
暖房運転時に、三方弁41で貯湯タンク21の一方の中間接続口23aと沸上用熱交換器46の入口側とを接続するとともに調整弁42で沸上用熱交換器46の出口側と暖房用熱交換器52を経た貯湯タンク21の他方の中間接続口23bとを接続して暖房用循環路82を形成させる機能。この暖房用循環路82では、貯湯タンク21の一方の中間接続口23aから取り出した湯を暖房回路56の暖房用熱交換器52を経て貯湯タンク21の他方の中間接続口23bに循環させる。
給湯時に、調整弁42で貯湯タンク21の上部接続口22および暖房用熱交換器52を経た貯湯タンク21の他方の中間接続口23bのいずれか一方と給湯路38とを接続させる機能であって、中間部のサーミスタ25cで検知される貯湯タンク21内の中間部の湯の温度が給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度より高ければ調整弁42で貯湯タンク21の他方の中間接続口23bから取り出した湯を給湯路38に送り、給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度より低ければ調整弁42で貯湯タンク21の上部接続口22から取り出した湯と貯湯タンク21の他方の中間接続口23bから取り出した湯とを混合して給湯路38に送る機能。
貯湯暖房運転時に、三方弁41で貯湯タンク21の下部接続口24と沸上用熱交換器46の入口側とを接続するとともに調整弁42で沸上用熱交換器46の出口側に対して貯湯タンク21の上部接続口22側と暖房用熱交換器52を経た貯湯タンク21の他方の中間接続口23b側との両方を開いて接続する機能。
暖房運転時に、上部のサーミスタ25aで検知される貯湯タンク21の上部の温度がヒートポンプユニット13で沸上可能とする温度より低くなりかつそれらの温度の差が予め設定された温度差より広くなったときに、貯湯暖房運転に切り換える機能。
除霜運転時に、三方弁41で貯湯タンク21の一方の中間接続口23aと沸上用熱交換器46の入口側とを接続するとともに調整弁42で沸上用熱交換器46の出口側と暖房用熱交換器52を経た貯湯タンク21の他方の中間接続口23bとを接続して暖房用循環路82と同じ流路を形成させる機能。
このような運転や動作の各状態と三方弁41および調整弁42の位置との関係を図2に示す。通常とは各状態のみの動作位置を示し、給湯とは各状態中に給湯した場合を示す。三方弁41は貯湯タンク21から取り出す湯水の位置を示し、調整弁42は貯湯、暖房、貯湯暖房の各位置を示し、水温は給水温度を示し、調整弁42の貯湯暖房は60Lの上部のサーミスタ25aと180Lの中間部のサーミスタ25cとの検知温度によって各流量の割合を調整する。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
まず、図3において、貯湯運転について説明する。
三方弁41で貯湯タンク21の下部接続口24と沸上用熱交換器46の入口側とを接続し、調整弁42を貯湯位置として貯湯タンク21の上部接続口22と沸上用熱交換器46の出口側とを接続し、貯湯用循環路81を形成する。
ヒートポンプユニット13の圧縮機45を運転開始した後、貯湯用循環路81中に位置する循環ポンプ36を駆動し、貯湯タンク21の下部接続口24から取り出した水をヒートポンプユニット13の沸上用熱交換器46に送り込んで沸上目標温度に沸き上げ、この沸上用熱交換器46で沸き上げた湯を貯湯タンク21の上部接続口22に循環させる。貯湯タンク21の上部に取り入れた湯は、貯湯タンク21の上部から下方に向かって順次貯湯する。
次に、図4において、例えば食器洗い機を使用するために高温水の給湯設定温度に設定されている場合に、貯湯タンク21の上部からの高温水の給湯動作について説明する。
調整弁42を貯湯位置として貯湯タンク21の上部接続口22と給湯路38の給湯配管39とを接続する。
例えば食器洗い機などで湯を使用すると、給湯管59から出湯し、貯湯タンク21の上部接続口22から取り出される湯を給湯路38、給湯用電動ミキシングバルブ57などを通じて給湯する。
なお、浴槽15に湯張りしたり足し湯すると、風呂用給湯管62から出湯し、風呂用電動ミキシングバルブ58で貯湯タンク21の上部接続口22から取り出される湯と給水管30から給水される水とを混合して風呂設定温度の湯を浴槽15に給湯する。
次に、図5において、中温水の給湯設定温度に設定されている場合に、中温水を給湯する給湯動作について説明する。
中間部のサーミスタ25cで検知される貯湯タンク21の中間部の湯の温度が、給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度より高ければ、貯湯タンク21の中間部の湯のみを給湯する中間給湯の状態とする。例えば、給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度を給湯設定温度+5℃とした場合、この温度より中間部のサーミスタ25cで検知される貯湯タンク21の中間部の湯の温度が高ければ、中間給湯の状態とする。
中間給湯では、調整弁42を暖房位置とし、暖房用熱交換器52を経た貯湯タンク21の他方の中間接続口23bと給湯路38とを接続する。
台所や浴室のシャワーなどで湯を使用すると、給湯管59から出湯し、給湯用電動ミキシングバルブ57で貯湯タンク21の中間接続口23bから取り出される湯と必要に応じて給水管30から給水される水とを混合して給湯設定温度の湯を給湯する。
同様に、浴槽15に湯張りしたり足し湯すると、風呂用給湯管62から出湯し、風呂用電動ミキシングバルブ58で貯湯タンク21の中間接続口23bから取り出される湯と必要に応じて給水管30から給水される水とを混合して風呂設定温度の湯を浴槽15に給湯する。
また、中間部のサーミスタ25cで検知される貯湯タンク21の中間部の湯の温度が、給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度より低ければ、貯湯タンク21の上部の湯と中間部の湯とを混合して給湯する混合給湯の状態とする。例えば、給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度を給湯設定温度+5℃とした場合、この温度より中間部のサーミスタ25cで検知される貯湯タンク21の中間部の湯の温度が低ければ、混合給湯の状態とする。
混合給湯では、調整弁42を貯湯暖房位置とし、給湯路38に対して、貯湯タンク21の上部接続口22側と暖房用熱交換器52を経た貯湯タンク21の他方の中間接続口23b側との両方を開くとともに、両方から流れる湯の各流量の割合を調整する。各流量の割合は、給湯設定温度と、上部のサーミスタ25aで検知される温度と、中間部のサーミスタ25cで検知される温度とから、給湯設定温度の湯を給湯するのに適した割合を決定する。
このとき、貯湯タンク21の上部から取り出す割合Xは、X={(給湯目標温度−中間部のサーミスタ25cで検知される温度)・10}÷(上部のサーミスタ25aで検知される温度−中間部のサーミスタ25cで検知される温度)となる。給湯目標温度は、給湯設定温度+5℃とする。例えば、給湯設定温度42℃、上部のサーミスタ25aで検知される温度が75℃、中間部のサーミスタ25cで検知される温度が43℃とした場合、X=(42℃+5℃−43℃)・10÷(75℃−43℃)=1.25となり、貯湯タンク21の上部から取り出す割合を1.25とする。割合を10%単位で可変する場合には、上部20%:中間80%とする。
台所や浴室のシャワーなどで湯を使用すると、給湯管59から出湯し、貯湯タンク21の上部接続口22から取り出した湯と貯湯タンク21の他方の中間接続口23bから取り出した湯とを混合して給湯路38に送り、給湯用電動ミキシングバルブ57で必要に応じて給水管30から給水される水を混合して給湯設定温度の湯を給湯する。
同様に、浴槽15に湯張りしたり足し湯すると、風呂用給湯管62から出湯し、貯湯タンク21の上部接続口22から取り出した湯と貯湯タンク21の他方の中間接続口23bから取り出した湯とを混合して給湯路38に送り、風呂用電動ミキシングバルブ58で必要に応じて給水管30から給水される水を混合して風呂設定温度の湯を浴槽15に給湯する。
また、調整弁42が貯湯暖房位置で給湯しているときには、給湯管59のサーミスタ61やホッパ63の給湯温度センサなどで給湯温度を定期的に監視し、調整弁42の割合を補正する。例えば、給湯温度が給湯設定温度+5℃より低ければ、貯湯タンク21の上部から湯を取り出す割合を増加し、また、給湯温度が給湯設定温度+15℃より高くなれば、貯湯タンク21の上部から湯を取り出す割合を各なくする。
次に、図6において、中間部のサーミスタ25cで検知される貯湯タンク21の中間部の湯の温度が暖房に利用可能とする温度よりも高い場合における暖房運転について説明する。
三方弁41で貯湯タンク21の一方の中間接続口23aと沸上用熱交換器46の入口側とを接続し、調整弁42を暖房位置として沸上用熱交換器46の出口側と暖房用熱交換器52を経た貯湯タンク21の他方の中間接続口23bとを接続し、暖房用循環路82を形成する。
この暖房用循環路82中に位置する循環ポンプ36を駆動し、貯湯タンク21の一方の中間接続口23aから取り出した湯を暖房回路56の暖房用熱交換器52を経て貯湯タンク21の他方の中間接続口23bに循環させる。
暖房ユニット14では、暖房回路56の暖房用循環ポンプ55を駆動し、シスターン54内の循環液を暖房用熱交換器52に送り込んで貯湯タンク21の湯と熱交換して温度を上昇させ、この温度上昇した循環液を暖房パネル53に送り込んで暖房し、暖房パネル53を通過して温度低下した循環液をシスターン54に戻す。
ところで、図7に示すように、暖房用熱交換器52を経て温度低下した湯を他方の中間接続口23bを通じて貯湯タンク21の中間部に戻す暖房運転時を継続することで、貯湯タンク21の中間部の湯の温度が下がってくるために、貯湯タンク21の上部の高温水と中温水との境界の混合層ができなくなって貯湯タンク21の上部の湯の温度も下がってくる。貯湯タンク21の上部の湯の温度が下がると、浴槽15に湯張りした湯水を追い焚きする場合に、風呂用熱交換器65が配置された貯湯タンク21の上部の湯の温度が低いために、追い焚きや保温に能力不足が発生する。この場合、暖房運転に並行して貯湯運転を行なう貯湯暖房運転に切り換えればよいが、貯湯タンク21の上部の湯の温度とヒートポンプユニット13で沸上可能とする温度との差が少ないときに開始すると、ヒートポンプユニット13で沸き上げた湯を貯湯タンク21の上部に入れても、混合層ができずに混ざってしまう。
そのため、上部のサーミスタ25aで検知される貯湯タンク21の上部の温度がヒートポンプユニット13で沸上可能とする温度より低くなり、かつそれらの温度の差が予め設定された例えば15〜30℃の温度差まで広くなったときに、貯湯暖房運転に切り換える。
次に、図8において、貯湯暖房運転について説明する。
三方弁41で貯湯タンク21の下部接続口24と沸上用熱交換器46の入口側とを接続し、調整弁42を貯湯暖房位置として沸上用熱交換器46の出口側に対して貯湯タンク21の上部接続口22側と暖房用熱交換器52を経た貯湯タンク21の他方の中間接続口23b側との両方を開くとともに、両方から流れる湯の各流量の割合を調整する。各流量の割合は、給湯設定温度と、上部のサーミスタ25aで検知される温度と、中間部のサーミスタ25cで検知される温度とから、給湯設定温度の湯を給湯するのに適した割合を決定する。
ヒートポンプユニット13の圧縮機45を運転開始した後、貯湯用循環路81中に位置する循環ポンプ36を駆動し、貯湯タンク21の下部接続口24から取り出した水をヒートポンプユニット13の沸上用熱交換器46に送り込んで沸上目標温度に沸き上げ、この沸上用熱交換器46で沸き上げた湯を調整弁42に送り込む。調整弁42では、上部接続口22側と暖房用熱交換器52を経た他方の中間接続口23b側とへの流量の割合を調整し、湯が暖房回路56の暖房用熱交換器52を経て貯湯タンク21の他方の中間接続口23bに循環するとともに、湯が貯湯タンク21の上部接続口22に循環して貯湯タンク21の上部に貯湯する。例えば、調整弁42による上部接続口22側と暖房用熱交換器52を経た他方の中間接続口23b側とへの流量の割合は、昼間時間帯は貯湯7:暖房3、23時以降の深夜時間帯は貯湯5:暖房5とする。
暖房ユニット14では、暖房回路56の暖房用循環ポンプ55を駆動し、シスターン54内の循環液を暖房用熱交換器52に送り込んで貯湯タンク21の湯と熱交換して温度を上昇させ、この温度上昇した循環液を暖房パネル53に送り込んで暖房し、暖房パネル53を通過して温度低下した循環液をシスターン54に戻す。
そして、貯湯タンク21の上部には高温水が入り、中間部には暖房用熱交換器52を経て温度低下した中温水が入るため、貯湯暖房運転中は、貯湯タンク21の上部と中間部との間で十分な温度差ができて混合層を形成することができ、貯湯タンク21の上部の湯温を高いままに維持できる。
その後、貯湯タンク21の中間部付近まで高温の湯を貯湯したら、貯湯暖房運転から暖房運転にしても、混合層ができているため、貯湯タンク21の上部の湯温を高いままに維持できる。
そのため、浴槽15に湯張りした湯水を追い焚きする場合に、風呂用熱交換器65が配置された貯湯タンク21の上部の湯の温度が高いために、追い焚きや保温に十分な能力が得られる。
なお、この貯湯給湯運転時に、暖房が所定温度になった場合などは、調整弁42で暖房用熱交換器52への湯の流れを止め、貯湯タンク21の上部にのみ湯を入れることにより、貯湯タンク21の上部の湯の温度を高める時間を短縮できる。
次に、図9において、暖房運転時に、中温水を給湯する給湯動作について説明する。
暖房運転時には、三方弁41で貯湯タンク21の一方の中間接続口23aと沸上用熱交換器46の入口側とを接続し、調整弁42を暖房位置として沸上用熱交換器46の出口側と暖房用熱交換器52を経た貯湯タンク21の他方の中間接続口23bとを接続し、暖房用循環路82を形成する。
この暖房用循環路82中に位置する循環ポンプ36を駆動し、貯湯タンク21の一方の中間接続口23aから取り出した湯を暖房回路56の暖房用熱交換器52を経て貯湯タンク21の他方の中間接続口23bに循環させる。
暖房ユニット14では、暖房回路56の暖房用循環ポンプ55を駆動し、シスターン54内の循環液を暖房用熱交換器52に送り込んで貯湯タンク21の湯と熱交換して温度を上昇させ、この温度上昇した循環液を暖房パネル53に送り込んで暖房し、暖房パネル53を通過して温度低下した循環液をシスターン54に戻す。
この暖房運転中において、台所や浴室のシャワーなどで湯を使用したり、浴槽15に湯張りしたり足し湯し、給湯路38から出湯すると、中間部のサーミスタ25cで検知される貯湯タンク21の中間部の湯の温度が、給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度より高ければ、貯湯タンク21の中間部の湯のみを給湯するように調整弁42は暖房位置のまま維持する。例えば、給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度を給湯設定温度+5℃とした場合、この温度より中間部のサーミスタ25cで検知される貯湯タンク21の中間部の湯の温度−5℃が高ければ、調整弁42は暖房位置のまま維持する。そのため、貯湯タンク21の一方の中間接続口23aから取り出した湯が給湯路38に流れるとともに、貯湯タンク21の他方の中間接続口23bから取り出して暖房用熱交換器52を経て温度低下した湯が給湯路38に合流して流れる。
また、中間部のサーミスタ25cで検知される貯湯タンク21の中間部の湯の温度が、給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度より低ければ、貯湯タンク21の上部の湯と中間部の湯とを混合して給湯するように調整弁42を貯湯暖房位置に切り換える。例えば、給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度を給湯設定温度+5℃とした場合、この温度より中間部のサーミスタ25cで検知される貯湯タンク21の中間部の湯の温度−5℃が低ければ、調整弁42を貯湯暖房位置に切り換える。
調整弁42を貯湯暖房位置とすることで、給湯路38に対して、貯湯タンク21の上部接続口22側と暖房用熱交換器52を経た貯湯タンク21の他方の中間接続口23b側との両方を開くとともに、両方から流れる湯の各流量の割合を調整する。これにより、貯湯タンク21の一方の中間接続口23aから取り出した湯が給湯路38に流れるとともに、調整弁42で貯湯タンク21の他方の中間接続口23bから取り出して暖房用熱交換器52を経て温度低下した湯と上部接続口22から取り出した湯(高温水)とを混合した湯が給湯路38に流れる。給湯路38に流れる湯の温度を給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度よりも高くなるように調整弁42で割合を調整する。なお、給湯しているときには暖房用熱交換器52に対して貯湯タンク21の湯が通常の暖房運転時とは逆方向に流れ、給湯が止まれば暖房用熱交換器52に対して貯湯タンク21の湯が通常の暖房運転時の方向に流れる。
次に、図10において、ヒートポンプユニット13の運転中に蒸発器48に霜が付着した場合の除霜運転について説明する。
三方弁41で貯湯タンク21の一方の中間接続口23aと沸上用熱交換器46の入口側とを接続し、調整弁42を暖房位置として沸上用熱交換器46の出口側と暖房用熱交換器52を経た貯湯タンク21の他方の中間接続口23bとを接続し、暖房用循環路82と同じ流路を形成する。
この暖房用循環路82中に位置する循環ポンプ36を駆動し、貯湯タンク21の一方の中間接続口23aから取り出した湯をヒートポンプユニット13の沸上用熱交換器46に送り、沸上用熱交換器46の温度を上昇させて除霜する。沸上用熱交換器46を通過して温度低下した湯水は貯湯タンク21の他方の中間接続口23bに循環させる。
以上のように、給湯装置11によれば、暖房運転時に、貯湯タンク21の一方の中間接続口23aから取り出した湯を暖房回路56の暖房用熱交換器52を経て貯湯タンク21の他方の中間接続口23bに循環させることにより、貯湯タンク21の下部の水温を低い状態に維持できるため、その後の貯湯運転時に貯湯タンク21の下部の水を取り出して沸き上げるヒートポンプユニット13の沸上効率を維持でき、沸上目標温度に沸き上げることができる。
また、三方弁41および調整弁42のみで、貯湯運転、給湯、暖房運転、貯湯暖房運転、除霜運転などを切り換えることができるとともに、貯湯タンク21の中間接続口23a,23bからの湯の取り出しおよび取り入れができ、貯湯タンク21の中間部から湯を取り出すために専用の弁などが必要なく、構成を簡素化できる。
つまり、貯湯運転時には、三方弁41で貯湯タンク21の下部接続口24と沸上用熱交換器46の入口側とを接続するとともに調整弁42で貯湯タンク21の上部接続口22と沸上用熱交換器46の出口側とを接続して貯湯用循環路81を形成させ、また、暖房運転時には、三方弁41で貯湯タンク21の一方の中間接続口23aと沸上用熱交換器46の入口側とを接続するとともに調整弁42で沸上用熱交換器46の出口側と暖房用熱交換器52を経た貯湯タンク21の他方の中間接続口23bとを接続して暖房用循環路82を形成させることができるため、貯湯タンク21の中間部から湯を取り出すために専用の弁などが必要なく、三方弁41および調整弁42のみで済み、構成を簡素化できる。
また、調整弁42と沸上用熱交換器46の入口側との間に給湯路38を接続し、給湯時に、調整弁42で貯湯タンク21の上部接続口22および暖房用熱交換器52を経た貯湯タンク21の他方の中間接続口23bのいずれか一方と給湯路38とを接続させることにより給湯でき、貯湯タンク21の上部と中間部とから給湯するための専用の弁などが必要なく、貯湯運転や暖房運転に用いる調整弁42を兼用でき、構成を簡素化できる。
この給湯時に、中間部のサーミスタ25cで検知される貯湯タンク21内の中間部の湯の温度が給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度より高ければ調整弁42で貯湯タンク21の他方の中間接続口23bから取り出した湯を給湯路38に送り、給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度より低ければその調整弁42で貯湯タンク21の上部接続口22から取り出した湯と貯湯タンク21の他方の中間接続口23bから取り出した湯とを混合して給湯路38に送ることができ、貯湯タンク21内の中間部以下の湯を優先して使用し、貯湯タンク21内の上部に高温の湯を残すことができる。
また、貯湯暖房運転時に、三方弁41で貯湯タンク21の下部接続口24と沸上用熱交換器46の入口側とを接続するとともに調整弁42で沸上用熱交換器46の出口側に対して貯湯タンク21の上部接続口22側と暖房用熱交換器52を経た貯湯タンク21の他方の中間接続口23b側との両方を開いて接続することにより、三方弁41および調整弁42の切り換えで、暖房運転と貯湯運転とを同時にできる。
この暖房運転を継続することで、貯湯タンク21の中間部の湯の温度が下がり、さらに貯湯タンク21の上部の湯の温度も下がってくるが、上部のサーミスタ25aで検知される貯湯タンク21の上部の温度がヒートポンプユニット13で沸上可能とする温度より低くなりかつそれらの温度の差が予め設定された温度差より広くなったときに、貯湯暖房運転に切り換えることにより、貯湯タンク21の上部に取り入れた高温の湯と中間部の中温水との温度差でこれらの間に混合層を形成でき、貯湯タンク21の上部に高温の湯を貯湯できる。
本発明の一実施の形態を示す給湯装置の構成図である。 同上給湯装置の各運転や各動作の状態と三方弁と調整弁との関係を示す表である。 同上給湯装置の貯湯運転の説明図である。 同上給湯装置の高温水給湯動作の説明図である。 同上給湯装置の中温水給湯動作の説明図である。 同上給湯装置の暖房運転の説明図である。 同上給湯装置の暖房運転時における各サーミスタの温度の変化を示すグラフである。 同上給湯装置の貯湯暖房運転の説明図である。 同上給湯装置の暖房運転時の中温水給湯動作の説明図である。 同上給湯装置の除霜運転の説明図である。
11 給湯装置
13 ヒートポンプユニット
21 貯湯タンク
22 上部接続口
23a,23b 中間接続口
24 下部接続口
25a 上部温度検知手段としてのサーミスタ
25b,25c 中間部温度検知手段としてのサーミスタ
38 給湯路
41 第1の切換手段としての三方弁
42 第2の切換手段としての調整弁
44 冷媒回路
45 圧縮機
46 沸上用熱交換器
48 蒸発器
52 暖房用熱交換器
56 暖房回路
75 制御部
81 貯湯用循環路
82 暖房用循環路

Claims (5)

  1. 上部に上部接続口が設けられ、下部に下部接続口が設けられ、これら上部接続口と下部接続口との間の中間部に2つの中間接続口が設けられた貯湯タンクと、
    圧縮機、沸上用熱交換器および蒸発器が設けられる冷媒回路を有するヒートポンプユニットと、
    前記貯湯タンクの下部接続口から取り出した水を前記ヒートポンプユニットの沸上用熱交換器を経て前記貯湯タンクの上部接続口に循環させる貯湯用循環路と、
    暖房用熱交換器を有する暖房回路と、
    前記貯湯タンクの一方の中間接続口から取り出した湯を前記暖房回路の暖房用熱交換器を経て前記貯湯タンクの他方の中間接続口に循環させる暖房用循環路と、
    前記貯湯タンクの一方の中間接続口と下部接続口と前記沸上用熱交換器の入口側との間で流路を切り換える第1の切換手段と、
    前記貯湯タンクの上部接続口と前記沸上用熱交換器の出口側と前記暖房用熱交換器を経た前記貯湯タンクの他方の中間接続口との間で流路を切り換える第2の切換手段と、
    貯湯運転時には前記第1の切換手段で前記貯湯タンクの下部接続口と前記沸上用熱交換器の入口側とを接続するとともに前記第2の切換手段で前記貯湯タンクの上部接続口と前記沸上用熱交換器の出口側とを接続して前記貯湯用循環路を形成させ、暖房運転時には前記第1の切換手段で前記貯湯タンクの一方の中間接続口と前記沸上用熱交換器の入口側とを接続するとともに前記第2の切換手段で前記沸上用熱交換器の出口側と前記暖房用熱交換器を経た前記貯湯タンクの他方の中間接続口とを接続して前記暖房用循環路を形成させる制御部と
    を具備していることを特徴とする給湯装置。
  2. 第2の切換手段と沸上用熱交換器の入口側との間に接続され、この第2の切換手段を通じて貯湯タンクの上部接続口および一方の中間接続口のいずれか一方から取り出される湯を給湯する給湯路と、
    制御部は、給湯時に、前記第2の切換手段で貯湯タンクの上部接続口および暖房用熱交換器を経た貯湯タンクの他方の中間接続口のいずれか一方と給湯路とを接続させる
    ことを特徴とする請求項1記載の給湯装置。
  3. 貯湯タンク内の中間部の湯の温度を検知する中間部温度検知手段を具備し、
    第2の切換手段は、給湯路側に対して、貯湯タンクの上部接続口側と暖房用熱交換器を経た貯湯タンクの他方の中間接続口側との両方を開いて接続可能とするとともにそれら両方を開いたときの各流量の割合を調整可能とする調整弁であり、
    制御部は、給湯時に、前記中間部温度検知手段で検知される貯湯タンク内の中間部の湯の温度が給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度より高ければ前記調整弁で貯湯タンクの他方の中間接続口から取り出した湯を給湯路に送り、給湯設定温度の湯を給湯するのに必要な温度より低ければ前記調整弁で貯湯タンクの上部接続口から取り出した湯と貯湯タンクの他方の中間接続口から取り出した湯とを混合して給湯路に送る
    ことを特徴とする請求項記載の給湯装置。
  4. 第2の切換手段は、沸上用熱交換器の出口側に対して、貯湯タンクの上部接続口側と暖房用熱交換器を経た貯湯タンクの他方の中間接続口側との両方を開いて接続可能とするとともにそれら両方を開いたときの各流量の割合を調整可能とする調整弁であり、
    制御部は、暖房運転と貯湯運転とを並行して実行する貯湯暖房運転時に、第1の切換手段で貯湯タンクの下部接続口と沸上用熱交換器の入口側とを接続するとともに前記調整弁で沸上用熱交換器の出口側に対して貯湯タンクの上部接続口側と暖房用熱交換器を経た貯湯タンクの他方の中間接続口側との両方を開いて接続する
    ことを特徴とする請求項1ないしいずれか記載の給湯装置。
  5. 貯湯タンク内の上部の湯の温度を検知する上部温度検知手段を具備し、
    制御部は、暖房運転時に、前記上部温度検知手段で検知される貯湯タンクの上部の温度がヒートポンプユニットで沸上可能とする温度より低くなりかつそれらの温度の差が予め設定された温度差より広くなったときに、貯湯暖房運転に切り換える
    ことを特徴とする請求項記載の給湯装置。
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