JP4199910B2 - 取り付け孔が破損した壁面又は天井面に対する器具の再取り付け方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、石膏ボード等の脆弱な壁面や裏面に手が入らないような条件の壁面又は天井面に各種器具等をビス等で固定するためのアンカーを用い、取り付け孔が破損して大径のバカ孔になっているような場合の再取り付けを可能にする取り付け孔が破損した壁面又は天井面に対する器具の再取り付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、石膏ボード等を用いた壁面にねじ等の締結部材を用いて各種器具等を固定した場合、石膏ボードは脆弱なため、経時的に振動や荷重が加わると、締結部材の貫通する部分が破損を受けて、締結部材が抜けたり器具の固定にガタツキが発生することになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように、締結部材が抜けたり器具の固定にガタツキが発生した場合に、再度器具の固定を行おうとすると、取り付け孔は元よりも大径孔になっているので、同じサイズの締結部材の使用が不可能であり、この大径孔に対応することのできる締結部材の採用が必要になるが、器具と締結部材の条件が合わない場合は、壁材そのものを取り換えなければならないことになる。
【0004】
そこで、この発明の課題は、壁面又は天井面の取り付け孔が最初にあけた径よりも大径孔になっても、アンカーと座金を用いて品物の再取り付けが簡単に行える、取り付け孔が破損した壁面又は天井面に対する器具の再取り付け方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するため、請求項1の発明は、雄ねじを受容する孔が設けられた締結部材と、この締結部材の孔を挟む両側の位置に取り付けられ、該締結部材の一面側に引き出された紐状部材と、この紐状部材に移動自在となるよう取り付けるグリップ部材とからなり、前記グリップ部材が、締結具の挿通孔を有する頭部の一面側に一対の挟持片を、締結部材に対して幅方向に外嵌する間隔で対向するよう突設し、両挟持片の対向面に締結部材への外嵌状態で該締結部材に対して抜け止め方向に係合する係合爪を設けて形成され、壁面又は天井面に設けた取り付け孔に差し込んだ締結部材を壁面又は天井面の裏面側に位置させ、紐状部材の引っ張りによる壁面又は天井面の裏面への締結部材の当接と、座金の挿通孔から破損した取り付け孔へのグリップ部材の押し込みにより、グリップ部材の両挟持片を締結部材に係合させ、締結部材の孔に締結具をねじ込むことによって壁面又は天井面の外面に器具を固定するアンカーと、上記グリップ部材の頭部よりも大径の外径を有し、頭部よりも小径となる両挟持片の挿通孔が設けられ、一面側に壁面又は天井面への食い込み片を突設した座金を用い、壁面又は天井面の外面で破損した取り付け孔の部分に座金を当てがった状態で、この座金の挿通孔から差し込んだ締結部材を壁面又は天井面の裏面側に位置させ、次に、紐状部材の引っ張りによる壁面又は天井面の裏面への締結部材の当接と、座金の挿通孔から破損した取り付け孔へのグリップ部材の押し込みにより、グリップ部材の両挟持片を締結部材に係合させ、このとき、グリップ部材の頭部を座金で受けることにより、グリップ部材が破損した取り付け孔内に落ち込むのを防ぐようにする構成を採用したものである。
【0006】
請求項2の発明は、雄ねじを受容する孔が設けられた締結部材と、この締結部材の孔を挟む両側の位置に取り付けられ、該締結部材の一面側に引き出された紐状部材と、この紐状部材に移動自在となるよう取り付けるグリップ部材とからなり、前記グリップ部材が、締結具の挿通孔を有する頭部の一面側に一対の挟持片を、締結部材に対して幅方向に外嵌する間隔で対向するよう突設し、両挟持片の対向面に締結部材への外嵌状態で該締結部材に対して抜け止め方向に係合する係合爪を設けて形成され、壁面又は天井面に設けた取り付け孔に差し込んだ締結部材を壁面又は天井面の裏面側に位置させ、紐状部材の引っ張りによる壁面又は天井面の裏面への締結部材の当接と、座金の挿通孔から破損した取り付け孔へのグリップ部材の押し込みにより、グリップ部材の両挟持片を締結部材に係合させ、締結部材の孔に締結具をねじ込むことによって壁面又は天井面の外面に器具を固定するアンカーと、上記グリップ部材の頭部よりも大径の外径を有し、頭部よりも小径となる両挟持片の挿通孔と、外周から挿通孔に達する紐状部材への差し込み用切れ目とが設けられ、一面側に壁面又は天井面への食い込み片を突設した座金を用い、前記座金を紐状部材に切れ目から差し込んでグリップ部材の両挟持片に外嵌挿し、壁面又は天井面の外面で破損した取り付け孔から差し込んだ締結部材を壁面又は天井面の裏面側に位置させ、次に、壁面又は天井面の外面から破損した取り付け孔にグリップ部材を挿入し、この後、紐状部材の引っ張りによる壁面又は天井面の裏面への締結部材の当接と、座金の挿通孔から破損した取り付け孔へのグリップ部材の押し込みにより、グリップ部材の両挟持片を締結部材に係合させ、このとき、グリップ部材の頭部を壁面又は天井面の外面に当接した座金で受けることにより、グリップ部材が破損した取り付け孔内に落ち込むのを防ぐようにする構成を採用したものである。
【0007】
ここで、上記締結部材は、硬質の材料を用いて一面側に平坦面を有する棒軸状となり、その中央にビスの雄ねじを受容する孔と、この孔を挟んで締結部材の長さ方向に沿う両側の位置に紐挿通孔とを、一面側から他面側に貫通するよう並設して形成され、紐状部材が一本の連続したものからなり、両紐挿通孔に締結部材の他面側から挿通することにより一面側に引き出され、グリップ部材は両挟持片と直角の位置関係の配置で頭部の両側に設けた紐挿通孔を紐状部材に挿通することにより、紐状部材に移動自在に取り付けられている。
【0008】
また、上記締結部材は、一面側で中央部の位置に、平坦面に対して突出する突軸部が設けられ、雄ねじを受容する孔と紐挿通孔がこの突軸部を貫通している構造とすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0010】
図1乃至図3のように、この発明の壁面又は天井面に対する器具の再取り付け方法の実施には、アンカー1と、このアンカー1に組み合わせる座金21とが用いられる。
【0011】
まず、アンカー1は、締結部材2と、この締結部材2に連結して一面側に引きだされる紐状部材3と、この紐状部材3に移動自在となるよう取り付けるグリップ部材4との組み合わせからなり、締結部材2は、各種金属や合成樹脂等の硬質の材料を用いて一面側に平坦面5を有する棒軸状に形成され、その中央にビスの雄ねじを受容する孔6と、この孔6を挟んで締結部材2の長さ方向に沿う両側の位置に紐挿通孔7、7とが一面側から他面側に貫通するよう設けられている。
【0012】
この締結部材2の一面側で中央の位置には、平坦面5に対して突出する円軸や角軸状の突軸部8が設けられ、上記した雄ねじを受容する孔6と紐挿通孔7、7がこの突軸部8を貫通している。このように、突軸部8を設けることにより、締結部材2の厚みを部分的に厚くでき、雄ねじを受容する孔6の長さを十分に確保できてビスとの締結力を向上させることができるという利点がある。
【0013】
上記ビスの雄ねじを受容する孔6は、図示の場合、孔の内周面に複数の突条9を軸方向に沿って設け、ビスのねじ山がこの突条9に食い込むことにより、締結が行えるようにしたものを示したが、ビスの雄ねじが螺合するねじ孔に形成してもよい。
【0014】
前記紐状部材3は、図示の場合、樹脂成形による一体構造を例示し、両紐挿通孔7、7に締結部材2の他面側からそれぞれ挿通する二本の紐体3aの一端側を、両紐挿通孔7、7の間隔に一致するよう接続部3bで接続して二又状とし、両紐体3aは締結部材2よりも十分に長い長さを有し、その他端側は結合具10で結合するようになっている。
【0015】
この紐状部材3は、上記のような構造に限定されるものではなく、一端側に頭部を設けた一本物の構造とし、両紐挿通孔7、7に対して締結部材2の他面側から挿通するようにしてもよい。
【0016】
前記グリップ部材4は、円形頭部11の中央にビスの挿通孔12を設け、この頭部11の裏面側に、上記挿通孔12が貫通する短い円軸部13と、この円軸部13の周囲で挿通孔12を挟む両側の位置から該円軸部13の軸方向に突出し、締結部材2に対して幅方向に外嵌する間隔で対向する一対の挟持片14、14とを設け、両挟持片14、14の対向面で長さ方向の途中の位置に、締結部材2への外嵌状態で該締結部材2に対して抜け止め方向に係合する係合爪15、15が設けられている。
【0017】
上記グリップ部材4における円軸部13と両挟持片14、14の外面には、頭部11から軸方向に下がり傾斜となる回り止め突起16が設けられ、頭部11の挿通孔12を挟む両側で、両挟持片14、14と直角となる位置に紐体3aの紐挿通孔17、17が紐挿通孔7、7と等しい間隔で設けられている。
【0018】
このグリップ部材4は、各種金属や合成樹脂を用いて形成され、一対の挟持片14、14は厚みを薄くするか材料のもつ弾性により、対向間隔が拡開可能で初期の状態に復元する弾性を備えていると共に、両挟持片14、14に対する紐挿通孔17、17の位置関係により、紐挿通孔17、17を紐体3aに挿通して紐状部材3へ移動自在に取り付けたとき、締結部材2に対して両挟持片14、14が幅方向に向く姿勢となるよう配置されることになる。
【0019】
図1に示すように、締結部材2の中央部で両側面には、グリップ部材4の挟持片14が納まる幅で底がフラットな凹部18が形成され、一対となる両挟持片14、14は両側凹部18間の寸法に対して嵌合する対向間隔を有し、グリップ部材4を紐体3aに沿って締結部材2側に移動させると、両挟持片14、14は締結部材2の両側凹部18間の部分に確実に外嵌することになる。
【0020】
両挟持片14、14が凹部18間に外嵌するとき、両挟持片14、14の内面に設けた係合爪15、15が凹部18間の部分に乗り上げて通過し、この時両挟持片14、14は上記した弾性で外方に逃げ、係合爪15、15が凹部18間を通過すると両挟持片14、14は元の間隔に復帰し、これにより、係合爪15、15は締結部材2の凹部18間の他面側部分に係合可能となり、この係合により、締結部材2とグリップ部材4が抜け止め状に結合されることになる。
【0021】
上記両挟持片14、14における係合爪15、15は、図示の場合、締結部材2とグリップ部材4を抜け止め状に結合したとき、締結部材2の平坦面5と頭部11の間隔が壁面材Aの板厚に一致するように位置を設定したが、壁面材Aの板厚が違っても使えるように、係合爪15、15で締結部材2とグリップ部材4を抜け止め状に結合したとき、締結部材2の平坦面5と壁面材Aの間に多少隙間が空くように該係合爪15、15の位置を設定してもよい。この場合、後述するように、締結部材2に設けた孔6にビスDをねじ込んで締め付けていけば、締結部材2は両挟持片14、14に沿って壁面材Aの裏面に引き寄せられることになる。
【0022】
なお、締結部材2とグリップ部材4の抜け止め方向の結合強度を向上させるために、図1の例では、締結部材2の他面側で中央部の挿通孔12を挟む両側の位置に凹段部19を設け、係合爪15、15は挟持片14、14から頭部11側に向けて薄い板厚で傾斜状に突出させ、その先端の爪先15a、15aを凹段部19内に係合させるようにしている。
【0023】
また、係合爪15、15は、挟持片14、14に連なる根元部分を厚肉に形成し、係合爪15、15の耐引っ張り強度を向上させるようにしてもよい。
【0024】
次に、座金21は、図2と図10に示すように、所定厚みの金属板を用い、上記グリップ部材4の頭部11よりも大径の外径を有する円形で、その中央部に、頭部11よりも小径となる両挟持片14の挿通孔22と、周囲の一部に外周から挿通孔22に達する紐状部材3への差し込み用切れ目23とが設けられ、一面側の外周部で軸心を挟む対角位置に壁面材Aへの食い込み片24が突設されている。
【0025】
また、座金21における挿通孔22の内周には、グリップ部材4における回り止め突起16に嵌合する切り欠き部25が設けられ、挿通孔22の内周で食い込み片24が突出する面に補強用の周壁26が部分的に設けてある。
【0026】
この発明に用いるアンカー1と座金21は上記のような構成であり、次に、このアンカー1と座金21を用い、取り付け孔Bが破損した壁面材Aに対する器具Cの再取り付け方法を説明する。
【0027】
再取り付け方法における座金21の使用には、二つの形態があり、何れの場合も、壁面材Aには、既存の締結部材で取り付けた品物を取り外した跡に、孔径がグリップ部材4の頭部11の外径に近づいたり、それよりも大径になる取り付け孔Bがあいているときに使用する。
【0028】
第1の再取り付け方法
先ず、図2(A)のように、座金21を紐状部材3の紐体3aに切れ目23から差し込んで挿通孔22をグリップ部材4の両挟持片14に外嵌挿し、切り欠き部25を回り止め片16に嵌合することにより、図2(B)のように、グリップ部材4に座金21をセットする。この時、座金21は食い込み片24が両挟持片14、14の先端側に向く位相にしておく。
【0029】
次に、図4(A)のように、紐状部材3の紐体3aを締結部材2の長さ方向に沿うよう湾曲させた状態で、締結部材2を取り付け孔Bに挿入して壁面材Aの裏面側空間に位置させれば、紐体3aの弾性による復元で締結部材2は、壁面材Aの裏面側に平行し、この状態で、紐体3aに沿ってグリップ部材4を壁面材Aに向けて移動させ、一対となる両挟持片14、14を取り付け孔B内に挿入する。
【0030】
取り付け孔Bへのグリップ部材4の押し込みと、紐状部材3の引っ張りにより壁面材Aの裏面への締結部材2の引き寄せを行い、グリップ部材4の頭部11で座金21が壁面材Aの取り付け孔Bの部分に押し当てられ、食い込み片24が取り付け孔Bの内周に食い込み、引き寄せた締結部材2が対向する両挟持片14、14間に引き込まれ、更に引き込むと、図4(B)の如く、両係合爪15、15間を締結部材2が通過することにより両挟持片14、14は押し開かれて外側に開き、締結部材2が係合爪15、15間を通過すると、図5に示すように、両挟持片14、14は復元弾性によって閉じ、両係合爪15、15が締結部材2に対して抜け止め方向に係合し、このとき、グリップ部材4の頭部11を壁面材Aの外面に当接した座金21で受けることにより、グリップ部材4が取り付け孔B内に落ち込むのを防止する。
【0031】
この状態で、締結部材2は平坦面5が壁面材Aの裏面に当接して中央の突軸部8が取り付け孔Bに嵌合し、締結部材2と座金21を介してグリップ部材4の頭部11で壁面材Aを両面から挟み込むことになる。
【0032】
上記座金21は、食い込み片24で壁面材Aに対して回り止め状となり、かつ、取り付け孔Bの開口を閉鎖することにより、グリップ部材4が取り付け孔B内に落ち込むのを防止することになる。
【0033】
グリップ部材4は、円軸部13と挟持片14、14の外面に設けた回り止め突起16が座金21の切り欠き部25に嵌まり込み、壁面材Aに対して回り止め状になると共に、締結部材2はこのグリップ部材4の両挟持片14、14間に納まっているので回り止め状に保持される。
【0034】
締結部材2とグリップ部材4で壁面材Aを両面から挟み込んだ状態で、図7のように、カッター等の刃物31を用い、紐体3aを頭部11から突出する部分で切断除去し、この後、図8のように壁面材Aの表面に器具Cを重ね、壁面材Aと器具Cの間に座金21とグリップ部材4の頭部11を挟み込み、器具Cに挿通したビスDをグリップ部材4の挿通孔12に挿入し、このビスDを締結部材2に設けた孔6にねじ込み、図8のように、壁面材Aに器具Cを締結固定する。
【0035】
ねじ込んだビスDが孔6を貫通するとき、締結部材2とグリップ部材4の紐挿通孔7、17内に残っていた紐状部材3の先端部分は、図8に一点鎖線で示すように、ビスDの先端で押し出されて抜け出ることになる。
【0036】
上記ビスDを締結部材2の孔6にねじ込むとき、ビスDの挿入で締結部材2に対して押し込み力が作用し、締結部材2は後方に移動するが、このとき、締結部材2は図8に二点鎖線で示すようにグリップ部材4の両係合爪15、15で抜け止め状に保持されているので、ビスDによる押し込み力で締結部材2が脱落するようなことがなく、孔6に対するビスDのねじ込みが支障なく行え、ビスDのねじ込みにより、締結部材2は壁面材Aの裏面に引き寄せられることになる。
【0037】
また、ビスDのねじ込み時に締結部材2に回転トルクが作用するが、該締結部材2は、グリップ部材4と座金21を介して壁面材Aに回り止め状に保持されているので、共回りの発生はなく、従って、ビスDのねじ込み時に締結部材2を紐体3aで常時引っ張り保持する必要はなく、ビスDのねじ込み前に紐体3aを切断除去しても何ら支障がないと共に、ねじ込みだけの単純作業となるので、作業性が大幅に向上することになる。
【0038】
なお、上記した構造のアンカー1は、壁面材Aの取り付け孔Bから裏面の手の入らないような隙間に対して締結部材2を支障なく挿入することができ、しかも、締結部材2は座金21を介してグリップ部材4で壁面材Aに対して回り止め状に保持されるので、ビスDのねじ込み時にビスDの押し込み力が加わっても締結部材4が落ち込むことはなく、また、ビスDのねじ込み時は、ねじ込むだけの単純作業で可能となり、壁面材Aに対して器具Cを固定する締結作業の簡略化が可能になるという利点がある。
【0039】
第2の再取り付け方法
先ず、図9のように、壁面材Aの外面で取り付け孔Bの部分に座金21を当てがい、食い込み片24を取り付け孔Bの内周に食い込ませることで仮固定の状態にする。なお、この第2の再取り付け方法に用いる座金21は、図示したものとは別に、紐状部材3への差し込み用切れ目23を設けない構造のものを採用するようにしてもよい。
【0040】
次に、紐状部材3の紐体3aを締結部材2の長さ方向に沿うよう湾曲させた状態で、締結部材2を上記座金21の挿通孔22から取り付け孔Bに挿入して壁面材Aの裏面側空間に位置させ、取り付け孔B内に座金21の挿通孔22からグリップ部材4を挿入し、その頭部11が座金Aの表面に当接する状態を保持しつつ、両側の紐体3aを手前に引っ張って締結部材2をグリップ部材4内へ抜け止め方向に係合させ、この係合後は、上述した第1の再取り付け方法と同じ手順の作業を行うことにより、ビスDを締結部材2に設けた孔6にねじ込み、壁面材Aに器具Cを締結固定する。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、この発明によると、締結部材と紐状部材及びグリップ部材からなるアンカーと、このアンカーに組み合わせる座金とを用い、取り付け孔の裏面側に挿入した締結部材にねじ込むビスで壁面又は天井面に器具を固定するようにしたので、壁面又は天井面の取り付け孔が最初にあけた径よりも大径のバカ孔になっても、座金による取り付け孔の開口端の閉鎖で取り付け孔へのグリップ部材の落ち込みの発生がなく、破損した取り付け孔に対して、アンカーと座金を用いて品物の再取り付けが簡単確実に行えることになり、取り付け孔が破損した壁面又は天井面に対する器具の再取り付けが壁材や天井材を取り換えることなく可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アンカーと座金の分解斜視図
【図2】(A)はアンカーに座金を取り付ける途中の斜視図、(B)はアンカーに座金を取り付けた状態の斜視図
【図3】(A)は座金を取り付けたアンカーの一部切り欠き斜視図、(B)は同縦断側面図
【図4】(A)は壁面材の下孔にアンカーの締結部材を挿入した状態の横断面図、(B)は同壁面材の裏面側に位置した締結部材をグリップ部材内に引き込んだ状態の横断面図
【図5】(A)は図3(B)に該当する断面図、(B)はグリップ部材内に締結部材を引き込む途中を示す断面図、(C)はグリップ部材内に締結部材を完全に引き込んだ状態の断面図
【図6】グリップ部材内に締結部材を完全に引き込んだ状態の横断面図
【図7】グリップ部材内に締結部材を完全に引き込んだ後の紐体の切断工程を示す横断面図
【図8】器具の締結完了状態を示す横断面図
【図9】第2の再取り付け方法における座金の取り付け途中を示す斜視図
【図10】(A)は座金の正面図、(B)は座金の側面図、(C)は座金の背面図、(D)は座金の斜視図
【符号の説明】
1 アンカー
2 締結部材
3 紐状部材
3a 紐体
4 グリップ部材
5 平坦面
6 孔
7 紐挿通孔
8 突軸部
9 突条
11 頭部
12 ビスの挿通孔
14 挟持片
15 係合爪
16 回り止め突起
17 紐挿通孔
18 凹部
19 凹段部
20 係合面
21 座金
22 挿通孔
23 差し込み用切れ目
24 食い込み片
25 切り欠き部
Claims (2)
- 雄ねじを受容する孔が設けられた締結部材と、この締結部材の孔を挟む両側の位置に取り付けられ、該締結部材の一面側に引き出された紐状部材と、この紐状部材に移動自在となるよう取り付けるグリップ部材とからなり、
前記グリップ部材が、締結具の挿通孔を有する頭部の一面側に一対の挟持片を、締結部材に対して幅方向に外嵌する間隔で対向するよう突設し、両挟持片の対向面に締結部材への外嵌状態で該締結部材に対して抜け止め方向に係合する係合爪を設けて形成され、壁面又は天井面に設けた取り付け孔に差し込んだ締結部材を壁面又は天井面の裏面側に位置させ、紐状部材の引っ張りによる壁面又は天井面の裏面への締結部材の当接と、座金の挿通孔から破損した取り付け孔へのグリップ部材の押し込みにより、グリップ部材の両挟持片を締結部材に係合させ、締結部材の孔に締結具をねじ込むことによって壁面又は天井面の外面に器具を固定するアンカーと、
上記グリップ部材の頭部よりも大径の外径を有し、頭部よりも小径となる両挟持片の挿通孔が設けられ、一面側に壁面又は天井面への食い込み片を突設した座金を用い、
壁面又は天井面の外面で破損した取り付け孔の部分に座金を当てがった状態で、この座金の挿通孔から差し込んだ締結部材を壁面又は天井面の裏面側に位置させ、次に、紐状部材の引っ張りによる壁面又は天井面の裏面への締結部材の当接と、座金の挿通孔から破損した取り付け孔へのグリップ部材の押し込みにより、グリップ部材の両挟持片を締結部材に係合させ、このとき、グリップ部材の頭部を座金で受けることにより、グリップ部材が破損した取り付け孔内に落ち込むのを防ぐようにすることを特徴とする取り付け孔が破損した壁面又は天井面に対する器具の再取り付け方法。 - 雄ねじを受容する孔が設けられた締結部材と、この締結部材の孔を挟む両側の位置に取り付けられ、該締結部材の一面側に引き出された紐状部材と、この紐状部材に移動自在となるよう取り付けるグリップ部材とからなり、
前記グリップ部材が、締結具の挿通孔を有する頭部の一面側に一対の挟持片を、締結部材に対して幅方向に外嵌する間隔で対向するよう突設し、両挟持片の対向面に締結部材への外嵌状態で該締結部材に対して抜け止め方向に係合する係合爪を設けて形成され、壁面又は天井面に設けた取り付け孔に差し込んだ締結部材を壁面又は天井面の裏面側に位置させ、紐状部材の引っ張りによる壁面又は天井面の裏面への締結部材の当接と、座金の挿通孔から破損した取り付け孔へのグリップ部材の押し込みにより、グリップ部材の両挟持片を締結部材に係合させ、締結部材の孔に締結具をねじ込むことによって壁面又は天井面の外面に器具を固定するアンカーと、
上記グリップ部材の頭部よりも大径の外径を有し、頭部よりも小径となる両挟持片の挿通孔と、外周から挿通孔に達する紐状部材への差し込み用切れ目とが設けられ、一面側に壁面又は天井面への食い込み片を突設した座金を用い、
前記座金を紐状部材に切れ目から差し込んでグリップ部材の両挟持片に外嵌挿し、壁面又は天井面の外面で破損した取り付け孔から差し込んだ締結部材を壁面又は天井面の裏面側に位置させ、次に、壁面又は天井面の外面から破損した取り付け孔にグリップ部材を挿入し、この後、紐状部材の引っ張りによる壁面又は天井面の裏面への締結部材の当接と、座金の挿通孔から破損した取り付け孔へのグリップ部材の押し込みにより、グリップ部材の両挟持片を締結部材に係合させ、このとき、グリップ部材の頭部を壁面又は天井面の外面に当接した座金で受けることにより、グリップ部材が破損した取り付け孔内に落ち込むのを防ぐようにすることを特徴とする取り付け孔が破損した壁面又は天井面に対する器具の再取り付け方法。
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JP2000292452A JP4199910B2 (ja) | 2000-09-26 | 2000-09-26 | 取り付け孔が破損した壁面又は天井面に対する器具の再取り付け方法 |
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JP2000292452A JP4199910B2 (ja) | 2000-09-26 | 2000-09-26 | 取り付け孔が破損した壁面又は天井面に対する器具の再取り付け方法 |
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