JP4199847B2 - 弾性表面波デバイス及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、相異なる複数の周波数帯域にて通信サービスを提供するためのマルチバンド通信装置に関し、特にその無線周波数回路において用いられる弾性表面波(SAW)デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】
通信機器の無線周波数(RF)回路においては各種のSAWフィルタが用いられている。SAWフィルタは、圧電性を有する基板例えばニオブ酸リチウムや水晶等の基板上に、アルミニウム等の素材によってすだれ状のパターン電極を形成した構造を有している。パターン電極には、入力される信号を電気音響変換して弾性表面波を発生させる入力電極、弾性表面波を音響電気変換して信号を出力する出力電極、弾性表面波を反射する反射電極等があり、これらのパターン電極を構成する指状の電極(電極指)の間隔はそのSAWフィルタに要求される中心周波数に応じて定められる。SAWフィルタにおいては、入力電極に電気信号を印加することによって基板表面を励振して弾性表面波を発生させ、出力電極によってこの弾性表面波を受波して電気信号を取り出す、という一連の信号伝搬により、その電極指間隔に応じて定まる通過域に属する周波数の信号のみを通過させる。
【0003】
パターン電極の最適な膜厚即ち最も良好なフィルタ特性を提供できる膜厚は、そのSAWフィルタの中心周波数や基板の材質等により、異なる厚みになる。また、パターン電極を基板表面に形成する工程としては、例えば、基板上にアルミニウム等の導体を蒸着する工程等が用いられる。従って、単一の基板上に1個のSAWフィルタを形成するときには、そのSAWフィルタの中心周波数に応じた膜厚のパターン電極を形成できるよう、蒸着膜厚を決め、それに従い蒸着工程を実施すればよい。また、単一の基板上に複数のSAWフィルタを並べて形成するときでも、それらのSAWフィルタの中心周波数がさほど相違していないのであれば、いずれか1個のSAWフィルタの中心周波数に応じて蒸着膜厚を決めるか、或いは当該複数のSAWフィルタの中心周波数の中間に位置する周波数に応じて蒸着膜厚を決めるようにすれば、問題となるような特性の劣化は生じない。この点については、「デュアルバンド携帯電話用SAWフィルタ」(谷津田他、電子情報通信学会総合大会、1997年春、第289頁)を参照されたい。この文献では、旧アナログ帯域とディジタル帯域とを同時に使用する携帯電話に適するSAWデバイスとして、その中心周波数が880MHzのSAWフィルタと820MHzのSAWフィルタとを単一の基板上に形成したデバイスが、示されている。
【0004】
しかしながら、その中心周波数が著しく異なる複数のSAWフィルタを単一の基板上に形成することは、特性劣化の面で、従来は困難であった。即ち、仮にこれら複数のSAWフィルタの中心周波数の中間に位置する周波数に応じて蒸着膜厚(より一般的に表現すれば、パターン電極として用いられる導電膜の膜厚)を定めたとしても、当該中間に位置する周波数に基づき定めた膜厚と、各SAWフィルタにとっての最適膜厚との間に、無視し得ない差があるため、挿入損失等の特性が最適膜厚時に比べ悪くなってしまう。そのため、従来は、各SAWフィルタを個々別々のチップとして製造し、それらを個々別々の部品として使用するか、さもなくば単一のケース内にそれらを収納して単一の部品として使用するか、いずれかの手法が用いられていた。
【0005】
【発明の概要】
本発明の目的の一つは、単一のチップに複数のSAWフィルタを形成することによって、複数の周波数帯域にて通信サービスを提供するマルチバンド通信装置、特にそのRF回路の小型化及び低コスト化を促進することにある。本発明の目的の一つは、単一のチップに複数のSAWフィルタを形成することによって、従来型のケース構造に比べコスト低減や小型化に有利なフリップチップ実装構造を使用可能にし、ひいてはRF回路の小型化及び低コスト化を促進することにある。本発明の目的の一つは、その中心周波数が著しく異なる複数のSAWフィルタを単一の基板上に形成するに際して、特性の劣化が生じないようにすることにある。本発明の目的の一つは、特性劣化なしに単一のチップに複数のSAWフィルタを形成できるという本発明の特徴に着目し、マルチバンドフィルタ、分波器等、多種多様な伝送回路網を良好な特性で実現することにある。本発明の目的の一つは、その中心周波数が著しく異なる複数のSAWフィルタを単一の基板上に形成する工程やこれに付随する工程を簡素化及び工夫し、更に低コストにて良好な特性の弾性表面波デバイスを実現することにある。
このような目的を実現するために、本発明に係る弾性表面波デバイスは、圧電性を有する基板と、この基板の面上の部位に形成され第1の弾性表面波フィルタの電極として用いられる第1のパターン電極と、上記面上の上記第1のパターン電極とは異なる部位に形成され第2の弾性表面波フィルタの電極として用いられる第2のパターン電極と、を備え、第1の中心周波数を有する上記第1の弾性表面波フィルタ及びこの第1の弾性表面波フィルタに比べその中心周波数が低い第2の中心周波数を有する第2の弾性表面波フィルタを、上記基板の同一の面上に形成した構造を有する弾性表面波デバイスにおいて、同一中心周波数で比較したときの波長に対する最適膜厚が相異なる複数種類の電極パターン構造のうち最適膜厚が大きい、複数の共振子電極をラダー接続したラダー型と、同一中心周波数で比較したときの波長に対する最適膜厚が相異なる上記複数種類の電極パターン構造のうち最適膜厚が中間となる、中央の電極指について電極構造が対称となるよう3個の共振子を配置した縦結合二重モード型と、 同一中心周波数で比較したときの波長に対する最適膜厚が相異なる上記複数種類の電極パターン構造のうち最適膜厚が小さい、複数の入力電極及び出力電極を交互に配置した多電極型と、を実現すべき2個の弾性表面波フィルタの第1の中心周波数と第2の中心周波数の比に応じて、第1のパターン電極の構造及び第2のパターン電極の構造を、中心周波数が高い第1の弾性表面波フィルタをラダー型、中心周波数の低い第2の弾性表面波フィルタを縦結合二重モード型、又は、第1の弾性表面波フィルタを縦結合二重モード型、第2の弾性表面波フィルタを多電極型として配置し、膜厚を緩和させることを特徴とする。
また、本発明に係る弾性表面波デバイスの製造方法は、それぞれ第1又は第2の弾性表面波フィルタの電極として使用される第1及び第2のパターン電極各々のパターンを決定し、決定したパターンに従って当該第1及び第2のパターン電極を形成することにより、第1の中心周波数を有する上記第1の弾性表面波フィルタ及びこの第1の弾性表面波フィルタに比べその中心周波数が低い第2の中心周波数を有する上記第2の弾性表面波フィルタを、圧電性を有する基板の同一の面上の互いに異なる部位に形成する弾性表面波デバイスの製造方法において、同一中心周波数で比較したときの波長に対する最適膜厚が相異なる複数種類の電極パターン構造のうち最適膜厚が大きい、複数の共振子電極をラダー接続したラダー型と、同一中心周波数で比較したときの波長に対する最適膜厚が相異なる上記複数種類の電極パターン構造のうち最適膜厚が中間となる、中央の電極指について電極構造が対称となるよう3個の共振子を配置した縦結合二重モード型と、同一中心周波数で比較したときの波長に対する最適膜厚が相異なる上記複数種類の電極パターン構造のうち最適膜厚が小さい、複数の入力電極及び出力電極を交互に配置した多電極型と、を実現すべき2個の弾性表面波フィルタの第1の中心周波数と第2の中心周波数の比に応じて、第1のパターン電極の構造及び第2のパターン電極の構造を、上記第1のパターン電極を形成すべく1回目のリフトオフ手順を実行した後、この1回目のリフトオフ手順にて形成された導電膜を少なくとも部分的に覆うようフォトレジスト膜を形成して、上記第2のパターン電極を形成すべく2回目のリフトオフ手順を実行することにより、中心周波数が高い第1の弾性表面波フィルタをラダー型、中心周波数の低い第2の弾性表面波フィルタを縦結合二重モード型、又は、第1の弾性表面波フィルタを縦結合二重モード型、第2の弾性表面波フィルタを多電極型として形成することを特徴とする。
【0006】
本発明に係るSAWデバイスは、第1及び第2のSAWフィルタを単一の基板の同一の面上に形成した構造を有するSAWデバイスであり、圧電性を有する基板、第1のSAWフィルタの電極として用いられる第1のパターン電極、及び第2のSAWフィルタの電極として用いられる第2のパターン電極を備えている。第1及び第2のパターン電極は、単一の基板の所定の面上の相異なる部位に形成されている。また、第1のSAWフィルタと第2のSAWフィルタはその中心周波数が異なるフィルタであり、ここでは、説明の便宜上、第1のSAWフィルタの中心周波数よりも第2のSAWフィルタの中心周波数の方が低いものとする。
【0007】
本発明の第1の構成に係るSAWデバイスにおいては、第1及び第2のパターン電極の構造が、互いに異なる構造とされる。即ち、SAWフィルタには、基板表面の電極による弾性表面波の反射を積極的に利用するタイプがあり、このタイプのSAWフィルタを実現する際には、パターン電極を構成する電極指による反射を比較的強くすべく、パターン電極に係る導電膜を比較的厚くする。言い換えれば、このタイプのSAWフィルタにおけるパターン電極の最適膜厚は比較的大きい。逆に、SAWフィルタには、基板表面の電極による弾性表面波の反射をそれほど積極的には利用しないタイプもある。このタイプのSAWフィルタにおけるパターン電極の最適膜厚は比較的小さい。本発明の第1の構成においては、SAWフィルタのタイプによる最適膜厚の相違を利用すべく、同一中心周波数で比較したときの最適膜厚が相異なる複数種類の電極パターン構造のうち比較的最適膜厚が大きくなる電極パターン構造を、第1のパターン電極の構造として採用し、比較的最適膜厚が小さくなる電極パターン構造を、第2のパターン電極の構造として採用している。
【0008】
従って、本発明の第1の構成によれば、実現すべきSAWフィルタの中心周波数の差に起因して第1及び第2のパターン電極間に生じる最適膜厚の差が、少なくとも部分的には、電極パターン構造の差に起因する最適膜厚の差により、補われる。即ち、その中心周波数が著しく相違する第1及び第2のSAWフィルタを単一の基板上で即ち単一のチップで実現するとき、従来であれば中心周波数の差が遠因となって生じていた特性の劣化を、本発明の第1の構成においては解消乃至低減できる。更に、このように顕著な特性劣化なしで、単一のチップ上に複数のSAWフィルタを作成できるため、マルチバンド通信装置特にそのRF回路を構成する際のコストを低減でき、またRF回路を小型化できる。
【0009】
加えて、SAWフィルタとしては、複数の共振子電極をラダー接続したラダー構造のパターン電極を用いるタイプ、中央の電極指について電極構造が対称となるよう3個の共振子を配置した縦結合二重モード構造のパターン電極を用いるタイプ、複数の入力電極及び出力電極を交互に配置した多電極構造のパターン電極を用いるタイプ等があり、本発明の第1の構成を実現する際には、第1及び第2のパターン電極として使用する構造を、実現すべきSAWフィルタの中心周波数に応じてこれらの中から選択すればよい。例えば、第1のパターン電極の構造をラダー構造とするのであれば、第2のパターン電極の構造は、ラダー構造に比べ最適膜厚が小さくなる縦結合二重モード構造又は多電極構造とし、第1のパターン電極の構造を縦結合二重モード構造とするのであれば、第2のパターン電極の構造を、多電極構造とすればよい。なお、これ以外のタイプのパターン電極構造をも選択の対象とすることができる。
【0010】
また、本発明の第1の構成によれば、第1のパターン電極と第2のパターン電極とを単一のプロセスにて一括して形成できる。また、単一のプロセスにて一括して形成できるよう、第1及び第2のパターン電極の構造を選択するのが望ましい。しかしながら、本発明は、第1のパターン電極と第2のパターン電極とを単一のプロセスにて一括して形成する構成に、限定されるものではない。例えば、第1及び第2のSAWフィルタの中心周波数の値次第では、中心周波数の差によって第1及び第2のパターン電極の最適膜厚の間に生じる差が電極パターン構造の設定により全て補われるのではなく、その一部だけが補われるにとどまることがあり得る。そのような場合には、第1及び第2のパターン電極の一部を1回目のリフトオフ手順にて形成し、残りを2回目のリフトオフ手順にて形成する、という手法を用いればよい。
【0011】
更に、厚さの異なる導電膜を同一基板の同一面上の相異なる部位にリフトオフにて形成する手法を、本発明の第2の構成として把握することができる。即ち、本発明の第2の構成は、第1のパターン電極を形成すべく1回目のリフトオフ手順を実行した後、この1回目のリフトオフ手順にて形成された導電膜を少なくとも部分的に覆うようフォトレジスト膜を形成して、第2のパターン電極を形成すべく2回目のリフトオフ手順を実行することにより、互いに異なる中心周波数を有する第1及び第2のSAWフィルタの電極を、いずれもその中心周波数に応じた最適膜厚又はこれに近い膜厚にすることを特徴とする。
【0012】
本構成によれば、第1の構成と同様、特性の劣化を伴うことなく、単一のチップに複数のSAWフィルタを形成することができ、従ってマルチバンド通信装置のRF回路の小型化及び低コスト化を促進することができる。また、実現すべき複数のSAWフィルタのうちその中心周波数が高い方を第1のSAWフィルタ即ち1回目のリフトオフ手順でそのパターン電極が形成されるSAWフィルタとし、低い方を第2のSAWフィルタとするのが望ましい。そのようにすれば、1回目のリフトオフ手順が終了した後2回目のリフトオフ手順を実施するに際して、既に基板上に形成済の第1のパターン電極の厚み即ち段差が、フォトレジスト塗布工程の際に支障になりにくくなる。
【0013】
更に、本発明の第1及び第2の構成に共通する他の利点としては、フリップチップ実装が可能である、という利点がある。フリップチップ実装は、例えば“Miniaturized SAW Filters Using a Flip-Chip Technique”,YATSUDA et al.,IEEE Trans. Ultrasonics. vol 43.,No.1, January 1996等に記載されている手法である。この手法では、チップ寸法よりわずかに大きい開口を有する凹部をケースに設けておき、更にこの凹部の内底面に導体のパッドを形成しておく一方で、チップ側には金等のバンプを配置しておく。更に、パターン電極形成面をケース側パッドに向けて、チップをケース凹部に収納し、熱、圧力、超音波等を印加してバンプを介した導電接続を形成する。この手法によれば、その寸法を従来のケース構造(ワイヤボンディングを伴うもの)に比べ小型化できると共に、ケース側のパッドの配置及び形状を第1及び第2の電極パターンの配置及び形状に応じ定めておくことで、チップをケースに組み込む工程が簡素化される等の効果が得られる。本発明に係るSAWデバイスとの関連では、更に、第1及び第2のSAWフィルタの入力端同士及び/又は出力端同士を、ケースの凹部の内底面に形成されているパッドにより、接続することが可能であるため、入力端同士及び/又は出力端同士を接続するための電極をチップ上に形成する必要がなくなる。従って、チップ上の電極配置が比較的単純になると共に、ケース側の設計特にパッド配置の設計で、あるチップをマルチバンドフィルタとして用いるのかそれとも分波器として用いるのかを決めることが可能になり、チップ供給面での柔軟性が高まる。
【0014】
本発明には、更に、第1のSAWフィルタを外部回路と接続するための導体のパッド及び第2のSAWフィルタを外部回路と接続するための導体のパッドを、基板上に一括して形成でき、従って、第1及び第2のSAWフィルタを別のチップ上に形成する従来技術に比べ、製造コストを低減できる、という利点がある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態に関し図面に基づき説明する。
【0016】
図1に、本発明に係るSAWデバイスを使用できるマルチバンド通信装置の例として、携帯型の電話関連機器の一般的構成を示す。この図に示す装置は、アンテナ10を介して受信したRFの信号に増幅、周波数変換、復調等の処理を施してベースバンド処理回路14に供給し、またベースバンド処理回路14からのベースバンドの信号に変調、周波数変換、増幅等の処理を施しアンテナ10からRFの信号を無線送信するRF回路12を、備えている。制御部16は、操作部例えばキーパッド18を介し使用者が与える指示に応じ、RF回路12及びベースバンド処理回路14における処理、表示部例えばLCD20における画面表示等を制御する。図中、22及び24は送話器及び受話器であるが、他種の信号入出力デバイスが用いられることもある。
【0017】
更に、RF回路12内には、本発明の一実施形態に係るSAWデバイス26が設けられている。SAWデバイス26は、アンテナ10によって送信される信号及び/又は受信された信号を濾波し、所定の周波数帯域に属する信号のみを取り出す。SAWデバイス26を、単一の通過帯域を有するBPFとして構成してもよいが、本実施形態では、マルチバンド通信機器での使用を考え、例えば図2(a)に示すように1入力2出力型の分波器又はアンテナ共用器とし、或いは図2(b)に示すように1入力1出力型で複数の通過帯域を有するマルチバンドフィルタとする。図2中のSAWフィルタ28の中心周波数f01とSAWフィルタ30の中心周波数f02は異なっており、ここでは、以下の説明の明瞭化のためf01>f02なる関係があるものとしている。
【0018】
本実施形態の特徴の一つは、これら2個のSAWフィルタ28及び30に係るパターン電極を単一のチップ(基板)上に形成したことにある。図3に、本実施形態におけるチップ上でのパターン電極配置を示す。本実施形態で使用している基板32は、例えば、64度回転yカットx伝搬LiNbO3基板であり、そのパターン電極形成面34上には、SAWフィルタ28及び30を構成するパターン電極が形成されている。
【0019】
SAWフィルタ28即ち中心周波数が高い方のSAWフィルタのパターン電極は、入力電極36、2個の出力電極38、3個の接地電極40及び2個の反射電極42を有している。これらの電極はいずれも複数の電極指を有しており、その間隔は中心周波数f01、基板32の材質等により定まっている。入力電極36及び出力電極38は、いずれも、接地電極40と組でかつその電極指が指交差状の位置関係となるよう配置形成されたすだれ状の電極である。出力電極38同士及び接地電極40同士は、互いに、接続電極44又は46を介して接続されている。入力電極36及びこれと対をなす接地電極40は中央に位置しており、出力電極38及びこれと対をなす接地電極40は図中その左右に配置されている。反射電極42は更にその外側に配置されている。更に、入力電極36、出力電極38及びこれらと対をなす接地電極40の電極指の配置は、入力電極36の中央の電極指に対して対称となっている。このSAWフィルタ28は、例えば“Wideband Low Loss Double Mode SAW Filters”,MORITA et al.,Proc. of 1992 IEEE Ultrasonic Symposium,Oct.20-23,1992,pp.95-104に記載されている縦結合二重モードフィルタとなる。
【0020】
他方、SAWフィルタ30即ち中心周波数が低い方のパターン電極は、3個の入力電極48、2個の出力電極50、5個の接地電極52及び2個の反射電極54を有している。これらの電極はいずれも複数の電極指を有しており、その間隔は中心周波数f02、基板32の材質等により定まっている。入力電極48及び出力電極50は、いずれも、接地電極52と組でかつその電極指が指交差状の位置関係となるよう配置形成されたすだれ状の電極である。入力電極48同士及び出力電極50同士は、互いに、接続電極56又は58を介して接続されている。入力電極48及びこれと対をなす接地電極52と、出力電極50及びこれと対をなす接地電極52は、図中左右方向に沿って交互に配置されている。反射電極54はその外側に配置されている。このSAWフィルタ28は、5個の(より一般には多数の)入力電極・出力電極を交互に配置したいわゆる多電極型のフィルタとなる。
【0021】
この基板(チップ)32は、図4(a)に示すように、ケース60に収納される。即ち、チップ32は、パターン電極形成面34を図中上に向けた状態でケース60内に収納され、接着剤62により固定される。次に、ケース60内に予め形成されている導体のパッド64と、パターン電極形成面34上の対応する電極とが、ワイヤボンディングにより接続される。パッド64は、図示しない導体によってケース外面の接続端子(図示せず)に接続されている。また、図中、符号66で表されているのはパターン電極形成面34上の電極(入力、出力及び接地のいずれかの電極又はこれにつながる接続電極乃至パッド)であり、符号68で表されているのはボンディングワイヤである。そして、ケース60内部に関する工程を終えた後、カバー(リッド)70によってケース60の開口部をふさぐ。
【0022】
このように、本実施形態においては、単一のチップ32上に2個のSAWフィルタ28及び30のパターン電極を形成し、このチップをケース60に収納することにより、SAWフィルタ28及び30を収納した1個のSAWデバイス26を実現しているため、互いに別体の部品として構成された2個のSAWフィルタを用いる従来技術に比べ、RF回路12を構成する部品の点数が減り、また集積度が高まる結果RF回路12を小型化可能になる。
【0023】
また、2個のチップを単一のケースに収納する従来技術では、図4(b)に比較例として示したデバイスが得られる。この比較例では、接着剤62を使用して2個のチップ72を固定していることと関連して、2個のパターン電極形成面74のクリアランスが得られにくく、従ってワイヤボンディングに難しさが生じる。本実施形態では、チップ32が1個であるため、クリアランスが不要であり、ワイヤボンディングが比較例より容易で信頼性が高くなる。更に、パターン電極形成面34上の電極配置次第では、ワイヤボンディング箇所を減らしてボンディング工程を簡略化し、ボンディングワイヤ64の消費量を抑えることができる。加えて、チップ接着も1回でよい。更には、パターン電極のうちワイヤボンディングされる部位は他の部位より厚くする必要があり、そのため別途蒸着等を行う必要があるが、本実施形態では2個のSAWフィルタ28及び30を提供しているにもかかわらずワイヤボンディング箇所形成のための蒸着等の工程は1回実施するだけででよい。なお、この点は、フリップチップ実装型の実施形態(後述)におけるバンプ接続用のパッドでも同様である。
【0024】
更に、本実施形態では、SAWフィルタ28に係るパターン電極の構造を縦結合二重モード型の構造とし、SAWフィルタ30に係るパターン電極の構造を多電極型としている。これは、パターン電極を形成する導電膜の最適膜厚が、中心周波数のみならず、パターン電極の構造特に反射波の利用の程度により異なることに、着目したものである。
【0025】
例えば、日本のPDC(Personal Digital Cellular)にて使用する携帯機のように、800MHz帯と1500MHz帯で通信サービスを受けるためのマルチバンド通信機器を考える。この種の機器では、800MHz帯に中心周波数を有するフィルタと、1500MHz帯に中心周波数を有するフィルタが、必要である。他方、64度回転yカットx伝搬LiNbO3基板を使用する場合、縦結合二重モードSAWフィルタにおける最適膜厚は前掲のMORITA et al.論文によれば弾性表面波の波長の4%程度である。多電極型SAWフィルタにおける最適膜厚は、発明者の知見によれば、縦結合二重モードSAWフィルタにおける最適膜厚の1/2程度になる。従って、中心周波数が1500MHz帯に属するフィルタを縦結合二重モードSAWフィルタとして実現するときのパターン電極の最適膜厚と、中心周波数が800MHz帯(1500MHz帯の約2倍の波長域)に属するフィルタを多電極型SAWフィルタとして実現するときのパターン電極の最適膜厚は、ほぼ、等しくなる。そこで、図3に示した例では、中心周波数f01=1500MHz帯のSAWフィルタ28を縦結合二重モードSAWフィルタとし、中心周波数f02=800MHz帯のSAWフィルタ30を多電極型SAWフィルタとし、膜厚を125nm(周波数f01における波長の約4.7%即ち周波数f02における波長の約2.5%)にしている。
【0026】
このように、中心周波数の差によって生じるであろう最適膜厚の差を、パターン電極の設定によって補うことによって、基板32のパターン電極形成面34上に蒸着等で形成する導電膜の膜厚がSAWフィルタ28及び30のいずれにとってもほぼ最適膜厚となるよう、パターン電極に係る導電膜の膜厚を決められるようにしているため、本実施形態によれば、その中心周波数が顕著に異なる2個のSAWフィルタ28及び30を、最適膜厚からのずれが原因となった特性の劣化なしで、単一のチップ32上に実現できる。また、フォトリソグラフィ、蒸着等、導電膜の形成に関連する工程を、弾性表面波の送受波に関わる電極の形成については、1回実施するだけでよい。
【0027】
また、パターン電極の構造による最適膜厚の相違は、専ら、その電極構造において反射波をどの程度積極的に利用しているかによる。例えば、36〜40度近辺のxカットy伝搬LiTaO3基板を用いている場合、電極による弾性表面波の反射を積極的に利用するラダー型の電極構造では中心波長の8〜10%が最適膜厚となり、縦結合二重モードでは中心波長の5〜7%が最適膜厚となり、多電極型では中心波長の2.5〜3%が最適膜厚となる。従って、本発明を実施する際には、実現すべき2個の(より一般には複数の)SAWフィルタの中心周波数の比に応じて、各種の構造の中から使用する構造の組合せを決めるようにすればよく、上述のような縦結合二重モードと多電極型の組合せには限られない。例えば、実現すべき2個のSAWフィルタの中心周波数の比が約4であるなら、中心周波数が高い方のSAWフィルタはラダー型、低い方のSAWフィルタは多電極型にする。また、約2であるなら、中心周波数が高い方のSAWフィルタをラダー型にし低い方のSAWフィルタを縦結合二重モードにするか、高い方を縦結合二重モードにして低い方を多電極型にするか、いずれかにする。
【0028】
図5に、本発明の第2実施形態におけるパターン電極の配置を示す。この実施形態では、図3に示した第1実施形態に、更にパッド76及び78並びに接続電極80が付加されている。パッド76はパターン電極形成面34の四隅に設けられており、それぞれ、SAWフィルタ28の入力電極36、SAWフィルタ28の出力電極38、SAWフィルタ30の入力電極48及びSAWフィルタ30の出力電極50に、接続電極80、44、56又は58を介して接続されている。パッド78は、各接地電極40及び52に設けられている。接続電極46は廃止されている。
【0029】
この実施形態は、ケース構造として図4(c)に示す構造を用いるとき、即ちフリップチップ実装をするときに、適する実施形態である。チップ32が収納されるケース82には、予め、図4(c)に示すようにその凹部の内底面84に導体のパッド85が形成されている。ケース82は、図6に示すように、内底面の四隅に設けられたパッド86と、パッド86及び絶縁用間隙88の形成部位以外の部位を覆うよう設けられたパッド90から、構成されている。ケース82にチップ32を収納する際には、まず、チップ32上のパッド76及び78上に金等のバンプ92を配置しておき、図4(c)に示すようにパターン電極形成面34を内底面84に向け、ケース82の側壁94の内面96をガイドとして、チップ32をケース82内に落とし込む。その上で、熱、圧力、超音波等を印加してバンプ92による導電接続及び機械的固定を形成し、更にカバー98によりケース82の開口部をふさぐ。
【0030】
このように、複数のSAWフィルタ28及び30を実現しているにもかかわらず、本実施形態によれば、フリップチップ実装を行うことができ、デバイスの小型化及び低価格化を実現できる。即ち、1個のケース内に複数のチップを収納する従来技術では、側壁94の内面96をガイドとしてチップ32を落とし込むという手法を用いるとチップ側パッド対ケース側パッドの相対位置精度が十分にならないが、予めバンプ92が配置されている1個のチップ32を1個のケース内に収納するのであれば、側壁94の内面96をガイドとしてチップ32を落とし込むという簡便な(しかし誤差も発生しやすい)手法を用いても、正確に、チップ側パッド対ケース側パッドの接続を実現できる。更に、図2(a)に示した分波器や図2(b)に示したマルチバンドフィルタを実現するには2個のSAWフィルタ28及び30の入力端同士及び/又は出力端同士を接続しなければならないが、本実施形態によれば、この接続を、ケース82の内底面84上の導体配置を適宜設計するという手法で、即ちチップ32上の電極配置を変更したりワイヤボンディング箇所を変更したりデバイスの外部接続端子を外部で接続したりすることなく、実現できる。即ち、同じ電極設計のチップを、ケースを交換するのみで、ある場合には分波器用に用い、他の場合にはマルチバンドフィルタ用に用いる、といった利用形態も可能になる。また、ケース82の内底面84と、チップ32のパターン電極形成面34との間に、入力端同士及び/又は出力端同士の接続のための介在基板を1枚追加するようにすれば、この介在基板の交換のみで即ちチップ32やケース82の設計変更なしで、分波器にするかそれともマルチバンドフィルタにするかを切り換えられる。
【0031】
図7に、本発明の第3実施形態における電極配置を示す。この実施形態におけるSAWフィルタ28は、第1実施形態におけるそれと同様のパターン電極を有する縦結合二重モードSAWフィルタである。他方、この実施形態におけるSAWフィルタ30は、第1実施形態における他電極型のSAWフィルタではなく、縦結合二重モードSAWフィルタである。この図の電極パターンは、図8に示す手順によって、SAWフィルタ28に係るパターン電極の膜厚が周波数f01における最適膜厚となり、またSAWフィルタ30に係るパターン電極の膜厚が周波数f02における最適膜厚となるよう、形成されている。
【0032】
図8に示す手順はリフトオフプロセスを用いる手順である。即ち、まず、(1)従来通り、3インチあるいは4インチの基板32を準備し、(2)この基板32の上にフォトレジスト膜100を形成し、(3)SAWフィルタ28用のパターンに係るマスク104を用いてフォトレジスト膜100を感光させ、(4)これを現像してパターンを形成し、(5)そしてアルミニウム等の導体の蒸着及びフォトレジスト膜100の剥離処理を行うことにより、SAWフィルタ28に係るパターン電極106を形成する(a)。次に、形成したパターン電極106をフォトレジスト膜108により覆いまたSAWフィルタ30用のパターンに係るマスクを用いて、SAWフィルタ30に係るパターン電極110を形成する(b)。このような処理を実行することにより、厚さが異なる2種類のパターン電極106及び110を形成できる。そして、ワイヤボンディング用のパッドの形成やケースへの実装を行う(c)。
【0033】
これにより、中心周波数が顕著に離れた2個のSAWフィルタ28及び30(より一般には複数のSAWフィルタ)を、単一の基板(チップ)上で、かつ最適膜厚にて、実現できる。従って、前述の各実施形態において得られた効果のうち、SAWフィルタ28及び30を単一のチップ32上で実現したことやいずれも最適膜厚で実現したことによる効果は、本実施形態でも得ることができる。更に、前述の各実施形態では、パターン電極の構造を選択するという手法を用いていたため、実現すべきSAWフィルタの中心周波数の組合せによっては膜厚の最適化が困難になる場合があるが、本実施形態ではそのような不具合は生じない。なお、本実施形態、特に図8に示した手法を、第1又は第2実施形態と組み合わせること、即ちパターン電極の構造の選択では補いきれなかった膜厚の差を図8に示した手順により埋めることも、可能である。
【0034】
また、パターン電極106の厚さt1とパターン電極110の厚さt2は差がある。本実施形態では、中心周波数が高く従って厚さを薄くできるパターン電極106を、パターン電極110より先に、形成しているため、フォトレジスト膜108を塗布により形成するとき段差による支障が発生しにくい。
【0035】
図9に、本発明の第4実施形態における電極配置を示す。この実施形態では、第3実施形態と同様SAWフィルタ28及び30をいずれも縦結合二重モードフィルタとしている。この実施形態では、更に、第2実施形態と同様バンプ接続のためのパッドを設けフリップチップ実装に適する構造を提供している。
【0036】
なお、本発明を実施する際に、SAWフィルタ28及び30を電気的に接続せず、2入力2出力型のデバイスとしてもよい。また、3個以上のSAWフィルタを単一チップ上に形成してもよい。また、800MHz帯と1500MHz帯の例を示したが、本発明は、1900MHz帯、2000MHz帯等と他の周波数帯域との組合せにも、適用できる。更に、最適膜厚は基板(素材、カット等)によっても異なる。本発明は、基板の素材やカット等の如何によらず、適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るSAWデバイスが使用される装置の一例を示すブロック図である。
【図2】 本発明に係るSAWデバイスの内部構成の例を機能的に示す図であり、(a)は分波器又はアンテナ共用器として用いうる1入力2出力型の構成を、(b)はマルチバンドフィルタとして用いうる1入力1出力型の構成を、それぞれ示す図である。
【図3】 本発明の第1実施形態における電極配置を示す平面図である。
【図4】 ケース構造を示す縦断面図であり、(a)はワイヤボンディングを行う実施形態を、(b)はワイヤボンディングを行う従来技術を、(c)はフリップチップ実装を行う実施形態を、それぞれ示す図である。
【図5】 本発明の第2実施形態における電極配置を示す平面図である。
【図6】 フリップチップ実装用のケースにおけるパッド配置を示す上面図である。
【図7】 本発明の第3実施形態における電極配置を示す平面図である。
【図8】 リフトオフプロセスを用いた製造工程を示す図であり、(a)は1回目のリフトオフを、(b)は2回目のリフトオフを、(c)はパッド形成及びケース実装をそれぞれ示す図である。
【図9】 本発明の第4実施形態における電極配置を示す平面図である。
【符号の説明】
26 SAWデバイス、28,30 SAWフィルタ、32 基板、34 パターン電極形成面、36,48 入力電極、38,50 出力電極、40,60接地電極、76,78 パッド、f01,f02 中心周波数。
Claims (2)
- 圧電性を有する基板と、この基板の面上の部位に形成され第1の弾性表面波フィルタの電極として用いられる第1のパターン電極と、上記面上の上記第1のパターン電極とは異なる部位に形成され第2の弾性表面波フィルタの電極として用いられる第2のパターン電極と、を備え、第1の中心周波数を有する上記第1の弾性表面波フィルタ及びこの第1の弾性表面波フィルタに比べその中心周波数が低い第2の中心周波数を有する第2の弾性表面波フィルタを、上記基板の同一の面上に形成した構造を有する弾性表面波デバイスにおいて、
同一中心周波数で比較したときの波長に対する最適膜厚が相異なる複数種類の電極パターン構造のうち最適膜厚が大きい、複数の共振子電極をラダー接続したラダー型と、
同一中心周波数で比較したときの波長に対する最適膜厚が相異なる上記複数種類の電極パターン構造のうち最適膜厚が中間となる、中央の電極指について電極構造が対称となるよう3個の共振子を配置した縦結合二重モード型と、
同一中心周波数で比較したときの波長に対する最適膜厚が相異なる上記複数種類の電極パターン構造のうち最適膜厚が小さい、複数の入力電極及び出力電極を交互に配置した多電極型と、
を実現すべき2個の弾性表面波フィルタの第1の中心周波数と第2の中心周波数の比に応じて、第1のパターン電極の構造及び第2のパターン電極の構造を、
中心周波数が高い第1の弾性表面波フィルタをラダー型、中心周波数の低い第2の弾性表面波フィルタを縦結合二重モード型、又は、
第1の弾性表面波フィルタを縦結合二重モード型、第2の弾性表面波フィルタを多電極型として配置し、膜厚を緩和させることを特徴とする弾性表面波デバイス。 - それぞれ第1又は第2の弾性表面波フィルタの電極として使用される第1及び第2のパターン電極各々のパターンを決定し、決定したパターンに従って当該第1及び第2のパターン電極を形成することにより、第1の中心周波数を有する上記第1の弾性表面波フィルタ及びこの第1の弾性表面波フィルタに比べその中心周波数が低い第2の中心周波数を有する上記第2の弾性表面波フィルタを、圧電性を有する基板の同一の面上の互いに異なる部位に形成する弾性表面波デバイスの製造方法において、
同一中心周波数で比較したときの波長に対する最適膜厚が相異なる複数種類の電極パターン構造のうち最適膜厚が大きい、複数の共振子電極をラダー接続したラダー型と、
同一中心周波数で比較したときの波長に対する最適膜厚が相異なる上記複数種類の電極パターン構造のうち最適膜厚が中間となる、中央の電極指について電極構造が対称となるよう3個の共振子を配置した縦結合二重モード型と、
同一中心周波数で比較したときの波長に対する最適膜厚が相異なる上記複数種類の電極パターン構造のうち最適膜厚が小さい、複数の入力電極及び出力電極を交互に配置した多電極型と、
を実現すべき2個の弾性表面波フィルタの第1の中心周波数と第2の中心周波数の比に応じて、第1のパターン電極の構造及び第2のパターン電極の構造を、
上記第1のパターン電極を形成すべく1回目のリフトオフ手順を実行した後、この1回目のリフトオフ手順にて形成された導電膜を少なくとも部分的に覆うようフォトレジスト膜を形成して、上記第2のパターン電極を形成すべく2回目のリフトオフ手順を実行することにより、
中心周波数が高い第1の弾性表面波フィルタをラダー型、中心周波数の低い第2の弾性表面波フィルタを縦結合二重モード型、又は、
第1の弾性表面波フィルタを縦結合二重モード型、第2の弾性表面波フィルタを多電極型として形成することを特徴とする弾性表面波デバイスの製造方法。
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