JPH11340772A - 弾性表面波デバイス及びその製造方法 - Google Patents

弾性表面波デバイス及びその製造方法

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JPH11340772A
JPH11340772A JP14117998A JP14117998A JPH11340772A JP H11340772 A JPH11340772 A JP H11340772A JP 14117998 A JP14117998 A JP 14117998A JP 14117998 A JP14117998 A JP 14117998A JP H11340772 A JPH11340772 A JP H11340772A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中心周波数が離れた複数のSAWフィルタを
単一のチップ上に特性劣化なしで実現する。 【解決手段】 チップ32上に形成するパターン電極の
うち、中心周波数が高いSAWフィルタ28の電極構造
は縦結合二重モードフィルタとし、低いSAWフィルタ
30の電極構造は多電極型にする。電極構造による最適
膜厚の差によって、中心周波数の差による最適膜厚の差
が補われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相異なる複数の周
波数帯域にて通信サービスを提供するためのマルチバン
ド通信装置に関し、特にその無線周波数回路において用
いられる弾性表面波(SAW)デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】通信機器の無線周波数
(RF)回路においては各種のSAWフィルタが用いら
れている。SAWフィルタは、圧電性を有する基板例え
ばニオブ酸リチウムや水晶等の基板上に、アルミニウム
等の素材によってすだれ状のパターン電極を形成した構
造を有している。パターン電極には、入力される信号を
電気音響変換して弾性表面波を発生させる入力電極、弾
性表面波を音響電気変換して信号を出力する出力電極、
弾性表面波を反射する反射電極等があり、これらのパタ
ーン電極を構成する指状の電極(電極指)の間隔はその
SAWフィルタに要求される中心周波数に応じて定めら
れる。SAWフィルタにおいては、入力電極に電気信号
を印加することによって基板表面を励振して弾性表面波
を発生させ、出力電極によってこの弾性表面波を受波し
て電気信号を取り出す、という一連の信号伝搬により、
その電極指間隔に応じて定まる通過域に属する周波数の
信号のみを通過させる。
【0003】パターン電極の最適な膜厚即ち最も良好な
フィルタ特性を提供できる膜厚は、そのSAWフィルタ
の中心周波数や基板の材質等により、異なる厚みにな
る。また、パターン電極を基板表面に形成する工程とし
ては、例えば、基板上にアルミニウム等の導体を蒸着す
る工程等が用いられる。従って、単一の基板上に1個の
SAWフィルタを形成するときには、そのSAWフィル
タの中心周波数に応じた膜厚のパターン電極を形成でき
るよう、蒸着膜厚を決め、それに従い蒸着工程を実施す
ればよい。また、単一の基板上に複数のSAWフィルタ
を並べて形成するときでも、それらのSAWフィルタの
中心周波数がさほど相違していないのであれば、いずれ
か1個のSAWフィルタの中心周波数に応じて蒸着膜厚
を決めるか、或いは当該複数のSAWフィルタの中心周
波数の中間に位置する周波数に応じて蒸着膜厚を決める
ようにすれば、問題となるような特性の劣化は生じな
い。この点については、「デュアルバンド携帯電話用S
AWフィルタ」(谷津田他、電子情報通信学会総合大
会、1997年春、第289頁)を参照されたい。この
文献では、旧アナログ帯域とディジタル帯域とを同時に
使用する携帯電話に適するSAWデバイスとして、その
中心周波数が880MHzのSAWフィルタと820M
HzのSAWフィルタとを単一の基板上に形成したデバ
イスが、示されている。
【0004】しかしながら、その中心周波数が著しく異
なる複数のSAWフィルタを単一の基板上に形成するこ
とは、特性劣化の面で、従来は困難であった。即ち、仮
にこれら複数のSAWフィルタの中心周波数の中間に位
置する周波数に応じて蒸着膜厚(より一般的に表現すれ
ば、パターン電極として用いられる導電膜の膜厚)を定
めたとしても、当該中間に位置する周波数に基づき定め
た膜厚と、各SAWフィルタにとっての最適膜厚との間
に、無視し得ない差があるため、挿入損失等の特性が最
適膜厚時に比べ悪くなってしまう。そのため、従来は、
各SAWフィルタを個々別々のチップとして製造し、そ
れらを個々別々の部品として使用するか、さもなくば単
一のケース内にそれらを収納して単一の部品として使用
するか、いずれかの手法が用いられていた。
【0005】
【発明の概要】本発明の目的の一つは、単一のチップに
複数のSAWフィルタを形成することによって、複数の
周波数帯域にて通信サービスを提供するマルチバンド通
信装置、特にそのRF回路の小型化及び低コスト化を促
進することにある。本発明の目的の一つは、単一のチッ
プに複数のSAWフィルタを形成することによって、従
来型のケース構造に比べコスト低減や小型化に有利なフ
リップチップ実装構造を使用可能にし、ひいてはRF回
路の小型化及び低コスト化を促進することにある。本発
明の目的の一つは、その中心周波数が著しく異なる複数
のSAWフィルタを単一の基板上に形成するに際して、
特性の劣化が生じないようにすることにある。本発明の
目的の一つは、特性劣化なしに単一のチップに複数のS
AWフィルタを形成できるという本発明の特徴に着目
し、マルチバンドフィルタ、分波器等、多種多様な伝送
回路網を良好な特性で実現することにある。本発明の目
的の一つは、その中心周波数が著しく異なる複数のSA
Wフィルタを単一の基板上に形成する工程やこれに付随
する工程を簡素化及び工夫し、更に低コストにて良好な
特性のSAWデバイスを実現することにある。
【0006】本発明に係るSAWデバイスは、第1及び
第2のSAWフィルタを単一の基板の同一の面上に形成
した構造を有するSAWデバイスであり、圧電性を有す
る基板、第1のSAWフィルタの電極として用いられる
第1のパターン電極、及び第2のSAWフィルタの電極
として用いられる第2のパターン電極を備えている。第
1及び第2のパターン電極は、単一の基板の所定の面上
の相異なる部位に形成されている。また、第1のSAW
フィルタと第2のSAWフィルタはその中心周波数が異
なるフィルタであり、ここでは、説明の便宜上、第1の
SAWフィルタの中心周波数よりも第2のSAWフィル
タの中心周波数の方が低いものとする。
【0007】本発明の第1の構成に係るSAWデバイス
においては、第1及び第2のパターン電極の構造が、互
いに異なる構造とされる。即ち、SAWフィルタには、
基板表面の電極による弾性表面波の反射を積極的に利用
するタイプがあり、このタイプのSAWフィルタを実現
する際には、パターン電極を構成する電極指による反射
を比較的強くすべく、パターン電極に係る導電膜を比較
的厚くする。言い換えれば、このタイプのSAWフィル
タにおけるパターン電極の最適膜厚は比較的大きい。逆
に、SAWフィルタには、基板表面の電極による弾性表
面波の反射をそれほど積極的には利用しないタイプもあ
る。このタイプのSAWフィルタにおけるパターン電極
の最適膜厚は比較的小さい。本発明の第1の構成におい
ては、SAWフィルタのタイプによる最適膜厚の相違を
利用すべく、同一中心周波数で比較したときの最適膜厚
が相異なる複数種類の電極パターン構造のうち比較的最
適膜厚が大きくなる電極パターン構造を、第1のパター
ン電極の構造として採用し、比較的最適膜厚が小さくな
る電極パターン構造を、第2のパターン電極の構造とし
て採用している。
【0008】従って、本発明の第1の構成によれば、実
現すべきSAWフィルタの中心周波数の差に起因して第
1及び第2のパターン電極間に生じる最適膜厚の差が、
少なくとも部分的には、電極パターン構造の差に起因す
る最適膜厚の差により、補われる。即ち、その中心周波
数が著しく相違する第1及び第2のSAWフィルタを単
一の基板上で即ち単一のチップで実現するとき、従来で
あれば中心周波数の差が遠因となって生じていた特性の
劣化を、本発明の第1の構成においては解消乃至低減で
きる。更に、このように顕著な特性劣化なしで、単一の
チップ上に複数のSAWフィルタを作成できるため、マ
ルチバンド通信装置特にそのRF回路を構成する際のコ
ストを低減でき、またRF回路を小型化できる。
【0009】加えて、SAWフィルタとしては、複数の
共振子電極をラダー接続したラダー構造のパターン電極
を用いるタイプ、中央の電極指について電極構造が対称
となるよう3個の共振子を配置した縦結合二重モード構
造のパターン電極を用いるタイプ、複数の入力電極及び
出力電極を交互に配置した多電極構造のパターン電極を
用いるタイプ等があり、本発明の第1の構成を実現する
際には、第1及び第2のパターン電極として使用する構
造を、実現すべきSAWフィルタの中心周波数に応じて
これらの中から選択すればよい。例えば、第1のパター
ン電極の構造をラダー構造とするのであれば、第2のパ
ターン電極の構造は、ラダー構造に比べ最適膜厚が小さ
くなる縦結合二重モード構造又は多電極構造とし、第1
のパターン電極の構造を縦結合二重モード構造とするの
であれば、第2のパターン電極の構造を、多電極構造と
すればよい。なお、これ以外のタイプのパターン電極構
造をも選択の対象とすることができる。
【0010】また、本発明の第1の構成によれば、第1
のパターン電極と第2のパターン電極とを単一のプロセ
スにて一括して形成できる。また、単一のプロセスにて
一括して形成できるよう、第1及び第2のパターン電極
の構造を選択するのが望ましい。しかしながら、本発明
は、第1のパターン電極と第2のパターン電極とを単一
のプロセスにて一括して形成する構成に、限定されるも
のではない。例えば、第1及び第2のSAWフィルタの
中心周波数の値次第では、中心周波数の差によって第1
及び第2のパターン電極の最適膜厚の間に生じる差が電
極パターン構造の設定により全て補われるのではなく、
その一部だけが補われるにとどまることがあり得る。そ
のような場合には、第1及び第2のパターン電極の一部
を1回目のリフトオフ手順にて形成し、残りを2回目の
リフトオフ手順にて形成する、という手法を用いればよ
い。
【0011】更に、厚さの異なる導電膜を同一基板の同
一面上の相異なる部位にリフトオフにて形成する手法
を、本発明の第2の構成として把握することができる。
即ち、本発明の第2の構成は、第1のパターン電極を形
成すべく1回目のリフトオフ手順を実行した後、この1
回目のリフトオフ手順にて形成された導電膜を少なくと
も部分的に覆うようフォトレジスト膜を形成して、第2
のパターン電極を形成すべく2回目のリフトオフ手順を
実行することにより、互いに異なる中心周波数を有する
第1及び第2のSAWフィルタの電極を、いずれもその
中心周波数に応じた最適膜厚又はこれに近い膜厚にする
ことを特徴とする。
【0012】本構成によれば、第1の構成と同様、特性
の劣化を伴うことなく、単一のチップに複数のSAWフ
ィルタを形成することができ、従ってマルチバンド通信
装置のRF回路の小型化及び低コスト化を促進すること
ができる。また、実現すべき複数のSAWフィルタのう
ちその中心周波数が高い方を第1のSAWフィルタ即ち
1回目のリフトオフ手順でそのパターン電極が形成され
るSAWフィルタとし、低い方を第2のSAWフィルタ
とするのが望ましい。そのようにすれば、1回目のリフ
トオフ手順が終了した後2回目のリフトオフ手順を実施
するに際して、既に基板上に形成済の第1のパターン電
極の厚み即ち段差が、フォトレジスト塗布工程の際に支
障になりにくくなる。
【0013】更に、本発明の第1及び第2の構成に共通
する他の利点としては、フリップチップ実装が可能であ
る、という利点がある。フリップチップ実装は、例えば
“Miniaturized SAW Filters Using a Flip-Chip Techn
ique”,YATSUDA et al.,IEEETrans. Ultrasonics. vol
43.,No.1, January 1996等に記載されている手法であ
る。この手法では、チップ寸法よりわずかに大きい開口
を有する凹部をケースに設けておき、更にこの凹部の内
底面に導体のパッドを形成しておく一方で、チップ側に
は金等のバンプを配置しておく。更に、パターン電極形
成面をケース側パッドに向けて、チップをケース凹部に
収納し、熱、圧力、超音波等を印加してバンプを介した
導電接続を形成する。この手法によれば、その寸法を従
来のケース構造(ワイヤボンディングを伴うもの)に比
べ小型化できると共に、ケース側のパッドの配置及び形
状を第1及び第2の電極パターンの配置及び形状に応じ
定めておくことで、チップをケースに組み込む工程が簡
素化される等の効果が得られる。本発明に係るSAWデ
バイスとの関連では、更に、第1及び第2のSAWフィ
ルタの入力端同士及び/又は出力端同士を、ケースの凹
部の内底面に形成されているパッドにより、接続するこ
とが可能であるため、入力端同士及び/又は出力端同士
を接続するための電極をチップ上に形成する必要がなく
なる。従って、チップ上の電極配置が比較的単純になる
と共に、ケース側の設計特にパッド配置の設計で、ある
チップをマルチバンドフィルタとして用いるのかそれと
も分波器として用いるのかを決めることが可能になり、
チップ供給面での柔軟性が高まる。
【0014】本発明には、更に、第1のSAWフィルタ
を外部回路と接続するための導体のパッド及び第2のS
AWフィルタを外部回路と接続するための導体のパッド
を、基板上に一括して形成でき、従って、第1及び第2
のSAWフィルタを別のチップ上に形成する従来技術に
比べ、製造コストを低減できる、という利点がある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
関し図面に基づき説明する。
【0016】図1に、本発明に係るSAWデバイスを使
用できるマルチバンド通信装置の例として、携帯型の電
話関連機器の一般的構成を示す。この図に示す装置は、
アンテナ10を介して受信したRFの信号に増幅、周波
数変換、復調等の処理を施してベースバンド処理回路1
4に供給し、またベースバンド処理回路14からのベー
スバンドの信号に変調、周波数変換、増幅等の処理を施
しアンテナ10からRFの信号を無線送信するRF回路
12を、備えている。制御部16は、操作部例えばキー
パッド18を介し使用者が与える指示に応じ、RF回路
12及びベースバンド処理回路14における処理、表示
部例えばLCD20における画面表示等を制御する。図
中、22及び24は送話器及び受話器であるが、他種の
信号入出力デバイスが用いられることもある。
【0017】更に、RF回路12内には、本発明の一実
施形態に係るSAWデバイス26が設けられている。S
AWデバイス26は、アンテナ10によって送信される
信号及び/又は受信された信号を濾波し、所定の周波数
帯域に属する信号のみを取り出す。SAWデバイス26
を、単一の通過帯域を有するBPFとして構成してもよ
いが、本実施形態では、マルチバンド通信機器での使用
を考え、例えば図2(a)に示すように1入力2出力型
の分波器又はアンテナ共用器とし、或いは図2(b)に
示すように1入力1出力型で複数の通過帯域を有するマ
ルチバンドフィルタとする。図2中のSAWフィルタ2
8の中心周波数f01とSAWフィルタ30の中心周波数
02は異なっており、ここでは、以下の説明の明瞭化の
ためf01>f02なる関係があるものとしている。
【0018】本実施形態の特徴の一つは、これら2個の
SAWフィルタ28及び30に係るパターン電極を単一
のチップ(基板)上に形成したことにある。図3に、本
実施形態におけるチップ上でのパターン電極配置を示
す。本実施形態で使用している基板32は、例えば、6
4度回転yカットx伝搬LiNbO3基板であり、その
パターン電極形成面34上には、SAWフィルタ28及
び30を構成するパターン電極が形成されている。
【0019】SAWフィルタ28即ち中心周波数が高い
方のSAWフィルタのパターン電極は、入力電極36、
2個の出力電極38、3個の接地電極40及び2個の反
射電極42を有している。これらの電極はいずれも複数
の電極指を有しており、その間隔は中心周波数f01、基
板32の材質等により定まっている。入力電極36及び
出力電極38は、いずれも、接地電極40と組でかつそ
の電極指が指交差状の位置関係となるよう配置形成され
たすだれ状の電極である。出力電極38同士及び接地電
極40同士は、互いに、接続電極44又は46を介して
接続されている。入力電極36及びこれと対をなす接地
電極40は中央に位置しており、出力電極38及びこれ
と対をなす接地電極40は図中その左右に配置されてい
る。反射電極42は更にその外側に配置されている。更
に、入力電極36、出力電極38及びこれらと対をなす
接地電極40の電極指の配置は、入力電極36の中央の
電極指に対して対称となっている。このSAWフィルタ
28は、例えば“WidebandLow Loss Double Mode SAW F
ilters”,MORITA et al.,Proc. of 1992 IEEE Ultrason
ic Symposium,Oct.20-23,1992,pp.95-104に記載されて
いる縦結合二重モードフィルタとなる。
【0020】他方、SAWフィルタ30即ち中心周波数
が低い方のパターン電極は、3個の入力電極48、2個
の出力電極50、5個の接地電極52及び2個の反射電
極54を有している。これらの電極はいずれも複数の電
極指を有しており、その間隔は中心周波数f02、基板3
2の材質等により定まっている。入力電極48及び出力
電極50は、いずれも、接地電極52と組でかつその電
極指が指交差状の位置関係となるよう配置形成されたす
だれ状の電極である。入力電極48同士及び出力電極5
0同士は、互いに、接続電極56又は58を介して接続
されている。入力電極48及びこれと対をなす接地電極
52と、出力電極50及びこれと対をなす接地電極52
は、図中左右方向に沿って交互に配置されている。反射
電極54はその外側に配置されている。このSAWフィ
ルタ28は、5個の(より一般には多数の)入力電極・
出力電極を交互に配置したいわゆる多電極型のフィルタ
となる。
【0021】この基板(チップ)32は、図4(a)に
示すように、ケース60に収納される。即ち、チップ3
2は、パターン電極形成面34を図中上に向けた状態で
ケース60内に収納され、接着剤62により固定され
る。次に、ケース60内に予め形成されている導体のパ
ッド64と、パターン電極形成面34上の対応する電極
とが、ワイヤボンディングにより接続される。パッド6
4は、図示しない導体によってケース外面の接続端子
(図示せず)に接続されている。また、図中、符号66
で表されているのはパターン電極形成面34上の電極
(入力、出力及び接地のいずれかの電極又はこれにつな
がる接続電極乃至パッド)であり、符号68で表されて
いるのはボンディングワイヤである。そして、ケース6
0内部に関する工程を終えた後、カバー(リッド)70
によってケース60の開口部をふさぐ。
【0022】このように、本実施形態においては、単一
のチップ32上に2個のSAWフィルタ28及び30の
パターン電極を形成し、このチップをケース60に収納
することにより、SAWフィルタ28及び30を収納し
た1個のSAWデバイス26を実現しているため、互い
に別体の部品として構成された2個のSAWフィルタを
用いる従来技術に比べ、RF回路12を構成する部品の
点数が減り、また集積度が高まる結果RF回路12を小
型化可能になる。
【0023】また、2個のチップを単一のケースに収納
する従来技術では、図4(b)に比較例として示したデ
バイスが得られる。この比較例では、接着剤62を使用
して2個のチップ72を固定していることと関連して、
2個のパターン電極形成面74のクリアランスが得られ
にくく、従ってワイヤボンディングに難しさが生じる。
本実施形態では、チップ32が1個であるため、クリア
ランスが不要であり、ワイヤボンディングが比較例より
容易で信頼性が高くなる。更に、パターン電極形成面3
4上の電極配置次第では、ワイヤボンディング箇所を減
らしてボンディング工程を簡略化し、ボンディングワイ
ヤ64の消費量を抑えることができる。加えて、チップ
接着も1回でよい。更には、パターン電極のうちワイヤ
ボンディングされる部位は他の部位より厚くする必要が
あり、そのため別途蒸着等を行う必要があるが、本実施
形態では2個のSAWフィルタ28及び30を提供して
いるにもかかわらずワイヤボンディング箇所形成のため
の蒸着等の工程は1回実施するだけででよい。なお、こ
の点は、フリップチップ実装型の実施形態(後述)にお
けるバンプ接続用のパッドでも同様である。
【0024】更に、本実施形態では、SAWフィルタ2
8に係るパターン電極の構造を縦結合二重モード型の構
造とし、SAWフィルタ30に係るパターン電極の構造
を多電極型としている。これは、パターン電極を形成す
る導電膜の最適膜厚が、中心周波数のみならず、パター
ン電極の構造特に反射波の利用の程度により異なること
に、着目したものである。
【0025】例えば、日本のPDC(Personal Digital
Cellular)にて使用する携帯機のように、800MHz
帯と1500MHz帯で通信サービスを受けるためのマ
ルチバンド通信機器を考える。この種の機器では、80
0MHz帯に中心周波数を有するフィルタと、1500
MHz帯に中心周波数を有するフィルタが、必要であ
る。他方、64度回転yカットx伝搬LiNbO3基板
を使用する場合、縦結合二重モードSAWフィルタにお
ける最適膜厚は前掲のMORITA et al.論文によれば弾性
表面波の波長の4%程度である。多電極型SAWフィル
タにおける最適膜厚は、発明者の知見によれば、縦結合
二重モードSAWフィルタにおける最適膜厚の1/2程
度になる。従って、中心周波数が1500MHz帯に属
するフィルタを縦結合二重モードSAWフィルタとして
実現するときのパターン電極の最適膜厚と、中心周波数
が800MHz帯(1500MHz帯の約2倍の波長
域)に属するフィルタを多電極型SAWフィルタとして
実現するときのパターン電極の最適膜厚は、ほぼ、等し
くなる。そこで、図3に示した例では、中心周波数f01
=1500MHz帯のSAWフィルタ28を縦結合二重
モードSAWフィルタとし、中心周波数f02=800M
Hz帯のSAWフィルタ30を多電極型SAWフィルタ
とし、膜厚を125nm(周波数f01における波長の約
4.7%即ち周波数f02における波長の約2.5%)に
している。
【0026】このように、中心周波数の差によって生じ
るであろう最適膜厚の差を、パターン電極の設定によっ
て補うことによって、基板32のパターン電極形成面3
4上に蒸着等で形成する導電膜の膜厚がSAWフィルタ
28及び30のいずれにとってもほぼ最適膜厚となるよ
う、パターン電極に係る導電膜の膜厚を決められるよう
にしているため、本実施形態によれば、その中心周波数
が顕著に異なる2個のSAWフィルタ28及び30を、
最適膜厚からのずれが原因となった特性の劣化なしで、
単一のチップ32上に実現できる。また、フォトリソグ
ラフィ、蒸着等、導電膜の形成に関連する工程を、弾性
表面波の送受波に関わる電極の形成については、1回実
施するだけでよい。
【0027】また、パターン電極の構造による最適膜厚
の相違は、専ら、その電極構造において反射波をどの程
度積極的に利用しているかによる。例えば、36〜40
度近辺のxカットy伝搬LiTaO3基板を用いている
場合、電極による弾性表面波の反射を積極的に利用する
ラダー型の電極構造では中心波長の8〜10%が最適膜
厚となり、縦結合二重モードでは中心波長の5〜7%が
最適膜厚となり、多電極型では中心波長の2.5〜3%
が最適膜厚となる。従って、本発明を実施する際には、
実現すべき2個の(より一般には複数の)SAWフィル
タの中心周波数の比に応じて、各種の構造の中から使用
する構造の組合せを決めるようにすればよく、上述のよ
うな縦結合二重モードと多電極型の組合せには限られな
い。例えば、実現すべき2個のSAWフィルタの中心周
波数の比が約4であるなら、中心周波数が高い方のSA
Wフィルタはラダー型、低い方のSAWフィルタは多電
極型にする。また、約2であるなら、中心周波数が高い
方のSAWフィルタをラダー型にし低い方のSAWフィ
ルタを縦結合二重モードにするか、高い方を縦結合二重
モードにして低い方を多電極型にするか、いずれかにす
る。
【0028】図5に、本発明の第2実施形態におけるパ
ターン電極の配置を示す。この実施形態では、図3に示
した第1実施形態に、更にパッド76及び78並びに接
続電極80が付加されている。パッド76はパターン電
極形成面34の四隅に設けられており、それぞれ、SA
Wフィルタ28の入力電極36、SAWフィルタ28の
出力電極38、SAWフィルタ30の入力電極48及び
SAWフィルタ30の出力電極50に、接続電極80、
44、56又は58を介して接続されている。パッド7
8は、各接地電極40及び52に設けられている。接続
電極46は廃止されている。
【0029】この実施形態は、ケース構造として図4
(c)に示す構造を用いるとき、即ちフリップチップ実
装をするときに、適する実施形態である。チップ32が
収納されるケース82には、予め、図4(c)に示すよ
うにその凹部の内底面84に導体のパッド85が形成さ
れている。ケース82は、図6に示すように、内底面の
四隅に設けられたパッド86と、パッド86及び絶縁用
間隙88の形成部位以外の部位を覆うよう設けられたパ
ッド90から、構成されている。ケース82にチップ3
2を収納する際には、まず、チップ32上のパッド76
及び78上に金等のバンプ92を配置しておき、図4
(c)に示すようにパターン電極形成面34を内底面8
4に向け、ケース82の側壁94の内面96をガイドと
して、チップ32をケース82内に落とし込む。その上
で、熱、圧力、超音波等を印加してバンプ92による導
電接続及び機械的固定を形成し、更にカバー98により
ケース82の開口部をふさぐ。
【0030】このように、複数のSAWフィルタ28及
び30を実現しているにもかかわらず、本実施形態によ
れば、フリップチップ実装を行うことができ、デバイス
の小型化及び低価格化を実現できる。即ち、1個のケー
ス内に複数のチップを収納する従来技術では、側壁94
の内面96をガイドとしてチップ32を落とし込むとい
う手法を用いるとチップ側パッド対ケース側パッドの相
対位置精度が十分にならないが、予めバンプ92が配置
されている1個のチップ32を1個のケース内に収納す
るのであれば、側壁94の内面96をガイドとしてチッ
プ32を落とし込むという簡便な(しかし誤差も発生し
やすい)手法を用いても、正確に、チップ側パッド対ケ
ース側パッドの接続を実現できる。更に、図2(a)に
示した分波器や図2(b)に示したマルチバンドフィル
タを実現するには2個のSAWフィルタ28及び30の
入力端同士及び/又は出力端同士を接続しなければなら
ないが、本実施形態によれば、この接続を、ケース82
の内底面84上の導体配置を適宜設計するという手法
で、即ちチップ32上の電極配置を変更したりワイヤボ
ンディング箇所を変更したりデバイスの外部接続端子を
外部で接続したりすることなく、実現できる。即ち、同
じ電極設計のチップを、ケースを交換するのみで、ある
場合には分波器用に用い、他の場合にはマルチバンドフ
ィルタ用に用いる、といった利用形態も可能になる。ま
た、ケース82の内底面84と、チップ32のパターン
電極形成面34との間に、入力端同士及び/又は出力端
同士の接続のための介在基板を1枚追加するようにすれ
ば、この介在基板の交換のみで即ちチップ32やケース
82の設計変更なしで、分波器にするかそれともマルチ
バンドフィルタにするかを切り換えられる。
【0031】図7に、本発明の第3実施形態における電
極配置を示す。この実施形態におけるSAWフィルタ2
8は、第1実施形態におけるそれと同様のパターン電極
を有する縦結合二重モードSAWフィルタである。他
方、この実施形態におけるSAWフィルタ30は、第1
実施形態における他電極型のSAWフィルタではなく、
縦結合二重モードSAWフィルタである。この図の電極
パターンは、図8に示す手順によって、SAWフィルタ
28に係るパターン電極の膜厚が周波数f01における最
適膜厚となり、またSAWフィルタ30に係るパターン
電極の膜厚が周波数f02における最適膜厚となるよう、
形成されている。
【0032】図8に示す手順はリフトオフプロセスを用
いる手順である。即ち、まず、(1)従来通り、3イン
チあるいは4インチの基板32を準備し、(2)この基
板32の上にフォトレジスト膜100を形成し、(3)
SAWフィルタ28用のパターンに係るマスク104を
用いてフォトレジスト膜100を感光させ、(4)これ
を現像してパターンを形成し、(5)そしてアルミニウ
ム等の導体の蒸着及びフォトレジスト膜100の剥離処
理を行うことにより、SAWフィルタ28に係るパター
ン電極106を形成する(a)。次に、形成したパター
ン電極106をフォトレジスト膜108により覆いまた
SAWフィルタ30用のパターンに係るマスクを用い
て、SAWフィルタ30に係るパターン電極110を形
成する(b)。このような処理を実行することにより、
厚さが異なる2種類のパターン電極106及び110を
形成できる。そして、ワイヤボンディング用のパッドの
形成やケースへの実装を行う(c)。
【0033】これにより、中心周波数が顕著に離れた2
個のSAWフィルタ28及び30(より一般には複数の
SAWフィルタ)を、単一の基板(チップ)上で、かつ
最適膜厚にて、実現できる。従って、前述の各実施形態
において得られた効果のうち、SAWフィルタ28及び
30を単一のチップ32上で実現したことやいずれも最
適膜厚で実現したことによる効果は、本実施形態でも得
ることができる。更に、前述の各実施形態では、パター
ン電極の構造を選択するという手法を用いていたため、
実現すべきSAWフィルタの中心周波数の組合せによっ
ては膜厚の最適化が困難になる場合があるが、本実施形
態ではそのような不具合は生じない。なお、本実施形
態、特に図8に示した手法を、第1又は第2実施形態と
組み合わせること、即ちパターン電極の構造の選択では
補いきれなかった膜厚の差を図8に示した手順により埋
めることも、可能である。
【0034】また、パターン電極106の厚さt1とパ
ターン電極110の厚さt2は差がある。本実施形態で
は、中心周波数が高く従って厚さを薄くできるパターン
電極106を、パターン電極110より先に、形成して
いるため、フォトレジスト膜108を塗布により形成す
るとき段差による支障が発生しにくい。
【0035】図9に、本発明の第4実施形態における電
極配置を示す。この実施形態では、第3実施形態と同様
SAWフィルタ28及び30をいずれも縦結合二重モー
ドフィルタとしている。この実施形態では、更に、第2
実施形態と同様バンプ接続のためのパッドを設けフリッ
プチップ実装に適する構造を提供している。
【0036】なお、本発明を実施する際に、SAWフィ
ルタ28及び30を電気的に接続せず、2入力2出力型
のデバイスとしてもよい。また、3個以上のSAWフィ
ルタを単一チップ上に形成してもよい。また、800M
Hz帯と1500MHz帯の例を示したが、本発明は、
1900MHz帯、2000MHz帯等と他の周波数帯
域との組合せにも、適用できる。更に、最適膜厚は基板
(素材、カット等)によっても異なる。本発明は、基板
の素材やカット等の如何によらず、適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るSAWデバイスが使用される装
置の一例を示すブロック図である。
【図2】 本発明に係るSAWデバイスの内部構成の例
を機能的に示す図であり、(a)は分波器又はアンテナ
共用器として用いうる1入力2出力型の構成を、(b)
はマルチバンドフィルタとして用いうる1入力1出力型
の構成を、それぞれ示す図である。
【図3】 本発明の第1実施形態における電極配置を示
す平面図である。
【図4】 ケース構造を示す縦断面図であり、(a)は
ワイヤボンディングを行う実施形態を、(b)はワイヤ
ボンディングを行う従来技術を、(c)はフリップチッ
プ実装を行う実施形態を、それぞれ示す図である。
【図5】 本発明の第2実施形態における電極配置を示
す平面図である。
【図6】 フリップチップ実装用のケースにおけるパッ
ド配置を示す上面図である。
【図7】 本発明の第3実施形態における電極配置を示
す平面図である。
【図8】 リフトオフプロセスを用いた製造工程を示す
図であり、(a)は1回目のリフトオフを、(b)は2
回目のリフトオフを、(c)はパッド形成及びケース実
装をそれぞれ示す図である。
【図9】 本発明の第4実施形態における電極配置を示
す平面図である。
【符号の説明】
26 SAWデバイス、28,30 SAWフィルタ、
32 基板、34 パターン電極形成面、36,48
入力電極、38,50 出力電極、40,60接地電
極、76,78 パッド、f01,f02 中心周波数。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性を有する基板と、この基板の所定
    の面上の所定の部位に形成され第1の弾性表面波フィル
    タの電極として用いられる第1のパターン電極と、上記
    所定の面上の上記第1のパターン電極とは異なる部位に
    形成され第2の弾性表面波フィルタの電極として用いら
    れる第2のパターン電極と、を備え、所定の中心周波数
    を有する上記第1の弾性表面波フィルタ及びこの第1の
    弾性表面波フィルタに比べその中心周波数が低い第2の
    弾性表面波フィルタを、上記基板の同一の面上に形成し
    た構造を有する弾性表面波デバイスにおいて、 上記第1のパターン電極の構造が、同一中心周波数で比
    較したときの最適膜厚が相異なる複数種類の電極パター
    ン構造のうち比較的最適膜厚が大きくなる電極パターン
    構造であり、 上記第2のパターン電極の構造が、同一中心周波数で比
    較したときの最適膜厚が相異なる上記複数種類の電極パ
    ターン構造のうち比較的最適膜厚が小さくなる電極パタ
    ーン構造であり、 上記第1のパターン電極の膜厚と上記第2のパターン電
    極の膜厚との間に中心周波数の差に起因して生じる差
    が、少なくとも部分的に、電極パターン構造の差に起因
    する膜厚の差により補われていることを特徴とする弾性
    表面波デバイス。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の弾性表面波デバイスにお
    いて、 上記第1のパターン電極の構造が、複数の共振子電極を
    ラダー接続したラダー構造であり、 上記第2のパターン電極の構造が、中央の電極指につい
    て電極構造が対称となるよう3個の共振子を配置した縦
    結合二重モード構造又は複数の入力電極及び出力電極を
    交互に配置した多電極構造であることを特徴とする弾性
    表面波デバイス。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の弾性表面波デバイスにお
    いて、 上記第1のパターン電極の構造が、中央の電極指につい
    て電極構造が対称となるよう3個の共振子を配置した縦
    結合二重モード構造であり、 上記第2のパターン電極の構造が、複数の入力電極及び
    出力電極を交互に配置した多電極構造であることを特徴
    とする弾性表面波デバイス。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の弾性
    表面波デバイスを製造する方法であって、 上記第1及び第2のパターン電極を、単一のリフトオフ
    手順にて一括して形成することを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の弾性
    表面波デバイスを製造する方法であって、 上記第1及び第2のパターン電極の一部を1回目のリフ
    トオフ手順にて形成し、残りを2回目のリフトオフ手順
    にて形成することにより、 上記第1のパターン電極の膜厚と上記第2のパターン電
    極の膜厚との間に中心周波数の差に起因して生じる差の
    うち電極パターン構造の差に起因する膜厚の差により補
    われなかった部分に相当する膜厚を、上記2回目のリフ
    トオフ手順にて形成することを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 それぞれ第1又は第2の弾性表面波フィ
    ルタの電極として使用される第1及び第2のパターン電
    極各々のパターンを決定し、決定したパターンに従って
    当該第1及び第2のパターン電極を形成することによ
    り、所定の中心周波数を有する上記第1の弾性表面波フ
    ィルタ及びこの第1の弾性表面波フィルタに比べその中
    心周波数が低い上記第2の弾性表面波フィルタを、圧電
    性を有する基板の同一の面上の互いに異なる部位に形成
    する方法において、 上記第1のパターン電極を形成すべく1回目のリフトオ
    フ手順を実行した後、この1回目のリフトオフ手順にて
    形成された導電膜を少なくとも部分的に覆うようフォト
    レジスト膜を形成して、上記第2のパターン電極を形成
    すべく2回目のリフトオフ手順を実行することにより、 互いに異なる中心周波数を有する上記第1及び第2の弾
    性表面波フィルタの電極を、いずれもその中心周波数に
    応じた最適膜厚又はこれに近い膜厚にすることを特徴と
    する方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の方法において、 上記第1の弾性表面波フィルタの中心周波数が上記第2
    の弾性表面波フィルタの中心周波数より高いことを特徴
    とする方法。
  8. 【請求項8】 請求項4乃至7のいずれかに記載の方法
    において、 上記第1の弾性表面波フィルタを外部回路と接続するた
    めの導体のパッド及び上記第2の弾性表面波フィルタを
    外部回路と接続するための導体のパッドを、上記基板上
    に一括して形成することを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 請求項4乃至8のいずれかに記載の方法
    において、 上記第1及び第2の電極パターンの配置及び形状に応じ
    た配置及び形状にて導体のパッドがその凹部の内底面に
    形成されているケースに、上記基板をフリップチップ実
    装することを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の方法により製造される
    弾性表面波デバイスであって、 上記第1及び第2の弾性表面波フィルタの入力端同士及
    び/又は出力端同士が上記ケースの凹部の内底面に形成
    されているパッドにより接続されていることを特徴とす
    る弾性表面波デバイス。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至3のいずれか又は請求項
    10に記載の弾性表面波デバイスを、その無線周波数回
    路において用いることを特徴とするマルチバンド通信装
    置。
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