JP4199159B2 - 描画処理装置、描画処理方法、及び描画処理プログラム - Google Patents
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Description
A1(X,Y) = a1×(X - X1) + b1×(Y - Y1) (1)
A2(X,Y) = a2×(X - X2) + b2×(Y - Y2)
ここで(X,Y)はピクセルのウィンドウ座標(描画領域に設定された二次元座標系における座標)、(X0,Y0),(X1,Y1),(X2,Y2)は三角形の頂点のウィンドウ座標、a0,b0,a1,b1,a2,b2は定数である。これらの線形関数はエッジ関数と呼ばれ、ビューポート(描画領域)上のピクセルを三角形の内側、辺上、外側の3つの領域に分類する。エッジ関数の値が0より大きいピクセルは三角形の内側、ちょうど0のピクセルは辺上、0より小さいピクセルは外側にあることを意味する。
b0 = X1 - X0
a1 = Y1 - Y2 (2)
b1 = X2 - X1
a2 = Y2 - Y0
b2 = X0 - Y2
ただし、三角形の頂点(X0,Y0),(X1,Y1),(X2,Y2)はビューポート上で反時計周りに並んでいるものとする。
ここで(X,Y)はピクセルのウィンドウ座標、a,b,cはパラメータ関数の係数である。描画プリミティブが三角形の場合、係数a,b,cは式(4)の連立線形方程式を解くことにより計算できる。
a×X1 + b×Y1 + c = p1 (4)
a×X2 + b×Y2 + c = p2
ここで、(X0,Y0),(X1,Y1),(X2,Y2)は三角形の頂点のウィンドウ座標、p0,p1,p2は対応する頂点の任意の属性を表すパラメータ値である。係数a,b,cはパラメータの種類ごとに計算する必要がある。
次に、セットアップ部15の構成及び機能について説明する。図2は、セットアップ部15の構成を示したブロック図である。同図に示すように、セットアップ部15は、エッジ関数の係数(エッジ係数)を計算するエッジ係数計算部150、描画プリミティブの投影像のバウンディングボックスを計算するバウンディングボックス計算部151、ピクセル走査の開始点と進行方向を決める開始点決定部152、開始ピクセルにおけるエッジ関数の値をDDAの初期値として計算するエッジ関数初期値計算部153を有している。
まず、エッジ係数計算部150は、頂点データバッファ部31から描画プリミティブの頂点データを取得する。頂点データのデータ形式は例えば図3のようになる。同図に示すように、頂点データは、頂点の位置を表す頂点座標と、頂点の属性を表す頂点パラメータから構成されている。
ここで、(X,Y)はビューポート上の任意の点のウィンドウ座標、a,b,cは定数である。(a,b)はウィンドウ座標系におけるエッジの法線ベクトルを意味する。ラスタライズ部3に入力される同次座標(x,y,w)とウィンドウ座標(X,Y)の関係は式(6)により表される。
Y = Sm×(y/w) + H/2 (6)
ここで、Smは最大スクリーンサイズの半分の値、W,Hはビューポートの幅と高さである。式(6)を式(5)に代入すると式(7)が得られる。
式(7)の両辺にwを乗算して展開すると次式が得られる。
この式を整理すると次式が得られる。
ここで、a',b',c'を式(8)のようにおく。
b' = b×Sm (8)
c' = a×(W/2) + b×(H/2) + c
すると、式(9)のように書ける。
式(9)は同次座標系x,y,wにおけるエッジ関数を表している。なお、式(9)の幾何学的意味については、後で詳しく説明する。式(8)より、同次座標系で計算したエッジ関数の係数a',b',c'からウィンドウ座標系のエッジ関数の係数a,b,cを次のように求められることが分かる。
b = b' / Sm (10)
c = c' - (a×(W/2) + b×(H/2))
ただし係数cの変換については、式(5)のウィンドウ座標系のエッジ関数に代入するウィンドウ座標X,YをX-W/2,Y-H/2とずらしても同じことを実現できる。確認のため、式(5)にX-W/2,Y-H/2を代入してみると次式が得られる。
この式を整理すると式(11)が得られる。
このように、エッジ関数に代入するウィンドウ座標X,YをX-W/2,Y-H/2とずらすことによって、式(10)の係数cの変換と同じことを実現できる。したがって、式(10)の同次座標系からウィンドウ座標系への変換は式(12)のように簡単化することができる。
b = b' / Sm (12)
c = c'
なお、エッジ関数に代入するウィンドウ座標X,YをX-W/2,Y-H/2とずらすことは、ラスタライズ後の各ピクセルのウィンドウ座標X,YをX+W/2,Y+H/2とずらしても同じことである。
ここで、・はベクトルの内積を表す。式(13)は(x,y,w)空間における視点(0,0,0)とエッジ上の2点を結んだ平面の方程式を表しており、(a' b' c')はその平面の法線ベクトルを表している。エッジの両端点の同次座標を(x0,y0,w0),(x1,y1,w1)とすると、平面の法線ベクトル(a' b' c')は式(14)により計算できる。
ここで、×はベクトルの外積を表す。
式(15)の左辺は、ベクトル(x0 y0 w0),(x1 y1 w1),(x y w)のスカラ三重積である。従って、その値はこれら3点と視点(0,0,0)を結ぶ三角錐の符号付き体積の6倍に等しい。
b0' = -b'
c0' = -c' (16)
a1' = a'
b1' = b'
c1' = c'
上記式(16)では、各斜辺に対応する2つのエッジ関数の係数符号が反対となるように設定している。これは、2つの斜辺に挟まれた領域のエッジ関数の値が正になるようにするためである。
b0 = b0' / Sm
c0 = c0'
a1 = a1' / Sm (17)
b1 = b1' / Sm
c1 = c1'
次に、エッジ係数計算部150は、2つの斜辺をマイナー軸方向にd/2ピクセル平行移動するために、エッジ関数の係数の定数項c0,c1に式(18)のような加算を行う。
c1 += fabs(dX×a0) + fabs(dY×b0) (18)
ここで、dX,dYの値は、メジャー軸がX軸の場合はdX=0,dY=d/2、メジャー軸がY軸の場合はdX=d/2,dY=0となる。また、fabs()は絶対値を返す関数を表す。この加算は2つの斜辺を法線と反対方向に平行移動させるため、斜辺に挟まれた領域のエッジ関数の値が正になる。
次に、バウンディングボックス計算部151によって実行される、描画プリミティブのバウンディングボックス計算処理について説明する。なお、描画プリミティブが線分の場合には、バウンディングボックスは線分の投影像をマイナー軸方向に膨らませた平行四辺形の外接矩形になる。
次に、開始点決定部152によって実行される、走査の開始点の決定処理、及び走査の進行方向の決定処理について説明する。
走査の開始点と進行方向が決まると、エッジ関数初期値決定部153により、開始ピクセル(X,Y)におけるエッジ関数の値を式(5)を用いてDDAの初期値として計算し、既に計算されたエッジ係数やバウンディングボックスの値と共に、セットアップデータを生成する。
図17は、セットアップ部13の動作の流れを示したフローチャートである。同図を参照しながら、セットアップ部13によって実行される一連の処理について説明する。なお、各ステップにおける各処理の詳細は、既に述べた通りである。
Claims (8)
- 基準視点から描画プリミティブを投影面に投影しこれをラスタライズすることによってピクセルデータを生成し三次元グラフィックス画像を描画する描画装置であって、
前記描画プリミティブとしての線分の二つの頂点に関する同次座標及びウィンドウ座標を少なくとも含む頂点データを入力するための頂点入力手段と、
ピクセルが前記線分を投影面に投影した場合に生成される投影領域の内側に存在するか否かを判定するために用いられる係数である、前記投影領域の外辺に関するエッジ関数のエッジ係数を、前記頂点データから計算するエッジ係数計算手段と、
前記二つの頂点のうち少なくとも一方の頂点データと前記エッジ係数とから、投影面における前記投影領域のバウンディングボックスを計算するためのバウンディングボックス計算手段と、
前記エッジ係数の組み合わせに基づいて前記投影領域を分類し、当該分類に応じて前記バウンディングボックスの走査開始点及び走査進行方向を決定する決定手段と、
前記走査開始点から前記バウンディングボックスを走査しピクセルデータを生成するトラバース手段と、
を具備することを特徴とする描画装置。 - 前記走査開始点に対応するピクセルにおける前記エッジ関数の値を初期値として、前記走査進行方向に向かって前記初期値に前記エッジ係数を加算することでピクセルデータを生成することを特徴とする請求項1記載の描画装置。
- 前記エッジ係数計算手段は、前記二つの頂点の同次座標に基づいて前記エッジ係数を計算し、
前記バウンディングボックス計算手段は、
前記二つの頂点の同次座標に基づいて、前記線分の少なくとも一部が前記基準視点の前方に存在するか否かを判定し、
前記線分の少なくとも一部が前記基準視点の前方に存在すると判定した場合には、前記二つの頂点の少なくとも一方のウィンドウ座標を用いて、前記線分の投影像のバウンディングボックスを計算すること、
を特徴とする請求項1又は2記載の描画装置。 - 前記バウンディングボックス計算手段は、
前記線分の一方の頂点が前記基準視点の後方に存在するか否かを判定し、
前記線分の一方の頂点が前記基準視点の後方に存在すると判定した場合には、前記基準視点の前方に存在する前記線分の他方の頂点を通過するウィンドウ座標系の縦軸に平行な直線、及び前記他方の頂点を通過するウィンドウ座標系の横軸に平行な直線によって、初期設定されたバウンディングボックスを、前記線分を含む第1の領域と前記線分を含まない第2の領域とに分割し、
前記第2の領域が削除されるように、初期設定されたバウンディングボックスをより小さなサイズに修正すること、
を特徴とする請求項3記載の描画装置。 - 前記決定手段は、
前記分類に基づいて前記バウンディングボックスのコーナー点であって前記投影領域の頂点である点のいずれかを走査開始点とし、
当該走査開始点から前記投影領域内部に向かう方向を走査方向として決定すること、
を特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の描画装置。 - 前記投影領域は、前記線分の投影面への投影像を、前記線分を投影面の縦軸及び横軸に投影した長さが短い方の軸であるマイナー軸方向に平行移動させて生成される平行四辺形であることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の描画装置。
- 基準視点から描画プリミティブを投影面に投影しこれをラスタライズすることによってピクセルデータを生成し三次元グラフィックス画像を描画するための描画方法であって、
前記描画プリミティブとしての線分の二つの頂点に関する同次座標及びウィンドウ座標を少なくとも含む頂点データを入力し、
ピクセルが前記線分を投影面に投影した場合に生成される投影領域の内側に存在するか否かを判定するために用いられる係数である、前記投影領域の外辺に関するエッジ関数のエッジ係数を、前記頂点データから計算し、
前記二つの頂点のうち少なくとも一方の頂点データと前記エッジ係数とから、投影面における前記投影領域のバウンディングボックスを計算し、
前記エッジ係数の組み合わせに基づいて前記投影領域を分類し、当該分類に応じて前記バウンディングボックスの走査開始点及び走査進行方向を決定し、
前記走査開始点から前記バウンディングボックスを走査しピクセルデータを生成すること、
を具備することを特徴とする描画方法。 - コンピュータに、基準視点から描画プリミティブを投影面に投影しこれをラスタライズすることピクセルデータを生成し三次元グラフィックス画像を描画する描画処理を実行させるための描画プログラムであって、
前記描画プリミティブとしての線分の二つの頂点に関する同次座標及びウィンドウ座標を少なくとも含む頂点データを入力する入力機能と、
ピクセルが前記線分を投影面に投影した場合に生成される投影領域の内側に存在するか否かを判定するために用いられる係数である、前記投影領域の外辺に関するエッジ関数のエッジ係数を、前記頂点データから計算するエッジ係数計算手段と、
前記二つの頂点のうち少なくとも一方の頂点データと前記エッジ係数とから、投影面における前記投影領域のバウンディングボックスを計算する計算機能と、
前記エッジ係数の組み合わせに基づいて前記投影領域を分類し、当該分類に応じて前記バウンディングボックスの走査開始点及び走査進行方向を決定する決定機能と、
前記走査開始点から前記バウンディングボックスを走査しピクセルデータを生成する生成機能と、
を実現させるための描画プログラム。
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