JP4197978B2 - 輪転印刷機内の円筒状の刷版保持体上の刷版を作製するための方法 - Google Patents

輪転印刷機内の円筒状の刷版保持体上の刷版を作製するための方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1の前提部分おいて書き部に記載の輪転印刷機における円筒状の刷版保持体上に刷版を作製するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この方法は、特に平版オフセット印刷に用いることができるが、これに限定されるものではない。本発明の方法を応用するための前提になるのは、特にデジタル式に記入されかつまた再消去可能とされたオフセット印刷胴の形態で輪転印刷機用刷版を作製するのに用いられるデジタル式画線部形成機構である。このとき、当該印刷装置には、典型的なオフセット印刷装置のように、版胴、ゴムブランケット胴、及び対向圧胴を設けることができる。上記画線部形成ユニットは、本出願人による周知の機構の場合には、いわゆる外部ドラムの原理で動作する。つまりこの原理では、高速で回転する印刷胴(Druckzylinder)において、レーザ光線がデジタル形式で蓄積されたデータに基づき当該印刷胴の表面上における画像情報を画定する。そこで、例えば、本出願人による独国特許出願公開第19844495号明細書は、印刷機における刷版保持体の画線部形成を制御するための方法を開示している。この方法の場合、刷版を生成するために用いられる画像信号が計算機のメモリから取り出されて画線部形成用の装置に供給される。
【0003】
いわゆるラスタ・イメージ・プロセッサ(RIP:RasterImageProzessor)は、周知のシステムの場合、点から点および行から行へ記述できるラスタ化された画像(網点画像)をビットマップメモリを介して作製し、これにより、とりわけレーザの形態とされた画線部形成用の装置が、ポストスクリプトデータからデジタル画像データを正しく解釈しかつ後に版全体を成す画像点の各々にその点の独自性(階調)及び位置を与えるような状態にセットされるようにする。
【0004】
デジタル式に蓄積された画像データは、例えば次のようにして網点階調に変換される。すなわち、256段階のグレースケールを網点階調に変換可能にするために、レーザは、選択されたラスタ細度(Rasterfeinheit)のラスタセル(網点)を、16×16のアドレス化が可能なラスタ素子(ハーフトーンセル)に分割する能力を有していなければならない。フルトーンで露光する場合には、256個のハーフトーンセルの全てが黒くされることになろうし、例えば15パーセントの網点階調の場合には、同じようにして約38個のハーフトーンセルが黒くされることになろう。露光される各網点は、この場合、256個のハーフトーンセルによるビットマップから構成されることになろう。このビットマップは、従って、レーザのための制御情報を含み、このレーザは、この制御情報に基づいて、対応する複数のピクセルからなる網点を露光する。
【0005】
しかしながら、版胴(すなわち刷版)は、正しく当接(並接付与)された場合にのみ、長期的に所望の働き、つまり一定の印刷品質をもたらしてくれる。当接の度合いが弱すぎると、周回ならびに円筒性の許容差から、不均一なインキないし湿し剤の移送が起きる。当接の度合いが強すぎると、内部摩擦と圧力負荷により胴表面の寿命に対して悪い影響を与える。
【0006】
オフセット印刷における規格化のため、すなわち品質保証を目的として、今日では、いわゆるコントロールステーション技術を含む相応しい電子工学的な考え方が用いられている。このコントロールステーション技術とは、印刷中の多くの工程を自動的に進行させかつ制御するものである。幾つものマイクロプロセッサや小形計算機がこの目的のために数多くのデータを処理し、次いでこの処理結果が、対応するデータ・バスを介して個々の開ループ制御機構及び閉ループ制御機構へと最終的に送信される。今日では、専用のスキャナ(デンシトメータ)によって、階調(明度)ならびに色度を補正するための多くの手段が提供されている。ここで、印刷における上記の(ラスターないし網点)階調は、網点と白紙部分のパーセンテージによる面積比を与えるものである。
【0007】
印刷において網点の変更を行う毎に、非被覆面積に対する被覆面積の割合に影響が及ぼされる。周知のように、網点は、オフセット印刷における転写工程を通じて大抵の場合に拡大する。これは、印刷における階調増加と呼ばれている。仮に一色だけの網点が所望のものより大きくなれば、そのために別の色調になってしまう。これは当然ながら印刷全体に影響を及ぼすものである。もっとも、校正時ならびに実際の版印刷時の間にラスタのモチーフの一致が見られるために最も重要な前提条件となるのは、全てのインキないし印刷位置(Druckstelle)の階調の増し方が一致することである。
【0008】
上記の階調増加は、例えばデンシトメータ(濃度計)を用いて測定された印刷時の網点階調と、上述したように、露光による階調変更を含めてビットマップとしてRIPから必然的に得られる版上の既知の網点階調との差から判明する。印刷時の網点階調の、版ないし入力データに基づいた網点階調からの差としての階調増加は、再現用にそのまま使えるよう、一つの印刷特性曲線で表すことができる。
【0009】
上記印刷特性曲線を算出するために、最低限三つ、より優れたものでは五つないしそれより多いラスタ段階(Rasterstufen)と、一つのフルトーン野(Volltonfeld)とを有するラスタステップウェッジ(Stufenrasterkeile)が例えば印刷される。通常、デンシトメータによってインキ濃度が上記フルトーンならびに上記ラスタ段階において測定され、これに基づいて網点階調が算出される。このようにして得られた値を、対応する目標網点階調にわたる一つのグラフに書き表せば、対応する印刷特性曲線ないし転写特性曲線が得られる。印刷インキ、紙、刷版等の異なる組み合わせに対しては、当然ながら異なる転写特性曲線が用いられる(例えば独国特許出願公開第19844459号明細書も参照されたい)。
【0010】
拡大しつづける生産性への要求から、あるいは、出来るだけ軽くてコストのかからない印刷胴を作製するための努力を通じて、品質保証に対してさらなる問題が生まれてくる。特にスリーブ技術といったいわゆる溝無し印刷、これはスリーブ上に継ぎ目なしに被せられるゴムブランケットと、丸い形にレーザ溶接された印刷プレートに特徴を持つものであるが、この溝無し印刷によってまさに、剛性を低下させることが可能になる。これは、胴の溝が無いおかげで励起振動が低減されるためである。印刷胴の長さ対厚さ比、すなわち、撓みに対する印刷胴自身の相対的な剛性にとっては、次第に都合の悪いものになってきている。これにより、印刷運転中に印刷胴の形と位置が互いに不本意に変化、つまり印刷胴が撓んでしまうという結果になる。
【0011】
上記位置ないし姿勢の変化は、付与圧力(Druckbeistellung)を変化させる。つまり、印刷装置内で協動する印刷胴間での当接圧力(Anstelldruck)を変化させる。このとき、この当接圧力は、胴幅にわたって一様でなくなる。この付与圧力を数値として算出するのに、通常いわゆる押し跡幅(Abdruckbreite)、すなわちゾーンの幅の測定が用いられる。このゾーン幅は、互いに当接された、つまり押し付け合う状態に移動させられた胴において、これらの胴の接触領域を画定するものである。この測定は、オフセット印刷の場合にはとりわけ容易である。というのもこの場合、一対の胴のうち一つの胴が圧縮可能な(可撓な)表面を必ず有しているからである。
【0012】
さて、上記の印刷特性曲線ないし転写特性曲線、換言すれば階調の増加は、上記押し跡幅に直接依存する。これは、押し跡幅が増加すると、階調増加が大きくなり、またその逆も成立することを意味する。こうして、上述の効果により、胴の幅にわたって印刷特性曲線に意図しない変化がもたらされることになる。
【0013】
こういった胴幅上で変化する印刷特性曲線値を安定させるため、言い換えれば、目標印刷特性曲線と実際印刷特性曲線との差を打ち消すため、これまでの所、撓みによって生じた印刷胴位置の変化による上記の差を、機械的ないし装置の構成上の処置によって解消するという試みが行われてきた。撓みに対する対抗策として、現在のところ、胴表面を丸く(凸形に)形成する一方で他方極めて硬い材料を使用するといったことだけでなく、一群の胴を構造的に組み合わせて、胴を反対側で最大限支持させるようにして、これにより位置の変化をもたらす圧力が低減されるようにするといったことが知られている。しかしながら、こういった処置は、現在、手間がかかりすぎる、あるいは高価すぎると考えられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記の事情に鑑み、本発明の課題は、特に平版オフセット印刷において、印刷特性曲線ないし転写特性曲線に関して輪転印刷における品質を保証し、この品質の保証によって、低コストかつ柔軟に、それも機械的な補償処置なしで、撓みによる印刷胴の位置変化ないし状態変化が補償されるようにすることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この課題は、版下ないし校正刷り通りの階調と色度の再現性ならびに版の印刷全体にわたるこれら階調と色度の安定性(均一性)と、撓む際に不本意に変化する階調増加に関する実際印刷特性曲線ないし実際転写特性曲線の修整(補正)とを計算技術的ないし測定技術的に検査することに特徴を有する請求項1に記載の方法によって解決される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳述する。
【0017】
本発明による方法の格別の長所は、達成しようと努められた版の印刷の品質保証が非常に低コストかつ柔軟なものであり、しかも特に構造的な処置を講じる必要なく異なる付与圧力(図1aにおける例えば版胴1及びゴムブランケット胴2といった二つの胴のP−P)及びそれに伴う胴の撓みに適合できる点にある。
【0018】
また、図1bは、図1aの二つの胴1,2の印刷運転中における不本意な相互の位置変化(撓み)の結果を示す。当接圧力P−Pは、胴幅にわたって不均一になり、結局、胴幅にわたって不規則な線圧が生じる。図1bにおいて、位置1(Pos1)は胴幅の略中央、位置3(Pos3)は胴の左端の部分、そして位置3´(Pos3´)は右端の部分を指し、さらに位置2及び2´(Pos2、Pos2´)は、胴(刷版保持体)1ないし2の、それぞれ中央と端の間に設けられた部分領域を指している。
【0019】
本発明は、輪転印刷機内の円筒状の刷版保持体上に刷版を作製するための方法であって、デジタル式の画線部形成ユニットとRIPとを用いる。このRIPは、印刷機に依存しないデータ形式でデジタル式の画像データを受け取り、この画像データを、位置と階調の情報をビットマップ形式で含んだ装置固有の画像データに変換し、次に、この変換された画像データを、版の印刷のために予め設定可能な目標印刷特性曲線(面積被覆率ごとの階調値増大を表す目標とする転写特性曲線)を考慮しながら画線部形成ユニットに供給する。本発明は、上記方法の発展形態として以下のことを提案する。すなわち、刷版の作製に先立ち、刷版保持体を該刷版保持体の幅すなわち軸線方向長さにおいて計算技術的に複数の部分領域に分割し、これらの部分領域のそれぞれに対して各々一つの実際の実際転写特性曲線(面積被覆率ごとの階調値増大を表す実際の転写特性曲線)を特定ないし測定し、それぞれの実際転写特性曲線を、予め計算技術的に設定される目標印刷特性曲線と比較し、刷版保持体の周回する各部分領域に関する上記目標特性曲線からの上記実際特性曲線の差を、上記装置固有の画像データを計算技術的に修整する形で用い、当該差異を補償するようにする。かくして、図2は、分かり易くする目的で図1bの部分領域Pos1,2,2´,3,3´に対応する例えば五つの部分領域(ゾーン)Pos1,2,2´,3,3´に、刷版幅3を分割した様子を具体的に示すものである。
【0020】
好ましい実施形態においては、刷版保持体の上記部分領域は、ゾーンPos1,2,2´,3,3´として、オフセット印刷におけるインキゾーン(Farbzonen)と同様に画定され、各ゾーンに対して、校正刷りを行なうことによってこれらに対応する実際の実際転写特性曲線Pos1,2,3(図1c)が測定技術的に特定される。これらのゾーンは、想像し易くするために例を挙げるなら30mmの幅とされている。
【0021】
次に、ラスタステップウェッジ4を用いて各ゾーンの実際転写特性曲線の測定技術的な特定が行なわれる。このラスタステップウェッジは、周回方向において各ゾーンに割り当てられるようにして印刷される(図2参照)。印刷特性曲線を特定すること、例えば「所定のフルトーン濃度の場合の刷版の面積被覆率に対する印刷物の面積被覆率」といった形で印刷特性曲線を特定することは、グラフィック産業では標準的な方法である。
【0022】
かくして、各ゾーンに関して、所属する(対応する)実際転写特性曲線の、予め設定された目標印刷特性曲線からの差異は、デジタル式の装置固有の画像データ内で補償される。ここで、目標印刷特性曲線は、例えばISO12647に準拠するオフセット印刷の規格化によって予め設定されるものとすることができる。
【0023】
本方法の好ましい形態においては、RIP内で変換された装置固有の画像データは、中間フォーマットとしてビットマップメモリに供給され、さらに、各部分領域について目標印刷特性曲線からの実際転写特性曲線の差がビットマップメモリに供給され、これにより、装置固有の画像データが最終フォーマットに計算技術的に修整されるようにする。
【0024】
例えば、画像データは、刷版を作製するために目標印刷特性曲線を考慮に入れながら刷版大の(druckformgross)連続調画像(CT:Contone)/線画像(LW:Linework)フォーマットへと処理されるが、これは従来技術と同様である。例えば業界で長年にわたり用いられてきて、現在もなお用いられ、あるいはまたデルタリストとも呼ばれてきたような上記CT/LWフォーマットは、色分解のそれぞれに対して、例えばピクセル当たり少なくとも8ビットの彩度(Farbtiefe)で300dpiを有する少なくとも一つのビットマップ、つまりこの中に全てのグレースケール値(Grauwerte)を記述する画素が入る(連続調画像データ)ようなビットマップを提供し、さらに、一つないし複数のもっと高い解像度のバイナリー式のビットマップ、例えば2400dpiを有して(線画像データ)、グラフィックエレメント、フォントエレメント、及びマスク情報を含んだビットマップを提供する。
【0025】
さて、ビットマップ(中間)メモリ内の上記連続調画像(CT)データに対して、上記ゾーンのそれぞれに対して計算技術的に算出された修整処置がゾーン的に適用される。この修整処置により、ビットマップの値が若干変更されるこになる。つまり、グレースケール値が、目標特性曲線からの実際特性曲線の計算技術的に算出された差に応じて変更され、これにより、先に述べた差異が補償されるようになる。中間フォーマット(CT/LTフォーマット)は、次に最終フォーマット(ラスター)へと移行され、その後刷版が出来上がる。
【0026】
さらに他の特に好ましい請求項1の方法の実施形態において、予め設定される目標印刷特性曲線として、刷版保持体の好ましい部分領域に属する実際転写特性曲線により、一つの基本特性曲線が定義される。つまり、本発明による方法が適用される印刷位置毎に一つだけの基本特性曲線が定義され、そして各々の部分領域ないしゾーンに対して、この基本特性曲線に基づいた修整が計算により算出される。この基本特性曲線は、例えば、刷版保持体の中央に位置している部分領域ないしゾーンの、実際転写特性曲線、あるいは、刷版保持体の中央と端の間、それも好ましくは、刷版保持体の軸線方向長さの約1/4ほど刷版保持体の端から離れた所にある部分領域ないしゾーンの、実際転写特性曲線とすることが可能である。
【0027】
刷版作製のために、こうして再び画像データが基本特性曲線を考慮に入れながら主に刷版大のCT/LTフォーマットに処理される。ここで、後続の画像データの修整は、例えば画線部形成工程によるドットの拡張を考慮した刷版作製のための周知のデータ修整と、まさに印刷時における階調増加の実際値の階調増加の目標値からの差の修整とから成り立っている。
【0028】
このことは、刷版作製のために、異なる印刷位置毎にまさに一つの固有の基本特性曲線が適用されることを意味する。これらの基本特性曲線は、僅かに異なることができる。こうして、CTデータに対して、部分領域的ないしゾーン的に、それぞれ算出された修整値が適用され、これにより、若干変更されたビットマップ値が出来ることになる。このCT/LWフォーマットから、次ぎにラスターが生成され、刷版が作られる。
【0029】
このように行なうことの格別な長所は、ビットマップにおける値の変更が非常に小さいものだけであるという点にある。というのも、大まかな全ての修整が事前の計算に既に含まれてしまっており、それ故に色構成(Farbaufbau)の非線形性による色ずれ(Farbverschiebung)が最小限とされているからである。
【0030】
請求項1に係る方法のさらに他の好適な利用形態においては、全ての実際転写特性曲線は、輪転印刷機の印刷装置内の刷版保持体の付与圧力に応じて、測定技術的にではなく計算技術的に特定される。このとき、付与圧力の数値は、刷版保持体の押し跡幅を特定することで決まる。この場合、円筒状の刷版保持体の撓み方は、例えば撓む際に変えられる押し跡幅を測定することによって特定される。初めにも述べたが、このような撓みによって、付与圧力に変更がもたらされることになる。各付与圧力に対する階調の依存性が、数学的な関数か又は経験的に見つけ出すかのいずれかから導き出すことができて分かっている場合には、撓み方を定量的に表すことによって、修整特性曲線、すなわち実際転写特性曲線を特定することができる。これによって、斯かる修整特性曲線を見つけ出すための校正刷りはもはや不要となる。
【0031】
刷版保持体の撓み方でさえも、既知の材料パラメータ及び面上や線上の力の値を使った理論的な計算に基づき、例えば有限要素計算等によって特定することができる。そのため、例えばスタート時の修整は、装置側で直接、しかもその場での測定や校正刷りを要することなく、予め設定することができる。
【0032】
請求項1に係る方法のさらに他の好適な変形例は、刷版保持体が計算技術的に無段階に分割され、これにより、一番目の部分領域から最後の部分領域まで、実際転写特性曲線が1次式ないし高次式により内挿可能とされるというものである。
【0033】
また、装置に依存しない画像データがRIP内で変換される際に、装置固有の画像データが計算技術的に修整されるという請求項1に係る方法のさらに他の好適な変形形態を考えることができる。これによれば、例えば上述したようなCT/LWフォーマットにおける中間フォーマットを省略することができる。この場合、画像データの修整は、ラスタに対して予めなされるステップにおいて、オブジェクトベースで行うことができる。これは、例えば、刷版に基づいたディスプレイリスト上で行うことができる。そこでは次に、個々のオブジェクト、ビットマップないしベクトル形式のオブジェクトが、刷版上におけるこれらの位置に応じて換算によって与えられる。
【0034】
請求項1に係る方法の特に好ましい実施形態においては、実際転写特性曲線の特定が、自己学習するシステムの設定(Vorgabe)に結び付けられ、これにより、輪転印刷機の各々任意の印刷位置に対する目標印刷特性曲線のためのデータバンクが、異なる紙とインクの組み合わせといった任意のパラメータを考慮に入れた形で利用できるようになっている。
【0035】
本発明による方法の修整処置は、印刷機全体に対して、すなわち似通った形状および印刷条件を持つ各印刷位置に対して、同じにすることができる。また、本発明による方法の修整処置は、印刷位置毎に変えることもでき、各印刷位置に対して個々に算出され、記憶され、さらに、この印刷位置のために処理されたデータに対して用いられてもよい。本出願人の輪転印刷機におけるインキゾーン予備設定の最適化のための自己学習システムにおいて既に公知となっているように(独国特許出願公開第19822662号明細書参照)、自己学習する方法においては、両方が組み合わされてもよい。
【0036】
この場合、既存の装置による経験と、理論的な考察とに基づいて得られるようなスタート時の初期修整が予め設定される。続いて、装置の運転中に、作製された印刷物における測定が行なわれ、これにより上記の修整が改善される。測定と修整の改善とは、各印刷位置に対して個々に行なうことができる。この測定は、手動による測定器ないし自動化された測定装置によって例えばインキゾーン予備設定のために利用された測定の枠内、もしくはこの測定とは別に行なうことができる。
【0037】
本発明による方法をさらに向上させるためには、例えばISO12647規格に準拠した用紙類の区分において、使用される印刷用紙もしくは使用される紙とインキの組み合わせに応じた修整が行なわれるべきかもしれない。その場合には、使用される紙の部類のいかんによって、刷版を生成するために、各々所属の修整が用いられるべきであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1a】例えば版胴に対するゴムブランケット胴といった二つの胴の相互の付与圧力を説明するための図である。
【図1b】印刷運転中の胴の撓み(位置ないし姿勢の変化)から結果的に生じる、胴幅にわたって変化する付与圧力に起因する線圧を示す図である。
【図1c】胴が撓むために変化する図1bに示す線圧から結果的に生じる印刷特性曲線を示す図である。
【図2】刷版保持体上の刷版の版型全体を部分領域に分割した状態を示す図である。
【符号の説明】
P・・・付与圧力Pos1,2,2´,3,3´・・・部分領域

Claims (11)

  1. 輪転印刷機内の円筒状の刷版保持体上に刷版を作製するための方法であって、デジタル式の画線部形成ユニット及びRIPすなわちラスタ・イメージ・プロセッサを用い、該RIPに、印刷機に依存しないデジタル式の画像データを受け取らせ、該画像データを、刷版における位置と階調の情報をビットマップ形式で含んだ装置固有の画像データに変換させ、そして次に、版の印刷のために目標として予め設定可能な、面積被覆率ごとの階調値増大を表す目標転写特性曲線を考慮しながら、前記画線部形成ユニットに供給させる方法において、
    画線部形成に先立ち、前記刷版保持体を、該刷版保持体の幅すなわち軸線方向長さにおいて計算技術的に分割し、実際の面積被覆率ごとの階調値増大を表す実際転写特性曲線を部分領域のそれぞれに対して各々一つ、刷版保持体と該刷版保持体と協働する圧胴との間のその都度の押し跡幅から直接的に生じる、部分領域ごとに変化する階調値増大に依存して特定し、実際転写特性曲線のそれぞれを、前記予め設定された目標転写特性曲線と計算技術的に比較し、装置固有の画像データを、前記目標転写特性曲線からの前記実際転写特性曲線の、計算技術的に算出された差異に相応して、計算技術的に変化させ、これにより、該差異が補償されるようにし
    しかもその際、前記実際転写特性曲線を、前記刷版保持体の押し跡幅を特定することから数値が得られる前記輪転印刷機の印刷装置内の刷版保持体の付与圧力に応じて、全て計算技術的に特定することを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記刷版保持体の前記部分領域を、オフセット印刷におけるインキゾーンの幅と同様の幅を有するように画定し、前記部分領域のそれぞれに対して、これらの部分領域に対応もしくは属する前記実際転写特性曲線を、校正刷りによって測定技術的に特定することを特徴とする方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、前記各部分領域の周回方向に対して交差する方向に配設されるように印刷される複数のラスタステップウェッジを用い、前記各ゾーンの実際転写特性曲線を測定技術的に特定することを特徴とする方法。
  4. 請求項1に記載の方法において、前記刷版保持体を計算技術的に無段階に分割し、これにより、一番目から最後の部分領域まで、前記実際転写特性曲線を1次式ないし高次式で表されるようにすることを特徴とする方法。
  5. 請求項1に記載の方法において、予め設定される前記目標転写特性曲線として、前記実際転写特性曲線のうちの1つを定義することを特徴とする方法。
  6. 請求項1に記載の方法において、予め設定される前記目標転写特性曲線として、ISO12647に準拠するオフセット印刷の規格によって規定される特性曲線を用いることを特徴とする方法。
  7. 請求項5に記載の方法において、予め設定される前記目標転写特性曲線として、軸線方向に関して中央と端の間に設けられた刷版保持体の部分領域における実際転写特性曲線を優先して選択することを特徴とする方法。
  8. 請求項に記載の方法において、前記印刷装置内の前記刷版保持体の撓み方の有限要素計算から前記付与圧力の数値を導き出すことを特徴とする方法。
  9. 請求項1に記載の方法において、前記RIP内で変換された装置固有の画像データを、中間フォーマットとしてビットマップメモリに供給し、さらに、前記装置固有の画像データを最終フォーマットに計算技術的に修整するため、対応する各部分領域の前記目標転写特性曲線からの実際転写特性曲線の差異を前記ビットマップメモリに供給することを特徴とする方法。
  10. 請求項1に記載の方法において、前記RIP内での装置固有の画像データの変換の際に、前記装置固有の画像データを計算技術的に修整することを特徴とする方法。
  11. 請求項1に記載の方法において、前記実際転写特性曲線の特定が、自己学習するシステムの設定に結びつけられ、これにより、前記輪転印刷機の任意の印刷位置のそれぞれに対する前記目標転写特性曲線のためのデータバンクを、異なる紙とインキの組み合わせといった任意のパラメータを考慮に入れて利用できるようにすることを特徴とする方法。
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