JP4197860B2 - 微細なスリット状開口部を有する金属製薄板の欠陥修正方法 - Google Patents
微細なスリット状開口部を有する金属製薄板の欠陥修正方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数の微細な開口部を有する金属製薄板の技術分野に属し、詳しくは、微細なスリット状開口部を有する金属製薄板の簾部分に生じた欠陥の修正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、このような多数の微細な開口部を有する金属製薄板は、帯状の金属部材を原材料として用い、フォトエッチング法によりエッチング加工を行う製造ラインで生産されている。
【0003】
その製造ラインを簡単に説明すると次のようである。まず、帯状の金属板材を連続的ないし間欠的に移動させながら、製版工程により両面に耐エッチング性のレジストパターンを形成する。次にこれをエッチングマスクとして、帯状の金属板材に対してエッチング加工を施す。これにより、各金属製薄板の外周部が帯状の金属板材に保持されるようにして、且つ帯状の金属板材に金属製薄板を面付けした状態にして外形加工される。そして、その後、各金属製薄板毎に分離するトリミング工程を経て、目的とする製品としての金属製薄板が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術で述べた如き金属製薄板の中には、スリット状の開口を設けたタイプのものがある。このタイプの金属製薄板は、開口がスリット状にかつ平行に設けられているため、その製造ラインで簾部分に変形が発生することが多く、この変形が欠陥となっていた。すなわち、エッチング工程によりスリット状の開口が設けられると、簾部分の支持はその根元だけであるため、搬送や人手によるハンドリングによって簾部分に部分的に力が加わると簡単に変形を生じてしまう。このため、このようなタイプの金属製薄板においては、簾部分の変形不良への対応が求められているが、この変形による欠陥を修正する方法は存在しないのが現状である。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フォトエッチング法にて製造された微細なスリット状開口部を有する金属製薄板における簾部分に生じた変形を修正するための欠陥修正方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の欠陥修正方法は、微細なスリット状開口部を有する金属製薄板における簾部分の変形を修正する方法であって、簾部分の根元の2辺を掴み、簾方向に沿って弾性変形領域内で簾部分を引っ張った状態としてから、一方の辺に対して他方の辺を金属製薄板と同一の面内で簾方向と直角方向に向きを順に変えてスライドさせる移動処理を行うことにより、塑性変形領域での変形量を少なくして簾部分の変形を修正することを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、具体例を挙げて本発明の実施の形態について説明する。
【0008】
図1は本発明に係る欠陥修正方法の第1の例を説明するための概略平面図、図2は図1のX−X断面図、図3は図1のY−Y断面における一部拡大図であり、図4は図1に示した辺の部分の移動動作を具体的に示す説明図である。
【0009】
第1の例では、まず、微細なスリット状開口部を有する金属製薄板10における簾部分11の根元の2辺12,13を、それぞれ抑え部21,22により、欠陥のある簾部分11aを含む範囲で掴み、簾方向に沿って弾性変形領域内で簾部分11を引っ張った第1の状態(図4(a)に示す状態)とする。次いで、一方の辺12に対して他方の辺13を金属製薄板10と同一の面内で簾方向と直角方向にスライドさせる移動処理を行う。具体的には、図4(b),(c)に示すように、金属製薄板10の一方の辺12を固定し、他方の辺13を金属製薄板10と同一の面内で簾方向と直角方向に向きを順に変えてスライドさせる。そして、図4(a)に示す位置にて移動を停止し、簾方向の張力を除く。
【0010】
この向きを替える移動処理は、順に、簾部分11の弾性変形領域を越え、欠陥のある簾部分11aを他の簾部分11と同じ形状に変形させる、塑性変形領域での変形を起こすための移動動作と、塑性変形領域での変形量を少なくするための移動動作とを行い、さらに弾性変形領域で第1の状態の位置からの変位を小さくしていく移動動作とを行うものである。
【0011】
この例での欠陥のある簾部分11aは、図3に示すように、金属製薄板10の面に沿った位置ずれを起こしたものである。すなわち、正常な簾部分11のピッチがP0 であるのに対し、欠陥のある簾部分11aの両側ではピッチがP1 (<P0 )とP2 (>P0 )になっている。
【0012】
この欠陥を生じた状態の金属製薄板10に対し、図4(a)に示すように、抑え部21を固定して、矢印のように抑え部22を弾性変形領域内で引っ張った状態(断面状態は図5(a))で、まず矢印A1 の方へ抑え部22を金属製薄板10の面に沿って移動させ、図5(b)に示すように、欠陥のある簾部分11aが他の簾部分11と同じように傾いてピッチP3 で揃い変形する位置まで変位させる1回目の移動を行う(図4(b))。
【0013】
次いで、抑え部21を固定し、抑え部22を弾性変形領域内で引っ張った状態のまま、矢印A2 の方へ抑え部22を金属製薄板10の面に沿って移動させ、図5(c)に示す如く図5(b)に示したのとは反対に傾いてピッチP4 で揃い変形する2回目の移動を行う(図4(c))。ここで、1回目の移動と2回目の移動によるそれぞれの変形は、塑性変形領域内のもので、2回目の変形量は1回目の移動による変形量よりも小さくする。
【0014】
さらに、抑え部21を固定し、抑え部22を弾性変形領域内で引っ張った状態のまま、矢印A1 の方へ抑え部22を金属製薄板10の面に沿って移動させる3回目の移動を行い、断面状態が図5(b)になるように変形させるが、変形量は2回目の移動による変形量よりも小さくする。
【0015】
このように、順次、矢印A1 の向き、矢印A2 の向きとその移動の向きを変えながら、それぞれ塑性変形領域内の変形を、その変形量を小さくしながら繰り返し、実質的に変形量がなくなるまで行うもので、本例では、これを各移動について、所定の変位幅で、漸次、移動の際の最大変位を小さくしていくことにより行っている。そして、本例では、実質的に変形量がなくなった後も、同様に、順次、矢印A1 の向き、矢印A2 の向きとその移動向きを変えながら、変位量を漸次小さくして、弾性変形領域内の移動を行った後、移動を停止し、抑え部22の引張を止める。このようにして、図5(a)の状態のものを図5(d)の状態のものに変えることができる。すなわち、図5(a)の欠陥のある簾部分11aは修正されるのである。
【0016】
上記は、図3に示す如き金属製薄板10の面に沿う位置ずれの欠陥のある簾部分11aについての修正を説明したが、図6(a)に示す如き「よれ」(「ねじれ」とも言う)の欠陥のある簾部分11a、図6(b)に示す如き金属製薄板10の面に直交する方向の位置ずれの欠陥のある簾部分11aについても、本例の方法により同様に修正を行うことができる。
【0017】
図7は本発明に係る欠陥修正方法の第2の例を説明するための概略平面図、図8は図7のX−X断面図である。
【0018】
第2の例も、基本的な修正原理は第1の例の場合と同じである。この第2の例では、まず金属製薄板10における簾部分11の根元の2辺12,13の一部を、それぞれ抑え部23,24により、欠陥のある簾部分11aを含む範囲で掴み、抑え部23,24にて2辺12,13を引っ張ることにより、簾方向に沿って弾性変形領域内で簾部分11を引っ張った第1の状態とする。次いで、この状態で2つの抑え部23,24にそれぞれ力を加え、第1の状態の位置から2辺12,13を移動させるが、この場合、移動の向きを互いに反対にし、且つ2辺12,13の変位量をそれぞれ小さくするように移動させ、第1の状態の位置に戻る移動動作を、各辺12,13の向きを順に変えて行う。そして、第1の状態の位置にて移動を停止し、簾方向の張力を除くものである。
【0019】
第2の例も、第1の例と同様、相対的に2辺12,13を移動させ、少なくとも図7の欠陥のある簾部分11aを含む領域で、図5(b)に示す変形状態と、図5(c)に示す変形状態とを、その変形量を漸次小さくしながら繰り返すことにより変形を実質的になくすものである。
【0020】
なお、第2の例の場合、抑え部23,24には、欠陥のある簾部分11aの位置で最大で、この位置から離れるに従って小さくなるように、引張力が掛かるようになっている。したがって、本例の修正方法を実施することにより、抑え部23,24から離れた部位、すなわち図7に示す左右方向の両端位置近辺の簾部分11に変形が生じることを防止できる。
【0021】
また、第2の例の場合も、第1の例と同様、図6(a)に示す如き「よれ」(「ねじれ」とも言う)の欠陥のある簾部分11a、図6(b)に示す如き金属製薄板10の面に直交する方向の位置ずれの欠陥のある簾部分11aについても修正を行うことができる。
【0022】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明による欠陥修正方法は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、微細なスリット状開口部を有する金属製薄板における簾部分の変形を修正する方法であって、簾部分の根元の2辺を掴み、簾方向に沿って弾性変形領域内で簾部分を引っ張った状態としてから、一方の辺に対して他方の辺を金属製薄板と同一の面内で簾方向と直角方向に向きを順に変えてスライドさせる移動処理を行うことにより、塑性変形領域での変形量を少なくして簾部分の変形を修正することを特徴としているので、この方法を用いることにより、フォトエッチング法にて製造されたスリット状の開口を有する金属製薄板の簾部分に発生したねじれ、位置ずれ、へこみ(出っ張り)等の変形を修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る欠陥修正方法の第1の例を説明するための概略平面図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】図1のY−Y断面における一部拡大図である。
【図4】図1に示した辺の部分の移動動作を具体的に示す説明図である。
【図5】欠陥を含む領域の簾部分の修正過程を断面形状で示す説明図である。
【図6】簾部分の変形不良を説明するための断面図である。
【図7】本発明に係る欠陥修正方法の第2の例を説明するための概略平面図である。
【図8】図7のX−X断面図である。
【符号の説明】
10 金属製薄板
11 簾部分
11a 欠陥のある簾部分
12,13 辺
21,22 抑え部
23,24 抑え部
Claims (1)
- 微細なスリット状開口部を有する金属製薄板における簾部分の変形を修正する方法であって、簾部分の根元の2辺を掴み、簾方向に沿って弾性変形領域内で簾部分を引っ張った状態としてから、一方の辺に対して他方の辺を金属製薄板と同一の面内で簾方向と直角方向に向きを順に変えてスライドさせる移動処理を行うことにより、塑性変形領域での変形量を少なくして簾部分の変形を修正することを特徴とする微細なスリット状開口部を有する金属製薄板の欠陥修正方法。
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