JP4197830B2 - 車両荷重測定用センサユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラック等の車両の荷重がかかることで伸縮する被荷重部材に取り付けられる車両荷重測定用センサユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
主としてトラック等の大型車両を対象とし、例えば過積載による横転等の交通事故や、車両、路面の劣化の促進を防ぐ目的で行われる車両の荷重測定は、大がかりな施設と設置スペースを要する台秤に代わって、近年、車両の荷重がかかる被荷重部材の伸縮を検出する圧縮歪検出用センサ素子を用いて直に測定する荷重測定装置によって行われつつある。
【0003】
そして、このような荷重測定装置に用いられる圧縮歪検出用センサ素子の出力は、歪ゲージや交差コイルといった電源を必要とするタイプのものにしろ、歪起電力を発生する電源不要のタイプのものにしろ、出力レベルが微弱であるためアンプによる増幅が不可欠であるため、荷重測定装置には、圧縮歪検出用センサ素子とアンプとを接続する信号線が存在することになる。
【0004】
ところで、車両においては、例えばエンジンの回転等によりノイズ信号が発生するので、このノイズ信号が荷重測定装置による車両の荷重測定に悪影響を及ぼさないようにするためには、アンプをなるべく圧縮歪検出用センサ素子に近い場所に配置して、ノイズ信号を拾う原因となる圧縮歪検出用センサ素子とアンプとを接続する信号線をできるだけ短くすることが望ましく、理想的には、圧縮歪検出用センサ素子とアンプとを同一の担体に実装することが好ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、圧縮歪検出用センサ素子を実装する担体は、車両にかかる荷重の変化による被荷重部材の伸縮を圧縮歪検出用センサ素子に伝達する必要性から、それ自身も車両にかかる荷重の変化により伸縮するものでなければならず、一方、アンプを実装する担体は通常、回路パターンが形成された配線基板であることから、この配線基板まで車両にかかる荷重の変化により伸縮するとなると、回路パターンである導電パターンや、この導電パターン上の接点に対するアンプの半田付け等による固定箇所に、クラック等を発生させて、電気的接続状態に支障を及ぼしかねないので、好ましくない。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、車両の荷重がかかることで伸縮する被荷重部材に溶着されて該被荷重部材と共に伸縮するベースアッシーにより支持された圧縮歪検出用センサ素子と、この圧縮歪検出用センサ素子の出力を増幅するアンプが実装された回路基板とを、回路基板回りの電気的接続状態に障害を与えずに、かつ、車両で発生するノイズ信号を拾いにくいように接続することができる車両荷重測定用センサユニットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に記載した本発明の車両荷重測定用センサユニットは、車両の荷重がかかることで伸縮する被荷重部材の異なる取付箇所に2つの溶着部分が溶着されるベースアッシーと、該ベースアッシーにより支持され、前記車両にかかる荷重の変化により前記2つの溶着部分が接近離間する方向に前記ベースアッシーが伸縮することで出力が変化する圧縮歪検出用センサ素子と、該圧縮歪検出用センサ素子の出力を増幅するアンプが実装された回路基板とを有する車両荷重測定用センサユニットであって、前記ベースアッシーと前記回路基板との間に介設され可撓性を有する支持部材を有しており、前記ベースアッシーに対して前記回路基板が移動可能となるように、該回路基板が前記支持部材により前記ベースアッシーから離間して支持されていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載した本発明の車両荷重測定用センサユニットは、請求項1に記載した本発明の車両荷重測定用センサユニットにおいて、前記支持部材が、少なくとも、前記車両にかかる荷重の変化により前記2つの溶着部分が接近離間する方向に前記ベースアッシーに対して作用する伸縮力以下の力による撓み変形の可能な剛性にて形成されているものとした。
【0009】
さらに、請求項3に記載した本発明の車両荷重測定用センサユニットは、請求項1又は2に記載した本発明の車両荷重測定用センサユニットにおいて、前記支持部材により前記ベースアッシーから離間して支持された前記回路基板が内部に収容され、前記ベースアッシーに取着されるケースをさらに有しており、前記回路基板を収容して前記ベースアッシーに取着した状態の前記ケース内に、衝撃吸収用の緩衝材が充填されているものとした。
【0010】
請求項1に記載した本発明の車両荷重測定用センサユニットによれば、車両にかかる荷重の変化により被荷重部材に溶着されたベースアッシーがその2つの溶着部分が接近離間する方向に伸縮すると、ベースアッシーと回路基板との間に介設された支持部材が可撓性を有していることから、アンプが実装されて支持部材により支持された回路基板には、ベースアッシーの伸縮力が、支持部材の有する可撓性の分だけ弱められて伝わることになる。
【0011】
また、請求項2に記載した本発明の車両荷重測定用センサユニットによれば、請求項1に記載した本発明の車両荷重測定用センサユニットにおいて、支持部材が、車両にかかる荷重の変化によりベースアッシーに作用する伸縮力以下の力による撓み変形の可能な剛性にて形成されていることから、車両にかかる荷重の変化によりベースアッシーが伸縮しても、その伸縮力が支持部材の可撓性により吸収されて回路基板に伝わらないことになる。
【0012】
さらに、請求項3に記載した本発明の車両荷重測定用センサユニットによれば、請求項1又は2に記載した本発明の車両荷重測定用センサユニットにおいて、車両にかかる荷重の変化によりベースアッシーに作用する伸縮力を弱めるために支持部材が撓むのに伴って、ベースアッシーに対して回路基板が相対的に変位した場合、ベースアッシーに対して取着されたケースの内部で回路基板がケースに対して相対移動しケースに衝突することが、緩衝剤により阻止されて、ケースの内部で回路基板が受ける衝撃が緩和されることになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による車両荷重測定用センサユニットの実施形態を、図面を参照して説明する。
【0014】
まず、本発明による車両荷重測定用センサユニットが取り付けられる車両箇所について、図1を参照して説明する。
【0015】
図1は車両のシャシ部分の斜視図であり、図1中引用符号1で示す断面略コ字状の荷台フレームには、取付用ブラケット3を介して、トラニオンシャフト7の端部を支持するトラニオンブラケット5(被荷重部材に相当)が固着されており、このトラニオンブラケット5のリブ部5bの両側に位置し車両の荷重がかかることでリブ部5bの延在方向に沿って伸縮する表面5a,5aに、本発明による車両荷重測定用センサユニットが各々取り付けられる。
【0016】
そして、図2に分解斜視図で示すように、本発明の一実施形態に係る車両荷重測定用センサユニット11は、圧縮歪検出用のセンシング素子13(圧縮歪検出用センサ素子に相当)と、このセンシング素子13を保持してトラニオンブラケット5の表面5aに取り付けられるベースアッシー15と、センシング素子13の出力を増幅するアンプ23と、このアンプ23が実装された回路基板25と、回路基板25をベースアッシー15に連結するゴムステー27と、このゴムステー27により回路基板25が連結された状態のベースアッシー15を覆うケース29とを有している。
【0017】
前記センシング素子13は、詳細な図示を省略するものの、ステンレス等の金属材料により長尺の扁平板状に形成された基板の表面に金属箔歪ゲージを形成して構成されている。
【0018】
そして、前記センシング素子13は、金属箔歪ゲージの抵抗値が、基板の長手方向に沿いかつ基板の表面に沿う方向から基板にかかる荷重に応じて変化し、これにより、通電された状態の金属箔歪ゲージにおける電圧降下量が、上述した方向から基板にかかる荷重に応じて変化するように構成されている。
【0019】
前記ベースアッシー15は、センシング素子13よりも若干広めの幅で形成された長尺扁平板状の支持部17と、この支持部17の長手方向両端から各々膨出形成された一対の固定片19,19と、各固定片19の基端からベースアッシー15の幅方向における両側に各々連設された合計4つの張出片21とを有しており、各張出片21のうち前記支持部17を挟んで対角線上に位置する2つの張出片21,21にはピン孔21a,21aが各々形成されている。
【0020】
前記支持部17の裏面には、図3に底面図で示すように、前記センシング素子13の裏面側が、双方の長手方向を合致させ、かつ、双方の幅方向の中央の位置を合致させた状態で当接され、この状態で、支持部17の長手方向に間隔をおいた裏面箇所に、センシング素子13の長手方向の両端が、例えばアーク溶接により各々固着される。
【0021】
前記各固定片19は、ベースアッシー15に保持されたセンシング素子13の幅方向における中心線の延長線上に位置するように構成されていて、各固定片19は、支持部17側から段差部19a及び溶着部19b(溶着部分に相当)の順に連なる2つの部分を有しており、図4に図2のA−A線断面図で示すように、溶着部19bは段差部19aの存在により、支持部17の裏面に固着したセンシング素子13の基板13aよりも若干低めの箇所に底部が位置するように構成されている。
【0022】
前記ゴムステー27は、図2に示すように、軟性ゴムにより円柱状に形成されていて、ベースアッシー15の支持部17がその長手方向に伸縮するのに必要な力よりも十分に小さい外力によって、自身の軸方向と交わる方向に撓むことができる剛性で構成されており、ゴムステー27の基端側には、張出片21の表面側からピン孔21aに挿入される固定用ピン27aが突設されていて、ゴムステー27の先端側には、回路基板25を取り付けるための取付用ピン27bが突設されている。
【0023】
前記回路基板25は、少なくともゴムステー27を上回る剛性を有する樹脂等により構成されていて、ベースアッシー15の外形に対応する矩形状から、センシング素子13と回路基板25とを接続する不図示の配線の引き回しのために、1つの隅部を切り欠いて形成されている。
【0024】
この回路基板25の表面には導電パターン(図示せず)が形成されており、回路基板25の裏面には、上述した不図示の導電パターン等にて回路接続された、ASICチップやその他の電気的素子(いずれも図示せず)等からなる前記アンプ23が実装されていて、このアンプ23の出力は、回路基板25の裏面に実装されたコネクタ24から取り出し可能に構成されている。
【0025】
尚、コネクタ24の端子24aは回路基板25を貫通し表面にて前記不図示の導電パターンに半田付けされている。
【0026】
前記ケース29は、下方に開放された直方体の箱状を呈しており、後述する組み付けによりゴムステー27により回路基板25をベースアッシー15で支持した状態で、これらを内部に収容できる内容積で形成されていて、ケース29の長手方向において対向する各側壁29a(図2中では図面手前側の一方の側壁のみ示している)の開口縁には、ベースアッシー15の各固定片19の溶着部19bの断面に応じた凹状の切欠29bが各々形成されており、図2中引用符号29cは、ケース29の長手方向に沿って延在する各側壁29dの縁部に膨出形成された折り曲げ可能な係止片を示す。
【0027】
上述したように構成されている本実施形態の車両荷重測定用センサユニット11は、次のようにして組み付けられる。
【0028】
まず、支持部17の裏面にセンシング素子13の長手方向の両端が溶着されたベースアッシー15の2つの張出片21に各々形成されたピン孔21aに、図5に車両荷重測定用センサユニット11の組立状態における図2のB−B線断面図で示すように、張出片21の表面側からゴムステー27の固定用ピン27aを各々挿入し、各固定用ピン27aの先端を張出片21の裏面側において各々熱溶融して、ピン孔21aを有する各張出片21の表面上にゴムステー27を各々立設する。
【0029】
次に、センシング素子13と回路基板25とを接続する不図示の配線の接続を行った状態で、図6に要部拡大斜視図で示すように、回路基板25の各取付孔25aに回路基板25の裏面側からゴムステー27の取付用ピン27bを各々挿入し、各取付用ピン27bの先端を回路基板25の表面側において各々熱溶着して、これら2つのゴムステー27により回路基板25をベースアッシー15上に支持させる。
【0030】
続いて、回路基板25を支持したベースアッシー15の各固定片19の溶着部19bに各側壁29aの切欠29bの位置を合わせて、ベースアッシー15にケース29を被せ、係止片29cを折曲してベースアッシー15の各張出片21の裏面に係止させて、ケース29をベースアッシー15に固定し、図5の状態とする。
【0031】
最後に、図7に要部拡大斜視図で示すように、トラニオンブラケット5の表面5aの、リブ部5bの延在方向に間隔を置いた箇所に、各側壁29aの切欠29bからケース29の外方に突出した各固定片19の溶着部19bの底部を各々溶着することで、トラニオンブラケット5の表面5aに車両荷重測定用センサユニット11を取り付ける。
【0032】
このようにして車両荷重測定用センサユニット11を取り付けると、ベースアッシー15の各固定片19の溶着部19bのみがトラニオンブラケット5の表面5aに接触し、車両荷重測定用センサユニット11のその他の部分は全て、トラニオンブラケット5の表面5aから離間して接触していない状態となる。
【0033】
このように構成された本実施形態の車両荷重測定用センサユニット11では、車両にかかる荷重の変化によりトラニオンブラケット5の表面5aが伸縮すると、この伸縮による力(伸縮力)がベースアッシー15の各固定片19の溶着部19bから支持部17にかかって支持部17がその長手方向に伸縮し、この伸縮による力が、支持部17の長手方向に間隔をおいた2つの張出片21,21のピン孔21a,21aに固定用ピン27a,27aが各々挿入、固定されたゴムステー27,27の基端側を、支持部17の長手方向に接近離間させるように作用することになる。
【0034】
すると、回路基板25がゴムステー27を上回る剛性で構成されていることから、固定用ピン27aにより張出片21に取り付けられた各ゴムステー27の基端側が、張出片21,21から受ける伸縮力により支持部17の長手方向に変位するのに対して、取付用ピン27bにより回路基板25に取り付けられた各ゴムステー27の先端側は、回路基板25の剛性により支持部17の長手方向への変位を規制され、この変位の規制により各ゴムステー27が撓み変形して、張出片21,21からゴムステー27が受ける伸縮力の回路基板25への伝達が阻止される。
【0035】
このように本実施形態によれば、車両の荷重がかかることでリブ部5bの延在方向に伸縮するトラニオンブラケット5の異なる表面5a箇所に、支持部17の長手方向両端から各々膨出形成されたベースアッシー15の各固定片19の溶着部19bを各々溶着し、支持部17に溶着したセンシング素子13の出力を、回路基板25に実装されたアンプ23により増幅する車両荷重測定用センサユニット11において、各固定片19の基端からベースアッシー15の幅方向における両側に各々連設された合計4つの張出片21のうち2つの張出片21,21に各々立設されたゴムステー27により、回路基板25を支持し、各ゴムステー27を、ベースアッシー15の支持部17がその長手方向に伸縮するのに必要な力よりも十分に小さい外力によって、自身の軸方向と交わる方向に撓むことができる剛性で構成した。
【0036】
このため、車両にかかる荷重の変化によりトラニオンブラケット5の表面5aやこの表面5aに取り付けられたベースアッシー15の支持部17が伸縮しても、その伸縮による力がゴムステー27の可撓性により吸収されて回路基板25に伝わらないようにして、回路基板25の表面上の導電パターンや導電パターンとアンプ27の端子27aとの半田付け部分にクラック等が発生したり、それによってセンシング素子13とアンプ23との間等に電気的な接続状態の不良が発生するのを、防止し、その上で、アンプ23が実装された回路基板25とセンシング素子13が溶着されたベースアッシー15とを一体化してセンシング素子13の出力をアンプ23に入力させるための配線を極力短くし、ノイズ信号を拾い難いようにすることができる。
【0037】
尚、本実施形態では、センシング素子13の基板がベースアッシー15とが別体である場合を例に取って説明したが、図8に平面図で示すように、センシング素子13の基板の長手方向両端から各々段差部19a及び溶着部19bによる固定片19を各々膨出形成し、センシング素子13の基板がベースアッシーを兼ねる構成として、このベースアッシーを兼ねるセンシング素子13の基板にゴムステー27を介して回路基板25を支持させる構成としてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、各固定片19の基端からベースアッシー15の幅方向における両側に各々連設されたベースアッシー15の合計4つの張出片21のうち、支持部17を挟んで対角線上に位置する2つの張出片21,21にゴムステー27を各々立設し、この2つのゴムステー27により回路基板25を支持する構成としたが、回路基板25を支持するのに用いるゴムステー27は2つに限らず3つ以上であってもよい。
【0039】
さらに、ゴムステー27は、回路基板25よりも小さい剛性である限り本実施形態よりも大きな剛性で構成してもよいが、本実施形態のゴムステー27のように、ベースアッシー15の支持部17がその長手方向に伸縮するのに必要な力よりも十分に小さい外力によって、自身の軸方向と交わる方向に撓むことができる剛性で構成すれば、ベースアッシー15の支持部17がその長手方向に伸縮した際に回路基板25に反力を与えることなくゴムステー27を撓ませて、車両にかかる荷重の変化による伸縮力が、撓んだゴムステー27の反力として回路基板25にかかるのを完全に防ぐことができるので、有利である。
【0040】
また、本実施形態では、ベースアッシー15により回路基板27を支持するのに軟質ゴム製のゴムステー27を用いたが、少なくとも回路基板25よりも小さい剛性であるのであれば、合成樹脂等軟質ゴム以外の素材によるものを用いてベースアッシー15により回路基板27を支持する構成としてもよい。
【0041】
さらに、本実施形態のようにしてケース29をベースアッシー15に固定した後、トラニオンブラケット5の表面5aに車両荷重測定用センサユニット11を取り付けるのに先立って、場合によっては、回路基板25や回路基板25に実装された電気的素子等に対する防塵、防水を図るために、図9に断面図で示すように、ケース29内にポッティング樹脂等の充填材31を充填することがあるが、その場合には、充填材31として、ゴムステー27と同等或はこれよりも低い剛性の樹脂等を用いるのが望ましい。
【0042】
そのように構成すれば、車両の荷重がかかることでベースアッシー15にかかる外力によりゴムステー27が撓んだ際に、充填材31が緩衝材として機能して、ベースアッシー15に固定したケース29に収容されている回路基板25がケース29の内壁に衝突するのを防ぐので、この充填材31により、ケース29内の回路基板25を衝撃から保護することができる。
【0043】
しかも、上述したように充填材31をゴムステー27と同等或はこれよりも低い剛性とすれば、ベースアッシー15の伸縮力が回路基板25に伝達されるのを防ぐためのゴムステー27の撓み変形が、充填材31によって妨げられて、ベースアッシー15の伸縮力が充填材31によって回路基板25に伝達されてしまうことがないので、ベースアッシー15の伸縮力によってセンシング素子13とアンプ23との間等に電気的な接続状態の不良が発生するのを、確実に防止することができる。
【0044】
ちなみに、ゴムステー27と同等或はこれよりも低い剛性の充填材31をケース29内に充填する場合には、この充填材31がゴムステー27と共に、請求項中の支持部材を構成することになる。
【0045】
また、ゴムステー27と充填材31とを一体化して、ゴムステー27と同等の剛性を有する単一部品とし、この単一部品をベースアッシー15と回路基板25との間に介設して、ベースアッシー15の伸縮力が回路基板25に伝達されてしまうのを、上述した単一部品の撓み変形により防ぐ構成としてもよく、その場合には、この単一部品が請求項中の支持部材を相当することになる。
【0046】
そして、そのように構成する場合、ケース29に回路基板25を収容するか否かは任意である。
【0047】
さらに、本実施形態では、荷台フレーム1に取付用ブラケット3を介して固着されるトラニオンブラケット5のリブ部5bの両側に位置する表面5aに取り付ける場合を例に取って説明したが、トラニオンブラケット5の表面5aに限らず、車両の荷重がかかることで伸縮する車両の被荷重部材に対して取り付けられる荷重測定用のセンサユニットの全般に本発明が広く適用可能であることは、勿論のことである。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載した本発明の車両荷重測定用センサユニットによれば、車両の荷重がかかることで伸縮する被荷重部材の異なる取付箇所に2つの溶着部分が溶着されるベースアッシーと、該ベースアッシーにより支持され、前記車両にかかる荷重の変化により前記2つの溶着部分が接近離間する方向に前記ベースアッシーが伸縮することで出力が変化する圧縮歪検出用センサ素子と、該圧縮歪検出用センサ素子の出力を増幅するアンプが実装された回路基板とを有する車両荷重測定用センサユニットであって、前記ベースアッシーと前記回路基板との間に介設され可撓性を有する支持部材を有しており、前記ベースアッシーに対して前記回路基板が移動可能となるように、該回路基板が前記支持部材により前記ベースアッシーから離間して支持されている構成とした。
【0049】
このため、車両にかかる荷重の変化により被荷重部材やこの被荷重部材に溶着されたベースアッシーが伸縮しても、その伸縮による力が支持部材の可撓性により弱められて回路基板に伝わるようにして、回路基板の表面上の導電パターンや導電パターンとアンプとの電気的接続部分にクラック等が発生して、それにより、圧縮歪検出用センサ素子とアンプとの間等に電気的な接続状態の不良が発生するのを、防止し、その上で、圧縮歪検出用センサ素子を支持するベースアッシー15とアンプが実装された回路基板とを一体化して圧縮歪検出用センサ素子の出力をアンプに入力させるための配線を極力短くし、ノイズ信号を拾い難いようにすることができる。
【0050】
また、請求項2に記載した本発明の車両荷重測定用センサユニットによれば、請求項1に記載した本発明の車両荷重測定用センサユニットにおいて、前記支持部材が、少なくとも、前記車両にかかる荷重の変化により前記2つの溶着部分が接近離間する方向に前記ベースアッシーに対して作用する伸縮力以下の力による撓み変形の可能な剛性にて形成されている構成とした。
【0051】
このため、車両にかかる荷重の変化により被荷重部材やベースアッシーが伸縮して支持部材が撓んでも、その撓んだ支持部材の反力が回路基板に伸縮力としてかかってしまうのを防いで、圧縮歪検出用センサ素子とアンプとの間等における電気的接続状態の不良発生を、一層確実に防止することができる。
【0052】
さらに、請求項3に記載した本発明の車両荷重測定用センサユニットによれば、請求項1又は2に記載した本発明の車両荷重測定用センサユニットにおいて、前記支持部材により前記ベースアッシーから離間して支持された前記回路基板が内部に収容され、前記ベースアッシーに取着されるケースをさらに有しており、前記回路基板を収容して前記ベースアッシーに取着した状態の前記ケース内に、衝撃吸収用の緩衝材が充填されている構成とした。
【0053】
このため、ベースアッシーに取着されるケースの内部に収容した回路基板が、車両にかかる荷重の変化により支持部材が撓んだ際にケースに衝突するのを阻止して、回路基板が衝撃を受けることにより圧縮歪検出用センサ素子とアンプとの間等に電気的接続状態の不良が発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両荷重測定用センサユニットが取り付けられる車両のシャシ部分の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車両荷重測定用センサユニットの分解斜視図である。
【図3】図2に示すベースアッシーの底面図である。
【図4】図2のA−A線断面図である。
【図5】車両荷重測定用センサユニットの組立状態における図2のB−B線断面図である。
【図6】図2の回路基板をベースアッシーにより支持させた状態を示す要部拡大斜視図である。
【図7】図2の車両荷重測定用センサユニットを図1のトラニオンブラケットの表面に取り付けた状態を示す要部拡大斜視図である。
【図8】本発明の変形実施形態に係る車両荷重測定用センサユニットのベースアッシーを示す平面図である。
【図9】本発明の他の変形実施形態に係る車両荷重測定用センサユニットの組立状態における図2のB−B線断面図である。
【符号の説明】
5 トラニオンブラケット(被荷重部材)
11 車両荷重測定用センサユニット
13 センシング素子(圧縮歪検出用センサ素子)
15 ベースアッシー
19b 溶着部(溶着部分)
23 アンプ
25 回路基板
27 ゴムステー(支持部材)
29 ケース
31 充填材(支持部材)
Claims (3)
- 車両の荷重がかかることで伸縮する被荷重部材の異なる取付箇所に2つの溶着部分が溶着されるベースアッシーと、該ベースアッシーにより支持され、前記車両にかかる荷重の変化により前記2つの溶着部分が接近離間する方向に前記ベースアッシーが伸縮することで出力が変化する圧縮歪検出用センサ素子と、該圧縮歪検出用センサ素子の出力を増幅するアンプが実装された回路基板とを有する車両荷重測定用センサユニットであって、
前記ベースアッシーと前記回路基板との間に介設され可撓性を有する複数の支持部材を有しており、
前記ベースアッシーに対して前記回路基板が移動可能となるように、該回路基板が前記支持部材により前記ベースアッシーから離間して支持されている、
ことを特徴とする車両荷重測定用センサユニット。 - 前記支持部材は、少なくとも、前記車両にかかる荷重の変化により前記2つの溶着部分が接近離間する方向に前記ベースアッシーに対して作用する伸縮力以下の力による撓み変形の可能な剛性にて形成されている請求項1記載の車両荷重測定用センサユニット。
- 前記支持部材により前記ベースアッシーから離間して支持された前記回路基板が内部に収容され、前記ベースアッシーに取着されるケースをさらに有しており、前記回路基板を収容して前記ベースアッシーに取着した状態の前記ケース内には、衝撃吸収用の緩衝材が充填されている請求項1又は2記載の車両荷重測定用センサユニット。
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