JP4197675B2 - スロットマシン - Google Patents
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Description
特に、近年、音による演出が重要視される傾向にあるとともに、出力される音の音質等も演出効果を高める要素の一つとして注目されており、音質を改善するために、バスレフ(位相反転)型スピーカが搭載されたスロットマシンが登場している。
同図に示すように、バスレフ型スピーカ100は、スピーカユニット101の背面から発せられる音をスピーカキャビネット102内に閉じ込め、この閉じ込めた音を円筒や角筒状の共鳴筒(ダクト,ポート)103を利用して、背面側の音をある周波数域で共振させて低音の位相を反転し、スピーカユニット101の前面の音と合わせて低音拡大を行うようになっている。
このようなバスレフ型スピーカでは、特に重低音が増幅されて出力されるため、臨場感に溢れる音の演出を行うことができ、スロットマシンに搭載した場合、遊技者の遊技に対する興味や興奮を高揚させることが可能となる。
同図に示すように、バックローディング型スピーカ200は、スピーカキャビネット201に取り付けられたスピーカユニット101の背面にホーン202を設け、スピーカユニット101の背面の音を積極的に利用することにより低音域を拡大し、上述したバスレフ型スピーカより一段と重低音を出力可能にしている。
同図に示す第一従来例のスロットマシンの効果音出力構造300では、スロットマシンの前扉301と背面カバー302によって密閉空間を形成し、背面カバー302をスピーカ後面を覆うエンクロージャとし、前扉301をバッフル板として、前扉301にスピーカユニット101の前面側が固定してある。
そして、スピーカユニット101の下方にはダクト303が配置され、ダクト303の開口部303aが前扉301の下方に設けられている。
このような構成にすれば、図4に示したバスレフ型スピーカと同等の効果を得ることができ、臨場感溢れる効果音演出等が可能となった。
このため、スピーカ部分を介して行われるこのような不正行為を有効に防止する必要があり、従来は、図6に示したように、スピーカの背面側を樹脂製のエンクロージャ等で覆う構成としたり、あるいは、スピーカの前方をパネル等で覆ってスピーカ全体を密閉し、異物の挿入自体が行えないようにする構成が採られていた(特許文献2参照)。
同図に示すように、第二従来例のスロットマシンの効果音出力構造400は、パネル照明部401の奥側にスピーカユニット101を取り付けてある。
スピーカユニット101の前方には、スロットマシン外部に対して密閉した密閉空間室402を設け、密閉空間室402は、スロットマシンの外部に向かって露出する露出部403と、露出部の奥側に密閉空間を介して位置する裏面部404とを備えている。
密閉空間室402の内部には蛍光灯Lが配置され、前面パネル408に描かれたスロットマシンの機種名等が表示されるようになっている。
なお、図7中、406はスロットマシンの前扉、407はスタートレバー、408はアクリル製の前面パネル、409はメダル受け皿である。
そして、前面パネル408によってスピーカユニット101の前方体が覆われるので、外部からのスピーカユニット内部への異物の挿入や混入を防止することができ、これによって、前面が外部に露出する通常のスピーカとほぼ同等の音質や音量等を確保しつつ、スピーカ部を介した不正行為を有効に防止することができた。
まず、図6に示した第一従来例のスロットマシンの効果音出力構造では、構造上はバスレフ型スピーカとなっていたが、スロットマシンの内部構造上、スピーカ背面側の空間には制約があり、背面カバーを大きくすることにも限界があった。このため、実際にはスピーカの後部容量が十分に確保されず、その結果、バスレフ型スピーカとしての音響効果を発揮することができず、特に重低音部分についての音質,音響効果が低下するという問題があった。
すなわち、この第二従来例では、パネルの振動を介して音を伝えるため、音域全体、特に高音域の音質が著しく損なわれるという問題が発生した。
このようにすれば、スピーカユニット(22)の背面側に第一の密閉空間を形成するとともに、前面パネル(20)の背面側に第二の密閉空間を形成し、この第一及び第二の密閉空間を連通した構成としているので、スピーカ背面側に大きな後部容量を確保することが可能となり、広い後部容量空間を有する密閉型スピーカとして機能させることができる。
これによって、スピーカユニット(22)からは中高音域のみならず、重低音域までの音を出力させることができ、迫力のある効果音等を発生させることができる。
このように、本発明によれば、スロットマシンに必ず備えられる構成要素である前面パネルとその内部空間を利用することで、既存のスロットマシンの構造を最大限に有効活用して、従来にはない音響効果に優れたスロットマシン用のスピーカ構造を実現することができる。
以上の構成を図示すると、例えば図1,図2に示すようになる。
このようにすれば、連通手段としてダクト(10c)を用いることで、ダクト(10c)を備えない場合(図3参照)と比較して、スピーカの後部距離をさらに長く確保でき、より効果的に重低音を出力させることができる。
すなわち、ダクトを用いることにより、前面パネルの内部空間にスピーカの後部距離を長く確保することができるので、第二の密閉部材(パネル照明部10b)により第二の密閉空間をホーン形状に構成してバックローディング型スピーカ(図5参照)として機能させることができ、より効果的に重低音域の音を出力させることが可能となる。
このようにすれば、第二の密閉空間を覆う前面パネル(20)を、例えばゴム等の弾性材を介して前扉(10)に取り付ける柔構造とすることで、前面パネル(20)を大きく振動させることができ、太鼓のような音を出力することができる。
このようにすれば、前面パネル(20)を前扉(10)に剛構造で取り付けることで、前面パネル(20)の振動を小さくすることができ、音の出力部をスピーカ部のみに限定することができる。
すなわち、本発明では、スロットマシンの構造等に応じて、前面パネルはスピーカの振動板として使用することもできるが、振動板として使用しないようにすることもでき、より汎用性,拡張性に優れたスピーカ構造を提供することができる。
これによって、中高音域から重低音域にわたる全音域でスピーカ音を効率よく出力することができ、音響効果を高めて臨場感溢れる迫力ある効果音等を出力することができるとともに、スピーカ部分を介したスロットマシン内部への不正行為等も有効に防止できる
[第一実施形態]
まず、図1及び図2を参照して、本発明に係るスロットマシンの第一実施形態について説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係るスロットマシンの正面図であり、図2は、同じく要部断面側面図である。
まず、図1を参照して、本実施形態のスロットマシンの全体構成を説明する。
同図に示すように、スロットマシンSMは、客席側に開閉可能な前扉10に、メダル投入口11と、クレジット表示部12と、クレジット精算スイッチ13と、BETスイッチ14と、MAXBETスイッチ15と、スタートレバー16と、三個のストップボタン17(17a〜17c)と、メダル払出口18と、メダル受け皿18aと、スピーカユニットからの音を外部に出力する透音孔10eと、表示器19と、前面パネル20を備えている。
また、スロットマシンSMの本体内部には、第一のスロットマシンの効果音出力構造SSC1(図2参照)と、図示しないドラムユニット,ホッパー装置,制御部等が備えられている。
クレジットモードでは、メダル投入口11から投入されたメダルや、ゲームの入賞内容に応じて払い出すべきメダルが、最大クレジット枚数(例えば50枚)を限度として内部に貯溜され、その枚数がクレジット表示部12に表示される。
BETスイッチ14及びMAXBETスイッチ15は、クレジットとして貯留されたメダルをゲームに賭けるためのスイッチである。BETスイッチ14は、クレジットとして貯留されたメダルを、一回の操作につき一枚ずつ賭けることができ、MAXBETスイッチ15は、一回のゲームに賭けられる最大枚数(例えば三枚)を、一回の操作で賭けることができる。
ストップボタン17a〜17cは、リール31a〜31cと同数設ける。これらのストップボタン17a〜17cを押下すると、対応するリール31a〜31cの回転が停止し、ゲームの入賞又は外れが決まる。
メダル払出口18は、ゲームの入賞内容に応じて、所定枚数のメダルを払い出さす部分である。また、精算した貯溜メダルも、ここから払い出す。
また、表示器19は、ランプ等からなり、その点灯や点滅により遊技を演出する。
次に、図2を参照して、本実施形態に係るスロットマシンの効果音出力構造(第一の効果音出力構造)SSC1を説明する。
図2に示すように、効果音出力構造SSC1を構成する前扉10は、例えばABS樹脂のような合成樹脂等からなり、表示器の取付部や表示窓周囲の枠体,前面パネル取付部メダル払出部の周囲,透音孔等が一体成形されている。
そして、前扉10のパネル照明部10bは、図2に示すように客席側から本体側に凹んだ凹部状に形成されるとともに、客席側に広がるホーン形状に形成されている。このパネル照明部10bの凹部に、アクリル製の前面パネル20が取り付けられて、ホーン形状の密閉空間(第二の密閉空間)が形成されている。
前面パネル20は、例えばアクリル製の板状部材からなり、枠状のパネル押え21によって、図示しない弾性部材(例えば、ゴム)を介して前扉10に取り付けられ、この前面パネル20がスピーカユニット22の音を出力する振動板として機能するようになっている。
また、パネル照明部10bの下部側には、前面パネル20に向けて開口した筒状のダクト10cが一体的に形成され、さらに、ダクト10cの下方において透音孔10eを内側に囲むように、枠状のスピーカ取付枠10dが一体的に形成されている。
また、スピーカユニット22の背面側は、ダクト10cの開口を含めて箱状の背面カバー23により覆われて密閉され、この背面カバー23がエンクロージャとして機能して第一の密閉空間が形成されるようになっている。
これによって、スピーカユニット22の正面側からは主に中高音域の音が出力されるとともに、前面パネル20からはスピーカ背面から出力された主に重低音域の音が出力され、バックローディング型スピーカのホーン効果と同様の効果によって、重低音域の音を出力することができる。
そして、パネル照明部10bに出力された重低音域の音は、振動板となる前面パネル20を大きく振動させることにより、太鼓のように前面パネル20の全体からスロットマシン前方に出力される。これによって、前面パネル20がスピーカの振動板として機能して、迫力のある重低音域の音が外部に出力されるようになる。
なお、前面パネル20をパネル照明部10bに固定する場合に、剛体的に固定すれば(剛構造)、前面パネル20の振動を小さくして、前面パネル部分から出力する重低音を小さくし、あるいは出力音をなくすことも可能である。
このように、本発明によれば、スロットマシンに必ず備えられる構成要素である前面パネルとその内部空間を利用し、また、前面パネルをスピーカ音を出力する振動板として機能させることができ、既存のスロットマシンの構造を最大限に有効活用して、音響効果に優れたスピーカ構造を実現することができる。
図3は、本実施形態に係るスロットマシンにおける効果音等の出力構造の要部断面側面図である。
本実施形態のスロットマシンは、上述した第一の実施形態の変形であり、効果音出力構造として、第一実施形態における筒状のダクト10cを廃し、スピーカユニット22の口径よりやや広い連通孔10fにより連通した構造としたものである。
従って、それ以外の構成要素,機能,動作については第一実施形態と同様となっており、同様部分については同一符号を付して重複説明は省略する。
このような第二のスロットマシンの効果音出力構造SSC2では、ダクト10cを備える第一実施形態の場合と比較して、スピーカユニット22の背面側の後部容量をより大きく確保することができ、これによって、スピーカユニット22の背面側をウーファーとして機能させて重低音域の音を効果的に出力することができるようになる。
例えば、上述した各実施形態では、スピーカユニット22は、前面パネル20下方に位置していたが、このスピーカユニット22を前面パネル20の上方に配置することもできる。さらに、スピーカユニット22を前面パネル20の上方と下方の双方に配置することも可能である。
すなわち、本発明は、音出力構造として、スピーカユニットの背面側に第一の密閉空間を備え、前面パネルの背面側に第二の密閉空間を備え、第一及び第二の密閉空間を連通させる構成であれば、スピーカユニットの位置や数等は特に限定されるものではない。複数のスピーカユニットを配置することにより、より臨場感のある迫力ある演出音等を出力させることが可能となる。
SSC1 第一のスロットマシンの効果音出力構造(効果音出力構造)
SSC2 第二のスロットマシンの効果音出力構造(効果音出力構造)
10 前扉
10a 表示窓
10b パネル照明部
10c ダクト
10d スピーカ取付枠
10e 透音孔
10f 連通孔
11 メダル投入口
12 クレジット表示部
13 クレジット精算スイッチ
14 BETスイッチ
15 MAXBETスイッチ
16 スタートレバー
17(17a〜17c) ストップボタン
18 メダル払出口
18a メダル受け皿
19 表示器
20 前面パネル
21 パネル押え
22 スピーカユニット
23 背面カバー23
30 ドラムユニット
31(31a〜31c) リール
Claims (3)
- 複数の図柄が表示された複数のリールと、該複数のリールの回転及び停止の各種操作を行う操作部と、スロットマシンの機種名等を表示した前面パネルと、遊技中に各種の音を出力するスピーカユニットを備え、遊技者の操作によってリールが回転及び停止され、停止した各リールの図柄の入賞配列に応じたメダルが払い出されるスロットマシンであって、
前記前面パネルの上方及び/又は下方に、前記スピーカユニットの前面をスロットマシン前面側に向けて配置し、当該スピーカユニットの背面側を第一の密閉空間を形成する第一の密閉部材で覆うとともに、前記前面パネルの背面側を第二の密閉空間を形成する第二の密閉部材で覆い、前記第一の密閉空間と前記第二の密閉空間とを連通させた音出力構造と、
前記前面パネルが前扉に剛構造で取付けられる取り付け構造と、を備え、
前記音出力構造を、スロットマシン前面を開閉可能に覆う前扉側に設けたことを特徴とするスロットマシン。 - 前記第一の密閉空間と前記第二の密閉空間とを、ダクトを介して連通させた請求項1記載のスロットマシン。
- 前記第二の密閉空間が、前記前面パネルに向かって広がるホーン形状に形成された請求項1又は2記載のスロットマシン。
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