JP4197431B2 - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源から出射された複数の光ビームで被走査面上を同時に走査する光走査装置(マルチビーム走査装置)と、この光走査装置を光書込系に用いたレーザプリンタ、デジタル複写機、レーザファクシミリ、レーザプロッタ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置の光書込系に用いられる光走査装置において、記録速度を向上させる手段としては、偏向手段であるポリゴンミラーの回転速度を上げる方法がある。しかし、この方法ではモータの耐久性や騒音、振動、及びレーザの変調スピード等が問題となり限界がある。そこで一度に複数の光ビームを走査して複数ラインを同時に記録する光走査装置(マルチビーム走査装置)の提案がなされている(例えば、特許文献1,2,3参照。)。
この光走査装置(マルチビーム走査装置)の光源手段として用いられ、複数の光ビームを出射するマルチビーム光源装置の方式として、例えば1パッケージ内に複数の発光点(発光チャンネル)を持つマルチビーム半導体レーザ(例えば、半導体レーザアレイ)を用いる方式もあるが、半導体レーザアレイは製造プロセス上チャンネル数を増加することが困難であり、また、熱的/電気的なクロストークの影響を除去することが難しく、短波長化が困難であるといった理由により、現在では高価な光源手段として認識されている。
【0003】
一方、シングルビーム半導体レーザは、現在でも短波長化が比較的容易であり、低コストにて製造することが可能であり、種々の工業分野にて汎用的に用いられている。このシングルビーム半導体レーザ、あるいは上記のマルチビーム半導体レーザを光源とし、ビーム合成手段を用いて複数の光ビームを合成するマルチビーム走査装置に関する提案が、従来より多数行われている。
しかし、半導体レーザアレイを光源手段として用いる方法と比較し、ビーム合成手段を用いて複数の光ビームを合成する方法の場合には、環境変動/経時的変動等の影響により、被走査面におけるビームスポット配列(ビームピッチ;走査線間隔)が変動するといった問題が発生しやすい。
そこで、電気信号にて駆動される液晶素子を光源部または光源部直後に配設し、光ビームを上記電気信号に応じて微小角度(数分〜数十分)だけ偏向することで、被走査面上のビームスポット配列を補正する方法が提案されている(例えば、特許文献4,5参照。)。
【0004】
ここで、液晶素子について説明する。
光路偏向素子として使用される液晶素子は、ホモジニアス分子配列のネマティック液晶層を2枚のガラス基盤で挟んだ構造からなり、ガラス基板の内側には、金属酸化物の透明電極が形成されている。通常、ガラス基板の一方、例えば下面には、電気的な接地面を形成するための一様な電極が全面にわたって形成され、他方(上面)には液晶層に必要な電界分布を与えるための電極パターンが形成される。駆動交流電圧(例えば、数キロヘルツの矩形波)を印加すると、複屈折率(分子の長軸と短軸の屈折率差)を有するネマティック液晶分子は、電場に沿って傾く。すなわち液晶分子(長軸の向き)と平行な直線偏光をもった単色光にとって、液晶層は電界分布に応じて局所的に異なった屈折率分布をもった媒質と等価になる。従って液晶を透過した光の波面には、液晶の印加電圧の面内分布に応じた空間的な波面変調あるいは位相変調が加わることになる。
【0005】
電気光学特性の形状は、使用する液晶の弾性定数、誘電率異方性や電圧無印加時の液晶分子の初期配向角から決定される。小さな初期配向角(5度以下)を有する液晶素子は、電気光学特性の低電圧領域で急峻な立下り(しきい値)が見られるが、電圧を増加するにつれて線形に近い応答を示し、その後一定値に飽和する特性を示す。一方、大きな初期配向角を有する液晶素子ではしきい値は消失し、低電圧領域の曲線を二乗曲線で近似できる特性となる。
上面の電極パターンとして、ストライプ状の多数の細長い電極を配置し、一本一本に所定の電圧を印加する電極設計が提案されている。この構造は、高速の応答、高い空間分解能および波面変調の自由度(ビーム偏向やレンズの機能だけでなく任意の複雑な波面変調)を実現できる特長を持っている。
【0006】
液晶素子にて光路偏向素子を構成する場合、液晶素子は液晶の電気光学特性の線形な特性領域を利用して梯子型の電極構造を用いる。液晶素子のビーム照射領域に、現状の露光技術の分解能(約 1μm)から決まる線幅と間隔でストライプ状の細長い透明電極を形成する。このストライプ状の電極の両端を、照射領域の外で二つの横方向に伸びた傾斜電位電極に接続し、全体として梯子型の電極がいくつか並んだ構造とする。束ねた細長い電極の数(幅)は、その領域で必要となる最大のビーム偏向角度によって決定される。
横方向に伸びた傾斜電位電極の両端に電気光学特性の線形領域から選んだ2種類の異なる電圧を印加した場合、ブレーズ型の位相プロファイルが得られ、マイクロプリズムアレイと等価となる。印加電圧制御によりブレーズ角を変化させることで、液晶層に垂直入射した光ビームの方向制御が可能となる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−227563号公報
【特許文献2】
特開平10−215351号公報
【特許文献3】
特開平9−189873号公報
【特許文献4】
特開2000−3110号公報
【特許文献5】
特開2000−47214号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
液晶素子を光路偏向素子として用いる場合、前述の通り、液晶層に必要な電界分布を与え、直線的な屈折率分布(屈折率勾配)を形成する必要がある。一方、ビーム偏向角(最大振れ角)を大きくしたい場合には、液晶層厚をより厚くする必要がある。例えば、10数μm以上の液晶層厚を確保する場合には、液晶層内に分散させる球形のスペーサ部材(液晶モニタ等では5μm程度が一般的)の汎用性が乏しく、直径のばらつきの程度、つまり等級が低いスペーサ部材を使用する必要が生じる。その結果、液晶層厚を均一に確保することが困難となり、液晶層内の屈折率分布の直線性を維持することが困難になる等、実使用上の不具合が発生する恐れがあった。
【0009】
本発明は以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、液晶素子を用いて被走査面上のビーム位置を調整するマルチビーム走査装置及びそれを用いた画像形成装置において、諸光学特性に影響を及ぼすことなく被走査面上のビーム位置の調整を可能とする光走査装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の光源と、複数の光源のそれぞれに対応する複数のカップリングレンズと、複数の光源と複数のカップリングレンズとを保持するベース部材と、を備えた光源部と、光源部からの複数の光ビームの光路を偏向可能な複数の有効エリアを備えた液晶素子と、液晶素子を駆動させる電気信号が記憶されているメモリ手段と、液晶素子からの複数の光ビームを主走査方向に偏向させる偏向器と、偏向器からの複数の光ビームを被走査面上に走査させる走査光学系と、光源部と、液晶素子と、偏向器と、走査光学系と、を収納する光学ハウジングと、を有してなる光走査装置であって、光源部が、光学ハウジングの壁面に出射光軸周りに回転可能に取り付けられ、光ビームの略出射光軸回りに回転調整され粗調整がされていて、光学ハウジングとの相対位置関係が拘束され、かつ、光源部とこの光源部から複数の光ビームを偏向器に導くシリンドリカルレンズとの間に配置され駆動される液晶素子により複数の光ビームの光路が偏向されて微調整がされていて、複数の光ビームの被走査面における光ビーム位置が調整されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、メモリ手段には、液晶素子が光ビームの光路を変更することによる複数の光ビームの被走査面における光ビーム位置を補正するための電気信号が記憶されていることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明は、被走査面上の光ビーム位置を検出する光ビーム位置検出手段を備え、液晶素子は、光ビーム位置検出手段による検出結果に基づいて駆動されることを特徴としている。
【0013】
さらに、本発明は、光走査装置は、本発明に係る光走査装置であることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明は、液晶素子は、副走査方向の画素密度を変換可能である画像形成装置であることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明にかかる光走査装置及び画像形成装置の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明にかかる光走査装置の実施の形態を示す図であって、光学配置を示す斜視図である。
光走査装置20は、光源から出射された光ビーム(レーザビーム)を被走査面上に光スポットとして走査する装置であって、光源を備えた光源部22、シリンドリカルレンズ13、偏向器であるポリゴンミラー14、2枚のプラスティック製の走査レンズと1枚の折り返しミラー18により構成されている走査光学系15、その表面が被走査面となる感光体ドラム16とを有してなる。
なお、図1には、2本の光ビームを同時に走査する2ビーム光走査装置を例として示しているが、本発明にかかる光走査装置は、より多くの本数の光ビームを走査するマルチビーム走査装置に展開可能である。
【0022】
図2は、光源部22の構成を示す説明図である。光源部22は、共通のベース部材43に固定された光源である半導体レーザ11a,11bとそれぞれに対応するカップリングレンズ12a,12bとを備える。半導体レーザ11a,11bは、圧入によりベース部材43に固定される。一方、カップリングレンズ12a,12bは、接着によりベース部材43に固定されるが、このとき、カップリングレンズを出射する光ビームの特性、すなわち、コリメート性及び出射光軸方向などに応じて、カップリングレンズの固定位置が調整される。
【0023】
なお、図2においては、2本の光ビーム21a、21bは、主走査断面にてポリゴンミラー14の偏向反射面近傍で互いに交差する構成を採用している。このような構成を採用することにより、ポリゴンミラー14での反射点の差異に起因する2本の光ビーム間の光学特性の偏差、つまり結像位置や倍率等の発生を抑制することが可能となる。ここで、被走査面上でビームスポットが走査される方向を主走査方向とし、主走査方向と直交する方向を副走査方向とする。
【0024】
半導体レーザ11a、11bから出射された光ビームは、それぞれカップリングレンズ12a、12bによりカップリングされ、光ビーム21a,21bとなる。2本の光ビーム21a、21bは、シリンドリカルレンズ13の作用によりポリゴンミラー14の偏向反射面上に、副走査方向のみ収束されて主走査方向に長い線像として結像され、走査光学系(走査レンズ)15により感光体ドラム16の表面上、つまり被走査面上をビームスポットとして走査される。
【0025】
光走査装置(マルチビーム走査装置)においては、被走査面上の光ビームの走査線位置(光ビーム位置)やビームスポット間隔の初期調整、及び環境/経時変動の補正のため、「光ビーム位置補正手段」が具備されることが多い。ここで、メカ的な「光ビーム位置補正手段」の構成例について説明する。
【0026】
図3は、光学ハウジング53に収納された光走査装置20の概略構成を示す、偏向回転面に平行な面内に展開した光学配置図であり、図4は、光学ハウジング53の側壁54への光源部22の取り付け方法を示す説明図である。光源部22は、図4に示すように、一対のねじ45,45により光学ハウジング53の側壁54に設けられた挿入穴55,55にねじ止めされて固定される。その際、側壁54に形成された円形の取付孔54a内で光源部22の円形の突出部22aを回転させることにより、図4の矢印で示すγ方向、つまり略出射光軸回りの回転方向に回転(以下、この回転を「γ回転」という)調整される。2本の光ビーム21aと21bは、前述の通り互いに非平行であるため、光源部22をγ回転させることにより、2ビーム間の副走査方向の相対的な光軸方向を変化させることができる。その結果、被走査面での光ビーム位置やビームスポット間隔を補正することが可能となる。
【0027】
ところが、光源部22をγ回転した後に光学ハウジング53の側壁54にねじ45,45で固定する場合、ねじ締結固定時にスクリュードライバ等の締結工具による回転トルクのため、γ回転の調整量がずれてしまうことが多い。そのため、従来は、「調整→ねじ締結」の工程をトライ・アンド・エラーにて複数回繰り返す必要が生じ、また、最終的に要求される調整時間内に所望の調整値が得られない場合があった。
【0028】
そこで、本発明にかかる光走査装置では、機構的な「光ビーム位置補正手段」とは別に、電気信号にて駆動される液晶素子40を用いて光ビーム位置、つまり走査位置を補正することとした。すなわち、入射した光ビームの出射方向を微小角度(数mrad程度)偏向する機能を有する液晶素子40を用いれば、図1または図3に示すカップリングレンズ12a,12bとシリンドリカルレンズ13との間の任意の位置に上記液晶素子40を配設することができるため、光学ハウジング53内の機構的なレイアウト設計の自由度を拡大することが可能となる。
【0029】
ここで、
カップリングレンズの焦点距離をFcol[mm]
光走査装置の光学系全系の副走査倍率をm[倍]
液晶素子での(副走査断面内の)光路偏向角をθ[rad]
非走査面でのビーム位置変動(調整)量をz[mm]
とすると、
z=m×Fcol×θ
の関係がある。したがって、例えば、Fcol=15[mm]、m=10[倍]の光走査装置(光学系)の場合に、Δz=0.001[mm]=1[μm]の分解能で調整するには、
Figure 0004197431
だけ、液晶素子40にて光路偏向すれば良い。
【0030】
液晶素子は、前述の通り、数キロヘルツ程度の矩形交流電圧を駆動信号として駆動できるが、基準の入力信号パルスに対してその実効電圧を変えることで、液晶素子に入射した光ビームの出射方向を偏向すること、つまり光路偏向することが可能である。図8(a)は、入力信号パルスの変調によるビーム偏向について示す説明図、図8(b)は、基準の入力信号パルスの例について示す説明図である。
ここで、実効電圧を変える一般的な方法としては、図8(c)に示すように、パルス幅(duty)を変更する方法(W→W´)と、図8(d)に示すように、パルス高さを変更する方法(A→A´)とを採用することが可能である。このように、印加電圧の実効値を変えることで、液晶層内の屈折率勾配、すなわち光路偏向角を制御することが可能となる。
【0031】
例えば、印加電圧のパルス高さを変更して実効値を変える場合、実効電圧:2.0ボルトにて3.0[mrad]の光路偏向角を獲得できる液晶素子では、10ビット(=1024階調)のコンバータによりパルス高さを変調することで、2.0[V]/1024階調=1.95[mV/階調]で、3.0[rad]/1024階調=2.93[μrad]の光路偏向(上述の光学系の被走査面のビーム位置換算で、0.44[μm])を容易に達成することができる。
【0032】
したがって、前述した光源部22の機構的なγ回転による光ビーム位置(ビームスポット間隔)調整を粗調整として適用し、液晶素子による調整を微調整として用いることで、高精度の調整を短時間にて確実に達成することが可能となる。そこで、液晶素子を駆動する電気信号を記憶するメモリ手段を光走査装置に備え、先の微調整に用いた電気信号であるところの駆動電圧(実効値)をこのメモリ手段に記憶させておく。このようにすれば、工場出荷後のユーザ先での使用時、たとえば初期設定時に本駆動電圧をメモリ手段から呼び出すことで、所望の光ビーム位置を再現することができるので、ユーザ先でのビーム位置調整の頻度を低減することができる。
【0033】
前記光源部22の場合、2組の半導体レーザ11a、11bとカップリングレンズ12a、12bを共通のベース部材43に固定しているが、カップリングレンズ12a、12bは接着剤(層厚数十から数百μm)を介して固定しているため、例えば工場出荷後に外乱の影響により、半導体レーザとカップリングレンズの相対位置関係が変動する恐れがあった。ここで、「外乱」とは、組立調整時以降の経時変化や機械搬送/設置時の振動、あるいはユーザ先での使用時の温度/湿度の変化等、被走査面の光ビーム位置に影響を及ぼす現象(原因)のことを指す。
半導体レーザとカップリングレンズの相対位置関係、特に副走査断面内の相対位置関係が変化した場合、被走査面での光ビーム位置が変化することになり、2ビーム間の距離、つまり走査線間隔が変動して出力画像の劣化をもたらす恐れがあった。
そこで、前述の液晶素子を適用することで、外乱の影響に伴う被走査面での光ビーム位置(走査線間隔)の変動を補正し、高精度に光ビーム位置を維持することができる。
【0034】
以上説明した実施の形態では、各光ビームの光路に液晶素子を配設、つまりビーム本数N本に対して液晶素子の個数をN個とするものであったが、これに代えて、基準の光ビーム以外の光路に液晶素子を配設、つまりビーム本数N本に対して液晶素子の個数をN−1個とし、基準の光ビームとの位置合わせを行う構成としてもよい。このようにすれば、液晶素子の数を低減することができる。
【0035】
なお、光ビーム位置の補正量を決定するには、光走査装置または画像形成装置に光ビーム位置検出用センサを備えても良いし、あるいは設計的/実験的に導出可能な場合には、予め補正量のデータを記憶した補正用テーブルを用意しておき、このデータに基づき補正量を決定しても構わない。
【0036】
図5は、4ビームを出射する光源装置の分解斜視図である。この光源装置は、図2に示す光源部22と同様の構成からなる第1の光源部41及び第2の光源部42と、光源部41,42から出射される各2ビームを隣接して合成するためのビーム合成プリズム17と、光源部41,42及びビーム合成プリズム17を一体的に保持する保持部材(フランジ)44とから構成されている。このような構成の光源装置においては、第1の光源部41と第2の光源部42の相対的な姿勢が副走査断面内で変化し、その結果として、光源部41から出射される2ビームと光源部42から出射される2ビーム間の相対位置関係が、経時的変化又は温度/環境変化等により、著しく変動する恐れがあった。
このような構成の光源装置の場合には、図6(a)に示すように、図5に示した従来の構成の光源装置に対して液晶素子40を付加した構成とすればよい。図6(b)は、図6(a)の主要な光学素子のみを示したものである。
【0037】
図7は、図6(a)に示す液晶素子40の構成例(6例)を示す説明図である。図7の(a)及び(c)は、4本の光ビームに対して液晶素子、あるいは有効エリアを配設した例であり、残りの4例は、少なくとも3本の光ビームに対して液晶素子、あるいは有効エリアを配設した例である。つまり、光ビームの本数N=4の場合の例である。ここで、有効エリアとは、液晶素子の光透過部を分割した各分割部のことであり、各有効エリアは独立に駆動制御される。
【0038】
図7の(a)〜(f)の各構成は、以下の通りである。
(a):4本の光ビームに対応して、4個の有効エリア(a1)〜(a4)を有する1つの液晶素子40を配設する。
(b):3本の光ビームに対応して、3個の有効エリア(b2)〜(b4)を有する1つの液晶素子40を配設する(1本は基準ビーム)。
(c):4本の光ビームに対応して、4個の液晶素子40a〜40dを共通の保持部材23に固定して配設する。
(d):3本の光ビームに対応して、3個の液晶素子40b〜40dを共通の保持部材23に固定し配設する(1本は基準ビーム)。
(e):第1の光源部41から出射される2ビームに対応して、両ビームを独立に偏向可能なように2個、あるいは2つの有効エリア(e1)及び(e2)を有する液晶素子を配設する。なお、第2の光源部42から出射される2ビームには液晶素子を配設しない。
(f):第1の光源部41から出射される2ビームに対応し、両ビームを共通、つまり同じ偏向角で偏向可能なように1個の液晶素子を配設する。なお、第2の光源部42から出射される2ビームには液晶素子を配設しない。
【0039】
図7に示すような構成の液晶素子を用いることで、前述の光ビームの位置変動を補正することができる。
【0040】
ここで、図6(a)に示す4ビーム用光源装置を用いたマルチビーム走査装置において、液晶素子に要求される「最大振れ角」、つまり液晶素子での光路偏向角の最大値について説明する。
例えば、図6に示す4ビーム用光源装置の構成の場合、第1の光源部41から出射される2ビームと第2の光源部42から出射される2ビーム間の相対的な光軸偏差、つまり光軸の副走査成分が経時的変化又は温度/環境変化等により変動する。この2ビーム間の相対的な光軸偏差を「相対光軸ずれ」と呼ぶ。ベース部材43a、43b及びフランジ44は、工業的には鉄、アルミ又は亜鉛等の金属材料、あるいは成形性に優れた樹脂材料が用いられるが、このような材料にて部品を加工した場合には、経験的に最大で±2.0[分]程度の相対光軸ずれが発生することが分かっている。
【0041】
さらに図2を用いて説明した通り、本光源装置は、カップリングレンズ12a、12bが層厚:数十μm〜数百μm程度の接着層を介して保持部材に固定される構成である。そのため、温湿度の変化時等に基づく熱膨張等の影響により接着層厚が変化し、結果として光ビーム間の相対光軸ずれが変動する恐れがあった。したがって、液晶素子には、少なくともこの相対光軸ずれを補正する程度の最大振れ角が要求される。
【0042】
一方、前記[発明が解決しようとする課題]に記載のように、一般には液晶素子での「最大振れ角」を大きくするのに伴い、液晶層厚を大きくする必要が生じる。現在、10数μm程度以上の液晶層厚を確保するためのスペーサ部材は、汎用的ではなく、等級の高い、つまり直径のばらつきの小さいスペーサ部材を使用するには、高コスト化を回避できない。また、液晶層厚を大きくした場合の副作用として、液晶層厚、透明電極(ITO)膜、配向膜等の膜厚ばらつきに起因する、
(a)屈折率分布の直線性劣化
(b)多重干渉による透過率変動の発生
(c)波面収差の劣化
等の不具合が生じる恐れがある。したがって、液晶素子の製造におけるコスト面、性能面及び歩留まり等を考慮すると、最大振れ角は約±4.0[分]程度とするのが実用上は現実的である。
【0043】
少なくともN−1本の光ビームの光路に液晶素子を配置した、図7(b),(d),(f)に示すような場合には、上述の相対光軸ずれ:±2.0[分]を補正する必要が生じる。さらに、工場での組立時の調整量を考慮すると、液晶素子の最大振れ角は、±2.5[分]以下、望ましくは±4.0[分]以下が要求される。
【0044】
一方、図7(e)に示すようにN本の光ビームの光路に液晶素子を配設した場合には、第1の光源部と第2の光源部から出射される光ビーム間の相対光軸ずれ:±2.0[分]を、2つの有効エリア(1)及び(2)にて補正することが可能である。したがって、要求される最大振れ角は、図7(b),(d),(f)に示す場合の1/2程度で構わない。すなわち、組立時の調整量も加算して、液晶素子の最大振れ角は、±1.5[分]以下、望ましくは±2.0[分]以下が要求される。もちろん、図7(a),(c)に示す場合にも、図7(e)と同様に最大振れ角仕様を緩和することが可能である。
【0045】
このように、N本の光ビームの光路に液晶素子を配設することで、必要な液晶素子の個数の増加に繋がるが、要求される最大振れ角を小さくすることが可能となるため、光学性能維持、部品コスト低下を図ることが可能となる。
【0046】
以上説明した実施の形態によれば、液晶素子の最大振れ角を±4.0[分]以下に限定することで、光学特性に影響を及ほすことなく、被走査面上のビーム位置調整範囲を確保することができる。
【0047】
次に、本発明にかかる画像形成装置について説明する。
画像形成装置は、光走査装置、帯電器、現像器、転写器、定着器、感光体、クリーニング部を有してなり、光走査装置から像担持体である感光体に光書込みを行い、電子写真法により、感光体上に静電潜像を形成する。画像形成装置による画像形成の原理は、周知の通りであり、感光体は、帯電器により一様に帯電され、光走査装置によって形成される露光分布に応じて電位が低下し、感光体上に静電潜像が形成され、現像器によりトナーが付着される。感光体に付着したトナーは、転写器により用紙に転写された後に定着器によって用紙に融解固着される。クリーニング部は、感光体上の残留トナーを除去する。
【0048】
ここで、光走査装置として、これまで説明した本発明にかかる光走査装置を適用することで、前述の効果、すなわち、必要に応じて感光体上の光ビーム(ビームスポット)位置を可変することができるため、高品位な出力画像を得ることが可能となる。また、複数ビームを同時に走査する複数ビーム走査装置の場合には、プリント速度の高速化/高密度化を図ることが可能となる。
【0049】
画像形成装置をプリンタやデジタル複写機等の実機として使用した場合には、製品の工場出荷後の搬送時の振動またはユーザ先への設置場所の制限等により、出荷前の調整工程にて調整したビームスポット間隔、主として副走査方向の間隔、すなわち、走査線間隔が変動する恐れがある。また、ユーザ先での使用時の経時変化や、設置場所の温度環境/連続プリント時等での機内温度上昇等により、走査線間隔が変化する恐れがある。
このような場合には、画像形成装置に走査線間隔を検出する検出系を備えることで、上記原因により発生する走査線間隔を検出し、その結果に基づき液晶素子を駆動して走査線間隔を補正することが可能となる。
【0050】
なお、液晶素子は、副走査方向の画素密度を変換可能とする。すなわち、たとえば、画像形成装置をプリンタと複写機(コピー機)の機能を併有する複合機に適用した場合、プリンタモード、つまり複合機をプリンタとして使用する状態と、コピーモード、つまり複合機を複写機として利用する状態とで、画素密度を切り替える場合がある。例えば、「プリンタモードでは600dpi、コピーモードでは400dpi」というように画素密度を切り替える場合がある。本発明によれば、各モードに適した画素密度を実現することができる。
【0051】
また、画像形成装置に備えられた操作パネル等からオペレータが画素密度切替の指令を出すことにより、使用目的、つまり求める機能に応じて、「高画質対応(1200dpi)←→高速度(多出力枚数)対応(600dpi)」のように、画素密度を切り替えたい場合もある。このような場合には、本画像形成装置に具備された光路偏向素子を駆動/制御することで、容易に画素密度を切り替えることが可能となる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、諸光学特性に影響を及ぼすことなく被走査面上のビーム位置の調整を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる光走査装置の実施の形態を示す図であって、光学配置を示す斜視図である。
【図2】上記光走査装置が備える光源部の構成を示す分解斜視図である。
【図3】光学ハウジングに収納された上記光走査装置の概略構成を示す、偏向回転面に平行な面内に展開した光学配置図である。
【図4】上記光走査装置が備える光源部の上記光学ハウジングの側壁への取り付け方法を示す分解斜視図である。
【図5】従来の光源装置の一例であって、4ビームを出射する光源装置の分解斜視図である。
【図6】図5に示す光源装置に液晶素子を付加して構成した光源装置の(a)は分解斜視図、(b)は主要な光学素子のみの構成を示す斜視図である。
【図7】図6に示す光源装置に付加する液晶素子の各種例を示す斜視図である。
【図8】液晶素子に入射した光ビームの光路偏向について説明した図であり、(a)は光路偏向を示す説明図、(b)(c)(d)は液晶素子を駆動する電気信号(実効電圧)の変化を示す波形図である。
【符号の説明】
11a,11b 半導体レーザ
12a,12b カップリングレンズ
13 シリンドリカルレンズ
14 ポリゴンミラー
15 走査光学系
16 感光体ドラム
17 ビーム合成プリズム
18 折り返しミラー
19 同期センサ
20 光走査装置
21a,21b 光ビーム
22 光源部
23 保持部材
40a,40b 液晶素子
41,42 光源部
43 ベース部材
44 フランジ
53 光学ハウジング
54 側壁

Claims (5)

  1. 複数の光源と、上記複数の光源のそれぞれに対応する複数のカップリングレンズと、上記複数の光源と上記複数のカップリングレンズとを保持するベース部材と、を備えた光源部と、
    上記光源部からの複数の光ビームの光路を偏向可能な複数の有効エリアを備えた液晶素子と、
    上記液晶素子を駆動させる電気信号が記憶されているメモリ手段と、
    上記液晶素子からの複数の光ビームを主走査方向に偏向させる偏向器と、
    上記偏向器からの複数の光ビームを被走査面上に走査させる走査光学系と、
    上記光源部と、上記液晶素子と、上記偏向器と、上記走査光学系と、を収納する光学ハウジングと、を有してなる光走査装置であって、
    上記光源部が、上記光学ハウジングの壁面に出射光軸周りに回転可能に取り付けられ、上記光ビームの略出射光軸回りに回転調整され粗調整がされていて、上記光学ハウジングとの相対位置関係が拘束され、かつ、上記光源部とこの光源部から複数の光ビームを上記偏向器に導くシリンドリカルレンズとの間に配置され駆動される液晶素子により上記複数の光ビームの光路が偏向されて微調整がされていて、上記複数の光ビームの被走査面における光ビーム位置が調整されていることを特徴とする光走査装置。
  2. メモリ手段には、上記液晶素子が光ビームの光路を変更することによる複数の光ビームの被走査面における光ビーム位置を補正するための電気信号が記憶されている請求項1記載の光走査装置。
  3. 被走査面上の光ビーム位置を検出する光ビーム位置検出手段を備え、
    上記液晶素子は、上記光ビーム位置検出手段による検出結果に基づいて駆動される請求項1または2記載の光走査装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の光走査装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 上記液晶素子は、副走査方向の画素密度を変換可能である請求項4記載の画像形成装置。
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