JP4197366B2 - 経路探索装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に搭載されるナビゲーション装置などにおいて、推奨経路を逸脱した際に、推奨経路上に復帰する経路を探索する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車に搭載されるナビゲーション装置では、道路地図データに基づいて、設定された出発地から目的地までの推奨される経路を探索し、利用者に提示する経路探索の技術が既に実用化されている。
【0003】
また、このような推奨経路探索は、たとえば、ダイクストラ法と呼ばれる技術などによって、出発地から目的地までの間の取り得る経路のうち、コストが最小となるを経路を探索することにより行われている。ここで、このような経路のコストとしては、経路の総距離や走行所要時間などを用いることが多い。
【0004】
また、ナビゲーション装置において、自動車がナビゲーション装置を用いて探索した経路を逸脱してしまった時に、その時点の現在位置からから元の経路に戻る経路を探索し、この経路と、自動車がはずれてしまった元の経路の、探索した元の経路に戻る経路との連結点より目的地側の部分と結合して目的地までの経路とするオートリルートと呼ばれる技術が知られている。
【0005】
このオートリルートの技術では、図5に示すように、自動車が元の経路1000を逸脱してしまった場合に、元の経路上の自動車の現在位置1001を含む所定範囲の探索範囲1003を設定し、この探索範囲1003内に存在する元の経路1000上の最も目的地側よりの地点を目標点1002として設定し、この目標点に至る経路1004を探索範囲1003内で探索し、元の経路に至る経路とする。
【0006】
このように目標点を現在位置より、ある程度離れた目的地側の元の経路上の点として元の経路に戻る経路を探索することにより、目的地に対して逆戻りするような経路や、現在地点から目的地に向かう上で遠回りになる経路が、元に経路に戻る経路として探索されてしまうことを、ある程度抑止することができる。また、元の経路に戻る経路を探索する探索範囲を限定することにより、元の経路からの逸脱時に、現在位置から目的地までの経路を速やかに探索することができるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のオートリルートの技術によれば次のような不具合があった。
【0008】
たとえば、図6に示すように、元の経路1000が、たとえば有料の高速道路などの有料道路であるときに、自動車が元の経路1000を逸脱してしまった場合を考える。
【0009】
この場合、探索範囲1003内の元の経路上の最も目的地側の地点に目標点1002を設定し、探索範囲内に、この目標点に至る経路を元の経路に至る経路として探索する。しかし、有料道路は他の道路との連結点(高速道路入り口など)が少ない、すなわち、有料道路と他の道路との連結点間の距離が大きいという特性を有しているために、探索範囲1003内に連結点が全く含まれていない場合があり、この場合探索範囲1003内の探索では、目標点1002に至る経路を探索できない場合がある。また、図*2に示すように探索範囲1003内に、有料道路と他の道路との連結点として、現在位置1001から見て目的地と逆方向に位置する連結点(高速道路入り口1)のみが含まれている場合には、探索範囲1003のすぐ外に現在位置より目的地側の連結点(高速道路入り口2)が存在していても、逆方向に位置する連結点(高速道路入り口1)を経由する目的地に対して逆走する目的地側の連結点(高速道路入り口2)を利用した場合に比べ遠回りとなる経路が選択されてしまうことになる。
【0010】
これらの問題は、探索範囲を充分に大きくとることにより解消可能であるが、このようにすると経路探索の付加が増大し、常時、現在位置から目的地までの経路を速やかに探索することができなくなってしまう。
【0011】
そこで、本発明は、処理の負荷をあまり増大することなく、元の経路が逸脱した際に元の経路に戻る経路として、より適切な経路を探索することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題達成のために本発明は、たとえば、推奨経路を探索し、探索した推奨経路から現在位置が逸脱した場合に、現在位置から推奨経路に至る経路を探索する経路探索装置であって、
現在位置を含む探索範囲を決定し、探索範囲内の推奨経路の最も目的地側の点を目標点とする手段と、
目標点が有料道路上の点であり、目標点から一定距離内に当該有料道路入り口ランプが存在する場合に、前記入り口ランプを含むように前記探索範囲を拡張することにより前記探索範囲を更新し、探索範囲内の推奨経路の最も目的地側の点に前記目標点を更新する手段と、
探索範囲内で、現在位置から目標点までの経路を探索する手段とを有することを特徴とする経路探索装置を提供する。
【0013】
このような経路探索装置によれば、図6の場合のように、推奨経路に戻るために到達すべき点が有料道路上の点である場合に、その有料道路の目的地側の連結点(高速道路入り口2)が、設定した探索範囲の、すぐ外に存在しているときには、図4に示すようにこの連結点が含まれるように、探索範囲を拡張して、新たな目標点の設定、拡張した探索範囲内における現在位置から目標点までの経路の探索を行う。したがって、このような場合に、従来のように、元に戻る経路を探索できなかったり、遠回りとなる経路を探索してしまうことを防ぐことができる。
【0014】
また、推奨経路に戻るために到達すべき点が有料道路上の点であって、その有料道路の目的地側の連結点が、設定した探索範囲の、すぐ外に存在しているときにのみ、探索範囲を拡張するので、不必要に探索範囲を拡張して、常時、自動再探索の負荷を、過剰に増大させてしまうこともない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る経路探索装置の一実施形態を、車載用ナビゲーション装置への適用を例にとり説明する。
【0016】
図1に、本実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示す。
【0017】
図中、1はマイクロプロセッサやメモリから構成される処理装置、2は表示装置、3は地図データが記憶されたCD-ROMなどの記憶媒体のアクセスを担うドライブ装置、4は利用者の指示の入力を受け付ける入力装置、5は車速センサや方位センサやGPS受信機などから構成されるセンサ装置である。
【0018】
このような構成において、処理装置1は、センサ装置5の方位センサから入力する車両の進行方位や車速センサから入力する車速やGPS受信機から入力する測定現在位置などに基づいて車両の現在位置を算出したり、入力装置5を介して利用者より入力された目的地と、入力装置5を介して利用者より入力されたもしくはセンサ装置5からの入力より算出した現在位置に基づいて、目的地までの推奨経路の算出などを行う。
【0019】
また、処理装置1は、算出した現在位置や、車両の進行方位や、入力装置5を介して利用者より指定された内容に基づき、ドライブ装置3を制御し地図データを読み出し、当該地図データの表す地図を表示装置2に表示する。地図の表示は、たとえば、算出した現在位置周辺の領域の地図を所定の縮尺で表示したり、利用者より指定された地区の地図を所定のもしくは指定された縮尺で表示したり、現在位置から目的地までの推奨経路を含む範囲の領域の地図を適当な縮尺で、推奨経路と共に表示することにより行う。また、この際、地図上に車両の現在位置と進行方位を表すマークを地図に重畳して表示したりする。
【0020】
次に、ドライブ装置3に装着されるCD-ROMなどの記憶媒体に記録された地図データを図2に示す。
【0021】
図示するように、地図データは、各道路毎に設けられた道路データより構成される。また、道路データは、道路情報と、リンク情報よりより構成される。
【0022】
道路情報には、道路を一意に表す道路番号と、道路の名称を表す道路名称と、その道路の種別(有料道路、国道、県道)などを表す道路種別と、その他の道路の情報を表すその他属性が含まれる。
【0023】
また、リンク情報には、道路を構成する各リンクについて設けられた、リンクの情報を表すリンクデータが含まれる。ここで、リンクは、道路の形状位置を集合として近似する線分である。
【0024】
リンクデータは、リンクを一意に表すリンク番号と、リンクについての情報を表すリンク属性とを含む。
【0025】
また、リンクデータは、その両端の点である2つのノードについて、それぞれ、ノードを一意に示すノード番号と、ノードの位置を表すノード座標と、そのノードとリンクを介して連結する全てのノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リストを含む。ここで、リンク同士の連結は必ずノードにおいて行われる。たとえば、十字路では、その中心にノードが設けられ、この中心に設けられたノードに4つのリンクが連結する。そして、この場合、中心に設けられたノードの隣接ノード番号リストには、自ノードに連結する4つのリンクの他端の4つのノードのノード番号が記述される。
【0026】
ここで、ノードの有料道路の入り口ランプに接続している場合には、前述したリンク属性には、どのノードが入り口ランプに接続しているかを表す情報が含められる。
【0027】
また、リンクデータは、リンクの形状を特定するリンク形状データを含む。リンク形状データは、1または複数のサブノード座標からなる。リンクの形状は、サブノード座標が二つの場合、リンクの第1番目のノード座標、第1番目のサブノード座標、第2番目のサブノード座標、リンクの第2番目のノード座標を、この順序で順次直線で結んだ形状として特定される。
【0028】
以下、このような地図データを用いて処理装置1が行う自動再探索処理について説明する。
【0029】
ここで、この自動再探索処理は、目的地までの経路が探索された後に、現在位置が探索した経路から所定距離逸脱した時に起動される。ここで、処理装置1は、経路を探索した時には、探索した経路に含まれる各リンクのリンクデータを抽出して経路順に並べたものを経路情報として保持する。また、この経路情報には、各リンクの属する道路の道路種別を含める。そして、保持した経路情報と現在位置に基づいて、経路からの逸脱を判定する。
【0030】
図3に、自動再探索処理の処理手順を示す。
【0031】
図示するように、処理装置1は、自動再探索処理が起動されると(ステップ31)、現在位置に基づいて探索範囲を決定する(ステップ32)。探索範囲は、たとえば、現在位置を中心とする一定の大きさの範囲や、現在位置が含まれる地図上の区域とする。
【0032】
そして、次に目標点を設定する(ステップ33)。目標点は、保持した経路情報が示す経路内のリンクのノードの内、探索範囲に存在する最も目的地よりのノードとする。
【0033】
次に、目標点が有料道路上の点かどうかを調べる(ステップ34)。これは、経路情報を参照し、目標点として設定したノードを持つリンクのリンク属性に含まれる、そのリンクが属する道路の道路種別の情報より判定する。
【0034】
そして、目標点が有料道路上の点でなければ探索処理を実行する(ステップ38)。
【0035】
一方、目標点が有料道路上の点であれば、目標点と、経路上の目標点より所定距離目的地側の点までの間に入り口ランプがあるかどうかを調べる(ステップ35)。これは、経路情報を参照し、経路上の目標点より所定距離目的地側の点までの間に存在するリンクのリンク属性に含まれる、どのノードが入り口ランプに接続しているかを表す情報より判定する。
【0036】
そして、入り口ランプが無ければ、探索処理を実行する(ステップ38)。
【0037】
一方、入り口ランプがあれば、探索範囲を拡張する(ステップ36)。探索範囲の拡張は、拡張後の探索範囲に、ステップ35で調べた入り口ランプが含まれるように行う。この際、拡張する大きさは、ステップ35で求めた所定距離に対して定まる適当な所定の大きさとしてもよいし、ステップ35で調べた入り口ランプの位置に応じた大きさとしてもよい。
【0038】
次に、拡張した探索範囲を用いて目標点を再設定する(ステップ37)。すなわち、保持した経路情報が示す経路内のリンクのノードの内、拡張した探索範囲に存在する最も目的地よりのノードを目標点とする。そして、探索処理を実行する(ステップ38)。
【0039】
ステップ38の探索処理では、探索範囲内の地図データに基づいて、現在位置から目標点までの経路を探索する。そして、この経路と、元の経路の、探索した元の経路に戻る経路との連結点より目的地側の部分と結合して新たな目的地までの経路とする。そして、新たな経路に整合するように保持した経路情報を更新する。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明した。
【0041】
本実施形態によれば、図4に示すように、ステップ32で初めに設定した探索範囲1003の、すぐ外に現在位置より目的地側の連結点(高速道路入り口2)が存在している場合には、この連結点が含まれるように、探索範囲を所定の大きさ1020分拡張して、目標点1021の設定、元の経路に戻る経路1022の探索を行う。したがって、このような場合に、従来のように、元に戻る経路を探索できなかったり、遠回りとなる経路を探索してしまうことを防ぐことができる。
【0042】
また、戻るべき元の経路上の点が有料道路であり、探索範囲のすぐ外に現在位置より目的地側の連結点(高速道路入り口2)が存在している場合にのみ、探索範囲を拡張するので、不必要に探索範囲を拡張して、常時、自動再探索の負荷を、過剰に増大させてしまうこともない。
【0043】
なお、処理装置1は、CPUやメモリや適当なOSを備えた電子計算機であってよく、この場合、処理装置1が行う前記各処理は、CPUが、各処理の手順を記述したプログラムを実行することにより実現される。また、この場合、これらのプログラムはCD-ROMなどの記憶媒体を介して、処理装置1に供給するようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、処理の負荷をあまり増大することなく、元の経路が逸脱した際に元の経路に戻る経路として、より適切な経路を探索することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る地図データの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の動作例を示す図である。
【図5】従来のナビゲーション装置の動作例を示す図である。
【図6】従来のナビゲーション装置の問題を示す図である。
【符号の説明】
1 処理装置
2 表示装置
3 ドライブ装置
4 入力装置
5 センサ装置

Claims (3)

  1. 推奨経路を探索し、探索した推奨経路から現在位置が逸脱した場合に、現在位置から推奨経路に至る経路を探索する経路探索装置であって、
    現在位置を含む探索範囲を決定し、探索範囲内の推奨経路の最も目的地側の点を目標点とする手段と、
    前記目標点が有料道路上の点である場合に、前記目標点から前記目的地側の一定距離内に当該有料道路入り口ランプが存在するか否かを判定する手段と、
    前記入り口ランプが前記目標点から前記目的地側の一定距離内に存在すると判定した場合に、前記入り口ランプを含むように前記探索範囲を拡張することにより前記探索範囲を更新し、探索範囲内の推奨経路の最も目的地側の点に前記目標点を更新する手段と、
    探索範囲内で、現在位置から目標点までの経路を探索する手段とを有すること
    を特徴とする経路探索装置。
  2. 推奨経路から現在位置が逸脱した場合に、現在位置から推奨経路に至る経路を探索する方法であって、
    現在位置を含む探索範囲を決定し、探索範囲内の推奨経路の最も目的地側の点を目標点とするステップと、
    前記目標点が有料道路上の点である場合に、前記目標点から前記目的地側の一定距離内に当該有料道路入り口ランプが存在するか否かを判定するステップと、
    前記入り口ランプが前記目標点から前記目的地側の一定距離内に存在すると判定した場合に、前記入り口ランプを含むように前記探索範囲を拡張することにより前記探索範囲を更新し、探索範囲内の推奨経路の最も目的地側の点に前記目標点を更新するステップと、
    探索範囲内で、現在位置から目標点までの経路を探索するステップとを有すること
    を特徴とする方法。
  3. 電子計算機によって読み取られ実行されるプログラムを格納した記憶媒体であって、
    前記プログラムは、
    在位置を含む探索範囲を決定し、探索範囲内の推奨経路の最も目的地側の点を目標点とするステップと、
    前記目標点が有料道路上の点である場合に、前記目標点から前記目的地側の一定距離内に当該有料道路入り口ランプが存在するか否かを判定するステップと、
    前記入り口ランプが前記目標点から前記目的地側の一定距離内に存在すると判定した場合に、前記入り口ランプを含むように前記探索範囲を拡張することにより前記探索範囲を更新し、探索範囲内の推奨経路の最も目的地側の点に前記目標点を更新するステップと
    探索範囲内で、現在位置から目標点までの経路を探索するステップと、を前記電子計算機に実行させるプログラムであることを特徴とする記憶媒体。
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