JP4196464B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱用熱交換器をバイパスするバイパス通路を開閉するバイパスドアを吹出モードを切り替えるモードドアに連動させる車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、特願平9−215041号において、加熱用熱交換器(ヒータコア)に流入する温水量を調整することにより吹出温度を調整する、いわゆるリヒート式の車両用空調装置を出願している。
この空調装置には、ヒータコアをバイパスするバイパス通路が設けられており、このバイパス通路はバイパスドアにて開閉される。ヒータコアの空気下流側には、フェイスモード、フットモード等の周知の吹出モードを切り替えるモードドアが配置されている。このモードドアは、空気通路の開口面に沿ってスライドして空気通路を切り替える(吹出モードを切り替える)スライドドアから構成されている。ヒータコアに流入する温水量の調整は、温水流路に設けられた温水弁(流路制御弁)によって行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記空調装置においては、上記バイパスドア、モードドアおよび温水弁は、それぞれ専用の駆動手段(サーボモータ)にて独立に駆動されるように構成されている。このような専用のサーボモータにて駆動される構成では、コストアップにつながり、また、サーボモータはある程度の大きさを占めるものなので、サーボモータの搭載スペースの問題から、駆動手段を兼用させて簡略化したいという要求がある。
【0004】
また、上記空調装置においては、バイパスドアは以下のように作動する。
フェイス吹出口のみから空気を吹き出すフェイスモードは、主に夏季等の暖房の必要性が低い場合に多く使用されるため、空気をヒータコアに通過させて加熱する必要性が低い。このため、空気加熱より吹出風量確保が優先されて、図4に示すようにバイパスドアはバイパス通路を開放する全開位置に固定されている。
【0005】
フェイス吹出口およびフット吹出口から空気を吹き出すバイレベルモードは、吹出空気の上下温度差をつけて頭寒足熱効果を得るために、フェイス吹出口にはヒータコアを通過した温風とヒータコアをバイパスする冷風との混合空気を吹き出し、フット吹出口には温風のみを吹き出すようにるため、図8に示すようにバイパスドアはバイパス通路を所定量だけ開放する半開位置に固定されている。
【0006】
フット吹出口のみから空気を吹き出すフットモードは、主に冬季等の暖房を必要とする場合に使用されるため、図12に示すようにバイパスドアはバイパス通路を閉塞する全閉位置に固定されている。
ところで、冬季等の暖房が必要とされる時期においても、フット吹出口よりフェイス吹出口の方が通風抵抗がすくないことから、速やかに車室内を暖房したい場合には、一時的にフェイスモードが使用される場合がある。しかしながら、上記のようにフェイスモードではバイパスドアを全開位置に固定しているため、図17に示すように温水弁の開度が大きい(ヒータコアの空気加熱量が大きい)領域において、フェイス吹出温度を十分に上昇させることができない。
【0007】
同様に、冬季等の暖房が必要とされる時期にバイレベルモードが使用される場合には、バイレベルモードではバイパスドア半開位置に固定しているため、図18に示すように温水弁の開度が大きい領域において、フェイス吹出温度を十分に上昇させることができない。
【0009】
本発明は、上記点に鑑み、加熱用熱交換器のバイパス通路を開閉するバイパスドアと吹出モード切替ドアとを備える車両用空調装置において、高温の吹出温度が必要なときにフェイス吹出温度を十分に上昇させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、空気通路を形成する空調ケース(10)と、空気通路を切り替えて車室内への吹出モードの切り替えを行う吹出モード切替ドア(26)と、空調ケース(10)内に配置され、温水を熱源として空気を加熱する加熱用熱交換器(18)と、加熱用熱交換器(18)へ流入する温水量を調整して、加熱用熱交換器(18)の空気加熱量を制御する流量制御弁(19)と、加熱用熱交換器(18)をバイパスするバイパス通路(20)と、バイパス通路(20)を開閉するバイパスドア(21)と、吹出モード切替ドア(26)およびバイパスドア(21)を駆動する駆動装置(31)とを備え、
乗員の上半身のみに送風するフェイスモードにおいて、流量制御弁(19)による温水量が所定温水量よりも少ない温水量範囲(A)内の場合には、バイパスドア(21)がバイパス通路(20)を全開する第1フェイスモードに維持し、流量制御弁(19)による温水量が所定温水量よりも多い温水量範囲(C)内の場合には、バイパスドア(21)がバイパス通路(20)を全閉する第2フェイスモードに維持するように構成されていることを特徴としている。
【0011】
これにより、フェイスモードにおいて、流量制御弁(19)による温水量が所定温水量よりも少ない場合、すなわち、高温の吹出温度が不要な場合では吹出空気の風量確保を図り、流量制御弁(19)による温水量が前記所定温水量よりも多い場合、すなわち、高温の吹出温度が必要な場合では高温のフェイス吹出温度確保を図ることができる。
【0012】
また、請求項2記載の発明では、乗員の上半身および下半身の双方に送風するバイレベルモードにおいて、流量制御手段(19)による温水量が所定温水量よりも少ない温水量範囲(B)内の場合には、バイパスドア(21)がバイパス通路(20)を所定量開放する第1バイレベルモードとし、流量制御手段(19)による温水量が所定温水量よりも多い温水量範囲(C)内の場合には、バイパスドア(21)がバイパス通路(20)を全閉する第2バイレベルモードに維持するように構成されていることを特徴としている。
【0013】
これにより、バイレベルモードにおいて、流量制御弁(19)による温水量が所定温水量よりも少ない場合、すなわち、高温の吹出温度が不要な場合では上下温度差をつけることによる頭寒足熱効果を図り、流量制御弁(19)による温水量が前記所定温水量よりも多い場合、すなわち、高温の吹出温度が必要な場合では高温のフェイス吹出温度確保を図ることができる。
【0015】
上記吹出モード切替ドア(26)は、具体的には請求項3記載の発明のように、空調ケース(10)に形成されたフェイス開口部(22)およびフット開口部(23)の開口面に沿って摺動するスライドドアとすることができる。
【0016】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本実施形態は、本発明を車室内が大きいワンボックス車等の後席側空間を空調する後席用車両用空調装置に適用したものである。
以下、本実施形態の車両用空調装置の構成について図1から3に基づいて説明する。
【0018】
図1において、10は後席用車両用空調装置を示し、この空調装置10の主体は車両後方部の床面近傍位置において車両外壁と車両内壁との間に設置されている。車両用空調装置10は、大別して車両前後方向に並ぶように配置された送風ユニット11と、エアコンユニット12とからなる。
送風ユニット11は、空調装置10内部に車室内後部の内気を吸引するためのものであって、本実施形態では車両用空調装置は内気のみを吸い込むようになっている。送風ユニット11は、車両幅方向(図1の紙面表裏方向)の両側にそれぞれに図示しない内気吸入口が形成されている。
【0019】
送風ユニット11には、遠心式電動送風機13が備えられている。この送風機13は、遠心ファン14と、ファン駆動用モータ14aとを有し、遠心ファン14はスクロールケーシング15内に配置されている。
送風ユニット11のスクロールケーシング15の空気下流側には、車両前後方向に延びる流路を構成するダクト部16が形成されている。このダクト部16は、送風ユニット11から送風された送風空気を下方から上方へ向かって流れを変更させてエバポレータ17に導入するためのものである。このダクト部16により送風ユニット11の出口部がエアコンユニット12の入口部に接続される。
【0020】
エアコンユニット12は、送風ユニット11より車両後方側に配置されており、樹脂製ケース12aにより流路が下方から上方に延びるように形成されている。エアコンユニット12のケース12a内には、空調空気の冷却用熱交換器をなすエバポレータ17と、その空気下流側に位置するヒータコア(加熱用熱交換器)18が配設されている。エバポレータ17およびヒータコア18は、エアコンユニット12内に、その通風面が略水平となるように車両上下方向に積層して配置されている。
【0021】
従って、上記送風機13から送風された送風空気は、上記ダクト部16によって車両前方から後方へ向かって流れたのち、エアコンユニット12のケース12a内に導入される。そして、ケース12a内に導入された送風空気は、下方から上方に向かうように流れを変更して、上記エバポレータ17およびヒータコア18を通過する。
【0022】
エバポレータ17は、図示しない圧縮機、凝縮器、受液器、減圧器とともに配管結合された周知の冷凍サイクルを構成するものであり、ケース12a内の空気を冷却除湿する。ヒータコア18は、自動車エンジンからの温水(冷却水)を熱源とする加熱用熱交換器であり、上記エバポレータ17にて冷却された冷風を加熱する。
【0023】
本実施形態では、ヒータコア18への温水量を調整する温水弁(流量制御弁)19をヒータコア18の温水回路に設けている。この温水弁19の内部には、温水流路の面積を調整する弁体(図示せず)が回転可能に配置されている。この弁体は温水弁用サーボモータ19a(図3参照)にて駆動される。弁体を作動させて温水弁19の開度を調整することによりヒータコア18へ流入する温水量を調整し、ヒータコア18の空気加熱量を調整する。
【0024】
また、エアコンユニット12のケース12a内には、エバポレータ17を通過した空気(冷風)がヒータコア18をバイパスして流れるバイパス通路20が設けられている。このバイパス通路20は、回転軸21aを中心に回転するバイパスドア21にて開閉される。
エアコンユニット12のケース12aにおいて、ヒータコア18の下流側部位(車両上方部位)には、ヒータコア18で温度調整された空調風を後席側空間の各吹出口に導くフェイス用開口部22と、フット用開口部23とが形成されている。フェイス用開口部22は、後席側乗員の上半身に向けて空調風を送風するためのものであり、フット用開口部23は、後席側乗員の足元部に向けて空調風を送風するためのものである。
【0025】
なお、フェイス用開口部22は、フェイス用ダクト24を介して車両天井部の後席用フェイス吹出口(図示せず)に連結されている。また、フット用開口部23は、フット用ダクト25を介して後席乗員の足元部に位置する後席用フット吹出口(図示せず)に連結されている。
これらフェイス用開口部22とフット用開口部23は、スライドドア26にて開閉される。これにより、吹出モードとして周知のフェイスモード、バイレベルモード、フットモードが切替可能になっている。
【0026】
次に、スライドドア26およびバイパスドア21の駆動機構について図2に基づいて説明する。
スライドドア26は、エアコンユニット12のケース12aに設けられたフェイス用開口部22およびフット用開口部23の空気通路開口面に沿って、図2中A方向に摺動して上記各吹出モードを切り替えるものである。
【0027】
エアコンユニット12のケース12aにおいて、フェイス用開口部22およびフット用開口部23よりも下方の内壁面に、ドア摺動方向Aと平行に延びる水平方向のガイド溝が左右両側に設けられ、このガイド溝内にそれぞれスライドドアピンが摺動可能に嵌入されることにょり、スライドドア26は摺動可能にケース12aに保持される。
【0028】
そして、ケース12a内において、スライドドア26の下方部位に、回転軸29がドア摺動方向Aと直交する方向に配置され、ケース12aの壁面により回転軸29は回転自在に支持されている。この回転軸29には、スライドドア26の下方側に設けられた直線状ギヤと対応する部位に連結ギヤ30が樹脂により一体成形で設けられている。
【0029】
一方、ドア駆動装置を構成するサーボモータ31は、図2に示すようにケース12aの上方側に配置され、その出力軸31aには、扇ギヤ32およびリンクプレート33が連結されている。扇ギヤ32とリンクプレート33は樹脂にて一体成形されている。
扇ギヤ32はサーボモータ31の駆動力をスライドドア26に伝達してスライドドア26を摺動させるものであり、扇ギヤ32は上記回転軸29にかみ合っている。これにより、サーボモータ31の回転が出力軸31a、扇ギヤ32を介して回転軸29に伝達され、さらに、回転軸29の回転はスライドドア26の直線運動に変換される。
【0030】
リンクプレート33は、バイパスドア21のバイパス通路20開閉位置を決定するためのものである。リンクプレート33は、円弧形状に形成されており、円周部付近に沿ってガイド溝34が形成されている。
このガイド溝34には、駆動側リンクレバー36に備えられたピン35が嵌入されている。そして、リンクプレート33が回転することにより、ピン35がガイド溝34に案内されて駆動側リンクレバー36は軸部36aを中心に回転する。リンクレバー36の回転はリンクロッド37、ドア側リンクレバー38を介してバイパスドア21に伝達される。従って、リンクプレート33のガイド溝34形状に従ってバイパスドア21の開度が変化することになる。
【0031】
ガイド溝34は、バイパスドア21位置の異なる2つのフェイスモード用ガイド部34a、34b、バイパスドア21位置の異なる2つのバイレベルモード用ガイド部34c、34dおよび1つのフットモード用ガイド部34eから構成されている。
このガイド溝34は、出力軸31aを中心とする複数の同心円が組み合わされた形状となっている。この同心円は出力軸31aからの距離に従ってバイパスドア21の開度が異なるように構成されている。
【0032】
すなわち、出力軸31aから最も近い(半径の小さい)同心円は、図6に示すように第1フェイスモード用ガイド部34aを構成しており、バイパスドアはバイパス通路20全開位置となる。次に、出力軸31aから最も離れている(半径の大きい)同心円は、図7、図11、図13に示すように第2フェイスモード用ガイド部34b、第2バイレベルモード用ガイド部34d、フットモード用ガイド部34eを構成しており、バイパスドア21はバイパス通路20全閉位置となる。さらに、中間位置にある同心円は、図10に示すように第1バイレベルモード用ガイド部34cを構成しており、バイパスドア21はバイパス通路20半開位置となる。
【0033】
また、本実施形態では、図3に示すように空調用電子制御装置(ECU)50が設けられている。この空調用電子制御装置50には、空調パネル(図示せず)上の温度設定スイッチ、吹出モード切替スイッチ等のスイッチ群Sw、日射センサ、内気温センサ、外気温センサ等のセンサ群Srからの出力信号、および温水弁19開度の検出信号が入力される。空調用電子制御装置50は、入力された信号に基づいて、モードドア26およびバイパスドア21を駆動するサーボモータ31、温水弁用サーボモータ19a、ファン駆動用モータ14a等の制御を行う。
【0034】
なお、本実施形態においては、温水弁19の開度の検出値が上記空調用電子制御装置50に入力され、この検出値に基づいて上記空調用電子制御装置50はサーボモータ31を制御して、バイパスドア21開度を調節するように構成されいる。すなわち、温水弁19の開度(ヒータコア18における空気加熱量)に応じてバイパスドア21によるバイパス通路20の開閉の度合い(開度)が変化するように構成されている。
【0035】
次に、上記構成に基づいて本実施形態の作動について図4から図16に基づいて説明する。なお、図14から16において範囲Aはバイパスドア全開位置、範囲Bはバイパスドア半開位置、範囲Cはバイパスドア全閉位置であることを示す。
乗員によりフェイスモードが選択された場合には、空調用電子制御装置50は、スライドドア26が図4、5に示すようにフェイス開口部22を開口してフット開口部23を閉塞する位置にくるようにサーボモータ31を制御する。
【0036】
フェイスモードは、主に夏季等の暖房の必要性が低い場合に使用されることが多いため、ヒータコア18での空気加熱の必要性が低いことが多い。このため、高温の吹出温度を必要としない場合、すなわち温水弁19開度が小さい領域(例えば弁体回転角0〜60°)においては、図6に示すように駆動側リンクレバー36のピン35が、リンクプレート33におけるガイド溝34の第1フェイスモード用ガイド部34aに位置するように制御される。これにより、バイパスドア21はバイパス通路20を開放する全開位置(第1フェイスモード)となる。
【0037】
このとき、図4に示すようにフェイス開口部22にはヒータコア18を通過した温風とヒータコア18をバイパスした冷風とが流れる。
そして、高温の吹出温度を必要とする温水弁19開度が大きい領域(例えば弁体回転角60〜130°)においては、図7に示すように駆動側リンクレバー36のピン35が、ガイド溝34の第2フェイスモード用ガイド部34bに位置するように制御される。これによりバイパスドア21は、バイパス通路20を閉塞する全閉位置(第2フェイスモード)となる。
【0038】
このとき、図5に示すようにフェイス開口部22にはヒータコア18を通過した温風のみが流れる。以上のようにフェイスモードでは、温水弁19の温水調整量が所定値(温水弁開度60°)よりも少ない場合には第1フェイスモードとし、所定値よりも多い場合には第2フェイスモードとするように構成されている。このような構成により、温水弁開度が小さい領域では、バイパス通路20の通過空気の分だけヒータコア18での通風抵抗が減少し、吹出空気の風量確保が可能となり、温水弁19開度が大きい領域では、図14に示すようにフェイス吹出温度Tfaを十分に上昇させることが可能になる。
【0039】
乗員によりバイレベルモードが選択された場合には、空調用電子制御装置50は、スライドドア26が、図8、9で示すようにフェイス開口部22およびフット開口部23の双方を開口する位置にくるようにサーボモータ31を制御する。バイレベルモードでは、フェイス吹出温度Tfaをフット吹出温度Tfoより所定温度だけ低くするため、高温の吹出温度を必要としない場合、すなわち温水弁19開度が小さい領域(例えば弁体回転角0〜60°)においては、図10に示すように駆動側リンクレバー36のピン35が、ガイド溝34の第1バイレベルモード用ガイド部34cに位置するように制御される。これにより、バイパスドア21はバイパス通路20の所定量だけ開放する半開位置(第1バイレベルモード)となる。
【0040】
このとき、図8に示すようにフェイス開口部22にはヒータコア18を通過した温風とヒータコア18をバイパスした冷風とが流れ、フット開口部23にはヒータコア18を通過した温風のみが流れる。
そして、高温の吹出温度を必要とする温水弁19開度が大きい領域(例えば弁体回転角60〜130°)においては、図11に示すように駆動側リンクレバー36のピン35が、ガイド溝34の第2バイレベルモード用ガイド部34dに位置するように制御される。これによりバイパスドア21は、バイパス通路20の全閉位置(第2バイレベルモード)となる。
【0041】
このとき、図9に示すようにフェイス開口部22およびフット開口部23にはヒータコア18を通過した温風のみが流れる。以上にようにバイレベルモードでは、温水弁19の温水調整量が所定値(温水弁開度60°)よりも少ない場合には第1バイレベルモードとし、所定値よりも多い場合には第2バイレベルモードとするように構成されている。このような構成により、図15に示すように温水弁開度が小さい領域ではフェイス吹出温度をフット吹出温度より所定温度低くして上下温度差をつけて頭寒足熱効果を得ることが可能となり、温水弁開度が大きい領域ではフェイス吹出温度Tfaを十分に上昇させることが可能となる。
【0042】
乗員によりフットモードが選択された場合には、空調用電子制御装置50は、スライドドア26が、図12で示すようにフェイス開口部22を閉塞してフット開口部23を開口する位置にくるようにサーボモータ31を制御する。
フットモードは、主に冬季等の暖房の必要性が大きい場合に使用されることが多いので、ヒータコア18での空気加熱の必要性が大きい。このため、フットモードでは温水弁19の開度に関係なく、図13に示すよう駆動側リンクレバー36のピン35が、ガイド溝34のフットモード用ガイド部34eに位置するように制御される。これによりバイパスドア21は、バイパス通路20の全閉位置となる。
【0043】
このとき、図12に示すようにフット開口部23にはヒータコア18を通過した温風のみが流れ、フット吹出温度Tfoは、図16に示すように変化する。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、温水弁19開度の検出値を空調用電子制御装置50に入力し、この検出値に基づいて空調用電子制御装置50が第1、第2フェイスモードおよび第1、第2バイレベルモードを切り替えるようにサーボモータ31の制御を行うように構成されているが、これに限らず、コンピュータを用いないアナログ制御回路によって同様の制御を行ってもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、フェイスモードではバイパスドア21を全開および全閉する2つのモードを設定し、バイレベルモードではバイパスドア21を半開および全閉する2つのモードを設定した。しかし、これに限らず、バイパスドア21を全閉するモードに代えてバイパスドア21を全閉位置より少し開放するモードとすることもできる。さらに、例えばフェイスモードにおいてバイパスドア21がバイパス通路20を全開、全閉するモードに加え、これらの中間位置である半開するモードを追加するなど、リンクプレート33のガイド溝34の形状により、任意にバイパスドア21の開度を設定できる。
【0045】
また、上記実施形態では、車室内への吹出モードを切り替える吹出モード切替ドアを空気通路開口面に沿ってスライドするスライドドアとしたが、これに限らず、周知の吹出モード切替ドアであるロータリドア、あるいは板ドアによって構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を適用した車両後方座席用空調装置の概略断面図である。
【図2】図1の車両用空調装置の要部を示す断面図である。
【図3】図1の車両用空調装置の電子制御ブロック図である
【図4】第1フェイスモード(バイパスドア全開時)の空気流れを示す断面図である。
【図5】第2フェイスモード(バイパスドア全閉時)の空気流れを示す断面図である。
【図6】第1フェイスモードのリンクプレートとバイパスドアとの関係を示す断面図である。
【図7】第2フェイスモードのリンクプレートとバイパスドアとの関係を示す断面図である。
【図8】第1バイレベルモード(バイパスドア半開時)の空気流れを示す断面図である。
【図9】第2バイレベルモード(バイパスドア全閉時)の空気流れを示す断面図である。
【図10】第1バイレベルモードのリンクプレートとバイパスドアとの関係を示す断面図である。
【図11】第2バイレベルモードのリンクプレートとバイパスドアとの関係を示す断面図である。
【図12】フットモードにおける空気流れを示す断面図である。
【図13】フットモードにおけるリンクプレートとバイパスドアとの関係を示す断面図である。
【図14】本発明を適用した車両用空調装置のフェイスモードにおける温水弁開度と吹出温度との関係を示す特性図である。
【図15】本発明を適用した車両用空調装置のバイレベルモードにおける温水弁開度と吹出温度との関係を示す特性図である。
【図16】本発明を適用した車両用空調装置のフットモードにおける温水弁開度と吹出温度との関係を示す特性図である。
【図17】従来技術の車両用空調装置のフェイスモードにおける温水弁開度と吹出温度との関係を示す特性図である。
【図18】従来技術の車両用空調装置のバイレベルモードにおける温水弁開度と吹出温度との関係を示す特性図である。
【図19】バイパスドアを温水弁開度に連動させた場合の、フットモードにおける温水弁開度と吹出温度との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
18…ヒーアコア(加熱用熱交換器)、20…バイパス通路、21…バイパスドア、22…フェイス開口部、23…フット開口部、26…スライドドア、29…回転軸、31…サーボモータ、32…出力軸、32…扇ギヤ、33…リンクプレート、34…ガイド溝。
Claims (3)
- 空気通路を形成する空調ケース(10)と、
前記空気通路を切り替えて車室内への吹出モードの切り替えを行う吹出モード切替ドア(26)と、
前記空調ケース(10)内に配置され、温水を熱源として空気を加熱する加熱用熱交換器(18)と、
前記加熱用熱交換器(18)へ流入する温水量を調整して、前記加熱用熱交換器(18)の空気加熱量を制御する流量制御弁(19)と、
前記加熱用熱交換器(18)をバイパスするバイパス通路(20)と、
前記バイパス通路(20)を開閉するバイパスドア(21)と、
前記吹出モード切替ドア(26)および前記バイパスドア(21)を駆動する駆動装置(31)とを備え、
乗員の上半身のみに送風するフェイスモードにおいて、
前記流量制御弁(19)による温水量が所定温水量よりも少ない温水量範囲(A)内の場合には、前記バイパスドア(21)が前記バイパス通路(20)を全開する第1フェイスモードに維持し、
前記流量制御弁(19)による温水量が前記所定温水量よりも多い温水量範囲(C)内の場合には、前記バイパスドア(21)が前記バイパス通路(20)を全閉する第2フェイスモードに維持するように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。 - 空気通路を形成する空調ケース(10)と、
前記空気通路を切り替えて車室内への吹出モードの切り替えを行う吹出モード切替ドア(26)と、
前記空調ケース(10)内に配置され、温水を熱源として空気を加熱する加熱用熱交換器(18)と、
前記加熱用熱交換器(18)へ流入する温水量を調整して、前記加熱用熱交換器(18)の空気加熱量を制御する流量制御弁(19)と、
前記加熱用熱交換器(18)をバイパスするバイパス通路(20)と、
前記バイパス通路(20)を開閉するバイパスドア(21)と、
前記吹出モード切替ドア(26)および前記バイパスドア(21)を駆動する駆動装置(31)とを備え、
乗員の上半身および下半身の双方に送風するバイレベルモードにおいて、
前記流量制御手段(19)による温水量が所定温水量よりも少ない温水量範囲(B)内の場合には、前記バイパスドア(21)が前記バイパス通路(20)を所定量開放する第1バイレベルモードとし、
前記流量制御手段(19)による温水量が前記所定温水量よりも多い温水量範囲(C)内の場合には、前記バイパスドア(21)が前記バイパス通路(20)を全閉する第2バイレベルモードに維持するように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記空調ケース(10)には、乗員の上半身に送風するフェイス開口部(22)および乗員の下半身に送風するフット開口部(23)が形成されており、前記吹出モード切替ドア(26)は、前記フェイス開口部(22)および前記フット開口部(23)の開口面に沿って摺動するスライドドアであることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
Priority Applications (1)
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