JP4196460B2 - 成形加工性にすぐれるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形加工性、特に、成形時の耐熱性と滑性とにすぐれるポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラスチックの脱ハロゲン等の環境問題の高まりを背景として、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが自動車や家庭用電気製品の種々の成形部品やシート類に広く用いられるに至っている。
【0003】
一般に、熱可塑性エラストマー(TPE)は、「プラスチックエージ」(1996年2月)第121〜126頁に記載されているように、加硫ゴムの三次元網目の架橋点としての拘束相を形成するための拘束成分(ハードセグメント)と網目鎖としてエントロピー弾性を示すためのゴム成分(ソフトセグメント)から形成されており、このハードセグメントとソフトセグメントとの相違によって種々の熱可塑性エラストマーが存在する。オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)は、このようなハードセグメントにポリエチレン、ポリプロピレン等のようなポリオレフィンが用いられ、ソフトセグメントにエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)やエチレン・プロピレンゴム(EPR)が用いられている。
【0004】
このようなオレフィン系熱可塑性エラストマーには、その製造方法によって、単純ブレンドタイプ、動的架橋法によってゴム成分を完全架橋又は部分架橋して、ゴム弾性を付与したタイプ及びプロピレンとα−オレフィンとを共重合した重合タイプ(R−RPO)の3種に大別される。
【0005】
このようなオレフィン系熱可塑性エラストマーは、従来のポリオレフィン樹脂のように、射出成形、押出成形、中空成形等によって種々の成形品とすることができるが、更に、最近においては、脱ポリ塩化ビニル樹脂の状況下にあって、カレンダー加工による成形の検討も進んでおり、特に、このようなカレンダー加工による成形加工に際して、熱による劣化を受けやすいのみならず、このような熱劣化に伴って熱金属面への付着が起こって、成形加工に支障を来すことがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、オレフィン系熱可塑性エラストマーにおける上述した問題を解決するためになされたものであって、成形加工性、特に、カレンダー加工に際して耐熱性と滑性とにすぐれるオレフィン系熱可塑性エラストマーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による加工性にすぐれるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー100重量部に
(a)一般式(I)
【0008】
【化4】
(式中、R1は炭素数1〜28のアルキル基を示す。)
で表わされるモノアルキルアシッドホスフェートと
(b)一般式(II)
【0009】
【化5】
(式中、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜28のアルキル基を示す。)
で表わされるジアルキルアシッドホスフェートと
(c)一般式(III)
【0010】
【化6】
(式中、R3は水素原子又は炭素数1〜28のアルキル基を示し、R4は炭素数1〜28のアルキル基を示す。)
で表わされるアルキルハイドロゼンホスファイト
とから選ばれる少なくとも1種の有機リン化合物及び/又はその金属塩0.05〜10重量部を配合してなることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において用いるポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)は、前述したように、ハードセグメントにポリエチレンやポリプロピレン等のようなポリオレフィンを用いると共に、ソフトセグメントにエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)やエチレン・プロピレンゴム(EPR)を用いてなる熱可塑性エラストマーであって、限定されるものではないが、ハードセグメントとソフトセグメントとの重量比は10〜60:90〜40の範囲であるのが好ましい。但し、本発明において用いるポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、その製造方法において何ら限定されるものではなく、前述したように、単純ブレンドタイプ、動的架橋法によってゴム成分を完全架橋又は部分架橋して、ゴム弾性を付与したタイプ、プロピレンとα−オレフィンとを共重合した重合タイプ(R−RPO)のいずれでもよい。
【0012】
本発明によれば、モノアルキルアシッドホスフェートとジアルキルアシッドホスフェートとアルキルハイドロゼンホスファイトとから選ばれる少なくとも1種の有機リン化合物及び/又はその金属塩をポリオレフィン系熱可塑性エラストマーに配合することによって、その成形加工性、特に、カレンダー加工における耐熱性と滑性とを格段に改善することができる。
【0013】
本発明において用いるモノアルキルアシッドホスフェートは、一般式(I)
【0014】
【化7】
(式中、R1は炭素数1〜28のアルキル基を示す。)
で表わされ、ジアルキルアシッドホスフェートは、一般式(II)
【0015】
【化8】
(式中、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜28のアルキル基を示す。)
で表わされる。
【0016】
モノアルキルアシッドホスフェートとジアルキルアシッドホスフェートは、酸性リン酸エステルとも呼ばれている。本発明によれば、その入手の容易性から、通常、モノアルキルアシッドホスフェートとジアルキルアシッドホスフェートとの混合物を用いるが、しかし、必要に応じて、モノアルキルアシッドホスフェートとジアルキルアシッドホスフェートのいずれか一方のみを用いることもできる。
【0017】
上記一般式(I)で表わされるモノアルキルシアッドホスフェートや上記一般式(II)で表わされるジアルキルアシッドホスフェートにおいて、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1〜28のアルキル基であるが、ジアルキルアシッドホスフェートにおいて、R2は好ましくは、同じアルキル基である。そのようなアルキル基の具体例として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、ヘキサコシル基又はオクタコシル基等を挙げることができる。炭素数3以上のアルキル基は、直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。
【0018】
上記酸性リン酸エステルの具体例としては、例えば、メチルアシッドホスフェート(モノメチルエステルとジメチルエステルとの混合物)、エチルアシッドホスフェート(モノエチルエステルとジエチルエステルとの混合物)、イソプロピルアシッドホスフェート(モノイソプロピルエステルとジイソプロピルエステルとの混合物)、ブチルアシッドホスフェート(モノブチルエステルとジブチルエステルとの混合物)、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート(モノ−2−エチルヘキシルエステルとジ−2−エチルヘキシルエステルとの混合物)、イソデシルアシッドホスフェート(モノイソデシルエステルとジイソデシルエステルとの混合物)、ジラウリルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート(モノラウリルエステルとジラウリルエステルとの混合物)、トリデシルアシッドホスフェート(モノトリデシルエステルとジトリデシルエステルとの混合物)、モノステアリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート(モノステアリルエステルとジステアリルエステルとの混合物)、イソステアリルアシッドホスフェート(モノイソステアリルエステルとジイソステアリルエステルとの混合物)、オレイルアシッドホスフェート(モノオレイルエステルとジオレイルエステルとの混合物)、ベヘニルアシッドホスフェート(モノベヘニルエステルとジベヘニルエステルとの混合物)等を挙げることができる。
【0019】
酸性リン酸エステルの金属塩は、周期律表第Ia、IIa、IIb及びIIIaから選ばれる少なくとも1種の金属の塩であり、好ましい具体例として、例えば、リチウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩等を挙げることができ、なかでも、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩又は亜鉛塩が好ましく用いられる。
【0020】
また、本発明において用いるアルキルハイドロゼンホスファイトは、一般式(III)
【0021】
【化9】
(式中、R3は水素原子又は炭素数1〜28のアルキル基を示し、R4は炭素数1〜28のアルキル基を示す。)
で表わされ、一般式(IV)
【0022】
【化10】
(式中、R3及びR4は上記と同じである。)
で表わされる構造と互変異性の関係にある。
【0023】
本発明において、上記一般式(I)で表わされるアルキルハイドロゼンホスファイトは、R3が水素原子であり、R4がアルキル基であるモノアルキルハイドロゼンホスファイトと、R3及びR4が共にアルキル基であるジアルキルハイドロゼンホスファイトとを含むものとし、モノアルキルハイドロゼンホスファイトとジアルキルハイドロゼンホスファイトは、混合物を用いてもよく、また、いずれか一方のみを用いてもよい。ジアルキルハイドロゼンホスファイトの2つのアルキル基は、好ましくは、同一のものである。
【0024】
モノアルキルハイドロゼンホスファイト及びジアルキルハイドロゼンホスファイトにおけるアルキル基は、炭素数1〜28のアルキル基であり、そのようなアルキル基の具体例として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、ヘキサコシル基又はオクタコシル基等を挙げることができる。炭素数3以上のアルキル基は、直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。
【0025】
このようなモノアルキルハイドロゼンホスファイトの具体例として、例えば、モノラウリルハイドロゼンホスファイト、モノミリスチルハイドロゼンホスファイト、モノパルミチルハイドロゼンホスファイト、モノステアリルハイドロゼンホスファイト、モノベヘニルハイドロゼンホスファイト等を挙げることができる。また、ジアルキルハイドロゼンホスファイトの具体例として、例えば、ジラウリルハイドロゼンホスファイト、ジミリスチルハイドロゼンホスファイト、ジパルミチルハイドロゼンホスファイト、ジステアリルハイドロゼンホスファイト、ジベヘニルハイドロゼンホスファイト等を挙げることができる。
【0026】
アルキルハイドロゼンホスファイトの金属塩は、周期律表第Ia、IIa、IIb及びIIIaから選ばれる少なくとも1種の金属の塩であり、好ましい具体例として、例えば、リチウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩等を挙げることができ、なかでも、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩又は亜鉛塩が好ましく用いられる。
【0027】
本発明によれば、上記モノアルキルアシッドホスフェート、ジアルキルアシッドホスフェート及びアルキルハイドロゼンホスファイトから選ばれる少なくとも1種の有機リン化合物及び/又はその金属塩のポリオレフィン系熱可塑性エラストマーへの配合割合は、通常、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー100重量部に対して、0.05〜10重量部、好ましくは、0.1〜2重量部の範囲である。上記リン化合物及び/又はその金属塩のポリオレフィン系熱可塑性エラストマーへの配合割合がポリオレフィン系熱可塑性エラストマー100重量部に対して、0.05重量部よりも少ないときは、成形加工性、特に、カレンダー加工における耐熱性と滑性を改善する効果に乏しく、他方、10重量部を越えても、上記成形加工性を改善する効果はそれに見合って増えず、むしろ、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの有する本来の特性、例えば、強度等を損なうおそれがあるので、好ましくない。
【0028】
本発明によるポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、上記リン化合物及び/又はその金属塩を配合することによる成形加工性の改善を阻害しない範囲で、必要に応じて、種々の添加剤を配合することができる。
【0029】
このような添加剤として、例えば、フェノール系酸化防止剤や硫黄系酸化防止剤等の酸化防止剤、亜リン酸エステル系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等を挙げることができる。
【0030】
フェノール系酸化防止剤として、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等を挙げることができる。
【0031】
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(β−ラウリルチオジプロピオネート)、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジラウリルジチオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルジチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート等を挙げることができる。
【0032】
亜リン酸エステル系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレンジホスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等を挙げることができる。
【0033】
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
【0034】
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等を挙げることができる。
【0035】
本発明によるポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に配合することができる添加剤は、上記に限定されるものではなく、更に、例えば、必要に応じて、熱安定剤、難燃剤、無機充填剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、更には、顔料、染料等の着色剤等を配合してもよい。
【0036】
更に、本発明によるポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じて、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等において従来より知られている滑剤を配合してもよい。このような滑剤として、例えば、エチレンビスステアリルアミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸カルシウム等の金属石ケン等を挙げることができる。
【0037】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0038】
実施例及び比較例
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(三井化学(株)製「ミラストマー5030N」(登録商標)、温度230℃、荷重10kgにおけるメルトフローレート50g/10分)100重量部に表1から表3に示すモノアルキルアシッドホスフェート、ジアルキルアシッドホスフェート、ジアルキルハイドロゼンホスファイト又はそれらの金属塩を配合し、更に、場合によっては、フェノール系酸化防止剤(チバ・ガイギー社製「イルガノックス1010」(登録商標)、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン)、亜リン酸エステル(チバ・ガイギー社製「イルガフォス168」(登録商標)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト)、硫黄系酸化防止剤(吉富製薬(株)製DMTP、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート)、ヒンダードアミン系光安定剤(三共製薬(株)製「サノールLS770」(登録商標)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート)及び滑剤(エチレンビスステアリルアミド)から選ばれる少なくとも1種を配合し、115℃の温度で5分間、ロール混練し、シートに成形した。
【0039】
次いで、このようにして得られたシートをギアオーブン試験機にて180℃に加熱して、そのときの変色の度合いを目視で判定して、耐熱性を10〜1の10段階で評価した。また、上記ロール混練した混練物をロールから引き剥がしてシートを得る際の混練物のロール面からの剥離性(剥がしやすさ)によって、10〜1の10段階で滑性を評価した。
【0040】
耐熱性の評価において、10は混練前に比べて殆ど変色のないときを示し、1は茶褐色に変色した場合を示す。滑性の評価において、10は上記剥離に際して殆ど抵抗のない場合を示し、1はロールへの粘着が著しい場合を示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーにモノアルキルアシッドホスフェート、ジアルキルアシッドホスフェート及びアルキルハイドロゼンホスファイトから選ばれる少なくとも1種の有機リン化合物及び/又はそれらの金属塩を所定範囲で配合することによって、成形加工性、特に、カレンダー加工における耐熱性と滑性を著しく改善することができる。
Claims (3)
- ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーがハードセグメントにポリオレフィンを用いると共に、ソフトセグメントにエチレン・プロピレン・ジエンゴム又はエチレン・プロピレンゴムを用いてなる熱可塑性エラストマーであって、ハードセグメントとソフトセグメントとの重量比が10〜60:90〜40の範囲にある請求項1に記載のポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
- 金属塩がリチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩又は亜鉛塩である請求項1に記載のポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
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