JP4196421B2 - 取付工具の締付トルク制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば各ステーションをタクト搬送される車両の生産ラインにおいて各種の部品の組付けるボルト、ナット(被締付部材)を締付けるインパクトレンチのような締付工具の締付トルク制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ボルト、ナットの締付けにはインパクトレンチが用いられている。このインパクトレンチ(締付工具)はエアモータおよびオイル式ロータハンマが内蔵されたレンチ本体の駆動部にソケットのソケット軸基端を連結し、ソケット軸先端の六角筒部でボルトやナット等の被締付部材を締付けるものである。
しかし、従来の締付工具においては次のような問題点があった。すなわち、ボルト、ナットはM6,M8,M10,M12等(ネジの呼びであるが、以下単にM6,M8,M10,M12と略記する)の複数種類を有し、上述のソケットはインパクトレンチに対して着脱可能ではあるが、車両がタクト搬送されてくるような生産現場にあってはソケットの着脱やインパクトレンチの持ち替えが面倒な関係上、複数のインパクトレンチを用意し、それぞれをM6専用工具、M8専用工具等として使用されている。このため1つのインパクトレンチにおいて例えばM6,M8,M10のボルト、ナットに対応した駆動トルクにて、これら複数種類のボルト、ナットを適切に締付けることが困難な問題点があった。
【0003】
一方、特開昭63−134177号公報に記載のように、ネジ締め直前で電動ドライバを一時停止し、トルクアップの有無に応じてワークの材質の硬、軟を判定し、この判定結果に応じて所望トルクの高低を選択することで、材質に応じて最適なトルクにて確実にネジを締付けるように成したネジ締付トルク制御方法があるが、M6,M8,M10等の複数のソケット径に対応した駆動トルクを得ることができない問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の請求項1記載の発明は、締付工具に取付けられたソケットの径を検出する検出手段と、ソケット径に応じて締付工具の駆動トルクを変更する駆動トルク変更手段とを備えることで、ソケット径に対応した適切な駆動トルクを得ることができ、1つの締付工具にて異径のボルト、ナットの締付け(または取外し)ができて、作業性の向上を図ることができ、しかも、ソケット径を可変する可変機構と、この可変機構による径変化を検出する検出手段とを備えることで、1つのソケットで複数径の被締付部材(ボルト、ナット)への対応ができ、作業性の大幅な向上を図ることができると共に、ソケット径が如何なる径に選定されたのかを検出することができる締付工具の締付トルク制御装置の提供を目的とする。
【0005】
請求項2記載の発明は、締付工具に取付けられたソケットの径を検出する検出手段と、ソケット径に応じ目標締付トルク値を変更する目標締付トルク値変更手段とを備えると共に、被締付部材の実締付トルク値と、目標締付トルク値とを比較して異常を検出すべく構成することで、ソケット径に対応した適切な目標締付トルク値を得ることができ、1つの締付工具にて異径のボルト、ナットの締付ができて、作業性の向上を図ることができると共に、異常の検出も可能となり、しかも、ソケット径を可変する可変機構と、この可変機構による径変化を検出する検出手段とを備えることで、1つのソケットで複数径の被締付部材(ボルト、ナット)への対応ができ、作業性の大幅な向上を図ることができると共に、ソケット径が如何なる径に選定されたのかを検出することができる締付工具の締付トルク制御装置の提供を目的とする。
【0006】
請求項3記載の発明は、締付工具に取付けられたソケットの径を検出する検出手段と、この検出出力に対応して締付工具の駆動トルクおよび目標締付トルク値を制御する制御手段とを備えることで、ソケット径に対応した適切な駆動トルクと目標締付トルクとを同時に得ることができ、1つの締付工具にて異径のボルト、ナットの良好な締付けができて、作業性の向上を図ることができ、しかも、ソケット径を可変する可変機構と、この可変機構による径変化を検出する検出手段とを備えることで、1つのソケットで複数径の被締付部材(ボルト、ナット)への対応ができ、作業性の大幅な向上を図ることができると共に、ソケット径が如何なる径に選定されたのかを検出することができる締付工具の締付トルク制御装置の提供を目的とする。
【0007】
この発明の一実施態様、複数種のソケット径に対応したそれぞれの駆動トルク値を記憶手段に記憶することで、複数の各ソケット径に応じた適切な駆動トルク値を得ることができる締付工具の締付トルク制御装置の提供を目的とする。
【0008】
この発明の一実施態様、複数種のソケット径に対応したそれぞれの目標締付トルク値を記憶手段に記憶することで、複数の各ソケット径に応じた適切な目標締付トルク値を得ることができる締付工具の締付トルク制御装置の提供を目的とする。
【0009】
この発明の一実施態様、ワーク毎に対応した使用ソケット径と、その径で使用する駆動トルク値とを記憶手段に記憶することで、ワークに対応したソケット径の駆動トルク値をワーク毎に確保することができる締付工具の締付トルク制御装置の提供を目的とする。
【0010】
この発明の一実施態様、ワーク毎に対応した使用ソケット径と、その径で使用される目標締付トルク値とを記憶手段に記憶することで、ワークに対応したソケット径の目標締付トルク値をワーク毎に確保することができる締付工具の締付トルク制御装置の提供を目的とする。
【0011】
この発明の一実施態様、ソケットの軸方向への移動によりソケット径を可変する可変機構と、このソケットの軸方向への移動に基づいて径変化を検出する検出手段とを備えることで、ソケットの径変更が容易にでき、また径変化の検出構造も簡単となる締付工具の締付トルク制御装置の提供を目的とする。
【0012】
この発明の一実施態様、締付工具に設けられた検出手段によりソケット移動の前後位置を検知し、検知結果に基づいて径変化を検出することで、ソケットの前後位置に対応して確実に径変化を検出することができる締付工具の締付トルク制御装置の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1記載の発明は、被締付部材を締付ける締付工具の締付トルク制御装置であって、締付工具に取付けられたソケットの径を検出する検出手段と、ソケット径に応じて締付工具の駆動トルクを変更する駆動トルク変更手段と、ソケット径を可変する可変機構と、該可変機構による径変化を検出する検出手段とを備えた締付工具の締付トルク制御装置であることを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、締付工具により締付けられた被締付部材の実締付トルク値と、目標締付トルク値とを比較して異常を検出する締付工具の締付トルク制御装置であって、締付工具に取付けられたソケットの径を検出する検出手段と、ソケット径に応じて目標締付トルク値を変更する目標締付トルク値変更手段と、ソケット径を可変する可変機構と、該可変機構による径変化を検出する検出手段とを備えた締付工具の締付トルク制御装置であることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、被締付部材を締付ける締付工具の締付トルク制御装置であって、締付工具に取付けられたソケットの径を検出する検出手段と、上記検出手段の出力に対応して締付工具の駆動トルクおよび目標締付トルク値を制御する制御手段と、ソケット径を可変する可変機構と、該可変機構による径変化を検出する検出手段とを備えた締付工具の締付トルク制御装置であることを特徴とする。
【0016】
この発明の一実施態様、複数種のソケット径に対応したそれぞれの駆動トルク値が記憶手段に記憶された締付工具の締付トルク制御装置であることを特徴とする。
【0017】
この発明の一実施態様、複数種のソケット径に対応したそれぞれの目標締付トルク値が記憶手段に記憶された締付工具の締付トルク制御装置であることを特徴とする。
【0018】
この発明の一実施態様、ワーク毎に対応した使用ソケット径と、その径で使用する駆動トルク値が記憶手段に記憶された締付工具の締付トルク制御装置であることを特徴とする。
【0019】
この発明の一実施態様、ワーク毎に対応した使用ソケット径と、その径で使用される目標締付トルク値が記憶手段に記憶された締付工具の締付トルク制御装置であることを特徴とする。
【0020】
この発明の一実施態様、ソケットの軸方向への移動によりソケット径を可変する可変機構と、上記ソケットの軸方向への移動に基づいて径変化を検出する検出手段とを備えた締付工具の締付トルク制御装置であることを特徴とする。
【0021】
この発明の一実施態様、上記検出手段は締付工具に設けられ、該検出手段によりソケット移動の前後位置を検知し、検知結果に基づいて径変化を検出する締付工具の締付トルク制御装置であることを特徴とする。
【0022】
【発明の作用及び効果】
この発明の請求項1記載の発明によれば、上述の検出手段は締付工具に取付けられたソケットの径を検出し、上述の駆動トルク変更手段はソケット径に応じて締付工具の駆動トルクを変更する。
このため、ソケット径に対応した適切な駆動トルクを得ることができ、1つの締付工具にて異径のボルト、ナットの締付けができて、その作業性の向上を図ることができる効果がある。
【0023】
しかも、上述の可変機構はソケット径を可変し、上述の検出手段は可変機構によるソケット径の径変化を検出する。
このため、1つのソケットで複数径の被締付部材(ボルト・ナット)への対応ができ、作業性の大幅な向上を図ることができると共に、ソケット径が如何なる径に選定(可変)されたのかを検出手段にて検出することができる効果がある。
【0024】
請求項2記載の発明によれば、上述の検出手段は締付工具に取付けられたソケットの径を検出し、上述の目標締付トルク値変更手段はソケット径に応じて目標締付トルク値を変更する。
このため、ソケット径に対応した適切な目標締付トルク値を得ることができ、1つの締付工具にて異径のボルト、ナットの締付けができて、その作業性の向上を図ることができると共に、締付工具により締付けられた被締付部材の実締付トルク値と、目標締付トルク値とを比較して異常を検出することもできる効果がある。
【0025】
しかも、上述の可変機構はソケット径を可変し、上述の検出手段は可変機構によるソケット径の径変化を検出する。
このため、1つのソケットで複数径の被締付部材(ボルト・ナット)への対応ができ、作業性の大幅な向上を図ることができると共に、ソケット径が如何なる径に選定(可変)されたのかを検出手段にて検出することができる効果がある。
【0026】
請求項3記載の発明によれば、上述の検出手段は締付工具に取付けられたソケットの径を検出し、上述の制御手段は検出手段の出力に対応して締付工具の駆動トルクおよび目標締付トルク値を制御する。
このため、ソケット径に対応した適切な駆動トルクと目標締付トルクとを同時に得ることができ、1つの締付工具にて異径のボルト、ナットの良好な締付けができて、作業性の向上を図ることができる効果がある。
【0027】
しかも、上述の可変機構はソケット径を可変し、上述の検出手段は可変機構によるソケット径の径変化を検出する。
このため、1つのソケットで複数径の被締付部材(ボルト・ナット)への対応ができ、作業性の大幅な向上を図ることができると共に、ソケット径が如何なる径に選定(可変)されたのかを検出手段にて検出することができる効果がある。
【0028】
この発明の一実施態様によれば、上述の記憶手段には複数種のソケット径に対応したそれぞれの駆動トルク値が記憶されているので、複数の各ソケット径に応じて適切な駆動トルク値を確保することができる効果がある。
【0029】
この発明の一実施態様によれば、上述の記憶手段には複数種のソケット径に対応したそれぞれの目標締付トルク値が記憶されているので、複数の各ソケット径に応じて適切な目標締付トルク値を確保することができる効果がある。
【0030】
この発明の一実施態様によれば、上述の記憶手段にはワーク毎に対応した使用ソケット径と、その径で使用する駆動トルク値とが記憶されているので、各ワークに応じてソケット径の駆動トルク値をワーク毎に確保することができる効果がある。
【0031】
この発明の一実施態様によれば、上述の記憶手段にはワーク毎に対応した使用ソケット径と、その径で使用する目標締付トルク値とが記憶されているので、各ワークに応じてソケット径の目標締付トルク値をワーク毎に確保することができる効果がある。
【0032】
この発明の一実施態様によれば、上述の可変機構はソケットの軸方向への移動によりソケット径を可変し、上述の検出手段はソケットの軸方向への移動に基づいて径変化を検出する。
このため、ソケットの径の変更を容易に行なうことができると共に、径変化の検出構造も簡単となる効果がある。
【0033】
この発明の一実施態様によれば、締付工具に設けられた検出手段にてソケットの軸方向への移動の前後位置を検知し、この検知結果に基づいて径の変化を検出する。換言すれば固定位置の検出手段に対するソケット前後位置の離反距離に基づいて径変化を検出するので、ソケットの前後位置に対応して確実に径変化を検出することができる効果がある。
【0034】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は締付工具の締付トルク制御装置を示し、図1、図2において、この締付工具の締付トルク制御装置はホストコンピュータ1とタクトタイムカウンタ2と、制御部3と、トルクコントローラ4と、エアコントローラ5と、モニタ6と、設定部7と、制御部8とを備え、締付工具9たとえばインパクトレンチの締付トルクを制御する。
【0035】
上述のホストコンピュータ1(上位コンピュータ)はタクトタイムカウンタ2を介して制御部3へ車種データA,B,C,D…(図3参照)を送信すると共に、締付データの管理、収集も実行する。
上述のタクトタイムカウンタ2は各ステーションをタクト搬送される車両の生産ラインにおいて各種ワーク(シート、インストルメントパネル、ドアなど)を組付けるタクトタイムを計数する。
【0036】
上述の制御部3は、CPU、ROM、RAMを有し、ソケット径検出信号aに基づいてトルクコントローラ4およびエアコントローラ5を制御し、トルクコントローラ4によりソケット径に応じた目標締付トルク値Toを得、エアコントローラ5によりソケット径に応じた駆動トルク値Taを得るように構成している。
【0037】
また上述の制御部3におけるRAM(記憶手段)には図4に示す如きマップM1を記憶している。このマップM1は車種データA,B,C,D…にそれぞれ対応して、ワーク毎に対応する使用ソケット径と、その径で使用する駆動トルク値Taおよび目標締付トルク値Toと、ワーク毎に対応して使用されるボルト、ナット(被締付部材)の本数、個数とを読出し可能に記憶している。
【0038】
上述のトルクコントローラ4(目標締付トルク値変更手段と異常検出手段とを兼ねる)は、CPU、ROM、RAMを有し、ソケット径検出信号aに対応して目標締付トルク値Toを変更する。具体的には、ソケット径検出信号aが制御部3のCPUに入力されると、この制御部3のRAMから車種データA,B,C,D…に対応した使用ソケット径毎の目標締付トルク値Toが読出され、この値にて目標締付トルク値Toを変更する。
【0039】
また上述のトルクコントローラ4はボルト、ナットの実締付トルク値Tbと使用ソケット径毎の目標締付トルク値Toとを比較して、実締付トルク値Tbが過小、過大な時に異常を検出する。
なお、トルクコントローラ4のCPUまたは制御部3のCPUにブザー、赤色発光ランプ、緑色発光ランプを接続し、締付けNG時にブザーを駆動すると共に、赤色発光ランプを点灯し、締付けOK時に緑色発光ランプを点灯する。
【0040】
上述のエアコントローラ5(駆動トルク変更手段)は、CPU、ROM、RAMおよび複数の圧力調整弁を含む空気圧回路を有し、ソケット径検出信号aに対応して駆動トルク値Taを変更する。具体的にはソケット径検出信号aが制御部3のCPUに入力されると、この制御部3のRAMから車種データA,B,C,D…に対応した使用ソケット径毎の駆動トルク値Taが読出され、この駆動トルク値Taになるように内蔵空気圧回路(図示せず)が切換えられて、例えばM6ボルトの締付け時には約3kgf/cmのエア圧力に、M8ボルトの締付け時には約5kgf/cmのエア圧力に、M10ボルトの締付け時には約7kgf/cmのエア圧力になるように、エア圧力が切換え制御される。
【0041】
上述のモニタ6は例えばCRT表示装置やLCD表示装置により構成され、ボルト、ナットの締付け順序および締付トルクを可視表示する。本来、ボルト、ナットの締付け順序は作業者が予め記憶しておくが、締付け順序の忘却時や同一径のボルトたとえば同じM6ボルトでも締付トルクが異なるような場合に、モニタ表示を確認できるので使用上有効となる。
【0042】
上述の設定部7および制御部8はホストコンピュータ1からボルト、ナットの締付け順序に代えて、作業者が予め作業性を考慮して別の締付け順序とする際に用いられる。つまり、設定部7はボルト、ナットの締付け順序をキー入力するのに用いられ、この設定信号が制御部8に入力されると、この制御部8は制御部3におけるホストコンピュータ1側からの締付け順序をキャンセルして、設定部7側からの締付け順序に設定更新する。
【0043】
ところで、前述の締付工具9は図1、図2に示す如く工具本体10と、把持部11(グリップ)と、スイッチノブ12と、締付工具9の駆動軸(アンビル)13(図6参照)に対して係合ピン14およびゴムリング15を用いて着脱可能に取付けられるソケット16とを備えている。
【0044】
また上述の工具本体10の内部には目標締付トルク値Toに対応した所定の圧縮空気により駆動されるエアモータ17と、このエアモータ17により駆動されるオイル式のロータハンマ18と、ボルト、ナットの実締付トルク値Tbを検出するトルクセンサ19とを備え、工具本体10の基端側(図2の右側)には異径ボルト、ナットの締付け完了OK時に点灯して、これ以上のムダな締付けを防止するランプ20,21,22,23(表示手段)と、締付け完了時に点灯する表示ランプ24(表示手段)とを備えている
【0045】
ここで、ランプ20はM6に対応し、ランプ21はM8に対応し、ランプ22はM10に対応し、ランプ23はM12に対応する。また表示ランプ24はM6〜M12の各ボルト、ナットのトルク締付完了時に共通して点灯するものである。
しかも、工具本体10の先端側(図2の左側)外部には締付工具9に取付けられたソケット16の径を検出する検出手段としての色判別センサ25を取付けている。
【0046】
この色判別センサ25によるソケット径(換言すれば、締付けられるボルト、ナットの径)の具体的判別方法は次の通りである。
上述のソケット16は図6に示す如くソケット軸16aを有し、その先端(図6の左側)は筒状に形成されており、この筒部16bの外周には該筒部16bに沿って回動するカム筒26が配設されている。
【0047】
図5は図6で示したソケット16のフランジ部16cとカム筒26とが対接する部分を展開して示す図(周方向の構成を直線状に展開して示す図)であって、ソケット16におけるフランジ部16cには所定開角たとえば45度の開角を隔てて識別ピン収納凹所27,28,29を形成し、これらの各識別ピン収納凹所27〜29にはそれぞれ鍔付きの識別ピン30,31,32をスプリング33(付勢手段)力に抗して突没可能に収納している。
【0048】
一方、カム筒26の背面側には後述する位置決め手段(図6に示す係入凹部42、係入ボール44参照)による位置決めと同期して3つの識別ピン収納凹所27,28,29に択一的に係入し、選択された識別ピン(30〜32の何れ1つ)を色判別センサ25側へ突出させるボール34(ピン押圧手段)を設け、このボール34をカム筒26の凹部35に配設すると共に、このボール34には図5の右方へのスプリング36(付勢手段)力を常時付勢している。
【0049】
ここで、合計3本の識別ピン30〜32のうち1つのピン30はM6に対応し、その突出側端部は黄色に着色され、また他のピン31はM10に対応し、その突出側端部は白色に着色され、残りのピン32はM8に対応し、その突出側端部は赤色に着色されている。
そして上述の色判別センサ25により突出されたピン(30〜32の何れか1つ)の色を判別することで、ソケット径を検出するように構成している。この色判別センサ25としてはアモルファスカラーセンサ等を用いる。
【0050】
なお、上述の各ピン30〜32の着色は例示した黄色、白色、赤色に限定されるものではなく、メッキ被覆により各ピン30〜32の色をそれぞれ異色に構成してもよく、あるいはピン30〜32の材質を銅、黄銅、ステンレス、ニッケルその他合金により選定することで異色構成を達成してもよく、さらには上述の各ピン30〜32を異色の合成樹脂で形成してもよい。
【0051】
次に図6乃至図9を参照してソケット径を可変する可変機構の構成について説明する。
上述のソケット16の筒部16bは基端側の大径部16dと先端側の小径部16eとを有し、大径部16dはその内外径部共に円形で、小径部16eはその外径部のみが円形で、内径部はM10に相当する六角穴37に形成されている。
【0052】
そして、上述の大径部16dと小径部16eとの両部にまたがって円周上120度の等間隔で合計3つの開口部38…を穿設し、これら各開口部38…にはソケット16の径方向にのみ進退可能となるように2段軸構造のスライダ39を配設している。つまり上部の開口部38によりスライダ39の周方向への移動を阻止(規制)すべく構成している。
【0053】
またソケット16の筒部16b外周に沿って回動し、内周面がスライダ39の外部と当接する前述のカム筒26の内周面には図7,図8、図9に示す如くM10のソケット径(図7参照)、M8のソケット径(図8参照)、M6のソケット径(図9参照)に対応してスライダ39を径方向にのみ変位させるカム面40が形成され、カム筒26を図7に示す位置に回動させた時にはカム部40aがスライダ39外部に当接してM10のソケットと径が得られ、カム筒26を図7の状態から時計方向に45度回動させて図8に示す位置にセットした時にはカム部40bがスライダ39外部に当接してM8のソケット径が得られ、カム筒26を図7の状態から反時計方向に45度回動させて図9に示す位置にセットした時にはカム部40cがスライダ39外部に当接してM6のソケット径が得られるように構成している。
【0054】
つまり、上述のカム筒26の回動により合計3個のスライダ39内部によるボルト、ナットの保持径(ソケット径)を図7、図8、図9に示すように可変すべく構成したものである。この実施例ではカム筒26を円周上45度毎に回動させることで、図7、図8、図9の状態が得られるように構成している。
また上述のスライダ39と対向するカム筒26の必要箇所にはスライダ39を常時カム面40側へ磁力吸引するマグネット(永久磁石、吸着手段)41を埋設している。
【0055】
さらに上述のカム筒26の大径部16dと対応する内径部位であって、回動によりスライダ39と対向する円周上45度等間隔の複数箇所には、図6に示す如く係入凹部42を形成し、ソケット16の大径部16d側にはスライダ39の配置部と対応させて円周上120度の等間隔にて凹所43を形成し、この凹所43には常時外方へバネ付勢された係入ボール44を設け、これら両者42、44により位置決め手段を構成して、ソケット16とカム筒26を位置決めすべく構成している。
【0056】
加えて、ソケット16の筒部16bの内部にはソケット軸16aの軸芯線方向へ移動可能な3段軸構造のホルダ45を配設し、スプリング46(付勢手段)でこのホルダ45を先端側のリングストッパ47方向へ付勢すると共に、ホルダ45先端には被締付部材を磁力吸着保持するためのマグネット48が埋設されている。
上述のマグネット48でボルト、ナットの締付け初期にボルト、ナットを磁力吸引して、その脱落を防止する一方、特にボルトに対してナットを締付ける際には、スプリング46に抗してホルダ45が後退移動するように構成したものである。
【0057】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下作用を説明する。
ホストコンピュータ1からタクトタイムカウンタ2を介して車種データ(図3のA〜D…のうちの何れか1つ)が制御部3に送信入力されると、作業者は締付け順序に対応してソケット16の径を選定する。
【0058】
例えばM6に対応してカム筒26を図9の位置にセットすると、図5に示すボール34が識別ピン30を没入状態から突出状態へ押圧し、M6に対応する該ピン30の黄色の突出端を色判別センサ25で判別して、この色判別センサ25はソケット径検出信号aを制御部3にフィードバック入力する。
【0059】
制御部3のCPUはRAMに記憶させたマップM1(図4参照)の所定エリアからM6に対応する駆動トルク値Taと目標締付トルク値Toとを読出し、これら両トルク値Ta,Toになるようにトルクコントローラ4およびエアコントローラ5を制御する。
【0060】
このため締付工具9は上述の両トルク値Ta,Toになるように駆動され、予めソケット16の先端に3つのスライダ39を介して保持したボルト、ナットを締付け、締付け完了時にはランプ20,24を点灯する。一方、締付工具9で実際に締付けられたボルト、ナットの実締付トルク値Tbはトルクセンサ19で検出され、この実締付トルク値Tbがトルクコントローラ4のCPUに出力されて、このトルクコントローラ4のCPUは実締付トルク値Tbと目標締付トルク値Toとを比較して、正常か異常かを検出し、正常時には緑色発光ランプ(図示せず)を点灯する一方、異常時にはブザー(図示せず)を駆動すると共に、赤色発光ランプ(図示せず)を点灯する。
【0061】
図4に示すマップM1は車種データA,B,C,D…に対してワーク毎の使用ソケット径と、その径で使用される目標締付トルク値Toおよび駆動トルク値Taが全て記憶されているので、予め設定された締付順序に従って順次ソケット径を変更すると、変更したソケット径に対応して目標締付トルク値To、駆動トルク値Taを確保することができる。
【0062】
このため1つの締付工具9により異なる複数のソケット径が得られると共に、そのソケット径に対応した両トルク値To,Taが確保できるので、1つの締付工具9にて異径のボルト、ナットを良好かつ適切に締付けることができる。
なお、図1においては制御部3に対して各1つの締付工具9、エアコントローラ5、モニタ6を接続したが、制御部3に対してそれぞれ複数の締付工具9、エアコントローラ5、モニタ6を接続し、複数作業者により締付け作業を実行すべく構成してもよい。
【0063】
以上要するに図1〜図10の締付トルク制御装置によれば、上述の検出手段(色判別センサ25参照)は締付工具9に取付けられたソケット16の径を検出し、上述の駆動トルク変更手段(エアコントローラ5参照)はソケット径に応じて締付工具9の駆動トルク(駆動トルク値Ta参照)を変更する。
このため、ソケット径に対応した適切な駆動トルクを得ることができ、1つの締付工具9にて異径のボルト、ナットの締付けができて、その作業性の向上を図ることができる効果がある。
【0064】
また、上述の検出手段(色判別センサ25参照)は締付工具9に取付けられたソケット16の径を検出し、上述の目標締付トルク値変更手段(トルクコントローラ4参照)はソケット径に応じて目標締付トルク値Toを変更する。
このため、ソケット径に対応した適切な目標締付トルク値Toを得ることができ、1つの締付工具9にて異径のボルト、ナットの締付けができて、その作業性の向上を図ることができると共に、締付工具9により締付けられた被締付部材の実締付トルク値Tbと、目標締付トルク値Toとを比較して異常を検出することもできる効果がある。
【0065】
さらに、上述の検出手段(色判別センサ25参照)は締付工具9に取付けられたソケット16の径を検出し、上述の制御手段(制御部3参照)は検出手段(色判別センサ25参照)の出力に対応して締付工具9の駆動トルクおよび目標締付トルク値を制御する。
このため、ソケット径に対応した適切な駆動トルクと目標締付トルクとを同時に得ることができ、1つの締付工具9にて異径のボルト、ナットの良好な締付けができて、作業性の向上を図ることができる効果がある。
【0066】
加えて、上述の可変機構(カム筒26、スライダ39参照)はソケット径を可変し、上述の検出手段(色判別センサ25参照)は可変機構によるソケット径の径変化を検出する。
このため、1つのソケット16で複数径の被締付部材(ボルト・ナット)への対応ができ、作業性の大幅な向上を図ることができると共に、ソケット径が如何なる径に選定(可変)されたのかを検出手段(色判別センサ25参照)にて検出することができる効果がある。
【0067】
また、上述の記憶手段(制御部3のRAM参照)にはワーク毎に対応した使用ソケット径と、その径で使用する駆動トルク値Taとが記憶(図4のマップM1参照)されているので、各ワークに応じてソケット径の駆動トルク値Taをワーク毎に確保することができる効果がある。
【0068】
さらに、上述の記憶手段(制御部3のRAM参照)にはワーク毎に対応した使用ソケット径と、その径で使用する目標締付トルク値Toとが記憶(図4のマップM1参照)されているので、各ワークに応じてソケット径の目標締付トルク値Toをワーク毎に確保することができる効果がある。
【0069】
一方、上記実施例の締付工具によれば、上述のカム筒26をソケット16の外周に沿って位置決め手段(係入凹部42、係入ボール44参照)にて位置決めされる部位まで回動すると、このカム筒26の内周面により複数のスライダ39をソケット16の径方向にのみ進退させることができ、これら複数のスライダ39による被締付部材(ボルト、ナット参照)の保持径を図7、図8、図9に示す如く可変することができる。
このようにカム筒26を回動操作するだけの簡単な操作により、複数種のソケット径を得ることができる。この結果、1つのソケット16で複数径の被締付部材への対応ができ、ソケット16の取替え作業が不要となって、締付け作業性の大幅な向上を図ることができる効果がある。
【0070】
なお、上述の実施例の締付工具の締付トルク制御装置の使用に際しては、車両がタクト搬送される1つのステーションにおいてソケット径の変更可能な1つの締付工具と1人の作業者にてワークを組付けてもよく、1つの制御部3に接続された複数の締付工具と複数人の作業者にて複数ステーションの各ワークを組付けるようにしてもよい。
【0071】
また図6〜10においてはM6,M8,M10の3段切換構造のソケット16を例示したが、これは、M8,M10,M12の3段切換構造であってもよく、M6とM8、M8とM10、M10とM12の2段切換構造となしてもよいことは云うまでもない。
【0072】
図11はCPU、ROM、RAMを含む制御部3においてRAMに記憶させるマップの他の実施例を示すものであり、他の構成については前図とほぼ同様である。
すなわち、図11に示すマップM2は複数種のソケット径M6,M8,M10,M12に対応したそれぞれの駆動トルク値Taおよび目標締付トルク値Toを記憶したものである。
【0073】
この場合、ホストコンピュータ1からの送信信号(データ)は先の実施例と同一であってもよく、先の実施例の送信データ内容に代えて、ホストコンピュータ1から制御部3またはトルクコントローラ4にトルクデータを送信し、ホストコンピュータ1からタクトタイムカウンタ2にタクトデータを送信すべく構成してもよい。
【0074】
このように構成すると、上述の記憶手段(制御部3のRAM参照)には複数種のソケット径に対応したそれぞれの駆動トルク値Taが記憶されているので、複数の各ソケット径に応じて適切な駆動トルク値Taを確保することができる効果がある。
また、上述の記憶手段(制御部3のRAM参照)には複数種のソケット径に対応したそれぞれの目標締付トルク値Toが記憶されているので、複数の各ソケット径に応じて適切な目標締付トルク値Toを確保することができる効果がある。なお、その他の点については先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏することは勿論である。
【0075】
図12乃至図14は締付工具の他の実施例を示し、先の図6乃至図9の実施例と異なる点はカム筒26を一旦図13の仮想線α位置に引き出し、その後、図14の所定角度θ1,θ2だけカム筒26を回動させ、しかる後に仮想線α位置から図12、図13に実線で示す定位置にカム筒26をセットすべく構成したものである。
【0076】
このため、カム筒26の基端側には略台形状かつ所定開角(この実施例では45度開角)の係入孔49…を合計3つ形成し、ソケット16のフランジ部16cには対応形状の1つの係止ドグ50を一体または一体的に形成すると共に、前述の係入凹部42をカム筒26の出し入れに対応すべく長溝状に形成したものである。さらに2段軸構造のスライダ39とカム筒26との軸方向の相対移動を可能ならしめるために、カム筒26の内径部にあって、スライダ39の大径部と対応する部分には長溝51を形成している。
【0077】
図12乃至図14に示すこの実施例にあって、図14に示す状態でM10に対応するソケット径が得られ、図14の状態から時計方向に所定角度θ1(この実施例では45度)だけカム筒26を回動すると、カム面40とスライダ39との作用によりM8に対応するソケット径が得られ、図14の状態から反時計方向に所定角度θ2(この実施例では45度)だけカム筒26を回動すると、カム面40とスライダ39との作用によりM6に対応するソケット径が得られる。
【0078】
図12乃至図14に示すこの実施例においてもその他の点については図6乃至図9の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図12乃至図14において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。なお、図12〜図14の実施例においては、M6,M8,M10の3段切換え構造を示したが、M8,M10,M12の3段切換え構造またはカム面40の一部を省略することで、M6,M8の2段、M8,M10の2段あるいはM10,M12の2段切換え構造と成してもよい。
【0079】
図15乃至図17はソケットの他の実施例を示し、この実施例ではインパクトレンチ等の締付工具9(前図参照)のアンビル13(図6参照)が連結される連結部52を備えたソケット53と、このソケット53の先端筒部54に軸動可能に配設された略軸状のインナソケット55と、ソケット53の外周に沿って軸動可能に配設された筒軸状のアウタソケット56とを備え、各ソケット53,55,56の軸動位置を可変することで、異径のソケット径を確保すべく構成したものである。
【0080】
すなわち、インナソケット55の先端にM6に相当する六角穴57を形成すると共に、インナソケット55の背部と筒部54の内奥部54aとの間にはスプリング58(付勢手段)を張架している。
またインナソケット55に凹設された凹部にはスプリングで常時外方へ付勢されたボール59(係入手段)を設ける一方、ソケット53の筒部54内周面には上述のボール59で位置決めされる2条の輪溝(係入凹部)60,61を離間形成している。
【0081】
さらにソケット53の筒部54には長孔62を貫通形成する一方、筒部54の基端側に凹設された凹部にはスプリングで常時外方へ付勢されたボール63(係入手段)を設け、アウタソケット56の内周面には上述のボール63で位置決めされる2条の輪溝64,65(係入凹部)を離間形成している。
【0082】
上述の長孔62とボール63配設部との間におけるソケット53の外周面2箇所には長溝66を凹設し、アウタソケット56から径方向内方に向けて突設したピン67を上述の長溝66内に摺動可能に配設している。
また上述のソケット53の筒部54先端にはM8に相当する六角穴68を形成し、アウタソケット56の先端にはM10に相当する六角穴69を形成している。
【0083】
さらにアウタソケット56には長孔62よりも長い長孔70,70を対向形成するアウタソケット56の外周部には円筒上のスライダ71設け、インナソケット55に取付けた軸72の両端突出部を各長孔62,70を介してスライダ71に固定している。
而して、図15に示す如くスライダ71操作によりアウタソケット56およびインナソケット55を右動させ、ボール63が輪溝65に、またボール59が輪溝60にそれぞれ係入された状態下にあっては、ソケット先端にM8に相当する六角穴68が位置し、M8のボルト、ナットの締付を行なうことができる。
【0084】
図15の状態から図16に示すようにスライダ71を左動(軸方向先端側へ移動)させ、軸72を介してインナソケット55を同方向に前進させ、ボール59を輪溝61に係入して、両者55,54を位置決めすると、ソケット先端にM6に相当する六角穴57が位置し、M6のボルト、ナットの締付けを行なうことができる。
【0085】
図16の状態から図17に示すようにアウタソケット56のみを左動(軸方向先端側へ移動)させ、ボール63を輪溝65に係入して、両者54,56を位置決めすると、ソケット先端にM10に相当する六角穴69が位置し、M10のボルト、ナットの締付けを行なうことができる。
【0086】
このようにアンビン13(図6参照)に連結されたソケット53(メインソケット)の筒部54に対して、その内側のインナソケット55と、その外側のアウタソケット56とを相対的に前後進させると、図15に示すM8、図16に示すM6、図17に示すM10のように異径のソケット径を確保することができるので、1つのソケットでありながら異径のボルト、ナットの締付けを行なうことができ、ソケット交換を省略して、締付け作業能率の向上を図ることができる効果がある。
【0087】
図18、図19はソケットのさらに他の実施例を示し、この実施例ではインパクトレンチ等の締付工具9(前図参照)のアンビル13(図6参照)が連結される連結部73を備えたソケット74と、このソケット74の先端部75外周に軸方向へ摺動可能に配設した筒状のスライダ76とを備え、このスライダ76の前後進操作により、異径のソケット径を確保すべく構成したものである。
【0088】
すなわちソケット74の最先端部にM6に相当する六角穴77を形成すると共に、先端部75の前後方向略中間位置に凹設された凹部78にはスプリング79(付勢手段)で常時外方へ付勢されたボール80を設け、スライダ76の内周面には上述のボール80(係入手段)で位置決めされる2つの溝部81,82(係入凹部)を離間形成している。
【0089】
また上述の先端部75には長孔83を貫通形成し、スライダ76に取付けたピン84を上述の長孔83内に位置させて、スライダ76の前後移動量を長孔83の範囲内に規制している。
さらにスライダ76の先端にはM8に相当する六角穴85を形成し、このスライダ76の移動範囲においてソケット74の外周部形状を六角柱状に形成すると共に、スライダ76の背面と連結部73の外周段部73aとの間にはコイルスプリング86を張架している。
【0090】
而して、図18に示すようにスライダ76を前進させ、ボール80を一方の溝部81に係入して、両者74,76を位置決めすると、ソケット先端にM8に相当する六角穴85が位置し、M8のボルト、ナットの締付けを行なうことができる。
【0091】
図18に示す状態から図19に示すようにスライダ76を後退させ、ボール80を他方の溝部82に係入して、両者74,76を位置決めすると、ソケット先端にM6に相当する六角穴77が位置し、M6のボルト、ナットの締付けを行なうことができる。
【0092】
このようにソケット74の先端部75外周に沿ってスライダ76を前後進させると、図18に示すM8、図19に示すM6のように異径のソケット径を確保することができるので、1つのソケットでありながら異径のボルト、ナットの締付けを行なうことができ、ソケット交換を省略して、締付け作業能率の向上を図ることができる効果がある。
【0093】
なお、図18、図19においては六角穴77,85としてM6、M8に対応するものを例示したが、これはM8、M10やM10,M12等の他の異径六角穴に設定してもよいことは勿論である。
【0094】
図20乃至図23はソケットのさらに他の実施例を示し、この実施例ではインパクトレンチ等の締付工具9(前図参照)のアンビル13(図6参照)が連結されている連結部87を備えた筒状のソケット軸88の先端内周部にインナホルダ89を、先端外周部にアウタホルダ90を1本のピン91で一体的に固定し、アウタホルダは90に設けられた移動可能な支軸92に対して反転可能に支持されたソケット93を設け、このソケット93の180度反転操作により、異径のソケット径を確保すべく構成したものである。
【0095】
すなわち、ソケット軸88の先端外周部に一体的にピン連結されたアウタホルダ90は図23に示すように、基端側の円環部90aと、この円環部90aから先端側に向けて延びる2本のアーム部90b,90bと、これら各アーム部90b,90bに穿設された長孔90c,90cとを有し、アーム部間はソケット93の反転を可能ならしめる反転空間94に設定されている。
【0096】
一方、上述のソケット93はその両端にM6とに相当する六角穴95と、M10に相当する六角穴96とがそれぞれ形成されたメインソケット97と、このメインソケット97の一方の外周部に軸動可能に配設され、その内周先端側にM10に相当する六角穴98が形成されたサブソケット99とを備えている。
【0097】
また上述のインナホルダ89はソケット93の双方向の位置決めを行なう目的で、その先端側にM6に相当する六角柱状の保持部89aと、M10に相当する六角柱状の保持部89bとを一体形成している。
さらにメインソケット97においてサブソケット99と対応する部分には凹部を凹設し、この凹部にはスプリングで常時外方へ付勢されたボール100(係入手段)を設ける一方、サブソケット99の内周面には該ボール100で位置決めされる2つの溝部101,102(係入凹部)を離間形成している。
加えて、上述のボール100配設部と六角穴95との間においてメインソケット97に貫設固定したピン103を、筒状のサブソケット99の対向部に穿設された長孔99a内に摺動可能に位置させている。
【0098】
而して、図20に示すようにメインソケット97の六角穴96をインナホルダ89の保持部89bで保持し、サブソケット99の溝部102をボール100で位置決めすると、ソケット先端側にはM6に相当するメインソケット97の六角穴95が位置するので、M6のボルト、ナットの締付けを行なうことができる。
【0099】
図20に示す状態から、図21に示す如く、メインソケット97およびサブソケット99を一体的に前進(左動)させて、インナホルダ89の保持部89bから六角穴96を引き抜いた後に、反転空間94を利用して、ソケット93を180度反転処理し、図22に示す如く反転された側の六角穴95をインナホルダ89の保持部89aにて保持させると、ソケット先端側にはM10を相当するメインソケット97の六角穴96が位置するので、M10のボルト、ナットの締付けを行なうことができる。
【0100】
なお、上述の反転処理に代えて、図20の状態からサブソケット99を前進させ、溝部101に対してボール100を係入させて、両者97,99を位置決めしても、M10に相当するサブソケット99の六角穴98がソケット先端に位置するので、M10のボルト、ナットの締付けを行なうことができる。
【0101】
このようにアウタホルダ90の長孔90cに対して移動可能な支軸92を設け、その支軸92に対してソケット93を反転可能に枢支したので、ソケット93の向きを180度反転することで、図20に示すM6、図22に示すM10のように異径のソケット径を確保することができ、1本のソケットでありながら、異径のボルト、ナットの締付けを行なうことができ、インパクトレンチのような締付工具9(前図参照)に対するソケット交換作業を省略して、締付け作業能率の向上を図ることができる効果がある。
【0102】
なお、図20〜図23においては六角穴95,97,98としてM6、M10に対応するものを例示したが、これはM4,M8やM8,M12等の他の異径六角穴に設定してもよいことは勿論である。
【0103】
図24乃至図30は本発明の締付工具およびその締付トルク制御装置のさらに他の実施例を示すが、まず図24〜図28を参照して締付工具の構成について説明する。
締付工具9の駆動軸13(アンビル)の先端には軽合ピン14を用いて筒軸状のインナソケット104を連結している。このインナソケット104は図26に示す如くその外形が六角形状に形成されると共に、このインナソケット104の一側には六角形の頂点部をソケット軸方向に切欠して、ソケット軸方向に延びる所定長さの抜止め部105が形成されている。
【0104】
またインナソケット104の他側には上述の抜止め部105の先端位置および後端位置からソケット先端方向にオフセットした部位に位置決め凹部106,107(位置決め部)が合計2つ形成されている。
上述のインナソケット104の先端にはM6に対応した六角穴108が形成され、この六角穴108に連結するスライダ配設孔109の内部には先端にマグネット(被締付部材吸着用の永久磁石)110を有するスライダ111が軸方向に移動可能に内設されている。このスライダ111はスプリング112(付勢手段)で先端側のリングストッパ113方向へ付勢され、ナットをボルトに対して締付ける時には、ナットの締付量に応じてスライダ111が図示右方へ後退するように構成されている。
【0105】
一方、上述のインナソケット104外形の六角形状と対応する六角孔114と、先端に位置しM10に対応する六角孔115とを有する筒軸状のアウタソケット116を設け、このアウタソケット116を上述のインナソケット104に対して軸動固定可能に配設している。
このアウタソケット116の六角穴115と対応する部位には被締付部材脱落防止用のマグネット41を六角穴115の内壁面と面一状になるように埋設している。
【0106】
上述のアウタソケット116の外形は先端側の大径の円筒部116aと基端側の小径円筒部116bとの段付き円筒状に形成され、この小径円筒部116bの外周には操作筒117が挿着されている。
上述のアウタソケット116の小径円筒部116bにはボール配設孔118,119が穿設され、一方のボール配設孔118を介して抜止め部115に位置するボール120を配設すると共に、他方のボール配設孔119を介して位置決め凹部106,107に没入可能となるボール121を配設している。
上述の操作筒117の内周部には径方向内方へ突出する環状のカム部122が一体形成され、このカム部122で一方のボールを押圧している時は、他方のボールをフリー状態とするように構成している。
【0107】
つまり、図25に示すようにカム部122で一方のボール121を位置決め凹部106に押圧している時は、他方のボール120を非押圧のフリー状態と成し、図27に示すようにカム部122で他方のボール120を抜止め部115に転接可能に押圧している時は、一方のボール121を非押圧のフリー状態と成すように構成している。
また上述の環状のカム部122に隣設してその前方にはボール121をインナソケット104外面に沿って移動許容と成すリング状の凹部123が形成されている。
【0108】
さらに上述のアウタソケット116の外周部基端に設けられたスプリングリテーナ124と、カム部122の背面との間にはスプリング125(付勢手段)を張架して、このスプリング125で操作筒117をソケット先端方向へ常時バネ付勢として、そのカム部122で位置決め凹部106または107に没入したボール121を押圧すべく構成している。
【0109】
したがって、アウタソケット116の六角穴115(M10に相当)がインナソケット104の六角穴108よりも前方に位置する図25のM10態様の状態から、スプリング125のバネ力に抗して操作筒117を後方(図示右方)に手動操作すると、図27に示す如く、カム部122は一方のボール121から離反して、このボール121には凹部123が対向し、また他方のボール120はカム部122で転接可能に押圧される。次に操作筒117を介してアウタソケット116をさらに後方(図示右方)へ軸動させると、一方のボール121は位置決め凹部106から外れて図28に示すようにボール配設孔119と凹部123との連通空間に位置するので、この一方のボール121がインナソケット104の外面に沿って、また他方のボール120が抜止め部115に沿って転動し、アウタソケット116をソケット軸方向後方へ移動させることができ、図24に示す仮想線β位置において一方のボール121が位置決め凹部107に没入し、後方操作力の解除により操作筒117はスプリング125の復帰力にて前方へ移動するので、位置決め凹部107に没入した一方のボール121はカム部122で押圧されて、位置決めがなされ、この仮想線β位置においてはインナソケット104の六角穴108(M6に相当)がアウタソケット116の六角穴115よりも前方に位置するM6態様の状態となる。
【0110】
ところで、図24に示すように締付工具9の工具本体10における先端部下面にはセンサホルダ126,127を介して検出手段としての光センサ128を設けている。この光センサ128はアウタソケット116および操作筒117の小型化を図る目的で傾斜状に配設され、インナソケット104に対してソケット軸方向に相対移動するアウタソケット116、操作筒117が同図の仮想線β位置にあるか否かでソケット径の変化を検出する。
【0111】
すなわち、上記各要素104,116.117からなるソケット129においてアウタソケット116、操作筒117が後方位置(図24の仮想線β位置)にある場合には対センサ間の距離がL1となって、光センサ128がONとなり、ソケット129がM6対応であることを検出し、アウタソケット116、操作筒117が前方位置(図24の実線位置)にある場合には対センサ間の距離がL2となって、光センサ128がOFFとなり、ソケット129がM10対応であることを検出する。また上述の光センサ128の検出感度(センサON,OFFの検出距離調整)は図29に示す調整部130で適切に調整される。
【0112】
さらに上述の光センサ128は非接触式にてソケット径の変化を検出するので、耐久性の向上を図ることができると共に、近接センサと比較して検出距離を長く設定することができるので、回転時のソケット129の微小な振れ等に起因する誤検出をなくすことができる。
【0113】
次に図29を参照して締付工具の締付トルク制御装置の構成について説明する。
この締付トルク制御装置は、生産情報ホストコンピュータ(以下単にホストコンピュータと略記する)1と、ワークステーション131と、各組付けステーション毎に設けられたトルクコントローラ4と、締付け切換え制御部132と、締付け制御部133と、エアコントローラ5と、カットバルブ134と、リミットスイッチ135(工具取出し検出手段)を有する工具置台136とを備え、ソケット129の径変化に対応して締付工具9の締付トルクを制御する。
【0114】
上述のホストコンピュータ1には各ステーション毎のボルト、ナットの締付トルク上限値、締付トルク下限値、上下限値の中間値としてのカット値、キャル値、タイマ値、締付本数等の締付情報bが予め入力設定され、ホストコンピュータ1はこれら締付情報bをワークステーション131(補助用のコンピュータ)に出力する。
【0115】
ワークステーション131は各ステーション毎の締付情報bをプールし、トルクコントローラ4からのリクエスト信号cに応答して返答信号d(1つのステーション分の締付情報)をトルクコントローラに送信する。
締付け切換え制御部132は例えば車両の搬送タクトに対応してトルクコントローラ4に対してタイミング信号eを送信すると共に、締付異常時にはライン停止信号fを受取って、車両搬送ラインを停止する。
【0116】
締付け制御部133締付工具9が工具置台136から抜取られた時にONになるリミットスイッチ135からの工具取出信号gを受けて装置を起動させると共に、光センサ128からのソケット径検出信号a(M10かM6かを判別する信号)に基づいてトルクコントローラ4から締付情報dのうちの必要な情報(M10締付時にはM10に相当する情報)hを入手制御すると共に、トルクコントローラ4に締付情報dが入力されていない場合には締付管理不能を回避する目的で、締付情報なし信号iを入手し、エアコントローラ5によるエア圧の出力を禁止し、必要情報hの入手時にはエアコントローラ5に対してエア圧切換信号j(M10締付時にはM10に相当するエア圧に切換え指令するコマンド信号)を出力する。また、この締付け制御部133は光センサ128の故障診断機能を有し、故障であると判定した時には装置ダウンを実行する。
【0117】
トルクコントローラ4はタイミング信号eを受けて、ワークステーション131にリクエスト信号cを送信し、ワークステーション131からの当該ステーション分の締付情報d(返答信号)をストックすると共に、締付工具9内のトルクセンサ19(図2参照)で検出された実締付トルクTbがカット値に達した時、カットバルブ134にエア圧送を停止するカット信号kを出力する。なお、締付完了時の締付結果データはトルクコントローラ4を介してワークステーション131またはホストコンピュータ1に送信されて記録される一方、締付結果が締付トルクの上下限値の範囲外となった場合にはライン停止信号fが出力される。また、このトルクコントローラ4は選択されたソケット径を表示する表示部を備えている。
【0118】
エアコントローラ5はその内部にM10、M6に相当するエア圧セット用の電磁弁を有し、エア圧切換信号jを受けてエア送給ライン137を介して締付工具9内のエアモータ17(図2参照)に圧縮空気を送給制御する。ここで、上述のエアコントローラ5によりM10に相当するエア圧からM6に相当するエア圧に切換える時、またはM6に相当するエア圧からM10に相当するエア圧に切換える時、電磁弁内の残圧処理時間の経過後に電磁弁が切換えられて、残圧の影響を受けないように構成されている。
このように構成した締付工具の締付トルク制御装置の作用を図30に示すフローチャートを参照して、以下に詳述する。
【0119】
第1ステップS1で、作業者が工具置台136から締付工具9を取出すと、リミットスイッチ135がONとなり、工具取出信号gが締付け制御部133に出力されて、作業が開始される。
第2ステップS2で、締付け切換え制御部132からトルクコントローラ4に対してタイミング信号e(データ要求信号)が出力される。
【0120】
次に第3ステップS3で、タイミング信号eを受けたトルクコントローラ4はワークステーション131に対してリクエスト信号c(締付情報要求データ)を送信する。
次に第4ステップS4で、リクエスト信号cを受けたワークステーション131は当該トルクコントローラ4が位置するステーションに対応して、1つのステーション分の締付情報d(返答信号)を返信し、トルクコントローラ4はこの締付情報dをストックする。
【0121】
次に第5ステップS5で、作業者がソケット径を選択する。この実施例ではM10とM6とに選択できるが、締付工具9を工具置台136から取出した際に、図29、図24に実線で示すように既にM10に選定されていると、M10のボルト、ナットからの締付けを行なえばよいことになる。
次に第6ステップS6で、光センサ128がソケット径を検出し、ソケット径検出信号aを締付け制御部133に出力する。M10のソケット径が検出されている時は、ソケット径検出信号aはM10検出信号となる。
【0122】
次に第7ステップS7で、締付け制御部133はトルクコントローラ4にトルクナンバ切替信号を送って、トルクコントローラ4がストックしている締付情報d(M10,M6に相当する各情報)のうちから当該締付時に必要な情報n(M10締付け時にはM10に相当する各情報)を入手する。
次に第8ステップS8で、トルクコントローラ4は締付トルク上限値、締付トルク下限値、カット値、キャル値、タイマ値、本数をソケット径(M10選定時にはM10のソケット径)に対応して切換える。
【0123】
次に第9ステップS9で、締付け制御部133はソケット径検出信号aに対応したエア圧切換信号jをエアコントローラ5に出力する。
次に第10ステップS10で、エアコントローラ5は内蔵する電磁弁を制御してエア圧を選定されたソケット径に対応すべく切換える。つまりM10締付け時にはM10のボルト、ナットに相当するエア圧となるように電磁弁が切換えられる。
【0124】
次に第11ステップS11で、作業者は選定されたソケット径のエア圧により駆動される締付工具9によりボルト、ナットの締付作業を実行する。
次に第12ステップS12で、締付工具9のトルクセンサ19(図2参照)は実締付トルクTbをトルクコントローラ4にフィードバックする。
次に第13ステップS13で、フィードバックされた実締付トルクTbがカット値に達すると、トルクコントローラ4はカットバルブ134にカット信号kを出力し、次の第14ステップS14で、このカットバルブ134はその切換えにより圧縮空気の送給を中止する。
【0125】
次に第15ステップS15で、締付本数になるまで第5ステップS5から第14ステップS14までの処理を繰返す。例えばM10のボルトをn本、M6のボルトをm本締付ける場合には、M10のボルトがn本になるまでステップS5〜S14までの処理が繰返され、M10のボルトのn本締付完了後において、作業者が操作筒117を操作して該操作筒117およびアウタソケット116を図24に示す仮想線β位置に軸動させると、ソケット129はM6締付態様となり、この状態が光センサ128によって検出されるので、締付トルク上限値、締付トルク下限値、カット値、キャル値、タイマ値、本数、エア圧はそれぞれM6に対応して切換えられるので、上述の各ステップS5〜S14の処理によりM6のボルトがm本になるまでその締付作業を行なうことができる。
次に第16ステップS16で、トルクコントローラ4は締付結果データをワークステーション131に送信し、ワークステーション131は締付結果データを記録する。
次に第17ステップS17で、作業者が締付工具9を工具置台136に戻すと、リミットスイッチ135がOFFとなって、1つのステーションにおける一連の締付処理が終了する。
【0126】
以上要するに図24〜図30に示す締付工具の締付トルク制御装置によれば、上述の可変機構(インナソケット104、アウタソケット116参照)はソケット(アウタソケット116参照)の軸方向への移動によりソケット径を可変し、上述の検出手段(光センサ128参照)はソケット(アウタソケット116参照)の軸方向への移動に基づいて径変化を検出する。
このため、ソケット129の径の変更を容易に行なうことができると共に、径変化の検出構造も簡単となる効果がある。
【0127】
また、締付工具9に設けられた検出手段(光センサ128参照)にてソケット(アウタソケット116参照)の軸方向への移動の前後位置を検知し、この検知結果に基づいて径の変化を検出する。換言すれば固定位置の検出手段(光センサ128参照)に対するソケット(アウタソケット116参照)の前後位置の離反距離L2,L1に基づいて径変化を検出するので、ソケット(アウタソケット116参照)の前後位置に対応して確実に径変化を検出することができる効果がある。
【0128】
一方、図24〜図30に示す締付工具によれば、インナソケット104の角穴(六角穴108参照)よりもアウタソケット116の角穴(六角穴115参照)が前方に位置するように軸動固定すると、大きいソケット径を得ることができ、逆にインナソケット104の角穴(六角穴108参照)よりもアウタソケット116の角穴(六角穴115参照)が後方に位置するように軸動固定すると、小さいソケット径を得ることができる。
このように、アウタソケット116を軸方向へ移動させる簡単な操作により複数のソケット径を得ることができ、単一のソケット129で複数径の被締付部材(ボルト、ナット参照)への対応ができて、ソケット129の取替え作業が不要となって、締付作業性の大幅な向上を図ることができる効果がある。
【0129】
また、アウタソケット116に装着した操作筒117のカム部122で位置決め部(位置決め凹部106参照)側の球体(ボール121参照)をインナソケット104の位置決め部(位置決め凹部106参照)に押圧すると、アウタソケット116の位置決め、抜止めが図れ、アウタソケット116をソケット129の軸方向後方(基端側)へ軸動させる場合には、操作筒117の操作にてカム部122による位置決め部(位置決め凹部106参照)側の球体(ボール121参照)の押圧を解除して、この球体(ボール121参照)をカム部122に隣設する凹部123に対応させる一方、カム部122にて抜止め部側105の球体(ボール120参照)を押圧すると、アウタソケット116の後方への軸動時に位置決め部(位置決め凹部106参照)側の球体(ボール121参照)は該位置決め部から外れて凹部123に移動し、インナソケット104外面に沿って移動可能となり、抜止め部105側の球体(ボール120参照)はカム部122で押圧されつつソケット軸方向に延びる抜止め部105に沿って移動可能となり、アウタソケット116の後方への軸動が許容される。
このように、ソケット先端部分の重量増加を抑止しつつ、簡単な構成でありながらもインナソケット104に対するアウタソケット116の位置決め、抜止め、軸方向への移動の各機能を達成することができる効果がある。
【0130】
なお、図24〜図30においては径の異なるソケット径としてM10、M6に対応する構成を例示したが、これはM4、M8やM8、M12等の他の異径のソケット径に設定してもよいことは勿論であり、その他の点については先の実施例にほぼ同様の作用、効果を奏するので図24〜図30において前図と同一の部分には同一符号を付けして、その詳しい説明を省略する。
【0131】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の被締付部材は、実施例のボルト、ナットに対応し、
以下同様に、
検出手段は、色識別センサ25または光センサ128に対応し、
駆動トルク変更手段は、エアコントローラ5に対応し、
目標締付トルク値変更手段は、トルクコントローラ4に対応し、
制御手段は、制御部3に対応し、
可変機構は、カム筒26およびスライダ39またはインナソケット104及び
アウタソケット116に対応し、
記憶手段は、制御部3内のRAMに対応し、
位置決め手段は、係入凹部42およびバネ付勢された係入ボール44に対応し、
角穴は、六角穴108,116に対応し、
位置決め部は、位置決め凹部106に対応し、
球体は、ボール120,121に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0132】
例えば図5のピン30〜32を異色に形成して、色判別センサ25で判別する構造に代えて、位置検出素子PSD(Position Sensitive Detectors)を締付工具に取付け、このPSDで突出制御されるピン位置を検出して、ソケットの径を検出判別すべく構成してもよい。
また図6に示すソケット16とカム筒26との軸方向の対向面間に可変抵抗を形成し、抵抗変化を電圧変化に変換して、ソケットの径を検出判別すべく構成してもよい。
【0133】
さらにソケット16の外周に45度間隔で離反する各一対の固定接点を絶縁物を介して配設する一方、カム筒26内周には一対の固定接点間を短絡する1つの可動接点を絶縁物を介して配設し、カム筒26の回動により何れの固定接点間が短絡ONされたかを信号検出することで、ソケットの径を検出判別すべく構成してもよい。
【0134】
さらにまた、図24〜図28に示すソケット構造においてはボール120,121をオフセット配置すると共に、操作筒117にリング状のカム部122を設けたが、ボール120,121を対向する非オフセット位置に配置し、操作筒117のオフセット位置に上記作用を奏するカム部を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の締付工具の締付トルク制御装置を示すブロック図。
【図2】 締付工具の概略説明図。
【図3】 ホストコンピュータから送信されるデータの一例を示す説明図。
【図4】 制御部のRAMが記憶するマップの説明図。
【図5】 識別ピンを択一的に突出させる機構を示す展開図。
【図6】 ソケットの断面図。
【図7】 図6のX−X線矢視断面図。
【図8】 M8対応の断面図。
【図9】 M6対応の断面図。
【図10】 カム面の説明図。
【図11】 制御部のRAMが記憶するマップの他の実施例を示す説明図。
【図12】 ソケットの他の実施例を示す断面図。
【図13】 ソケット先端部分の底面図。
【図14】 図12のY−Y線矢視断面図。
【図15】 ソケットのさらに他の実施例を示す断面図。
【図16】 M6対応の断面図。
【図17】 M10対応の断面図。
【図18】 ソケットのさらに他の実施例を示す断面図。
【図19】 M6対応の断面図。
【図20】 ソケットのさらに他の実施例を示す断面図。
【図21】 引き抜き動作を示す断面図。
【図22】 反転動作を示す断面図。
【図23】 アウタホルダの説明図。
【図24】 本発明の締付工具のさらに他の実施例を示す要部断面図。
【図25】 図24の要部の拡大断面図。
【図26】 図25のZ−Z線矢視断面図。
【図27】 アウタソケットの後方軸動初期状態を示す断面図。
【図28】 アウタソケットの後方への軸動状態を示す断面図。
【図29】 本発明の締付工具の締付トルク制御装置を示す系統図。
【図30】 締付トルク制御を示すフローチャート。
【符号の説明】
3…制御部(制御手段)
4…トルクコントローラ(目標締付トルク値変更手段)
5…エアコントローラ(駆動トルク変更手段)
9…締付工具
16…ソケット
25…色判別センサ(検出手段)
26…カム筒(可変機構)
39…スライダ(可変機構)
42…係入凹部(位置決め手段)
44…係入ボール(位置決め手段)
104…インナソケット(可変機構)
105…抜止め部
106,107…位置決め凹部(位置決め部)
108,115…六角穴(角穴)
116…アウタソケット(可変機構)
117…操作筒
120,121…ボール(球体)
122…カム部
123…凹部
128…光センサ(検出手段
129…ソケット

Claims (9)

  1. 被締付部材を締付ける締付工具の締付トルク制御装置であって、
    締付工具に取付けられたソケットの径を検出する検出手段と、
    ソケット径に応じて締付工具の駆動トルクを変更する駆動トルク変更手段と
    ソケット径を可変する可変機構と、該可変機構による径変化を検出する検出手段とを備えた
    締付工具の締付トルク制御装置。
  2. 締付工具により締付けられた被締付部材の実締付トルク値と、目標締付トルク値とを比較して異常を検出する締付工具の締付トルク制御装置であって、
    締付工具に取付けられたソケットの径を検出する検出手段と、
    ソケット径に応じて目標締付トルク値を変更する目標締付トルク値変更手段と、ソケット径を可変する可変機構と、該可変機構による径変化を検出する検出手段とを備えた
    締付工具の締付トルク制御装置。
  3. 被締付部材を締付ける締付工具の締付トルク制御装置であって、
    締付工具に取付けられたソケットの径を検出する検出手段と、
    上記検出手段の出力に対応して締付工具の駆動トルクおよび目標締付トルク値を制御する制御手段と
    ソケット径を可変する可変機構と、該可変機構による径変化を検出する検出手段とを備えた
    締付工具の締付トルク制御装置。
  4. 複数種のソケット径に対応したそれぞれの駆動トルク値が記憶手段に記憶された
    請求項1または3記載の締付工具の締付トルク制御装置。
  5. 複数種のソケット径に対応したそれぞれの目標締付トルク値が記憶手段に記憶された
    請求項または3記載の締付工具の締付トルク制御装置。
  6. ワーク毎に対応した使用ソケット径と、その径で使用する駆動トルク値が記憶手段に記憶された
    請求項または3記載の締付工具の締付トルク制御装置。
  7. ワーク毎に対応した使用ソケット径と、その径で使用される目標締付トルク値が記憶手段に記憶された
    請求項または3記載の締付工具の締付トルク制御装置。
  8. ソケットの軸方向への移動によりソケット径を可変する可変機構と、上記ソケットの軸方向への移動に基づいて径変化を検出する検出手段とを備えた
    請求項1〜3の何れか1に記載の締付工具の締付トルク制御装置。
  9. 上記検出手段は締付工具に設けられ、該検出手段によりソケット移動の前後位置を検知し、検知結果に基づいて径変化を検出する
    請求項記載の締付工具の締付トルク制御装置。
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