JP4195315B2 - 特に内燃機関のための燃料噴射装置のためのポンプ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項１の上位概念による、特に内燃機関のための燃料噴射装置のためのポンプから出発する。
【０００２】
【従来の技術】
このようなポンプは、ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９８４８０３５号明細書（DE 198 48 035 A1）によって公知である。このポンプは、少なくとも１つの孔を備えたケーシングを有しており、この孔は、ケーシングの内側をケーシングの外側と接続している。孔は閉鎖キャップによって閉鎖されており、この閉鎖キャップはケーシングの外側から孔内に押し込まれている。閉鎖キャップはコップ形に構成されていて、かつその開いた端部をもってケーシングの外側に向いている。閉鎖キャップは、それにケーシングの内側から負荷が作用する場合でも、孔内にとどまらなければならず、したがって閉鎖キャップは高いプレス力で孔内に挿入されなければならない。しかしながらこの場合においても、閉鎖キャップが高い負荷において、例えばケーシング内の回転する部分の損傷の際に、孔から押し出されないことが、保証されていない。
【０００３】
【特許文献１】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９８４８０３５号明細書
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、閉鎖キャップが高い負荷においても孔内にとどまるようにすることである。プレス力に対して付加的に、この場合、形状接続の結合が閉鎖キャップと孔との間の生ぜしめられ、これによって閉鎖キャップに対する保持力が高められるようにする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この課題は、本発明によれば、請求項１の特徴を備えたポンプによって、解決される。
【０００６】
【発明の実施の形態】
従属請求項には本発明による燃料噴射装置の有利な構成及び展開が記載されている。請求項２による構成によって、簡単な形式で閉鎖キャップの塑性変形が可能になる。請求項３による構成は、閉鎖キャップの押し込み及び閉鎖キャップのリングウェブの変形が比較的にわずかな力で可能になる。請求項４による構成は、閉鎖キャップの縦軸線の方向での位置決め、ひいてはそのリングウェブを孔内でリング切り込みに向き合わすことを簡単に可能にする。
【０００７】
【実施例】
本発明の１実施例は図面に示されており、以下において詳細に説明する。
【０００８】
図１には、特に、例えば自動車の内燃機関のための燃料噴射装置のためのポンプが示されている。このポンプによって、この場合２０００バールまでの高圧の燃料が例えば貯蔵器内に搬送される。ポンプはケーシング１０を有しており、このケーシング内には駆動軸１２が配置されており、この駆動軸によって単数又は複数の、ケーシング１０内に配置されたポンプエレメント１４が駆動される。駆動軸１２は偏心区分１６を有しており、この偏心区分上で行程リング１８が案内されている。ポンプエレメント１４はポンプピストン２０を有しており、このポンプピストンは、駆動軸１２に対して少なくともほぼ半径方向に延びる、ケーシング１０の孔２２内でしゅう動可能に密に案内されている。ポンプピストン２０はそのピストン足部２１をもって行程リング１８に支えられており、その際ピストン足部２１は、一面ではケーシング１０に、かつ他面ではピストン足部２１に支えられているばね２４によって、行程リング１８に接触せしめられている。ポンプピストン２０によって、ポンプ作業室２６が仕切られており、このポンプ作業室はポンプ作業室２６内に開く吸い込み弁２８によって、低圧が支配している燃料供給部と接続可能である。ポンプ作業室２６は更に貯蔵器に向かって開く吐出弁３０によって貯蔵器と接続可能である。駆動軸１２が回転する場合に、ポンプピストン２０は偏心区分１６及び行程リング１８を介して行程運動に駆動される。ポンプピストン２０が半径方向で内方に向かって動く場合、ポンプピストンは吸い込み行程を行い、その際吸い込み弁２８は開かれており、したがって燃料は、吐出弁３０が閉じられている間、ポンプ作業室２６内に流入する。ポンプピストン２０が半径方向で外方に向かって動く場合、ポンプピストンは吐出行程を行い、その際吸い込み弁２８は閉じられていて、かつポンプピストン２０により圧縮された燃料は開かれている吐出弁３０を通って、貯蔵器内に高圧で達する。
【０００９】
ケーシング１０は更に少なくとも１つの孔４０を有しており、この孔は例えばポンプエレメント１４と直径方向で向き合っていて、かつ、ケーシング１０の内側の加工及びポンプピストン２０並びにばね２４の組み立てを可能にする。ポンプの組み立ての後に、孔４０は閉じなければならず、このために後で詳細に説明する閉鎖キャップが使用される。孔４０内には、図２に示すように、ケーシング１０の外側の近くに環状のリング切り込み４２が形成されており、このリング切り込みによって孔４０の直径が増大せしめられていて、かつ孔４０の縦軸線４７の方向で見て、アンダカットが形成されている。
【００１０】
図３には、拡大されて、閉鎖キャップ４６が、その孔４０内への組み付け前の状態で示されている。閉鎖キャップ４６は、塑性変形可能である比較的に柔らかい材料、特に例えばアルミニウムまたは銅のような金属から成っている。閉鎖キャップ４６はコップ形に構成されていて、かつ底４８を有しており、この底に円筒形の壁４９が接続している。閉鎖キャップ４６の開いた端部、すなわち壁４９の、底４８とは逆の側の端部には、外方に向かって突出している、壁４９よりも大きな直径のフランジ５０が形成されている。フランジ５０を備えた開いている端部と底４８との間の範囲内で、閉鎖キャップ４６の壁４９に、内方に向かって突出している環状のリングウェブ５２が形成されている。リングウェブ５２は少なくとも閉鎖キャップ４６の開いている端部に向いた縁において次のように構成されている。すなわち、リングウェブ５２が壁４９から内方に向かって突出している高さが、閉鎖キャップ４６の縦軸線４７の方向で開いている端部の方に減少している。リングウェブ５２の縁はこの場合斜面にしておくこと、あるいは湾曲させておくことができる。
【００１１】
閉鎖キャップ４６は孔４０内に、その縦軸線４７の方向で、底４８が配置されているその閉じた端部を前方にして、挿入される。その終端位置において、閉鎖キャップ４６はその縦軸線４７の方向の挿入方向で、図２に示すように、そのフランジ５０をケーシング１０の外側に接触せしめられる。閉鎖キャップ４６のリングウェブ５２はこの場合次のように配置されている。すなわち、リングウェブが孔４０内のリング切り込み４２と少なくともほぼ向き合い、換言すればリング切り込みを覆うようになっている。閉鎖キャップ４６は孔４０よりも単にわずかに大きい外径を有しており、したがって閉鎖キャップ４６は、わずかなプレスかん合あるいは移行かん合をもって、孔４０内に配置されている。
【００１２】
閉鎖キャップ４６内には、その孔４０内への挿入の後に、その開いた端部から、挿入カプセル５６の形の挿入部分が押しこまれる。挿入カプセル５６は、閉鎖キャップ４６の材料よりも高いを有している材料から成っている。挿入カプセル５６は例えば鋼から成ることができる。挿入カプセル５６はやはりコップ形に構成されていて、かつその開いた端部を前方にして、閉鎖キャップ４６内に挿入される。挿入カプセル５６は閉鎖キャップ４６のリングウェブ５２の外方の内径と同じかあるいはそれよりも幾分か大きい外径を有している。挿入カプセル５６の外径はこれによりしかしながら、閉鎖キャップ４６のリングウェブ５２の範囲内の内径よりも著しく大きい。その開いた端部において、挿入カプセル５６はその外とうにおいて次のように斜面にされ、あるいは湾曲せしめられている。すなわち、挿入カプセル５６の外径がその縦軸線の方向で開いている端部に向かって減少しているようにするのである。
【００１３】
閉鎖キャップ４６内に挿入カプセル５６を挿入する際に、挿入カプセル５６はリングウェブ５２上を滑動し、このことは、リングウェブ５２の斜面にされたあるいは湾曲せしめられた縁及び挿入カプセル５６のその開いた端部に向かっての斜面によって、容易にされる。挿入カプセル５６のが閉鎖キャップ４６及びリングウェブ５２よりも大きいことによって、挿入カプセル５６を引き続き押し込む際に、リングウェブ５２は半径方向で外方に向かって押しのけられ、かつ閉鎖キャップ４６は、塑性変形の下で、半径方向で外方に向かって孔４０のリング切り込み４２内に押される。その最終位置において、挿入カプセル５６は、その開いた端部をもって、閉鎖キャップ４６の底４８に接触する。閉鎖キャップ４６を孔４０のリング切り込み４２内に押し込むことによって、ケーシング１０との形状接続の結合が生じ、これは、閉鎖キャップ４６の縦軸線４７の方向に高い負荷が生じた場合にも、解離されない。閉鎖キャップ４６内に残されている挿入カプセル５６によって、更に、閉鎖キャップ４６が半径方向で内方に向かって変形せず、かつリング切り込み４２との形状接続が解離されないことが保証される。
【００１４】
複数のリング切り込み４２を孔４０内に、かつ相応して複数のリングウェブ５２を閉鎖キャップ４６内に設けておき、これらが縦軸線４７の方向で互いにずらされて配置されているようにすることもできる。これによって、閉鎖キャップ４６の保持力を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】取り付けられた閉鎖キャップを備えたポンプの横断面図を示す。
【図２】図１においてIIで示した、閉鎖キャップを備えた区分の拡大図を示す。
【図３】閉鎖キャップを取り付け前の状態で示す。
【符号の説明】
１０ ケーシング、 １２ 駆動軸、 １４ ポンプエレメント、 １６ 偏心区分、 １８行程リング、 ２０ ポンプピストン、 ２２ 孔、 ２１ ピストン足部、 ２４ ばね、 ２６ ポンプ作業室、 ２８ 吸い込み弁、 ３０ 吐出弁、 ４０ 孔、 ４２ リング切り込み、 ４６ 閉鎖キャップ、 ４７ 縦軸線、 ４８ 底、 ４９ 壁、 ５０ フランジ、 ５２ リングウェブ、 ５６ 挿入カプセル

Claims (5)

1. 特に内燃機関のための燃料噴射装置のためのポンプであって、ケーシング（１０）と、ケーシング（１０）の内側をケーシング（１０）の外側と接続する孔（４０）とを備え、この孔はケーシング（１０）の外側から孔（４０）内に押し込まれる閉鎖キャップ（４６）により閉鎖されており、その際閉鎖キャップ（４６）はコップ形に構成されていて、かつその開いた端部をもってケーシング（１０）の外側に向いている形式のものにおいて、孔（４０）内に少なくとも１つのリング切り欠き（４２）が形成されており、閉鎖キャップ（４６）内にケーシング（１０）の外側から、閉鎖キャップ（４６）よりも大きな剛性を備えた挿入部分（５６）が押し込まれており、かつ挿入部分（５６）によって、閉鎖キャップ（４６）が、孔（４０）の少なくとも１つのリング切り込み（４２）内へと塑性変形しながら、押されていることを特徴とする、特に内燃機関のための燃料噴射装置のためのポンプ。
2. 閉鎖キャップ（４６）が、挿入部分（５６）の押し込みの前のその出発状態において、孔（４０）の少なくとも１つのリング切り込み（４２）の範囲内に、少なくとも１つの、内方に突出するリングウェブ（５２）を有しており、このリングウェブは挿入部分（５６）の押し込みの際に、外方に向かって押されることを特徴とする、請求項１記載のポンプ。
3. 少なくとも１つのリングウェブ（５２）が内方に向かって閉鎖キャップ（４６）内に突出している高さが、閉鎖キャップ（４６）の開いた端部に向かって減少していることを特徴とする、請求項２記載のポンプ。
4. 閉鎖キャップ（４６）がその開いた端部に、増大せしめられた直径を備えたフランジ（５０）を有しており、このフランジをもって、閉鎖キャップ（４６）がその縦軸線（４７）の方向で挿入方向に、ケーシング（１０）に接触していることを特徴とする、請求項１から３までのいずれか１項に記載のポンプ。
5. 挿入部分（５６）がやはりコップ形に構成されており、かつその開いている端部をもって、閉鎖キャップ（４６）の底（４８）に向いていることを特徴とする、請求項１から４までのいずれか１項に記載のポンプ。

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