JP4194696B2 - エレベータの制振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータのかごの振動を抑制するためのエレベータの制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エレベータの乗り心地を良くするために、かごの振動を抑制するようにしている。例えば、かごとかご枠との間に防振ゴムを設けたり、かごの振動を検出してかご床に設けた錘を移動させ、これにより、かごの振動を抑制するようにしている。
【0003】
図14は、従来のエレベータの制振装置をエレベータかごに適用した場合の構成図である。かご1はかご枠2に搭載され、かご1とかご枠2との間には防振ゴム3が設けられている。そして、かご1はかご枠2を介して吊りロープ4により吊り下げられ、かご1の昇降動作の際にはかご枠2に設けられたガイドローラ5に案内されてかご1は円滑に昇降動作するようになっている。
【0004】
かご1の床下には振動センサ6が設けられ、この振動センサ6によりかご1の横方向(水平方向)の振動を検出する。この振動センサ6により、かご1に振動が生じていることが検出されると、制御器7によりアクチュエータ8を駆動し錘9を移動させる。すなわち、振動が抑制される方向に錘9を移動し、その振動を抑制するようにしている。
【0005】
このように、エレベータの制振装置は、かご1の床下に設けた錘9を移動させてかご1の振動を抑制するものである。つまり、振動センサ6が検出したエレベータの横方向振動に対応して、制御器7はアクチュエータ8を駆動し錘9を移動させる。その錘9の反力によりエレベータのかご1の床を制振させる。
【0006】
ここで、エレベータ用に限定されない一般的な建築物用のアクティブ制振装置としては、図15に示すようなものがある。図15(a)はその平面図、図15(b)はその側面図である。これは、フレーム10上に2本のリニアガイド11を設け、この2本のリニアガイド11によって水平方向に移動可能に錘9を支持する。そして、サーボモータ12のトルクをボールネジ13で錘9の駆動力に変換して、錘9を駆動するように構成されている。つまり、サーボモータ12でボールネジ13を介して錘9を移動させ、その反力によって制振対象を制振するものである。このアクティブ制振装置をエレベータに適用することも考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エレベータに適用するためには、制振装置をエレベータの床下近傍に直接搭載することから、制振装置から発生する副次的な振動の発生を極力抑え、乗客に動作を感じさせないことが必要となる。
【0008】
エレベータにおいては、制振装置の重量が大きいと乗客定員数の減少につながるため、錘9の重量を軽くせざるを得なくなる。そうすると、必要な制振性能を得るために錘9を高速で動作させる必要が生じる。図15に示したような一般的な建築物用のアクティブ制振装置では、高速での作動に伴ない発生する副次的な振動を十分抑えることが困難であることから、そのままではエレベータ用に適用できない。
【0009】
また、図14に示したエレベータ用の制振装置は、図15の一般的な建築物の制振装置と比較して装置自体が小型であるため、そのコストに占める振動センサ6のコストの割合が大きい。従って、装置のコストを低減するには、振動センサ6のコストダウンが特に重要となる。
【0010】
また、エレベータでは、かご下に吊り下げられたテールコード類の影響等によって、走行中にかご1が微妙に傾くため、かご1の水平方向の振動を検出する振動センサ6がその傾きを検出してしまい、それによって振動検出信号がドリフトしてしまい、錘9の制振動作に悪影響を与えてしまうという課題がある。 また、従来のエレベータの制振装置においては、制御が複雑であったり、振動センサ6の数が多くコスト的に高価であったりしている。
【0011】
また、エレベータの制振装置を、エレベータの床に直接取り付けることが、スペース等の都合により不可能な場合には、制振装置をかご枠2側に設置する場合がある。その場合、かご1とかご枠2との間の防振ゴム3の影響によって、制振がうまく行えないことがある。
【0012】
本発明の目的は、低コストでしかもかごの振動を適切に抑制することができるエレベータの制振装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係わるエレベータの制振装置は、かご床の水平方向の振動を検出する振動センサと、前記かご床近傍に配置され水平方向に移動可能な錘と、かごの振動が抑制される方向に前記錘を移動させるためのアクチュエータと、前記振動センサの検出信号に基づいて前記アクチュエータへの制御信号を出力する制御器とを備えたエレベータの制振装置において、前記錘は、その断面形状が逆U字型に形成され、その凹部下部にスライダを配置し、前記アクチュエータは、前記錘の逆U字型の凹部内に配置され前記スライダを摺動させて錘の移動を案内する1本のリニアガイドと、軸心が前記錘の重心位置を貫通するように配置されたボールネジと、前記制御器からの制御信号に基づいて前記ボールネジを駆動するためのサーボモータとを備えたことを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わるエレベータの制振装置の構成図であり、図1(a)は斜視図、図1(b)は図1(a)の矢印A方向からの矢視図である。
【0034】
かごの振動は振動センサ6で検出され制御器7に入力される。制御器7では、その振動を抑制するための制御信号を算出し、アクチュエータ8のサーボモータ12に出力する。サーボモータ12はボールネジ13を駆動し、これにより錘9を駆動する。
【0035】
錘9は、断面形状が逆U字型に形成され、その凹部内に1本のリニアガイド11が位置するように配置されている。リニアガイド11はフレーム10に搭載されて配置され、錘9の凹部下部に設けられたスライダ14がこのリニアガイド11を摺動する。つまり、錘9はリニアガイド11に案内されて移動する。
【0036】
ボールネジ13は錘9を貫通して設けられており、ボールネジ13の軸心は錘9の重心位置を貫通して配置されている。従って、錘9自身の慣性力とボールネジ13から伝えられる駆動力とによるモーメントがほとんど発生しないようになっており、そのモーメントに起因して生じる振動の発生を防止している。
【0037】
すなわち、ボールネジ13が、錘9の重心位置をほぼ通るように配置されているので、ボールネジ13の回転によって錘9に加えられる駆動力は、ほぼ錘9の重心位置に作用する。従って、錘9の走行によって錘9の重心に生じる慣性力と、ボールネジナット13から錘9に加えられる駆動力とがほぼ同じ位置に作用するため、両者によるモーメント力がほとんど発生しない。そのため、運転時にそのモーメントが原因で発生する副次的な振動をほぼ抑制することが可能となる。
【0038】
また、錘9の断面形状を逆U字型とし、その凹部にリニアガイド11およびスライダ14を配置し、スライダ14が錘9の重心位置と非常に近い位置に配置されているので、スライダ14の走行抵抗に起因した振動発生を十分低いレベルとすることが可能となる。
【0039】
また、リニアガイド11を1本としているため、図15に示す一般的な構成のアクティブ制振装置の構成と比較して、ボールネジ13とリニアガイド11との平行度を確保しやすい構成となっている。そのため、錘9の動作範囲中におけるボールネジ13とリニアガイド11との間の距離の変動が非常に少なくなり、錘9の位置によってボールネジ13とリニアガイド11との距離が変化してボールネジ13が曲げを受けるなどの現象がなくなり、それによる不要な振動の発生を防止することができる。
【0040】
このように、本発明の実施の形態では、装置の動作中に発生する副次的な振動の発生を十分抑制することができ、エレベータに搭載された場合にも、乗客に、装置の動作を感じさせない。また、リニアガイド11の本数を減らし1本としたため、コスト低減にもつながると共に、不要な荷重が各部に加わることがない。このことから、各部品の寿命も延びるなどの副次的な効果も得られる。
【0041】
次に、本発明の参考例1を説明する。図2は、本発明の参考例1に係わるエレベータの制振装置における振動センサ6の構成図である。
【0042】
この参考例1では、図14に示したエレベータの制振装置における振動センサ6として、図2に示すサーボ型加速度センサを使用するようにしたものであり、そのサーボ型加速度センサ単体の感度を、少なくとも通常市販されている加速度センサの10倍以上となる±10V/±200gal以上に設定したものである。
【0043】
図2において、かごの振動を検出する振り子15は板バネ16で支持され、その振り子15の下部に電磁コイル17が設けられている。また、電磁コイル17に対面した位置にはマグネット18が配置され、電磁コイル17に電流が流れたときにマグネット18と磁気的に作用し、電磁コイル17とマグネット18との間隙が一定に保たれるにように、電磁コイル17に流れる電流が制御されるようになっている。
【0044】
振り子15の変位は容量形の変位検出器19で検出され、この検出信号はサーボ増幅器20で増幅され、サーボ増幅器20はこの振り子15の振れ量に応じて電磁コイル17へ電流を供給する。この電磁コイル17に流れる電流は、振動加速度に比例したものとなる。また、負荷抵抗21は出力電圧感度(加速度感度)を設定するための抵抗であり、加速度出力端子22には加速度が電圧信号で出力される。
【0045】
いま、かごに上下方向の振動が生じて振り子15が上下に振れ、この振り子15の振れ量を変位検出器19で検出したとする。その検出信号はサーボ増幅器20で増幅され、振り子15の下部に設けられた電磁コイル17に電流を供給する。これにより、電磁コイル17は電磁力を発生し、振り子15の位置を常に一定に維持させようとする。このとき、電磁コイル17に流れる電流は、振動加速度に比例したものとなるので、その電流を負荷抵抗21によって電圧に変換し、加速度出力端子22から、加速度に比例した電圧信号として出力する。
【0046】
このようなサーボ型加速度センサの出力電圧(振動加速度)の感度は、負荷抵抗21の抵抗値および電磁コイル17の巻き数、振り子15の重量だけで決まることとなる。この参考例1では、負荷抵抗21の抵抗値を市販のものに対し、1/10以下とすることで、感度を10倍以上に引き上げ、出力を1V/20gal以上としている。
【0047】
このため、エレベータの通常の横方向の振動量である10〜20galの振動を検出する場合、このサーボ型加速度センサからは、少なくとも通常のセンサから出力される電圧の10倍以上となる0.5〜1V以上の電圧が出力されるため、その信号をアンプで増幅しなくても、そのまま制御器7に入力してA/D変換等が可能となる。
【0048】
また、このサーボ型加速度センサの感度変更については、市販のサーボ型加速度センサの負荷抵抗21の抵抗値を変更する程度の改造で済むため、コストの増加はほとんど無視できる。従って、高価なセンサ用アンプをなくすことが可能となり、制振装置としてのコストを大幅に下げることが可能となる。特に、エレベータの制振装置は、相対的に振動センサ6のコストの割合が大きいため、振動センサ6のコストダウンの効果は極めて大きなものとなる。
【0049】
以上の説明では、サーボ型加速度センサの感度を変更するために負荷抵抗21の抵抗値を変更するようにしたが、サーボ型加速度センサの感度は、振り子15の重量および電磁コイル17の巻き数、マグネット18の磁力によっても変えることができるため、それらの値を適当に変更し感度を設定しても良い。
【0050】
次に、本発明の参考例2を説明する。図3は、本発明の参考例2に係わるエレベータの制振装置における振動センサ6の構成図である。
【0051】
この参考例2では、図14に示したエレベータの制振装置における振動センサ6として、図3に示すサーボ型速度センサを使用するようにしたものであり、そのサーボ型速度センサ単体の感度を、少なくとも市販のものよりも大きい±10V/±20(cm/s)以上に設定したものである。
【0052】
図3において、かごの振動を検出する振り子15は板バネ16で支持され、その振り子15の下部に電磁コイル17が設けられている。また、電磁コイル17に対面した位置にはマグネット18が配置され、電磁コイル17に電流が流れたときにマグネット18と磁気的に作用し、電磁コイル17とマグネット18との間隙が一定に保たれるにように、電磁コイル17に流れる電流が制御されるようになっている。
【0053】
振り子15の変位は容量形の変位検出器19で検出され、この検出信号はサーボ増幅器20で増幅され、サーボ増幅器20はこの振り子15の振れ量に応じて微分回路23を介して電磁コイル17へ電流を供給する。微分回路23を介して電磁コイル17に流れる電流は、振動加速度に比例したものとなる。また、速度出力端子24には振動の速度が電圧信号で出力される。なお、負荷抵抗21はその両端の電圧を設定することにより、速度出力端子24からの出力電圧感度(速度感度)を設定することになる。
【0054】
いま、かごに上下方向の振動が生じて振り子15が上下に振れ、この振り子15の振れ量を変位検出器19で検出したとする。その検出信号はサーボ増幅器20で増幅され、微分回路23を介して振り子15の下部に設けられた電磁コイル17に電流を供給する。これにより、電磁コイル17は電磁力を発生し、振り子15の位置を常に一定に維持させようとする。このとき、速度出力端子24の電圧は振動速度に比例したものとなるので、この速度出力端子24からの出力電圧は振動速度となる。
【0055】
ここで、微分回路23は、コンデンサ25、抵抗26、オペアンプ27で構成され、振動速度に比例した電圧を微分して電磁コイル17に供給する。従って、電磁コイル17に流れる電流は、振動速度を微分した振動加速度に比例したものとなる。
【0056】
このようなサーボ型速度センサの出力電圧感度は、負荷抵抗21や抵抗26の抵抗値、コンデンサ25の容量、および電磁コイル17の巻き数、振り子15の重量等により決まることとなる。参考例2では、負荷抵抗21の抵抗値を市販のものに対し1/10以下とすることで、感度を10倍以上に引き上げていいる。
【0057】
そのため、エレベータの通常の横方向の振動量である10〜20galの振動を検出する場合、このサーボ型速度センサからは、少なくとも通常の速度センサから出力される電圧の10倍以上の電圧が出力されるため、その信号をアンプで増幅しなくても、そのまま制御器7に入力してA/D変換等が可能となる。また、サーボ型速度センサの感度変更については、市販のサーボ型速度センサの負荷抵抗21の抵抗値を変更する程度の改造で済むため、コストの増加はほとんど無視できる。従って、高価なセンサ用アンプをなくすことが可能となり、制振装置としてのコストを大幅に下げることが可能となる。特に、エレベータの制振装置は、相対的に振動センサ6のコストの割合が大きいため、コストダウンの効果は極めて大きなものとなる。
【0058】
また、制御器7にて実際にアクチュエータ8を駆動するための信号を生成する場合、エレベータの横方向の揺れの速度量が一般的には必要である。参考例2では、振動センサ6からの出力がそのままエレベータの横方向の速度量となっているため、振動センサ6が加速度センサの場合には必要となる信号の積分処理が不要となる。
【0059】
以上の説明では、サーボ型速度センサの感度を変更するために負荷抵抗21の抵抗値を変更するようにしたが、上記で述べたように、その感度は振り子15の重量、電磁コイル17の巻き数、マグネット18の磁力、コンデンサ25の容量等の変更によっても変えることができるため、それらの値を適当に変更し、感度を設定しても良い。
【0060】
次に、本発明の参考例3を説明する。図4は、本発明の参考例3に係わるエレベータの制振装置の説明図であり、図4(a)は参考例3に係わるエレベータの制振装置をエレベータに適用した構成図、図4(b)はかごの傾きの説明図、図4(c)はハイパスフィルタ28の特性図である。
【0061】
この参考例3は、図14に示したエレベータの制振装置に対し、振動センサ6からの検出信号の直流成分を除去するためのハイパスフィルタ(HPフィルタ)28を追加して設けたものである。
【0062】
図4(a)において、かご1はかご枠2に搭載され、かご1とかご枠2との間には防振ゴム3が設けられている。そして、かご1はかご枠2を介して吊りロープ4により吊り下げられ、かご1の昇降動作の際にはかご枠2に設けられたガイドローラ5に案内されてかご1は円滑に昇降動作するようになっている。
【0063】
かご1の床下には振動センサ6が設けられ、この振動センサ6によりかご1の横方向(水平方向)の振動を検出する。この振動センサ6により、かご1に振動が生じていることが検出されると、ハイパスフィルタ28に入力され低周波成分が除去されて制御器7に入力される。制御器7は低周波成分が除去された振動信号に基づいてアクチュエータ8への制御信号を演算し、アクチュエータ8により錘9を駆動し振動を抑制する方向に錘9を移動する。
【0064】
すなわち、振動センサ6で検出された振動信号は、図4(c)に示す特性を持ったハイパスフィルタ28を通過し、直流成分(DC成分)付近の低周波成分を除去した上で制御器7に入力される。ハイパスフィルタ28で直流成分(DC成分)付近の低周波成分を除去するのは、以下の理由による。
【0065】
かごは、走行中において、かご下に吊り下げられたテールコード29等の重量バランスの微小な変化によって、その傾きが変化するため、図4(b)に示したように、振動センサ6が振動を検出する方向に重力Gの分力が混入する。このため、それによって直流成分付近の極低い周波数をもった成分が出力信号に加わり、信号がドリフトする。その検出信号によって制御を行った場合、錘9は直流成分を除去するように駆動されることとなるが、直流成分付近の周波数成分は周期が非常に長いため、錘9が往復駆動されず、一定方向にだけ駆動されることとなり、すぐに動作範囲を超えてしまう。これを防止するためである。
【0066】
このように、参考例3では、制振性能に悪影響を及ぼす直流成分付近の低周波成分をハイパスフィルタ28によって除去し、ドリフトのない信号を制御器7に入力するようにしているので、錘9が一方向にのみ駆動されることなく、安定して錘9を制御することが可能となる。
【0067】
また、参考例3では、ハイパスフィルタ28の遮断周波数を、図4(c)に示すように0.5Hz付近に設定しているため、振動センサ6における直流成分付近の低周波成分が十分除去されると共に、エレベータの横方向の揺れの主な周波数である1Hz〜6Hz付近については、ほとんど影響を及ぼすことがなく、ハイパスフィルタ28の導入によって制振性能が低下することがない。
【0068】
以上の説明では、ハイパスフィルタ28の遮断周波数を0.5Hzに設定したが、制振装置を設置するエレベータの横方向の一次の共振周波数やかごの傾き量に応じて、この周波数は変更しても良いことは言うまでもない。また、ハイパスフィルタ28を制御器7の外に設置しても良いし、制御器7内の演算処理によるデジタルフィルタにより処理を行うようにしても良い。その場合、新たにハードウェアとしてのハイパスフィルタ28を設ける必要がなく、また、ハイパスフィルタ28の特性を最適に調整できる。
【0069】
次に、本発明の参考例4を説明する。図5は本発明の参考例4に係わるエレベータの制振装置をエレベータに適用した場合の構成図である。エレベータの構成は、図14に示したものと同一であるので、同一要素には同一符号を付しその説明は省略する。
【0070】
図5において、錘9を駆動するアクチュエータ8として、サーボモータ12およびボールネジ13をかご1の床下に設置し、錘9を駆動する構成としている。また、振動センサ6として加速度センサ6aをかご1の床に配置し、制御器7として、アクチュエータ8を速度制御で駆動する速度制御型のアクチュエータ駆動手段30aを有したものを示している。
【0071】
かご1の横方向(水平方向)の振動は加速度センサ6aで検出され、加速度センサ6aで検出された加速度信号αは、制御器7内のA/D変換器31によりデジタル信号に変換され演算器32に取り込まれる。演算器32では、2階積分手段33により数値積分演算を2回行い、加速度信号αを変位信号xに変換する。そして、その変位信号xは比例手段34でゲインが乗じられ、D/A変換器35でアナログ電圧信号に変換されて、速度制御型のアクチュエータ駆動手段30aに速度制御指令信号として出力される。
【0072】
速度制御型のアクチュエータ駆動手段30aによってサーボモータ12が駆動され、その駆動トルクは、ボールネジ13を介して錘9に伝えられ、錘9が駆動される。
【0073】
ここで、錘9はエレベータの横方向の変位信号Xにゲインをかけた速度制御指令信号に基づいて駆動されるため、錘9の駆動速度はエレベータの横方向の揺れの変位量に比例している。
【0074】
いま、説明を簡単にするため、かご1とかご枠2は一体で動くものとする。また、エレベータ全体の重量をM、その横方向の変位をX、錘9の動作速度をVw、錘9の動作加速度をAw、錘9の重量をm、エレベータへの外乱力をfとする。
【0075】
錘9の速度Vwはエレベータの変位量Xに比例していることから、(1)式が成立し、そのときに錘9からエレベータに加わる反力Frは(2)式で示され、また、この反力Frがエレベータに加わるときのエレベータの横方向の運動方程式は、(3)式で示される。従って、エレベータへの外乱力fは、(4)式で示される。
【0076】
Vw=k1・X …(1)
(ただし、k1は比例定数)
Fr=m・Aw=m・k1・X' …(2)
(ただし、X’はXを時間で微分したもの)
M・X''+k2・X=f−Fr
=f−m・k1・X' …(3)
(ただし、k2は、エレベータのローラーガイド等のバネ定数の合計)
f=M・X''+m・k1・X'+k2・X …(4)
【0077】
エレベータへの外乱力fを示す(4)式から分かるように、丁度、減衰定数がm・k1の減衰力をエレベータに付加したことと等価となり、エレベータに発生した振動を減衰させる効果を持つことが分かる。
【0078】
また、この参考例4では、サーボモータ12を速度制御型のアクチュエータ駆動手段30aで駆動するため、ボールネジ13やリニアガイド11等の各部の摩擦力による影響を打ち消すように、サーボモータ12への駆動電流を制御することになる。従って、経年変化等によって各部の摩擦などが増加した場合でも、それに合わせて速度制御型のアクチュエータ駆動手段30aからの駆動電流が増加するため、制振性能の低下が、極力小さく抑えられる。
【0079】
以上の説明では、錘9を駆動するアクチュエータ8を、サーボモータ12およびボールネジ13により構成したが、ボールネジ13を使用せず、直接リニアサーボモータによって錘9を駆動しても良い。その場合、ボールネジ13がなくなるため、装置の動作音が低減される。また、アクチュエータ8をかご1の床下に設置したが、かご枠2側に設置しても良い。その場合は、制振装置の取付けスペースが確保し易い。
【0080】
また、2階積分手段33による2階積分を演算するようにしているが、演算による2階積分が難しい場合には、加速度センサ6aからの信号を積分回路によって2階積分した後、制御器7のA/D変換器31に入力するようにしても良い。また、振動センサ6としての加速度センサ6aに代えて速度センサとし、2階積分を1階積分に変更することも可能である。さらに、振動センサとして変位センサを使用し、積分演算を行わないようにしても良い。また、演算器32を設けず、すべての演算をアナログ回路で構成し、演算器32をなくして制御器7のコストを下げることも可能である。
【0081】
次に、本発明の参考例5を説明する。図6は本発明の参考例5に係わるエレベータの制振装置をエレベータに適用した場合の構成図である。エレベータの構成は、図14に示したものと同一であるので、同一要素には同一符号を付しその説明は省略する。
【0082】
図6において、錘9を駆動するアクチュエータ8として、サーボモータ12およびボールネジ13をかご1の床下に設置し、錘9を駆動する構成としている。また、振動センサ6として加速度センサ6aをかご1の床に配置し、制御器7として、アクチュエータ8をトルク制御で駆動するトルク制御型のアクチュエータ駆動手段30bを有したものを示している。
【0083】
かご1の横方向(水平方向)の振動は加速度センサ6aで検出され、加速度センサ6aで検出された加速度信号αは、制御器7内のA/D変換器31によりデジタル信号に変換され演算器32に取り込まれる。演算器32では、積分手段36により加速度信号αを速度信号vに変換する。そして、その速度信号vは比例手段34でゲインが乗じられ、D/A変換器35でアナログ電圧信号に変換されて、トルク制御型のアクチュエータ駆動手段30bにトルク制御指令信号として出力される。トルク制御型のアクチュエータ駆動手段30bによってサーボモータ12が駆動され、その駆動トルクは、ボールネジ13を介して錘9に伝えられ、錘9が駆動される。
【0084】
ここで、エレベータかご全体の重量をM、その横方向の変位をX、錘9の速度をVw、錘9の加速度をAw、錘9の重量をm、エレベータへの外乱力をfとする。
【0085】
この参考例5の場合は、錘9を駆動する力、つまりエレベータが受ける反力Frは、エレベータの横方向の速度量Vwに比例していることから、(5)式が成立し、この反力Frがエレベータに加わるときのエレベータの横方向の運動方程式は(6)式で示される。従って、エレベータへの外乱力fは、(7)式で示される。
【0086】
Fr=m・Aw=k1・X' …(5)
(ただし、k1は比例定数)
M・X''+k2・X=f−Fr
=f−k1・X' …(6)
(ただし、k2は、エレベータのローラーガイド等のバネ定数の合計)
f=M・X''+k1・X'+k2・X …(7)
【0087】
エレベータへの外乱力fを示す(7)式から分かるように、丁度、減衰定数がk1である減衰力をエレベータに付加したことと等価となり、エレベータに発生した振動を減衰させる効果を持つことになる。
【0088】
また、この参考例5では、加速度センサ6aの加速度信号αを一度積分するだけで良いため、参考例4と比べ、積分演算による信号精度の悪化が少なくなる。
【0089】
また、トルク制御型のアクチュエータ駆動手段6bへのトルク制御指令信号が、エレベータの横方向の速度量vを基にした信号である。従って、参考例4におけるエレベータの変位量xを基にした速度制御指令信号と比較して、より高い周波数成分を含んだ信号であるため、最終的な錘9の動作の応答性が上がり、制振性能が参考例4と比べ高い。
【0090】
以上の説明では振動センサ6として加速度センサ6aを用いたが、加速度センサ6aに代えて、速度センサを用いることも可能である。その場合、速度センサから直接エレベータの横方向の速度信号が出力されるため、積分手段36は必要なくなる。従って、積分手段36による積分処理信号の精度の悪化を防止することができ、より制振性能を高められる。
【0091】
また、錘9を駆動するアクチュエータ8を、サーボモータ12およびボールネジ13により構成したが、ボールネジ13を使用せず、直接リニアサーボモータによって錘9を駆動しても良い。その場合、ボールネジ13がなくなるため、装置の動作音が低減されるなどの効果がある。アクチュエータ8をかご1の床下に設置しているが、かご枠2側に設置しても良い。その場合、制振装置の取付けスペースが確保し易くなる。
【0092】
また、積分手段36により加速度信号αを積分するようにしているが、加速度センサ6aからの加速度信号αを積分回路によって積分した後に、制御器7のA/D変換器31に入力するようにしても良い。また、演算器32を設けず、すべての演算をアナログ回路で構成し、演算器32をなくして制御器7のコストを下げることも可能である。
【0093】
次に、本発明の参考例6を説明する。図7は本発明の参考例6に係わるエレベータの制振装置をエレベータに適用した場合の構成図である。この参考例6は、図5に示した参考例4に対し、錘9の動作範囲の中心位置と錘9の現在位置との距離を検出する距離検出手段37を設け、距離検出手段37で検出された距離に比例手段38でゲインを乗じて速度制御型のアクチュエータ駆動手段30aへの速度指令信号に付加するようにしたものである。その他の構成は、図5に示した参考例4と同一であるので、同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0094】
図7において、錘9の位置を検出する距離検出手段37は、サーボモータ12のエンコーダパルスpをカウントするパルスカウンタで構成される。錘9の動作範囲の中央位置をパルスカウント「0」としてパルスカウントを行う。この距離検出手段37で得られた錘9の距離(パルス数)に比例手段38で所定のゲインを乗じ、加速度センサ6aからの加速度信号αの演算結果に加える。この加算値をD/A変換器35によりアナログ信号に変換し、速度制御型のアクチュエータ駆動手段30aに出力する。
【0095】
この参考例6では、参考例4における制御信号に加え、錘9の位置に応じた制御信号が速度制御型のアクチュエータ駆動手段30aに出力され、錘9を動作範囲中央に戻すための位置制御ループが構成される。従って、錘9が常に動作範囲の中央に戻るように位置制御されることになるため、加速度センサ6aから大きな加速度信号αが出力されても、錘9が動作範囲を超えないように設定することが可能となり、安定した制御が可能となる。
【0096】
また、位置制御によって錘9が安定して動作範囲内で駆動されるため、位置制御がない参考例4と比べ、加速度センサ6aからの信号に対し、より大きなゲインを乗じてアクチュエータ8へ出力し、錘9をより大きな速度で駆動させることが可能となり、制振性能をより高めることが可能となる。
【0097】
図8は参考例6に係わるエレベータの制振装置の他の一例を示す構成図であり、図7に示した加速度センサ6aに代えて速度センサ6bを設け、この速度センサ6bによりエレベータの振動を検出するようにしたものである。これに伴い、制御器7内の積分演算は、2階積分手段33による2階微分から積分手段36による1階積分にしている。この他の一例では、積分演算が1階積分となるため、積分演算による信号精度の悪化を防ぐことが可能となり、より高性能な制御が可能となる。
【0098】
図9は、参考例6に係わるエレベータの制振装置のさらに別の他の一例を示す構成図であり、図7に示した加速度センサ6aに代えて変位センサ6cを設け、この変位センサ6cによりエレベータの振動を検出するようにしたものである。この場合、変位センサ6cから直接振動の変位量が出力されるため、制御器7内で積分演算を行う必要がない。
【0099】
以上の説明では、錘9の位置を検出する距離検出手段37は、サーボモータ12のエンコーダパルスpをカウントするようにしたが、錘9の動作方向に平行に配置され、錘9の位置に応じた電圧を出力するように構成された直線型ポテンショメータを設け、錘9の位置に応じた電圧を制御器7のA/D変換器31により演算器32に取り込み位置制御を行うようにしても良い。この場合は、パルスカウンタを持たない制御器7で制御を行う場合に有効である。
【0100】
次に、本発明の参考例7を説明する。図10は本発明の参考例7に係わるエレベータの制振装置をエレベータに適用した場合の構成図である。この参考例7は、図6に示した参考例5に対し、錘9の動作範囲の中心位置と錘9の現在位置との距離を検出する距離検出手段37を設け、距離検出手段37で検出された距離に比例手段38でゲインを乗じてトルク制御型のアクチュエータ駆動手段30bへのトルク指令信号に付加するようにしたものである。その他の構成は、図6に示した参考例5と同一であるので、同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0101】
図10において、錘9の位置を検出する距離検出手段37は、サーボモータ12のエンコーダパルスpをカウントするパルスカウンタで構成される。錘9の動作範囲の中央位置をパルスカウント「0」としてパルスカウントを行う。この距離検出手段37で得られた錘9の距離(パルス数)に比例手段38で所定のゲインを乗じ、加速度センサ6aからの加速度信号αの演算結果に加える。この加算値をD/A変換器35によりアナログ信号に変換し、トルク制御型のアクチュエータ駆動手段30bに出力する。
【0102】
この参考例7では、参考例5における制御信号に加え、錘9の位置に応じた制御信号がトルク制御型のアクチュエータ駆動手段30bに出力され、錘9を動作範囲中央に戻すための位置制御ループが構成される。従って、錘9が常に動作範囲の中央に戻るように位置制御されることになるため、加速度センサ6aから大きな加速度信号αが出力されても、錘9が動作範囲を超えないように設定することが可能となり、安定した制御が可能となる。
【0103】
また、位置制御によって錘9が安定して動作範囲内で駆動されるため、位置制御がない参考例5と比べ、加速度センサ6aからの信号に対し、より大きなゲインを乗じてアクチュエータ8へ出力し、錘9をより大きな速度で駆動させることが可能となり、制振性能をより高めることが可能となる。
【0104】
次に、本発明の参考例8を説明する。図11は本発明の参考例8に係わるエレベータの制振装置をエレベータに適用した場合の構成図である。この参考例8は、図10に示した参考例7に対し、距離検出手段37で検出された距離に比例した信号に位相進み補償処理を行う位相進み補償演算手段39を設け、位相進み補償演算手段の出力信号をトルク制御型のアクチュエータ駆動手段30bへのトルク指令信号に付加するようにしたものである。その他の構成は、図6に示した参考例5と同一であるので、同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0105】
図11において、距離検出手段37からの距離(パルスカウント値)に比例手段38で所定のゲインを乗じ、その信号に対して位相進み補償演算手段39により位相進み補償演算を行う。この位相進み補償演算手段39の伝達関数H(s)を(8)式に示す。
【0106】
H(s)=(A1・s+1)/(B1・s+1) …(8)
(ただし、A1>1、B1<1)
【0107】
この参考例8では、錘9を動作範囲の中央に戻る位置制御ループにおいて、位相進み補償演算を導入している。従って、A1、B1の値を適切に設定することで、位置制御の信号が錘9の動作周波数範囲において位相が進められるため、位置制御ループの位相余裕が参考例7に比べ大きく増すことになる。そのため、錘9の位置制御が大きく安定化される。
【0108】
このことから、錘9の動作が大きくなっても、錘9の動作が不安定とならないため、振動センサ6の検出信号に対するゲインをより大きくし、制振性能を大きくすることが可能となる。
【0109】
図12は、参考例8に係わるエレベータの制振装置の他の一例を示す構成図であり、図11に示した加速度センサ6aに代えて速度センサ6bを設け、この速度センサ6bによりエレベータの振動を検出するようにしたものである。これに伴い、制御器7では積分演算をする必要がなくなり、積分演算による信号精度の悪化を防止することができ、より高い制振性能が得られる。
【0110】
以上の説明では、錘9を駆動するアクチュエータ8をサーボモータ12およびボールネジ13により構成したが、ボールネジ13を使用せず、直接リニアサーボモータによって錘9を駆動しても良い。その場合、ボールネジ13がなくなるため、装置の動作音が低減されるなどの効果がある。また、アクチュエータ8をかご1の床下に設置したが、かご枠2側に設置しても良い。その場合、制振装置取付けスペースが確保し易くなる。
【0111】
次に、本発明の参考例9を説明する。図13は本発明の参考例9に係わるエレベータの制振装置をエレベータに適用した場合の構成図である。この参考例9は、図14に示したエレベータの制振装置に対し、錘9を駆動するアクチュエータ8として、サーボモータ12およびボールネジ13をかご枠2の枠下に設置し、錘9を駆動する構成とし、振動センサ6の出力信号からかご1とかご枠2とが逆位相で振動する周波数の成分を除去するためのノッチフィルタ40を設けたものである。
【0112】
図13に示すように、アクチュエータ8をかご枠2に取り付けた場合には、錘9の駆動により錘9の反力がかご枠2に加わり、防振ゴム3を介してかご1に伝えられる。この場合、防振ゴム3によって力の伝達に遅れが生じる。このため、特にかご1とかご枠2とが逆方向に振動するような4Hz以上の周波数においては、錘9からの反力によって、逆にかご1が揺すられてしまう可能性がある。
【0113】
そこで、この参考例9では、アクチュエータ8をかご枠2に取り付けた場合にはノッチフィルタ40を設け、振動センサ6からの信号において、上記周波数の成分のみを除去する。これにより、その周波数帯については錘9が駆動されないため、上記悪影響をなくすことができ、かつ、乗客が最も揺れを感じる1〜3Hzのかご1とかご枠2とが同位相で揺れる振動については、アクチュエータ8をかご1に設置した場合とほとんど制振効果は変わらない性能を持たせることが可能となる。
【0114】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、エレベータの制振装置の動作に伴い発生する副次的な振動を十分抑制することができる。また、振動センサを大幅に低コスト化できる。
【0115】
また、制御方法が比較的簡単でかつ高い制振性能と制御の安定性を有し、さらに、エレベータの走行中の傾きによって制振性能が悪影響を受けないエレベータの制振装置を提供できる。また、かごだけでなく、かご枠に取り付けることも可能なエレベータの制振装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係わるエレベータの制振装置の構成図である。
【図2】図2は、本発明の参考例1に係わるエレベータの制振装置における振動センサ(サーボ加速度センサ)の構成図である。
【図3】図3は、本発明の参考例2に係わるエレベータの制振装置における振動センサ(サーボ速度センサ)の構成図である。
【図4】図4は、本発明の参考例3に係わるエレベータの制振装置の説明図である。
【図5】図5は、本発明の参考例4に係わるエレベータの制振装置の構成図である。
【図6】図6は、本発明の参考例5に係わるエレベータの制振装置の構成図である。
【図7】図7は、本発明の参考例6に係わるエレベータの制振装置の構成図である。
【図8】図8は、参考例6に係わるエレベータの制振装置の他の一例を示す構成図である。
【図9】図9は、参考例6に係わるエレベータの制振装置のさらに別の他の一例を示す構成図である。
【図10】図10は、本発明の参考例7に係わるエレベータの制振装置の構成図である。
【図11】図11は、本発明の参考例8に係わるエレベータの制振装置の構成図である。
【図12】図12は、参考例8に係わるエレベータの制振装置の他の一例を示す構成図である。
【図13】図13は、本発明の参考例9に係わるエレベータの制振装置の構成図である。
【図14】図14は、従来のエレベータの制振装置をエレベータかごに適用した場合の構成図である。
【図15】図15は、一般的な建築物用のアクティブ制振装置の構成図。
【符号の説明】
1…かご、2…かご枠、3…防振ゴム、4…吊りロープ、5…ガイドローラ、6…振動センサ、7…制御器、8…アクチュエータ、9…錘、10…フレーム、11…リニアガイド、12…サーボモータ、13…ボールネジ、14…スライダ、15…振り子、16…板バネ、17…電磁コイル、18…マグネット、19…変位検出器、20…サーボ増幅器、21…負荷抵抗、22…加速度出力端子、23…微分回路、24…速度出力端子、25…コンデンサ、26…抵抗、27…オペアンプ、28…ハイパスフィルタ、29…テールコード、30…アクチュエータ駆動手段、31…A/D変換器、32…演算器、33…2階積分手段、34…比例手段、35…D/A変換器、36…積分手段、37…距離検出手段、38…比例手段、39…位相進み補償演算手段
40…ノッチフィルタ

Claims (1)

  1. かご床の水平方向の振動を検出する振動センサと、前記かご床近傍に配置され水平方向に移動可能な錘と、かごの振動が抑制される方向に前記錘を移動させるためのアクチュエータと、前記振動センサの検出信号に基づいて前記アクチュエータへの制御信号を出力する制御器とを備えたエレベータの制振装置において、前記錘は、その断面形状が逆U字型に形成され、その凹部下部にスライダを配置し、前記アクチュエータは、前記錘の逆U字型の凹部内に配置され前記スライダを摺動させて錘の移動を案内する1本のリニアガイドと、軸心が前記錘の重心位置を貫通するように配置されたボールネジと、前記制御器からの制御信号に基づいて前記ボールネジを駆動するためのサーボモータとを備えたことを特徴とするエレベータの制振装置。
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