JP4193602B2 - 排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は排ガス浄化用触媒とその排ガス浄化用触媒を用いた排ガス浄化方法に関し、詳しくはNOx 吸蔵還元型触媒とそのNOx 吸蔵還元型触媒を用いた排ガス浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リーンバーンエンジンからの排ガスを浄化できる排ガス浄化用触媒として、NOx 吸蔵還元型触媒が利用されている。このNOx 吸蔵還元型触媒は、アルミナなどの酸化物担体にアルカリ金属、アルカリ土類金属などのNOx 吸蔵材と、Ptなどの貴金属を担持してなるものであり、酸素過剰のリーン雰囲気の排ガス中でNOx 吸蔵材にNOx を吸蔵する。そしてパルス的にストイキからリッチ雰囲気の排ガスを流すことで、NOx 吸蔵材からNOx を放出させ、放出されたNOx を雰囲気中に豊富に存在するHC,COなどの還元成分によって還元浄化する。
【0003】
高温域におけるNOx 吸蔵能を向上させるために、塩基性酸化物であるZrO2を担体とすることも行われている。ZrO2にKなどを担持した触媒は、塩基性が強いために酸性のNOx が吸着しやすく、高いNOx 吸蔵能が発現される。ところがこのようなNOx 吸蔵還元型触媒においては、排ガス中のSOx がNOx 吸蔵材と反応しやすく、それによってNOx 吸蔵能が低下するという問題がある。この現象は硫黄被毒と称されている。塩基性が強いNOx 吸蔵還元型触媒では、酸性であるSOx が近接しやすく、NOx 吸蔵材はSOx との反応によって硫酸塩となる。この硫酸塩は、硝酸塩に比べて分解しにくいため、硫酸塩となったNOx 吸蔵材はNOx 吸蔵能を消失し、NOx 吸蔵能の回復が困難となる。この硫黄被毒は貴金属にも及び、貴金属の活性が低下するという問題もある。
【0004】
またZrO2にRhを担持したRh/ZrO2触媒は、水素生成能に優れていることが知られている。したがってNOx 吸蔵還元型触媒にRh/ZrO2触媒を混合すれば、生成した還元活性の高い水素によってNOx をより効率よく浄化することができる。さらに、還元活性の高い水素によって硫黄被毒したNOx 吸蔵材を還元でき、NOx 吸蔵能を回復することが可能となる。
【0005】
したがってZrO2を担体として用い、水素生成のためのRhと、NOを酸化するためのPtと、NOx 吸蔵材としてのアルカリ金属とを担持することが考えられる。ところがRhとPtとが近接していると、互いに固溶して活性が低下するという不具合があり、また、RhはNOx 吸蔵材と相性が悪く、RhとNOx 吸蔵材とが共存するとNOx 吸蔵材及びRhの特性が低下するという問題もある。
【0006】
そこで特開平10−000356号公報、特開平10−052627号公報、特開平10−033984号公報などには、Rhを担持した酸化物粉末と、Pt及びNOx 吸蔵材を担持した酸化物粉末とを混在させる技術が記載されている。このようにPt及びNOx 吸蔵材とRhを分離して担持すれば、PtとRhの固溶が抑制され活性の低下を抑制することができる。また、NOx 吸蔵材及びRhが共存することによるNOx 吸蔵材及びRhの特性低下を抑制することができる。
【0007】
しかしながら、Pt及びNOx 吸蔵材とRhをそれぞれ異なる酸化物粉末に担持したNOx 吸蔵還元型触媒であっても、混合粉末である限りPt及びNOx 吸蔵材とRhとが接触する場合があり、そのような場合にはPtとRhとの固溶や、RhとNOx 吸蔵材との相性の悪さによる活性の低下が避けられない上、水素の利用についてもさらなる向上が求められている。
【0008】
一方、特開2001−009279号公報には、アルミナ粒子の表面にチタニアよりなる被覆層を形成した複合粒子をNOx 吸蔵還元型触媒の担体とすることが記載され、チタニアによってSOx の近接を効果的に抑制できることが記載されている。また、例えば特開平10−258232号公報には、コア部と被覆層からなる酸化物粒子のコア部にNOx 吸蔵材を担持し、コア部を被覆する被覆層に貴金属を担持してなるNOx 吸蔵還元型触媒が開示されている。
【0009】
しかしながら特開2001−009279号公報及び特開平10−258232号公報に記載のNOx 吸蔵還元型触媒では、排ガスの浄化に水素を有効活用していない。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−000356号
【特許文献2】
特開平10−052627号
【特許文献3】
特開平10−033984号
【特許文献4】
特開2001−009279号
【特許文献5】
特開平10−258232号
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、Rhと他の貴金属及びNOx 吸蔵材とを互いに分離しつつ、Rhによって生成する水素を効率的に利用して、硫黄被毒を抑制することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化用触媒の特徴は、リーンバーンエンジンからの排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒であって、第1酸化物粒子に Rh を担持した Rh 担持酸化物粒子と、第2酸化物からなり Rh 担持酸化物粒子の表面に形成された Rh 被覆酸化物層と、 Rh 被覆酸化物層に担持された少なくとも Pt を含む貴金属及び NO x 吸蔵材と、よりなる触媒粒子の集合体からなることにある。
【0013】
本発明の排ガス浄化用触媒において、第1酸化物粒子はジルコニアを含むことが望ましく、第2酸化物はアルミナを含むことが望ましい。また Rh 被覆酸化物層は、 Rh 担持酸化物粒子の表面にカップリング剤を結合させた後に焼成することで形成されたものとすることができる。
【0014】
Rh 被覆酸化物層の表面には、少なくとも Pt を含む貴金属及びNOx 吸蔵材を被覆する表面酸化物層がさらに形成されていることが望ましい。この表面酸化物層は酸性酸化物からなることが好ましく、チタニアを含むことが特に好ましい。
【0015】
そして本発明の排ガス浄化方法の特徴は、本発明の排ガス浄化用触媒を用い、酸素過剰のリーン雰囲気の排ガス中でNOx 吸蔵材にNOx を吸蔵させ、ストイキからリッチ雰囲気でNOx 吸蔵材からNOx を放出させて還元浄化するにあたり、Rhと排ガスとの接触により生成した水素を少なくとも Pt を含む貴金属及びNOx 吸蔵材に接触させることにある。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の排ガス浄化用触媒は、触媒粒子の内部に Rh を担持し表面に少なくとも Pt を含む貴金属及びNOx 吸蔵材を担持している。このようにRh Pt とが分離されているため、互いの固溶を確実に防止でき活性の低下を防止することができる。そしてPt NOx 吸蔵材とは、Rhとは分離されながらも同じRh 被覆酸化物層に存在して近接しているので、Rhによって生成した水素の利用効率が高く、高いNOx 吸蔵能が発現され硫黄被毒も抑制される。またRhはNOx 吸蔵材とも分離されているので、RhとNOx 吸蔵材が共存することによるNOx 吸蔵材及びRhの特性劣化も抑制される。
【0017】
第1酸化物粒子としては、種々の多孔質酸化物を用いることができるが、ジルコニアを含むことが特に好ましい。これによりRh/ZrO2触媒が形成され、高い水素生成能が発現される。またZrO2は塩基性酸化物であるので、NOx が近接しやすくNOx 吸蔵能も向上する。そしてRh/ZrO2触媒と、Pt 及びNOx 吸蔵材とが一つの触媒粒子中で近接しているので、Rh/ZrO2触媒によって生成した水素の利用効率が高く、硫黄被毒したNOx 吸蔵材のNOx 吸蔵能を容易に回復することができる。Rh 被覆酸化物層に担持される貴金属としては、Pt,Pd,IrなどRh以外の貴金属を用いることができるが、酸化活性の高いPtを少なくとも含む。Ptを含むことでNOの酸化活性が向上し、高いNOx 吸蔵能が発現される。
【0018】
貴金属の担持量は、Pt及びPdの場合は触媒粒子 120gに対して 0.1〜20.0gが好ましく、 0.5〜10.0gが特に好ましい。またRhの場合は、触媒粒子 120gに対して0.01〜80gが好ましく、0.05〜 5.0gが特に好ましい。触媒体積1リットル当たりに換算すれば、Pt及びPdの場合は 0.1〜20gが好ましく、 0.5〜10gが特に好ましい。またRhの場合は0.01〜10gが好ましく、0.05〜5gが特に好ましい。
【0019】
NOx 吸蔵材としては、アルカリ金属,アルカリ土類金属及び希土類元素の少なくとも一種を用いることができ、少なくともアルカリ金属とアルカリ土類金属を用いるのが好ましい。アルカリ土類金属は低温域におけるNOx 吸蔵能が高く、アルカリ金属は高温域におけるNOx 吸蔵能に優れている。NOx 吸蔵材の担持量は、触媒1リットルあたり0.01〜 2.0モルの範囲が好ましい。
【0020】
本発明の触媒においては、触媒粒子の内部に Rh を担持し、触媒粒子の表面に少なくとも Pt を含む貴金属及び NO x 吸蔵材を担持している。このようにすることで、Rhによって生成した水素は必ず表面を通過するので、水素とPt 及び NO x 吸蔵材との接触確率が高まり、水素の利用効率が高く硫黄被毒をさらに抑制することができる。
【0021】
触媒粒子は、 Rh を担持した Rh 担持酸化物と、 Rh 担持酸化物を被覆し少なくとも Pt を含む貴金属及び NO x 吸蔵材を担持した Rh 被覆酸化物層と、からなる。Rhは内部のRh 担持酸化物粒子に担持され、少なくとも Pt を含む貴金属及びNOx 吸蔵材はRh被覆酸化物層に担持されているので、確実に分離して担持され、RhとPtなどの貴金属との固溶や、RhとNOx 吸蔵材との共存による悪影響が防止される。また、Rh被覆酸化物層によってSOx がRhに近接するのを抑制できる。したがって、Rhの硫黄被毒を抑制することができるので高い水素生成能を維持することができ、これによって少なくとも Pt を含む貴金属及びNOx 吸蔵材の硫黄被毒も抑制できる。
【0022】
このRh被覆酸化物層は、肉厚が薄いほどRhによって生成した水素の利用効率が向上するので好ましい。このように薄いRh被覆酸化物層を形成するには、カップリング剤の分解によって形成することが望ましい。カップリング剤は一般に1分子に1個の親水基をもち、その親水基が無機物である第1酸化物粒子表面と化学的に結合する。そして結合したカップリング剤を焼成することで、カップリング剤中に含まれる金属原子が酸化物となって第1酸化物粒子表面に形成される。このようにして形成されたRh被覆酸化物層は、きわめて肉厚が薄く、ほぼ単一分子膜となってRh 担持酸化物粒子を被覆する。
【0023】
第1酸化物は、ジルコニアを含むことが好ましい。これによりRh/ZrO2触媒が形成され、高い水素生成能が発現される。またRh 被覆酸化物層を構成する第2酸化物は、従来のNOx 吸蔵還元型触媒にも多用されているアルミナを含むことが望ましい。アルミナは比表面積が大きく、高い浄化活性が発現される。
【0024】
Rh 被覆酸化物層の表面には、少なくとも Pt を含む貴金属及びNOx 吸蔵材を被覆する表面酸化物層がさらに形成されていることが望ましい。この表面酸化物層によってSOx の近接を抑制することができ、少なくとも Pt を含む貴金属及びNOx 吸蔵材の硫黄被毒を抑制することができる。そしてSOx がRhに近接するのをさらに抑制でき、Rhの硫黄被毒を抑制することができるので高い水素生成能を維持することができ、これによって少なくとも Pt を含む貴金属及びNOx 吸蔵材の硫黄被毒も抑制できる。したがって、耐久性が格段に向上する。これらの意味から、表面酸化物層は酸性酸化物からなることが好ましい。酸性酸化物から表面被覆層を形成することで、酸性のSOx の近接をさらに抑制でき硫黄被毒をさらに抑制することができる。
【0025】
酸性酸化物としては、第2酸化物より酸性度の高い酸性酸化物を用いることができる。代表的な酸化物を酸性度の低いものから高いものに順に並べると、 MgO→ZrO2→CeO2→ Al2O3→TiO2→SiO2の順となるので、第2酸化物の種類に応じてそれより酸性度の高い酸化物を選択すればよい。SiO2は高温でガラスとなるので排ガス浄化用触媒としては不適であり、TiO2が特に好ましい酸化物である。
【0026】
この表面酸化物層は、内部の触媒粒子へNO,HC,CO,O2などのガスが容易に透過できることが望ましく、厚さは薄いほど好ましい。したがってRh被覆酸化物層と同様に、カップリング剤を用いて形成することが望ましい。例えばTiO2から表面酸化物層を形成するには、チタネート系カップリング剤を用いればよい。
【0027】
そして本発明の排ガス浄化方法では、本発明の排ガス浄化用触媒を用いて、酸素過剰のリーン雰囲気の排ガス中でNOx 吸蔵材にNOx を吸蔵させ、ストイキからリッチ雰囲気でNOx 吸蔵材からNOx を放出させて還元浄化するにあたり、Rhと排ガスとの接触により生成した水素を少なくとも Pt を含む貴金属及びNOx 吸蔵材に接触させる。
【0028】
この排ガス浄化方法では、触媒粒子の内部に Rh を担持し表面に少なくとも Pt を含む貴金属及びNOx 吸蔵材を担持している本発明の排ガス浄化用触媒を用いるので、Rh Pt及びNOx 吸蔵材とが分離され、Rh Pt との固溶や、RhとNOx 吸蔵材との共存による悪影響を確実に防止でき、活性の低下が防止される。またRhによって生成した水素をPt 及びNOx 吸蔵材に効率よく接触させることができ、Pt 及びNOx 吸蔵材の硫黄被毒も効果的に抑制されている。したがって高いNOx 浄化率を長期間維持することができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
【0030】
(実施例1)
Rhとして0.25g含む硝酸ロジウム水溶液中にZrO2粉末50gを投入し、撹拌しながら加熱して蒸発乾固してRhを担持した。これを乾燥後、 500℃で2時間焼成してRh/ZrO2粉末を調製した。
【0031】
このRh/ZrO2粉末全量をミキサーに入れ、12gのAl系カップリング剤(「プレンアクトAL-M」味の素ファインテクノ製、 Al2O3として1.23g相当)を溶解したn−プロパノール溶液50mlを徐々に滴下しながら、十分に撹拌した。
【0032】
それに適量のエタノールを加え、よく撹拌した後、デカンテーション及び遠心分離によって溶媒を分離した。これを3回繰り返して未反応のカップリング剤とアルコールを除き、乾燥後 500℃で2時間焼成した。これによりRh/ZrO2粒子に付着固定したカップリング剤の有機基を酸化分解し、Rh/ZrO2粒子の表面に薄い Al2O3層を形成した。
【0033】
得られた Al2O3/Rh/ZrO2粉末全量に、Ptとして1g含有するジニトロジアンミン白金水溶液を含浸させ、よく撹拌しながら蒸発乾固してPtを担持し、 500℃で2時間焼成してPt/ Al2O3/Rh/ZrO2粉末を調製した。
【0034】
続いて酢酸カリウムを 0.1モル含む水溶液にPt/ Al2O3/Rh/ZrO2粉末全量を投入し、撹拌しながら加熱して蒸発乾固し、Kを担持した。これを乾燥後、 500℃で2時間焼成してKを炭酸カリウムとして担持し、K−Pt/ Al2O3/Rh/ZrO2粉末を調製した。
【0035】
得られたK−Pt/ Al2O3/Rh/ZrO2粉末粉末全量をミキサーに入れ、 3.2gのTi系カップリング剤(「プレンアクトKR44」味の素ファインテクノ製、TiO2として0.61g相当)を溶解したn−プロパノール溶液50mlを徐々に滴下しながら、十分に撹拌した。
【0036】
それに適量のエタノールを加え、よく撹拌した後、デカンテーション及び遠心分離によって溶媒を分離した。これを3回繰り返して未反応のカップリング剤とアルコールを除き、乾燥後 500℃で2時間焼成した。これによりK−Pt/ Al2O3/Rh/ZrO2粒子に付着固定したカップリング剤の有機基を酸化分解し、K−Pt/ Al2O3/Rh/ZrO2粒子の表面に薄いTiO2層を形成した。
【0037】
得られた触媒は、図1に示すTiO2/K−Pt/ Al2O3/Rh/ZrO2触媒粒子が集合した粉末である。この触媒粒子は、コア部であるZrO2粒子1と、ZrO2粒子1の表面に形成された Al2O3層2と、 Al2O3層2の表面に形成されたTiO2層3とからなり、コア部1にRh10が担持され、 Al2O3層2に炭酸カリウム20とPt21が担持されている。 Al2O3層2はきわめて薄いため、Pt21とRh10は互いに分離された状態でありながら十分に近接して担持されている。そしてRh10は Al2O3層2及びTiO2層3で覆われ、 Al2O3層2は両性酸化物でありTiO2層3は酸性酸化物であるので、ZrO2粒子1と炭酸カリウム20及びPt21へのSOx の近接が抑制され、硫黄被毒を十分に抑制することができる。
【0038】
この触媒粉末を定法でペレット化し、試験に供した。
【0039】
(実施例2)
TiO2層3を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして、図2に示すK−Pt/ Al2O3/Rh/ZrO2触媒粒子からなる触媒粉末を調製した。この触媒粉末を定法でペレット化し、試験に供した。
【0040】
(比較例1)
実施例1で用いたZrO2粉末50gに、Ptとして1g含有するジニトロジアンミン白金水溶液を含浸させ、蒸発乾固後 500℃で2時間焼成してPtを担持した。次いでRhとして0.25g含有する硝酸ロジウム水溶液を含浸させ、蒸発乾固後 500℃で2時間焼成してRhを担持した。さらにKとして 0.1モル含有する酢酸カリウム水溶液を含浸させ、蒸発乾固後 500℃で2時間焼成して炭酸カリウムを担持した。この触媒粉末を定法でペレット化し、試験に供した。
【0041】
(比較例2)
実施例1で用いたZrO2粉末50gに、Rhとして0.25g含有する硝酸ロジウム水溶液を含浸させ、蒸発乾固後 500℃で2時間焼成してRhを担持してRh/ZrO2触媒粉末を調製した。
【0042】
他方、 Al2O3粉末1.23gに、Ptとして1g含有するジニトロジアンミン白金水溶液を含浸させ、蒸発乾固後 500℃で2時間焼成してPtを担持した。次いでKとして 0.1モル含有する酢酸カリウム水溶液を含浸させ、蒸発乾固後 500℃で2時間焼成して炭酸カリウムを担持して、K−Pt/ Al2O3触媒粉末を調製した。
【0043】
得られたRh/ZrO2触媒粉末全量とK−Pt/ Al2O3触媒粉末全量をよく混合し、得られた混合粉末を定法でペレット化し、試験に供した。
【0044】
<試験・評価>
各ペレット触媒を評価装置にそれぞれ同量配置し、表1に示す耐久モデルガスを、リ−ン/リッチ=55秒/5秒のサイクルで交互に繰り返しながら流して 550℃で3時間処理する硫黄被毒耐久試験を行った。
【0045】
【表1】
Figure 0004193602
【0046】
耐久試験後の各ペレット触媒を評価装置にそれぞれ同量配置し、表2に示す評価モデルガスを用いてNOx 吸蔵量を測定した。先ず 400℃でリッチガス定常状態からリーンガス定常状態にガスを切り替え、触媒出ガス中のNOx 濃度が定常になるまでリーンガスを流した後、リッチガスを10秒間流し、再びリーンガスに切り替えた際の飽和NOx 吸蔵量をそれぞれ測定した。結果を図3に示す。
【0047】
【表2】
Figure 0004193602
【0048】
図3より、実施例2の触媒は比較例1の触媒に比べて耐久試験後のNOx 吸蔵能が高いことがわかり、これは Al2O3層2によってPt及びNOx 吸蔵材とRhとが分離担持された効果と、Rh/ZrO2触媒による水素の利用効率が向上したことによって硫黄被毒が抑制された効果であると考えられる。
【0049】
また実施例1と実施例2との比較から、TiO2層3を形成することで耐久試験後のNOx 吸蔵能がさらに向上することも明らかである。すなわちTiO2層3によって硫黄被毒をさらに抑制することが可能となる。
【0050】
なお比較例2では、K−Pt/ Al2O3触媒が全体に占める体積割合が非常に小さいために、反応ガスとの接触確率が低く、NOx 吸蔵能が劣っている。
【0051】
【発明の効果】
すなわち本発明の排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化方法によれば、Rhは他の貴金属及びNOx 吸蔵材と分離しながらも同一粒子に存在しているので、Rhによって生成する水素を効率的に硫黄被毒の抑制に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の触媒粒子を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例の触媒粒子を示す模式的断面図である。
【図3】実施例及び比較例の触媒のNOx 吸蔵量を示すグラフである。
【符号の説明】
1:ZrO2粒子(Rh担持酸化物) 2: Al2O3層(Rh被覆酸化物層)
3:TiO2層(表面酸化物層)

Claims (9)

  1. リーンバーンエンジンからの排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒であって、
    第1酸化物粒子に Rh を担持した Rh 担持酸化物粒子と、第2酸化物からなり該 Rh 担持酸化物粒子の表面に形成された Rh 被覆酸化物層と、該 Rh 被覆酸化物層に担持された少なくとも Pt を含む貴金属及び NO x 吸蔵材と、よりなる触媒粒子の集合体からなることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 前記第1酸化物粒子はジルコニアを含む請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記第2酸化物はアルミナを含む請求項1又は請求項2に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. Rh 被覆酸化物層は、前記 Rh 担持酸化物粒子の表面にカップリング剤を結合させた後に焼成することで形成された請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
  5. 前記 Rh 被覆酸化物層の表面には少なくとも Pt を含む貴金属及び NO x 吸蔵材を被覆する表面酸化物層がさらに形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
  6. 前記表面酸化物層は、前記 Rh 被覆酸化物層の表面にカップリング剤を結合させた後に焼成することで形成された請求項5に記載の排ガス浄化用触媒。
  7. 前記表面酸化物層は酸性酸化物からなる請求項5又は請求項6に記載の排ガス浄化用触媒。
  8. 前記酸性酸化物はチタニアを含む請求項7に記載の排ガス浄化用触媒。
  9. 請求項1〜8に記載のいずれかの排ガス浄化用触媒を用い、酸素過剰のリーン雰囲気の排ガス中でNOx 吸蔵材にNOx を吸蔵させ、ストイキからリッチ雰囲気で該NOx 吸蔵材からNOx を放出させて還元浄化するにあたり、Rhと排ガスとの接触により生成した水素を少なくとも Pt を含む貴金属及びNOx 吸蔵材に接触させることを特徴とする排ガス浄化方法。
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