JP4193485B2 - 撮像装置及び撮像制御プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、被写体のスルー画像をマルチ画面表示する撮像装置及び撮像制御プログラムに関する。
【0003】
【従来の技術】
【0004】
従来、被写体のスルー画像をマルチ画面表示する撮像装置が提案されている。このデジタルカメラ(電子スチルカメラ)は、ファインダ画面の中に現在その状態で撮影したときに写真となる構図のほか、ズーミング位置を変更した時の構図やカメラを縦に構えた時の構図を同時に表示する。したがって、表示された複数の画面を見て、いずれの構図が良いかを比較しながら判断できるので、撮影時において瞬時に構図を変更して撮影動作に入ることができ、速写性を高めることができるとするものである(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特平2002−152558号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来のデジタルカメラにあっては、単一のファインダ画面に画角等が異なる複数のスルー画像をマルチ画面表示することから、ファインダ画面に表示される各スルー画像は相対的に小さく表示されることとなる。このため、マルチ画面表示されている複数のスルー画像から所望のスルー画像を参考にして撮影を行っても、小さく表示されたスルー画像を参考にして想定した際の画像とは異なる所望外の画像が撮影されてしまう場合が生ずる。
【0008】
しかも、いずれの構図が良いかを比較しながら所望の構図を決定し、しかる後に決定した構図となるように画角等を調整する撮影操作を開始しなければならないことから、速写性に関しても満足すべきものではない。
【0009】
また、ファインダ画面に複数のスルー画像が一旦マルチ画面表示されると、その各スルー画像の画角等を変更することはできない。したがって、いずれの構図が良いかを比較しながら判断する際の判断材料が少なく、マルチ画面表示された少ない数のスルー画像を参考にしても、的確に所望の画像を撮影するための判断を行うことができない。
【0010】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、速写性を向上させ、あるいは的確に所望の画像を撮影することのできる撮像装置及び撮像制御プログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために請求項1の発明にかかる撮像装置にあっては、被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、この撮像手段から出力される画像データに基づき前記被写体のスルー画像を表示する表示手段とを備える撮像装置において、前記画像データに基づき、画角の異なる複数のスルー画像を前記表示手段にマルチ画面表示させる第1の表示制御手段と、操作に応じて、前記表示手段にマルチ画面表示されている複数のスルー画像各々の画角を同時に変更する第2の表示制御手段とを備える。
【0013】
また、請求項2の発明にかかる撮像装置にあっては、前記画角の異なる複数のスルー画像が前記表示手段にマルチ画面表示されている状態において、撮影指示に応答して撮影動作を実行し、前記異なる画角からなる各被写体の画像データを記録媒体に記録させる記録制御手段を更に備える。
【0014】
また、請求項3の発明にかかる撮像制御プログラムにあっては、被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、この撮像手段から出力される画像データに基づき前記被写体のスルー画像を表示する表示手段とを備える撮像装置が有するコンピュータを、前記画像データに基づき、画角の異なる複数のスルー画像を前記表示手段にマルチ画面表示させる第1の表示制御手段と、操作に応じて、前記表示手段にマルチ画面表示されている複数のスルー画像各々の画角を同時に変更する第2の表示制御手段として機能させる。
【0046】
【発明の実施の形態】
【0047】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の各実施の形態に共通する電子スチルカメラ1の電気的概略構成を示すブロック構成図である。この電子スチルカメラ1は、ズームレンズ2等とともに撮像手段を構成するCCD3により得られた画像データをJPEG形式に変換する等の画像処理機能を備えたMPU4を中心に構成されている。CCD3の受光面には、前記ズームレンズ2、フォーカスレンズ5、絞り6を通過した被写体の光学像が結像される。
【0048】
ズームレンズ2は、複数枚のレンズを有し焦点距離の可変(変倍)、及び光学特性の補正が可能なレンズ群であって、ズームモータ等からなる駆動機構7に保持されている。そして、ズームキーの操作等に応じてMPU4が制御信号をズームドライバー8に出力し、ズームドライバー8が駆動信号を駆動機構7に供給することにより、ズームレンズ2がズーム駆動される。フォーカスレンズ5はAFモータ等からなる駆動機構9に保持されており、MPU4からの制御信号によりAFドライバー10が出力する駆動信号が駆動機構9に供給されることにより、光軸上を前後に移動する合焦動作を行う。絞り6は、MPU4からの制御信号に基づき絞り駆動部11が発生する駆動信号により駆動し、CCD3に入射する被写体像の光量を調整する。
【0049】
また、MPU4には、タイミング信号を発生するTG(Timing Generator )12が接続されており、TG12が発生したタイミング信号に基づきVドライバー13(垂直方向ドライバー)がCCD3を駆動し、それに伴いCCD3により被写体像の輝度に応じたアナログの撮像信号が出力されユニット回路14へ送られる。ユニット回路14は、CCD3から出力された撮像信号を保持するCDSと、CDSから撮像信号が供給されるアナログアンプであるゲイン調整アンプ(AGC)と、ゲイン調整アンプで増幅され調整された撮像信号を画像データに変換するA/D変換器(AD)とからなり、CCD3の出力信号は、ここで黒レベルを合わせてサンプリングされデジタル信号としてMPU4に送られる。送られたデジタル信号(撮像信号)はDRAM15に一時保存されるとともに、MPU4によって、デジタルズーム処理、フィルター処理、ホワイトバランス処理等の各種の画像処理が施された後、最終的には圧縮された映像信号としてフラッシュメモリ(FLASH)16に保存される。保存された映像信号は、必要に応じてMPU4に読み出され、伸長処理、輝度信号及び色信号の付加等の処理を経てデジタルビデオ信号やアナログビデオ信号に生成される。
【0050】
さらに、MPU4にはMROM17と、電源回路18、前記ズームキーやシャッターボタン、モード設定キー、後述するマルチ画面表示されたいずれかのスルー画像を選択するための選択キー等の各種キーやスイッチを含む操作キー部19、表示手段としてのTFT液晶モニター20が接続されている。MROM17は、後述するフローチャートに示すMPU4の動作プログラム等が記録されたプログラムROMである。また、MROM17には撮影時の適正な露出値(EV)に対応する絞り値(F)とシャッタースピードとの組み合わせを示すプログラム線図を構成するプログラムAEデータも格納されている。
【0051】
MPU4は、内蔵するRAMをワーキングメモリとして前記動作プログラムに従い動作することにより本発明の表示制御手段、選択手段、記録制御手段等として機能する。また、前記プログラム線図に従って前記CCD3の電荷蓄積時間や、前記絞り6の開放度、前記ユニット回路14のゲイン調整アンプ(AGC)のゲイン設定等を行う。MPU4が設定した電荷蓄積時間はシャッターパルスとして、TG12を介してVドライバー13に供給され、これに従いVドライバー13がCCD3を駆動することにより電荷蓄積時間すなわち露光時間が制御される。つまりCCD3は電子シャッターとして機能する。また、MROM17に格納された動作プログラムには、オートフォーカス制御に関するプログラムが含まれており、かかるプログラムに基づきMPU4は、前記フォーカスレンズ5を駆動させピント合わせ(オートフォーカス)を行う。
【0052】
TFT液晶モニター20は、撮影モードにおいては逐次撮像された画像を後述するスルー画像として表示あるいはマルチ画面表示し、再生モードにおいては前記フラッシュメモリ16に記録された画像データから生成されたアナログビデオ信号に基づく映像を表示する。
【0053】
なお、前述したMROM17に記憶されているプログラムデータ等は、その記録内容の保持が可能であれば、別途固定的に設けたもの、若しくは脱着自在に装着可能なICカード等の他の記録媒体に記録される構成にしてもよく、さらに、前記プログラムデータ等をパソコン等の他の機器から供給可能な構成としてもよい。
【0054】
次に、以上の構成からなる電子スチルカメラ1の第1の実施の形態における動作について説明する。電源スイッチが操作されて電源がオンとなっており、かつ、モード設定キーの操作により撮影モードが設定されている状態において、MPU4は、MROM17に格納されているプログラムに従って図2のフローチャートに示す手順で処理を実行する。すなわち、CCD3上に結像された被写体像をTFT液晶モニター20にスルー画像として全画面表示する(ステップS101)。このとき、レンズ(ズームレンズ)2は、駆動機構7によって標準位置にセットされ、また、MPU4のデジタルズーム機能はオフ状態に維持されている。したがって、TFT液晶モニター20には標準倍率(光学ズーム値1倍)の画角からなり、ズームレンズ2により結像されたデジタルズーム処理が施されていない被写体像がスルー画像として表示されることとなる。
【0055】
次に、操作キー部19に設けられているモード設定キーの操作によるマルチ画面表示モードが設定されているか否かを判断し(ステップS102)、設定されていない場合には後述するステップS110に進む。また、マルチ画面表示モードが設定されている場合には、ユニット回路14からの被写体の画像データに対して、各々異なる画角となるようにデジタルズーム処理を行って、図3(a)に示すように、画角の異なる複数のスルー画像「1」「2」「3」「4」をTFT液晶モニター20にマルチ画面表示させる(ステップS103)。
【0056】
引き続き、画角変更操作があったか否か、つまり前記ズームキーが操作されたか否かを判断する(ステップS104)。ズームキーが操作されない場合には、さらにシャッターボタンが操作されたか否かを判断する(ステップS105)。そして、ズームキーが操作されずにシャッターボタンが操作された場合には(ステップS105;YES)、スルー画像「1」「2」「3」「4」に現在設定されている画角の撮影画像(撮影画像データ)を各々生成し、フラッシュメモリ16に保存記録する(ステップS106)。
【0057】
このステップS106で複数画角の撮影画像データを各々生成するに際しては、デジタルズームと光学ズームのいずれを用いてもよい。すなわち、デジタルズームを用いる場合には、1回の撮影処理を実行しユニット回路14から1枚分の被写体画像データを得て、得た1枚分の被写体画像データからスルー画像「1」「2」「3」「4」に現在設定されている画角の画像データを生成し、これら各画像データをフラッシュメモリ16に保存記録する。また、光学ズームを用いる場合は、制御信号をズームドライバー8に出力して、駆動機構7によりズームレンズ2を駆動し、そのズーム値をスルー画像「1」「2」「3」「4」に現在設定されている画角に対応する値に順次変更し、ズーム値を変更する毎にユニット回路14から1枚分の被写体画像データを得て、これら各画像データをフラッシュメモリ16に保存記録する。
【0058】
他方、ステップS104での判断の結果、ズーム操作がなされた場合には、スルー画像「1」「2」「3」「4」の画角をズーム操作分だけスライド変更する(ステップS107)。つまり、ズームイン操作がなされた場合には、全てのスルー画像「1」「2」「3」「4」の画角をズームイン操作分だけ拡大スライド変更し、ズームアウト操作がなされた場合には、全てのスルー画像「1」「2」「3」「4」の画角をズームアウト操作分だけ縮小スライド変更する。したがって、マルチ画面表示の状態でズームキーを操作する簡単な操作により、TFT液晶モニター20にマルチ画面表示されている複数のスルー画像「1」「2」「3」「4」各々の画角を簡単に変更して、従前とは各々異なる画角からなる複数のスルー画像をマルチ画面表示することができる。
【0059】
次に、前記選択キーの操作により、現在TFT液晶モニター20に表示されているスルー画像「1」「2」「3」「4」のいずれかが選択されたか否かを判断し(ステップS108)、選択されるまでステップS102からの処理を繰り返す。
【0060】
そして、現在TFT液晶モニター20に表示されているスルー画像「1」「2」「3」「4」のいずれかが選択されたならば(ステップS108;YES)、選択されたスルー画像の画角となるまで制御信号をズームドライバー8に出力して、駆動機構7によりズームレンズ2を当該画角に設定するともに、ズームレンズ2によって結像された被写体像をTFT液晶モニター20に単独で全画面表示する(ステップS109)。したがって、図3(a)においてスルー画像「2」が選択された場合には、このステップS109での処理により同図(b)に示すように、スルー画像「2」の画角でスルー画像がTFT液晶モニター20に単独で全画面表示されることとなる。
【0061】
さらに、ズームキーが操作されたか否かを判断し(ステップS110)、操作された場合には、前述と同様にしてズームレンズ2をズーム操作分だけズーム動作させる(ステップS111)。したがって、本実施の形態においては、マルチ画面表示された異なる画角のスルー画像の中から所望のスルー画像を選択して単独で全画面表示させた後、当該スルー画像の画角をさらに微調整することもできる。
【0062】
そして、ステップS110又はステップS111に続くステップS112では、シャッターボタンが操作されたか否かを判断し、シャッターボタンが操作されたならば、撮影処理(ステップS113)、及び記録処理(ステップS114)を実行する。すなわち、CCD3から出力された撮像信号は、ユニット回路14からデジタル信号としてMPU4に送られ、MPU4によって必要な処理が施された後、最終的には圧縮された映像信号としてフラッシュメモリ16に保存されることとなる。
【0063】
なお、本実施の形態においては、ステップS109の処理を光学ズームで対応するようにし、ズームレンズ2を当該画角に設定するともに、ズームレンズ2によって結像された被写体像をTFT液晶モニター20に単独で全画面表示するようにしたが、デジタルズームのみで対応するようにしてもよい。つまり、選択されたスルー画像をTFT液晶モニター20の全画面に拡大表示するようにしてもよい。又は、デジタルズームと光学ズームとを併用して、選択されたスルー画像となる画角の画像をTFT液晶モニター20に拡大表示するようにしてもよい。
【0064】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態におけるMPU4の処理手順を示すものである。電源スイッチが操作されて電源がオンとなっており、かつ、モード設定キーの操作により撮影モードが設定されている状態において、MPU4は、MROM17に格納されているプログラムに従って図4のフローチャートに示す手順で処理を実行する。すなわち、CCD3上に結像された被写体像をTFT液晶モニター20にスルー画像として全画面表示する(ステップS201)。このとき、画像処理としてホワイトバランスを用いて以下に説明すると、MPU4の標準的なホワイトバランスを設定している。したがって、TFT液晶モニター20には、ズームレンズ2により結像され標準的なホワイトバランスからなる被写体像がスルー画像として表示されることとなる。
【0065】
次に、操作キー部19に設けられているモード設定キーの操作によるマルチ画面表示モードが設定されているか否かを判断し(ステップS202)、設定されていない場合には後述するステップS210に進む。また、マルチ画面表示モードが設定されている場合には、ユニット回路14からの被写体の画像データに対して、各々異なるホワイトバランス処理を施して、図5(a)に示すように、画像処理(ホワイトバランス)の異なる複数のスルー画像「1」「2」「3」「4」(例えば、オートホワイトバランス調整されたスルー画像、太陽光、蛍光灯、木陰等に合うようにホワイトバランス調整されたスルー画像)をTFT液晶モニター20にマルチ画面表示させる(ステップS203)。
【0066】
引き続き、画像処理(ホワイトバランス)変更操作があったか否か、つまり操作キー部19に設けられているホワイトバランス調整キーが操作されたか否かを判断する(ステップS204)。ホワイトバランス調整キーが操作されない場合には、さらにシャッターボタンが操作されたか否かを判断する(ステップS205)。そして、ホワイトバランス調整キーが操作されずにシャッターボタンが操作された場合には(ステップS205;YES)、スルー画像「1」「2」「3」「4」に現在設定されている画像処理(ホワイトバランス)の撮影画像(撮影画像データ)を各々生成し、フラッシュメモリ16に保存記録する(ステップS206)。
【0067】
このステップS206で異なるホワイトバランスの撮影画像データを各々生成するに際しては、1回の撮影処理を実行しユニット回路14から1枚分の被写体画像データを得て、得た1枚分の被写体画像データからスルー画像「1」「2」「3」「4」に現在設定されているホワイトバランスの画像データを生成し、これら各画像データをフラッシュメモリ16に保存記録する。勿論、第1の実施の形態と同様に、ホワイトバランス値を順次変更しながら複数回撮影処理を実行し、得られた複数の画像データをフラッシュメモリ16に保存記録するようにしてもよい。
【0068】
他方、ステップS204での判断の結果、画像処理変更操作がなされた場合には、スルー画像「1」「2」「3」「4」の画像処理(ホワイトバランス)を操作分だけスライド変更する(ステップS207)。したがって、マルチ画面表示の状態でホワイトバランス調整キーを操作する簡単な操作により、TFT液晶モニター20にマルチ画面表示されている複数のスルー画像「1」「2」「3」「4」各々のホワイトバランスを簡単に変更して、従前とは各々異なるホワイトバランスからなる複数のスルー画像をマルチ画面表示することができる。
【0069】
次に、前記選択キーの操作により、現在TFT液晶モニター20に表示されているスルー画像「1」「2」「3」「4」のいずれかが選択されたか否かを判断し(ステップS208)、選択されるまでステップS202からの処理を繰り返す。
【0070】
そして、現在TFT液晶モニター20に表示されているスルー画像「1」「2」「3」「4」のいずれかが選択されたならば(ステップS208;YES)、選択されたホワイトバランスからなるスルー画像をTFT液晶モニター20に単独で全画面表示する(ステップS209)。したがって、図5(a)においてスルー画像「2」が選択された場合には、このステップS209での処理により同図(b)に示すように、スルー画像「2」のホワイトバランスからなるスルー画像がTFT液晶モニター20に単独で全画面表示されることとなる。
【0071】
さらに、ホワイトバランス調整キーが操作されたか否かを判断し(ステップS210)、操作された場合には、操作分だけ画像処理を変更して、TFT液晶モニター20に単独で全画面表示されているスルー画像「2」のホワイトバランスを変更する(ステップS211)。したがって、本実施の形態においては、マルチ画面表示された異なるホワイトバランスのスルー画像の中から所望のスルー画像を選択して単独で全画面表示させた後、当該スルー画像のホワイトバランスをさらに微調整することもできる。
【0072】
そして、ステップS210又はステップS211に続くステップS212では、シャッターボタンが操作されたか否かを判断し、シャッターボタンが操作されたならば、撮影処理(ステップS213)、及び記録処理(ステップS214)を実行する。すなわち、CCD3から出力された撮像信号は、ユニット回路14からデジタル信号としてMPU4に送られ、MPU4によって、単独で全画面表示されているスルー画像「2」のホワイトバランスと同じホワイトバランス処理が施された後、最終的には圧縮された映像信号としてフラッシュメモリ16に保存されることとなる。
【0073】
なお、本実施の形態においては、画像処理としてホワイトバランスを用いて説明したが、これに限らずフィルター処理等の他の画像処理にも適用し得ることは勿論である。例えば、青、赤。白黒、セピア等のフィルタをかけたスルー画像をマルチ画面表示させたり、明るさ、色強調度合い、肌色補正度合い、輪郭強調度合い等の異なるスルー画像をマルチ画面表示させるといったことが考えられる。
【0074】
また、本実施の形態においては、図4のステップS204での判断の結果、画像処理変更操作があった場合にマルチ画面表示されている複数のスルー画像のホワイトバランス値(調整量)をスライド変更するようにしたが、画像処理変更操作(あるいは所望の種類の画像処理を選択する操作)があった場合にホワイトバランス処理以外の他の種類の画像処理(例えばフィルタ処理)に切り換えて該他の種類の画像処理において画像調整量が異なる複数のスルー画像をマルチ画面表示させるようにしてもよい。更に、マルチ画面表示されている複数のスルー画像に対する画像処理(例えばホワイトバランス)の調整量をスライド変更するためのスライド変更操作と、マルチ画面表示されている複数のスルー画像に対する画像処理を他の種類の画像処理に切り換えるための画像処理変更操作とを共に有効としてもよい。
【0075】
また、本実施の形態においては、ある1つの種類の画像処理において画像調整量が異なる複数のスルー画像をマルチ画面表示させるようにしたが、異なる種類の画像処理を施した複数のスルー画像をマルチ画面表示させるようにしてもよい。例えば、赤フィルタをかける度合い(色濃度)が異なる複数のスルー画像をマルチ画面表示させる以外に、赤フィルタをかけたスルー画像、青フィルタをかけたスルー画像等をマルチ画面表示させるといったことが考えられる。
【0076】
また、上記第1及び第2の実施形態にあっては、複数のスルー画像をマルチ画面表示させている状態で撮影が指示された場合に、各スルー画像に対応する複数の撮影画像データを生成し記録するようにしたが、撮影後、生成した複数の撮影画像データをマルチ画面表示させ、この中からユーザにより選択された撮影画像データのみを記録するようにしてもよい。
【0077】
また、上記第1及び第2の実施形態にあっては、いずれも本発明を電子スチルカメラに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、他にもカメラ付き携帯電話端末、カメラ付きPDA(Personal Digital Assistants:携帯情報端末)、カメラ付きパーソナルコンピュータ、等に適用することも容易に可能であり、要は撮像処理が可能な装置であればいずれにも適用できる。
【0078】
【発明の効果】
【0079】
以上説明したように本発明によれば、表示手段にマルチ画面表示された画角の異なる複数のスルー画像から、いずれかを選択するための操作を行うことにより、この選択操作に応じたスルー画像を表示手段に単独表示させることができる。よって、マルチ画面表示により相対的に小さく表示されていた選択されたスルー画像を、単独表示により表示手段の全画面に大きく表示することでき、これによりユーザはマルチ画面上で選択したスルー画像が所望のものであるか否かを判断することが可能となる。その結果、ユーザは、的確に所望の画像を撮影するための判断を行って、所望の画角からなる画像を撮影することができる。しかも、表示手段にマルチ画面表示された複数のスルー画像からいずれかを選択するための操作を行うと、この選択操作に応じたスルー画像が表示手段に単独表示されることから、そのまま撮影を行えば、当該画角からなる被写体像を撮影することができ、これにより、速写性を高めることができる。また、本発明によれば、選択操作に応じた画角からなるスルー画像を、光学的ズーム手段のズーム機能により表示することができ、これにより、明瞭であって所望の画角からなるスルー画像を表示させることができる。
【0080】
また、本発明によれば、簡単に複数のスルー画像各々の画角を同時に変更することができることから、いずれの画角が良いかを比較しながら判断する際の判断材料が極めて多くなり、その結果、ユーザは、的確に所望の画像を撮影するための判断を行って、所望の画角からなる画像を撮影することができる。しかも、簡単に複数のスルー画像各々の画角を同時に変更することができることから、速写性を高めることもできる。
【0081】
また、本発明によれば、画角の異なる複数のスルー画像がマルチ画面表示されている状態における撮影指示により、画角の異なる複数の各被写体の画像データ記録がなされることから、これによって速写性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施の形態に共通する電子スチルカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。
【図3】同実施の形態における表示遷移図である。
【図4】第2の実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。
【図5】同実施の形態における表示遷移図である。
【符号の説明】
1 電子スチルカメラ
2 ズームレンズ
3 CCD
4 MPU
7 駆動機構
8 ズームドライバー
9 駆動機構
12 TG
13 Vドライバー
14 ユニット回路
15 DRAM
16 フラッシュメモリ
17 MROM
19 操作キー部
20 TFT液晶モニター
Claims (3)
- 被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、この撮像手段から出力される画像データに基づき前記被写体のスルー画像を表示する表示手段とを備える撮像装置において、
前記画像データに基づき、画角の異なる複数のスルー画像を前記表示手段にマルチ画面表示させる第1の表示制御手段と、
操作に応じて、前記表示手段にマルチ画面表示されている複数のスルー画像各々の画角を同時に変更する第2の表示制御手段と
を備えることを特徴とする撮像装置。 - 前記画角の異なる複数のスルー画像が前記表示手段にマルチ画面表示されている状態において、撮影指示に応答して撮影動作を実行し、前記異なる画角からなる各被写体の画像データを記録媒体に記録させる記録制御手段を
更に備えることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。 - 被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、この撮像手段から出力される画像データに基づき前記被写体のスルー画像を表示する表示手段とを備える撮像装置が有するコンピュータを、
前記画像データに基づき、画角の異なる複数のスルー画像を前記表示手段にマルチ画面表示させる第1の表示制御手段と、
操作に応じて、前記表示手段にマルチ画面表示されている複数のスルー画像各々の画角を同時に変更する第2の表示制御手段と
して機能させることを特徴とする撮像制御プログラム。
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