JP4193172B2 - 液体組成物 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、着色剤を含んでなるインク組成物とともに用いられる、着色剤を含まない液体組成物に関する。
インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、これを紙等の記録媒体に付着させて記録を行う印刷方法である。この方法は、比較的安価な装置を用いながら、解像度が高く鮮明な画像を高速に印刷することができるという特徴を有する。従来、このインクジェット記録方法による記録に用いるためのインク組成物が種々提案されている。近年は、より高品位な記録画像への要求が高まってきており、とりわけ記録画像の発色性および光沢性を一層向上させる種々の工夫がなされている。
高品質の画像を実現するために、インク組成物と供に第二の組成物を記録媒体に付着させて記録を行うことが提案されている。例えば、特開平9−207424号公報(特許文献1)および特開平9−286940号公報(特許文献2)には、特定組成のインク組成物と、ポリアリルアミンを含んでなる反応液とを記録媒体に付着させるインクジェット記録方法が開示されている。
特開平9−207424号公報 特開平9−286940号公報
発明の概要
本発明者らは、今般、インク組成物とともに記録媒体に付着させて用いられる液体組成物として良好な性能を有する組成を見出した。とりわけ、液体組成物とインク組成物との混合液(以下、「廃液」ということがある)がクリーニングキャップに滞留することなく、良好なクリーニング操作性を維持しながら、記録物の保存安定性に優れ、かつ良好な発色性と光沢性とを実現できる液体組成物を見出した。
従って、本発明は、良好な性能を有する液体組成物の提供、とりわけ、廃液がクリーニングキャップに滞留することなく、良好なクリーニング操作性を維持しながら、記録物の保存安定性に優れ、かつ良好な発色性と光沢性とを実現できる液体組成物の提供をその目的としている。
すなわち、本発明による液体組成物は、変性ポリアリルアミンと、有機溶剤と、水とを含んでなり、かつ着色剤を含まず、インク組成物とともに記録媒体に付着させて用いられる、液体組成物であって、
前記変性ポリアリルアミンが、下記式で表される繰り返し単位(a)および、(b)および/または(c)を含んでなるものである:
Figure 0004193172
(式中、
は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、
およびRは、それぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表す。)。
本発明の液体組成物によれば、特に、良好な発色性と光沢性とを維持しながら、保存安定性に優れた記録物を実現することができる。より具体的には、変色し難い画像を実現することができる。
発明の具体的説明
定義
本明細書において、基または基の一部としてのアルキル基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。
変性ポリアリルアミン
本発明による液体組成物が含有する変性ポリアリルアミンは、上記式の繰り返し単位(a)で表されるアルキルジアリルアミンモノマー単位と、(b)で表されるジアルキルアリルアミンモノマー単位との共重合体、または(a)で表されるアルキルジアリルアミンモノマー単位と、(b)で表されるジアルキルアリルアミンモノマー単位と(c)で表されるアリルアミンモノマー単位との共重合体を基本構造とするものである。
単位(a)において、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、好ましくはメチル基である。
単位(b)において、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一の基であることが好ましく、より好ましくはメチル基である。
本発明の好ましい態様によれば、前記繰り返し単位(b)の構成比率は、繰り返し単位(a)および(b)の総数に対して、0〜90%であることが好ましく、0〜80%がより好ましい。ジアリルアルキルアミンの構成比率が高いとインク組成物のpHが高くなり、記録装置の部材に悪影響を及ぼす可能性がある。また、繰り返し単位(b)であるジアルキルアリルアミンの構成割合を上記範囲とすることにより、インク組成物中の変性ポリジアリルアミンの含有量が低くても発色性を向上させることができる。
また、繰り返し単位(a)および(b)の構成比率は、前記繰り返し単位(a)、(b)、および(c)の総数に対して5〜95%であることが好ましく、10〜90%がより好ましく、20〜80%が特に好ましい。このように繰り返し単位(b)であるジアルキルアリルアミンの構成比率が上記範囲にあることにより、廃液処理性能が良好となる。
本発明による変性ポリアリルアミンは、重量平均分子量が5,000以下であることが好ましく、より好ましくは2000以下である。分子量が上記範囲にあることで、該変性ポリアリルアミンがインクを構成する溶媒に良好に溶解し、またインクジェット記録装置に使用されている部品へのアタック性が抑制されるため、インク流路構成部品を侵すことが低減される。なお、本願明細書中の「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPS)法で測定したポリエチレングリコール換算の値を意味する。
本発明による液体組成物が含有する変性ポリアリルアミンは、上記モノマー単位(a)で表されるジアリルアルキルアミンモノマー、(b)で表されるジアルキルアリルアミンモノマー、および/または(c)で表されるモノアリルアミンモノマーを含んでなる水溶液を、重合開始剤の存在下で重合させることにより製造できる。この場合、該水溶液中のモノマー濃度は、10〜80重量%、好ましくは15〜70重量%である。アルキルジアリルアミンは、変性物の溶解性の高さからメチルジアリルアミンが好適に用いられる。また、任意成分であるジアルキルアリルアミンは、ジアリルアルキルアミンモノマーおよびジアルキルアリルアミンモノマーの総数に対して、0〜90%含まれていることが好ましく、0〜80%含まれていることがより好ましい。
重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等の水溶性アゾ基を有する化合物が好適に用いられる。該重合開始剤は、モノマーの総量に対して0.1〜30mol%が好ましい。また、重合時間は3〜100時間、好ましくは5〜70時間である。
本発明における変性ポリアリルアミンの含有量は、本発明の好ましい態様によれば、液体組成物中、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜2.4重量%である。このような含有量とすることにより、記録物の発色性向上および光沢性が向上する。
また、本発明においては、変性ポリアリルアミンと、ポリアリルアミンまたはその誘導体とを混合して添加してもよい。混合して添加する場合には、これらの合計含有量は0.1〜30重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。
水および有機溶剤
本発明における液体組成物は、水と有機溶剤とを含んでなるものである。
水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。また、紫外線照射、または過酸化水素添加などにより滅菌した水を用いることにより、インク組成物を長期保存する場合にカビやバクテアの発生を防止することができるので好適である。
本発明による液体組成物に含まれる有機溶剤としては、グリコールエーテル系化合物やアルキルジオール系化合物や多価アルコール系化合物等が挙げられる。これら化合物を有機溶剤として用いることにより、目詰まり性と吐出安定性とに優れ、発色性と光沢性とを著しく低下させることなく、記録画像の画像品質を高めることができる。
これら化合物の含有量(複数種を混合する場合にはその総量)は、画像品質の向上の観点から、液体組成物中好ましくは1.0重量%以上、70重量%以下であり、より好ましくは10〜50重量%である。
グリコールエーテル系化合物としては、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。特に、トリエチレングリコールモノブチルエーテルが好適である。
グリコールエーテル系化合物の含有量は、液体組成物中好ましくは0.1〜30.0重量%であり、より好ましくは1.0〜20.0重量%であり、特に好ましくは、2.0〜10.0重量%である。
アルキルジオール系化合物としては、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等が挙げられる。特に、1,2−ヘキサンジオールが好適である。
アルキルジオール系化合物の含有量は、液体組成物中好ましくは0.1重量〜30.0重量%であり、より好ましくは1.0〜20.0重量%であり、特に好ましくは、2.0〜10.0重量%である。
多価アルコール系化合物としては、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラエチレングリコール等の水溶性の有機溶剤が挙げられる。特に、グリセリンが好適である。
多価アルコール系化合物の含有量は、液体組成物中、好ましくは0.1〜50.0重量%であり、より好ましくは1.0〜40.0重量%であり、特に好ましくは、8.0〜30.0重量%である。
本発明による液体組成物は、さらに、アセチレングリコール系化合物、アセチレンアルコール系化合物、またはポリシロキサン系化合物のいずれかを界面活性剤として含有することができる。これにより、発色性と光沢性とを著しく劣化させることなく、液体組成物の吐出安定性を高めることができる。
界面活性剤の含有量は、液体組成物中、好ましくは0.1〜10.0重量%であり、より好ましくは0.1〜3.0重量%であり、特に好ましくは、0.3〜2.0重量%である。
また、界面活性剤の添加の結果、液体組成物の表面張力は、浸透性向上の観点から、好ましくは15〜45dyn/cmであり、より好ましくは20〜40dyn/cmであり、特に好ましくは25〜35dyn/cmである。
本発明において、界面活性剤として好ましく用いられるアセチレングリコール系化合物としては、オルフィンE1010、STG、Y(何れも商品名、日信化学社製)、サーフィノール82、104、440、465、485(何れも商品名、Air Products and Chemicals Inc.製)等の市販品を用いることができる。
本発明において好ましく用いられるアセチレンアルコール系化合物としては、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2、4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オール、サーフィノール61(商品名、Air Products and Chemicals Inc.製)等を用いることができる。
本発明において好ましく用いられるポリシロキサン系化合物としては、下記一般式で表わされる化合物等を用いることができる。
Figure 0004193172
(式中、R〜Rは、独立してC〜Cアルキル基を表し、j、kおよびxは独立して1以上の整数を表し、EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表し、mおよびnは0以上の整数を表すが、m+nは1以上の整数を表し、繰り返し単位EOおよびPOは、その順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい。)具体的には、ビックケミー・ジャパン社製のBYK347、同348等が使用できる。
ポリマー微粒子
本発明の好ましい態様によれば、本発明による液体組成物は、さらにポリマー微粒子を含んでなるものである。
本発明に用いることのできるポリマー微粒子として、公知のポリマー微粒子が使用可能である。具体的には、三井化学製のアルマテックス等を挙げることができる。また、本発明の液体組成物は、上述したポリマー微粒子の一種または二種以上を共に含有することもできる。
本発明の好ましい態様によれば、ポリマー微粒子は、平均粒子径が10nm以上、200nm以下であり、ガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)が20℃以下であり、最低造膜温度(MFT)が20℃以下であり、重量平均分子量(Mw)が1,000〜1,000,000であることが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、前記ポリマー微粒子を水性媒体中で混合分散させて得たエマルジョンとして、液体組成物に添加することが好ましい。これらのエマルジョンは、適切なモノマーを重合させてポリマー微粒子を調製し、その後、水性媒体(水)に、このポリマー微粒子を分散混合させてエマルジョンとして調製されてよい。
本発明の好ましい態様によれば、ポリマー微粒子の含有量は、その固形分換算濃度で、液体組成物中好ましくは0.1〜20.0重量%、より好ましくは0.2〜5.0重量%であり、特に、0.5〜3.0重量%が好ましい。
その他の成分
本発明による液体組成物は、必要に応じてインクジェット記録用の水性インク組成物に一般的に用いられている溶媒をさらに含むことができる。そのような溶媒としては、2−ピロリドン、トリエタノールアミン、糖等が挙げられる。
糖の具体例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)ならびに多糖類が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等が挙げられる。ここで多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロース等自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般化学式HOCH(CHOH)CHOH(ここで、n=2〜5の整数を表す)で表わされる)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸等)、アミノ酸、チオ糖等が挙げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビット等が挙げられる。また市販品としては、HS−300、500(林原商事の登録商標)等を入手することができる。
本発明による液体組成物は、ノズルの目詰まり防止剤、防腐剤、酸化防止剤、導電率調整剤、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤、紫外線吸収剤、キレート剤などをさらに添加することができる。
防腐剤の具体例としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(アビシア社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)などが挙げられる。
さらに、pH調整剤、溶解助剤、または酸化防止剤の具体例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリン等のアミン類およびそれらの変性体、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機塩類、水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウムなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩等、あるいはN−メチル−2−ピロリドン、尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸およびその塩を挙げることができる。また、紫外線吸収剤の具体例としては、チバガイギーのTinuvin328、900、1130、384、292、123、144、622、770、292、Irgacor252、153、Irganox1010、1076、1035、MD1024、ランタニドの酸化物が挙げられる。キレート剤の具体例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)が挙げられる。
また、粘度および記録物上での滲みを調整する目的で、アルコール等の有機溶剤を含有しても良い。その具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、i−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげられる。特に一価アルコールが好ましい。
高沸点有機溶剤の含有量は、液体組成物中、好ましくは0.1〜30.0重量%であり、より好ましくは1.0〜10.0重量%であり、特に好ましくは2.0〜5.0重量%である。
インク組成物
本発明の別の態様におけるインクジェット記録方法は、前記液体組成物およびインク組成物をそれぞれ記録媒体に印刷して行われるものである。当該インク組成物は、着色剤と水と水溶性有機溶剤とを少なくとも含んでなるものである。以下、インク組成物を構成する各成分について説明する。
1.着色剤
インク組成物は、着色剤として顔料または染料が用いられ、好ましくは顔料を用いる。顔料としては、無機顔料、有機顔料が利用できる。無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、顔料キレート(例えば、塩基性顔料型キレート、酸性顔料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
黒インクとして使用されるカーボンブラックとしては、三菱化学製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等が、コロンビア社製のRaven5750、5250、5000、3500、1255、700等が、キャボット社製のRegal400R、330R、660R、Mogul L、Monarch700、800、880、900、1000、1100、1300、1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、Printex35、U、 V、 140U、Special Black 6、5、 4A、4等が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14C、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、108、109、110、113、114、116、117、120、128、129、133、138、139、147、150、151、153、154、155、156、167、172、173、180、185、195等が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、7、9、10、11、12、14、17、18、23、30、31、38、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、67、88、112、114、122、123、144、147、149、150、151、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245等と、C.I.ピグメントバイオレット19が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:34、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バット ブルー4、60等が挙げられる。
レッドインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド17、49:2、112、149、177、178、188、255、264等が挙げられる。
バイオレットインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット3、9、19、23、31、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
これらの顔料の粒径は、200nm以下が好ましく、さらに好ましくは100nm以下である。
顔料の含有量は、インク組成物中、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜6.0重量%、より好ましくは0.5〜4.0重量%である。
また、上記着色剤としての顔料は、分散剤を用いて顔料の分散液としてインクに添加されることが好ましい。分散剤としては、天然高分子が挙げられる。その具体例としては、にかわ、ゼラチン、ガゼイン、アルブミンなどのタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコールエステルアルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体等が挙げられる。
上記分散剤としては合成高分子が好ましくは挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等の酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩が挙げられる。
これらの中で、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、および疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体が好ましい。共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。また、上記の塩としては、ジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリン等との塩が挙げられる。
これらの共重合体は、重量平均分子量が1,000〜1,000,000程度であり、好ましくは3,000〜500,000程度であり、より好ましくは5,000〜300,000である。
顔料として、下記の自己分散型顔料を用いる場合には、分散剤を添加しなくてもよいが、自己分散型顔料を用いない場合には、前記分散剤の含有量は、0.001〜14.0重量%、好ましくは0.01〜9.0重量%であり、特に0.05〜6.0重量%が好ましい。
本発明によるインク組成物は、着色剤として、分散剤なしに水に分散および/または溶解が可能なものとされた顔料、即ち、一般に自己分散型顔料と言われるものを好ましくは利用できる。この顔料は、その表面に、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、またはスルホン基の少なくとも一種の官能基またはその塩が結合するような表面処理により、分散剤なしに水に分散および/または溶解が可能とされたものである。具体的には、真空プラズマなどの物理的処理や化学的処理(例えば、次亜塩素酸、スルホン酸などによる酸化処理)により、官能基または官能基を含んだ分子を顔料の表面にグラフトさせることによって得ることができる。本発明において、一つの顔料粒子にグラフトされる官能基は単一でも複数種であってもよい。グラフトされる官能基の種類およびその程度は、インク中での分散安定性、色濃度、およびインクジェットヘッド前面での乾燥性等を考慮しながら適宜決定されてよい。自己分散型顔料に利用される顔料は上記した顔料と同様であって良い。
本発明において、顔料が分散剤なしに水中に安定に存在している状態を「分散および/または溶解」と表現する。物質が溶解しているか、分散しているのかを明確に区別することが困難な場合も少なくない。本発明にあっては、分散剤なしに水中に安定に存在しうる顔料である限り、その状態が分散か、溶解かを問わず、そのような顔料が利用可能である。よって、本明細書において、分散剤なしに水中に安定に存在しうる顔料をも着色剤ということがあるが、顔料が分散状態にあるものまでも排除することを意味するものではない。
2.水、有機溶剤、およびその他の成分
本発明によるインク組成物は、水と水溶性有機溶剤とを含んでなる。水、有機溶剤、およびその他の成分は、上記の液体組成物と同様とすることができる。
上記インク組成物は、常法によって調製することができ、例えば、前記の各成分を適当な方法で分散、および混合することによって製造することができる。好ましくは、先ず、イオン交換水と、顔料と、分散剤と、有機溶剤とを、必要に応じて、その他の成分を適当な分散機(例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミルなど)で混合し、均一な顔料分散液を調製する。次いで、イオン交換水と、有機溶剤と、必要に応じてその他の成分とを常温で充分に攪拌してインク溶媒を調製する。このインク溶媒を適当な攪拌機で攪拌した状態のところに前記顔料分散液を徐々に滴下して充分に攪拌する。充分に攪拌した後に、目詰まりの原因となる粗大粒子および異物を除去するために濾過を行って目的のインク組成物を得る。
また、自己分散型顔料を着色剤として用いる場合には、顔料を表面処理し顔料自体を分散状態とする以外は、上記と同様にしてインク組成物を得ることができる。
インクカートリッジ
発明の別の態様によれば、上記液体組成物を収容したインクカートリッジが提供される。このインクカートリッジは、液体組成物のみを単独で収容して構成してもよく、液体組成物とインク組成物との双方を収容して構成されてよい。
本発明を以下の実施例等によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
以下、アリルアミンを「AA」と、N,N−ジメチルアリルアミンを「DMAA」と、N,N−ジアリルメチルアミンを「DAMA」と記載することがある。また、特に断りのない限り「%」とは重量%を表すものとする。
1.変性ポリアリルアミンの製造
製造例1
変性PAA−1(AAとDAMAとの共重合体(5/5))の製造)
かき混ぜ機、ジムロート還流器、および温度計を備えた2000mlの四つ口セパラブルフラスコ中に、濃度58.80%のモノアリルアミン塩酸塩水溶液159.10gと濃度69.58%のN,N−ジアリルメチルアミン塩酸塩水溶液212.20gと蒸留水834.70gを仕込んだ。そのモノマー水溶液を65℃に加温し、ラジカル開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩54.24gを添加し、48時間の重合を行った。
重合終了後、氷冷下で濃度50%の水酸化ナトリウム水溶液193.30gを滴下し塩酸を中和した。中和終了後、減圧下(10.6kPa)、50℃で未反応モノマーを留去した。
ここで得られた溶液を、電気透析に付し、脱塩し、濃度14.35%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体(共重合比5:5)水溶液1055.43gを得た。
共重合体水溶液の一部を塩酸塩にし、イソプロパノール溶媒により再沈し、共重合体塩酸塩を得た。元素分析の結果はC=50.02、H=9.01、N=11.32であった。これらの値は計算値C=49.80、H=9.19、N=11.64と一致した。
製造例2
変性PAA−2(AAとDAMAとの共重合体(3/7))の製造
製造例1において、濃度58.80%のモノアリルアミン塩酸水溶液95.46gと、濃度69.58%のN,N−ジアリルメチルアミン塩酸塩水溶液297.708gと、蒸留水921.66gを用いた以外は、製造例1と同様に操作して、濃度14.81%のフリータイプのアリルアミンとN,N−ジアリルメチルアミンとの共重合体(共重合比3:7)水溶液1218.26gを得た。
製造例3
変性PAA−3(AAとDAMAとの共重合体(7/3))の製造
製造例1において、濃度58.80%のモノアリルアミン塩酸水溶液222.75gと、濃度69.58%のN,N−ジアリルメチルアミン塩酸塩水溶液127.32gと、蒸留水747.78gを用いた以外は、製造例1と同様に操作して、濃度14.50%のフリータイプのアリルアミンとN,N−ジアリルメチルアミンとの共重合体(共重合比7:3)水溶液889.95gを得た。
製造例4
変性PAA−4(DMAAとDAMAとの共重合体(5/5))の製造
かき混ぜ機、ジムロート還流器、および温度計を備えた2000mlの四つ口セパラブルフラスコ中に、濃度69.58%のN,N−ジアリルメチルアミン塩酸塩水溶液212.20gと濃度63.45%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液191.66gと蒸留水942.42gを仕込んだ。そのモノマー水溶液を65℃に加温し、ラジカル開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩54.24gを添加し、72時間の重合を行った。
重合終了後、氷冷下で濃度50%の水酸化ナトリウム水溶液195.89gを滴下し塩酸を中和した。中和終了後、減圧下(10.6kPa)、50℃で未反応モノマーを留去した。
ここで得られた溶液を、電気透析に付し、脱塩し、濃度13.26%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとN,N−ジアリルメチルアミンとの共重合体(共重合比5:5)水溶液1347.43gを得た。
共重合体水溶液の一部を塩酸塩にし、イソプロパノール溶媒により再沈し、共重合体塩酸塩を得た。元素分析の結果はC=52.97、H=9.19、N=10.12であった。これらの値は計算値C=53.53、H=9.73、N=10.40と一致した。
製造例5
変性PAA−5(DMAAとDAMAとの共重合体(3/7))の製造
製造例4において、濃度63.45%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸水溶液114.99gと、濃度39.58%のN,N−ジアリルメチルアミン塩酸塩水溶液297.08gと、蒸留水986.28gを用いた以外は、製造例4と同様に操作して、濃度13.98%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとN,N−ジアリルメチルアミンとの共重合体(共重合比3:7)水溶液1375.38gを得た。
製造例6
変性PAA−6(DMAAとDAMAとの共重合体(7/3))の製造
製造例4において、濃度63.45%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸水溶液268.32gと、濃度69.58%のN,N−ジアリルメチルアミン塩酸塩水溶液127.32gと、蒸留水898.55gを用いた以外は、製造例4と同様に操作して、濃度14.03%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとN,N−ジアリルメチルアミンとの共重合体(共重合比7:3)水溶液1205.91gを得た。
製造例7
変性PAA−7(AAとDMAAとDAMAとの三元共重合体(2/3/5))の製造
かき混ぜ機、ジムロート還流器、および温度計を備えた2000mlの四つ口セパラブルフラスコ中に、濃度58.80%のモノアリルアミン塩酸塩水溶液63.64gと、濃度63.45%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液114.99gと、濃度69.58%のN,N−ジアリルメチルアミン塩酸塩水溶液212.20gと蒸留水469.27gを仕込んだ。そのモノマー水溶液を65℃に加温し、ラジカル開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩54.24gを添加し、48時間の重合を行った。
重合終了後、氷冷下で濃度50%の水酸化ナトリウム水溶液193.30gを滴下し塩酸を中和した。中和終了後、減圧下(10.6kPa)、50℃で未反応モノマーを留去した。
ここで得られた溶液を、電気透析に付し、脱塩し、濃度14.97%のフリータイプのアリルアミンとN,N−ジメチルアリルアミンとN,N−ジアリルメチルアミンとの共重合体(共重合比2:3:5)水溶液1137.68gを得た。
共重合体水溶液の一部を塩酸塩にし、イソプロパノール溶媒により再沈し、共重合体塩酸塩を得た。元素分析の結果はC=51.89、H=9.41、N=10.55であった。これらの値は計算値C=52.13、H=9.53、N=10.86と一致した。
製造例8
変性PAA−8(AAとDMAAとの共重合体(5/5))の製造
かき混ぜ機、ジムロート還流器、および温度計を備えた2000mlの四つ口セパラブルフラスコ中に、濃度63.45%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液431.24gと濃度58.11%のモノアリルアミン塩酸塩水溶液362.25gを仕込んだ。そのモノマー水溶液を60℃に加温し、ラジカル開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩146.45gを添加し、120時間の重合を行った。重合終了後、氷冷下で濃度50%の水酸化ナトリウム水溶液332.78gを滴下して塩酸を中和した。中和終了後、減圧下(80mmHg)、50℃で未反応モノマーを留去した。ここで得られた溶液を、電気透析に付し、脱塩し、濃度14.35%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体(共重合比5:5)水溶液1914.97gを得た。
共重合体水溶液の一部を塩酸塩にし、アセトン溶媒により再沈し、共重合体塩酸塩を得た。元素分析の結果はC=44.80、H=9.12、N=12.58であった。これらの値は計算値C=44.66、H=9.37、N=13.02と一致した。
製造例9
変性PAA−9(AAとDMAAとの共重合体(3/7))の製造
製造例8において、濃度63.45%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液258.75gと、濃度58.11%のモノアリルアミン塩酸塩水溶液507.15gを用いた以外は、製造例8と同様に操作して、濃度14.20%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体(共重合比3:7)水溶液2045.55gを得た。
製造例10
変性PAA−10(AAとDMAAとの共重合体(7/3))の製造
製造例8において、63.45%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液603.74gと、濃度58.11%のモノアリルアミン塩酸塩水溶液217.35gを用いた以外は、製造例8と同様に操作して、濃度14.27%のフリータイプのN,N−ジメチルアリルアミンとアリルアミンとの共重合体(共重合比7:3)水溶液1978.93gを得た。
2.重合体の重量平均分子量の測定
重合体の重量平均分子量(Mw)は、日立L−6000型高速液体クロマトグラフを使用し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC法)によって測定した。溶離液流路ポンプは日立L−6000、検出器はショーデックスRI SE−61示差屈折率検出器、カラムはアサヒパックの水系ゲル濾過タイプのGS−220HQ(排除限界分子量3,000)とGS−620HQ(排除限界分子量200万)とをダブルに接続したものを用いた。サンプルは溶離液で0.5g/100mlの濃度に調整し、20μlを用いた。溶離液には、0.4mol/lの塩化ナトリウム水溶液を使用した。カラム温度は30℃で、流速は1.0ml/分で実施した。標準サンプルとして分子量106、194、440、600、1470、4100、7100、10300、12600、23000などのポリエチレングリコールを用いて較正曲線を求め、その較正曲線を基に重合体のMwを求めた。
3.液体組成物の調製
下記の各組成からなる液体組成物を調製した。
実施例1
変性PAA−1 5.0%(固形分換算)
グリセリン 25.0%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0%
オルフィンE1010 0.3%
水 残量
実施例2〜7
実施例1において、変性PAA−1を変性PAA−2〜7に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜7の液体組成物を得た。
比較例1
下記の各組成からなる液体組成物を実施例1と同様にして調製した。
無変性PAA(日東紡績株式会社製のPAA−01) 5.0%(固形分換算)
グリセリン 25.0%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3.0%
オルフィンE1010 0.3%
水 残量
比較例2
比較例1において、無変性PAAを変性PAA−8に代えた以外は、比較例1と同様にして比較例2の液体組成物を得た。
比較例3
比較例1において、無変性PAAを変性PAA−9に代えた以外は、比較例1と同様にして比較例3の液体組成物を得た。
比較例4
比較例1において、無変性PAAを変性PAA−10に代えた以外は、比較例1と同様にして比較例4の液体組成物を得た。
比較例5
比較例1において、無変性PAAをN,N−ジメチルアリルアミンに代えた以外は、比較例1と同様にして比較例5の液体組成物を得た。
比較例6
比較例1において、無変性PAAを添加しない以外は、比較例1と同様にして比較例6の液体組成物を得た。
上記の液体組成物の表面張力を協和界面科学社製CBVP−Zにより測定したところ、実施例の1〜7の液体組成物および比較例の1〜6の液体組成物の表面張力は、いずれも25〜35dyn/cmであった。
4.インク組成物の調製
下記の表1に示す各インク組成物を次の操作によって調製した。まず、顔料と樹脂(スチレン−アクリル酸共重合体)とを混合し、サンドミル(安川製作所製)中でガラスビーズ(直径1.7mm、混合物の1.5倍量(重量))とともに2時間分散させた。その後ガラスビーズを取り除き、他の添加物を加え、常温で20分間攪拌した。10μmのメンブランフィルターでろ過し、顔料インクを得た。
Figure 0004193172
5.評価試験
(1)光沢度試験
実施例1〜7および比較例1〜6における各液体組成物と、インク組成物とをインクジェットプリンタ(セイコーエプソン株式会社製;MC−2000)に充填し、インクジェット専用紙(セイコーエプソン株式会社製;PM写真用紙)に、720×720dpiにて、Duty40%で印刷を行った。
なお、「duty」とは、下式で算出される値である。
duty(%)=実印刷ドット数/(縦解像度×横解像度)×100
(式中、「実印刷ドット数」は単位面積当たりの実印刷ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。100%dutyとは、画素に対する単色の最大インク重量を意味する。)
得られたそれぞれの記録物の光沢度を次のようにして試験した。村上色材研究社製「GP−200」を用い、12V50W、入射光束絞り直径1mm、反射光絞り直径1.5mm、ND10フィルター、入射角度45度、煽り角度0度で、標準鏡面板を42.5として、光沢度の最高値を測定した。光沢度の最高値が高いほど、光沢付与性が高いことを示す。
結果を以下の基準で評価した。
S :最高光沢度が50以上
AA:最高光沢度が45以上
A :最高光沢度が40以上
B :最高光沢度が30以上、40未満
C :最高光沢度が20以上、30未満
D :最高光沢度が10以上、20未満
E :最高光沢度が10未満
評価結果は表2に示される通りであった。
(2)発色性試験(普通紙)
実施例1〜7および比較例1〜6における各液体組成物とインク組成物とをインクジェットプリンタ(セイコーエプソン株式会社製;MC−2000)に充填し、普通紙(Xerox4024)に、720×720dpiで印刷した。このとき、インク組成物を70%dutyで、これとほぼ同時に液体組成物を10%dutyで印刷した。
得られた記録物の光学濃度を測定した。光学濃度は、グレタグ社製グレタグ・マクベスSPM50を用いて、D50光源、フィルターなし、視野角2°にて測定した。
結果を以下の基準に従い評価した。
S :着色されていない部分が目視により確認し難く、液体組成物を印字しない場合よりもOD値の増加が0.08以上ある。
AA:着色されていない部分が目視により確認し難く、液体組成物を印字しない場合よりもOD値の増加が0.06以上ある。
A :着色されていない部分が目視により確認し難く、液体組成物を印字しない場合よりもOD値の増加が0.03以上ある。
B :着色されていない部分が目視により容易に確認でき、液体組成物を印字しない場合よりもOD値の増加が0.03以上ない。
評価結果は表2に示される通りであった。
(3)不織布が無いキャップの廃液処理性能試験
実施例1〜7および比較例1〜6における各液体組成物とインク組成物とをインクジェットプリンタ(セイコーエプソン株式会社製;MC−2000)に充填した後、記録ヘッドのクリーニング(プリンタのクリーニングボタンを1回押す)と、ノズルチェックパターンの印刷とを繰り返した。この試験操作を10回行い、ノズルチェックパターンが正常に印刷されているかを評価し、また、キャップ内の廃液の状態を観察した。10回の試験操作全てにおいてチェックパターンが正常に印刷されており、キャップ内に廃液の滞留がなかった液体組成物については、さらに90回の試験操作を行い、チェックパターンが正常に印刷されているか評価し、またキャップ内の廃液の状態を観察した。さらに、90回の試験操作全てにおいてチェックパターンが正常に印刷されており、キャップ内に廃液の滞留がなかった液体組成物については、40℃の環境下でさらにこの試験操作を100回行い、同様に評価した。
以上の結果を以下の基準に従い評価した。
S :40℃の環境下で、試験操作100回全てにおいて、チェックパターンが正常に印刷されており、キャップ内に廃液の滞留がない。
AA:20℃の環境下で、試験操作100回全てにおいて、チェックパターンが正常に印刷されており、キャップ内に廃液の滞留がない。
A :20℃の環境下で、試験操作10回全てにおいて、チェックパターンが正常に印刷されており、キャップ内に廃液の滞留がない。
B :20℃の環境下で、試験操作10回全てにおいて、チェックパターンが正常に印刷されているが、キャップ内に廃液の滞留が若干ある。
C :20℃の環境下で、チェックパターンが正常に印刷できないときがあり、キャップ内に廃液の滞留がある。
評価結果は表2に示される通りであった。
(4)不織布が有るキャップの廃液処理性能評価
インクジェットプリンタのキャップに不織布を取り付け、評価(3)と同様の評価を行った。その評価結果は表2に示される通りであった。
(5)印字安定性評価
実施例1〜7および比較例1〜6における各液体組成物とインク組成物とをインクジェットプリンタ(セイコーエプソン株式会社製;MC−2000)に充填した後、40℃の環境下で、720*720dpiでDuty100%をA4のPM写真用紙に200枚連続印字した。その後、クリーニングすることなく、ノズルチェックパターンを印刷した。さらに、下記評価基準において、Aであった場合には引き続き400枚連続印字(合計で600枚)し、その後、クリーニングすることなく、ノズルチェックパターンを印刷した。それを以下の基準に従い評価した。
AA:200枚連続印字後と600枚連続印字後のチェックパターンの両方が、正常に印刷されている。
A :200枚連続印字後のチェックパターンは正常に印刷されているが、合計600枚連続印字後のチェックパターンは正常に印刷されていない(但し、1回のクリーニングにより正常に印刷できる)。
B :200枚連続印字後のチェックパターンが正常に印刷されていない(但し、1回のクリーニングにより正常に印刷できる)。
評価結果は表2に示される通りであった。
Figure 0004193172

Claims (8)

  1. 変性ポリアリルアミンと、有機溶剤と、水とを含んでなり、かつ着色剤を含まず、インク組成物とともに記録媒体に付着させて用いられる、液体組成物であって、
    前記変性ポリアリルアミンが、下記式で表される繰り返し単位(a)および、(b)および/または(c)を含んでなり、
    前記繰り返し単位(a)および(b)を、前記繰り返し単位(a)、(b)、および(c)の総数に対して5〜95%含んでなるものである、液体組成物:
    Figure 0004193172
    (式中、
    は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、
    およびRは、それぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表す。)。
  2. 前記変性ポリアリルアミンの重量平均分子量が、5,000以下である、請求項に記載の液体組成物。
  3. さらにポリマー微粒子を含んでなる、請求項1または2に記載の液体組成物。
  4. 前記有機溶剤が、グリコールエーテル系化合物、アルキルジオール系化合物、および多価アルコール系化合物からなる群から選択される一種または二種以上の組合せである、請求項1〜のいずれか一項に記載の液体組成物。
  5. インクジェット記録方法に用いられる、請求項1〜のいずれか一項に記載の液体組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の液体組成物を収容した、インクカートリッジ。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の液体組成物と、
    着色剤と、水溶性有機溶剤と、水とを少なくとも含んでなるインク組成物とを備えてなる、インクセット。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の液体組成物と、請求項7に記載のインク組成物とを記録媒体に付着させて記録を行う、インクジェット記録方法。
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