以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明する。ここでは、本発明にかかる検査用シートが、空気調和機の室内機の筐体表面の汚染度評価に用いられる一実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る検査用シートの検査対象となる空気調和機を示す概略図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る検査用シートの使用状態を示す概略図である。図3は、本発明の第1実施形態に係る検査用シートのうち、作成用シートの概略図である。図4は、本発明の第1実施形態に係る検査用シートのうち、図1に示す判断用シートの概略図である。図5は、図4の判断用シートを用いた表面汚染部の目視検査における検査手順を示すフローチャートである。図6は、図4の判断用シートを用いた表面汚染部の目視検査の一実施状態示す概略図である。図7は、図4の判断用シートを用いた表面汚染部の目視検査の一実施状態示す概略図である。図8は、図4の判断用シートを用いた表面汚染部の目視検査の一実施状態示す概略図である。
本実施形態に係る検査用シート1は、図2に示すように、空気調和機の室内機(空気調和機)10の筐体10bにおける表面汚染部を目視にて検査するため、筐体10bの表面10sに重ねて用いるものである。本実施形態において検査対象となる空気調和機の室内機10は図1に示すようなものであり、冷媒配管10pを介して室外機15に接続されている。
また、検査用シート1は、二枚の透明シート1t,1tを有して構成されている(図3、図4参照)。透明シート1t,1tとしては、例えば、ガラス、セロファン等の他、ビニル、アクリル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂製のものを使用することができる。また、これらの異種材料同士を複数枚積層して透明シートを構成してもよい。
そして、二枚の透明シート1t,1tは、それぞれ、作成用シート1p、判断用シート1cとなっている(図2には、判断用シート1cのみ示している)。すなわち、検査用シート1は、作成用シート1p及び判断用シート1cを有して構成されている。以下、それぞれのシートの詳細について説明する。なお、検査用シートは、一枚又は複数枚の透明シートを有して構成されていればよく、一枚であってもよいし、三枚以上から構成されていてもよい。
(作成用シート)
作成用シート1pは、空気調和機の室内機10の筐体10bにおける表面汚染部を目視にて検査するため、筐体10bの表面10sに重ねて用いるものであり、1枚の透明シート1tを有して構成されている。そして、透明シート1tは、その表面に、複数の透過率を有する複数の領域A〜Hを有している。作成用シート1pは、親シートとして位置づけられるものであり、作成用シート1pでの予備試験に基づき、子シートとして位置づけられる判断用シート1c(後述)を作成するためのものである。
具体的には、複数の領域A〜Hのそれぞれにおいては、透過率が段階的に変化するように(図における左右方向に変化するように)なっている。作成用シート1pは、空気調和機の室内機10の筐体10bに重ねて予備試験を行なうためのものである。そして、その予備試験の結果に基づき、筐体10bの表面10sの表面状態、照明等の検査条件、不良と判断する基準明度等を考慮した上で、適切な透過率を選択する。そして、その選択した透過率に基づいて判断用シートを作成することになる。
なお、本実施形態においては、作成用シート1pを、透過率が段階的に変化する複数の領域A〜Hを有するものとしているが、作成用シートはこのようなものには限られない。また、本実施形態においては、検査用シート1が、作成用シート1p及び判断用シート1cを有して構成されているが、作成用シート1pはなくてもよい。また、作成用シート1pと判断用シート1cとは、一枚のシートであってもよい。また、本実施形態では、作成用シート1pに基づいて、一枚の判断用シート1cを作成するが、このような形態には限られず、作成用シート1pに基づいて、複数枚の判断用シートを作成してもよい。また、作成用シートの枚数は一枚には限られず、複数枚であってもよい。
(判断用シート)
判断用シート1cは、上記の作成用シート1pを用いた予備試験の結果に基づいて作成されるものであり、上記のように子シートとして位置づけられる。判断用シート1cは、空気調和機の室内機10の筐体10bにおける表面汚染部を目視にて検査するため、筐体10bの表面10sに重ねて用いるものであり、1枚の透明シート1tを有して構成されている。
また、透明シート1tは、その表面に、複数の透過率を有する複数(七つ)の領域2a〜2gを有する。具体的に説明すると、判断用シート1cは、領域2a及び2cにおける透過率T1と、領域2e及び2gにおける透過率T2と、領域2b,2d及び2fにおける透過率T3との三種類の透過率を有している。また、複数の領域2a〜2gは、それぞれが一つの透過率を有している。また、判断用シート1cにおいては、複数の領域2a〜2gにおける複数の透過率は、段階的に変化するように設定されている。すなわち、複数の透過率T1,T2は、T1>T2の関係を満たしつつ、段階的に変化するように設定されている。
また、本実施形態では、透明シート1tの表面に、複数の領域2a〜2gが印刷されているものとする。印刷については、例えば、パーソナルコンピュータを用いて作成した複数領域の画像を、パーソナルコンピュータ用のプリンタ等を用いて印刷する等が考えられる。また、透明シートに複数の領域を形成する方法としては、透明シートの表面に複数の領域を印刷する方法の他、シートと複数の領域とを一体形成するという方法が用いられてもよい。また、領域ごとに、既存の着色された透明シートを複数枚重ねることで、所定の透過率となるようにしてもよい。
本実施形態においては、複数の領域2a〜2gは、三つの透過率を有し、複数の領域2a〜2gの中には、同じ透過率を有する複数の領域(例えば、領域2a及び2c)が含まれているが、複数の領域が全体として複数の透過率を有していればよく、例えば、複数の領域の全てにおいて、それぞれの領域が異なる透過率を有していてもよい。また、本実施形態では、複数の領域2a〜2gが三つの透過率を有しているが、複数の領域が複数の透過率を有していれば良く、複数の領域が二つの透過率を有していても良く(後述する第3乃至8実施形態参照)、また、複数の領域が三つ以上の透過率を有していてもよい(後述する第2実施形態参照)。
また、複数の領域2a〜2gは、透明シート1tにおいて、表面汚染部の明度を判断するための明度判断部3と、表面汚染部の大きさを判断するための大きさ判断部4と、を形成するように配置されている。以下、それぞれについて説明する。
(明度判断部)
明度判断部3は、領域2a及び領域2gであり、それぞれの透過率は、上記のようにT1及びT2となっている。また、領域2a及び領域2gの大きさは広めに設定されており、この部分を空気調和機の室内機10の、筐体10bの表面10sに重ねて表面汚染部の明度を確認することになる。
表面汚染部の明度判断部3の領域2a,2gは、それぞれ、透過率T1,T2に関連する基準明度を有している。この基準明度は、筐体10bの表面状態(色、材質等)及び照明条件等によって定まる。そして、検査対象となる表面汚染部の明度がその基準明度よりも低ければ、その表面汚染部は、判断用シート1cの明度判断部3を透過する。一方、検査対象となる表面汚染部の明度がその基準明度よりも高ければ、その表面汚染部は、明度判断部3を透過することはない。ここで、表面汚染部がある領域を“透過する”とは、判断用シート1cをその表面汚染部に重ねたときに、判断用シート1cのその領域を通して、表面汚染部が目視にて確認されることをいう。そして、表面汚染部が目視で確認されるというのは、明度判断部3の基準明度に比べて、その表面汚染部の明度が低いということを意味し、表面汚染部の色が濃いということになる。一方、表面汚染部が目視で確認できないということは、明度判断部3の基準明度に比べて、その表面汚染部の明度が高いということを意味し、表面汚染部の色が薄いということになる。なお、本実施形態では、明度判断部3が二つの領域2a、2gを有して構成されているが、明度判断部の領域は一つのみであってもよいし、三つ以上であってもよい。
(大きさ判断部)
大きさ判断部4は、判断用領域5と、それに隣接する領域とを有して構成され、具体的には、判断用領域5は、複数の領域2a〜2gのうち二つの領域2c及び2eである(二つの領域2c及び2eのそれぞれが、判断用領域5に該当する)。また、判断用領域5に隣接する領域は、複数の領域2a〜2gのうち領域2b,2d及び2fである。ここで、判断用領域5の二つの領域2c及び2eの透過率はT1及びT2であり、これは、明度判断部3の二つの領域2a及び2gにおける透過率T1及びT2にそれぞれ対応したものとなっている。
また、大きさ判断部4においては、表面汚染部の大きさと比較するための基準長L1,L2が、それぞれに関して、判断用領域5と、判断用領域5に隣接する領域と、の境界線上における2点の間の距離として規定されている。具体的には、判断用領域5としての領域2cに関しては、領域2cと、それに隣接する領域2b及び領域2dと、の境界線上における2点間の距離として、基準長L1が規定されている。また、判断用領域5としての領域2eに関しては、領域2eと、それに隣接する領域2d及び領域2fと、の境界線上における2点間の距離として、基準長L2が規定されている。
また、大きさ判断部4においては、二つの基準長L1,L2が、段階的に変化する二つの透過率T1,T2に対応して段階的に変化するように規定されている。具体的には、上記のように透過率T1,T2の間には、T1>T2の関係が成立しており、その関係に対応して、領域2c(透過率T1)及び領域2e(透過率T2)における基準長L1,L2の間にもL1>L2の関係が成立している(図4参照)。このように、基準長が複数種類ある場合には、対応する透過率が低くなるほど基準長の長さを短く設定し、対応する透過率が高くなるほど基準長の長さを長く設定するのが望ましい。これは、表面汚染部の明度が低くなるほど、表面汚染部が小さくても外観上目立ち、表面汚染部の明度が高くなるほど、表面汚染部が大きくても外観上目立たないという発明者らの知見によるものある。
なお、上記のように、判断用シート1cにおける複数の透過率はT1,T2,T3の三種類であるが、基準長の長さの設定にはT3は関係しない。具体的に説明すると、本実施形態において、基準長の設定に関係するのは、判断用領域5の透過率(T1,T2)であり、判断用領域でない領域2b,2d,2fの透過率T3は基準長の設定には関係しない。なお、判断用領域以外の領域に関係する別の基準長が設定されても良い。
複数の領域2a〜2gは、第1領域6と、第1領域6に対して透過率が異なる第2領域7と、を有して構成されている。より詳細には、第1領域6は、領域2b,2d,2fを含んで構成され、第2領域7は、領域2c及び2eを含んで構成されている。
第2領域7は、第1領域6中に配置された二つの帯状部として形成されている。本実施形態においては、第2領域7は二つの領域2c及び2eを含み、領域2c及び2eのそれぞれが、第1領域6中に帯状部として配置されている(図4参照)。そして、本実施形態においては、判断用領域5が第2領域7であり、帯状部における基準長は、当該帯状部の幅の長さである。具体的には、二つの帯状部における基準長L1,L2は、それぞれの帯状部の幅の長さであり、さらに具体的に説明すると、基準長L1,L2は、帯状部として形成された第2領域7としての領域2c,2eのそれぞれの幅の長さとなっている(図4参照)。なお、本実施形態においては、第2領域として2つの帯状部が形成されているが、このような形態には限られない。第2領域は第1領域中に配置された単数または複数の帯状部として形成されていればよく、例えば、帯状部は1つでもよいし(後述する第3、第4実施形態参照)、3つ以上であってもよい。
判断用領域5には、三つの無着色領域が隣接しており、判断用領域5は、無着色領域よりも透過率が低い着色領域である。具体的には、判断用領域5には、三つの領域2b,2d,2fが隣接しており、且つ、領域2b,2d,2fは、無着色領域である。すなわち、第1領域6は無着色領域となっている。また、判断用領域5としての領域2c,2eは、無着色領域よりも透過率が低い着色領域となっている。
なお、本実施形態においては、二つの基準長L1,L2が、二つの透過率T1,T2に対応して段階的に変化するように規定されているが、二つの基準長が、二つの透過率に対応して段階的に変化するようなものには限られない。
なお、表面汚染部の大きさと比較するための基準長については、複数の領域のうち少なくとも一つの領域を含む判断用領域と、複数の領域のうち判断用領域に隣接する少なくとも一つの領域と、の境界線上における2点の間の距離として規定されていればよく、本実施形態のようなものには限られない(後述する他の実施形態参照)。また、本実施形態では、大きさ判断部4が、判断用領域5を有し、判断用領域が、二つの領域2c及び2eを含んで構成されているが、このようなものには限られず、判断用領域は一つの領域であってもよいし(後述する第3乃至第8実施形態参照)、三つ以上の領域を含んでいてもよい(後述する第2実施形態参照)。また、判断用領域が、複数の塊部から構成される場合に、それぞれの塊部が、二つ以上の領域を含んでいてもよい(本実施形態においては、判断用領域5が、二つの塊部(帯状部)から構成され、それぞれの塊部が一つの領域を含んでいる)。すなわち、本実施形態に係る検査シートを使って説明すると、一つの帯状部に複数の領域が含まれていてもよい。また、本実施形態においては、判断用領域5に三つの領域2b,2d,2fが隣接しているが、判断用領域に、複数の領域のうち少なくとも一つの領域が隣接していればよく、例えば、判断用領域には一つの領域のみ隣接していてもよいし(後述する第5、第6、第7実施形態参照)、二つの領域や(後述する第2、第3実施形態参照)、四つ以上の領域が隣接していてもよい。
また、本実施形態では、判断用領域5には、三つの無着色領域が隣接しているが、判断用領域には少なくとも一つの無着色領域が隣接していればよく、例えば、一つの無着色領域が隣接していてもよく(後述する第5、第7実施形態参照)また、二つの無着色領域が隣接していてもよく(後述する第2、第3実施形態参照)、四つ以上の無着色領域が隣接していてもよい。また、本実施形態においては、判断用領域5が、無着色領域よりも透過率が低い着色領域であるが、このような形態には限られず、判断用領域が無着色領域であってもよい(後述する第4,第6,第8実施形態参照)。また、判断用領域が着色領域である場合に、判断用領域に無着色領域が隣接していなくても、判断用領域に、透過率が異なる少なくとも一つの着色領域が隣接していてもよい。
(検査手順)
次に、本実施形態にかかる検査用シート1を用いた検査手順について説明する。なお、検査用シート1の構成及び以下の検査手順は、本発明に係る発明者らの知見に基づくものである。より詳細には、発明者らは、筐体表面の表面汚染部については、(表面汚染部の明度の高低にかかわらず)“大きさに関する基準”を定めることが可能であることを知見している。この基準は、表面汚染部の大きさがその基準よりも小さい場合には、その筐体を良品としてもよいというものである。そして、発明者らは、この“大きさに関する基準”は、表面汚染部の明度が高いほど(表面汚染部が薄いほど)大きく、表面汚染部の明度が低いほど(表面汚染部が濃いほど)小さくなることを知見している。
まず、作成用シート1pを空気調和機の室内機10の表面10sに重ねて予備試験を行ない、その予備試験の結果に基づいて判断用シートを作成する。本実施形態においては、予備試験の結果を受けて、図4に示す判断用シート1cが作成されたものとする。
次に、作成された判断用シート1cを用いて、空気調和機の室内機10の筐体10bの表面10sを目視にて検査する。ここでは、ある大きさ及び明度を有する表面汚染部が筐体10bの表面10sに見つかっているものとする。以下、判断用シート1cにより、空気調和機の室内機10の筐体10bについての不良品(良品)を判断する手順について、図5のフローチャートを用いて説明する。なお、以下に示す手順は、判断用シート1cを用いる検査手順の一例である。
まず、明度判断部3の領域2gにおいて表面汚染部の明度判断を行なう(ステップS101)。ここでは、表面汚染部が領域2g(透過率T2)を透過するかどうかを調べる。表面汚染部が領域2gを透過している場合には(ステップS101:YES)、空気調和機の室内機10の筐体10bは不良品となる(ステップS102)。ここで、図6の例を用いて説明すると、この表面汚染部は、表面汚染部8aのようなものである。表面汚染部8aは、領域2gを透過しており、判断用シート1cを重ねても目視にて確認することができる。この場合には、筐体10bは不良品となる。
一方、表面汚染部が領域2gを透過しない場合には(ステップS101:NO)、次に、明度判断部3の領域2aにおいて表面汚染部の明度判断を行ない、表面汚染部が領域2a(透過率T1)を透過するかどうかを調べる(ステップS103)。ここで、表面汚染部が領域2aを透過している場合には(ステップS103:YES)、次に、大きさ判断部4において、表面汚染部の大きさ判断を行なう(ステップS104)。ここで、表面汚染部の大きさが、基準長L2(大きさ判断部4の領域2e(透過率T2)の幅の長さ)よりも大きければ(ステップS104:YES)、空気調和機の室内機10の筐体10bは不良品となる(ステップS102)。図7の例を用いて説明すると、この表面汚染部は、表面汚染部8cのようなものである(図7の矢印(B)参照)。表面汚染部8cは、領域2gは透過しないが、領域2aは透過する。そして、表面汚染部8cの大きさは、大きさ判断部4の領域2e(透過率T2)の幅の長さである基準長L2よりも大きいため、筐体10bは不良品となる。
一方、表面汚染部の大きさが、基準長L2以下であれば(ステップS104:NO)、空気調和機の室内機10の筐体10bは良品となる(ステップS106)。図7の例を用いて説明すると、この表面汚染部は、表面汚染部8bのようなものである(図7の矢印(A)参照)。表面汚染部8bは、領域2gは透過しないが、領域2aは透過する。そして、表面汚染部8bの大きさは、大きさ判断部4の領域2e(透過率T2)の幅の長さである基準長L2よりも小さいため、筐体10bは良品となる。
また、領域2aにおける表面汚染部の明度判断において、表面汚染部が領域2aを透過しない場合には(ステップS103:NO)、次に、大きさ判断部4において、表面汚染部の大きさ判断を行なう(ステップS105)。ここで、表面汚染部の大きさが基準長L1(大きさ判断部4の領域2a(透過率T1)の幅の長さ)よりも大きければ(ステップS105:YES)、空気調和機の室内機10の筐体10bは不良品となる(ステップS102)。図8の例を用いて説明すると、この表面汚染部は、表面汚染部8eのようなものである(図8の矢印(D)参照)。表面汚染部8eは、領域2gを透過せず、且つ、領域2aをも透過しない。そして、表面汚染部8eの大きさは、大きさ判断部4の領域2c(透過率T1)の幅の長さである基準長L1よりも大きいため、筐体10bは不良品となる。
一方、表面汚染部の大きさが、基準長L1以下であれば(ステップS105:NO)、空気調和機の室内機10の筐体10bは良品となる(ステップS106)。図8の例を用いて説明すると、この表面汚染部は、表面汚染部8dのようなものである(図8の矢印(C)参照)。表面汚染部8dは、領域2gを透過せず、且つ、領域2aをも透過しない。そして、表面汚染部8dの大きさは、大きさ判断部4の領域2c(透過率T1)の幅の長さである基準長L1よりも小さいため、筐体10bは良品となる。
例えば、以上のようにして、表面汚染部の明度だけでなく、大きさにも着目した目視検査をすることができる。なお、この検査手順は一例であり、判断用シート1cによる検査手順は上記のようなものには限られず、別の使い方をしてもよい。また、上記の図6乃至8における表面汚染部8a〜8eは、三種類の明度B1,B2,B3を有しており、具体的には、表面汚染部8aが明度B1、表面汚染部8b及び表面汚染部8cが明度B2、表面汚染部8d及び表面汚染部8eが明度B3を有しているものとする。また、B1,B2,B3の関係は、B1<B2<B3となっているものとする。
また、大きさ判断部4における表面汚染部の大きさの判断については、表面汚染部の最大長に沿った方向と、判断用領域5における基準長の方向(基準長を規定するための2点、すなわち、判断用領域5と隣接する領域との境界線上における2点間を結ぶ方向)とが一致するように判断用シート1cを回転させた上で判断する(最大長と基準長とを比較して判断する)ことになる。これは、後述する他の実施形態においても同様である。
また、検査用シート1による目視検査の対象となる表面汚染部の種類としては、(1)筐体の成型時に、樹脂の着色に用いられる顔料等及びその他の添加剤が、熱等の影響を受けて変色したもの(2)成型時に混入したゴミ等の異物(3)筐体塗装時に静電気等によって付着したゴミ(4)塗装部分におけるピンホール(塗装時、乾燥時に発生)(5)その他の人的エラーにより付着したゴミ等、が考えられる。検査用シート1は、これらの表面汚染部の発生原因が分かっている場合には、その原因に応じて使い分けてもよい。また、判断用シートは、その発生原因別に作成してもよい。また、これらの表面汚染部の発生原因が特定できていない場合には、その発生原因の究明のために検査用シート1を使用してもよい。
また、例えば、品質保証上の要求が高い場合には、検査用シートにおいて、明度判断部の透過率を高くし(基準明度を高くし)、且つ、大きさ判断部における基準長を短くする変更を行なえばよい。また、逆に要求が低い場合には、検査用シートにおいて、明度判断部の透過率を低くし、基準長を長くする変更を行なえばよい。
[本発明の特徴]
本実施形態にかかる検査用シート1には、以下のような特徴がある。
本実施形態の検査用シート1では、空気調和機の室内機(空気調和機)10の筐体10bにおける表面汚染部を目視にて検査するため、筐体10bの表面に重ねて用いる検査用シート1であって、二枚の透明シート1t,1tを有し、透明シート1t,1tは、三つの透過率T1,T2,T3を有する複数の領域2a〜2gを備えており、複数の領域2a〜2gは、それぞれが一つの透過率を有しており、複数の領域2a〜2gは、表面汚染部の明度を判断するための明度判断部3と、表面汚染部の大きさを判断するための大きさ判断部4と、を形成するように配置されており、大きさ判断部4においては、表面汚染部の大きさと比較するための基準長L1,L2が、複数の領域2a〜2gのうち少なくとも一つの領域(領域2c,2e)を含む判断用領域5と、複数の領域2a〜2gのうち判断用領域5に隣接する少なくとも一つの領域(領域2b,2d及び2f)と、の境界線上における2点の間の距離として規定されている。このように構成された検査用シート1では、表面汚染部の明度を判断するための明度判断部3と、表面汚染部の大きさを判断するための大きさ判断部4とが形成されているので、表面汚染部の明度と大きさとの関係に着目して、両方の評価を行なうことができる。そのため、低明度で且つ小さい表面汚染部が検査において不良とならないため、空気調和機の室内機10の筐体10bの表面の汚染度が過剰に高く評価されることがない。また、大きさ判断部4においては、表面汚染部の大きさと比較するための基準長L1,L2が、判断用領域5と隣接領域との境界線上における2点の間の距離として規定されているので、検査用シート1を空気調和機の室内機10表面に重ねて、表面汚染部が判断用領域5の範囲にあるかどうかを目視にて確認することにより、表面汚染部の大きさが基準外かどうかを簡易に確認できる。以上により、空気調和機における効率的で無駄のない表面汚染度の評価が可能となる。
また、検査用シート1では、複数の領域2a〜2gにおいては、複数の透過率T1,T2が段階的に変化するように設定されており、大きさ判断部4においては、複数の基準長L1,L2が、段階的に変化する複数の透過率T1,T2に対応して段階的に変化するように規定されている。そのため、検査用シート1の複数の透過率T1,T2が段階的に設定されているので、表面汚染部の明度を、容易且つ詳細に判断できる。また、基準長L1,L2が段階的に変化する複数の透過率T1,T2に対応して段階的に規定されているので、透過率に対応させて表面汚染部の大きさを容易且つ詳細に判断できる。これにより、より良い精度で、空気調和機における良品・不良品の判断をすることができる。そのため、より効率的で無駄のない表面汚染度の評価が可能となる。
また、検査用シート1では、複数の領域2a〜2gは、第1領域6と、第1領域6に対して透過率が異なる第2領域7と、を有して構成され、第2領域7は、第1領域6中に配置された二つの帯状部として形成されており、判断用領域5は第2領域7であり、帯状部における基準長L1,L2は、帯状部の幅の長さである。そのため、簡易な構成により、効率的で無駄のない表面汚染度の評価が可能となる。
また、この検査用シート1では、判断用領域5には、三つの無着色領域が隣接し、判断用領域5は、無着色領域よりも透過率が低い着色領域である。そのため、判断用領域5の色が濃く、その周囲が無着色領域であるために、判断用領域5からはみ出した表面汚染部を容易且つ確実に確認できる。
(第2実施形態)
次に、本発明にかかる検査用シートの第2実施形態について、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分についてはその説明を省略する。図9は、本発明の第2実施形態に係る検査用シートを示す概略図である。
本実施形態にかかる検査用シート101の判断用シート101cは、領域102a〜102qの十七の領域を有して構成されている。そして、複数の領域102a〜102qは、六つの透過率T101〜T106を有している。より詳細には、複数の領域102a〜102qのうち、領域102a、102g、102mの透過率はT101と、領域102b、102h、102nの透過率はT102と、領域102c、102i、102oの透過率はT103と、領域102d、102j、102qの透過率はT104と、領域102e、102k、102qの透過率はT105と、領域102f,102lの透過率はT106となっている。
そして、複数の領域102a〜102qにおいては、複数の透過率が段階的に変化するように設定されている。すなわち、六つの透過率T101〜T106のうち、五つの透過率T101〜T105は、T101>T102>T103>T104>T105の関係を満たしており、段階的に変化するように設定されている。
また、明度判断部103は、領域102a〜102e、102m〜102qを有して構成され、大きさ判断部104は、領域102f〜102lを有して構成されている。
また、判断用領域105は、五つの領域102g〜102kである。また、判断用領域105には、二つの無着色領域102f,102lが隣接している。また、判断用領域105が第2領域107となっている。そして、第1領域106は無着色領域であり、判断用領域105(第2領域107)は着色領域である。また、第2領域107は、第1領域106に対して透過率が異なる。
そして、大きさ判断部104における五つの基準長L101〜L105は、判断用領域105における領域102g〜102kのそれぞれと、隣接する領域102f、102lとの境界線上における2点間の距離として、それぞれ規定されている。そして、五つの基準長L101〜L105は、段階的に変化する五つの透過率T101〜T105に対応して、段階的に変化するように規定されている。具体的には、段階的に変化する五つの透過率T101〜T105の、T101>T102>T103>T104>T105の関係に対応して、五つの基準長L101〜L105は、段階的に変化するように規定されており、五つの基準長L101〜L105については、L101>L102>L103>L104>L105の関係が成立している。
上記のように、本実施形態にかかる検査用シート101では、複数の領域102a〜102qにおいては、複数の透過率T101〜T105が段階的に変化するように設定されており、大きさ判断部104においては、複数の基準長L101〜L105が、段階的に変化する複数の透過率T101〜T105に対応して段階的に変化するように規定されている。そのため、検査用シート101の複数の透過率T101〜T105が段階的に設定されているので、表面汚染部の明度を、容易且つ詳細に判断できる。また、基準長L101〜L105が段階的に変化する複数の透過率T101〜T105に対応して段階的に規定されているので、透過率に対応させて表面汚染部の大きさを容易且つ詳細に判断できる。これにより、さらにより良い精度で、空気調和機における良品・不良品の判断をすることができる。そのため、より効率的で無駄のない表面汚染度の評価が可能となる。
このように、シートの透過率の種類を多くすることで、より詳細な汚染度の判断が可能となる。また、この検査用シート101の使用方法は、例えば、上記の第1実施形態にかかる検査用シート1の使用方法に準ずるものとなる。また、明度判断部103としては、領域102a〜102eを使用してもよいし、領域102m〜102qを使用してもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明にかかる検査用シートの第3実施形態について、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分についてはその説明を省略する。図10は、本発明の第3実施形態に係る検査用シートを示す概略図である。
本実施形態にかかる検査用シート201の判断用シート201cは、領域202a〜202eの五つの領域を有して構成されている。また、五つの領域202a〜202eは、二つの透過率T201,T202を有している。具体的には、領域202a,202c,202eの透過率がT201であり、領域202b,202dの透過率がT202となっている。
また、明度判断部203は、領域202a,202eを有して構成され、大きさ判断部204は、領域202b〜202dを有して構成されている。また、判断用領域205は、領域202cである。また、判断用領域205には、二つの無着色領域202b,202dが隣接している。また、判断用領域205が第2領域207となっている。そして、第1領域206は無着色領域であり、判断用領域205(第2領域207)は着色領域である。そして、大きさ判断部204における基準長L201は、判断用領域205における領域202cと、隣接する領域202b,202dとの境界線上における2点間の距離として規定されている。また、第2領域207は、第1領域206中に配置された一つの帯状部として形成されていおり、帯状部における基準長L201は、帯状部の幅の長さである。また、第2領域207は、第1領域206に対して透過率が異なる。
判断用シート201cの使用方法について説明する。まず、明度判断部203(領域202a,202e)において、表面汚染部の明度を判断する。そして、表面汚染部が明度判断部203を透過した場合には検査対象の筐体10bは不良品となる。表面汚染部が明度判断部203を透過しない場合であっても、大きさ判断部204において、表面汚染部の大きさがL201以上であれば、筐体10bは不良品となる。表面汚染部が明度判断部203を透過しない場合であって、且つ、大きさ判断部204において、表面汚染部の大きさがL201以下であれば筐体10bは良品となる。検査用シートの透過率はこのように二種類のみであってもよく、このような検査用シートを用いることによっても、表面汚染部の明度だけでなく大きさも検査することができるので、簡易な構成により、空気調和機における効率的で無駄のない表面汚染度の評価が可能となる。また、明度判断部203としては、領域202aを使用してもよいし、領域202eを使用してもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明にかかる検査用シートの第4実施形態について、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分についてはその説明を省略する。図11は、本発明の第4実施形態に係る検査用シートを示す概略図である。図11には、表面汚染部の一例として、表面汚染部8fを示している。
本実施形態にかかる検査用シート301の判断用シート301cは、領域302a〜302cの三つの領域を有して構成されている。また、三つの領域302a〜302cは、二つの透過率T301,T302を有している。具体的には、領域302a,302cの透過率がT301であり、領域302bの透過率がT302となっている。
また、明度判断部303は、領域302a,302cを有して構成され、大きさ判断部304は、領域302a、302cの一部、及び、302bを有して構成されている。また、判断用領域305は、領域302bである。判断用領域305が第2領域307となっている。また、判断用領域305(第2領域307)は無着色領域であり、二つの着色領域302a,302cが隣接している。また、第1領域306は着色領域である。そして、大きさ判断部304における基準長L301は、判断用領域305における領域302bと、隣接する領域302a,302cとの境界線上における2点間の距離として規定されている。また、第2領域307は、第1領域306中に配置された一つの帯状部として形成されており、帯状部における基準長L301は、帯状部の幅の長さである。また、第2領域307は、第1領域306に対して透過率が異なる。
上記の判断用シートでは、表面汚染部が大きさ判断部の判断領域内に入りきらず、判断領域からはみ出している部分が見えているときに、表面汚染部が基準長よりも大きいと判断されるが、本実施形態に係る判断用シート301cでは、大きさ判断部304において、判断領域305内に表面汚染部が入りきらない場合に、表面汚染部の大きさが基準長L301よりも大きいと判断される。このような検査用シートを用いることによっても、簡易な構成により、空気調和機における効率的で無駄のない表面汚染度の評価が可能となる。また、この検査用シート301の使用方法は、上記の方法の他、例えば、上記の第1実施形態にかかる検査用シート1の使用方法に準ずるものとなる。一例として、表面汚染部8fは、領域302a、302gを透過しないが(図11では、説明のため、本来は見えない表面汚染部8fの輪郭を示している)、表面汚染部8fの大きさは、大きさ判断部304の領域302bの幅の長さである基準長L301よりも大きい(判断用領域305内に入りきらない)ため、筐体10bは不良品となる。なお、明度判断部303としては、領域302aを使用してもよいし、領域302cを使用してもよい。
(第5実施形態)
次に、本発明にかかる検査用シートの第5実施形態について、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分についてはその説明を省略する。図12は、本発明の第5実施形態に係る検査用シートを示す概略図である。
本実施形態にかかる検査用シート401の判断用シート401cは、領域402a〜402dの四つの領域を有して構成されている。また、四つの領域402a〜402dは、二つの透過率T401,T402を有している。具体的には、領域402a,402c,402dの透過率がT401であり、領域402bの透過率がT402となっている。
また、判断用シート401cにおける四つの領域は、第1領域406(領域402b)と、第1領域406に対して透過率が異なる第2領域407(領域402d)と、を有して構成され、第2領域407は、第1領域406中に配置された一つの円形状の島状部として形成されている。なお、本実施形態においては、島状部の形状が円形状となっているが、島状部の形状は円形状以外であってもよい。また、本実施形態においては、島状部は一つであるが、第2領域は、第1領域中に配置された単数または複数の島状部として形成されていればよく、二つであってもよいし(後述する第9実施形態参照)、三つ以上であってもよい。
また、明度判断部403は、領域402a、402cを有して構成され、大きさ判断部404は、領域402b,402dを有して構成されている。また、判断用領域405は領域402dであり、判断用領域405が第2領域407となっている。また、判断用領域405(第2領域407)は着色領域であり、一つの無着色領域402bが隣接している。また、第1領域406は無着色領域である。そして、大きさ判断部404における基準長L401は、判断用領域405における領域402dと、隣接する領域402bとの境界線上における2点間の距離として規定されている。また、島状部における基準長L401は、島状部の径の長さである。判断用シートは、このように構成されていてもよい。
上記のように、検査用シート401では、複数の領域402a〜402dは、第1領域406と、第1領域406に対して透過率が異なる第2領域407と、を有して構成され、第2領域407は、第1領域406中に配置された単数の島状部として形成されており、判断用領域405は第2領域407であり、島状部における基準長L401は島状部の径の長さである。そのため、簡易な構成により、効率的で無駄のない表面汚染度の評価が可能となる。また、この検査用シート401の使用方法は、例えば、上記の第1実施形態にかかる検査用シート1の使用方法に準ずるものとなる。また、明度判断部403としては、領域402aを使用してもよいし、領域402cを使用してもよい。
(第6実施形態)
次に、本発明にかかる検査用シートの第6実施形態について、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分についてはその説明を省略する。図13は、本発明の第6実施形態に係る検査用シートを示す概略図である。
本実施形態にかかる検査用シート501の判断用シート501cは、領域502a,502bの二つの領域を有して構成されている。また、二つの領域502a,502bは、二つの透過率T501,T502を有している。具体的には、領域502aの透過率がT501であり、領域502bの透過率がT502となっている。
また、判断用シート501cにおける二つの領域は、第1領域506(領域502a)と、第1領域506に対して透過率が異なる第2領域507(領域502b)と、を有して構成され、第2領域507は、第1領域506中に配置された一つの円形状の島状部として形成されている。また、判断用領域505は第2領域507であり、島状部における基準長L501は島状部の径の長さである。また、第2領域507は、第1領域506に対して透過率が異なる。
また、明度判断部503は領域502aであり、大きさ判断部504は、領域502a,502bを有して構成されている。また、判断用領域505は無着色領域であり、一つの着色領域502aが隣接している。判断用シートは、このように構成されていてもよい。また、この検査用シート301の使用方法は、例えば、上記の第1実施形態にかかる検査用シート1、第5実施形態にかかる検査用シート401の使用方法に準ずるものとなる。
(第7実施形態)
次に、本発明にかかる検査用シートの第7実施形態について、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分についてはその説明を省略する。図14は、本発明の第7実施形態に係る検査用シートを示す概略図である。
本実施形態にかかる検査用シート601の判断用シート601cは、領域602a〜602dの四つの領域を有して構成されている。また、四つの領域602a〜602dは、二つの透過率T601,T602を有している。具体的には、領域602a,602c,602dの透過率がT601であり、領域602bの透過率がT602となっている。
四つの領域602a〜602dは、第1領域606と、第1領域606に対して透過率が異なる第2領域607と、を有して構成されている。また、第2領域607は、対向する直線状の二辺611a,611bを有して形成された、一つの第3領域608を含んでいる。そして、第2領域607における一つの第3領域608は、二辺611a,611bが交わるように形成されている。また、第2領域607における一つの第3領域608は、二辺611a,611bの内側において第1領域606と隣接している。なお、本実施形態においては、第2領域607は、二辺611a,611bが交わるように形成されているが、このようなものには限られず、二辺が交わらないが、二辺の延長線が交わるように形成されているものであってもよい。また、本実施形態では、第2領域607が一つの第3領域608を含んでいるが、第2領域は単数または複数の第3領域を含んでいればよく、二つ以上の第3領域を含んでいてもよい。
また、明度判断部603は、領域602a、602cを有して構成され、大きさ判断部604は、領域602b,602dを有して構成されている。また、判断用領域605が第2領域607となっており、判断用領域605は領域602dである。また、判断用領域605(第2領域607)は着色領域であり、一つの無着色領域602bが隣接している。また、第1領域606は無着色領域である。また、第2領域607は、第1領域606に対して透過率が異なる。そして、大きさ判断部604における基準長L601は、判断用領域605における領域602dと、隣接する領域602bとの境界線上における2点間の距離として規定されている。具体的には、第3領域608における基準長L601は、第3領域608の所定位置における二辺611a,611bの間の長さである。本実施形態では、ここでの所定位置を図の基準線612の位置としているが、これは、図の左右方向について、任意の位置に定めることができる。判断用シートは、このように構成されていてもよい。
判断用シート601cにおいては、基準長L601よりも最大長が小さい表面汚染部、すなわち、表面汚染部の最大長方向を基準線612の方向に合わせたときに、表面汚染部の最大長が基準長L601よりも小さくなるような表面汚染部は良品と判断される。また、基準長L601よりも最大長が大きい表面汚染部、すなわち、表面汚染部の最大長方向を基準線612の方向に合わせたときに、表面汚染部の最大長が基準長L601よりも大きくなるような表面汚染部は、不良品と判断される。
上記のように、この検査用シート601では、複数の領域602a〜602dは、第1領域606と、第1領域606に対して透過率が異なる第2領域と、を有して構成され、前記第2領域は、対向する直線状の二辺611a,611bを有して形成された単数の第3領域608を含み、第2領域607における一つの第3領域608は、二辺611aが交わるように形成された、且つ、二辺611aの内側において第1領域606と隣接しており、判断用領域605は第2領域607であり、第3領域608における基準長L601は、第3領域608の所定位置における二辺611aの間の長さである。そのため、簡易な構成により、効率的で無駄のない表面汚染度の評価が可能となる。また、判断用領域605の形状を変更せずに、基準長L601の長さを柔軟に変更することができる。また、この検査用シート601の使用方法は、上記の方法の他、例えば、上記の第1実施形態にかかる検査用シート1の使用方法に準ずるものとなる。また、明度判断部603としては、領域602aを使用してもよいし、領域602cを使用してもよい。
(第8実施形態)
次に、本発明にかかる検査用シートの第8実施形態について、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分についてはその説明を省略する。図15は、本発明の第8実施形態に係る検査用シートを示す概略図である。
本実施形態にかかる検査用シート701の判断用シート701cは、領域702a,702bの二つの領域を有して構成されている。また、二つの領域702a,702bは、二つの透過率T701,T702を有している。具体的には、領域702aの透過率がT701であり、領域702bの透過率がT702となっている。
また、二つの領域702a,702bは、第1領域706と、第1領域706に対して透過率が異なる第2領域707と、を有して構成されている。また、第2領域707は、対向する直線状の二辺711a,711bを有して三角形に形成された、一つの第3領域708を含んでいる。そして、第2領域707における一つの第3領域708は、二辺711a,711bが交わるように形成され、且つ、二辺711a,711bの外側において第1領域706と隣接している。そして、判断用領域705は第2領域707であり、第3領域708における基準長L701は、第3領域708の所定位置(図の基準線712の位置)における二辺711a,711bの間の長さである。また、第2領域707は、第1領域706に対して透過率が異なる。なお、第2領域は、二つ以上の第3領域を含んでいてもよい(例えば、後述する第12実施形態参照)。
また、明度判断部703は、領域702aであり、大きさ判断部704は、領域702a,702bを有して構成されている。また、判断用領域705は領無着色領域であり、一つの着色領域702aが隣接している。判断用シートは、このように構成されていてもよい。また、この検査用シート701の使用方法は、例えば、上記の第1実施形態にかかる検査用シート1、第7実施形態に係る検査用シート601の使用方法に準ずるものとなる。
(第9実施形態)
次に、本発明にかかる検査用シートの第9実施形態について、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分についてはその説明を省略する。図16は、本発明の第9実施形態に係る検査用シートを示す概略図である。
本実施形態にかかる検査用シート801の判断用シート801cは、領域802a〜802eの五つの領域を有して構成されている。また、五つの領域802a〜802eは、三つの透過率T801,T802,T803を有している。具体的には、領域802c,802dの透過率がT801であり、領域802a,802eの透過率がT802であり、領域802bの透過率がT803となっている。また、複数の透過率T801,T802は、T801>T802の関係を満たしつつ、段階的に変化するように設定されている。
また、判断用シート801cにおける五つの領域は、第1領域806(領域802b)と、第1領域806に対して透過率が異なる第2領域807(領域802d及び領域802e)と、を有して構成され、第2領域807は、第1領域806中に配置された二つの円形状の島状部として形成されている。
また、明度判断部803は、領域802a、802cであり、大きさ判断部804は、領域802b,802d,802eを有して構成されている。また、判断用領域805が第2領域807となっており、判断用領域805は、領域802d及び領域802eである。また、判断用領域805は着色領域であり、一つの無着色領域802bが隣接している。また、第1領域806は無着色領域であり、大きさ判断部804における基準長L801,L802は、判断用領域805と、判断用領域805に隣接する領域と、の境界線上における2点間の距離として規定されている。具体的には、判断用領域805としての領域802dに関しては、領域802dと、それに隣接する領域802bと、の境界線上における2点間の距離として、基準長L801が規定されている。また、判断用領域805としての領域802eに関しては、領域802eと、それに隣接する領域802bと、の境界線上における2点間の距離として、基準長L802が規定されている。
また、島状部における基準長は当該島状部の径の長さである。具体的には、二つの島状部における基準長L801,L802は、それぞれの島状部の径の長さであり、さらに具体的に説明すると、基準長L801,L802は、島状部として形成された第2領域807としての領域802d,802eのそれぞれの径の長さとなっている。なお、本実施形態においては、島状部の形状が円形状となっているが、島状部の形状は円形状以外であってもよい。
また、大きさ判断部804においては、二つの基準長L801,L802が、段階的に変化する二つの透過率T801,T802に対応して変化するように規定されている。具体的には、上記のように透過率T801,T802の間には、T801>T802の関係が成立しており、その関係に対応して、領域802d(透過率T801)及び領域802e(透過率T802)における基準長L801,L802の間にもL801>L802の関係が成立している。これにより、より良い精度で、空気調和機における良品・不良品の判断をすることができ、より効率的で無駄のない表面汚染度の評価が可能となる。判断用シートは、このように構成されていてもよい。
上記のように、検査用シート801では、複数の領域802a〜802eは、第1領域806と、第1領域806に対して透過率が異なる第2領域807と、を有して構成され、第2領域807は、第1領域806中に配置された二つの島状部として形成されており、判断用領域805は第2領域807であり、島状部における基準長L801,L802は、島状部の径の長さである。そのため、簡易な構成により、効率的で無駄のない表面汚染度の評価が可能となる。また、この検査用シート801の使用方法は、例えば、上記の第1実施形態にかかる検査用シート1の使用方法に準ずるものとなる。また、明度判断部803としては、領域802aを使用してもよいし、領域802cを使用してもよい。
(第10実施形態)
次に、本発明にかかる検査用シートの第10実施形態について、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分についてはその説明を省略する。図17は、本発明の第10実施形態に係る検査用シートを示す概略図である。
本実施形態にかかる検査用シート901の判断用シート901cは、領域902a〜902oの十五の領域を有して構成されている。そして、複数の領域902a〜902oは、一対の領域からなる領域対を複数有している。具体的には、複数の領域902a〜902oには、五つの領域対が含まれ、これらの領域対は、それぞれ、一対の領域902a,902k、一対の領域902b,902l、一対の領域902c,902m、一対の領域902d,902n、及び、一対の領域902e、902oからなる。そして、複数の領域対のそれぞれにおいて、一対の領域(例えば、一対の領域902a,902k)の透過率は同一である。なお、本実施形態においては、五つの領域対が含まれているが、複数の領域対であればよく、領域対の数は五つ以外であってもよい。
そして、複数の領域対においては、複数の透過率が段階的に変化するように設定されている。具体的には、複数の領域902a〜902oは、六つの透過率T901〜T906を有している。より詳細には、複数の領域902a〜902oのうち、一対の領域902a,902kからなる領域対の透過率はT901と、一対の領域902b,902lからなる領域対の透過率はT902と、一対の領域902c,902mからなる領域対の透過率はT903と、一対の領域902d,902nからなる領域対の透過率はT904と、一対の領域902e、902oからなる領域対の透過率はT905となっている。また、領域902f〜902jの透過率はT906となっている。そして、複数の領域対においては、五つの透過率T901〜T905は、T901>T902>T903>T904>T905の関係を満たしており、段階的に変化するように設定されている。
また、明度判断部903は、領域902a〜902e、902k〜902oを有して構成され、大きさ判断部904は、領域902a〜902e、902k〜902oの一部と、領域902f〜902jとを含んで構成されている。
また、判断用領域905は、領域902f〜902jであり、無着色領域である。また、判断用領域905には、着色領域である領域902a〜902e、902k〜902oが隣接している。そして、複数の領域対のそれぞれにおいて、判断用領域905は、一対の領域(例えば、左端の領域対における一対の領域902a,902k)の間に挟まれつつ、一対の領域に隣接している。また、判断用領域905における透過率T906は、当該領域対における透過率(T901〜T905のそれぞれ)とは異なる。
そして、大きさ判断部904における五つの基準長L901〜L905は、判断用領域905における領域902f〜902jと、隣接する領域902a〜902e、902k〜902oのそれぞれとの境界線上における2点間の距離として、それぞれが規定されている。そして、五つの基準長L901〜L905は、段階的に変化する五つの透過率T901〜T905に対応して、段階的に変化するように規定されている。具体的には、段階的に変化する五つの透過率T901〜T905の、T901>T902>T903>T904>T905の関係に対応して、五つの基準長L901〜L905は、段階的に変化するように規定されており、五つの基準長L901〜L905については、L901>L902>L903>L904>L905の関係が成立している。
検査用シートはこのように構成されていてもよい。このように、シートの透過率の種類を多くすることで、より詳細な汚染度の判断が可能となる。また、この検査用シート901の使用方法は、例えば、上記の第1実施形態にかかる検査用シート1の使用方法に準ずるものとなる。また、明度判断部903としては、領域902a〜902eを使用してもよいし、領域902g〜902kを使用してもよい。
上記のように、検査用シート901では、複数の領域901a〜901oは、一対の領域からなる領域対を複数有しており、複数の領域対のそれぞれにおいて、一対の領域の透過率は同一であり、複数の領域対においては、複数の透過率T901〜T905が段階的に変化するように設定されており、複数の領域対のそれぞれにおいて、判断用領域905は、一対の領域の間に挟まれつつ一対の領域に隣接し、且つ、判断用領域905における透過率T906は、当該領域対における透過率T901〜T905とは異なり、大きさ判断部904においては、複数の基準長L901〜L905が、段階的に変化する複数の透過率T901〜T905に対応して段階的に変化するように規定されている。そのため、検査用シートの複数の透過率が段階的に設定されているので、表面汚染部の明度を、容易且つ詳細に判断できる。また、基準長が、段階的に変化する複数の透過率に対応して段階的に規定されているので、透過率に対応させて表面汚染部の大きさを容易且つ詳細に判断できる。これにより、より良い精度で、空気調和機における良品・不良品の判断をすることができる。そのため、より効率的で無駄のない表面汚染度の評価が可能となる。
また、判断用領域905は無着色領域である。そのため、判断用領域が無着色領域であり、その周囲が着色領域となるために、判断用領域からはみ出してしまう表面汚染部を容易且つ確実に確認できる。
(第11実施形態)
次に、本発明にかかる検査用シートの第11実施形態について、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分についてはその説明を省略する。図18は、本発明の第11実施形態に係る検査用シートを示す概略図である。
本実施形態にかかる検査用シート1001の判断用シート1001cは、領域1002a〜1002dの四つの領域を有して構成されている。また、四つの領域1002a〜1002dは、三つの透過率T1001,T1002,T1003を有している。具体的には、領域1002aの透過率がT1001であり、領域1002cの透過率がT1002であり、領域1002b、1002dの透過率がT1003となっている。
また、判断用シート1001cにおける四つの領域は、二つの第4領域1006,1006(領域1002a及び領域1002c)と、二つの第5領域1007,1007(領域1002b及び領域1002d)と、を有して構成されている。そして、複数の第5領域1007,1007のそれぞれ(領域1002b、領域1002d)は、二つの第4領域1006,1006のそれぞれ(領域1002a、領域1002c)において、円形状の島状部として配置されている。そして、上記からいえるように、二つの第4領域1006,1006のそれぞれにおいて、当該第4領域1006(例えば、領域1002a)に配置された第5領域1007(例えば、領域1002b)は、当該第4領域1006に対して透過率が異なる。そして、二つの第4領域1006,1006においては、複数の透過率T1001,T1002が、T1001>T1002の関係を満たしつつ、段階的に変化するように設定されている。
また、明度判断部1003は、領域1002a、1002cであり、大きさ判断部1004は、領域1002b及び1002d,並びに、領域1002a及び1002cの一部、を有して構成されている。大きさ判断部1004において、判断用領域1005は二つの第5領域1007,1007(領域1002b及び領域1002d)である。
また、判断用領域1005は無着色領域であり、二つの着色領域1002a,1002cが隣接している。また、二つの第4領域1006,1006は着色領域であり、大きさ判断部1004における基準長L1001,L1002は、判断用領域1005と、判断用領域1005に隣接する領域と、の境界線上における2点間の距離として規定されている。具体的には、判断用領域1005としての領域1002bに関しては、領域1002bと、それに隣接する領域1002aと、の境界線上における2点間の距離として、基準長L1001が規定されている。また、判断用領域1005としての領域1002dに関しては、領域1002dと、それに隣接する領域1002cと、の境界線上における2点間の距離として、基準長L1002が規定されている。
そして、島状部における基準長は、当該島状部の径の長さである。具体的には、二つの島状部における基準長L1001,L1002は、それぞれの島状部の径の長さであり、さらに具体的に説明すると、基準長L1001,L1002は、島状部として形成された二つの第5領域1007,1007としての領域1002b,1002dのそれぞれの径の長さとなっている。なお、本実施形態においては、島状部の形状が円形状となっているが、島状部の形状は円形状以外であってもよい。
また、大きさ判断部1004においては、二つの基準長L1001,L1002が、段階的に変化する二つの透過率T1001,T1002に対応して変化するように規定されている。具体的には、上記のように透過率T1001,T1002の間には、T1001>T1002の関係が成立しており、その関係に対応して、領域1002b及び領域1002dにおける基準長L1001,L1002の間にもL1001>L1002の関係が成立している。これにより、より良い精度で、空気調和機における良品・不良品の判断をすることができ、より効率的で無駄のない表面汚染度の評価が可能となる。判断用シートは、このように構成されていてもよく、簡易な構成により、効率的で無駄のない表面汚染度の評価が可能となる。また、この検査用シート1001の使用方法は、例えば、上記の第1実施形態にかかる検査用シート1の使用方法に準ずるものとなる。
上記のように、検査用シート1001では、複数の領域1002a〜1002dは、複数の第4領域1006と、複数の第5領域1007と、を有して構成され、複数の第5領域1007のそれぞれは、複数の第4領域1006のそれぞれにおいて島状部として配置され、複数の第4領域1006のそれぞれにおいて、当該第4領域1006に配置された第5領域1007は、当該第4領域1006に対して透過率が異なり、複数の第4領域1006においては、複数の透過率T1001,T1002が段階的に変化するように設定されており、判断用領域1005は複数の第5領域1007であり、島状部における基準長L1001,L1002は、当該島状部の径の長さであり、大きさ判断部においては、複数の基準長L1001,L1002が、段階的に変化する複数の透過率T1001,T1002に対応して段階的に変化するように規定されている。そのため、検査用シートの複数の透過率が段階的に設定されているので、表面汚染部の明度を、容易且つ詳細に判断できる。また、基準長が、段階的に変化する複数の透過率に対応して段階的に規定されているので、透過率に対応させて表面汚染部の大きさを容易且つ詳細に判断できる。これにより、より良い精度で、空気調和機における良品・不良品の判断をすることができる。そのため、より効率的で無駄のない表面汚染度の評価が可能となる。また、検査シートの構成が簡易なものとなる。
また、判断用領域1005は無着色領域である。そのため、判断用領域が無着色領域であり、その周囲が着色領域となるために、判断用領域からはみ出してしまう表面汚染部を容易且つ確実に確認できる。
なお、本実施形態では、第4領域、及び、第5領域が、それぞれ二つ形成されているが、これらは複数形成されていればよく、第4領域、第5領域の数は、それぞれ二つ以上であってもよい。
(第12実施形態)
次に、本発明にかかる検査用シートの第12実施形態について、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分についてはその説明を省略する。図19は、本発明の第12実施形態に係る検査用シートを示す概略図である。
本実施形態にかかる検査用シート1101の判断用シート1101cは、領域1102a〜1102dの四つの領域を有して構成されている。また、四つの領域1102a〜1102dは、三つの透過率T1101,T1102,T1103を有している。具体的には、領域1102aの透過率がT1101であり、領域1102cの透過率がT1102であり、領域1102b、1102dの透過率がT1103となっている。
また、判断用シート1101cにおける四つの領域は、二つの第4領域1106,1106(領域1102a及び領域1102c)と、二つの第5領域1107,1107(領域1102b及び領域1102d)と、を有して構成されている。そして、複数の第5領域1007,1007のそれぞれ(領域1102b、領域1102d)は、二つの第4領域1106,1106のそれぞれ(領域1102a、1102c)に配置されている。
複数の第5領域1107,1107のそれぞれは、対抗する直線状の二辺1111a及び1111b(又は、1111c及び1111d)を有して三角形に形成されている。そして、上記からいえるように、二つの第4領域1106,1106のそれぞれにおいて、当該第4領域1106(例えば、領域1102a)に配置された第5領域1107(例えば、領域1102b)は、当該第4領域1106に対して透過率が異なる。また、二つの第4領域1106,1106においては、複数の透過率T1101,T1102は、T1101>T1102の関係を満たしつつ、段階的に変化するように設定されている。
そして、二つの第5領域1107のそれぞれは、二辺1111a及び1111b(又は、二辺1111c及び1111d)が交わるように形成され、且つ、それぞれ、二辺1111a及び1111b(又は、1111c及び1111d)の外側において、第4領域1106と隣接している。
また、明度判断部1103は、領域1102a、1102cであり、大きさ判断部1104は、領域1102b及び1102d,並びに、領域1102a及び1102cの一部、を有して構成されている。また、判断用領域1105は二つの第5領域1107,1107(領域1102b及び領域1102d)である。
また、判断用領域1105は無着色領域であり、二つの着色領域1102a、1102cが隣接している。また、二つの第4領域1106,1106は着色領域であり、大きさ判断部1104における基準長L1101,L1102は、判断用領域1105と、判断用領域1105に隣接する領域と、の境界線上における2点間の距離として規定されている。具体的には、第5領域1107における基準長L1101は、第5領域1107(領域1102b)の所定位置(図の基準線1112aの位置)における二辺1111a,1111bの間の長さである。また、第5領域1107における基準長L1102は、第5領域1107(領域1102d)の所定位置(図の基準線1112bの位置)における二辺1111c,1111dの間の長さである。
また、大きさ判断部1104においては、二つの基準長L1101,L1102が、段階的に変化する二つの透過率T1101,T1102に対応して変化するように規定されている。具体的には、上記のように透過率T1101,T1102の間には、T1101>T1102の関係が成立しており、その関係に対応して、領域1102b及び領域1102dにおける基準長L1101,L1102の間にもL1101>L1102の関係が成立している。これにより、より良い精度で、空気調和機における良品・不良品の判断をすることができ、より効率的で無駄のない表面汚染度の評価が可能となる。判断用シートは、このように構成されていてもよく、簡易な構成により、効率的で無駄のない表面汚染度の評価が可能となる。また、この検査用シート1101の使用方法は、例えば、上記の第1実施形態にかかる検査用シート1の使用方法に準ずるものとなる。
上記のように、検査用シート1101では、複数の領域1102a〜1102dは、複数の第4領域1106と、複数の第5領域1107と、を有して構成され、複数の第5領域1107のそれぞれは、対向する直線状の二辺1111a及び1111b(又は、1111c及び1111d)を有して形成されており、且つ、複数の第4領域1106のそれぞれに配置され、複数の第4領域1106のそれぞれにおいて、当該第4領域1106に配置された第5領域1107は、当該第4領域1106に対して透過率が異なり、複数の第4領域1106においては、複数の透過率T1101,T1102が段階的に変化するように設定されており、判断用領域1105は複数の第5領域1107であり、複数の第5領域1107のそれぞれは、二辺1111a及び1111b(又は、1111c及び1111d)が交わるように形成され、且つ、二辺1111a及び1111b(又は、1111c及び1111d)の外側において第4領域1106と隣接しており、第5領域1107における基準長L1101,L1102は、当該第5領域1107の所定位置における二辺1111a及び1111b(又は、1111c及び1111d)の間の長さであり、大きさ判断部1104においては、複数の基準長L1101,L1102が、段階的に変化する複数の透過率T1101,T1102に対応して段階的に変化するように規定されている。
そのため、検査用シートの複数の透過率が段階的に設定されているので、表面汚染部の明度を、容易且つ詳細に判断できる。また、基準長が、段階的に変化する複数の透過率に対応して段階的に規定されているので、透過率に対応させて表面汚染部の大きさを容易且つ詳細に判断できる。これにより、より良い精度で、空気調和機における良品・不良品の判断をすることができる。そのため、より効率的で無駄のない表面汚染度の評価が可能となる。また、検査シートの構成が簡易なものとなる。また、判断用領域の形状を変更せずに、基準長の長さを柔軟に変更することができる。
また、判断用領域1105は無着色領域である。そのため、判断用領域が無着色領域であり、その周囲が着色領域となるために、判断用領域からはみ出してしまう表面汚染部を容易且つ確実に確認できる。
なお、本実施形態では、第4領域、及び、第5領域が、それぞれ二つ形成されているが、これらは複数形成されていればよく、第4領域、第5領域の数は、それぞれ二つ以上であってもよい。また、本実施形態においては、第5領域は、二辺が交わるように形成されているが、このようなものには限られず、二辺が交わらないが、二辺の延長線が交わるように形成されているものであってもよい。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記の実施形態では、検査用シートを、空気調和機の室内機の筐体表面の汚染度評価に使用するものとして説明しているが、本発明にかかる検査用シートは、室内機だけでなく、空気調和機の室外機の筐体表面の汚染度評価に使用されてもよい。
上記のように、空気調和機(特に、空気調和機の室内機)の筐体に関しては、表面洗浄度に対する要求が高く、本発明に係る検査用シートを空気調和機に適用することで、筐体表面の表面汚染度に関して、効率的で無駄の無い評価が可能となる。なお、本発明にかかる検査用シートは、空気調和機の他、他の家庭用電化製品の筐体(筐体表面についての表面汚染度の評価を要する、塗装品、プラスチック成型品など)に適用することもできる。
また、判断用領域の形状は、上記のようなものには限られず、例えば、四角形、五角形等であってもよい。