JP4192522B2 - 蓄熱システム - Google Patents

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JP4192522B2 JP2002232866A JP2002232866A JP4192522B2 JP 4192522 B2 JP4192522 B2 JP 4192522B2 JP 2002232866 A JP2002232866 A JP 2002232866A JP 2002232866 A JP2002232866 A JP 2002232866A JP 4192522 B2 JP4192522 B2 JP 4192522B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などに搭載される内燃機関において、蓄熱装置内に熱媒体を貯留することによって蓄熱する蓄熱システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車などに搭載される内燃機関では、冷間時の始動性、燃焼安定性、排気エミッション、或いは室内暖房性能などの向上を目的として、蓄熱装置を備えた内燃機関が提案されている。
【0003】
このような蓄熱装置を備えた内燃機関として、例えば、特開平8−93471号公報に記載されているような車両用冷却水温度制御システムが開示されている。この車両用冷却水温度制御システムは、内部を冷却水が流れる水冷式エンジンと、内部に所定量の冷却水を貯留して保温することができる保温容器と、前記エンジンと前記保温容器とを環状に連絡する連絡路と、この連絡路を介して前記エンジン内の冷却水と前記保温容器内の空気とを入れ換える冷却水回収手段と、前記連絡路を介して前記保温容器内の冷却水と前記エンジン内の空気とを入れ換える冷却水リターン手段とを備えている。
【0004】
前記車両用冷却水温度制御システムにおいては、エンジンを冷却して加熱されたエンジン内の冷却水と保温容器内の空気とを冷却水回収手段によって入れ換えることにより高温の冷却水が保温容器内に貯留され蓄熱される。また、保温容器内に貯留された高温の冷却水とエンジン内の空気とを冷却水リターン手段によって入れ換えることによりエンジンの暖機が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような蓄熱装置を備えた内燃機関においては、冷却水等の熱媒体が循環する熱媒体循環通路と連通している連通口が保温容器等の蓄熱容器内部に備えられており
、この連通口は蓄熱容器内部の重力方向上側の位置と重力方向下側の位置とに配置されている。
【0006】
従来、蓄熱時において、熱媒体が熱容器内部の重力方向上側に配置されている上側連通口から蓄熱容器内に流入し、蓄熱容器内部の重力方向下側に配置されている下側連通口から熱媒体循環通路へ流出する方向に循環することによって蓄熱される。
【0007】
即ち、熱媒体循環通路を流れる、エンジンを冷却することによって加熱された高温の熱媒体が、蓄熱容器内部の重力方向上側に配置されている上側連通口から蓄熱容器内に流入し、この高温の熱媒体の流入に伴い、蓄熱装置内に貯留されていた熱媒体が、蓄熱容器内部の重力方向下側に配置されている下側連通口から熱媒体循環通路へ流出することによって高温の熱媒体が蓄熱容器内に貯留される。
【0008】
このとき、熱媒体循環通路を流れる熱媒体中には微量の気体が含まれているため、熱媒体と共に、この気体が蓄熱容器内に流入し蓄熱容器の上方に溜まることになる。そのため、蓄熱容器上方に溜まった気体の分、蓄熱容器内に貯留される熱媒体の量が減少することになり、蓄熱効率が悪化する。
【0009】
そこで、本発明は、上記したような実情に鑑みてなされたものであって、蓄熱装置を備えた内燃機関において、蓄熱効率を悪化させることなく蓄熱することが可能な蓄熱システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために以下のような手段を採用した。
即ち、本発明の蓄熱システムは、
内燃機関を経由して熱媒体が循環する熱媒体循環通路と、
前記熱媒体循環通路内を循環する前記熱媒体を蓄熱状態で貯留する蓄熱容器と、を有する蓄熱システムにおいて、
前記蓄熱容器内部に、重力方向上側の位置で前記熱媒体通路と連通する上側連通口と、重力方向下側の位置で前記熱媒体通路と連通する下側連通口と、が配置されており、
蓄熱する際に、前記熱媒体が前記上側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記下側連通口から流出する方向、または、前記熱媒体が前記下側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記上側連通口から流出する方向、へ選択的に前記熱媒体を循環させる構成とした。
【0011】
この構成によれば、蓄熱する際に、熱媒体が上側連通口から蓄熱容器内に流入し、下側連通口から流出する方向へ熱媒体を循環させることによって、内燃機関を冷却し加熱されて高温となった熱媒体を蓄熱容器内に回収する熱媒体回収処理を行うことが出来る。また、熱媒体の循環方向を反転させ、熱媒体が下側連通口から蓄熱容器内に流入し、上側連通口から流出する方向へ熱媒体を循環させることによって、熱回収処理時に熱媒体と共に蓄熱容器内に流入し蓄熱容器上方に溜まった気体を上側連通口から熱媒体循環通路へ排出させる気体抜き処理を行うことができる。
【0012】
また、本発明においては、蓄熱する際に、前記熱媒体が前記上側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記下側連通口から流出する方向へ前記熱媒体を循環させることによって、前記熱媒体循環通路を流れる高温の熱媒体を前記蓄熱容器内に回収する熱媒体回収処理を行い、
前記熱媒体が前記下側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記上側連通口から流出する方向へ前記熱媒体を循環させることによって、前記蓄熱容器上方に溜まった気体を前記熱媒体循環通路へ排出する気体抜き処理を行い、
前記気体抜き処理は、前記熱媒体回収処理が終了する所定時間前に行われる構成として
も良い。
【0013】
この構成によれば、熱回収処理時に熱媒体と共に蓄熱容器内に流入し蓄熱容器上方に溜まった気体を上側連通口から熱媒体循環通路へ排出する気体抜き処理が、熱媒体回収処理終了の所定時間前に行われることになるため、気体抜き処理終了後にさらに熱媒体回収処理を長時間行うことによって蓄熱容器内に再び気体が溜まることを防ぐことが出来る。
【0014】
また、本発明においては、蓄熱する際に、前記熱媒体が前記上側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記下側連通口から流出する方向へ前記熱媒体を循環させることによって、前記熱媒体循環通路を流れる高温の熱媒体を前記蓄熱容器内に回収する熱媒体回収処理を行い、
前記熱媒体が前記下側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記上側連通口から流出する方向へ前記熱媒体を循環させることによって、前記蓄熱容器上方に溜まった気体を前記熱媒体循環通路へ排出する気体抜き処理を行い、
前記気体抜き処理は、前記熱媒体回収処理開始後一定時間毎に行われる構成としても良い。
【0015】
この構成によれば、熱回収処理時に熱媒体と共に蓄熱容器内に流入し蓄熱容器上方に溜まった気体を上側連通口から熱媒体循環通路へ排出する気体抜き処理が、熱媒体回収処理開始後一定時間毎に行われることになるため、蓄熱容器内に多量の気体が溜まることを防ぐことが出来る。
【0016】
ここで、本発明においては、前記熱媒体回収処理の実施時間の長さを積算した積算熱媒体回収処理時間を算出する積算熱媒体回収処理時間算出手段をさらに備え、
前記積算熱媒体回収処理時間算出手段によって算出された積算熱媒体回収処理時間が所定積算熱媒体回収処理時間となる毎に、前記気体抜き処理は行われる構成としても良い。
【0017】
この構成によれば、熱媒体回収処理時に熱媒体と共に蓄熱容器内に流入し蓄熱容器上方に溜まった気体を上側連通口から熱媒体循環通路へ排出する気体抜き処理が、積算熱媒体回収処理時間が所定積算熱媒体回収処理時間となる毎に行われることになるため、蓄熱容器内に多量の気体が溜まることを防ぐことが出来る。
【0018】
熱媒体回収処理時間が短ければ、熱媒体回収処理時に上側連通口から蓄熱容器内に流入する熱媒体の量は少なく、それに伴い蓄熱容器内に流入し、蓄熱容器上方に溜まる気体の量も少なくなる。また、熱媒体回収処理時間が長ければ、熱媒体回収処理時に上側連通口から蓄熱容器内に流入する熱媒体の量は多くなり、それに伴い蓄熱容器内に流入し、蓄熱容器上方に溜まる気体の量も多くなる。
【0019】
そこで、本発明においては、前記熱媒体回収処理の実施時間の長さを積算した積算熱媒体回収処理時間を算出する積算熱媒体回収処理時間算出手段をさらに備え、
前記気体抜き処理の実施時間の長さは、前記積算熱媒体回収処理時間算出手段によって算出された積算熱媒体回収処理時間に基づいて決定される構成としても良い。
【0020】
この構成によれば、気体抜き処理を行う時間は、積算熱媒体回収処理時間に基づいて決定される。従って、積算熱媒体回収処理時間が短いときは、蓄熱容器内に溜まった気体の量は少ないため、気体抜き処理を行う時間を短くし、積算熱媒体回収処理時間が長いときは、蓄熱容器内に溜まった気体の量は多いため、気体抜き処理を行う時間を長くする。これにより、過度または過少の気体抜き処理を防ぐことが出来る。
【0021】
本発明において、前記熱媒体循環通路に設けられ、前記熱媒体を循環させると共に、前記内燃機関の機関回転数に応じて出力が変化する循環装置をさらに備え、
前記気体抜き処理の実施時間の長さは、前記積算機関回転数算出手段によって算出された積算機関回転数が前記所定積算機関回転数となった後であって前記気体抜き処理の実施を開始する前の前記内燃機関の機関回転数に基づいて決定される構成としても良い。
【0022】
この構成によれば、例えば、循環装置の出力方向が、熱媒体が上側連通口から蓄熱容器に流入し、下側連通口から流出する方向であった場合、内燃機関の機関回転数が高ければ、熱媒体回収処理時に上側連通口から蓄熱容器内に流入する熱媒体の量は多くなり、それに伴い蓄熱容器内に流入し、蓄熱容器上方に溜まる気体の量も多くなる。また、内燃機関の機関回転数が低ければ、熱媒体回収処理時に上側連通口から蓄熱容器内に流入する熱媒体の量は少なくなり、それに伴い蓄熱容器内に流入し、蓄熱容器上方に溜まる気体の量も少なくなる。
【0023】
また、この構成によれば、蓄熱容器上方に溜まった気体を上側連通口から熱媒体循環通路へ排出する気体抜き処理を行う時間は、前記積算機関回転数算出手段によって算出された積算機関回転数が前記所定積算機関回転数となった後であって前記気体抜き処理の実施を開始する前の内燃機関の機関回転数に基づいて決定される。従って、例えば、循環装置の出力方向が、熱媒体が上側連通口から蓄熱容器に流入し、下側連通口から流出する方向、即ち、熱媒体回収処理時の熱媒体の循環方向であった場合、内燃機関の回転数が高ければ蓄熱容器内に流入し、蓄蓄熱容器上方に溜まる気体の量は多くなるため、気体抜き処理を行う時間を長くし、内燃機関の機関回転数が低ければ蓄熱容器内に流入し、蓄蓄熱容器上方に溜まる気体の量は少なくなるため、気体抜き処理を行う時間を短くする。これにより、過度または過少の気体抜き処理を防ぐことが出来る。
【0024】
本発明においては、前記熱媒体回収処理の実施時間の長さを積算した積算熱媒体回収処理時間を算出する積算熱媒体回収処理時間算出手段と、
前記熱媒体循環通路に設けられ、前記熱媒体を循環させると共に、前記内燃機関の機関回転数に応じて出力が変化する循環装置と、をさらに備え、
前記気体抜き処理の実施時間の長さは積算熱媒体回収処理時間算出手段によって算出された積算熱媒体回収処理時間及び前記積算機関回転数算出手段によって算出された積算機関回転数が前記所定積算機関回転数となった後であって前記気体抜き処理の実施を開始する前の前記内燃機関の機関回転数に基づいて決定される構成としても良い。
【0025】
この構成によれば、蓄熱容器上方に溜まった気体を上側連通口から熱媒体循環通路へ排出する気体抜き処理を行う時間は、積算熱媒体回収処理時間及び前記積算機関回転数算出手段によって算出された積算機関回転数が前記所定積算機関回転数となった後であって前記気体抜き処理の実施を開始する前の内燃機関の機関回転数に基づいて決定される。従って、積算熱媒体回収処理時間が短いときは、熱媒体回収時に蓄熱容器内に流入し、蓄熱容器上方に溜まる気体の量は少ないため、気体抜き処理の実施時間を短くし、積算熱媒体回収処理時間が長いときは、熱媒体回収時に蓄熱容器内に流入し、蓄熱容器上方に溜まる気体の量は多いため、気体抜き処理の実施時間を長くする。また、例えば、循環装置の出力方向が、熱媒体が上側連通口から蓄熱容器に流入し、下側連通口から流出する方向、即ち、熱媒体回収処理時の熱媒体の循環方向であった場合、内燃機関の機関回転数が高ければ、蓄熱容器内に流入し、蓄熱容器上方に溜まる気体の量も多くなるため、気体抜き処理の実施時間を長くし、内燃機関の機関回転数が低ければ蓄熱容器内に流入し、蓄熱容器上方に溜まる気体の量も少なくなるため、気体抜き処理の実施時間を短くする。これにより、過度または過少の気体抜きを防ぐことが出来る。
【0026】
また、本発明において、前記熱媒体循環通路に設けられ、前記熱媒体を循環させると共に、前記内燃機関の機関回転数に応じて出力が変化する循環装置と、
前記内燃機関の積算機関回転数を算出する積算機関回転数算出手段と、をさらに備え、
前記積算機関回転数算出手段によって算出された積算機関回転数が所定積算機関回転数になる毎に、前記気体抜き処理は行われる構成としても良い。
【0027】
この構成によれば、蓄熱容器上方に溜まった気体を上側連通口から熱媒体循環通路へ排出する気体抜き処理が、積算機関回転数が所定積算機関回転数となる毎に行われることになるため、蓄熱容器内に多量の気体が溜まることを防ぐことが出来る。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る蓄熱システムの具体的な実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0029】
<第1の実施の形態>
図1は本発明に係る蓄熱システムを備えた内燃機関の冷却水循環系を示す図である。
【0030】
内燃機関1は、軽油を燃料とする圧縮着火式の内燃機関(ディーゼル機関)又はガソリンを燃料とする火花点火式の内燃機関(ガソリン機関)であり、自動車に搭載される機関である。
【0031】
前記内燃機関1は、シリンダヘッド1aとシリンダブロック1bを備えている。シリンダヘッド1a及びシリンダブロック1bの各々には、本発明に係る熱媒体としての冷却水を流通させるためのヘッド側冷却水路2aとブロック側冷却水路2bとが形成され、それらヘッド側冷却水路2aとブロック側冷却水路2bとが相互に連通している。
【0032】
前記ヘッド側冷却水路2aには、第1冷却水路4が接続され、この第1冷却水路4は、ラジエター5の冷却水流入口に接続されている。前記ラジエター5の冷却水流出口は、第2冷却水路6を介してサーモスタットバルブ7に接続されている。
【0033】
前記サーモスタットバルブ7には、前記第2冷却水路6に加えて、第3冷却水路8とバイパス水路9とが接続されている。前記第3冷却水路8は、内燃機関1の機関出力軸(クランクシャフト)の回転トルクを駆動源とする機械式ウォーターポンプ10の吸込口に接続され、前記バイパス水路9は、ヘッド側冷却水路2aに接続されている。
【0034】
前記した機械式ウォーターポンプ10の吐出口には、前記ブロック側冷却水路2bが接続されている。
【0035】
また、前記したサーモスタットバルブ7は、冷却水の温度に応じて、第2冷却水路6とバイパス水路9との何れか一方を遮断する流路切換バルブである。具体的には、サーモスタットバルブ7は、このサーモスタットバルブ7を流れる冷却水の温度が所定の開弁温度:Temp1(例えば、80℃〜90℃)未満であるときは、第2冷却水路6を遮断すると同時にバイパス水路9を開放して、第3冷却水路8とバイパス水路9とを導通させる。前記サーモスタットバルブ7は、該サーモスタットバルブ7を流れる冷却水の温度が前記開弁温度:Temp1以上であるときは、第2冷却水路6を開放すると同時にバイパス水路9を遮断して、第3冷却水路8と第2冷却水路6とを導通させる。
【0036】
次に、前記した第1冷却水路4の途中にはヒータホース11が接続され、このヒータホース11は前記した第3冷却水路8の途中に接続されている。前記ヒータホース11の途中には、冷却水と室内暖房用気体との間で熱交換を行うヒータコア12が配置されている。
【0037】
また、ヒータホース11においてヒータコア12と第3冷却水路8との間に位置する部位には第1バイパス通路13aが接続され、この第1バイパス通路13aは電動ウォーターポンプ14の冷却水吸い込み口に接続されている。電動ウォーターポンプ14の冷却水吐出口は第2バイパス通路13bに接続され、この第2バイパス通路13bは、蓄熱容器
15内において、重力方向下側に位置する下側連通口15aを介して蓄熱容器15内と連通している。
【0038】
前記蓄熱容器15は、冷却水が持つ熱を蓄熱しつつ冷却水を貯留する容器であり、新規の冷却水が流入すると、それと入れ代わりにこの蓄熱容器15内に貯留されていた冷却水を排出するよう構成されている。
【0039】
前記電動ウォーターポンプ14は、バッテリ43の出力電圧を駆動源とするウォーターポンプであり、冷却水吸込口から吸い込んだ冷却水を前記した冷却水吐出口から吐出するよう構成されている。
【0040】
更に、ヒータホース11においてヒータコア12と第1冷却水路4との間に位置する部位には第3バイパス通路13cが接続され、この第3バイパス通路13cは、蓄熱容器15内において、重力方向上側に位置する上側連通口15bを介して蓄熱容器15内と連通している。
【0041】
前記ヘッド側冷却水路2aと、前記ブロック側冷却水路2bと、前記第1冷却水路4と、前記第2冷却水路6、前記第3冷却水路8と、前記バイパス水路9と、前記ヒータホース11と、前記第1バイパス通路13aと、前記第2バイパス通路13bと、前記第3バイパス通路13cと、は本発明に係る熱媒体循環通路に相当する。
【0042】
ここで、ヒータコア12と第1冷却水路4との間に位置するヒータホース11において、第3バイパス通路13cの接続部位を基準にして第1冷却水路4側の部位を第1ヒータホース11aと称するとともに、ヒータコア12側の部位を第2ヒータホース11bと称するものとする。更に、ヒータコア12と第3冷却水路8との間に位置するヒータホース11において、第1バイパス通路13aの接続部位を基準にしてヒータコア12側の部位を第3ヒータホース11cと称するとともに、第3冷却水路8側の部位を第4ヒータホース11dと称するものとする。
【0043】
前記した第1ヒータホース11aと第2ヒータホース11bと第3バイパス通路13cとの接続部には、前述した第1の実施の形態と同様に流路切換弁16が設けられている。この流路切換弁16は、前記3つの通路の何れか1つの通路を選択的に遮断するよう構成されており、ステップモータ等からなるアクチュエータによって駆動される。
【0044】
第3冷却水路8における機械式ウォーターポンプ10の近傍には、この第3冷却水路8内を流れる冷却水の温度に対応した電気信号を出力する第1水温センサ17が取り付けられている。第1冷却水路4におけるヘッド側冷却水路2aとの接続部位の近傍には、第1冷却水路4内を流れる冷却水の温度に対応した電気信号を出力する第2水温センサ18が取り付けられている。第3バイパス通路13cにおける蓄熱容器15との連通部近傍には、この第3バイパス通路13c内を流れる冷却水の温度に対応した電気信号を出力する第3水温センサ19が取り付けられている。
【0045】
このように構成された冷却水循環系には、当該冷却水循環系の作動状態を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)39が併設されている。この
ECU39は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、入力ポート、出力ポート、A/Dコンバータ等から構成される算術論理演算回路である。このECU39は、内燃機関1の運転状態を制御するためのECUと独立して設けられるようにしてもよく、或いは兼用されるにしてもよい。
【0046】
ECU39には、前述した第1水温センサ17、第2水温センサ18、第3水温センサ
19及びバッテリ43に加えて、車室内に設けられたイグニッションスイッチ40、スタータスイッチ41、及び室内暖房装置のスイッチ(ヒータスイッチ)42が電気的に接続され、それら各種センサの出力信号がECU39へ入力されるようになっている。
【0047】
更に、ECU39は、前述した電動ウォーターポンプ14及び流路切換弁16と電気的に接続され、ECU39が電動ウォーターポンプ14及び流路切換弁16を制御することが可能となっている。
【0048】
具体的には、ECU39は、ROMに記憶されているアプリケーションプログラムに従って動作し、前記冷却水循環系における冷却水の流れを切り換え、本発明に係る蓄熱システムによる蓄熱を実行する。
【0049】
次に、本実施の形態における蓄熱システムの蓄熱時の冷却水の流通について述べる。
【0050】
ヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bを循環する冷却水の温度が所望の温度以上となった時点で、ECU39は、ヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2b内を流通する高温の冷却水を蓄熱容器15内に回収すべく、本発明に係る熱媒体回収処理に相当する温水回収処理を実行する。
【0051】
内燃機関1が運転状態にあるときは、機械式ウォーターポンプ10がクランクシャフトの回転トルクを受けて作動するため、冷却水はブロック側冷却水路2bからヘッド側冷却水路2aへ流れる。ECU39は、第2ヒータホース11bを遮断すべく流路切替弁16を制御するとともに、電動ウォーターポンプ14を停止状態とすべくバッテリ43から電動ウォーターポンプ14への電圧供給を遮断する。
【0052】
そのため、ブロック側冷却水路2bとヘッド側冷却水路2aとを流通することによって加熱され高温となった冷却水(以下、単に温水と称する)は、第1冷却水通路4の一部を通って第1ヒータホース11aへと流れる。さらに、第1ヒータホース11aを流れた温水は第3バイパス通路13cを通り、上側連通口15bから蓄熱容器15内に流入する。
【0053】
上側連通口15bからの温水の流入に伴い、蓄熱容器15内に貯留されていた冷却水が下側連通口15aから第2バイパス通路13bへ流出する。このとき、電動ウォーターポンプ14は駆動していないため、第2バイパス通路13bに流出した冷却水は第1バイパス通路13aを介して第4ヒータホース11dへ流れる。さらに、この冷却水は第4ヒータホース11dから第3冷却水通路8の一部を通り、機械式ウォータポンプ10を介してブロック側冷却水路2bへ流入する。
【0054】
従って、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1冷却水通路4→第1ウォーターホース11a→第3バイパス通路13c→上側連通口15b→蓄熱容器15→下側連通口15a→第2バイパス通路13b→第1バイパス通路13a→第4ヒータホース11d→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0055】
即ち、温水回収処理においては、図2に示すように、上側連通口15bから蓄熱容器15内に流入し、下側連通口15aから流出する方向に冷却水は循環し、蓄熱容器15内に流入した温水が蓄熱容器15内に貯留される。
【0056】
ここで、冷却水中には微量の気体が含まれているため、温水と共に、この気体も蓄熱容器15内に流入することになる。蓄熱容器15内に流入した気体は蓄熱容器15の上方に溜まる。そのため、この蓄熱容器15の上方に溜まった気体の分、蓄熱容器15内に貯留
できる温水の量が減少することになる。
【0057】
そこで、ECU39は温水回収時に蓄熱容器15の上方に溜まった気体を排出するため本発明に係る気体抜き処理を実施する。
【0058】
つまり、ECU39は、電動ウォーターポンプ14に電源を供給することによって電動ウォーターポンプ14を駆動し、機械式ウォータポンプ10とは反対の方向に冷却水の循環流を生じさせる。
【0059】
即ち、気体抜き処理においては、図3に示すように、前記温水回収処理時とは逆に、下側連通口15bから蓄熱容器15内に流入し、上側連通口15bから流出する方向に冷却水は循環する。
【0060】
冷却水の循環方向を前記温水回収処理時とは逆向きにすることによって、第2バイパス通路13bを流れる冷却水が下側連通口15aから蓄熱容器15内に流入し、さらに、下側連通口15aからの温水の流入に伴い蓄熱容器15の上方に溜まった気体が、上側連通口15bから第3バイパス通路13cに排出される。
【0061】
上記したように、本実施の形態において、ECU39は、冷却水が上側連通口15bから蓄熱容器15内に流入し、下側連通口15aから流出する方向、または、冷却水が下側連通口15bから蓄熱容器15内に流入し、上側連通口15bから流出する方向、へ選択的に冷却水を循環させ、温水回収処理または気体抜き処理を実行する。
【0062】
本実施の形態によれば、気体抜き処理によって、蓄熱容器15内に溜まった気体が排出されるため、蓄熱容器15内に溜まった気体により蓄熱容器15内に貯留される温水の量が減少することを防ぐことが出来る。
【0063】
ここで、本実施の形態においては、上記したような気体抜き処理は温水回収処理が終了する所定時間前に行われる。
【0064】
これは、気体抜き処理が行われた後、さらに温水回収処理が行われた場合、温水と共に気体が蓄熱容器15内に再度流入し、この気体が蓄熱容器15の上方に溜まる虞があるからである。
【0065】
そこで、本実施の形態においては、温水回収処理終了条件が成立した後に、電動ウォーターポンプ14を駆動し(即ち、機械式ウォーターポンプ10とは反対方向に冷却水を循環させる)、気体抜き処理を実施する。
【0066】
前記温水回収終了条件としては、蓄熱容器15内に流入する温水の温度、即ち第3水温センサ19の出力信号が所定温度以上である等の条件を例示することができる。
【0067】
この結果、気体抜き処理は温水回収処理が終了する所定時間前に行われることになる。
【0068】
また、温水回収処理時間が短ければ、温水回収処理時に蓄熱容器15内に流入する温水の量は少なく、それに伴い蓄熱容器15内に流入し、蓄熱容器15上方に溜まる気体の量も少なくなる。また、温水回収処理時間が長ければ、温水回収処理時に蓄熱容器15内に流入する温水の量は多くなり、それに伴い蓄熱容器15内に流入し、蓄熱容器15上方に溜まる気体の量も多くなる。
【0069】
そこで、本実施の形態においては、気体抜き処理の実施時間の長さは本発明に係る積算
熱媒体回収処理時間に相当する積算温水回収処理時間に基づいて決定される。
【0070】
本発明に係る積算熱媒体回収処理時間算出手段に相当するECU39は、第2ヒータホース11bを遮断すべく流路切替弁16を制御するとともに、電動ウォーターポンプ14を停止状態とすべくバッテリ43から電動ウォーターポンプ14への電圧供給を遮断した時点、つまり、温水回収処理開始時点からの経過時間を計測するカウンタ:Cを起動させ、温水回収処理の実施時間の長さを計測する。
【0071】
さらに、ECU39は、温水回収処理開始時点から温水回収処理終了条件が成立するまで間の温水回収処理時間を積算し、算出された積算温水回収処理時間に基づいて、電動ウォーターポンプ14の駆動時間(即ち、機械式ウォーターポンプ10とは反対の方向に冷却水を循環させる時間)を決定する。
【0072】
前記積算温水回収処理時間は、本発明に係る積算熱媒体回収処理時間に相当する。
【0073】
つまり、ECU39のROMなどには、図9に示すような、積算温水回収処理時間と電動ウォーターポンプ14の駆動時間との関係があらかじめマップとして記録されており、気体抜き処理において、ECU39は、このマップに基づき、積算温水回収処理時間が短いほど電動ウォーターポンプ14の駆動時間を短く設定し、積算温水回収処理時間が長いほど電動ウォーターポンプ14の駆動時間を長く設定する。
【0074】
この結果、積算温水回収時間が短いときは、気体抜き処理を行う時間は短くなり、積算温水回収時間が長いときは、気体抜き処理を行う時間は長くなる。
【0075】
上記したように、本実施の形態によれば、蓄熱容器15上方に溜まった気体の量に応じて気体抜き処理を行う時間が決定されるため、過度または過少の気体抜き処理を防ぐことが出来る。つまり、蓄熱容器15内の気体が上側連通口15bから第3バイパス通路13cへ排出された後、さらに気体抜き処理を続けることによって、蓄熱容器15内に貯留された温水のうち、対流によって上方に上昇し貯留されている温度の高い温水が、上側連通口15bから第3バイパス通路13cに流出することを防ぐことが出来る。また、気体抜き処理の不足によって蓄熱容器15内に多量の気体が溜まった状態となることを防ぐことが出来る。
【0076】
次に、本実施の形態における気体抜き処理について図4に沿って具体的に説明する。
図4は、本実施の形態における、蓄熱する際の気体抜き処理ルーチンを示すフローチャート図である。
【0077】
ECU39は、先ずS101において、温水回収処理終了条件が成立しているか否かを判別する。温水回収終了条件としては、蓄熱容器15内に流入する温水の温度、即ち第3水温センサ19の出力信号が所定温度以上である等の条件を例示することができる。
【0078】
前記S101において、温水回収終了条件が成立していないと判断された場合は、ECU39は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0079】
前記S101において、温水回収処理終了条件が成立していると判断された場合は、ECU39は、S102に進み、温水回収処理開始時点から温水回収処理終了条件が成立するまで間の積算温水回収処理時間Tcolを算出する。
【0080】
次に、ECU39は、S103において、あらかじめ記録された積算温水回収処理時間と電動ウォーターポンプ駆動時間との関係を示すマップにアクセスし、前記S102にお
いて算出された積算温水回収処理時間Tcolに応じて電動ウォーターポンプ14の駆動時間Tepを決定する。
【0081】
ECU39は、前記S103にて電動ウォーターポンプ14の駆動時間Tepを決定した後、S104において、電動ウォーターポンプ14を駆動させる。
【0082】
電動ウォータポンプ14を駆動させることにより、上記に説明した通り、温水回収処理とは反対の方向に冷却水を循環させ、蓄熱容器上方に溜まった気体を第3バイパス通路13cへ排出させる気体抜き処理が実行される。
【0083】
S105において、ECUは、電動ウォーターポンプ14の駆動時間が前記S103で決定された電動ウォーターポンプ駆動時間Tepを経過したか否かを判別する。
【0084】
前記S105において、電動ウォーターポンプ14の駆動時間が電動ウォーターポンプ駆動時間Tepを経過していないと判断された場合は、ECU39は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0085】
前記S105において、電動ウォーターポンプ14の駆動時間が電動ウォーターポンプ駆動時間Tepを経過したと判断された場合は、ECU39はS106に進み電動ウォーターポンプ14の駆動を停止し、気体抜き処理を終了すると共に、S107において温水回収処理を終了させて本ルーチンの実行を終了する。
【0086】
このようにECU39が本ルーチンを実行することにより、温水回収処理によって上側連通口15bから蓄熱容器15内に流入し蓄熱容器15上方に溜まった気体が、気体抜き処理によって、上側連通口15bから第3バイパス通路13cへ排出される。
【0087】
また、気体抜き処理が温水回収処理終了の所定時間前に行われるため、気体抜き処理終了後、さらに温水回収処理が行われることによって、気体が蓄熱容器15内に再度流入し、蓄熱容器15上方に溜まることを防ぐことが可能となる。
【0088】
さらに、電動ウォーターポンプ14の駆動時間、即ち、気体抜き処理の実施時間の長さは温水回収処理によって蓄熱容器15内に溜まった気体の量に基づいて決められることになるため、過度または過少の気体抜き処理を防ぐことが可能となる。
【0089】
本実施の形態においては、気体抜き処理を実施する時間、即ち、電動ウォーターポンプ14の駆動時間Tepを算温水回収処理時間Tcolに応じて決定しているが、あらかじめ決められた所定時間、電動ウォーターポンプ14を駆動させる構成としても良い。
【0090】
また、本実施の形態において、機械式ウォーターポンプ10を用いずに、電動ウォーターポンプ14の出力方向を切り換えることによって、冷却水が上側連通口15bから蓄熱容器15内に流入する方向と、冷却水が下側連通路15aから蓄熱容器15内に流入する方向と、の両方向に冷却水を循環させる構成としても良い。
【0091】
この構成によれば、電動ウォーターポンプ14のみによって、上記した温水回収処理と、気体抜き処理とを実行することが可能となるため、本発明に係る蓄熱システムにおいて機械式ウォーターポンプ10が不要となる。
【0092】
<第2の実施の形態>
次に、本発明に係る蓄熱システムの第2の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0093】
本実施の形態における蓄熱システムの構成は図1と同様である。
【0094】
本実施の形態においては、図1の機械式ウォーターポンプ10が本発明に係る循環装置に相当する。
【0095】
この機械式ウォーターポンプ10は内燃機関1の機関出力軸(クランクシャフト)の回転トルクを駆動源とし、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1冷却水通路4→第1ウォーターホース11a→第3バイパス通路13c→上側連通口15b→蓄熱容器15→下側連通口15a→第2バイパス通路13b→第1バイパス通路13a→第4ヒータホース11d→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順、即ち、冷却水が上側連通口15bから蓄熱容器15内に流入し、下側連通口15aから流出する方向に冷却水が流れる循環流を発生させる。
【0096】
従って、内燃機関1の機関回転数が低ければ、機械式ウォーターポンプ10の出力は小さくなるため、温水回収処理時に上側連通口15bから蓄熱容器15内に流入する温水の量は少なくなり、それに伴い蓄熱容器15内に流入し、蓄熱容器15上方に溜まる気体の量も少なくなる。また、内燃機関1の機関回転数が高ければ、機械式ウォーターポンプ10の出力は大きくなるため、温水回収処理時に上側連通口15bから蓄熱容器15内に流入する温水の量は多くなり、それに伴い蓄熱容器15内に流入し、蓄熱容器15上方に溜まる気体の量も多くなる。
【0097】
そこで、本実施の形態においては、気体抜き処理の実施時間の長さは温水回収処理終了条件が成立した後であって気体抜き処理の実施を開始する前の内燃機関1の機関回転数に基づいて決定される。
【0098】
ECU39は、温水回収処理終了条件が成立した後、内燃機関1の機関回転数を読み込み、読み込まれた内燃機関1の機関回転数に基づいて、電動ウォーターポンプ14の駆動時間(即ち、機械式ウォーターポンプ10とは反対の方向に冷却水を循環させる時間)を決定する。
【0099】
つまり、ECU39のROMなどには、図10に示すような、内燃機関1の機関回転数と電動ウォーターポンプ14の駆動時間との関係があらかじめマップとして記録されており、気体抜き処理において、ECU39は、このマップに基づき、内燃機関1の機関回転数が低いほど電動ウォーターポンプ14の駆動時間を短く設定し、内燃機関1の機関回転数が高いほど電動ウォーターポンプ14の駆動時間を長く設定する。
【0100】
この結果、内燃機関1の機関回転数が低いときは、気体抜き処理を行う時間は短くなり、内燃機関1の機関回転数が高いときは、気体抜き処理を行う時間は長くなる。
【0101】
上記したように、本実施の形態によれば、蓄熱容器15上方に溜まった気体の量に応じて気体抜き処理を行う時間が決定されるため、過度または過少の気体抜き処理を防ぐことが出来る。つまり、蓄熱容器15内の気体が上側連通口15bから第3バイパス通路13cへ排出された後、さらに気体抜き処理を続けることによって、蓄熱容器15内に貯留された温水のうち、対流によって上方に上昇し貯留されている温度の高い温水が、上側連通口15bから第3バイパス通路13cに流出することを防ぐことが出来る。また、気体抜き処理の不足によって蓄熱容器15内に多量の気体が溜まった状態となることを防ぐことが出来る。
【0102】
次に、本実施の形態における気体抜き処理について図5に沿って具体的に説明する。
図5は、本実施の形態における、蓄熱する際の気体抜き処理ルーチンを示すフローチャート図である。
【0103】
本実施の形態における気体抜き処理ルーチンにおいて、S101でECU39により温水回収処理終了条件が成立していると判断された場合、ECU39は、S202に進み、内燃機関1の機関回転数Neを読み込む。
【0104】
次に、ECU39は、S203において、あらかじめ記録された内燃機関1の機関回転数と電動ウォーターポンプ駆動時間との関係を示すマップにアクセスし、前記S202において読み込まれた内燃機関1の機関回転数Neに応じて電動ウォーターポンプ14の駆動時間Tepを決定する。
【0105】
前記S202及びS203以外のステップは、前記第1実施の形態における気体抜き処理ルーチンと同様である。
【0106】
従って、ECU39が本ルーチンを実行することにより、電動ウォーターポンプ14の駆動時間、即ち、気体抜き処理実施時間の長さは、温水回収処理によって蓄熱容器13内に溜まった気体の量に基づいて決められることになるため、過度または過少の気体抜き処理を防ぐことが可能となる。
【0107】
<第3の実施の形態>
次に、本発明に係る蓄熱システムの第3の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0108】
本実施の形態における蓄熱システムの構成は図1と同様である。
【0109】
本実施の形態においては、図1の機械式ウォーターポンプ10が本発明に係る循環装置に相当する。
【0110】
本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様、温水回収処理時間が短ければ、温水回収処理時に蓄熱容器15内に流入する温水の量は少なく、それに伴い蓄熱容器15内に流入し、蓄熱容器15上方に溜まる気体の量も少なくなる。また、温水回収処理時間が長ければ、温水回収処理時に蓄熱容器15内に流入する温水の量は多くなり、それに伴い蓄熱容器15内に流入し、蓄熱容器15上方に溜まる気体の量も多くなる。
【0111】
また、第2の実施の形態と同様、内燃機関1の機関回転数が低ければ、機械式ウォーターポンプ10の出力は小さくなるため、温水回収処理時に上側連通口15bから蓄熱容器15内に流入する温水の量は少なくなり、それに伴い蓄熱容器15内に流入し、蓄熱容器15上方に溜まる気体の量も少なくなる。また、内燃機関1の機関回転数が高ければ、機械式ウォーターポンプ10の出力は大きくなるため、温水回収処理時に上側連通口15bから蓄熱容器15内に流入する温水の量は多くなり、それに伴い蓄熱容器15内に流入し、蓄熱容器15上方に溜まる気体の量も多くなる。
【0112】
そこで、本実施の形態において、気体抜き処理の実施時間の長さは積算温水回収処理時間と内燃機機関1の機関回転数とに基づいて決定される。
【0113】
ECU39は、前記第1の実施の形態と同様にして、温水回収処理開始時点から温水回収処理終了条件が成立するまで間の積算温水回収処理時間を算出し、さらに、前記第2実施の形態と同様にして、内燃機関1の機関回転数を読み込む。
【0114】
ECU39は、算出された積算温水回収処理時間と内燃機関1の機関回転数とに基づいて、電動ウォーターポンプ14の駆動時間(即ち、機械式ウォーターポンプ10とは反対
の方向に冷却水を循環させる時間)を決定する。
【0115】
つまり、ECU39のROMなどには、積算温水回収処理時間と内燃機関1の機関回転数と電動ウォーターポンプ14の駆動時間との関係があらかじめマップとして記録されており、気体抜き処理において、ECU39は、このマップに基づき、積算温水回収処理時間が短いほど、あるいは、内燃機関1の機関回転数が低いほど電動ウォーターポンプ14の駆動時間を短く設定し、積算温水回収処理時間が長いほど、あるいは、内燃機関1の機関回転数が高いほど電動ウォーターポンプ14の駆動時間を長く設定する。
【0116】
この結果、積算温水回収時間が短いとき、あるいは、内燃機関1の機関回転数が低いときは、気体抜き処理を行う時間は短くなり、積算温水回収時間が長いときは、あるいは、内燃機関1の機関回転数が高いときは、気体抜き処理を行う時間は長くなる。
【0117】
上記したように、本実施の形態によれば、蓄熱容器15上方に溜まった気体の量に応じて気体抜き処理を行う時間が、積算温水回収処理時間、または、内燃機関1の機関回転数のどちらか一方から決定されるよりも、より正確に決定されるため、過度または過少の気体抜き処理をより確実に防ぐことが出来る。
【0118】
次に、本実施の形態における気体抜き処理について図6に沿って具体的に説明する。
図6は、本実施の形態における、蓄熱する際の気体抜き処理ルーチンを示すフローチャート図である。
【0119】
本実施の形態における気体抜き処理ルーチンにおいて、S101でECU39により温水回収処理終了条件が成立していると判断された場合、前記第1実施の形態と同様、ECUは、S102に進み、温水回収処理開始時点から温水回収処理終了条件が成立するまで間の積算温水回収処理時間Tcolを算出する。
【0120】
次に、ECU39は、S202に進み、内燃機関1の機関回転数Neを読み込む。
【0121】
前記202において内燃機関1の機関回転数Neを読み込んだECU39は、S303において、あらかじめ記録された積算温水回収処理時間と、内燃機関1の機関回転数と、電動ウォーターポンプ駆動時間と、の関係を示すマップにアクセスし、前記S102において算出された積算温水回収処理時間Tcol及び前記S202において読み込まれた内燃機関1の機関回転数Neに応じて電動ウォーターポンプ14の駆動時間Tepを決定する。
【0122】
上記S202及びS303以外のステップは、前記第1実施の形態における気体抜き処理ルーチンと同様である。
【0123】
従って、ECU39が本ルーチンを実行することにより、電動ウォーターポンプ14の駆動時間、即ち、気体抜き処理実施時間の長さは、温水回収処理によって蓄熱容器15内に溜まった気体の量に基づいて決められることになるため、過度または過少の気体抜き処理を防ぐことが可能となる。
【0124】
<第4の実施の形態>
次に、本発明に係る蓄熱システムの第4の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0125】
本実施の形態における蓄熱システムの構成は図1と同様である。
【0126】
本実施の形態において、気体抜き処理は温水回収処理開始後一定時間毎に行われる。
【0127】
本発明に係る積算熱媒体回収処理時間算出手段に相当するECU39は、第2ヒータホース11bを遮断すべく流路切替弁16を制御するとともに、電動ウォーターポンプ14を停止状態とすべくバッテリ43から電動ウォーターポンプ14への電圧供給を遮断した時点、つまり、温水回収処理開始時点からの経過時間を計測するカウンタ:Cを起動させ、温水回収処理の実施時間の長さを計測する。
【0128】
また、ECU39は、計測された温水回収処理時間を積算することによって、本発明に係る積算熱媒体回収処理時間に相当する積算温水回収処理時間を算出する。
【0129】
さらに、算出された積算温水回収処理時間が本発明に係る所定積算熱媒体回収処理時間に相当する所定値となった場合、ECU39は気体抜き処理を実施する。
【0130】
つまり、ECU39は、前記第3の実施の形態と同様に、積算温水回収処理時間と内燃機機関1の機関回転数とに基づいて気体抜き処理の実施時間の長さを決定し、電動ウォーターポンプ14を駆動させる。
【0131】
そして、ECU39は、積算温水回収処理時間と内燃機機関1の機関回転数とに基づいて決定された気体抜き処理実施時間が経過した場合、電動ウォーターポンプ14を停止させると共に、前記積算温水回収時間をクリアする。
【0132】
つまり、本実施の形態によれば、ECU39によって算出された積算温水回収処理時間が所定値となる毎に、気体抜き処理が行われることになる。
【0133】
この結果、本実施の形態によれば、温水回収処理開始後一定時間毎に、気体抜き処理を行うことになる。
【0134】
従って、蓄熱容器15内に多量の気体が溜まった状態となることを防ぐことが出来る。
【0135】
次に、本実施の形態における気体抜き処理について図7に沿って具体的に説明する。
図7は、本実施の形態における、蓄熱する際の気体抜き処理ルーチンを示すフローチャート図である。
【0136】
ECU39は、先ずS1101において、温水回収処理開始時点からの積算温水回収処理時間Tcol’を算出する。
【0137】
次に、ECU39は、S1102に進み、前記S1101において算出された積算温水回収処理時間Tcol’が所定値T1に達したか否かを判別する。
【0138】
前記S1102において、積算温水回収処理時間Tcol’が所定値T1に達していないと判断された場合は、ECU39は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0139】
前記S1102において、積算温水回収処理時間Tcol’が所定値T1に達したと判断された場合は、ECU39は、S202に進み、内燃機関1の機関回転数Neを読み込む。
【0140】
次に、ECU39は、S1303において、あらかじめ記録された積算温水回収処理時間と、内燃機関1の機関回転数と、電動ウォーターポンプ駆動時間と、の関係を示すマッ
プにアクセスし、前記S1101において算出された積算温水回収処理時間Tcol’及び前記S202において読み込まれた内燃機関1の機関回転数Neに応じて電動ウォーターポンプ14の駆動時間Tepを決定する。
【0141】
ECU39は、前記S1303にて電動ウォーターポンプ14の駆動時間Tepを決定した後、S104において、電動ウォーターポンプ14を駆動させる。
【0142】
電動ウォータポンプ14を駆動させることにより、温水回収処理とは反対の方向に冷却水を循環させ、蓄熱容器15上方に溜まった気体を第3バイパス通路13cへ排出させる気体抜き処理が実行される。
【0143】
S105において、ECUは、電動ウォーターポンプ14の駆動時間が前記S1303で決定された所定電動ウォーターポンプ駆動時間Tepを経過したか否かを判別する。
【0144】
前記S105において、電動ウォーターポンプ14の駆動時間が前記S1303で決定された電動ウォーターポンプ駆動時間Tepを経過していないと判断された場合は、ECU39は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0145】
前記S105において、電動ウォーターポンプ14の駆動時間が前記S1303で決定された電動ウォーターポンプ駆動時間Tepを経過したと判断された場合は、ECU39はS106に進み、電動ウォーターポンプ14の駆動を停止する。
【0146】
さらに、ECU39は、S1107に進み、積算温水回収時間をクリアし、本ルーチンの実行を終了する。
【0147】
このように、ECU39が本ルーチンを実行することにより、温水回収処理開始後、積算温水回収時間が所定値になる毎に、気体抜き処理が行われることになる。
【0148】
従って、温水回収処理開始後一定時間毎に、気体抜き処理が行われることになるため、蓄熱装置15内に多量の気体が溜まることを防ぐことが可能となる。
【0149】
<第5の実施の形態>
次に、本発明に係る蓄熱システムの第4の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0150】
本実施の形態における蓄熱システムの構成は図1と同様である。
【0151】
本実施の形態において、気体抜き処理は温水回収処理開始後一定時間毎に行われる。
【0152】
本発明に係る積算機関回転数算出手段に相当するECU39は、第2ヒータホース11bを遮断すべく流路切替弁16を制御するとともに、電動ウォーターポンプ14を停止状態とすべくバッテリ43から電動ウォーターポンプ14への電圧供給を遮断した時点、つまり、温水回収処理開始時点からの内燃機関1の機関回転数をカウントし、カウントされた内燃機関1の機関回転数を積算することによって、積算機関回転数を算出する。
【0153】
さらに、算出された積算機関回転数が本発明に係る所定積算期間回転数に相当する所定値となった場合、ECU39は気体抜き処理を実施する。
【0154】
つまり、ECU39は、前記第3の実施の形態と同様に、積算温水回収処理時間と内燃機機関1の機関回転数とに基づいて気体抜き処理の実施時間の長さを決定し、電動ウォー
ターポンプ14を駆動させる。
【0155】
ECU39は、積算温水回収処理時間と内燃機機関1の機関回転数とに基づいて決定された気体抜き処理実施時間が経過した場合、電動ウォーターポンプ14を停止させると共に、前記積算機関回転数をクリアする。
【0156】
つまり、本実施の形態によれば、ECU39によって算出された積算機関回転数が所定値となる毎に、気体抜き処理が行われることになる。
【0157】
この結果、本実施の形態によれば、温水回収処理開始後一定時間毎に、気体抜き処理を行うことになる。
【0158】
従って、蓄熱容器15内に多量の気体が溜まった状態となることを防ぐことが出来る。
【0159】
次に、本実施の形態における気体抜き処理について図8に沿って具体的に説明する。
図8は、本実施の形態における、蓄熱する際の気体抜き処理ルーチンを示すフローチャート図である。
【0160】
ECU39は、先ずS2101において、温水回収処理開始時点からの積算温水機関回転数Ne’を算出する。
【0161】
次に、ECU39は、S2102に進み、前記S2101において算出された積温水機関回転数Ne’が所定値Nに達したか否かを判別する。
【0162】
前記S2102において、積算温水機関回転数Ne’が所定値Nに達していないと判断された場合は、ECU39は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0163】
前記S2102において、積算温水機関回転数Ne’が所定値Nに達したと判断された場合は、ECU39は、S2302に進み、前記第4の実施の形態のS1101と同様、温水回収処理開始時点からの積算温水回収処理時間Tcol’’を算出する。
【0164】
さらに、ECU39は、S202に進み、内燃機関1の機関回転数Neを読み込む。
【0165】
次に、ECU39は、S2303において、あらかじめ記録された積算温水回収処理時間と、内燃機関1の機関回転数と、電動ウォーターポンプ駆動時間と、の関係を示すマップにアクセスし、前記S2302において算出された積算温水回収処理時間Tcol’’及び前記S202において読み込まれた内燃機関1の機関回転数Neに応じて電動ウォーターポンプ14の駆動時間Tepを決定する。
【0166】
ECU39は、前記S2303にて電動ウォーターポンプ14の駆動時間Tepを決定した後、S104において、電動ウォーターポンプ14を駆動させる。
【0167】
S104、S105、及び、S106は前記第4の実施の形態と同様である。
【0168】
ECU39は、前記S106において、電動ウォーターポンプ14の駆動を停止した後、S2107に進み、積算内燃機関回転数をクリアし、本ルーチンの実行を終了する。
【0169】
このように、ECU39が本ルーチンを実行することにより、温水回収処理開始後、積算機関回転数が所定値になる毎に、気体抜き処理が行われることになる。
【0170】
従って、温水回収処理開始後一定時間毎に、気体抜き処理が行われることになるため、蓄熱装置15内に多量の気体が溜まることを防ぐことが可能となる。
【0171】
【発明の効果】
本発明に係る蓄熱システムによれば、蓄熱する際に、熱媒体が上側連通口から蓄熱容器内に流入し、下側連通口から流出する方向へ、熱媒体を循環させることによって、熱媒体循環通路を流れる高温の熱媒体を回収することが出来ると共に、熱媒体が下側連通口から蓄熱容器内に流入し、上側連通口から流出する方向へ、熱媒体を循環させることによって、熱媒体を蓄熱容器に回収する時に熱媒体と共に蓄熱容器内に流入し蓄熱容器上方に溜まった気体を、上側連通口から熱媒体循環通路へ排出させることが出来る。従って、蓄熱容器上方に気体が溜まることによって蓄熱容器内に貯留される熱媒体の量が減少することがなくなる。
【0172】
また、蓄熱容器内の気体を熱媒体循環通路へ排出する気体抜き処理を実施する時間が、蓄熱容器内に溜まった気体の量に応じて、決定されるため、好適に気体抜き処理を行うことが出来る。即ち、蓄熱容器上方に溜まった気体が上側連通口から排出された後、さらに気体抜き処理を続けることによって、蓄熱容器内に貯留された熱媒体のうち、対流によって上方に上昇し貯留されている温度の高い熱媒体が、上側連通口から熱媒体循環通路へ流出することを防ぐことが出来る。また、気体抜き処理の不足によって蓄熱容器上方に多量の気体が溜まった状態となることを防ぐことが出来る。
【0173】
この結果、本発明に係る蓄熱システムによれば、蓄熱効率を悪化させることなく蓄熱することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る蓄熱システムを備えた内燃機関の冷却水循環系を示す図
【図2】 本発明に係る蓄熱容器における温水回収処理時の冷却水の流れを示す図
【図3】 本発明に係る蓄熱容器における気体抜き処理時の冷却水の流れを示す図
【図4】 第1の実施の形態における、気体抜き処理ルーチンを示すフローチャート図
【図5】 第2の実施の形態における、気体抜き処理ルーチンを示すフローチャート図
【図6】 第3の実施の形態における、気体抜き処理ルーチンを示すフローチャート図
【図7】 第4の実施の形態における、気体抜き処理ルーチンを示すフローチャート図
【図8】 第5の実施の形態における、気体抜き処理ルーチンを示すフローチャート図
【図9】 積算温水回収処理時間と電動ウォーターポンプの駆動時間との関係を示す図
【図10】 内燃機関回転数と電動ウォーターポンプの駆動時間との関係を示す図
【符号の説明】
1・・・・内燃機関
1a・・・シリンダヘッド
1b・・・シリンダブロック
2a・・・ヘッド側冷却水路
2b・・・ブロック側冷却水路
5・・・・ラジエータ
10・・・機械式ウォータポンプ
11a・・・第1ヒータホース
11b・・・第2ヒータホース
11c・・・第3ヒータホース
11d・・・第4ヒータホース
12・・・ヒータコア
13a・・・第1バイパス通路
13b・・・第2バイパス通路
13c・・・第3バイパス通路
14・・・電動ウォーターポンプ
15・・・蓄熱容器
15a・・・下側連通口
15b・・・上側連通口
16・・・流路切換弁
17・・・第1水温センサ
18・・・第2水温センサ
19・・・第3水温センサ
39・・・ECU
43・・・バッテリ

Claims (14)

  1. 内燃機関を経由して熱媒体が循環する熱媒体循環通路と、
    前記熱媒体循環通路内を循環する前記熱媒体を蓄熱状態で貯留する蓄熱容器と、を有する蓄熱システムにおいて、
    前記熱媒体回収処理の実施時間の長さを積算した積算熱媒体回収処理時間を算出する積算熱媒体回収処理時間算出手段をさらに備え、
    前記蓄熱容器内部に、重力方向上側の位置で前記熱媒体循環通路と連通する上側連通口と、重力方向下側の位置で前記熱媒体循環通路と連通する下側連通口と、が配置されており、
    蓄熱する際に、前記熱媒体が前記上側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記下側連通口から流出する方向へ前記熱媒体を循環させることによって、前記熱媒体循環通路を流れる高温の熱媒体を前記蓄熱容器内に回収する熱媒体回収処理を行い、
    前記熱媒体が前記下側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記上側連通口から流出する方向へ前記熱媒体を循環させることによって、前記蓄熱容器上方に溜まった気体を前記熱媒体循環通路へ排出する気体抜き処理を行い、
    前記積算熱媒体回収処理時間算出手段によって算出された積算熱媒体回収処理時間が所定積算熱媒体回収処理時間となる毎に、前記気体抜き処理は行われることを特徴とする蓄熱システム。
  2. 前記気体抜き処理の実施時間の長さは、前記積算熱媒体回収処理時間算出手段によって算出された積算熱媒体回収処理時間に基づいて決定されることを特徴とする請求項1記載の蓄熱システム。
  3. 前記熱媒体循環通路に設けられ、前記熱媒体を循環させると共に、前記内燃機関の機関回転数に応じて出力が変化する循環装置をさらに備え、
    前記気体抜き処理の実施時間の長さは、前記積算熱媒体回収処理時間算出手段によって算出された積算熱媒体回収処理時間が前記所定積算熱媒体回収処理時間となった後であって前記気体抜き処理の実施を開始する前の前記内燃機関の機関回転数に基づいて決定されることを特徴とする請求項1記載の蓄熱システム。
  4. 前記気体抜き処理の実施時間の長さは、前記積算熱媒体回収処理時間算出手段によって
    算出された積算熱媒体回収処理時間及び前記積算熱媒体回収処理時間算出手段によって算出された積算熱媒体回収処理時間が前記所定積算熱媒体回収処理時間となった後であって前記気体抜き処理の実施を開始する前の前記内燃機関の機関回転数に基づいて決定されることを特徴とする請求項3記載の蓄熱システム。
  5. 内燃機関を経由して熱媒体が循環する熱媒体循環通路と、
    前記熱媒体循環通路内を循環する前記熱媒体を蓄熱状態で貯留する蓄熱容器と、を有する蓄熱システムにおいて、
    前記熱媒体循環通路に設けられ、前記熱媒体を循環させると共に、前記内燃機関の機関回転数に応じて出力が変化する循環装置と、
    前記内燃機関の積算機関回転数を算出する積算機関回転数算出手段と、をさらに備え、
    前記蓄熱容器内部に、重力方向上側の位置で前記熱媒体循環通路と連通する上側連通口と、重力方向下側の位置で前記熱媒体循環通路と連通する下側連通口と、が配置されており、
    蓄熱する際に、前記熱媒体が前記上側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記下側連通口から流出する方向へ前記熱媒体を循環させることによって、前記熱媒体循環通路を流れる高温の熱媒体を前記蓄熱容器内に回収する熱媒体回収処理を行い、
    前記熱媒体が前記下側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記上側連通口から流出する方向へ前記熱媒体を循環させることによって、前記蓄熱容器上方に溜まった気体を前記熱媒体循環通路へ排出する気体抜き処理を行い、
    前記積算機関回転数算出手段によって算出された積算機関回転数が所定積算機関回転数になる毎に、前記気体抜き処理は行われることを特徴とする蓄熱システム。
  6. 前記熱媒体回収処理の実施時間の長さを積算した積算熱媒体回収処理時間を算出する積算熱媒体回収処理時間算出手段をさらに備え、
    前記気体抜き処理の実施時間の長さは、前記積算熱媒体回収処理時間算出手段によって算出された積算熱媒体回収処理時間に基づいて決定されることを特徴とする請求項5記載の蓄熱システム。
  7. 前記気体抜き処理の実施時間の長さは、前記積算機関回転数算出手段によって算出された積算機関回転数が前記所定積算機関回転数となった後であって前記気体抜き処理の実施を開始する前の前記内燃機関の機関回転数に基づいて決定されることを特徴とする請求項5記載の蓄熱システム。
  8. 前記熱媒体回収処理の実施時間の長さを積算した積算熱媒体回収処理時間を算出する積算熱媒体回収処理時間算出手段をさらに備え、
    前記気体抜き処理の実施時間の長さは、前記積算熱媒体回収処理時間算出手段によって算出された積算熱媒体回収処理時間及び前記積算機関回転数算出手段によって算出された積算機関回転数が前記所定積算機関回転数となった後であって前記気体抜き処理の実施を開始する前の前記内燃機関の機関回転数に基づいて決定されることを特徴とする請求項7記載の蓄熱システム。
  9. 内燃機関を経由して熱媒体が循環する熱媒体循環通路と、
    前記熱媒体循環通路内を循環する前記熱媒体を蓄熱状態で貯留する蓄熱容器と、を有する蓄熱システムにおいて、
    前記熱媒体回収処理の実施時間の長さを積算した積算熱媒体回収処理時間を算出する積算熱媒体回収処理時間算出手段をさらに備え、
    前記蓄熱容器内部に、重力方向上側の位置で前記熱媒体循環通路と連通する上側連通口と、重力方向下側の位置で前記熱媒体循環通路と連通する下側連通口と、が配置されており、
    蓄熱する際に、前記熱媒体が前記上側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記下側連通口から流出する方向へ前記熱媒体を循環させることによって、前記熱媒体循環通路を流れる高温の熱媒体を前記蓄熱容器内に回収する熱媒体回収処理を行い、
    前記熱媒体が前記下側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記上側連通口から流出する方向へ前記熱媒体を循環させることによって、前記蓄熱容器上方に溜まった気体を前記熱媒体循環通路へ排出する気体抜き処理を行い、
    前記気体抜き処理は、前記熱媒体回収処理開始後一定時間毎に行われ、
    前記気体抜き処理の実施時間の長さは、前記積算熱媒体回収処理時間算出手段によって算出された積算熱媒体回収処理時間に基づいて決定されることを特徴とする蓄熱システム。
  10. 内燃機関を経由して熱媒体が循環する熱媒体循環通路と、
    前記熱媒体循環通路内を循環する前記熱媒体を蓄熱状態で貯留する蓄熱容器と、を有する蓄熱システムにおいて、
    前記熱媒体循環通路に設けられ、前記熱媒体を循環させると共に、前記内燃機関の機関回転数に応じて出力が変化する循環装置をさらに備え、
    前記蓄熱容器内部に、重力方向上側の位置で前記熱媒体循環通路と連通する上側連通口と、重力方向下側の位置で前記熱媒体循環通路と連通する下側連通口と、が配置されており、
    蓄熱する際に、前記熱媒体が前記上側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記下側連通口から流出する方向へ前記熱媒体を循環させることによって、前記熱媒体循環通路を流れる高温の熱媒体を前記蓄熱容器内に回収する熱媒体回収処理を行い、
    前記熱媒体が前記下側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記上側連通口から流出する方向へ前記熱媒体を循環させることによって、前記蓄熱容器上方に溜まった気体を前記熱媒体循環通路へ排出する気体抜き処理を行い、
    前記気体抜き処理は、前記熱媒体回収処理開始後一定時間毎に行われ、
    前記気体抜き処理の実施時間の長さは、前記一定時間が経過した後であって前記気体抜き処理の実施を開始する前の前記内燃機関の機関回転数に基づいて決定されることを特徴とする蓄熱システム。
  11. 前記熱媒体回収処理の実施時間の長さを積算した積算熱媒体回収処理時間を算出する積算熱媒体回収処理時間算出手段をさらに備え、
    前記気体抜き処理の実施時間の長さは、前記積算熱媒体回収処理時間算出手段によって算出された積算熱媒体回収処理時間及び前記一定時間が経過した後であって前記気体抜き処理の実施を開始する前の前記内燃機関の機関回転数に基づいて決定されることを特徴とする請求項10記載の蓄熱システム。
  12. 内燃機関を経由して熱媒体が循環する熱媒体循環通路と、
    前記熱媒体循環通路内を循環する前記熱媒体を蓄熱状態で貯留する蓄熱容器と、を有する蓄熱システムにおいて、
    前記熱媒体回収処理の実施時間の長さを積算した積算熱媒体回収処理時間を算出する積算熱媒体回収処理時間算出手段をさらに備え、
    前記蓄熱容器内部に、重力方向上側の位置で前記熱媒体循環通路と連通する上側連通口と、重力方向下側の位置で前記熱媒体循環通路と連通する下側連通口と、が配置されており、
    蓄熱する際に、前記熱媒体が前記上側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記下側連通口から流出する方向へ前記熱媒体を循環させることによって、前記熱媒体循環通路を流れる高温の熱媒体を前記蓄熱容器内に回収する熱媒体回収処理を行い、
    前記熱媒体が前記下側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記上側連通口から流出する方向へ前記熱媒体を循環させることによって、前記蓄熱容器上方に溜まった気体を前記
    熱媒体循環通路へ排出する気体抜き処理を行い、
    前記気体抜き処理は、前記熱媒体回収処理が終了する所定時間前に行われ、
    前記気体抜き処理の実施時間の長さは、前記積算熱媒体回収処理時間算出手段によって算出された積算熱媒体回収処理時間に基づいて決定されることを特徴とする蓄熱システム。
  13. 内燃機関を経由して熱媒体が循環する熱媒体循環通路と、
    前記熱媒体循環通路内を循環する前記熱媒体を蓄熱状態で貯留する蓄熱容器と、を有する蓄熱システムにおいて、
    前記熱媒体循環通路に設けられ、前記熱媒体を循環させると共に、前記内燃機関の機関回転数に応じて出力が変化する循環装置をさらに備え、
    前記蓄熱容器内部に、重力方向上側の位置で前記熱媒体循環通路と連通する上側連通口と、重力方向下側の位置で前記熱媒体循環通路と連通する下側連通口と、が配置されており、
    蓄熱する際に、前記熱媒体が前記上側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記下側連通口から流出する方向へ前記熱媒体を循環させることによって、前記熱媒体循環通路を流れる高温の熱媒体を前記蓄熱容器内に回収する熱媒体回収処理を行い、
    前記熱媒体が前記下側連通口から前記蓄熱容器内に流入し、前記上側連通口から流出する方向へ前記熱媒体を循環させることによって、前記蓄熱容器上方に溜まった気体を前記熱媒体循環通路へ排出する気体抜き処理を行い、
    前記気体抜き処理は、前記熱媒体回収処理が終了する所定時間前に行われ、
    前記気体抜き処理の実施時間の長さは、前記熱媒体回収処理の終了条件が成立した後であって前記気体抜き処理の実施を開始する前の前記内燃機関の機関回転数に基づいて決定されることを特徴とする蓄熱システム。
  14. 前記熱媒体回収処理の実施時間の長さを積算した積算熱媒体回収処理時間を算出する積算熱媒体回収処理時間算出手段をさらに備え、
    前記気体抜き処理の実施時間の長さは、前記積算熱媒体回収処理時間算出手段によって算出された積算熱媒体回収処理時間及び前記熱媒体回収処理の終了条件が成立した後であって前記気体抜き処理の実施を開始する前の前記内燃機関の機関回転数に基づいて決定されることを特徴とする請求項13記載の蓄熱システム。
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