JP4190680B2 - 大型容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の物品を、大量に、収容、搬送、保管するため使用される合成樹脂で一体に成形された大型容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々の物品を、大量に、収容、搬送、保管するための大型容器としては、合成樹脂で一体に成形された大型容器が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、下に位置する大型容器内に、上に位置する大型容器が嵌合されたネスティング状態から、上に位置する大型容器を取り出すための有効な手段がなく、ネスティング状態の大型容器の取り出しには、多大の労力と時間を要していた。
【0005】
本発明の目的は、上述した従来の大型容器が有する課題を解決するとともに、取扱性の優れた大型容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、第1には、大型容器の開口部近傍に位置する側壁の外周面に、該外周面の全周を囲むように2つの水平全周リブが形成されているとともに、大型容器の角部に形成され、且つ、前記2つの水平全周リブを連結する縦リブには、ロープが挿入可能な透孔が形成されており、更に、前記2つの水平全周リブのうち、下方に位置する水平全周リブの角部裏面に、ロープが引っ掛け可能な係止リブを垂設したものであり、第2には、係止リブの裏面に、上方から下方に向かって、側壁側に接近する傾斜面を有する突起リブを形成したものであり、第3には、係止リブの中央部と側壁との間に、補強リブを形成したものである。
【0007】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0008】
大型容器Bは、平面形状が方形状の底部1と、底部1から大型容器Bの開口部に向かって、外側に傾斜して形成された側壁2とを有している。側壁2の上端からは、外側に水平状に延設されたフランジ3が形成されており、また、フランジ3の下方で、大型容器Bの開口部近傍には、側壁2の外周面の全周を囲むように水平状に延設された水平全周リブ4が、適当数、形成されている。本実施例においては、2つの水平全周リブ4a、4bが形成されている。なお、便宜的に、2つの水平全周リブ4a、4bのうち、上方に位置する水平全周リブ4aを、第1水平全周リブ4aと称し、下方に位置する水平全周リブ4bを、第2水平全周リブ4bと称する。更に、第1水平全周リブ4a及び第2水平全周リブ4bの下方には、大型容器Bの角部を除いて、各側壁2の外周面の幅方向に、所定の長さに亘たって1つの水平載置リブ5が形成されている。図3に示されているように、第1水平全周リブ4a、第2水平全周リブ4b及び水平載置リブ5の先端を結んで形成される仮想面は、垂直な仮想垂直面F1を形成しており、フランジ3の先端は、後述するように、この仮想垂直面F1より、内側に位置している。なお、大型容器Bを構成する底部1及び側壁2には、水等の液状物が収容可能なように、孔が形成されていないことが好ましい。
【0009】
フランジ3と、第1水平全周リブ4aとの間には、フランジ3の先端より外側に突出しない幅を有する縦リブ6が、所定の間隔を置いて形成されており、また、第1水平全周リブ4aと第2水平全周リブ4bの間、及び、第2水平全周リブ4bと水平載置リブ5との間には、その先端が、上述した仮想垂直面F1と面一な縦リブ7、8が、それぞれ、所定の間隔を置いて形成されている。
【0010】
図3及び図5に示されているように、側壁2は、底部1から大型容器Bのほぼ中程まで延在する下部側壁領域2aと、下部側壁領域2aの上端から上方に位置する大型容器Bのほぼ中程に形成された帯状領域2bと、帯状領域2bの上端から側壁2の上端まで延在する上部側壁領域2cとから構成されており、底部1の各辺から上方に延びる仮想垂直面F2に対する帯状領域2bの傾斜角度θ1は、上記仮想垂直面F2に対する下部側壁領域2aと上部側壁領域2cの傾斜角度θ2より大きく形成されている。従って、上部側壁領域2cの外面は、帯状領域2bを挟んで、下部側壁領域2aの外面より、水平距離で幅w1分だけ、外側に位置している。
【0011】
帯状領域2bの直ぐ下に位置する下部側壁領域2aの外面には、所定の高さ領域に亘たって、該外面から水平方向に突出した箍(たが)状補強水平リブ9が、下部側壁領域2aの全周に形成されている。本実施例には、側壁2の中程に位置する、下部側壁領域2aの上部領域に、4本の箍状補強水平リブ9が形成されている例が示されている。また、本実施例においては、水平載置リブ5の下方に位置する上部側壁領域2c及び箍状補強水平リブ9が形成されていない下部側壁領域2aの外面には、縦横に走る縦横リブ10が形成されており、この場合には、箍状補強水平リブ9の幅w2(下部側壁領域2aの外面から箍状補強水平リブ9の先端までの長さ)は、上述した上部側壁領域2cの外面と下部側壁領域2aの外面との水平距離での差である幅w1に、縦横リブ10の幅w3(上部側壁領域2c或いは下部側壁領域2aの外面から縦横リブ10の先端までの長さ)を加えた幅になるように構成されている。水平載置リブ5の下方に位置する上部側壁領域2c及び下部側壁領域2aの外面に、縦横に走る縦横リブ10が形成されていない場合には、箍状補強水平リブ9の幅w2は、上部側壁領域2cの外面と下部側壁領域2aの外面との水平距離での差である上記の幅w1になるように構成されている。帯状領域2bの直ぐ下に位置する箍状補強水平リブ9間には、必要に応じて、箍状補強水平リブ9を連結する、同じ幅w2を有する縦リブ9aを形成することもできる。側壁2の中程に、このような箍状補強水平リブ9を形成することにより、大型容器Bの側壁2を補強することができ、従って、大型容器Bに収容物を収容した際の大型容器Bの側壁2が外側に膨れる、所謂、胴膨れ現象を防止することができる。
【0012】
胴膨れ現象防止手段である箍状補強水平リブ9が形成された大型容器Bを、合成樹脂で一体成形することができ、従って、大型容器Bに、別部材で形成された胴膨れ現象防止部材を配設する必要がなく、簡単な構成により、効果的に胴膨れ現象を防止することができる。また、仮想垂直面F2に対する傾斜角度θ1が大きな帯状領域2bの下方に位置する下部側壁領域2aの外面に、胴膨れ現象の防止手段としての箍状補強水平リブ9が形成されており、従って、箍状補強水平リブ9はネスティング作業の支障とならないので、十分なネスティングを行うことができる。
【0013】
底部1の4つの角部には、下方に延在する隅桁1aが形成されており、また、隅桁1a間に位置する底部1の各辺の中間には、同じく、4つの中間桁1bが形成され、隅桁1aと中間桁1bとの間には、フォークリフトやハンドフォークリフトのフォークが挿入可能なフォーク挿入口11が形成されている。また、底部1の裏面には、縦横に走る多数の縦横リブ1cが垂設されている。隅桁1aは、少なくとも、ほぼ角筒状の筒部1a1と筒部1a1の対角方向に延在する対角リブ1a2を有しており、また、中間桁1bは、ほぼ角筒状の筒部1b1と筒部1b1の周壁に沿って縦横に延在する内部リブ1b2を有している。
【0014】
本実施例においては、底部1の裏面に垂設された縦横リブ1cのうち、底部1の中央部に位置する縦横リブ1c’の間隔は、他の部分の縦横リブ1cの間隔より狭く形成されている。このように、底部1の中央部に位置する縦横リブ1c’の間隔を狭く形成することにより、大型容器Bに収容部が収容された際の底部1の中央部の下方へのたわみを防止することができるように構成されている。底部1の裏面に垂設された縦横リブ1cの全てを、間隔の狭い縦横リブ1c’に構成することもできるが、このように構成すると、大型容器Bの重量が増加するとともに、成形金型がより複雑になる等の問題があるので、大型容器Bに収容部が収容された際に、最も下方へたわみやすい部分である、底部1の中央部に位置する縦横リブ1c’を、間隔の狭いリブとすることが好ましい。
【0015】
図2、図3及び図5等に示されているように、フォーク挿入口11の上方付近に位置する下部側壁領域2aの外面には、上述した下部側壁領域2aの外面に形成された縦横リブ10より間隔の狭い縦リブ12aと横リブ12bとからなる側壁側のフォーク挿入部補強リブ12が形成されており、また、隅桁1aと中間桁1bとの間に位置する底部1のアール部1d付近には、縦横に走る底部側のフォーク挿入部補強リブ13が形成されている。フォークのフォーク挿入口11への挿入作業の際に、フォークがぶつかり易いフォーク挿入口11の上方に位置する下部側壁領域2aや隅桁1aと中間桁1bとの間に位置する底部1のアール部1d付近に、このようなフォーク挿入部補強リブ12、13を形成することにより、大型容器Bの損傷を防止することができる。
【0016】
次に、主として、図6及び図7を用いて、大型容器Bの開口部の外膨れ防止手段について説明する。
【0017】
フランジ3と第1水平全周リブ4aとの間に位置する側壁2の一部を、外側に膨出させることにより、側壁2の上部内面には、所定の間隔を置いて、ボルトの頭部が挿入可能な凹部2dが形成されており、凹部2dは、底部壁2d1、側壁2にほぼ垂直な相対する対向壁2d2及び側壁2にほぼ平行な内壁2d3とから形成されている。そして、凹部2dを形成する内壁2d3には、ボルト孔2eが穿設されている。
【0018】
フランジ3と第1水平全周リブ4aとの間に形成された縦リブ6のうち、各側壁2の両端部付近に位置する縦リブ6を除いて、凹部6aが形成されており、この凹部6aには、フランジ3より外側に突出しないように、筒状の角材等からなる補強材14が装着されており、補強材14には、所定の間隔でネジ孔14aが形成されている。上記の凹部6aに装着された補強材14は、上述した側壁2の上部に形成された凹部2dの内壁2d3に穿設されたボルト孔2eに、大型容器Bの内側から、ボルト15を、適当数のワッシャー15aを介して、挿通するとともに、ボルト15を、補強材14に形成されたネジ孔14aに螺合させることにより、補強材14を、フランジ3と第1水平全周リブ4aとの間に装着することができるように構成されている。このような補強材14は、大型容器Bを取り囲むように、4つの全ての側壁2に取着されている。なお、ボルト15の頭部15bは、上述したように、凹部2d内に収容され、側壁2の内面から突出しないように構成されており、ネスティングした際に、嵌合される上に位置する大型容器Bの側壁2や側壁2の外面に形成されたリブが、下に位置する大型容器Bの凹部2d内に配置されたボルト15の頭部15bに当接し、ネスティングが不可能になるようなことがないように構成されている。
【0019】
上述したような、補強材14を、大型容器Bを取り囲むように、4つの全ての側壁2に取着することにより、大型容器Bの開口部を補強することができ、内容物が収容された際に、大型容器Bの開口部付近の側壁2が、外側に膨らむ現象である、開口部の外膨れ現象を起こし、開口部付近が破損したり、或いは、被蓋された蓋が破損したりすることを防止できるとともに、側壁2の上部が、外膨れを起こしたために、被蓋された蓋が、大型容器Bから取り外せなくなる等のトラブルを解消することができる。なお、上述した補強材14に代えて、金属バンド等の補強バンドで、フランジ3と第1水平全周リブ4aとの間に位置する側壁2を締結して、補強することもできる。
【0020】
図2、図9及び図10において、16は、第1水平全周リブ4aと第2水平全周リブ4bとを連結する縦リブ7のうち、大型容器Bの角部付近に位置する縦リブ7aに穿設された透孔であり、また、17は、大型容器Bの角部付近に位置する第2水平全周リブ4bの裏面に垂設された係止リブである。ロープを、透孔16に通してループを形成したり、ループ状のロープを、係止リブ17に引っ掛けたりするとともに、ループ状に形成されたロープを、クレーンのフックに引っ掛けたり、或いは、ループ状に形成されたロープに、フォークリフトのフォークを挿通することにより、大型容器Bを搬送することができるように構成されている。このような透孔16や係止リブ17は、何方か一方のみ、設けることができるが、両方を設けることもできる。
【0021】
また、図10に示されているように、係止リブ17の中央部と側壁2との間に、垂直な補強リブ17aを形成するとともに、補強リブ17aに、ロープが挿入される、下方が開放した切り欠き17bを形成するように構成することもできる。更に、切り欠き17bを設けることにより形成される、係止リブ17の裏面の突起リブ17cに、上方から下方に向かって、側壁2側に接近する傾斜面17c’を形成することにより、切り欠き17bに挿入されたロープが、切り欠き17bから外れにくくするように構成することもできる。
【0022】
図4において、1eは、底部1の裏面から垂設されたグロメット装着用の筒状リブであり、筒状リブ1eには、図示されていない公知の防滑用のグロメットが嵌着されるように構成されている。フォーク挿入口11にフォークを挿入し、フォークを上昇させた際に、フォークの上面が、グロメットに当接するように構成されている。このように、フォークを上昇させた際に、フォークの上面が、グロメットに当接するように構成されているので、フォークにより大型容器Bを搬送する際に、フォーク上を大型容器Bが移動することが防止でき、従って、従来のように、大型容器Bが、フォーク上を移動し、大型容器Bが、フォークリフトの支柱に衝突して、大型容器Bが損傷するようなことが防止できる。
【0023】
図8に示されているように、本実施例の本体容器Bは、空の状態において、上に位置する大型容器Buが、下に位置する大型容器Bb内に、嵌合される、所謂、ネスティングが可能なように構成されている。そして、上に位置する大型容器Buが、下に位置する大型容器Bb内に嵌合された、ネスティング状態においては、上に位置する大型容器Buの水平載置リブ5が、下に位置する大型容器Bbのフランジ3に載置され、また、上に位置する大型容器Buの底部1に形成された隅桁1a及び中間桁1bは、下に位置する大型容器Bbの底部1に当接しないように構成されている。更に、上に位置する大型容器Buに形成された縦横リブ10は、下に位置する大型容器Bbの側壁2の内面に当接しないように構成されているとともに、上に位置する大型容器Buに形成された箍状補強水平リブ9は、下に位置する大型容器Bbの帯状領域2bより、上に位置するように構成されており、下に位置する大型容器Bbの側壁2の内面に当接しないように構成されている。このように構成することにより、上に位置する大型容器Buの箍状補強水平リブ9が、下に位置する大型容器Bbの帯状領域2bの内面に当接したり、或いは、上に位置する大型容器Buの縦横リブ10が、下に位置する大型容器Bbの側壁の内面に当接したりすることにより、ネスティング状態の上に位置する大型容器Buを、上方に持ち上げた際に、下に位置する大型容器Bbが、上に位置する大型容器Buと共に持ち上げられるようなことが防止できる。
【0024】
次に、主として、図9〜図11を用いて、側壁2が外側に膨らむ、所謂、胴膨れ現象を防止する側壁補強部材の実施例について説明する。
【0025】
この実施例は、箍状補強水平リブ9のうち、中央部に位置する1本或いは2本の箍状補強水平リブ9’の幅w2を狭くして、狭く形成された箍状補強水平リブ9の周囲に、透孔18a’が穿設された折り返し端部18aを有する補強バンド18bを巻き付けて、緊諦された補強バンド18bの折り返し端部18aに穿設された透孔18a’に、適宜、ワッシャー18c’を介して、ボルト18cを挿通するとともに、挿通されたボルト18cにナット18dを螺合させることにより、補強バンド18bを、箍状補強水平リブ9の周囲に緊諦したものである。この際、補強バンド18bやボルト18b等からなる側壁補強部材18は、箍状補強水平リブ9の先端から外側に突出しないように構成されている。このように構成することにより、ネスティングの際に、上に位置する大型容器Bの側壁補強部材18を構成する補強バンド18aやボルト18c等が、下に位置する大型容器Bの側壁2の内面に当接しないように構成されている。上記のように、側壁2の中程に、箍状補強水平リブ9に加え、側壁補強部材18を配設することにより、大型容器Bの側壁2を更に補強することができ、従って、大型容器Bに収容物を収容した際の大型容器Bの側壁2が外側に膨れる、所謂、胴膨れ現象を、確実に防止することができる。なお、この実施例においては、上部側壁領域2c及び下部側壁領域2aの外面に形成された縦横に走る縦横リブ10が省略されているが、当然のことながら、このような縦横リブ10を形成することもできる。
【0026】
次に、図2及び図12等を用いて、ネスティング状態から、上に位置する大型容器Bを取り出す手段について、より詳細に説明する。なお、便宜的に、図12には、ネスティング状態から取り出される大型容器Bのみが示されており、下方に位置する大型容器Bは省略されている。
【0027】
図2及び図9を用いて説明したように、第1水平全周リブ4aと第2水平全周リブ4bとを連結する縦リブ7のうち、大型容器Bの4つの角部付近に位置する縦リブ7aには、それぞれ、透孔16が穿設されている。そして、ネスティング状態から、上に位置する大型容器Bを取り出す場合には、一例として、下方に4本の分枝ロープR1を有するロープRの各分枝ロープR1を、透孔16に通してループr1を形成して、大型容器BにロープRを連結し、次いで、ロープRを、図示されていないクレーンのフックに連結したり、或いは、分枝ロープR1の結束部r2にフックを引っ掛ける。その後、クレーンを作動させることにより、フックを上昇させて、ロープRに連結されたネスティングされていた大型容器Bを、上方に持ち上げる。勿論、ループr1に、フォークリフトのフォークを挿通し、その後、フォークリフトを作動させてフォークを上昇させて、ネスティングされていた大型容器Bを、上方に持ち上げることもできる。
【0028】
図13には、大型容器Bの4つの角部付近に位置する第2水平全周リブ4bの裏面に垂設された係止リブ17を用いて、ネスティング状態から、上に位置する大型容器Bを取り出す場合が示されている。この場合には、下方に4本の分枝ロープR1を有するロープRの各分枝ロープR1の端部に取着されたフックr3を、係止リブ17に引っ掛け、その後、クレーンを作動させることにより、フックを上昇させて、ロープRに連結されたネスティングされていた大型容器Bを、上方に持ち上げる。勿論、分枝ロープR1の下部にループr1を形成し、ループr1に係止リブ17に引っ掛け、その後、クレーンを作動させることにより、フックを上昇させて、ロープRに連結されたネスティングされていた大型容器Bを、上方に持ち上げることもできる。勿論、ループr1に、フォークリフトのフォークを挿通し、その後、フォークリフトを作動させてフォークを上昇させて、ネスティングされていた大型容器Bを、上方に持ち上げることもできる。
【0029】
上述したように、ロープRを、透孔16に通してループr1を形成したり、ループr1を、係止リブ17に引っ掛けたりするとともに、ループr1を、クレーンのフックに引っ掛けたり、或いは、フォークリフトのフォークに挿通するとともに、クレーン或いはフォークリフトのフォークを作動させて、ロープRに連結されたネスティングされていた大型容器Bを、上方に持ち上げる。
【0030】
上述したような、フォークリフトのフォークやクレーンのフックに、直に、或いは、ロープRやスリングを介して、引っ掛け可能な引っ掛け部材としての透孔16や係止リブ17を設けるだけの簡単な構成により、倉庫や工場や作業現場等に、通常、装備されているクレーン或いはフォークリフトを用いて、簡単に、ネスティング状態の大型容器Bを上方に持ち上げ、取り出すことができる。
【0031】
なお、上述した実施例には.透孔16を、第1水平全周リブ4aと第2水平全周リブ4bとを連結する縦リブ7の角部付近に位置する縦リブ7aに穿設した例が示されているが、このような透孔16は、フランジ3や、第2水平全周リブ4bと水平載置リブ5とを連結する縦リブ8に穿設することもできる。更には、開口部付近の側壁2に穿設することもできる。いずれにせよ、ネスティング状態の大型容器Bを、ロープRやスリングを介して、クレーン或いはフォークリフトにより、上方に持ち上げる際に、持ち上げられた大型容器Bが、バランスを崩さないような位置であれば、どのような位置に透孔16を穿設してもよい。
【0032】
同様に、係止リブ17は、必ずしも、第2水平全周リブ4bの裏面に垂設する必要はなく、フランジ3や第1水平全周リブ4aや水平載置リブ5の裏面に形成することができる。また、フランジ3や第1水平全周リブ4aや第2水平全周リブ4bの上面に、別部材として形成された鉤状のフックを取着して、鉤状のフックに、分枝ロープR1の下部に形成されたループr1を引っ掛ける等して、クレーン或いはフォークリフトを用いて、ネスティング状態の大型容器Bを持ち上げることもできる。この場合にも、ネスティング状態の大型容器Bを、ロープRやスリングを介して、クレーン或いはフォークリフトにより、上方に持ち上げる際に、持ち上げられた大型容器Bが、バランスを崩さないような位置であれば、どのような位置に係止リブ17や鉤状のフックを設けてもよい。
【0033】
引っ掛け部材としての透孔16や係止リブ17は、大型容器Bと、射出成形等により一体成形可能であるので、別部材としての引っ掛け部材を用意する必要がなく、従って、大型容器Bの構造を簡素化することができるとともに、大型容器Bの製造コストを、低減化することができる。
【0034】
多数の大型容器Bがネスティングされている場合には、最上部に位置する大型容器Bの引っ掛け部材としての透孔16や係止リブ17に、ロープRやスリングを掛けて、クレーン或いはフォークリフトにより、上方に持ち上げることもできるが、当然のことながら、ネスティングされた、所定の位置の大型容器Bの引っ掛け部材としての透孔16や係止リブ17に、ロープRやスリングを掛けて、クレーン或いはフォークリフトにより、上方に持ち上げて、透孔16や係止リブ17に、ロープRやスリングが掛けられた大型容器Bより上の複数の大型容器Bを、一緒に持ち上げることもできる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0036】
フォークリフトのフォークやクレーンのフックに、直に、或いは、ロープやスリングを介して、引っ掛け可能な引っ掛け部材を配設したので、ネスティング状態の大型容器を、多大の労力と時間を要することなく、簡単に、且つ、迅速に、持ち上げることができる。
【0037】
引っ掛け部材を、大型容器と一体成形可能な透孔や係止リブにより構成したので、別部材としての引っ掛け部材を用意する必要がなく、従って、大型容器の構造を簡素化することができるとともに、大型容器の製造コストを、低減化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の大型容器の斜視図である。
【図2】図2は本発明の大型容器の正面図である。
【図3】図3は本発明の大型容器の垂直断面図である。
【図4】図4は本発明の大型容器の裏面図である。
【図5】図5は本発明の大型容器の部分垂直断面図である。
【図6】図6は本発明の大型容器の補強材等を含む分解斜視図である。
【図7】図7は本発明の大型容器のフランジ付近の部分拡大垂直断面図である。
【図8】図8は本発明の大型容器がネスティングされた状態を示す部分垂直断面図である。
【図9】図9は本発明の大型容器の別の実施例の正面図である。
【図10】図10は本発明の大型容器に形成された係止リブ等の部分斜視図である。
【図11】図11は図9に示されている大型容器の垂直断面図である。
【図12】図12は図9に示されている大型容器に配設される側壁補強部材の部分斜視図である。
【図13】図13は本発明の大型容器がネスティング状態から持ち上げられる状態を示す正面図である。
【図14】図14は同じく本発明の大型容器がネスティング状態から持ち上げられる状態を示す正面図である。
【符号の説明】
B・・・・・・・・・・・・・大型容器
1・・・・・・・・・・・・・底部
1a・・・・・・・・・・・・隅桁
1b・・・・・・・・・・・・中間桁
2・・・・・・・・・・・・・側壁
3・・・・・・・・・・・・・フランジ
4・・・・・・・・・・・・・水平全周リブ
9・・・・・・・・・・・・・箍状補強水平リブ
14・・・・・・・・・・・・補強材
18、19・・・・・・・・・側壁補強部材
Claims (3)
- 大型容器の開口部近傍に位置する側壁の外周面に、該外周面の全周を囲むように2つの水平全周リブが形成されているとともに、大型容器の角部に形成され、且つ、前記2つの水平全周リブを連結する縦リブには、ロープが挿入可能な透孔が形成されており、更に、前記2つの水平全周リブのうち、下方に位置する水平全周リブの角部裏面には、ロープが引っ掛け可能な係止リブが垂設されていることを特徴とする大型容器。
- 係止リブの裏面に、上方から下方に向かって、側壁側に接近する傾斜面を有する突起リブが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の大型容器。
- 係止リブの中央部と側壁との間に、補強リブが形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の大型容器。
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1999
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