JP4190545B2 - 光増幅器及び光増幅器の制御方法 - Google Patents
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Description
そして、この波長多重光通信システムの重要な構成要素である光増幅器についても、チャネル数の増加に応じた増幅規模のアップグレードが望まれている。なお、光波ネットワーク等を構成する光増幅器についても同様の要請がある。
ここで、光増幅器は励起光源をそなえて構成されているが、多波長多重信号光に対応するためには、大量の励起光を供給しうる励起光源をそなえる必要がある。
そこで、設備投資を効率的に行なうためには、信号光のチャネル数の増加に応じて、光通信システムを運用しながら既存の光増幅器に励起光源を増設することが考えられる。
従って、運用中の光通信システムにおいて、チャネル数の増加/減少に対応するためには、運用中のチャネルに障害を与えることなく、励起光源の増設又は撤去を行なえるようにする必要がある。
また、本発明の光増幅器の制御方法は、波長の異なる複数チャネルの光信号が入力される増幅用光ファイバと、該増幅用光ファイバに励起光を供給する主励起光源とをそなえ、入力される光信号のチャネル数に応じて、該増幅用光ファイバに励起光を供給する補助励起光源が増設可能に構成された光増幅器の制御方法であって、該光信号のチャネル数が所定のチャネル数より大きいときは、該光信号のチャネル数に応じて増設された該補助励起光源の出力をオン状態に制御するとともに該主励起光源の励起光の出力を該補助励起光源の出力に基づいて制御することを特徴としている。
さらに、入力される光信号のチャネル数が所定のチャネル数より大きいときは、光信号の数に応じて増設された補助励起光源の出力をオン状態に制御するので、主励起光源からの出力励起光量が0になることにより生じる制御ダイナミックレンジの欠如を防ぐことができ、励起光の出力制御を確実に行なうことができる。
まず、本発明の原理について説明する。
図1は本発明の光増幅器の構成を示す原理ブロック図であり、この図1に示す光増幅器1は、入力信号光を増幅して出力する光増幅部2と、光増幅部2に励起光を供給する複数の励起光源(主励起光源3及び補助励起光源4)と、励起光源制御部5とをそなえて構成されている。
また、補助励起光源4は、光増幅部2に入力される信号光のチャネル数の増減に応じて、励起光源制御部5により光増幅部2に供給する励起光の出力の有無が制御されるようになっている。
また、図1に示す光増幅器1は、補助励起光源4の配設位置近傍の温度を制御する温度制御部をそなえることが好ましい。
ここで、上記所定のチャネル数は、主励起光源3が供給を予定する最大励起光量に応じたチャネル数である。
さらに、上記励起光源制御部5は、主励起光源3の動作状態に関する情報に基づいて、光増幅部2に入力される信号光のチャネル数が予め設定された所定のチャネル数より大きいか否かを判定するように構成することもできる。なお、主励起光源3の動作状態に関する情報としては、
主励起光源3を動作させるための駆動電流に関する情報を用いてもよく、主励起光源3からのもれ光量に関する情報を用いてもよく、主励起光源3から分岐された励起光量に関する情報を用いてもよい。
また、図1に示す光増幅器1は、光増幅部2に入力される信号光のチャネル数が増減したときに、光増幅部2に施される制御をレベル一定制御と利得一定制御との間で切り換える切換部をそなえて構成されてもよい。
さらに、制御部7は、光増幅器2の出力側端部が開放されたことを認識したときには、光増幅部2の出力信号光のレベルを所定値以下に低減すべく、上記主励起光源3及び補助励起光源4から供給される励起光量を調節するとともに、出力側端部が接続されたことを認識したときには、光増幅部2の出力信号光のレベルを正常値に設定すべく、判定部6での判定結果に応じた補助励起光源4の励起光出力状態を維持したまま、主励起光源3から供給される励起光量を調整するように構成することもできる。
また、上述した光増幅器における励起光源制御方法においては、光増幅部に施す制御をレベル一定制御と利得一定制御との間で切り換えるための待ち時間であって、当該信号光のチャネル数の切り換えを受け付けないガードタイムが設けられたことを特徴としている。
また、本発明の光増幅器の制御方法は、波長の異なる複数の光信号の数を識別し、識別した光信号の数に応じて、複数の光信号が入力される増幅用光ファイバに励起光を供給する励起光源の数を変化させることを特徴としている。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(b1)第1実施形態にかかる光増幅器の構成
図2は本発明の第1実施形態にかかる光増幅器の構成を示すブロック図であるが、この図2に示す光増幅器10は、例えば図4に示す波長多重光通信システム100において、信号光を中継増幅する光インラインアンプとして用いられるものである。
また、図2では、光増幅器10に入力される信号光をλSig,N(N:多重波長数,N≦32)で示している。
また、光増幅部17には、光増幅部17に励起光を供給するための主励起光源20及び補助励起光源21が接続されるとともに、分岐用カプラ12eにて分岐された信号光を受光するモニタ用フォトダイオード22と、フォトダイオード22からの出力信号及び分岐用カプラ12dにて分岐された信号光に基づいて主励起光源20を制御する自動利得制御部(AGC)25と、補助励起光源21からの励起光の出力の有無の制御(補助励起光源21のON/OFF制御)を行なうマイクロコントロールユニット(MCU)19と、フォトダイオード22からの出力信号及びMCU19に基づいて可変減衰器(Att)15を制御する自動レベル制御部(ALC)24とが接続されている。その他、光増幅部17には、出力側コネクタ11fから再入力される信号光(反射光)を受光する反射光モニタ用フォトダイオード22Aが接続されている。
さらに、図2に示す光増幅器10には、監視信号処理部(SV処理部)26が設けられている。
ここで、監視信号は、前述したように光増幅器10に入力される信号光に含まれており、信号光の波長とは異なる波長が割り当てられている。
詳細には、このSV処理部26は、図5に示すように、分岐用カプラ12aにて分岐された監視信号を受光するフォトダイオード(PD)26Aと、フォトダイオード26Aにて受光された信号から、上記チャネル数変動予告信号に含まれるチャネル数情報やフリーズ解除信号を抽出する監視信号処理部26Bと、監視信号を再生するためのレーザダイオード(LD)26Cとをそなえて構成されている。
また、図2に示すように、分岐用カプラ12a,SV処理部26及び合波用カプラ12fによりOSCセクション28が形成される。そして、その他の各部材により増幅セクション27が形成される。
また、主励起光源20は、光増幅部17に励起光を供給する光源であり、AGC25により、励起光の出力量がアナログ制御されるようになっている。なお、この主励起光源20は、光通信システム100の運用当初から設けられている。
ここで、この補助励起光源21は、主励起光源20とは異なり、光増幅部17に入力される信号光のチャネル数の増減に応じて、増設又は撤去することが可能なものである。従って、図2では、補助励起光源21を仮想線で示している。
そして、主励起光源20及び補助励起光源21は、それぞれ光増幅部17の後段及び前段に配設してもよい。
ここで、例えば図5に示すように、主励起光源20を光増幅部17の後段に配設するとともに、補助励起光源21を光増幅部17の前段に配設することにより光増幅器10を構成すれば、光増幅器10に入力する信号光のチャネル数が所定のチャネル数以下であるときには、後方励起用の主励起光源20のみ動作させて低消費電力化を図り、所定のチャネル数より大きいときには、前方励起用の補助励起光源21も動作させて高い出力を得ることができる。
ここで、判定部19Aは、SV処理部26にて抽出された信号光のチャネル数情報に基づいて光増幅部17に入力される信号光のチャネル数を認識して、認識された信号光のチャネル数が、判定部19A内のメモリ等(図示せず)に予め設定された所定のチャネル数より大きいか否かを判定するものである。なお、予め設定された所定のチャネル数とは、主励起光源20が供給を予定する最大励起光量に応じたチャネル数のことであり、主励起光源20が8チャネル分の励起光を予定最大出力として出力する場合には、所定のチャネル数として「8」が設定される。
そして、上記制御部として機能するAGC25及びON/OFF制御部19Bは、安全対策のために、光増幅器17の出力側端部が開放されたことを認識したときには、光増幅部17の出力信号光のレベルを所定値以下に低減すべく、主励起光源20及び補助励起光源21から供給される励起光量を調節する一方、出力側端部が接続されたことを認識したときには、光増幅部17の出力信号光のレベルを正常値に設定すべく、判定部19Aでの判定結果に応じた補助励起光源21の励起光出力状態を維持したまま、主励起光源20から供給される励起光量を調整するようになっている。なお、この安全対策にかかる動作については、「(b2)第1実施形態にかかる光増幅器の動作」にて詳述する。
なお、図3,図5においては、この励起光源制御部を符号124で示している。
また、前述したALC24及び可変減衰器15は、光増幅部17に入力される信号光のチャネル数が増減したときに、光増幅部17に施される制御をレベル一定制御と利得一定制御との間で切り換える切換部として機能している。
そして、図2に示す光増幅器10においては図示を省略しているが、光幅部17の前後段には、この図5に示すように、反射光が入力されるのを防ぐためのアイソレータ123a,123bが配設されている。また、符号124は、前述した励起光源制御部を示し、符号125は、分岐用カプラ12d(図2参照)にて取り出された信号光を受光するフォトダイオードである(このフォトダイオード125も、図2に示す光増幅器10においては図示を省略している)。
(b2)第1実施形態にかかる光増幅器の動作
上述の構成により、本発明の第1実施形態にかかる光増幅器10が適用される光通信システム100においては、信号光の上り側(又は下り側)の信号送信部101から送信された信号光は、複数の光増幅器10により多中継増幅されながら光伝送路内を伝送し、信号光の上り側(又は下り側)の信号受信部104により受信される。
以下では、(1)光増幅器10に入力される信号光のチャネル数が増加する場合と、(2)光増幅器10に入力される信号光のチャネル数が減少する場合に大別して説明する。
この場合には、前提として、光増幅器10に入力される信号光が8チャネル以下であり、光増幅器10においては、主励起光源20のみが当該信号光のチャネル数に応じた量の励起光を出力しているものとする。なお、主励起光源20の励起光の最大出力(パワーリミット)は10チャネル分である。
まず、光増幅器10にコネクタ11aを介して監視信号を含む信号光が入力されると、信号光は分岐用カプラ12a,12bを透過して光増幅部13に入力される一方、監視信号は分岐用カプラ12aにより取り出されてSV処理部26に入力される。
また、信号光のチャネル数が増加する場合には、上記監視信号にはチャネル数変動予告信号が含まれており、SV処理部26においては、このチャネル数変動予告信号から入力信号光のチャネル数情報が抽出され、このチャネル数情報がMCU19及びAGC25に入力される。
ここで、判定部19Aにおいて、光増幅部17に入力される信号光のチャネル数が所定のチャネル数「8」より大きいと判定された場合(即ち、当該信号光のチャネル数が増加して「9」になった場合)には、MCU19及びAGC25は、以下のようにして光増幅部17に供給する励起光量を制御する(図6,図7参照)。
光増幅部17に入力される信号光のチャネル数が増加する場合には、ALC24が可変減衰器15の減衰率を固定することにより、光増幅部17に前述したフリーズ処理が施される。このとき、レベル一定制御を行なうための参照値(増加後のチャネル数に応じた信号光の出力レベルの値)が更新される。
このようにすると、図10の符号Bに示すように、ON/OFFのみ制御される補助励起光源21からは、励起光がゆるやかに出力されるとともに、レベル一定制御される主励起光源20からは、補助励起光源21から出力される励起光量を考慮した量の励起光が出力される。
このように、第1実施形態においては、チャネル数を「8」から「9」に増加した後に、補助励起光源21をONにしているので、主励起光源20からの出力励起光量が0になることにより生じる制御ダイナミックレンジ(図10の符号D参照)の欠如を防ぐことができ、励起光の出力制御を確実に行なうことができる。従って、光増幅器10により増幅される信号光の出力制御をより確実に行なうことができる。
なお、信号光のチャネル数が増加した場合であっても、8チャネル以下で増加した場合には、補助励起光源21からの励起光は不要である。
この場合には、前提として、光増幅器10に入力される信号光が9チャネル以上であり、光増幅器10においては、主励起光源20及び補助励起光源21が協働して当該信号光のチャネル数に応じた量の励起光を出力しているものとする。
そして、以下では、当該信号光のチャネル数が「9」から「8」に減少した場合について説明する。なお、このときは、主励起光源20からは1チャネル分の励起光が出力され、補助励起光源21からは8チャネル分の励起光が出力されている。
そして、MCU19においては、判定部19Aにより、上記チャネル数情報に基づいて入力信号光のチャネル数が認識され、入力信号光のチャネル数が判定部19A内に予め設定された所定のチャネル数「8」より大きいか否か判定される。
まず、信号光のチャネル数が減少したときの主励起光源20及び補助励起光源21からの励起光量(励起光パワー)の変化を図11に示す。
このようにすると、図11の符号Cに示すように、ON/OFFのみ制御される補助励起光源21からの励起光量はゆるやかに減少するとともに、レベル一定制御される主励起光源20からは、補助励起光源21から出力される励起光量を考慮した量の励起光が出力される。その結果、補助励起光源21からの励起光量は0となり、主励起光源20からは9チャネル分の励起光が出力される。
その後、AGC25により、主励起光源20が減少後の当該信号光のチャネル数に応じた量の励起光(8チャネル分の励起光)を出力するように制御される。
また、図11に示すように、補助励起光源21は、ガードタイムS内に完全に停止する。
また、補助励起光源21からの励起光をゆるやかに減少させているので、主励起光源20の制御を追従させることができ、減少前の他のチャネルに悪影響を与えることなく信号光の増幅を行なうことができる。
さらに、前述したフリーズ処理及びフリーズ解除処理について説明する。ここで、前述したフリーズ処理及びフリーズ解除処理における信号の授受について、図8に示す。図8において、丸付き数字1〜4(以下の説明では、それぞれ(1)〜(4)で示す)はフリーズ処理における信号の授受を示し、丸付き数字1′〜4′(以下の説明では、それぞれは(1) ′〜(4) ′で示す)フリーズ解除処理における信号の授受を示す。
また、待ち時間(X1 ms)は、多段接続された光増幅器10(図4参照)を一斉にフリーズさせるのではなく、信号光の入力側から順にフリーズさせるためのものであり、各光増幅10毎に異なる時間が設定されている。
また、待ち時間(X2ms)は、信号光の入力側から順にフリーズを解除するためのものであり、各光増幅10毎に異なる時間が設定されている。
また、光増幅器10においては、安全対策として、AGC25及びON/OFF制御部19Bにより、光増幅器17の出力側端部の接続状態に応じて、光増幅部17の出力信号光のレベルが調整される。
さらに、ON/OFF制御部19Bにより、反射光モニタ用フォトダイオード22Aからの出力信号に基づいて、光増幅器17の出力側端部(具体的にはコネクタ11f)の接続状態が認識される。
さらに、前述した安全光状態のときに信号光の入力断(入力“1”の断)が起こると((9)参照)、光増幅器10が停止状態に戻る。
このように、本発明の第1実施形態にかかる光増幅器10によれば、AGC25及びMCU19(即ち、励起光源制御部124)により、主励起光源20及び補助励起光源21の動作を制御しているので、入力信号光のチャネル数が増減して補助励起光源21をON/OFFする場合でも、運用中のチャネルに悪影響を与えることなく、増減後のチャネル数に応じた量の励起光を光増幅部17に供給することができる。従って、光通信システム100の運用中においても、信号光のチャネル数の増減に応じて、安定に補助励起光源21を増設又は撤去することができる。
(c)第1実施形態の変形例の説明
上述した第1実施形態においては、MCU19の判定部19Aが、監視信号に含まれるチャネル数変動予告信号から抽出されたチャネル数情報に基づいて入力信号光のチャネル数を認識し、入力信号光のチャネル数が予め設定された所定のチャネル数「8」より大きいか否かを判定する場合について説明したが、MCUの判定部が、主励起光源20の動作状態に関する情報に基づいて、入力信号光のチャネル数が予め設定された所定のチャネル数「8」より大きいか否かを判定するようにしてもよい。なお、それ以外の点では、第1実施形態におけるものと同様である。
この場合には、MCU19′は、図13に示すように、複数の抵抗32,複数のオペアンプ(OPアンブ)33〜36,スイッチ(SW)37,双方向ツェナーダイオード38,電源40及び電圧クランプ用のダイオード42をそなえて構成されている。
ここで、オペアンプ34は、主励起光源20に接続された抵抗32に流れる駆動電流から発生する電圧Vbiasを受けるバッファアンプであり、オペアンプ35は、ヒステリシス付きの反転コンパレータであり、判定部として機能するものである。また、オペアンプ36は、オペアンプ33と同様の働きをするパワートランジスタ駆動用のオペアンプである。
主励起光源20の駆動電流が低い時には、駆動電流により発生する電圧Vhighはオペアンプ35のしきい値Vth,h(このしきい値は、チャネル数「8」のときの主励起光源20の駆動電流により発生する電圧の値に相当する)以下であるため、オペアンプ35の出力電圧はVhighになる(図14参照)。従って、スイッチ37はONとなり、オペアンプ36の入力電圧が0Vであるので、補助励起光源21には駆動電流は流れない。
このように駆動電流が増加して、駆動電流により発生する電圧Vhighがオペアンプ35のしきい値Vth,hを超えると、オペアンプ35の出力電圧はVlow になる(図14参照)。従って、スイッチ37はOFFとなり、補助励起光源21に駆動電流が流れるようになる。
(d)第2実施形態の説明
上述した第1実施形態においては、補助励起光源21をAGC25の制御ループに組み込まない場合について説明したが、光増幅器を図17に示すように構成すれば、補助励起光源21′をAGC25′の制御ループに安定に組み込むこともできる。
この光増幅器50は、補助励起光源21の代わりに補助励起光源21′をそなえた点,MCU19の代わりにMCU51をそなえた点,AGC25の代わりにAGC25′をそなえた点,前述したように補助励起光源21がAGC25′の制御ループに組み込まれた点,補助励起光源21に温度制御部53が付設される点及び反射光モニタ用フォトダイオード22Aからの出力信号が上記制御部52に入力される点を除いては、上述した第1実施形態におけるものと同様のものである。
そして、第2実施形態においては、AGC25′は、一次の低周波通過特性を有している。なお、これは、最も一般的且つ基本的な制御系である。
なお、この補助励起光源21′も、光増幅部17に入力される信号光のチャネル数の増減に応じて増設又は撤去することが可能なものであるため、図17では、補助励起光源21′を仮想線で示している。また、補助励起光源21′は、AGC25′の制御ループに組み込まれるため、AGC25′の近傍に配設されている。
ここで、通常、励起光源である励起LDチップでの発熱が大きいこと、及び、高い励起光出力を得るには動作温度が室温(常温)付近にある必要があることから、補助励起光源21′を発光させる前に、温度制御部53を駆動させて温度制御が行なわれる。なお、このとき、温度制御が安定するまでの保護時間が必要になる。
上述の構成により、本発明の第2実施形態にかかる光増幅器50においても、第1実施形態にかかる光増幅器10と同様に、入力された信号光の増幅が行なわれるが、入力信号光のチャネル数が増減した場合には、増減後のチャネル数に応じた量の励起光を光増幅部17に供給すべく、主励起光源20及び補助励起光源21′が制御される。
そして、判定部51Aにより、上記チャネル数情報に基づいて入力信号光のチャネル数が認識され、入力信号光のチャネル数が判定部51A内に予め設定された所定のチャネル数「8」より大きいか否か判定される。
なお、この光増幅器50においては、それ以外の点では、第1実施形態におけるものと同様に動作する。
なお、第2実施形態にかかる光増幅器50においても、第1実施形態の変形例と同様に、MCUの判定部が、主励起光源20の動作状態に関する情報(具体的には、主励起光源20を動作させるための駆動電流)に基づいて、入力信号光のチャネル数が予め設定された所定のチャネル数「8」より大きいか否かを判定するようにしてもよい。
この場合には、図15に示すように、主励起光源20及び補助励起光源21′からのもれ光(バックパワー)をそれぞれモニタするためのバックパワーモニタ用フォトダイオード29a,29bや、主励起光源20及び補助励起光源21′から分岐された励起光をそれぞれモニタするための励起光モニタ用フォトダイオード31a,31bを、光増幅器10に設ける必要がある。ここで、バックパワーモニタ用フォトダイオード29a,29bは、それぞれ主励起光源20及び補助励起光源21′の出射端の反対位置に設けられている。
ここで、MCU19′′は、図13に示すMCU19′とほぼ同様の構成を有しているが、オペアンプ34には、図13に示すMCU19′のように主励起光源20の駆動電流により発生する電圧ではなく、バックパワーモニタ用フォトダイオード29a,29b又は励起光モニタ用フォトダイオード31a,31bにて生じた電流(フォトカレント)により発生する電圧が入力されるようになっている。
そして、このときの主励起光源20及び補助励起光源21′の制御も、図13,図14を用いて前述したものとほぼ同様である。
(e)その他
上述した第1,第2実施形態にかかる光増幅器10,50の動作の変形例について説明する。
この場合には、主励起光源20としては、9チャネル分の励起光を予定最大出力として出力するとともに、3チャネル分の励起光を余分に出力するものを用いる必要がある。つまり、この場合には、主励起光源20としては、合計12チャネル分の励起光を最大出力として出力しうるものが用いられる。
信号光のチャネル数が増加する場合には、信号光のチャネル数が「9」から「10」に増えるときに、主励起光源20のみが10チャネル分の励起光を出力するように制御された後に(図18の符号A参照)、補助励起光源21がONにされる。
そして、最終的には、主励起光源20からは2チャネル分の励起光が出力され、補助励起光源21からは8チャネル分の励起光が出力されることにより、10チャネル分の励起光が出力される。
このようにすると、図19の符号Cに示すように、補助励起光源21からの励起光量はゆるやかに減少するとともに、主励起光源20からは補助励起光源21から出力される励起光量を考慮した量の励起光が出力される。その結果、補助励起光源21からの励起光量は0となり、主励起光源20からは10チャネル分の励起光が出力される。
なお、上述した信号光のチャネル数の増減の前後においては、第1実施形態におけるものと同様に、フリーズ処理及びフリーズ解除処理が行なわれる。
(2)主励起光源20が定常状態で9チャネル分の励起光を出力する場合。
(3)補助励起光源21が4チャネル分の励起光を出力する励起光源2つから構成された場合。
ここで、このような補助励起光源21を用いたときに、信号光のチャネル数が増加したときの主励起光源20及び補助励起光源21からの励起光量(励起光パワー)の変化を図22,図23に示し、信号光のチャネル数が減少したときの主励起光源20及び補助励起光源21からの励起光量(励起光パワー)の変化を図24,図25に示す。
このようにすると、図22の符号B′に示すように、当該励起光源からは励起光がゆるやかに出力されるとともに、主励起光源20からは当該励起光源から出力される励起光量を考慮した量の励起光が出力される。
さらに、信号光のチャネル数が「8」から「9」に増えるときに、主励起光源20が9チャネル分の励起光を出力するように制御された後に(図23の符号A″参照)、補助励起光源21を構成する他の励起光源がONにされる。
そして、最終的には、主励起光源20からは1チャネル分の励起光が出力され、補助励起光源21からは8チャネル分の励起光が出力されることにより、9チャネル分の励起光が出力される。
このようにすると、図24の符号C′に示すように、当該励起光源からの励起光量はゆるやかに減少するとともに、主励起光源20からは当該励起光源から出力される励起光量を考慮した量の励起光が出力される。
その後、減少後の当該信号光のチャネル数に応じた量の励起光(8チャネル分の励起光)を出力すべく、主励起光源20から出力される励起光量が1チャネル分減るように制御される。従って、補助励起光源21からは4チャネル分の励起光が出力され、主励起光源20からは4チャネル分の励起光が出力される。
このようにすると、図25の符号C″に示すように、当該励起光源からの励起光量はゆるやかに減少するとともに、主励起光源20からは当該励起光源から出力される励起光量を考慮した量の励起光が出力される。
その後、減少後の当該信号光のチャネル数に応じた量の励起光(4チャネル分の励起光)を出力すべく、主励起光源20から出力される励起光量が1チャネル分減るように制御される。従って、補助励起光源21からは4チャネル分の励起光が出力される。
さらに、前述したものと同様にして、2波分の制御ダイナミックレンジを確保することができるのは言うまでもない。
その他、上述した主励起光源20及び補助励起光源21(又は補助励起光源21′)としては、例えば4チャネル分の励起光を出力するものや12チャネル分の励起光を出力するものなど、8チャネル分以外の励起光を出力するものを用いることもできる。このときの主励起光源20及び補助励起光源21(又は補助励起光源21′)からの励起光の出力量の制御も、上述した第1,第2実施形態にて説明したものと同様に行なえばよい。
さらに、上述した補助励起光源を複数設けて、2つめの補助励起光源からの励起光の出力を制御する際に本発明を用いることもできる。
ところで、上述した各実施形態にかかる光増幅器10,50は、波長の異なる複数の光信号が入力される希土類元素が添加された増幅用光ファイバ(光増幅部17の構成要素)をそなえ、入力される光信号の数に応じて、増幅用光ファイバに励起光を供給する励起光源の数(補助励起光源21,21′の数)が増減可能に構成されることになる。
(4)入力信号光のパワーのモニタ結果に基づいて、入力信号光のチャネル数が所定のチャネル数より大きいか否かを判定する場合。
チャネル数を所定のチャネル数「8」をまたいで増加する場合(例えば、チャネル数を「4」から「12」にする場合等)に、補助励起光源21をONにする速さがチャネル数を切り換える速さより遅いときには、チャネル数を「4」から「8」、「8」から「9」、「9」から「12」の3段階で増やす必要があるのに対して、このようにすれば、補助励起光源21をONにする速さがチャネル数を切り換える際の入力信号光のパワーの変化より速ければ、チャネル数を「4」から「12」と一度に増やすことができる利点がある。
また、それ以外の点では、第1実施形態におけるものと同様である。
(5)信号光のチャネル数を監視信号に含まれるチャネル数変動予告信号に基づいて認識するとともに、チャネル数を増減する速さを、主励起光源20及び補助励起光源21の動作が十分に追従できる程度の速さにする場合。
(付記1) 入力信号光を増幅して出力する光増幅部と、該光増幅部に励起光を供給する複数の励起光源と、上記励起光源の動作を制御する励起光源制御部とをそなえ、
上記励起光源が、該励起光源制御部により該光増幅部に供給する励起光の出力量が制御される主励起光源と、該光増幅部に入力される信号光のチャネル数の増減に応じて該励起光源制御部により該光増幅部に供給する励起光の出力の有無が制御される補助励起光源とから構成され、
該励起光源制御部が、該光増幅部に入力される信号光のチャネル数が予め設定された所定のチャネル数以下であるときには該主励起光源が励起光を該光増幅部に供給するように制御する一方、当該信号光のチャネル数が該所定のチャネル数より大きいときには上記主励起光源及び補助励起光源が協働して励起光を該光増幅部に供給するように制御する制御部をそなえて構成されたことを
特徴とする、光増幅器。
上記励起光源が、該励起光源制御部により該光増幅部に供給する励起光の出力量が制御される主励起光源及び補助励起光源から構成され、
該励起光源制御部が、該光増幅部に入力される信号光のチャネル数が予め設定された所定のチャネル数以下であるときには該主励起光源が励起光を該光増幅部に供給するように制御する一方、当該信号光のチャネル数が該所定のチャネル数より大きいときには上記主励起光源及び補助励起光源が協働して励起光を該光増幅部に供給するように制御する制御部をそなえて構成されたことを
特徴とする、光増幅器。
(付記5) 該補助励起光源の配設位置近傍の温度を制御する温度制御部をそなえたことを特徴とする、付記1又は付記2に記載の光増幅器。
(付記6) 該所定のチャネル数が、該主励起光源が供給を予定する最大励起光量に応じたチャネル数であることを特徴とする、付記1又は付記2に記載の光増幅器。
(付記8) 該励起光源制御部が、該主励起光源の動作状態に関する情報に基づいて、該光増幅部に入力される信号光のチャネル数が予め設定された所定のチャネル数より大きいか否かを判定するように構成されたことを特徴とする、付記1又は付記2に記載の光増幅器。
(付記10) 該主励起光源の動作状態に関する情報として、該主励起光源からのもれ光量に関する情報が用いられることを特徴とする、付記8記載の光増幅器。
(付記11) 該主励起光源の動作状態に関する情報として、該主励起光源から分岐された励起光量に関する情報が用いられることを特徴とする、付記8記載の光増幅器。
(付記13) 該励起光源制御部により該補助励起光源の励起光の出力が制御されるときに、該切換部が、該光増幅部に施される制御を利得一定制御からレベル一定制御に切り換えることを特徴とする、付記12記載の光増幅器。
該光増幅器の出力側端部が開放されたことを認識したときには、該光増幅部の出力信号光のレベルを所定値以下に低減すべく、上記主励起光源及び補助励起光源から供給される励起光量を調節するとともに、
該出力側端部が接続されたことを認識したときには、該光増幅部の出力信号光のレベルを正常値に設定すべく、上記補助励起光源の励起光出力状態を維持したまま、該主励起光源から供給される励起光量を調整するように構成されたことを特徴とする、付記1又は付記2に記載の光増幅器。
制御される補助励起光源とから構成されてなる光増幅器において、
該光増幅部に入力される信号光のチャネル数に応じた量の励起光を該主励起光源が出力している状態のときに、
該光増幅部に入力される信号光のチャネル数が予め設定された所定のチャネル数より大きくなったときに、当該信号光のチャネル数に応じた量の励起光を出力するように該主励起光源を制御し、
その後、該補助励起光源が励起光を出力するように制御して該補助励起光源から出力される励起光量を増加させるとともに、該主励起光源と該補助励起光源とから出力される励起光量を当該チャネル数に応じた量となるように制御することを
特徴とする、光増幅器における励起光源制御方法。
該光増幅部に入力される信号光のチャネル数が予め設定された所定のチャネル数より大きくなったときに、当該信号光のチャネル数に応じた量の励起光を出力するように該主励起光源を制御し、
その後、該補助励起光源が励起光を出力するように制御するとともに、該主励起光源と該補助励起光源とから出力される励起光量を当該チャネル数に応じた量になるように制御することを
特徴とする、光増幅器における励起光源制御方法。
上記主励起光源及び補助励起光源が協働して該光増幅部に入力される信号光のチャネル数に応じた量の励起光を出力している状態のときに、
該光増幅部に入力される信号光のチャネル数が予め設定された所定のチャネル数以下となったときに、該補助励起光源からの励起光の出力を停止させ、
その後、該主励起光源が減少後の当該信号光のチャネル数に応じた量の励起光を出力するように制御することを
特徴とする、光増幅器における励起光源制御方法。
その後、該主励起光源が減少後の当該信号光のチャネル数に応じた量の励起光を出力するように制御することを
特徴とする、光増幅器における励起光源制御方法。
(付記20) 該光増幅部に施す制御をレベル一定制御と利得一定制御との間で切り換えるための待ち時間であって、当該信号光のチャネル数の切り換えを受け付けないガードタイムが設けられたことを特徴とする、付記15〜付記18のいずれか1項に記載の光増幅器における励起光源制御方法。
入力される光信号の数に応じて、該増幅用光ファイバに励起光を供給する励起光源の数が増減可能に構成されたことを特徴とする、光増幅器。
(付記22) 波長の異なる複数の光信号の数を識別し、 識別した光信号の数に応じて、複数の光信号が入力される増幅用光ファイバに励起光を供給する励起光源の数を変化させることを特徴とする、光増幅器の制御方法。
Claims (2)
- 波長の異なる複数チャネルの光信号が入力される増幅用光ファイバと、
該増幅用光ファイバに励起光を供給する主励起光源とをそなえ、
入力される光信号のチャネル数に応じて、該増幅用光ファイバに励起光を供給する補助励起光源が増設可能に構成され、
該光信号のチャネル数が所定のチャネル数より大きいときは、該光信号のチャネル数に応じて増設された該補助励起光源の出力をオン状態に制御するとともに該主励起光源の励起光の出力を該補助励起光源の出力に基づいて制御するように構成されたことを特徴とする、光増幅器。 - 波長の異なる複数チャネルの光信号が入力される増幅用光ファイバと、該増幅用光ファイバに励起光を供給する主励起光源とをそなえ、入力される光信号のチャネル数に応じて、該増幅用光ファイバに励起光を供給する補助励起光源が増設可能に構成された光増幅器の制御方法であって、
該光信号のチャネル数が所定のチャネル数より大きいときは、該光信号のチャネル数に応じて増設された該補助励起光源の出力をオン状態に制御するとともに該主励起光源の励起光の出力を該補助励起光源の出力に基づいて制御することを特徴とする、光増幅器の制御方法。
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